JP2017023109A - 食品用品質保持剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、酸素吸収とアルコール揮散の両機能を併せ持ち、アセトアルデヒドの発生や酸素吸収速度の低下等の課題が解消され、且つ金属探知機による金属製異物の検査に制約がない、有機系剤を主剤とする食品用品質保持剤を提供することにある。【解決手段】エタノール、グリセリン、アルカリ性化合物、および酸化反応促進物質、並びにシリカおよびバーミキュライトを含有する吸着材を含み、エタノールとグリセリンの混合比が1:1.5〜1:10である、ことを特徴とする食品用品質保持剤、および、当該食品用品質保持剤を通気性の袋に充填してなる食品用品質保持剤包装体を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、密封包装内又は密封容器内に食品と共に封入した際、包装系内の酸素を吸収し、且つエタノールを揮散させることにより、食品の保存性を改善する食品用品質保持剤に関する。
従来から、包装系内の雰囲気を調節することにより食品を保存するための保存剤として、乾燥剤、酸素吸収剤、アルコール揮散剤等が知られている。
酸素吸収剤は、酸素による食品の変性、変色、酸化等による劣化を防止するために広く用いられており、食品包装体中に封入する。従来からよく用いられている代表的な酸素吸収剤には、鉄を主剤とする無機金属系の剤とアスコルビン酸やカテコールを主剤とする有機系の剤とがあり、食品の種類や目的によってこれらの酸素吸収剤が使い分けられている。
しかしながら、酸素吸収剤を洋菓子等の水分を比較的多く含有する食品に用いた場合は、包装系内の酸素吸収が進むにつれて、食品が乾燥し、商品価値が低下する等の課題があった。
一方、食品の保存性を改善する別の手段として、アルコール揮散剤が知られており、カビの増殖抑制効果が高く、乾燥を防ぐことができる。アルコール揮散剤は、エタノールを雲母やシリカ等の吸着材に吸着させたエタノール吸着体を含む。アルコール揮散剤は、エタノールガス透過性の小袋に充填したものを、食品と共に封入し、包装系内でエタノールを揮散させることにより食品の保存性を改善する。
アルコール揮散剤を用いる食品の保存の場合は、酸素吸収剤を用いたときに見られるような食品の乾燥などの問題は生じないものの、エタノールの揮散による十分な保存効果を得るためには、多量のアルコール揮散剤が必要とされ、それに伴い食品へのアルコール臭の着香等が課題となることがあった。
そこで、上記の酸素吸収剤およびアルコール揮散剤の課題を解消するため、酸素吸収とアルコール揮散の両機能を併せ持つ保存剤が提案されている。
特許文献1には、エタノールの蒸気発生体と、金属粉末及び該金属粉末の酸化促進剤とよりなる脱酸素剤と、ポリアリルアミンを必須成分とする保存剤が提案されている。特許文献1に記載される保存剤は、金属粉末(例えば、鉄粉)を使用することにより、エタノールが酸化されて発生するアセトアルデヒドをポリアリルアミンに吸着させることによって低減しようとするものであるが、アセトアルデヒド低減効果は十分とは言えない場合があった。また、ポリアリルアミンを必須成分とすることから、その原料コストがかかり、また食品品質保持剤全体のかさ比重が大きくなることで剤型が大きくなる。
特許文献2には、酸素吸収あるいは酸素吸収と共に炭酸ガスを発生する組成の薬剤と水に可溶な材料でエチルアルコールを包括したアルコール発生剤を混合してなる食品類の鮮度保持剤が提案されている。特許文献2に記載される保存剤は、無機金属系の第1鉄塩を使用しており、また炭酸ガスを発生する剤として炭酸カルシウム等を必要とする。かかる剤は、酸素吸収剤等の反応によって生じる自由水の発生により、エチルアルコールを包含している物質が溶けてエチルアルコールを溶出する。しかしながら、このような鮮度保持剤は、特に高水分下では酸素吸収速度の低下が顕著であることから、高水分活性食品に対しては適当でない場合があった。
特許文献3には、エタノール蒸気放出体、脱酸素剤、臭化ナトリウム、及びアルデヒド吸着体を同一の包装体に収容した食品品質保持剤が提案されている。特許文献3に記載される保存剤は、脱酸素剤として主に鉄粉等の無機金属系の剤を使用し、発生するアセトアルデヒドを吸着するための吸着体としてポリアリルアミン、活性炭等を必要とすることから、それらの原料コストがかかり、また食品品質保持剤全体のかさ比重が大きくなることで剤型が大きくなる。また、臭化ナトリウムは、鉄等の無機金属系の脱酸素剤を用いた場合には、脱酸素促進剤として機能するが、有機系の脱酸素剤においては、脱酸素促進作用が著しく低下するため、有機系の脱酸素剤に適した脱酸素促進物質とは言えない。
また、食品工場では、金属製異物の検査が金属探知機を利用して行われている。しかしながら、前記文献等に記載の保存剤は、鉄粉等の金属材料が配合されているため、先に食品を投入し、金属探知機による異物検査を行った後、保存剤を投入し、再度、金属探知機による不投入製品の検査を行う必要があるため、保存剤を食品より先に投入することができないなど、様々な食品包装に対応する方法ではなかった。
上記のような背景から、酸素吸収とアルコール揮散の両機能を併せ持ち、アセトアルデヒドの発生や酸素吸収速度の低下等の課題が解消され、且つ金属探知機による異物の検査に制約がない食品用品質保持剤が望まれていた。
特公平5−70420号公報 特公平1−57947号公報 特開2013−172683号公報
本発明の目的は、酸素吸収とアルコール揮散の両機能を併せ持ち、アセトアルデヒドの発生や酸素吸収速度の低下等の課題が解消され、且つ金属探知機による異物の検査に制約がない、有機系剤を主剤とする食品用品質保持剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、エタノールおよびグリセリンを主剤とする組成物をシリカおよびバーミキュライトを含有する特定の吸着材に吸着させることにより、優れた酸素吸収性能およびエタノール揮散性能を示すと共に、アセトアルデヒドの発生が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
エタノール、グリセリン、アルカリ性化合物、および酸化反応促進物質、並びに
シリカおよびバーミキュライトを含有する吸着材
を含み、エタノールとグリセリンの混合比が1:1.5〜1:10である、ことを特徴とする食品用品質保持剤、に関する。
本発明の食品用品質保持剤においては、吸着材としてシリカおよびバーミキュライトを併用する。両成分を併用することにより、酸素吸収機能およびアルコール揮散機能が阻害されず、且つかさ比重に優れた食品用品質保持剤となるため、食品用品質保持剤を通気性の袋に充填した食品用品質保持剤包装体を製造する際も効率的な製造が可能となる。
本発明の食品用品質保持剤に使用するシリカは、一般に食品工業用途に用いられているシリカであればよく、一般的に入手可能な市販のシリカを使用することができる。シリカの形態としては、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。好ましいシリカとしては、例えば平均粒子径が約5〜500μmのシリカが挙げられる。
本発明の食品用品質保持剤に使用するバーミキュライトは、一般に食品工業用途に用いられているバーミキュライトであればよく、一般的に入手可能な市販のバーミキュライトを使用することができる。焼成、精製された形態のものを使用することが好ましい。バーミキュライトの形態としては、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。好ましいバーミキュライトは、例えば平均粒子径が約0.2〜20mmのバーミキュライトが挙げられる。
本発明において、平均粒子径は、例えばマスターサイザー2000(マルバーン社製)またはこれと同等のレーザー回折粒度分布測定装置で測定することができる値の体積平均を意味する。
シリカおよびバーミキュライトの混合比としては、例えば1:0.1〜1:2が挙げられ、1:0.2〜1:1.8が好ましく、1:0.3〜1:1.5がより好ましいが、これらに限定されるものではない。バーミキュライトに対してシリカの割合が同程度かまたは高い方が好ましく、例えばシリカおよびバーミキュライトの混合比は1:0.3〜1:1が挙げられる。
また、本発明の食品用品質保持剤の酸素吸収機能およびアルコール揮散機能等を阻害しない範囲であれば、従来からアルコール揮散剤に用いられる吸着材料をさらに含有しても良い。他の吸着材料としては、雲母、タルク、ゼオライト、パーライト、ベントナイト、珪藻土、又はアルミナ等が例示される。
シリカおよびバーミキュライトの合計配合割合は、食品用品質保持剤全量に対して、例えば10〜45重量%が挙げられ、15〜40重量%が好ましく、20〜35重量%がより好ましいが、これに限定されるものではない。シリカおよびバーミキュライトの合計配合割合が例えば10重量%未満と低い場合にはエタノール及びグリセリンの担持が不十分となる傾向があり、例えば45重量%を超えて高い場合には酸素吸収性能およびアルコール揮散性能が低下する傾向がある。また、シリカ単独の場合には、エタノールガスの揮散が過剰となる傾向がある。また、バーミキュライト単独の場合には、酸素吸収性能が低下する傾向がある。
本発明の食品用品質保持剤に使用するエタノールは、一般に食品工業用途に用いられているエタノール(例えば、95度エタノール)であればよく、特に制限されない。また、変性剤を含有するものであってもよい。変性剤としては、例えばフレーバーH−No.1、3、4、6、9〜13、100〜103、107、又は201等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の食品用品質保持剤に使用するグリセリンは、一般的に入手可能な市販のグリセリンであればよく、植物油の加水分解により製造されたものや化学合成によって製造されたもののいずれも利用可能である。また、グリセリンは、水等の不純物を含有したものであってもよいが、グリセリン分として、90重量%以上含有するものが好ましい。
エタノールおよびグリセリンは、本発明の食品用品質保持剤における主剤であり、その配合割合は特に限定されるものではないが、エタノールの配合割合は、食品用品質保持剤全量に対し、例えば5〜50重量%が挙げられ、6〜42重量%が好ましく、7〜30重量%がより好ましく、7.5〜20重量%がさらに好ましいが、これらに限定されるものではない。エタノールの配合割合が例えば5重量%未満と低い場合にはエタノールの揮散量が少なく、食品の品質保持効果が低下する傾向があり、例えば50重量%を超えて高い場合には、その過剰分だけ他の成分の割合を減少させることとなるため、構成成分全体の組成のバランスが崩れ、食品の品質保持効果が低下する傾向がある。また、食品の周囲雰囲気中のエタノールの濃度が高くなり過ぎると、食品の風味に影響を及ぼす。
グリセリンの配合割合は、食品用品質保持剤全量に対して、例えば5〜40重量%が挙げられ、10〜38重量%が好ましく、12〜35重量%がより好ましく、15〜32重量%がさらに好ましいが、これらに限定されるものではない。グリセリンの配合割合が例えば5重量%未満と低い場合には酸素吸収性能が不十分となる傾向があり、例えば40重量%を超えて高い場合には、その過剰分だけ他の成分の割合を減少させることとなるため、構成成分全体の組成のバランスが崩れ、食品の品質保持効果が低下する傾向がある。
又、エタノールとグリセリンの混合比としては、エタノールに対してグリセリンの配合割合が高い方が好ましく、例えば1:1.5〜1:10が挙げられ、1:1.6〜1:8が好ましく、1:1.7〜1:6がより好ましく、1:1.8〜1:5がさらに好ましい。
エタノールおよびグリセリンの合計配合割合は、食品用品質保持剤全量に対して、例えば30〜60重量%が挙げられ、35〜55重量%が好ましく、38〜45重量%がより好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明の食品用品質保持剤に使用するアルカリ性化合物は、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム等の水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩や、リン酸等の無機酸アルカリ金属塩等の無機酸化合物、または例えば酢酸、クエン酸等の有機酸アルカリ金属塩等の有機酸化合物が挙げられるが、これらに限定されない。より具体的な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、及びピロリン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1以上の化合物が挙げられる。これらアルカリ性化合物の中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、又は炭酸水素カリウムが好ましく、水酸化カルシウムがより好ましい。これらアルカリ性化合物は2以上の化合物を併用してもよい。
アルカリ性化合物の配合割合は、食品用品質保持剤全量に対して、例えば5〜40重量%が挙げられ、10〜35重量%が好ましく、12〜33重量%がより好ましく、20〜30重量%がさらに好ましいが、これらに限定されるものではない。アルカリ性化合物の配合割合が例えば5重量%未満と低い場合には、酸素吸収能が不十分となる傾向があり、例えば40重量%を超えて高い場合には、その分だけ過剰量となり食品用品質保持剤の酸素吸収性能及びアルコール揮散性能が低下する傾向がある。
本発明の食品用品質保持剤に使用する酸化反応促進物質は、グリセリンの酸素吸収剤としての作用を発現するための触媒として作用するものを意味する。酸化反応促進物質を用いない場合、酸素吸収効率、特に酸素吸収速度が低下する傾向にある。酸化反応促進物質としては、例えばヒドロキノン、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−di−tert−ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン、ピロガロール、ヒドロキシキノール、フロログルシノール等の3価フェノール、塩化マンガン、炭酸マンガン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、水酸化第一鉄、及び水酸化第二鉄等の遷移金属化合物(これら化合物の水和物をも包含する)等からなる群から選ばれる1以上の化合物が挙げられるが、その作用の発現性及び安全性から、例えばtert−ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノンと、塩化マンガン等の遷移金属化合物との併用も好ましい。これら酸化反応促進物質は2以上の化合物を併用してもよい。
酸化反応促進物質の配合割合は、食品用品質保持剤全量に対して、例えば0.5〜5.5重量%が挙げられ、1.0〜5.0重量%が好ましく、1.5〜4.5重量%がより好ましく、2.0〜4.3重量%がさらに好ましいが、これらに限定されるものではない。酸化反応促進物質の配合割合が例えば0.5重量%未満と低い場合には、酸素吸収性能が不十分となる傾向があり、例えば5.5重量%を超えて高い場合には、その分だけ過剰量となり食品用品質保持剤の酸素吸収性能及びアルコール揮散性能が低下する傾向がある。
本発明の食品用品質保持剤は、鉄粉等の金属粉末を脱酸素成分として含む従来の保存剤に比べ、アセトアルデヒドの発生量は少ないが、微量のアセトアルデヒドが発生することがあるため、アセトアルデヒド吸着物質を含有してもよい。アセトアルデヒド吸着物質としては、従来公知の成分が適用可能であり、例えばポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、尿素、又はエチレン尿素等が例示されるが、それらに限定されるものではない。その中でも、入手の容易さ、安全性の点でポリアリルアミン、エチレン尿素が好ましい。
アセトアルデヒド吸着物質の配合割合は、食品用品質保持剤全量に対して、例えば0.01〜10重量%が挙げられ、0.03〜5重量%が好ましく、0.05〜3重量%がより好ましい。アセトアルデヒド吸着物質の配合割合が例えば0.01重量%未満と低い場合には、アセトアルデヒドの吸着が不十分となる場合があり、例えば10重量%を超えて高い場合には、その分だけ過剰量となり食品用品質保持剤の酸素吸収性能及びアルコール揮散性能が低下する傾向がある。
本発明の食品用品質保持剤においては、目的に応じて水を予め添加しても良い。水を添加する場合、この水はどのような形態で存在していてもよい。水の添加方法としては、各成分を混合する際に別途、水を直接に添加する方法、塩化マンガン等の酸化反応促進物質を予め水に溶解させた後に水溶液として添加する方法、エタノールをエタノール水溶液とした後にエタノール水溶液として添加する方法等が例示される。
この場合の水の配合割合は、食品用品質保持剤全量に対して、例えば3〜20重量%が挙げられ、5〜15重量%が好ましく、6〜12重量%がより好ましい。水の配合割合が例えば3重量%未満と低い場合には、酸素吸収性能が低下する場合があり、特に乾燥食品に対しては効果が不十分となる傾向がある他、製剤の製造時の原料の飛散性が増大し、製造性が悪化する場合がある。また、例えば20重量%を超えて高い場合には流動性が悪化する場合がある。
また、本発明の食品用品質保持剤には上記各成分の他、例えばアルコール等の匂いを除去するため、活性炭および/またはイオン交換樹脂等の脱臭成分を添加してもよい。特に食品自体の臭いが希薄でアルコール等の臭いが目立ち易い食品に対しては、脱臭成分を添加するのが好ましい。脱臭成分を添加する場合には、その配合割合が、食品用品質保持剤全量に対して、例えば0.01〜10重量%が挙げられ、0.05〜7.5重量%が好ましく、0.15〜5重量%がより好ましく、あるいは、エタノール量に対して、例えば1〜15重量%が挙げられ、3〜10重量%が好ましい。
本発明の食品用品質保持剤を製造する方法としては、各成分を単に混合してもよいが、例えば、エタノール、グリセリンおよび酸化反応促進物質を予め均一に混合した後、吸着材と混合し、さらにアルカリ性化合物と均一に混合する方法などが挙げられる。もちろんこれらに限定されるものではない。
又、得られた食品用品質保持剤は、通常、適当量を通気性小袋(例えば、従来から知られているエタノール蒸気を透過する袋)に充填した包装体とし、食品と共に密封することによって実用に供される。
通気性小袋の材質としては、プラスチック、紙、又は不織布等が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その中でもプラスチック包材が耐油性の点で好ましい。また、エタノール蒸気非透過性のフィルムに孔を設けたものも使用可能である。
本発明の食品用品質保持剤は、従来の酸素吸収剤およびアルコール揮散剤を適用し得る食品であれば特に限定されず、様々な食品に用いることができるが、水分活性値が0.3以上となる食品への適用が好ましい。水分活性値が0.3以上である食品の例としては、浅漬けなどの漬物、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、魚肉ソーセージ、生干し、魚開きなどの水産製品、コロッケ、トンカツ、フライドチキン、魚フライ、唐揚げなどのフライ製品、ハンバーグ、肉団子、餃子、シュウマイ、ソーセージなどの食肉惣菜、餅、白玉等の餅系食品、生麺、生パン粉、ピザクラスト、パン、洋菓子、和菓子、味噌、荒削節、又は佃煮等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の食品用品質保持剤は、金属探知機による金属製異物検査の前に食品用品質保持剤を包装食品中に投入し、金属製異物検査を行った後に質量検査機により不投入製品を検査するといった検品方法を可能にする。
前記酸素濃度は、例えば食品用微量酸素分析計を用いて測定することができるが、これに限定されるものではない。
前記エタノールガスまたはアセトアルデヒドの濃度はそれぞれ、市販の気体検知管またはガスクロマトグラフィー測定機器を用いて測定することができるが、これに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
実施例および比較例
食品用品質保持剤の調製
本発明の食品用品質保持剤の製造例を示すが、これらに限定されるものではない。
また、下記の方法により、本発明の食品用品質保持剤の具体例、および必須成分を含まない比較例を調製した。
下記に示す材料を表1に示す重量で配合して混合し、その混合物の1.5gを3層ラミネート製(ポリエチレンテレフタレート/紙/ポリエチレン、透気度:6000秒)の小袋(5.0cm×4.5cm)に充填した後、ヒートシールにより封止して食品用品質保持剤Aを得た。同様に1.0gを3層ラミネート製(ポリエチレンテレフタレート/紙/ポリエチレン、透気度:3000秒)の小袋(4.0cm×4.5cm)に密封して食品用品質保持剤Bを得た。
・グリセリン:精製グリセリン(98.5wt%グリセリン、株式会社シンコー・サイエンス・コーポレーション製)
・鉄粉:NC−200(DOWA IP クリエイション株式会社製)
・エタノール:試薬(95wt%エタノール、第一アルコール株式会社製)
・シリカ:シペルナート22(平均粒子径115μm、エボニック ジャパン株式会社製)
・バーミキュライト:B−1(平均粒子径2mm、旭工業株式会社製)
・水酸化カルシウム:消石灰特号(株式会社カルファイン製)
・塩化マンガン4水和物:試薬(関東化学株式会社製)
・t−ブチルヒドロキノン:試薬(東京化成工業株式会社製)
・ポリアリルアミン:PAA−15C(ニットーボーメディカル株式会社製)
・水:イオン交換水
表1
Figure 2017023109
単位:g
(表1の続き)
Figure 2017023109
単位:g
(表1の続き)
Figure 2017023109
単位:g
酸素吸収性能(酸素濃度、酸素吸収量)試験
(1)酸素濃度の測定
塩化ビニリデンコート延伸ナイロン/ポリエチレン製(以下、KON/PE製と称する)の袋に、上記で得られた食品用品質保持剤A、飽和塩化ナトリウム水溶液0.5mlをしみ込ませた濾紙(φ70mm)および空気250mlを投入し(水分活性:0.75)、封入した後、25℃で保管した。20時間後の袋内の酸素濃度を食品用微量酸素分析計(RO−102、飯島電子工業株式会社製)にて測定した。測定結果を表2に示す。
(2)酸素吸収量の測定
KON/PE製の袋に、上記で得られた食品用品質保持剤B、飽和塩化ナトリウム水溶液1.5mlをしみ込ませた濾紙(φ110mm)および空気1500mlを投入し(水分活性:0.75)、密封した後、25℃で保管した。72時間後の袋内の酸素濃度を食品用微量酸素分析計(RO−102、飯島電子工業株式会社製)にて測定した。また、72時間後の酸素濃度の測定値を用いて下記計算式にて酸素吸収量を算出した。
酸素吸収量(ml)=[(初期酸素濃度−72時間後酸素濃度)/(100−72時間後酸素濃度)]×1500
初期酸素濃度は20.9%として算出した。酸素吸収量の測定結果を下記表2に示す。
エタノールガス濃度およびアセトアルデヒド濃度の測定
KON/PE製の袋に、上記で得られた食品用品質保持剤A、塩化ナトリウム水溶液18gをしみ込ませた脱脂綿および空気(250ml)を袋内に封入した後(水分活性:0.85)、25℃で72時間保管した。72時間後の袋内のエタノールガス濃度およびアセトアルデヒド濃度を測定した。
尚、エタノールガス濃度およびアセトアルデヒド濃度は、エタノール用気体検知管およびアセトアルデヒド用気体検知管(いずれも株式会社ガステック製)により測定した。
エタノールガス濃度およびアセトアルデヒド濃度の測定結果を下記表2に示す。
表2
Figure 2017023109
(表2の続き)
Figure 2017023109
(表2の続き)
Figure 2017023109
実施例1〜7の食品用品質保持剤は、酸素濃度が低く、酸素吸収量が高いことから、優れた酸素吸収性能を示した。また、エタノールの揮散による適度な大きさのエタノールガス濃度を示し、且つアセトアルデヒド濃度が極めて低かった。つまり、酸素吸収性能とアルコール揮散性能のバランスが良く、且つアセトアルデヒドの発生量も少なかった。これに対して、比較例1〜8は、酸素吸収性能、アルコール揮散性能のいずれか、あるいは両方が劣り、またアセトアルデヒドの発生量も多い結果であった。

Claims (12)

  1. エタノール、グリセリン、アルカリ性化合物、および酸化反応促進物質、並びに
    シリカおよびバーミキュライトを含有する吸着材
    を含み、
    エタノールとグリセリンの混合比が1:1.5〜1:10である、
    ことを特徴とする食品用品質保持剤。
  2. シリカとバーミキュライトの混合比が1:0.1〜1:2である、請求項1に記載の食品用品質保持剤。
  3. シリカおよびバーミキュライトの合計配合割合が、食品用品質保持剤全量に対して、10〜45重量%である、請求項1または2に記載の食品用品質保持剤。
  4. 食品用品質保持剤全量に対して、エタノールの配合割合が5〜50重量%であって、グリセリンの配合割合が5〜40重量%であって、但し、エタノールおよびグリセリンの合計配合割合が30〜60重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の食品用品質保持剤。
  5. アルカリ性化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムからなる群から選ばれる1以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の食品用品質保持剤。
  6. アルカリ性化合物の配合割合が、食品用品質保持剤全量に対して、5〜40重量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の食品用品質保持剤。
  7. 酸化反応促進物質が、アルキルヒドロキノン及び遷移金属化合物からなる群から選ばれる1以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の食品用品質保持剤。
  8. 酸化反応促進物質の配合割合が、食品用品質保持剤全量に対して、0.5〜5.5重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の食品用品質保持剤。
  9. さらにアセトアルデヒド吸着物質を含有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の食品用品質保持剤。
  10. アセトアルデヒド吸着物質が、ポリアリルアミン及びエチレン尿素からなる群から選ばれる1以上である、請求項9に記載の食品用品質保持剤。
  11. アセトアルデヒド吸着物質の配合割合が、食品用品質保持剤全量に対して、0.01〜10重量%である、請求項9または10に記載の食品用品質保持剤。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の食品用品質保持剤を、通気性の袋に充填してなる食品用品質保持剤包装体。
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