JP6320260B2 - 医薬組成物 - Google Patents

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本発明は、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬であるロスバスタチンを含有する医薬組成物に関する。
HMG−CoAレダクターゼ阻害薬は、一般的に、熱、水分及び酸に対して不安定である。これらは共通して、ヒドロキシ酸を有しており、酸性環境下では類縁物質であるラクトン体を生じ易いことで知られている。そのため、下記のような安定化技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、開環されたヒドロキシ酸構造を有するHMG−CoAレダクターゼ阻害薬を有効成分として含み、その水性分散液もしくは水溶液のpHが9未満であることを特徴とする医薬組成物に、安定化剤として塩基性アミノ酸を含有させることが開示されている。
特許文献2では、アトルバスタチンカルシウムと塩基性アミノ酸との混合物を胃溶性ポリマーで造粒してなる1次造粒物に、少なくとも賦形剤と崩壊剤を加えて造粒してなる2次造粒物が開示されている。
特許文献3では、有効成分としての(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸または薬学的に許容性のその塩およびその中でカチオンが多価である三塩基リン酸塩を含有する医薬組成物が開示されている。
特開2003−55217号公報 特許第5506415号 特許第3267960号
しかしながら、いずれの特許文献においても、製剤中のロスバスタチンの類縁物質の発生を抑制するためには、更なる改良が必要であった。本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ロスバスタチンの類縁物質の発生を抑制した医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討し、類縁物質を抑制し安定性が向上したロスバスタチンまたはその塩の医薬組成物の安定化剤として、塩基性アミノ酸が有用であることを見出した。
本発明の医薬組成物は、ロスバスタチンまたはその塩と、塩基性アミノ酸と、を含むことを特徴とする。
前記塩基性アミノ酸が、アルギニン、ヒスチジンまたはトリプトファンであることが好ましい。
前記ロスバスタチンまたはその塩の含有量が、前記塩基性アミノ酸に対して5〜200重量%であることが好ましい。
前記医薬組成物が錠剤であることが好ましい。
本発明によると、類縁物質を抑制したロスバスタチンまたはその塩を含有する医薬組成物を提供することができる。
本医薬組成物は、ロスバスタチンまたはその塩と、塩基性アミノ酸とを含有し、医薬品製造に一般的に用いられる他の添加剤を含むことができる。
ロスバスタチンカルシウム(モノカルシウム ビス((3R,5S,6E)−7−{4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メタンスルホニル(メチル)アミノ]ピリミジン−5−イル}−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エノエート))は、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬であり、高コレステロール血症または家族性高コレステロール血症の治療薬として使用されている。ロスバスタチンカルシウムは、白色の粉末であり、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル及びN,N−ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99%)及び水に溶けにくく、1−オクタノールに極めて溶けにくい性質を持つ。ロスバスタチンカルシウムは、従来公知の方法により製造してもよく、市販品を用いてもよい。
ロスバスタチンカルシウムは、結晶であっても、非晶質であってもよいが、非晶質であることが好ましい。ロスバスタチンカルシウム結晶は、A形と称される水和物結晶などが知られている(特許第4996786号参照)。
(ロスバスタチンカルシウムの含有量について)
医薬組成物の全重量に対するロスバスタチンカルシウムの含有量は、2重量%以上
20重量%以下であることが好ましく、3重量%以上15重量%以下であることがさ
らに好ましい。
(塩基性アミノ酸;安定化剤について)
本発明の医薬組成物は、塩基性アミノ酸を含有することが好ましい。塩基性アミノ酸は安定化剤として作用し、ロスバスタチンカルシウムからの類縁物質の生成を抑制し得る。基性アミノ酸は、α位のアミノ基のほかに、塩基性を示す残基をもつアミノ酸のことをいう。また、その水溶液又は分散液は塩基性を示し、例えば5%水溶液でpH>7を示すものをいう。本発明でいう塩基性アミノ酸はD体、L体およびDL体を含む。
塩基性アミノ酸としては、特に限定されるものではないが、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、リシン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、オキシプロリン等を用いることができ、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファンを用いることが好ましく、アルギニンを用いることがさらに好ましい。
類縁物質をさらに抑制するという観点から、ロスバスタチンまたはその塩の含有量が、塩基性アミノ酸に対して5重量%以上200重量%以下、さらに好ましくは15重量%以上180重量%以下となるように、塩基性アミノ酸を添加することが好ましい。塩基性アミノ酸の含有量が多いほど、製剤中のロスバスタチンまたはその塩の安定性が高まる(類縁物質の発生が抑制される)が、逆に、含有量が多すぎると、当該安定性を阻害するおそれがある。
表1は、ロスバスタチンカルシウムのみ、ロスバスタチンカルシウムとアルギニンとの混合物、ロスバスタチンカルシウムとヒスチジンとの混合物において、ロスバスタチンカルシウムの類縁物質の生成量と時間との関係を示す。各サンプルをガラス瓶に入れてプラスチックの蓋で密栓し、55℃、75%RH条件下で1週間、2週間又は1ヶ月間保存した後、下記測定方法を用いてロスバスタチンカルシウムの類縁物質の量を測定した。表1に示すように、アルギニンやヒスチジンなどの塩基性アミノ酸は、ロスバスタチンカルシウムの類縁物質の生成を抑制していることがわかった。
Figure 0006320260
(類縁物質の測定方法)
プラスチック蓋で密栓されガラス瓶に入ったロスバスタチンカルシウムと表1に記載されている各安定化剤との配合比率が1:5である混合物のうち、ロスバスタチン25mgに相当する量にアセトニトリルを加えて正確に25mLとした。この液のうち5mLを正確に量り、水を加えて正確に20mLとし、孔径0.45μm以下のメンブランフィルターで濾過し、濾液を試料溶液とした。
他方、定量用ロスバスタチンカルシウム約25mgを精密に量り、アセトニトリルに溶かし、正確に25mLとした。この液のうち5mLを正確に量り、水を加えて正確に20mLとした。この液1mLを正確に量り、水/アセトニトリル(3:1)を加えて正確に100mLとし、標準溶液とした。標準溶液のロスバスタチンの濃度は、試料溶液の1%濃度である。
ここでいう定量用ロスバスタチンカルシウムとは、USP Draft「Rosuvastatin calcium」に準じて定量するとき、換算した脱水物に対し,ロスバスタチン(C2227FNS)の含有率が99.5%以上であるものをいう。
得られた試料溶液及び標準溶液を各々10μL正確に量り、下記条件により液体クロマトグラフィーにより試験を行い、検出されたピーク面積を自動積算法により測定した。ロスバスタチンカルシウムの類縁物質の総量を、「新有効成分含有医薬品のうち丸薬の不純物に関するガイドラインの改正について」(平成14年12月16日 医薬審第1216001号)に従って、下記の式により算出した。
総類縁物質総量(%)=試料溶液のピークのうち、ロスバスタチン及び溶媒を除くピークであり、かつ、ピーク面積が0.05%以上であるピークの面積の和(総類縁物質量)÷標準溶液のロスバスタチンのピーク面積
(測定条件)
検出器: 紫外吸光光度計(測定波長 242nm)、(H−Classシステム waters社製)
カラム: 内径3.0mm、長さ15cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填
カラム温度 40℃付近の一定温度
移動相A: 1%トリフルオロ酢酸/水/アセトニトリル(1:70:29)
移動相B: 1%トリフルオロ酢酸/水/アセトニトリル(1:24:75)
流量: 0.75mL/min
なお、勾配スケジュールについては表2に示す。
Figure 0006320260
(その他の成分)
本発明の医薬組成物は、通常、医薬組成物に用いることができるその他の成分を目的に応じて特に制限はなく適宜選択することができ、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤などが挙げられる。
(賦形剤)
また、本発明の医薬組成物は、本発明の効果に影響を与えない範囲であれば、製剤分野において通常使用される賦形剤を添加することもできる。賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、D−マンニトール、白糖、麦芽糖(マルトース)、果糖、ブドウ糖、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース等の糖類等を用いることができる。これらの賦形剤は、単独で又は複数組み合わせて使用できる。
表3は、ロスバスタチンカルシウムのみ、ロスバスタチンカルシウムとD−マンニトールとの混合物(質量比率1:20)、ロスバスタチンカルシウムと乳糖水和物との混合物(質量比率1:20)を、各々ガラス瓶に入れて、プラスチックの蓋で密栓し、55℃、75%RH条件下で1週間、2週間又は1ヶ月間保存した後、ロスバスタチンカルシウムの類縁物質を測定した結果を示す。この測定方法は、上記表1に示した組成物の類縁物質の測定方法と同様である。
表3に示すように、ロスバスタチンカルシウムの類縁物質を抑制するという観点から、賦形剤としてD−マンニトールを用いることが好ましいことがわかる。さらに、同様の観点から、乳糖水和物を用いないか、またはその含有量が低いことが好ましいことがわかる。
Figure 0006320260
(賦形剤の含有量)
賦形剤の含有量は、医薬組成物の全重量に対して20重量%以上80重量%以下であることが好ましく、30重量%以上75重量%以下であることがさらに好ましい。また、賦形剤としてD−マンニトールを用いる場合は、D−マンニトールの含有量は、医薬組成物の全重量に対して30重量%以上75重量%以下であることが好ましく、35重量%以上70重量%以下であることがさらに好ましい。
(崩壊剤)
また、本発明の医薬組成物は、本発明の効果に影響を与えない範囲であれば、製剤分野において通常使用される崩壊剤を添加することもできる。崩壊剤として、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポピドン、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、グリコール酸ナトリウムデンプン、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
表4は、ロスバスタチンカルシウムのみ、ロスバスタチンカルシウムと低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとの混合物(質量比率1:10)、ロスバスタチンカルシウムと結晶セルロースとの混合物(質量比率1:10)、およびロスバスタチンカルシウムとクロスポピドンとの混合物(質量比率1:10)を、各々ガラス瓶に入れて、プラスチックの蓋で密栓し、55℃、75%RH条件下で1週間、2週間又は1ヶ月間保存した後、ロスバスタチンカルシウムの類縁物質を測定した結果を示す。この測定方法は、上記表1に示した組成物の類縁物質の測定方法と同様である。
表4に示すように、ロスバスタチンカルシウムの類縁物質を抑制するという観点から、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとクロスポピドンとを用いることが好ましいことが分かる。さらに、同様の観点から、結晶セルロースを用いないか、その含有量を少なくすることが好ましいことが分かる。
Figure 0006320260
崩壊剤の含有量は、医薬組成物の全重量に対して2量量%以上40重量%以下であることが好ましく、10重量%以上30重量%以下であることがさらに好ましい。
また、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いる場合は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含有量は、医薬組成物の全重量に対して、10重量%以上30重量%以下であることが好ましく、15重量%以上25重量%以下であることがさらに好ましい。
また、崩壊剤としてクロスポピドンを用いる場合は、クロスポピドンの含有量は、医薬組成物の全重量に対して、2重量%以上10重量%以下であることが好ましく、4重量%以上6重量%以下であることがさらに好ましい。
(滑沢剤)
また、本発明の医薬組成物は、本発明の効果に影響を与えない範囲であれば、製剤分野において通常使用される滑沢剤を添加することもできる。滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、タルク、カルナウバロウ、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ステアリルフマル酸ナトリウム等が挙げられる。
滑沢剤は、錠剤を作成するときの臼や杵に付着する粉を防止させる目的で配合されるが、滑沢効果が強すぎると、成形性が弱くなり、実用的な錠剤硬度を得るのに必要以上な圧力をかけなければならない。高い圧力で作製された錠剤は、錠剤の崩壊速度が遅延する傾向にあることから、できるだけ低い圧力で作製する必要がある。その点から、少量でも滑沢効果を得ることができるステアリン酸マグネシウムを用いることが好ましい。医薬組成物における滑沢剤の含有量は、約0.2−約3質量%の範囲でありうる。
(医薬組成物の剤形について)
本医薬組成物は、固形、半固形、液状、いずれの状態の製剤でもよい。より具体的には、錠剤、フィルムコート錠、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤等の経口投与剤であってもよいが、錠剤であるが好ましい。
本医薬組成物が錠剤である場合、錠剤はフィルムコート錠であってもよい。フィルムコーティング基剤としては、例えば、水溶性フィルムコーティング基剤等を挙げることができる。水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース若しくはカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー若しくはポリビニルピロリドンのような合成高分子;又はプルランのような多糖類等を挙げることができる。
上記コーティング基剤は、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。また、さらに必要に応じて着色剤、可塑剤等を含むことができる。
着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、酸化チタン、酸化鉄又は黄色5号アルミニウムレーキタルク等を挙げることができる。
可塑剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン及びソルビトール、グリセリントリアセテート、ラウリル酸、ショ糖、デキストロース、ソルビトール、トリアセチン、アセチルトリエチルチトレート等を挙げることができる。
(医薬組成物のpHについて)
本医薬組成物のpH値は、約150mgの医薬組成物を精製水3.3mLに懸濁し、5重量%に調整した懸濁液のpH値をpHメータ F−52(堀場製作所社製)を用いて測定した値であることを意味する。
本医薬組成物のpH値は、類縁物質を抑制し安定性が向上するという観点から、pH値が6以上12以下であることが好ましい。
(投与量)
本医薬組成物の投与量は、患者の重篤度、年齢にもよるが、成人1日あたりの投与量は、ロスバスタチンカルシウムが2.5mg〜20mgとなる量である。
(医薬組成物の製造方法)
本医薬組成物の製造方法は、発明の効果を阻害しない限り特に制限されない。以下において、錠剤からなる医薬組成物の製造例を示す。錠剤は、直接打錠法で製造されることができ、第一混合工程、第二混合工程、打錠工程を含み得る。「直接打錠法」とは、原料粉末を直接圧縮成形することにより製剤化する方法である。
ロスバスタチンカルシウムは水分に対して不安定であるため、水を用いない直接打錠法を用いることにより、ロスバスタチンカルシウムの類縁物質を抑制させることができ、安定性をより向上させることができる。また、L−アルギニンは水分を吸収しやすい性質を持つため、水を用いない直接打錠法を用いることにより、錠剤のひびや割れといった外観不良を抑制させることができる。
<第一混合工程>
第一混合工程は、ロスバスタチンカルシウムと安定化剤と賦形剤と崩壊剤とを混合して粉末混合物を得る工程である。混合の方法としては、ロスバスタチンカルシウムと安定化剤と賦形剤と崩壊剤とが混合される限り、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法を適宜選択することができ、例えば、タンブラー型混合機などが挙げられる。
<第二混合工程>
第二混合工程は、第一混合工程で得られた粉末混合物に、滑沢剤を添加して混合して混合粉末を得る工程である。混合の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法を適宜選択することができ、例えば、タンブラー型混合機などが挙げられる。
<打錠工程>
打錠工程は、第二混合工程で得られた混合粉末を充填して圧縮成形して医薬組成物を作製する工程である。打錠の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法を適宜選択することができ、例えば、ロータリー打錠機、油圧プレス機、単発打錠機などが挙げられる。
打錠の際の打錠圧は、特に制限されるものではなく、用いる装置、原理、大きさ、主薬の種類等によって適宜調節することができる。上述したような装置を用いる場合には、例えば、打錠圧は12kg/cm以上30kg/cm以下が好ましい。
打錠の際の温度は、本発明の効果が損なわれない特に制限されるものではない。本発明では、用いる糖類粒子が溶解又は溶融しない程度に設定することが好ましく、通常室温(例えば、20〜30℃程度)で行えば十分である。
打錠工程によって得られた医薬組成物をコーティングするために、コーティング工程を設けることもできる。コーティング工程は、打錠工程で得られた医薬組成物に対して少なくとも1層のフィルムコーティングを設ける工程である。コーティングの方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法を適宜選択することができ、例えば、フィルムコーティング装置を用いて行われる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
表5に示す通り、ロスバスタチンカルシウム5.20mgとL−アルギニン3.00mgと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース30.00mgとD−マンニトール102.50mgとクロスポピドン7.50mgとをタンブラー型混合機(昭和化学機械工作所社製)に入れ、10分混合した。その後、ステアリン酸マグネシウム1.80mgをタンブラー型混合機(昭和化学機械工作所製)に入れ、2分混合し、均質な粉末混合物を得た。
上記記載した方法によりpH値を測定したところ、pH9.82であった。
次いで、得られた粉末混合物を表1に示した処方にて、ロータリー打錠機(VIRGO24 菊水製作所社製)にて打錠圧14.3kg/cmにて打錠し、圧縮成形して、直径約7mm、厚さ約3.6mm、1錠あたりの重量150.00mgの錠剤(素錠)を直接打錠法にて作製した。
(実施例2)
表5に示す通り、L−アルギニン11.5mg、D−マンニトール94.0mgの添加量を変えた以外は、実施例1と同様にして錠剤を作製した。
(実施例3)
表5に示す通り、L−アルギニン22.5mg、D−マンニトール83.0mgの添加量を変えた以外は、実施例1と同様にして錠剤を作製した。
(実施例4)
表5に示す通り、L−アルギニン50.0mg、D−マンニトール55.5mgの添加量を変えた以外は、実施例1と同様にして錠剤を作製した。
(実施例5;フィルムコート錠)
表5に示す通り、実施例5の錠剤は、実施例1の錠剤(素錠)にフィルムコートを有する点で実施例1とは異なる。
なお、実施例5の錠剤は、表5に示す通り、実施例1の組成に加え、フィルムコート成分として、ヒプロメロース、濃グリセリン、酸化チタン、黄色三二酸化鉄をさらに含む。
(比較例1;L−アルギニンの添加なし)
表5に示す通り、実施例1の錠剤でL−アルギニンを添加せず、D−マンニトールを105.50mg添加した以外は、実施例1と同様にして錠剤を作製した。
(比較例2;第三リン酸カルシウム)
表5に示す通り、実施例1の錠剤でL−アルギニン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、D−マンニトールを添加せず、その代わりに第三リン酸カルシウムを11.50mg、結晶セルロース30.0mg、乳糖水和物94.0mgを添加した以外は、実施例1と同様にして錠剤を作製した。
(比較例3;クレストール(登録商標)錠)
比較例3のロスバスタチンカルシウムを含有する錠剤は、ロスバスタチンカルシウムを主薬とする先発製剤である市販の「クレストール(登録商標)錠5mg」(アストラゼネカ株式会社製)である。「クレストール(登録商標)錠5mg」は、素錠の成分組成が異なることに加え、フィルムコートを有する錠剤である点で実施例1〜4と比較例1及び2とは異なる。なお、比較例3の錠剤は、表5に示す通り、比較例2の組成に加え、フィルムコート成分として、ヒプロメロース、トリアセチン、酸化チタン、三二酸化鉄をさらに含む。
Figure 0006320260
<評価>
各実施例及び比較例で作製した錠剤の安定性を、以下のように評価した。
作製した錠剤をポリエチレン瓶に入れてポリプロピレンキャップで密栓したもの(シリカゲル封入)を、55℃、75%RH条件下で2週間又は1ヶ月間保存した後、下記測定方法を用いてロスバスタチンカルシウムの類縁物質の総量の増加率を測定した。結果を表6に示す。
なお、類縁物質の総量の増加率は、(55℃、75%RH条件下で2週間又は1ヶ月間保存した後の類縁物質の総量)−(開始時の類縁物質の総量)で算出される。
Figure 0006320260
<<ロスバスタチンカルシウムの類縁物質の測定>>
得られた錠剤(1錠につきロスバスタチンカルシウムを5.2mg含有)を5錠(5.2(mg)×5(錠)=26.0mg)とり、水/アセトニトリル/メタノール混液(2:1:1)15mLを加えてよく振り混ぜ、水/アセトニトリル/メタノール混液(2:1:1)を加えて正確に25mLとした後、孔径0.45μm以下のメンブランフィルターで濾過し、濾液を試料溶液とした。
別に、定量用ロスバスタチンカルシウム約26mgを精密に量り、水/アセトニトリル/メタノール混液(2:1:1)を加えて正確に25mLとした。次いで、この液1mLを正確に量り、水/アセトニトリル/メタノール混液(2:1:1)を加えて正確に100mLとし、標準溶液とした。標準溶液のロスバスタチンカルシウムの濃度は、試料溶液の1%濃度である。ここでいう定量用ロスバスタチンカルシウムとは、USP Draft「Rosuvastatin calcium」に準じて定量するとき、換算した脱水物に対し,ロスバスタチン(C2227FNS)の含有率が99.5%以上であるものをいう。
得られた試料溶液及び標準溶液を各々10μL正確に量り、下記条件により液体クロマトグラフィーにより試験を行い、検出されたピーク面積を自動積算法により測定した。ただし、ロスバスタチンに対する相対保持時間約1.3のピーク面積は、自動積分法で求めた面積に感度係数2.1を乗じた値とする。
ロスバスタチンカルシウムの類縁物質の総量は、下記の式により算出した。
総類縁物質総量(%)=試料溶液のピークのうち、ロスバスタチン及び溶媒を除くピークであり、かつ、ピーク面積が0.01%以上であるピークの面積の和(総類縁物質量)÷標準溶液のロスバスタチンのピーク面積
試験条件
検出器: 紫外吸光光度計(測定波長 240nm)、(SPD−20A型 島津製作所社製)
カラム: 内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填
カラム温度 30℃付近の一定温度
移動相A: リン酸二水素ナトリウム二水和物7.80gを水1000mLに溶かし、リン酸を加えてpH2.0に調整
移動相B: アセトニトリル/メタノール混液(1:1)
流量: 1.2mL/min
なお、勾配スケジュールについては表7に示す。
Figure 0006320260
表6の結果から、L−アルギニンを含有している実施例1〜5の錠剤は、L−アルギニンを含有していない比較例1、L−アルギニンの代わりに第三リン酸カルシウムを含有している比較例2、及び「クレストール(登録商標)錠5mg」である比較例3のフィルムコート錠よりも、55℃、75%RH条件下で1ヶ月間保存後においても、類縁物質の総量の増加率が0.10%未満にまで減少されており、安定性に優れていることが分かった。
また、L−アルギニンを含有している実施例5のフィルムコート錠は、L−アルギニンの代わりに第三リン酸カルシウムを含有している比較例3のフィルムコート錠よりも、55℃、75%RH条件下で1ヶ月間保存後において、比較例3の約7分の1まで類縁物質の総量の増加率が減少されており、安定性に優れていることが分かった。
特に、実施例1〜3の錠剤は、類縁物質の総量の増加率が0.05%未満にまで減少されており、安定性がさらに優れていることが分かった。
なお、実施例1〜5と比較例1〜3で用いた各成分の具体的な内容は、表8に示す通りである。
Figure 0006320260

Claims (5)

  1. ロスバスタチンまたはその塩と、塩基性アミノ酸と、クロスポビドンまたは低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含む医薬組成物(但し、胃溶性ポリマーを含む場合を除く)。
  2. 前記塩基性アミノ酸が、アルギニン、ヒスチジンまたはトリプトファンである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記ロスバスタチンまたはその塩の含有量が、前記塩基性アミノ酸に対して5〜200重量%である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 前記医薬組成物が錠剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 前記医薬組成物は、マンニトールを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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