JP2021024820A - 光安定性が向上した、ダサチニブ無水物フィルムコーティング錠剤 - Google Patents

光安定性が向上した、ダサチニブ無水物フィルムコーティング錠剤 Download PDF

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Tatsuya Miake
達矢 三明
博 堀
Hiroshi Hori
博 堀
俊哉 谷口
Toshiya Taniguchi
俊哉 谷口
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Abstract

【課題】光による着色等を抑制する効果をもつ、ダサチニブ無水物を含有する錠剤を製造するための有用な技術的手段を提供すること。【解決手段】ダサチニブ無水物を含む素錠をフィルムコーティング層で覆ったフィルムコーティング錠であって、素錠100.0重量部に対してフィルムコーティング層が6.0重量部以上であるフィルムコーティング錠を提供する。フィルムコーティング層にヒプロメロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体から選ばれるコーティング剤を含むことが望ましい。【選択図】なし

Description

本発明は原薬としてダサチニブ無水物を含有する固形製剤に関するものである。
ダサチニブは、慢性骨髄性白血病や再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の治療に用いられる化合物である。ダサチニブを含有する薬剤は、世界各国で広く発売されている。(非特許文献1等参考)。
ダサチニブは現在、錠剤の形状で医療現場に提供されている。ダサチニブを含有する固形製剤の処方や製造方法については、下記の特許文献1、2等の文献で紹介されてはいるが、参考となる公知の知見が乏しいのが現状である。そこで本発明者は先行技術に対して、より高品質なダサチニブ無水物を含有する錠剤を製造するための新たな技術的手段の開発を目指した。
特許第5173797号 特開2019−094295
「スプリセル(登録商標)錠20mg、スプリセル(登録商標)錠50mg」医薬品インタビューフォーム 2018年1月改訂(第12版)
本発明は、光による着色等を抑制する効果をもつ、ダサチニブ無水物を含有する錠剤を製造するための有用な技術的手段を提供するものである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ダサチニブ無水物を含有する錠剤を特定のフィルムコーティング層で覆うことで、光に対する安定性を十分に改善することが可能であることを見出した。その知見に基づき、本発明者はさらに鋭意検討を重ねて下記の発明を完成させた。
すなわち本発明は、特定のフィルムコーティング層で覆われたダサチニブ無水物を含有するフィルムコーティング錠剤に関するものであり、その好ましい構成は下記(1)〜(14)によって記述されているものである。
(1)ダサチニブ無水物を含む素錠をフィルムコーティング層で覆ったフィルムコーティング錠であって、素錠100.0重量部に対してフィルムコーティング層が6.0重量部以上であるフィルムコーティング錠。
(2)ダサチニブ無水物を含む素錠をフィルムコーティング層で覆ったフィルムコーティング錠であって、素錠100.0重量部に対してフィルムコーティング層が9.0重量部以上であるフィルムコーティング錠。
(3)フィルムコーティング層にヒプロメロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体から選ばれるコーティング剤を含む、前記(1)又は(2)に記載のフィルムコーティング錠。
(4)ダサチニブ無水物を含む素錠をフィルムコーティング層で覆ったフィルムコーティング錠であって、20℃における2%水溶液の粘度が1.0〜3.5mpa・sとなるセルロース誘導体のコーティング剤、又はポリビニルアルコール系ポリマーのコーティング剤をフィルムコーティング層中に含むフィルムコーティング錠。
(5)前記セルロース誘導体がヒプロメロース、メチルセルロース及びエチルセルロースから選ばれる、前記(4)に記載のフィルムコーティング錠。
(6)前記ポリビニルアルコール系ポリマーがポリビニルアルコール又はポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体である、前記(4)に記載のフィルムコーティング錠。
(7)前記(4)〜(6)のいずれかに記載の、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルムコーティング錠。
(8)フィルムコーティング層100.0重量部に対してコーティング剤が40.0重量部以上含まれる、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のフィルムコーティング錠。
(9)フィルムコーティング層100.0重量部に対してコーティング剤が80.0重量部以上含まれる、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のフィルムコーティング錠。
(10)フィルムコーティング層中にタルクが含まれる、前記(1)〜(9)のいずれかに記載のフィルムコーティング錠。
(11)フィルムコーティング層中に酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄から選ばれる着色剤を含有しない、前記(1)〜(10)のいずれかに記載のフィルムコーティング錠。
(12)ダサチニブ無水物と結合剤又はコーティング剤を含む造粒物を錠剤中に含有する、前記(1)〜(11)のいずれかに記載の錠剤。
(13)ダサチニブ無水物を含む部分がコーティング剤で被覆された顆粒を錠剤中に含有する、前記(1)〜(12)のいずれかに記載の錠剤。
(14)ダサチニブ無水物の含有量が錠剤全重量に対して15.0〜30.0重量%である、前記(1)〜(13)のいずれかに記載の錠剤。
本発明は、光による着色等を抑制する効果をもつ、ダサチニブ無水物を含有する錠剤を製造するための有用な技術的手段を提供する。
以下で本発明の、ダサチニブ無水物を含有する固形製剤の処方及び製造方法、を詳細に説明する。但し以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明をこの記載範囲にのみ特別限定する趣旨ではない。
<固形製剤の形態>
本発明に係る固形製剤の剤形は、フィルムコーティング錠である。フィルムコーティング錠は、素錠(フィルムコーティング層や糖衣層等で覆われていない、打錠等により成形したままの錠剤を指す。以下同じ。)の周囲にフィルムコーティング層を施して製造することが可能である。また本発明に係る顆粒は、素錠中に含有させることが可能である。本発明に係る錠剤の形状として、円形錠{円形平錠(隅角錠等含む)、円形R錠(隅角錠、2段R錠等含む)等}や異形錠等が挙げられる。
<原薬の物性>
本発明の固形製剤の製造に使用されるダサチニブは無水物であり、結晶形態のものが好ましい。ダサチニブ無水物のメディアン径(d50)は好ましくは10.0〜60.0μmである。ダサチニブ無水物は、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。尚、上記粒子径はレーザー回析・散乱法によって測定(体積基準)することが可能である。ダサチニブは、素錠部分(望ましくは素錠に含有される顆粒内部)に含有され、素錠の全重量に対して好ましくは10.0〜50.0重量%、より好ましくは15.0〜30.0重量%の範囲で素錠中に含有される。ダサチニブは1錠中に20mg又は50mg含有されることが望ましい。
<湿式造粒>
本発明の固形製剤の製造方法は、結晶形態のダサチニブ無水物を用いて湿式造粒する工程を含むことが望ましい。湿式造粒の方法として流動層造粒法や攪拌造粒法が挙げられ、特に好ましくは流動層造粒法である。攪拌造粒では、ダサチニブ無水物を含む粉末(攪拌中)に対して結合剤を含有する造粒液(水溶液等)を滴下することが行われる。流動層造粒では、結晶形態のダサチニブ無水物を含む粉末(流動化中)に対して結合剤を含有する造粒液(水溶液等)を噴霧することが行われる。
湿式造粒を行なう際の造粒液は、有機溶媒を含むものであり、結合剤を有機溶媒からなる溶液に加えたものであることが望ましい。有機溶媒として、例えばアセトン、ジエチルエーテル、アルコール溶媒(メタノール、エタノール、ブタノール等)等が挙げられ、好ましくはアセトン、アルコール溶媒であり、より好ましくはエタノールである。
<素錠の製造に使用可能な医薬添加剤>
本発明の固形製剤に係る素錠の製造に用いられる、医薬的に許容可能な医薬添加剤としては、通常使用されている賦形剤、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、可塑剤、滑沢剤、矯味剤、界面活性剤、着色剤等が使用できる。尚、本明細書において、各種添加剤(賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)の語句の解釈は其々、製剤化において其の添加剤としての役割を発揮することが必須に期待されて使用されるもので結果的にも其の添加剤としての役割が発揮されたもの、と解することが好ましい。また当然であるが、本明細書における添加剤の語句の解釈において原薬が含まれることはない。
<賦形剤>
本発明に係る賦形剤として、例えば、乳糖(乳糖水和物、無水乳糖等)、マルトース、白糖、ショ糖、ブドウ糖、糖アルコール(D-マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトール等)、デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等)、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン等が挙げられるが、好ましくは乳糖水和物又は結晶セルロースであり、より好ましくは乳糖水和物及び結晶セルロースである。賦形剤は素錠の全重量に対して好ましくは40.0〜90.0重量%、より好ましくは50.0〜75.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
<崩壊剤>
本発明に係る崩壊剤は、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースカリウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプン、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等から選ばれ、好ましくはクロスカルメロースナトリウムである。崩壊剤は素錠の全重量に対して好ましくは1.0〜20.0重量%、より好ましくは2.0〜10.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
<結合剤>
本発明に係る結合剤は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポビドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRSを含む。)等から選ばれ、好ましくはアミノアルキルメタクリレートコポリマー又はヒドロキシプロピルセルロースであり、最も好ましくはアミノアルキルメタクリレートコポリマーである。尚、上記の結合剤は核粒子を被覆する目的でコーティング剤として使用することが可能である。結合剤及び当該コーティング剤は素錠の全重量に対して0.1〜20.0重量%、好ましくは2.0〜15.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
<流動化剤>
具体的な流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、脂肪酸エステル、含水二酸化ケイ素、硬化油等を挙げる事ができ、好ましくは軽質無水ケイ酸である。流動化剤は、素錠の全重量に対して好ましくは0.1〜3.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
<滑沢剤>
本発明に係る滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム等から選ばれ、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤は素錠の全重量に対して0.1〜3.0重量%の範囲で素錠中に含有されることが好ましい。
<顆粒の構成及び製造方法>
本発明に係る顆粒は素錠の全重量に対して好ましくは15.0〜80.0重量%、より好ましくは25.0〜40.0重量%の範囲で素錠中に含有される。ダサチニブ無水物は造粒物100.0重量部に対して好ましくは50.0〜85.0重量部の範囲で前記造粒物中に含有される。結合剤及びコーティング剤は造粒物100.0重量部に対して好ましくは15.0〜50.0重量部の範囲で前記造粒物中に含有される。本発明に係る顆粒は、ダサチニブ無水物又は其れを含む顆粒に対して結合剤又はコーティング剤を含む造粒液を噴霧して流動層造粒法によって製造することが望ましい。
<素錠の製造方法>
本発明に係る素錠は、一般的な製造方法によって作成することが可能であり、例えば以下の製造方法によって作成することが可能である。
まず、ダサチニブ無水物、賦形剤及び崩壊剤等の粉末を流動層造粒機に投入して流動化させ、これに結合剤を溶解した溶液(造粒液)を噴霧することで造粒物を製造する。当該造粒物は乾燥及び整粒された後、滑沢剤等と混合した後に打錠機によって圧縮成形して錠剤(素錠)とする。錠剤を圧縮成形する際の打圧は400〜1500kgfであることが好ましい。
<コーティング基材>
本発明の錠剤は、素錠表面にフィルムコーティング層を形成してフィルムコーティング錠剤とされることが望ましい。フィルムコーティング層には着色剤が含有されても良いが、着色剤を含有しなくても良い。使用可能な着色剤として酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用赤色3号、食用黄色5号、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用青色1号、褐色酸化鉄、黒酸化鉄、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、リボフラビン等が挙げられる。また、フィルムコーティング層を形成するためのコーティング剤としてはセルロース誘導体(ヒプロメロース、メチルセルロース、エチルセルロース等)又はポリビニルアルコール系ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等)が挙げられるが、好ましくはヒプロメロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体から選ばれ、より好ましくはメチルセルロース、ヒプロメロース又はポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体である。セルロース誘導体のコーティング剤は低粘度であるものが好ましく、20℃における2%水溶液の粘度が1.0〜3.5mpa・sとなるものであることが望ましい。尚、フィルムコーティング層中にタルクが含まれることが望ましく、フィルムコーティング層はタルク及びコーティング剤からなるものであっても良い。
<コーティング量>
本発明に係るフィルムコーティング錠は、素錠100.0重量部に対してフィルムコーティング層が6.0重量部以上、9.0重量部以上であることが望ましい。また、フィルムコーティング層100.0重量部に対して上記コーティング剤が40.0重量部以上、
80.0重量部以上含まれることが好ましい。当該コーティング剤は、素錠100.0重量部に対して3.0〜10.0重量部、好ましくは5.0〜9.0重量部の範囲で含有される。
また、包装用シートとアルミ箔で錠剤を挟んで覆い、加熱シールすることで、本発明の特定波長の光を遮るシートで包装されたダサチニブ無水物製剤を得ることが可能である。
以下に実施例等により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
[製造例1A〜C]
(1)ダサチニブ無水物を噴流流動層造粒機(MP−01/パウレック社製)に投入して流動化させ、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸を精製水に溶解した液を噴霧・乾燥して造粒物を得た。それを30メッシュの篩にて篩過して整粒された顆粒を得た。得られた顆粒、乳糖水和物、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを混合して混合物を得た。そして当該混合末を打圧600kgfで打錠して1錠質量80.0mgの素錠(ダサチニブ20mg含有)を得た。
(2)上記(1)で得られた素錠をコーティング機(DRC−200、パウレック社製)に投入し、これに、予めヒプロメロース(TC−5(登録商標) M/信越化学工業社製;20℃における2%水溶液の粘度:4.5mPa・s)及びタルクを精製水に加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥してフィルムコーティング錠を得た。
尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表1に示す処方(数値単位はmg)となるような量で上記製造に用いた。
[製造例2A〜I]
(2)[製造例1A〜C](1)で得られた素錠をコーティング機(DRC−200、パウレック社製)に投入し、これに、予めヒプロメロース(TC−5(登録商標) E/信越化学工業社製;20℃における2%水溶液の粘度:3mPa・s)及びタルクを精製水に加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥してフィルムコーティング錠を得た。
尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表1、2に示す処方(数値単位はmg)となるような量で上記製造に用いた。
Figure 2021024820
Figure 2021024820
[製造例3A〜C]
(2)[製造例1A〜C](1)で得られた素錠をコーティング機(DRC−200、パウレック社製)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール(EG-05P(登録商標) /日本合成化学社製)及びタルクを精製水に加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥してフィルムコーティング錠を得た。
尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表3に示す処方(数値単位はmg)となるような量で上記製造に用いた。
[製造例4]
(2)[製造例1A〜C](1)で得られた素錠をコーティング機(DRC−200、パウレック社製)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(Type F/大同化成工業社製)及びタルクを精製水に加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥してフィルムコーティング錠を得た。
尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表3に示す処方(数値単位はmg)となるような量で上記製造に用いた。
[比較例1]
(2)製造例1(1)で得られた素錠をコーティング機(DRC−200、パウレック社製)に投入し、これに、予めポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー(コリコートIR(登録商標)/BASF社製)及びタルクを精製水に加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥してフィルムコーティング錠を得た。
尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表3に示す処方(数値単位はmg)となるような量で上記製造に用いた。
Figure 2021024820
[製造例5]
[製造例5A〜C]
(2)製造例1(1)で得られた素錠をコーティング機(DRC−200、パウレック社製)に投入し、これに、予めメチルセルロース(メトローズ(登録商標)SM−4/信越化学工業社製;20℃における2%水溶液の粘度:4mPa・s)及びタルクを精製水に加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥してフィルムコーティング錠を得た。
尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表4に示す処方(数値単位はmg)となるような量で上記製造に用いた。
[比較例2]
(2)製造例1(1)で得られた素錠をコーティング機(DRC−200、パウレック社製)に投入し、これに、予めヒドロキシプロピルセルロース(SSL/日本曹達社製;20℃における2%水溶液の粘度:2〜2.9mPa・s)及びタルクを精製水に加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥してフィルムコーティング錠を得た。
尚、原薬並びに各添加剤は、当該錠剤が下記表4に示す処方(数値単位はmg)となるような量で上記製造に用いた。
Figure 2021024820
[試験例1]
製造例1〜5及び比較例1、2で製造した各錠剤に対して光照射(積算120万Lux・hr/25℃60%RH)を行い、其の光照射の前後に、各錠剤の明度(L*)、色相と彩度を示す色度(a*およびb*)について分光色差計(日本電色工業社製:SE6000型)を用いて測定した。この結果から、各錠剤の光照射前後の色差(ΔE)を算出して表5〜7に示した。色差は色度値としてCIELab1976に規定されるL*a*b*を用い、ΔEについて下記の式にて算出した。ΔE={(ΔL*)^2+(Δa*)^2(Δb*)^2}^1/2(日本電色工業株式会社、Spectrophotometer SE6000型、取扱説明書より)。
Figure 2021024820
Figure 2021024820
Figure 2021024820
表5(セルロース誘導体コーティング剤(ヒプロメロース)使用錠剤)の結果より、製造例1、2の各錠剤はコーティング層の重量を増加することで光照射前後の色差の変化(ΔE)が顕著に低くなることが確認できた。よって本発明の一定量以上のコーティング層を有する錠剤は光による着色を十分に抑制できることが示される。
また、製造例1の各錠剤と比較して製造例2の各錠剤はコーティング層の重量を増加させたときに光照射前後の色差の変化が顕著に低くなることが確認できた。よって本発明において粘度の低いセルロース誘導体コーティング剤が好ましいことが示唆される。
また、製造例2の各錠剤においてコーティング層の重量が同一であるときは、セルロース誘導体コーティング剤の割合が多いほうが光照射前後の色差の変化が顕著に低くなることが確認できた。よって本発明においてセルロース誘導体コーティング剤の割合が高いことが好ましいことが示唆される。
更に表7(他のセルロース誘導体コーティング剤使用錠剤)より、セルロース誘導体がメチルセルロースである場合(製造例5)においては光照射前後の色差の変化がコーティング層の重量を増加することで顕著に低くなることを確認したが、セルロース誘導体がヒドロキシプロピルセルロースである場合(比較例2)においてはコーティング層の重量を増加しても光照射前後の色差の変化が大きいことを確認した。そのため、本発明に係るセルロース誘導体はアルキル基(メチル基等)で置換されたものが好ましいことが考えられる。また、当該結果より本発明においてヒプロメロースよりメチルセルロースの方が色差の変化の抑制上好ましいことが示唆される。
表6(ポリビニルアルコール系コーティング剤使用錠剤)の結果より、製造例3の各錠剤はコーティング層の重量を増加することで光照射前後の色差の変化(ΔE)が顕著に低くなることが確認できた。よって本発明の一定量以上のコーティング層を有する錠剤は光による着色を十分に抑制できることが示される。尚、製造例1、2、5の各錠剤と比較して製造例3の各錠剤はコーティング層の重量の増減に伴う光照射前後の色差の変化がやや緩やかであるため、セルロース誘導体コーティング剤を用いた場合とポリビニルアルコール系コーティング剤を用いた場合とでは色差の変化を抑制する作用機構が異なることが予想される。
また、ポリビニルアルコール系コーティング剤がポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体である場合(製造例4)においては光照射前後の色差の変化が顕著に低いことを確認したが、セルロース誘導体がポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーである場合(比較例1)においては光照射前後の色差の変化が大きいことを確認した。そのため、本発明に係るポリビニルアルコール系コーティング剤はポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーでないものが好ましいと考えられる。
本発明は、光による着色等を抑制する効果をもつ、ダサチニブ無水物を含有する錠剤を工業的に製造し、医療現場に提供することに寄与するものである。

Claims (8)

  1. ダサチニブ無水物を含む素錠をフィルムコーティング層で覆ったフィルムコーティング錠であって、素錠100.0重量部に対してフィルムコーティング層が6.0重量部以上であるフィルムコーティング錠。
  2. ダサチニブ無水物を含む素錠をフィルムコーティング層で覆ったフィルムコーティング錠であって、素錠100.0重量部に対してフィルムコーティング層が9.0重量部以上であるフィルムコーティング錠。
  3. フィルムコーティング層にヒプロメロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体から選ばれるコーティング剤を含む、請求項1又は2に記載のフィルムコーティング錠。
  4. 20℃における2%水溶液の粘度が1.0〜3.5mpa・sとなるセルロース誘導体のコーティング剤を含む、請求項3に記載のフィルムコーティング錠。
  5. フィルムコーティング層中にタルクが含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムコーティング錠。
  6. フィルムコーティング層中に酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄から選ばれる着色剤を含有しない、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムコーティング錠。
  7. ダサチニブ無水物を含む造粒物がコーティング剤で被覆された顆粒を錠剤中に含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の錠剤。
  8. ダサチニブ無水物の含有量が錠剤全重量に対して15.0〜30.0重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の錠剤。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021050141A (ja) * 2019-09-20 2021-04-01 日本化薬株式会社 ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤

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JP2021050141A (ja) * 2019-09-20 2021-04-01 日本化薬株式会社 ダサチニブを有効成分とする医薬錠剤

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