JP6765473B2 - オルメサルタンのプロドラッグ製剤 - Google Patents

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本発明は、オルメサルタンをエステル化してプロドラッグとした薬物の保存安定性が向上された製剤に関する。
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル 4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−2−プロピル−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート ((5-Methyl-2-oxo-1,3-dioxol-4-yl)methyl 4-(1-hydroxy-1-methylethyl)-2-propyl-1-{[2'-(1H -tetrazol-5-yl)biphenyl-4-yl]methyl}-1H -imidazole-5-carboxylate IUPAC)は、オルメサルタンメドキソミル(Olmesartan Medoxomil)として知られ、アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有し、高血圧症治療剤として5mg錠、10mg錠、20mg錠及び40mg錠が本邦をはじめとして、世界中で広く使用されている。(非特許文献1)また、オルメサルタンメドキソミルとアゼルニジピン、アムロジピンベシル酸又はヒドロクロロチアジドとの配合錠も知られている。(特許文献1)
特公平7−121918(特許文献2)及び特許第3521304号(特許文献3)には、オルメサルタンメドキソミルの合成法が記載されている。
現在、市販されているオルメサルタンメドキソミル製剤、例えばオルメテック(登録商標)錠10mgの医薬品インタビューフォーム(非特許文献1)には、保存安定性試験(苛酷試験)において、温度、湿度の上昇に伴い、オルメサルタンメドキソミル含量の低下、着色、類縁物質の増加、溶出率が低下する旨の記載がある。
またオルメサルタンメドキソミル製剤は保存中オルメサルタンメドキソミルのエステル結合が解離し、ジアセチルが生成され、不快な臭いを発することが、報告されている。
そして、オルメサルタンメドキソミル原薬を口に含んだ場合、サンマのはらわたと渋柿を混ぜたような苦味と、腐った魚のような臭いがあり、しかも、口全体に1時間以上まとわりつく苦味と腐臭があると感じる者もいる。
またメトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤とオルメサルタンメドキソミル製剤を一包化し、高温多湿下で保存した場合、メトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤のグアニジノ基とオルメサルタンメドキソミル製剤のにおいの元であるジアセチルが反応して、メトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤が配合変化を起こし紅色に変色することが報告されている。
製剤の保存安定性向上を目的として、特許文献4には、90%粒子径が140μm以下のオルメサルタンメドキソミルを乳糖、微結晶セルロース、L−HPCと混合した後、これにステアリン酸を添加・混合した後、打錠し(直接粉末圧縮法:直打法)、更にコーティングを施した錠剤が、ステアリン酸に代え、ステアリン酸マグネシウムを用い同様にして製造した錠剤及び市販のBenicar(登録商標)に比べ、40℃75%シャーレ開放下1ヶ月の保存安定性試験において、分解物であるオルメサルタン量及び類縁物質の全量の増加を抑制した旨、報告している。
特許文献5は、前記特許文献4記載の製剤において、滑沢剤のステアリン酸の使用は、安定性の結果は適当だが、工業規模で流動性を有さないとし、これに対し滑沢剤のステアリン酸カルシウム、亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウムは、安定性の結果は適当であり、工業規模で流動性を有する旨、報告している。
特許文献6には、シクロデキストリンを添加剤として配合する製剤が、分解物から発生する不快臭を低減できることを報告している。
特許文献7には、ポリエチレングリコール6000を安定化剤として配合する製剤が、安定で、優れた溶出性を示すことを報告している。
また、特許文献8には、有効成分がオルメサルタンメドキソミル及びアムロジピンベシル酸である配合錠で、酸性物質を添加することで溶出が改善された旨の報告があるが、この文献には具体的に酸性物質としてステアリン酸を使用した錠剤の記載はなく、また安定性に与える影響の記載もない。
一方、特許文献9には90%粒子径が250μm以下のオルメサルタンメドキソミルが開示されており、特許文献10には、溶出がコントロールされたオルメサルタンメドキソミル含有製剤として、90%粒子径が75μm以下、好ましくは66μm以下、最も好ましくは57μm以下のオルメサルタンメドキソミル含有製剤が報告されている。
更に特許文献11には、90%粒子径が116μm、67μm、22μm及び6μmのオルメサルタンメドキソミルを含有するフィルムコート錠を用いた溶出試験結果から、オルメサルタンメドキソミルの粒子径の減少に従い、溶出量が増加する旨を記載し、微粉化した(micronized)オルメサルタンメドキソミルが、90%粒子径が1〜50μm、特に2〜25μm、最も特に4〜10μmのオルメサルタンメドキソミルを含有する製剤を報告している。
なお、粒子径について、前記特許文献4には、90%粒子径が140〜100μmのオルメサルタンメドキソミルの溶出が好ましく、10μmでは効果を有しない旨の記載がある。
特許第3874419号 特公平7−121918 特許第3521304号 欧州特許第1891952号 特表2012−513978 WO 2010/18777 WO 2011/83112 特表2008−543728 WO 2007/47838 WO 2008/117707 WO 2011/045760
2014年6月改定 オルメテック(登録商標)錠5mg、10mg、20mg、40mgの医薬品インタビューフォーム
オルメサルタンメドキソミルは、保存中に分解され、オルメサルタンと臭いの原因物質とされているジアセチルを生じることが知られている。
即ち、本発明の目的は、保存時にオルメサルタン等の類縁物質の生成が抑制され、保存安定性が向上されたオルメサルタンメドキソミル製剤及びその製造方法を提供することにある。
また、オルメサルタンメドキソミルの粒子径が大きくなると溶出が遅くなり、一方、粒子径が小さくなると、オルメサルタンメドキソミル原薬の粉砕が困難となり、またオルメサルタンメドキソミル製剤の製造時において、オルメサルタンメドキソミルが製造中に飛散しやすくなることから、製造上の困難性もなく、迅速な溶出性を有するオルメサルタンメドキソミル製剤を提供することが求められている。
即ち、本発明の目的は、製造上の困難性もなく、すぐれた溶出性を有するオルメサルタンメドキソミル製剤を提供することにある。
本発明者らは、オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が10〜50μmである、オルメサルタンメドキソミル、賦形剤及び高級脂肪酸を含有してなる造粒物を打錠して得られる錠剤が、優れた保存安定性及びすぐれた溶出性を有することを見いだし、本発明を完成した。
即ち、本発明は、オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が10〜50μmである、オルメサルタンメドキソミル、賦形剤及び高級脂肪酸を含有してなる造粒物に関する。
また、本発明は、(a)90%粒子径が10〜50μmであるオルメサルタンメドキソミル、(b)賦形剤、(c)結合剤、(d)崩壊剤、(e)ステアリン酸及び(f)滑沢剤(ステアリン酸を除く)を含有してなる錠剤に関する。
また、本発明は(a)90%粒子径が10〜50μmであるオルメサルタンメドキソミル、(b)賦形剤、(c)結合剤、(d)崩壊剤及び(e)ステアリン酸を混合した後、湿式造粒し、次いで得られた造粒物に、(f)滑沢剤(ステアリン酸を除く)を加え、混合した後、打錠することを特徴とするオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する錠剤の製法及び該製法により得られた錠剤に関する。
また、本発明は、(a)90%粒子径が10〜50μmであるオルメサルタンメドキソミル、(b−1)賦形剤、(c)結合剤、(d)崩壊剤、及び(e)ステアリン酸を混合した後、湿式造粒し、次いで得られた造粒物にさらに(b−2)賦形剤を加え、混合した後、(f)滑沢剤(ステアリン酸を除く)を加え、混合した後、打錠することを特徴とするオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する錠剤の製法及び該製法により得られた錠剤に関する。
さらにまた本発明は、オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が10〜50μmである、オルメサルタンメドキソミルと賦形剤を含有する混合物を湿式造粒することで得られた顆粒を打錠してなる錠剤に関する。
オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が10〜50μmである、オルメサルタンメドキソミル、賦形剤及び高級脂肪酸を含有してなる造粒物を打錠して得られる本発明の錠剤は、加温加湿下において保存した場合、オルメサルタンメドキソミルの加水分解が抑制されることで臭いの原因物質であるジアセチルの発生を減少でき、またオルメサルタン等の類縁物質の生成も抑制できる優れた保存安定性を有し、また優れた溶出性を有している。
また、オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が10〜50μmである、オルメサルタンメドキソミルと賦形剤を含有する混合物を湿式造粒することで得られた顆粒を打錠してなる錠剤は、優れた溶出性を有する。
図1は比較実験1の試験結果を示す図である。 図2は比較実験2の試験結果を示す図である。 図3は比較実験3における、50℃乾燥剤なしのオルメサルタン量に関する試験結果を示す図である。 図4は比較実験3における、50℃乾燥剤なしの総類縁物質量に関する試験結果を示す図である。 図5は比較実験3における、40℃75%Openのオルメサルタン量に関する試験結果を示す図である。 図6は比較実験3における、40℃75%Openの総類縁物質量に関する試験結果を示す図である。 図7は比較実験3における、通常包装のオルメサルタン量に関する試験結果を示す図である。 図8は比較実験3における、通常包装の総類縁物質量に関する試験結果を示す図である。 図9は比較実験4におけるpH1.2の溶出試験結果を示す図である。 図10は比較実験4におけるpH6.5の溶出試験結果を示す図である。 図11は比較実験4におけるpH6.8の溶出試験結果を示す図である。 図12は比較実験4における水の溶出試験結果を示す図である。 図13は比較実験5における、50℃乾燥剤なしのオルメサルタン量に関する試験結果を示す図である。 図14は比較実験5における、50℃乾燥剤なしの総類縁物質量に関する試験結果を示す図である。 図15は比較実験5における、40℃75%Openのオルメサルタン量に関する試験結果を示す図である。 図16は比較実験5における、40℃75%Openの総類縁物質量に関する試験結果を示す図である。 図17は比較実験6における、60℃乾燥剤なしのオルメサルタン量に関する試験結果を示す図である。 図18は比較実験6における、60℃乾燥剤なしの総類縁物質量に関する試験結果を示す図である。 図19は比較実験6における、40℃75%Openのオルメサルタン量に関する試験結果を示す図である。 図20は比較実験6における、40℃75%Openの総類縁物質量に関する試験結果を示す図である。 図21は比較実験7における、60℃乾燥剤なしのオルメサルタン量に関する試験結果を示す図である。 図22は比較実験7における、60℃乾燥剤なしの総類縁物質量に関する試験結果を示す図である。 図23は比較実験7における、40℃75%Openのオルメサルタン量に関する試験結果を示す図である。 図24は比較実験7における、40℃75%Openの総類縁物質量に関する試験結果を示す図である。 図25は比較実験8の溶出試験結果を示す図である。
本発明を更に詳細に説明する。

本発明は、
(1)オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が10〜50μmである、オルメサルタンメドキソミル、賦形剤及び高級脂肪酸を含有してなる造粒物に関する。
(2)賦形剤が乳糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、結晶セルロースから選択される上記(1)記載の造粒物に関する。
(3)
高級脂肪酸がステアリン酸である上記(1)又は(2)記載の造粒物に関する。
(4)
湿式造粒法により得られた上記(1)〜(3)記載の造粒物に関する。
(5)
上記(1)〜(4)記載の造粒物を含有する顆粒剤に関する。
(6)
上記(1)〜(4)記載の造粒物を含有するカプセル剤に関する。
(7)
上記(1)〜(4)記載の造粒物を打錠してなる錠剤に関する。
(8)
フィルムコーティングが施されている上記(7)記載の錠剤に関する。
(9)
ステアリン酸の含有量が、製剤中、0.1〜5%である上記(5)〜(8)の何れか1項記載の製剤に関する。
(10)
ステアリン酸の含有量が、製剤中、0.3〜2%である上記(5)〜(8)の何れか1項記載の製剤に関する。
(11)
有効成分としてオルメサルタンメドキソミル以外にカルシウム拮抗剤及び/又は利尿剤を含有していても良い上記(5)〜(10)の何れか1項記載の製剤に関する。
(12)
(a)90%粒子径が10〜50μmであるオルメサルタンメドキソミル、
(b)賦形剤、
(c)結合剤、
(d)崩壊剤、
(e)ステアリン酸及び
(f)滑沢剤(ステアリン酸を除く)
を含有してなる錠剤に関する。
(13)
賦形剤が乳糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、結晶セルロースから選択される上記(12)記載の錠剤に関する。
(14)
賦形剤が乳糖及び結晶セルロースである上記(12)記載の錠剤に関する。
(15)
結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール及びコポリビドンから選択される上記(12)〜(14)の何れか1項記載の錠剤に関する。
(16)
結合剤がヒドロキシプロピルセルロースである上記(12)〜(14)の何れか1項記載の錠剤に関する。
(17)
崩壊剤が低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムから選択される上記(12)〜(16)の何れか1項記載の錠剤に関する。
(18)
崩壊剤が低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである上記(12)〜(16)の何れか1項記載の錠剤に関する。
(19)
ステアリン酸の含有量が、製剤中、0.1〜5%である上記(12)〜(18)の何れか1項記載の製剤に関する。
(20)
ステアリン酸の含有量が、製剤中、0.3〜2%である上記(12)〜(18)の何れか1項記載の製剤に関する。
(21)
滑沢剤(ステアリン酸を除く)がステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、タルクから選択される上記(12)〜(20)の何れか1項記載の錠剤。
(22)
滑沢剤(ステアリン酸を除く)がステアリン酸マグネシウムである上記(12)〜(20)の何れか1項記載の錠剤に関する。
(23)
フィルムコーティングが施されている上記(12)〜(22)の何れか1項記載の錠剤に関する。
(24)
有効成分としてオルメサルタンメドキソミル以外にカルシウム拮抗剤及び/又は利尿剤を含有していても良い上記(12)〜(23)の何れか1項記載の錠剤に関する。
(25)
(a)90%粒子径が10〜50μmであるオルメサルタンメドキソミル、(b)賦形剤、(c)結合剤、(d)崩壊剤及び(e)ステアリン酸を混合した後、湿式造粒し、次いで得られた造粒物に、(f)滑沢剤(ステアリン酸を除く)を加え、混合した後、打錠することを特徴とするオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する錠剤の製法に関する。
(26)
(a)90%粒子径が10〜50μmであるオルメサルタンメドキソミル、(b−1)賦形剤、(c)結合剤、(d)崩壊剤、及び(e)ステアリン酸を混合した後、湿式造粒し、次いで得られた造粒物にさらに(b−2)賦形剤を加え、混合した後、(f)滑沢剤(ステアリン酸を除く)を加え、混合した後、打錠することを特徴とするオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する錠剤の製法に関する。
(27)
フィルムコーティング工程が追加されている上記(25)又は(26)記載の錠剤の製法に関する。
(28)
ステアリン酸の含有量が、製剤中、0.1〜5%である上記(25)〜(27)記載の錠剤の製法に関する。
(29)
ステアリン酸の含有量が、製剤中、0.3〜2%である上記(25)〜(27)記載の錠剤の製法に関する。
(30)
有効成分としてオルメサルタンメドキソミル以外にカルシウム拮抗剤及び/又は利尿剤を含有していても良い上記(25)〜(29)記載の錠剤の製法に関する。
(31)
(a)90%粒子径が10〜50μmであるオルメサルタンメドキソミル、(b)賦形剤、(c)結合剤、(d)崩壊剤及び(e)ステアリン酸を混合した後、湿式造粒し、次いで得られた造粒物に(f)滑沢剤(ステアリン酸を除く)を加え、混合した後、打錠することにより得られたオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する錠剤に関する。
(32)
(a)90%粒子径が10〜50μmであるオルメサルタンメドキソミル、(b−1)賦形剤、(c)結合剤、(d)崩壊剤、及び(e)ステアリン酸を混合した後、湿式造粒し、次いで得られた造粒物にさらに(b−2)賦形剤を加え、混合した後、(f)滑沢剤(ステアリン酸を除く)を加え、混合した後、打錠することにより得られたオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する錠剤に関する。
(33)
フィルムコーティングが施されている上記(31)又は(32)記載の錠剤に関する。
(34)
ステアリン酸の含有量が、製剤中、0.1〜5%である上記(31)〜(33)記載の錠剤に関する。
(35)
ステアリン酸の含有量が、製剤中、0.3〜2%である上記(31)〜(33)記載の錠剤に関する。
(36)
有効成分としてオルメサルタンメドキソミル以外にカルシウム拮抗剤及び/又は利尿剤を含有していても良い上記(31)〜(35)の何れか1項記載の錠剤に関する。
(37)
オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が10〜50μmである、オルメサルタンメドキソミルと賦形剤を含有する混合物を湿式造粒することで得られた顆粒を打錠してなる錠剤に関する。
(38)
オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が12〜45μmである、オルメサルタンメドキソミルと賦形剤を含有する混合物を湿式造粒することで得られた顆粒を打錠してなる錠剤に関する。
(39)
賦形剤が乳糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、結晶セルロースから選択される上記(37)又は(38)記載の錠剤に関する。
次に本発明の造粒物、これを用いて得られる本発明の顆粒剤、カプセル剤、錠剤、並びにその製造方法を以下に述べる。
先ず本発明の造粒物は、オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が10〜50μmである、オルメサルタンメドキソミル、賦形剤及び高級脂肪酸を含有してなる。
オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径は、5〜70μm、さらには1〜90μmの範囲にあるものも使用できるが、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは、12〜45μm、最も好ましくは15〜40μmである。
賦形剤としては、乳糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、結晶セルロースが挙げられる。
高級脂肪酸としては、ステアリン酸が挙げられる。
本発明の造粒物は、水を用いた湿式造粒法により得ることができる。
水は、オルメサルタンメドキソミルと添加剤からなる混合物に滴下、或いは噴霧しても良く、又は水中に結合剤を溶解または懸濁させて湿式造粒しても良い。

一般的な本発明の造粒物の製造法は以下のとおりである。
(1)オルメサルタンメドキソミル,賦形剤、崩壊剤、結合剤及びステアリン酸を撹拌造粒機に入れて混合する。
(2)次いで精製水を入れ、造粒する。
(3)乾燥を行う。
なお、崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられ、好ましくは、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。

上記の造粒物を用いて常法により顆粒剤を得ることができる。
上記の造粒物を用いて常法によりカプセル剤を得ることができる。
顆粒剤及びカプセル剤は、有効成分としてオルメサルタンメドキソミル以外にカルシウム拮抗剤及び/又は利尿剤を含有していても良く、かかるカルシウム拮抗剤及び/又は利尿剤としては、アゼルニジピン、アムロジピンベシル酸又はヒドロクロロチアジドが挙げられる。
本発明の錠剤の1錠重量は、オルメサルタンメドキソミル5mgの場合、60〜160mg、好ましくは、100〜140mgであり、オルメサルタンメドキソミル10mgの場合、80〜160mg、好ましくは100〜140mgであり、オルメサルタンメドキソミル20mgの場合、120〜240mg、好ましくは、140〜180mgであり、オルメサルタンメドキソミル40mgの場合、260〜420mg、好ましくは300〜340mgである。

オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径は、5〜70μm、さらには1〜90μmの範囲にあるものも使用できるが、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは、12〜45μm、最も好ましくは15〜40μmである。
本発明の造粒物の製造の際、湿式造粒は水を用いて行うことが好ましい。
水は、オルメサルタンメドキソミルと添加剤からなる混合物に滴下、或いは噴霧しても良く、又は水中に結合剤を溶解または懸濁させて湿式造粒しても良い。
本発明の錠剤の製造の際用いられる賦形剤としては、乳糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、結晶セルロース等が挙げられ、好ましくは、乳糖、結晶セルロースが挙げられる。
賦形剤の量は、60〜90重量%が好ましい。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられ、好ましくは、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
崩壊剤の量は1〜20重量%が好ましい。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール及びコポリビドン等が挙げられ、好ましくは、HPCが挙げられる。
結合剤の量は0.5〜5重量%が好ましい。
滑沢剤(ステアリン酸を除く)としては、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が挙げられ、好ましくはステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
滑沢剤(ステアリン酸を除く)の量は0.3〜3重量%が好ましい。
本発明の錠剤はコーティング剤で被覆されていても良く、使用されるコーティング剤としては、ヒプロメロース、メチルセルロース、HPC等が挙げられ、好ましくは、ヒプロメロース、HPCが挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄が挙げられる。
さらに、コーティング層にはタルク、マクロゴールを含有していても良い。
また、市販のOpady(登録商標)を使用しても良い。
さらに、本発明の錠剤は、口腔内崩壊錠であっても良い。
本発明の錠剤において、オルメサルタンメドキソミル以外にカルシウム拮抗剤及び/又は利尿剤を含有していても良く、かかるカルシウム拮抗剤及び/又は利尿剤としては、アゼルニジピン、アムロジピンベシル酸又はヒドロクロロチアジドが挙げられる。
本発明の錠剤の一般的な製法を次に示す。
(I法)
(1)オルメサルタンメドキソミル,賦形剤、崩壊剤、結合剤及びステアリン酸を撹拌造粒機に入れて混合する。
(2)次いで精製水を入れ、造粒し、整粒する。
(3)乾燥を行う。
(4)乾燥品を整粒機に入れ、整粒する。
(5)整粒品を混合機に入れ、これに賦形剤を入れ、混合する。
(6)さらにステアリン酸マグネシウムを入れて混合する。
(7)混合した顆粒を打錠機を用いて、打錠する。

(II法)
(1)オルメサルタンメドキソミル,賦形剤、崩壊剤、結合剤及びステアリン酸を撹拌造粒機に入れて混合する。
(2)次いで精製水を入れ、造粒し、整粒する。
(3)乾燥を行う。
(4)乾燥品を整粒機に入れ、整粒する。
(5)整粒品を混合機に入れ、ステアリン酸マグネシウムを入れて混合する。
(6)混合した顆粒を打錠機を用いて、打錠する。
次に本発明の錠剤に関し、ステアリン酸を含有しない錠剤との比較実験結果を示す。
比較実験1〜3,5〜7の加湿、加温条件下での保存安定性試験の結果(図1〜8,13〜24)から、ステアリン酸を添加することで、保存安定性が向上することが明らかになった。
また、比較実験4の溶出試験結果(図9〜12)からステアリン酸を添加することは溶出速度に影響はなかった。
特許文献4と本発明の錠剤の相違については、特許文献4は直打法で製造しており、ステアリン酸は滑沢剤としての使用に該当することから、ステアリン酸は工業規模で流動性を有さないとの問題点を有するが、本発明の錠剤は、オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が10〜50μmである、オルメサルタンメドキソミル、賦形剤及び高級脂肪酸を含有してなる造粒物を滑沢剤(ステアリン酸を除く)を用いて打錠してなるもの(湿式造粒法)であり、かかる問題は生じない。
次に比較実験8の溶出試験結果(図25)から、D90が105μmのオルメサルタンメドキソミルを用いた錠剤(比較例7)はpH6.8の試験液において、溶出が遅れることが明らかになった。一方、粒子径が小さくなると、オルメサルタンメドキソミル原薬の粉砕が困難となり、またオルメサルタンメドキソミル錠剤の製造時において、オルメサルタンメドキソミルが製造中に飛散しやすくなることから、製造上の困難性を生じるが、実施例1〜3,比較例1〜6で用いたオルメサルタンメドキソミルは、D90が30μmで、実施例4で用いたオルメサルタンメドキソミルはD90が20μmであり、製造上の困難性もなく、得られた錠剤は良好な溶出性を示した。

次に実施例、比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
1錠中、オルメサルタンメドキソミル20mg、ステアリン酸0.5%含有する錠剤

オルメサルタンメドキソミル、乳糖水和物、L−HPC、HPC及びステアリン酸を撹拌造粒機に入れて混合した。その後、精製水を入れて造粒し、整粒した。続いて乾燥を行った。
乾燥品を整粒機に入れ、スクリーン径φ1mmで整粒した。
整粒品をビニール袋に入れ、これに、結晶セルロースを入れ混合し、さらにステアリン酸マグネシウムを入れて混合した。
混合した顆粒をロータリー打錠機を用い、錠質量160mg、平均硬度30N以上、平均錠厚2.3〜2.7mmとなるように打錠した。
有効成分のオルメサルタンメドキソミル及び添加物の含有量は表1記載の通りである。
実施例2
1錠中、オルメサルタンメドキソミル20mg、ステアリン酸1%含有する錠剤

実施例1記載の製造方法と同様にして、表2の錠剤を得た。
比較例1
1錠中、オルメサルタンメドキソミル20mg含有し、ステアリン酸を含有しない錠剤

ステアリン酸を添加しないことを除いて、実施例1記載の製造方法と同様な方法により表3の錠剤を得た。
比較実験1(臭いの評価)
(試験方法)
ガスクロマトグラフィー用のバイアル(20mL)に、実施例1,2及び比較例1で得られた錠剤5錠入れ密栓後、50℃に1, 3週間保存した。その後、ヘッドスペースガスをガスクロマトグラフィーにインジェクトし、ジアセチルの濃度を測定した。
ガスクロマトグラフィーの測定条件を以下に示す。

ガスクロマトグラフィー測定条件
装置:ガスクロマトグラフ
検出器:水素炎イオン化検出器
分析カラム:INERTCAP624(ジーエルサイエンス、df=3.0μm、0.53mmI.D.×30m)
カラム温度:50℃
キャリアーガス:ヘリウム
流量:4.5ml/min.
注入口温度:200℃
検出器温度:230℃
注入量:Inject time[2min]

(試験結果)
図1に試験結果を示す。
ステアリン酸を添加することで、臭いの原因と考えられるジアセチルの生成量を減らすことができた。

比較実験2(吸湿の影響)
(試験方法)
実施例1,2及び比較例1で得られた錠剤をPTP包装した後、40℃75%条件下で4週間保存した。ガスクロマトグラフィー用のバイアル(20mL)に、錠剤を入れたままPTPをカットしたものを5ケ入れ密栓後、50℃に1, 3週間保存した。その後、ヘッドスペースガスをガスクロマトグラフィーにインジェクトし、ジアセチルの濃度を測定した。なお、ガスクロマトグラフィーの測定条件は比較実験1と同じ。
(試験結果)
図2に試験結果を示す。
ステアリン酸を添加することで、ジアセチルの生成を減らすことができ、吸湿の影響を抑えることができた。

比較実験3(純度試験)
(試験方法)
実施例1,2及び比較例1で得られた錠剤を下記のA,B,Cの条件で保存安定性試験を行い、オルメサルタン及び総類縁物質量をHPLCを用いて測定した。

A:50℃乾燥剤なし
錠剤を茶瓶入れ密栓し、50℃で2,4週間保存した。
B:40℃75%Open
錠剤を茶瓶に入れ開封したまま、40℃75%条件下で2,4週間保存した。
C:通常包装
錠剤をPTP包装した後、乾燥剤とともに、アルミピロー包装し、40℃75%条件下で、4,12週間保存した。

HPLC条件
錠剤を粉末とし、オルメサルタンメドキソミル20mgに対応する量をとり、アセトニトリル/水混液(9:1)20mLを加えて15分間超音波処理した後、遠心分離し、上澄液を孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液5mLを除き、次のろ液を試料溶液とする。この液1mLを正確に量り、アセトニトリル/水混液(9:1)を加えて正確に100mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。

試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:250nm)
カラム:内径4.6mm,長さ10cmのステンレス管に3.5μmの液体クロマトグラフィー用オクチルシリル化シリカゲルを充填する。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相A:リン酸二水素カリウム2.04gを水に溶かして1000mLとした液に、リン酸1.73gを水に溶かして1000mLとした液を加えてpH3.5に調整する。この液400mLにアセトニトリル100mLを加える。
移動相B:リン酸二水素カリウム2.04gを水に溶かして1000mLとした液に、リン酸1.73gを水に溶かして1000mLとした液を加えてpH3.5に調整する。この液100mLにアセトニトリル400mLを加える。
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
流量:毎分1.0mL
面積測定範囲:溶媒のピークの後から注入後45分まで

参考
オルメサルタンのオルメサルタンメドキソミルに対する相対保持時間;約0.2

(試験結果)
50℃乾燥剤なしの試験結果を図3(オルメサルタン量)及び図4(総類縁物質量)に示す。
40℃75%Openの試験結果を図5(オルメサルタン量)及び図6(総類縁物質量)に示す。
通常包装の試験結果を図7(オルメサルタン量)及び図8(総類縁物質量)に示す。
図3〜6から、50℃乾燥剤なし及び40℃75%Openの保存安定性試験においては、ステアリン酸を添加することで、安定性が向上することが明らかになった。
一方、図7及び8から、通常包装の保存安定性試験においても、ステアリン酸を添加することで、僅かながらも効果が見られた。

比較実験4(溶出試験)
(試験方法)
実施例1,2及び比較例1で得られた錠剤について、pH1.2,6.5,6.8及び水の各試験液を用いて溶出試験(パドル法50rpm)を行い、その結果を図9〜12に示す。
(試験結果)
図9〜12から、ステアリン酸を添加することで、溶出には影響を与えないことが明らかになった。

実施例3
1錠中、オルメサルタンメドキソミル20mg、ステアリン酸1%含有する錠剤

オルメサルタンメドキソミル、乳糖水和物、結晶セルロース、L−HPC、HPC及びステアリン酸を撹拌造粒機に入れて混合した。その後、精製水を入れて造粒し、整粒した。続いて乾燥を行った。
乾燥品を整粒機に入れ、スクリーン径φ1mmで整粒した。
整粒品をビニール袋に入れ、これにステアリン酸マグネシウムを入れて混合した。
混合した顆粒をロータリー打錠機を用い、錠質量160mg、平均硬度30N以上、平均錠厚2.3〜2.7mmとなるように打錠した。
有効成分のオルメサルタンメドキソミル及び添加物の含有量は表5記載の通りである。
比較実験5(純度試験)
(試験方法)
実施例3及び比較例1で得られた錠剤を下記のA,Bの条件で保存安定性試験を行い、オルメサルタン及び総類縁物質量をHPLCを用いて測定した。
HPLC条件は比較実験3記載の方法と同じ。

A:50℃乾燥剤なし
錠剤を茶瓶入れ密栓し、50℃で2週間保存した。
B:40℃75%Open
錠剤を茶瓶に入れ開封したまま、40℃75%条件下で2週間保存した。

(試験結果)
50℃乾燥剤なしの試験結果を図13(オルメサルタン量)及び図14(総類縁物質量)に示す。
40℃75%Openの試験結果を図15(オルメサルタン量)及び図16(総類縁物質量)に示す。
図13〜16から、50℃乾燥剤なし及び40℃75%Openの保存安定性試験においては、ステアリン酸を添加することで、安定性が向上することが明らかになった。

比較例2
1錠中、オルメサルタンメドキソミル20mg含有し、ステアリン酸を含有しない錠剤

オルメサルタンメドキソミル、乳糖水和物、L−HPC及びコポリビドンを撹拌造粒機に入れて混合した。その後、精製水を入れて造粒し、整粒した。続いて乾燥を行った。
乾燥品を整粒機に入れ、スクリーン径φ1mmで整粒した。
整粒品、結晶セルロースをビニール袋に入れ混合し、さらにステアリン酸マグネシウムを入れて混合した。
混合した顆粒をロータリー打錠機を用い、錠質量160mg、平均硬度30N以上、平均錠厚2.3〜2.7mmとなるように打錠した。
有効成分のオルメサルタンメドキソミル及び添加物の含有量は表6記載の通りである。
比較例3
1錠中、オルメサルタンメドキソミル20mg含有し、ステアリン酸を含有しない錠剤

オルメサルタンメドキソミル、D−マンニトール、L−HPC及びコポリビドンを撹拌造粒機に入れて混合した。その後、精製水を入れて造粒し、整粒した。続いて乾燥を行った。
乾燥品を整粒機に入れ、スクリーン径φ1mmで整粒した。
整粒品、結晶セルロースをビニール袋に入れ混合し、さらにステアリン酸マグネシウムを入れて混合した。
混合した顆粒をロータリー打錠機を用い、錠質量160mg、平均硬度30N以上、平均錠厚2.3〜2.7mmとなるように打錠した。
有効成分のオルメサルタンメドキソミル及び添加物の含有量は表7記載の通りである。

比較例4
1錠中、オルメサルタンメドキソミル20mg含有し、ステアリン酸を含有しない錠剤

オルメサルタンメドキソミル、乳糖水和物、L−HPC及びHPCを撹拌造粒機に入れて混合した。その後、精製水を入れて造粒し、整粒した。続いて乾燥を行った。
乾燥品を整粒機に入れ、スクリーン径φ1mmで整粒した。
整粒品、結晶セルロースをビニール袋に入れ混合し、さらにステアリン酸マグネシウムを入れて混合した。
混合した顆粒をロータリー打錠機を用い、錠質量160mg、平均硬度30N以上、平均錠厚2.3〜2.7mmとなるように打錠した。
有効成分のオルメサルタンメドキソミル及び添加物の含有量は表8記載の通りである。
比較実験6(純度試験)
(試験方法)
比較例2〜4で得られた錠剤を下記のA,Bの条件で保存安定性試験を行い、オルメサルタン及び総類縁物質量をHPLCを用いて測定した。
HPLC条件は比較実験3記載の方法と同じ。

A:60℃乾燥剤なし
錠剤を茶瓶入れ密栓し、60℃で2,4週間保存した。
B:40℃75%Open
錠剤を茶瓶に入れ開封したまま、40℃75%条件下で2,4週間保存した。

(試験結果)
60℃乾燥剤なしの試験結果を図17(オルメサルタン量)及び図18(総類縁物質量)に示す。
40℃75%Openの試験結果を図19(オルメサルタン量)及び図20(総類縁物質量)に示す。
図17〜20から、60℃乾燥剤なし及び40℃75%Openの保存安定性試験においては、ステアリン酸を添加していない比較例2〜4の錠剤は、経時的にオルメサルタン量及び総類縁物質量が増加した。
なお、比較例4の錠剤が比較的オルメサルタン量及び総類縁物質量の増加量が少なかった。

比較例5
1錠中、オルメサルタンメドキソミル20mg含有し、ステアリン酸を含有しない錠剤

オルメサルタンメドキソミル、乳糖水和物、L−HPC及びポリビニルアルコールを撹拌造粒機に入れて混合した。その後、精製水を入れて造粒し、整粒した。続いて乾燥を行った。
乾燥品を整粒機に入れ、スクリーン径φ1mmで整粒した。
整粒品をビニール袋に入れ、これに結晶セルロースを入れ混合し、さらにステアリン酸マグネシウムを入れて混合した。
混合した顆粒をロータリー打錠機を用い、錠質量160mg、平均硬度30N以上、平均錠厚2.3〜2.7mmとなるように打錠した。
有効成分のオルメサルタンメドキソミル及び添加物の含有量は表9記載の通りである。
比較例6
1錠中、オルメサルタンメドキソミル20mg含有し、ステアリン酸を含有しない錠剤

オルメサルタンメドキソミル、乳糖水和物、L−HPC及びHPCを撹拌造粒機に入れて混合した。その後、精製水を入れて造粒し、整粒した。続いて乾燥を行った。
乾燥品を整粒機に入れ、スクリーン径φ1mmで整粒する。
整粒品をビニール袋に入れ、これに結晶セルロースを入れ混合し、さらにステアリン酸マグネシウムを入れて混合した。
混合した顆粒をロータリー打錠機を用い、錠質量160mg、平均硬度30N以上、平均錠厚2.3〜2.7mmとなるように打錠した。
有効成分のオルメサルタンメドキソミル及び添加物の含有量は表10記載の通りである。
比較実験7(純度試験)
(試験方法)
比較例5及び6で得られた錠剤を下記のA,Bの条件で保存安定性試験を行い、オルメサルタン及び総類縁物質量をHPLCを用いて測定した。
HPLC条件は比較実験3記載の方法と同じ。

A:60℃乾燥剤なし
錠剤を茶瓶入れ密栓し、60℃で2,4週間保存した。
B:40℃75%Open
錠剤を茶瓶に入れ開封したまま、40℃75%条件下で2,4週間保存した。

(試験結果)
60℃乾燥剤なしの試験結果を図21(オルメサルタン量)及び図22(総類縁物質量)に示す。
40℃75%Openの試験結果を図23(オルメサルタン量)及び図24(総類縁物質量)に示す。
図21〜24から、60℃乾燥剤なし及び40℃75%Openの保存安定性試験においては、ステアリン酸を添加していない比較例5及び6の錠剤は、経時的にオルメサルタン量及び総類縁物質量が増加した。
なお、比較例6の錠剤が比較的オルメサルタン量及び総類縁物質量の増加量が少なかった。

実施例4
D90が20μmのオルメサルタンメドキソミル、乳糖水和物、結晶セルロース、L−HPC及びHPCを撹拌造粒機に入れて混合した。その後、精製水を入れて造粒し、整粒した。続いて乾燥を行った。
乾燥品を整粒機に入れ、スクリーン径φ1mmで整粒した。
整粒品をビニール袋に入れ、これにステアリン酸マグネシウムを入れて混合した。
混合した顆粒をロータリー打錠機を用い、錠質量160mg、平均硬度30N以上、平均錠厚2.3〜2.7mmとなるように打錠した。
有効成分のオルメサルタンメドキソミル及び添加物の含有量は表11記載の通りである。
比較例7
D90が105μmのオルメサルタンメドキソミルを用い、実施例4記載の方法で、錠剤を得た。
有効成分のオルメサルタンメドキソミル及び添加物の含有量は表12記載の通りである。
比較実験8(溶出試験)
(試験方法)
実施例4、比較例7で得られた錠剤及び市販のオルメテック(登録商標)錠20mgについて、pH6.8の試験液を用いて溶出試験(パドル法50rpm)を行い、その結果を図25に示す。
(試験結果)
図25から、D90が105μmのオルメサルタンメドキソミルを用いた錠剤はpH6.8の試験液において、溶出が遅れることが明らかになった。

実施例5
1錠中、オルメサルタンメドキソミル20mg、ステアリン酸1%含有する錠剤

オルメサルタンメドキソミル、乳糖水和物、L−HPC、HPC及びステアリン酸を撹拌造粒機に入れて混合する。その後、精製水を入れて造粒し、整粒する。続いて乾燥を行う。
乾燥品を整粒機に入れ、スクリーン径φ1mmで整粒する。
整粒品をビニール袋に入れ、これに、結晶セルロースを入れ混合し、さらにフマル酸ステアリルナトリウムを入れて混合する。
混合した顆粒をロータリー打錠機を用い、錠質量160mg、平均硬度30N以上、平均錠厚2.3〜2.7mmとなるように打錠する。
有効成分のオルメサルタンメドキソミル及び添加物の含有量は表13記載の通りである。
実施例6
実施例5でHPCに代え、ポリビニルアルコールを用い、実施例5記載の方法と同様な方法で下記の錠剤を得る。
実施例7
実施例5でHPCに代え、コポリビドンを用い、実施例5記載の方法と同様な方法で下記の錠剤を得る。
実施例8
実施例5で乳糖に代え、D−マンニトールを用い、実施例5記載の方法と同様な方法で下記の錠剤を得る。
図1〜2で、◆は実施例1記載の錠剤、■は実施例2記載の錠剤、▲は比較例1記載の錠剤を表す。
図1〜2の横軸は、保存期間を、縦軸はジアセチルの増加量(ppm)を表す。
図3〜8で、◆は実施例1記載の錠剤、■は実施例2記載の錠剤、▲は比較例1記載の錠剤を表す。
図3,5,7の横軸は、保存期間を、縦軸はオルメサルタン量(%)を表す。
図4,6,8の横軸は、保存期間を、縦軸は総類縁物質量(%)を表す。
図9〜12で、■は実施例2記載の錠剤、▲は比較例1記載の錠剤、●は市販のオルメテック(登録商標)錠20mgを表す。
図9〜12の横軸は時間を、縦軸は溶出率(%)を表す。
図13〜16で、■は実施例3記載の錠剤、▲は比較例1記載の錠剤を表す。
図13及び15の横軸は、保存期間を、縦軸はオルメサルタン量(%)を表す。
図14及び16の横軸は、保存期間を、縦軸は総類縁物質量(%)を表す。
図17〜20で、■は比較例2記載の錠剤、▲は比較例3記載の錠剤、◆は比較例4記載の錠剤を表す。
図17及び19の横軸は、保存期間を、縦軸はオルメサルタン量(%)を表す。
図18及び20の横軸は、保存期間を、縦軸は総類縁物質量(%)を表す。
図21〜24で、■は比較例5記載の錠剤、▲は比較例6記載の錠剤を表す。
図21及び23の横軸は、保存期間を、縦軸はオルメサルタン量(%)を表す。
図22及び24の横軸は、保存期間を、縦軸は総類縁物質量(%)を表す。
図25で、■は実施例4記載の錠剤、◆比較例7記載の錠剤を、●は、オルメテック(登録商標)錠20mg表す。
図25の横軸は時間を、縦軸は溶出率(%)を表す。

Claims (15)

  1. オルメサルタンメドキソミル、賦形剤及び高級脂肪酸であるステアリン酸を含造粒物と、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムを含有してなる錠剤
  2. 前記造粒物が湿式造粒物であることを特徴とする請求項1に記載の錠剤
  3. オルメサルタンメドキソミル、賦形剤、高級脂肪酸であるステアリン酸及びステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムを含有してなる錠剤。
  4. 請求項1又は3に記載のステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムが滑沢剤として用いられることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の錠剤。
  5. 前記オルメサルタンメドキソミルの90%粒子径が1〜90μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の錠剤。
  6. (a)90%粒子径が1〜90μmであるオルメサルタンメドキソミル、
    (b)賦形剤、
    (c)結合剤、
    (d)崩壊剤、
    (e)ステアリン酸及び
    (f)滑沢剤としてステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウム
    を含有してなる錠剤。
  7. 請求項6に記載の(a)90%粒子径が1〜90μmであるオルメサルタンメドキソミル、(b)賦形剤及び(e)ステアリン酸が、前記90%粒子径が1〜90μmであるオルメサルタンメドキソミル、前記賦形剤及び前記ステアリン酸を含む造粒物として構成されることを特徴とする請求項に記載の錠剤。
  8. 前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムであることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の錠剤。
  9. 前記ステアリン酸の含有量が、錠剤中、0.1〜5%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の錠剤。
  10. 前記ステアリン酸は、滑沢剤ではないことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の錠剤。
  11. (a)90%粒子径が1〜90μmであるオルメサルタンメドキソミル、(b)賦形剤、(c)結合剤、(d)崩壊剤及び(e)ステアリン酸を混合した後、湿式造粒し、次いで得られた造粒物に、(f)滑沢剤としてステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムを加え、混合した後、打錠することを特徴とするオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する錠剤の製法。
  12. (a)90%粒子径が1〜90μmであるオルメサルタンメドキソミル、(b−1)賦形剤、(c)結合剤、(d)崩壊剤、及び(e)ステアリン酸を混合した後、湿式造粒し、次いで得られた造粒物にさらに(b−2)賦形剤を加え、混合した後、(f)滑沢剤としてステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムを加え、混合した後、打錠することを特徴とするオルメサルタンメドキソミルを有効成分として含有する錠剤の製法。
  13. 前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムであることを特徴とする請求項11又は12に記載の錠剤の製法。
  14. 前記ステアリン酸の含有量が、錠剤中、0.1〜5%であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の錠剤の製法。
  15. 前記ステアリン酸は、滑沢剤ではないことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の錠剤の製法。
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