JP2017022417A - テンプレートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光硬化性材料に凹凸パターンを転写するインプリント用テンプレートであって、洗浄耐性に優れたハイコントラストの位置合わせマークを備えたテンプレートを提供する。
【解決手段】 光透過性基材の一主面に凹凸パターンを形成したテンプレートを、被加工基板上の光硬化性材料に押し付けると共に、前記テンプレートを介して前記光硬化性材料を感光させる光を照射することによって、前記光硬化性材料を光硬化させて前記凹凸パターンを転写するインプリントに用いるテンプレートであって、前記テンプレートの凹凸パターンの凸部の上に、位置合わせ用マークとなる遮光膜パターンを有しており、前記遮光膜パターンの上面と側面が、耐洗浄性保護膜で覆われていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細な凹凸パターンを形成するインプリント方法に用いるテンプレートに関する。
近年、特に半導体デバイスにおいては、微細化の一層の進展により高速動作、低消費電力動作が求められ、また、システムLSIという名で呼ばれる機能の統合化などの高い技術が求められている。このような中、半導体デバイスのパターンを作製する要となるリソグラフィ技術は、パターンの微細化が進むにつれ、露光装置などが極めて高価になってきており、また、それに用いるマスク価格も高価になっている。
これに対して、1995年Princeton大学のChouらによって提案されたインプリント法は、装置価格や使用材料などが安価でありながら、10nm程度の高解像度を有する微細パターン形成技術として注目されている(特許文献1参照)。
インプリント法は、予め表面にナノメートルサイズの凹凸パターンを形成したテンプレート(モールド、スタンパ、金型とも呼ばれる)を、被加工基板表面に塗布形成された樹脂(本発明ではレジストとも言う)に押し付けて力学的に変形させて微細パターンを精密に転写し、パターン形成された樹脂をレジストマスクとして被加工基板を加工する技術である。一度テンプレートを作製すれば、ナノ構造が簡単に繰り返して成型できるため高いスループットが得られて経済的であるとともに、有害な廃棄物が少ないナノ加工技術であるため、近年、半導体デバイスに限らず、さまざまな分野への応用が期待されている。
このようなインプリント法には、熱可塑性樹脂を用いて熱により凹凸パターンを転写する熱インプリント法や、光硬化性樹脂を用いて紫外線により凹凸パターンを転写する光インプリント法(例えば、特許文献2参照)などが知られている。転写材料である樹脂としては、熱インプリント法では熱可塑性樹脂、光インプリント法では光硬化性樹脂が用いられる。光インプリント法は、室温で低い印加圧力でパターン転写でき、熱インプリント法のような加熱・冷却サイクルが不要でテンプレートや樹脂の熱による寸法変化が生じないために、解像性、アライメント精度、生産性などの点で優れていると言われている。
インプリント法で用いられるテンプレートには、パターン寸法の安定性、耐薬品性、加工特性などが求められる。インプリント法においては、テンプレートのパターン形状を忠実に転写材料である樹脂に転写しなければならないので、光インプリント法の場合を例に取ると、一般的には光硬化に用いる紫外線を透過する石英ガラスがテンプレートに用いられている。
半導体デバイスなどの製造プロセスにおける露光工程では、素子パターンの微細化に伴い、下層の素子パターンに上層の素子パターンを重ね合わせる位置合わせ(アライメント)の精度を高めることが要求されている。アライメントは、被加工基板であるウェハ上に既に形成されているパターンレイヤーの配列状態を計測し、露光を行おうとするパターンレイヤーのショット位置を、ウェハ上のパターンレイヤーの配列状態に合わせることにより行われる。このようなアライメントを可能とするために、ウェハ上のパターンレイヤーに属する各ショットにはウェハアライメントマークが形成されている。
アライメント方法としては、ダイバイダイアライメントとグローバルアライメントがある。ダイバイダイアライメントは、ウェハ上に既に形成されている特定のパターンレイヤーに属するショットごとに、露光を行おうとするショットのアライメントを行う手法である。すなわち、露光を行おうとするショットに対応する特定パターンレイヤーのショットに形成されているアライメントマークを検出し、その座標を計測する。その計測結果に基づいて、露光を行おうとするショットのウェハ上の位置を決定する手法である。あるいはショット毎に形成されているアライメントマークと、テンプレート上に形成されているアライメントマークを同時に検出することによりずれを検知し、そのずれが最小になるように露光位置を決定する手法である。一方、グローバルアライメントは、ウェハ上に既に形成されている特定のパターンレイヤーに属する全ショットの中から選択された複数個の特定ショットのアライメントマークを検出し、アライメントマークの配列状態に基づいて露光位置を決定するアライメント手法である。上記のように、原理的にはダイバイダイアライメントの方が各ショット毎にアライメントを行うために、各ショットのアライメント精度が高いが、多くの場合は多数ショットするのでトータルのアライメント時間が長くなる。
インプリント法においては、グローバルアライメントではアライメント計測後各ショットのインプリント時テンプレートに力がかかるためテンプレート位置を高精度に保持することが難しく技術的な課題をクリアできていない。このため通常、ダイバイダイアライメントが用いられており、テンプレート上には、転写すべき主パターンとともに位置合わせ用のテンプレート位置合わせマーク(アライメントマーク)が設けられている。
インプリント工程での被加工基板(ウェハ)との位置合わせ工程においては、基板とテンプレートの間に樹脂を充填した状態でアライメントが行われる場合がある(インリキッドアライメントと称する。)。半導体製造工程においてはショット間のスペース(スクライブ部と呼ぶ)があるが、アライメントマークはこのスクライブ部に形成する必要がある。またこのスクライブ部は過度に加工されることを防ぐことが必要でありレジストで保護されるようにすることが必要である。特にこの場合などは上記インリキッドアライメントが必要となる。この状態で位置合わせを行う場合、例えば、石英ガラスなどの光透過性のあるテンプレートに位置合わせマークを形成し、テンプレートを介して基板上に形成された基板アライメントマークを観察する方法で行われる。しかし、テンプレートに石英ガラスを掘り込んで凹凸部とした位置合わせマークが形成されていても、基板とテンプレートの間に樹脂が存在し凹部に樹脂が入り込んだ場合には、アライメントする可視光領域において、テンプレートの石英ガラスと樹脂との屈折率差がほとんど無いために、凹凸部からなる位置合わせマークの検出が困難になり、アライメントができなくなるという問題があった。
上記の問題をさらに詳しく説明する。図7は、石英ガラス掘り込み型のテンプレート位置合わせマーク73または83を有するテンプレート70または80を用いてウェハ75上のウェハアライメントマーク76と位置合わせする場合の例である。図7において、図7(a)は、ウェハ75上に樹脂が無い場合であり、アライメントは可能(○)である。図7(b)は、ウェハ75上に樹脂77が形成されているがウェハアライメントマーク76は樹脂で覆われていない場合であり、アライメントは可能(○)である。図7(c)は、ウェハ75上に樹脂77が形成され位置合わせマーク76が樹脂77で覆われ、テンプレート位置合わせマーク73の凹部には樹脂77が充填されており、凹部が検出されずアライメントはできない(×)。上記の図7(c)に示すように、インリキッドアライメントが必要な場合には、石英ガラス掘り込みだけでは位置合わせマークとして機能しない。
そこで、位置合わせマークにコントラストを持たせる必要がある。クロムなどの遮光膜を位置合わせマークに用いた例はよく知られている(例えば、特許文献3参照。)。図7(d)に示すように、ウェハ75上に樹脂77が形成され、位置合わせマーク76が樹脂77で覆われているが、テンプレート80の位置合わせマーク83が石英ガラス掘り込み型であっても、凹凸部のマークの周囲にクロム薄膜などの遮光膜が設けられたコントラストの高いハイコントラストの位置合わせマーク83である場合には、アライメントは十分に可能(○)となる。
したがって、図7(d)に示す従来の位置合わせマーク83は、高精度の位置合わせに望ましいマークとされていた。図8は、図7(d)に示した従来のハイコントラストのアライメントマークの形成工程を示す断面模式図である。位置合わせマーク83は、石英ガラス81の一主面上にクロムなどの遮光性薄膜84を成膜し(図8(a))、レジストパターン88を形成し(図8(b))、遮光性薄膜84をエッチングし、次いで石英ガラス81をエッチングして、主パターン部と位置合わせマーク部を設け(図8(c))、レジストパターン88を剥離後、2回目のレジストパターン89を形成し(図8(d))、位置合わせマーク部以外の遮光性薄膜84をエッチングして除去し(図8(e))、2回目のレジストパターン89を剥離して、位置合わせマーク83を有するテンプレート80を形成する(図8(f))。
しかしながら、上記のクロム薄膜などの遮光膜で形成された従来の位置合わせマークは、コントラストは高いものの、テンプレートの洗浄工程における洗浄耐性が不十分であり、テンプレート洗浄時に遮光膜が膜減りして遮光膜濃度が低下したり、あるいは消失してしまい、位置合わせマークとしての機能が果たせなくなるという問題が生じていた。
テンプレートの洗浄は、有機物である樹脂残渣が主対象であるので、通常、ウェット洗浄の場合には、SPM(硫酸と過酸化水素水の混合液)洗浄などが用いられ、ドライ洗浄の場合には、平行平板型あるいは円筒型のプラズマアッシング装置を用いて、酸素ガス、オゾンガスなどが使用される。
図9は、インプリント法において、インプリント後にテンプレートを剥離したとき、テンプレートの主パターン側に樹脂がレジスト残りとなり、一方、転写パターン側にはパターン脱落欠陥が生じてしまう状態を示す説明図である。図9(a)に示すように、テンプレート80の位置合わせマーク83とウェハ75上のアライメントマー76クとを位置合わせし、テンプレート80を樹脂77に押し付けてパターン転写する。次いで、図9(b)に示すように、テンプレート80を剥離するが、樹脂がテンプレートの主パターン82側に残ってしまい樹脂残り92となり、一方、ウェハ75上の転写パターン91には欠陥(プラグ欠陥と言う)93が生じてしまうことがあった。
そのため、インプリント法においては、テンプレートの洗浄工程はテンプレートを初期の清浄な状態にリセットし、高品質のパターンを形成するために必須の工程であり、洗浄耐性に優れたコントラストの高い位置合わせマークが求められていた。
特表2004−504718号公報 特開2002−93748号公報 特開2000−323461号公報
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、洗浄耐性に優れたハイコントラストの位置合わせマークを備えたインプリント用テンプレートを提供することである。
本発明の請求項1に係る発明は、光透過性基材の一主面に凹凸パターンを形成したテンプレートを、被加工基板上の光硬化性材料に押し付けると共に、前記テンプレートを介して前記光硬化性材料を感光させる光を照射することによって、前記光硬化性材料を光硬化させて前記凹凸パターンを転写するインプリントに用いるテンプレートであって、前記テンプレートの凹凸パターンの凸部の上に、位置合わせ用マークとなる遮光膜パターンを有しており、前記遮光膜パターンの上面と側面が、耐洗浄性保護膜で覆われていることを特徴とするテンプレートである。
本発明の請求項2に係る発明は、前記テンプレートの凹凸パターンの凹部にも前記耐洗浄性保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のテンプレートである。
本発明の請求項3に係る発明は、前記遮光膜パターンを構成する遮光膜がクロム系薄膜であり、前記耐洗浄性保護膜がシリコン系薄膜であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテンプレートである。
本発明の請求項4に係る発明は、前記耐洗浄性保護膜の耐洗浄性が、前記テンプレートを加熱した状態で酸素ガスを用いてアッシングして洗浄したとき、前記耐洗浄性保護膜の膜厚減少率が初期膜厚の10%以内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載のテンプレートである。
本発明のテンプレートによれば、テンプレート洗浄時に遮光膜パターンが保護されるので、テンプレートの品質を保持しながら高精度の位置合わせを行うことが可能となる。
本発明の第1の実施形態におけるインプリント用位置合わせマークを有するテンプレートの断面模式図である。 本発明の第2の実施形態におけるインプリント用位置合わせマークを有するテンプレートの断面模式図である。 本発明の第3の実施形態におけるインプリント用位置合わせマークを有するテンプレートの断面模式図である。 図1の本発明の第1の実施形態におけるインプリント用位置合わせマークを有するテンプレートの製造工程を示す断面模式図である。 図2の本発明の第2の実施形態におけるインプリント用位置合わせマークを有するテンプレートの製造工程を示す断面模式図である。 図3の本発明の第3の実施形態におけるインプリント用位置合わせマークを有するテンプレートの製造工程を示す断面模式図である。 石英ガラス掘り込み型の位置合わせマークを有するテンプレートを用い、ウェハ上のウェハアライメントマークと位置合わせする場合の例示である。 従来のインプリント用位置合わせマークを有するテンプレートの製造工程を示す断面模式図である。 本発明に係るインプリント法における課題を示す説明図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係るインプリント用位置合わせマーク、該位置合わせマークを備えたテンプレートおよびその製造方法について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるインプリント用位置合わせマークを有するテンプレートの断面模式図である。図1において、インプリント用テンプレート10は、光透過性基材11の一主面を掘り込んで形成した凹凸パターンからなる被加工基板上の光硬化性材料に転写するための主パターン12と、位置合わせマーク13とから構成される。
位置合わせマーク13は、光透過性基材11を掘り込んで形成した凹凸パターン部と、この凹凸パターン部の光透過性基材11上に形成された遮光膜パターン16とからなり、遮光膜パターン16が遮光膜14と遮光膜14上に設けた耐洗浄性保護膜15との2層膜で構成されているものである。本発明において主パターンとは、被加工基板表面に塗布形成された光硬化性材料に押し付けて力学的に変形させて転写する凹凸の微細パターンを意味するものである。また、本発明において、光硬化性材料とは、通常光インプリント用材料として用いられている光硬化性樹脂、およびインクジェット方式の塗布で用いられる重合性単量体を含む光硬化性組成物を意味するものである。
本発明において、光透過性基材11を構成する材料としては、光学研磨された合成石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどが挙げられるが、合成石英ガラスは、フォトマスク用基板としての使用実績が高く品質が安定しており、凹凸パターンを設けることにより一体化した光透過性の構造とすることができ、高精度の微細な凹凸パターンを形成できるので、より好ましい。
本発明においては、遮光膜パターン16は遮光膜14と遮光膜14上に設けた耐洗浄性保護膜15との2層膜で構成されているが、遮光膜パターン16を構成する遮光膜14としては、可視光のアライメント光に対して所定の光学濃度があり、微細パターン形成に優れているクロム系膜、タンタルなどを真空成膜した薄膜材料が用いられる。それらの材料の中で、フォトマスクで最も使用実績のあるクロムを主成分としたクロム系膜がテンプレートのコスト、品質上からより好ましい。クロム系膜は、通常、クロム(Cr)、酸化クロム(CrO)、窒化クロム(CrN)、酸化窒化クロム(CrON)などの中から選ばれる材料が用いられる。パターン形成における解像力を高めるために遮光膜自体は単層膜を用いるのが好ましい。本発明において、遮光膜14は光透過性基材11をエッチングして凹凸部を形成するときのマスク材としての機能も有する。
上記のクロム系材料の中でも、成膜が容易で汎用性の高いクロム膜、あるいは窒化クロム膜が好ましく、さらには微細パターン形成のために膜応力の低減が容易な窒化クロム膜がより好ましい。例えば、窒化クロム膜を遮光膜とした場合には、遮光膜は5nm〜10nm程度の範囲の膜厚で用いられる。膜厚が5nm未満では位置合わせにおいて濃度不足で識別が困難となるおそれがあり、10nmを超えるとエッチング加工マスクとして微細パターン形成に好ましくないからである。位置合わせのアライメント光は、通常、波長633nmなどの可視光が用いられる。
本発明において、遮光膜パターン16を構成する耐洗浄性保護膜15としては、SPM(硫酸と過酸化水素水の混合液)洗浄などのウェット洗浄に対して耐性があり、酸素ガス、オゾンガスなどのドライ洗浄耐性が大きい薄膜材料が用いられる。それらの材料の中で、シリコン系膜が耐洗浄性に優れ微細パターン形成が容易で、洗浄時において下層のクロム系膜を保護するのに好ましい。シリコン系膜は、真空成膜によるシリコン(無定形;a−Si)、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン(SiC)、モリブデンシリサイド(MoSi)、タンタルシリサイド(TaSi)、タングステンシリサイド(WSi)などの薄膜の中から選ばれる材料が用いられる。パターン形成における解像力を高めるために、耐洗浄性保護膜自体は単層膜を用いるのが好ましい。
上記のシリコン系材料の中でも、窒化シリコン膜はウェット洗浄およびドライ洗浄の双方に耐性が大きくより好ましい。例えば、窒化シリコン膜を耐洗浄性保護膜とした場合には、耐洗浄性保護膜は5nm〜10nm程度の範囲の膜厚で用いられる。膜厚が5nm未満では洗浄時の耐性に不十分であり、10nmを超えるとエッチング加工マスクとして微細パターン形成に好ましくないからである。
本発明において、光透過性基材11の一主面を掘り込んで形成した凹凸パターンの凹部の深さは、被加工基板に転写形成するレジストパターンの所望するパターン厚さに依存するが、例えば、凹凸パターンの凹部の深さが40nm〜100nmの範囲で用いられる。
本発明において、主パターン部の凹凸部の凹部の深さと位置合わせマーク部の凹凸部の凹部の深さとは、同じであるのが好ましい。後述するように、本発明の位置合わせマークの凹部を主パターンの凹部と同時に形成する場合には、同じ深さとなる。
本発明において、位置合わせマークの形状としては特に制限はなく、被加工基板のアライメントマークに対応して、通常用いられる位置合わせマーク形状が適用できる。例えば、凹凸パターンの凹部のパターンを幅1μm〜10μm、深さ40nm〜100nmの十字形状とした十字マークなどを用いることができ、十字マークの凹部パターン周辺の透過性基材上に遮光膜と耐洗浄性保護膜の2層膜で形成した幅1μm〜10μmの遮光膜パターンを設け、凹部十字マークと遮光膜パターンとで位置合わせマークとすることができる。
本発明の位置合わせマークは、遮光膜上に耐洗浄性保護膜を設けて2層膜とすることにより、インリキッドアライメントにおいても十分にコントラストが高く、高精度の位置合わせが可能となり、インプリント用テンプレートの洗浄時に、位置合わせマークが膜減りして遮光性が低下することが無い洗浄耐性に優れた位置合わせマークが得られる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態におけるインプリント用位置合わせマークを有するテンプレートの断面模式図である。図2において、インプリント用テンプレート20は、光透過性基材21の一主面を掘り込んで形成した凹凸パターンからなる被加工基板上の光硬化性材料に転写するための主パターン22と、位置合わせマーク23とから構成される。
位置合わせマーク23は、光透過性基材21を掘り込んで形成した凹凸パターン部と、この凹凸パターン部の光透過性基材21上に形成された遮光膜パターン26とからなる。遮光膜パターン26は遮光膜24と遮光膜24上に設けた耐洗浄性保護膜25との2層膜で構成されており、位置合わせマーク23の凹凸パターン部の凹部にも耐洗浄性保護膜25が形成されているものである。
本実施形態において、光透過性基材21、遮光膜パターン26を構成する遮光膜24および耐洗浄性保護膜25は、実施形態1と同じ材料、膜厚で用いられるので、説明は省略する。また、位置合わせマークも実施形態1と同様な形状、寸法が用いられる。凹凸パターン部の凹部に設けられる耐洗浄性保護膜25は、後述するように遮光膜24上に設ける耐洗浄性保護膜25と同じ成膜工程で形成することにより製造工程が簡略化されるので、遮光膜24上に設ける耐洗浄性保護膜25と同じ材料が好ましい。
本実施形態の位置合わせマークは、遮光膜上に耐洗浄性保護膜を設けて2層膜とすることにより、インリキッドアライメントにおいても十分にコントラストが高く、高精度の位置合わせが可能となり、インプリント用テンプレートの洗浄時に、位置合わせマークが膜減りして遮光性が低下することが無い洗浄耐性に優れた位置合わせマークが得られる。
さらに、本実施形態の位置合わせマークは、遮光膜をエッチングしパターン化した後に耐洗浄性保護膜を成膜して形成するので、パターン化された遮光膜の上面側のみならず側面も一定の厚さの耐洗浄性保護膜で覆われることになり(図示はしてない)、より洗浄耐性の大きい位置合わせマークとすることができる。
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態におけるインプリント用位置合わせマークを有するテンプレートの断面模式図である。図3において、インプリント用テンプレート30は、光透過性基材31の一主面を掘り込んで形成した凹凸パターンからなる被加工基板上の光硬化性材料に転写するための主パターン32と、位置合わせマーク33とから構成される。
位置合わせマーク33は、光透過性基材31を掘り込んで形成した凹凸パターン部と、この凹凸パターン部の光透過性基材31上に形成された遮光膜パターン36とからなる。遮光膜パターン36は遮光膜34と遮光膜34上に設けた耐洗浄性保護膜35との2層膜で構成されており、位置合わせマーク33の凹凸パターン部の凹部および主パターン32の凹凸パターンの凹部にも耐洗浄性保護膜35が形成されているものである。
本実施形態において、光透過性基材31、遮光膜パターン36を構成する遮光膜34および耐洗浄性保護膜35は、実施形態1と同じ材料、膜厚で用いられるので、説明は省略する。また、位置合わせマークも実施形態1と同様な形状、寸法が用いられる。凹凸パターンのすべての凹部に設けられる耐洗浄性保護膜35は、後述するように遮光膜34上に設ける耐洗浄性保護膜35と同じ成膜工程で形成することにより製造工程が簡略化されるので、遮光膜34上に設ける耐洗浄性保護膜35と同じ材料が好ましい。
本実施形態の位置合わせマークは、遮光膜上に耐洗浄性保護膜を設けて2層膜とすることにより、インリキッドアライメントにおいても十分にコントラストが高く、高精度の位置合わせが可能となり、インプリント用テンプレートの洗浄時に、位置合わせマークが膜減りして遮光性が低下することが無い洗浄耐性に優れた位置合わせマークが得られる。
さらに、本実施形態の位置合わせマークは、耐洗浄性保護膜が転写に使用される主パターンのすべての凹部に堆積されることにより、エッチング法により形成されて鋭角状になり易い凹部底面のコーナー部形状を緩和させ、インプリント時の樹脂の離型性を向上させる効果が得られる。
次に、上記の位置合わせマークを有するテンプレートの製造方法について説明する。
(第1の実施形態の製造方法)
図4は、図1に示した第1の実施形態の位置合わせマークを有する本発明のテンプレートの製造工程を示す断面模式図である。図4において、図1と同じ箇所を示す場合には同じ符号を用いている。
石英ガラスなどの光透過性基材11の一主面上にクロムなどの遮光膜14を成膜し、続いて耐洗浄性保護膜15を成膜し2層膜とする(図4(a))。遮光膜14および耐洗浄性保護膜15の形成は、従来公知のスパッタリング法が適用できる。
次に、耐洗浄性保護膜15上に第1の電子線レジストを塗布し、電子線描画し、現像して、主パターンと位置合わせパターンの第1のレジストパターン18を形成する(図4(b))。
次に、第1のレジストパターン18をマスクとして、耐洗浄性保護膜15、遮光膜14、光透過性基材11の順にドライエッチングし、光透過性基材11に主パターン12となる凹凸パターンと位置合わせマーク13とする凹凸パターンを形成する(図4(c))。
図4(c)の凹凸パターン形成において、耐洗浄性保護膜15がシリコン系薄膜の場合には、CF4、CHF3、C26あるいはSF6、C48などのフッ素系ガス、あるいはこれらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガスをエッチングガスとして用いることによりドライエッチングを行い、パターン形成することができる。このとき、2層膜下層の遮光膜14がクロム系薄膜ならば、フッ素系ガスに対して耐性があるので、上層の耐洗浄性保護膜15のドライエッチング時のエッチング停止層の機能を有するものである。
遮光膜14がクロム系薄膜の場合には、塩素(Cl2)と酸素の混合ガスをエッチングガスとして用いてドライエッチングし、耐洗浄性保護膜15および光透過性基材11に損傷を与えずにクロムパターンを形成することができる。塩素ガスは他の塩素系ガス、例えば、CHCl3、SiCl4、CCl4などに替えて用いることもできる。
光透過性基材11が石英ガラスの場合には、CF4、CHF3、C26あるいはSF6、C48などのフッ素系ガス、あるいはこれらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガスをエッチングガスとして用いることによりドライエッチングを行い、凹凸パターンを形成することができる。
次に、第1のレジストパターン18を剥離した後、第2の電子線レジストを塗布し、電子線描画し、現像して、位置合わせマーク用の第2のレジストパターン19を形成する(図4(d))。
次に、第1のレジストパターン19をマスクとして、耐洗浄性保護膜15、遮光膜14の順にドライエッチングし、位置合わせマーク部以外の耐洗浄性保護膜および遮光膜を除去する(図4(e))。
次いで、第2のレジストパターン19を剥離して、凹凸パターンからなる主パターン12と、位置合わせマーク13とを有するテンプレート10が得られる(図4(f))。位置合わせマーク13は、光透過性基材を掘り込んで形成した凹凸パターン部と、この凹凸パターン部の光透過性基材上に形成された遮光膜パターン部からなり、該遮光膜パターン部が遮光膜14と耐洗浄性保護膜15との2層膜で構成されている。
本実施形態の製造方法によれば、光透過性基材を掘り込んで形成した凹凸パターン部と、遮光膜と耐洗浄性保護膜との2層膜で構成される遮光膜パターン部とからなる位置合わせマークを備え、洗浄耐性の大きい高精度のテンプレートを作製することができる。
(第2の実施形態の製造方法)
図5は、図2に示した第2の実施形態の位置合わせマークを有する本発明のテンプレートの製造工程を示す断面模式図である。図5において、図2と同じ箇所を示す場合には同じ符号を用いている。
石英ガラスなどの光透過性基材21の一主面上にクロムなどの遮光膜24を成膜する(図5(a))。遮光膜24の形成は、従来公知のスパッタリング法が適用できる。
次に、遮光膜24上に第1の電子線レジストを塗布し、電子線描画し、現像して、主パターンと位置合わせパターンの第1のレジストパターン28を形成する(図5(b))。
次に、第1のレジストパターン28をマスクとして、遮光膜24、光透過性基材21の順にドライエッチングし、光透過性基材21に主パターン22となる凹凸パターンと位置合わせマーク23とする凹凸パターンを形成する(図5(c))。
図5(c)の凹凸パターン形成において、遮光膜24がクロム系薄膜の場合には、塩素(Cl2)と酸素の混合ガスをエッチングガスとして用いてドライエッチングし、耐洗浄性保護膜25および光透過性基材21に損傷を与えずにクロムパターンを形成することができる。塩素ガスは他の塩素系ガス、例えば、CHCl3、SiCl4、CCl4などに替えて用いることもできる。
光透過性基材21が石英ガラスの場合には、CF4、CHF3、C26あるいはSF6、C48などのフッ素系ガス、あるいはこれらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガスをエッチングガスとして用いることによりドライエッチングを行い、凹凸パターンを形成することができる。
次に、第1のレジストパターン28を剥離した後、光透過性基材21の凹凸パターンを形成した一主面側の全面に耐洗浄性保護膜25を成膜する(図5(d))。このとき、凹凸パターンの凹部にも耐洗浄性保護膜25が形成される。耐洗浄性保護膜25を成膜は、従来公知のスパッタリング法が用いられる。
次に、第2の電子線レジストを塗布し、電子線描画し、現像して、位置合わせマーク用の第2のレジストパターン29を形成する(図5(e))。
次に、第2のレジストパターン29をマスクとして、位置合わせマーク部以外の不要となる耐洗浄性保護膜25、遮光膜24をドライエッチングして除去する(図5(f))。
次いで、第2のレジストパターン29を剥離して、凹凸パターンからなる主パターン22と、位置合わせマーク23とを有するテンプレート20が得られる(図5(g))。位置合わせマーク23は、光透過性基材を掘り込んで形成した凹凸パターン部と、この凹凸パターン部の光透過性基材上に形成された遮光膜パターン部からなり、該遮光膜パターン部は遮光膜24と耐洗浄性保護膜25との2層膜で構成されている。位置合わせマーク23の凹凸パターン部の凹部にも耐洗浄性保護膜25が形成されている。
本実施形態の製造方法は、遮光膜のパターン化後に耐洗浄性保護膜を成膜する工程をとることにより、遮光膜パターンの側面部にも耐洗浄性保護膜を形成することができ、遮光膜パターンの露出部分をなくすことにより、洗浄耐性のより大きい位置合わせマークとすることができる。
(第3の実施形態の製造方法)
図6は、図3に示した第3の実施形態の位置合わせマークを有する本発明のテンプレートの製造工程を示す断面模式図である。図6において、図3と同じ箇所を示す場合には同じ符号を用いている。
石英ガラスなどの光透過性基材31の一主面上にクロムなどの遮光膜34を成膜する(図6(a))。遮光膜34の形成は、従来公知のスパッタリング法が適用できる。
次に、遮光膜34上に第1の電子線レジストを塗布し、電子線描画し、現像して、主パターンと位置合わせパターンの第1のレジストパターン38を形成する(図6(b))。
次に、第1のレジストパターン38をマスクとして、遮光膜34、光透過性基材31の順にドライエッチングし、光透過性基材31に主パターン32となる凹凸パターンと位置合わせマーク33とする凹凸パターンを形成する(図6(c))。
図6(c)の凹凸パターン形成において、遮光膜34がクロム系薄膜の場合には、塩素(Cl2)と酸素の混合ガスをエッチングガスとして用いてドライエッチングし、耐洗浄性保護膜35および光透過性基材31に損傷を与えずにクロムパターンを形成することができる。塩素ガスは他の塩素系ガス、例えば、CHCl3、SiCl4、CCl4などに替えて用いることもできる。
光透過性基材31が石英ガラスの場合には、CF4、CHF3、C26あるいはSF6、C48などのフッ素系ガス、あるいはこれらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガスをエッチングガスとして用いることによりドライエッチングを行い、凹凸パターンを形成することができる。
次に、第1のレジストパターン38を剥離した後、光透過性基材31の凹凸パターンを形成した一主面全面に耐洗浄性保護膜35を成膜する(図6(d))。このとき、凹凸パターンの凹部にも耐洗浄性保護膜35が形成される。耐洗浄性保護膜35を成膜は、従来公知のスパッタリング法が用いられる。
次に、第2の電子線レジストを塗布し、電子線描画し、現像して、位置合わせマーク33用および主パターン32用の第2のレジストパターン39を形成する(図6(e))。
次に、第2のレジストパターン39をマスクとして、位置合わせマーク部および主パターン部の不要となる耐洗浄性保護膜35、遮光膜34をドライエッチングして除去する(図6(f))。
次いで、第2のレジストパターン39を剥離して、凹凸パターンからなる主パターン32と、位置合わせマーク33とを有するテンプレート30が得られる(図6(g))。位置合わせマーク33は、光透過性基材を掘り込んで形成した凹凸パターン部と、この凹凸パターン部の光透過性基材上に形成された遮光膜パターン部からなり、該遮光膜パターン部は遮光膜34と耐洗浄性保護膜35との2層膜で構成されている。位置合わせマーク33の凹凸パターン部の凹部、および主パターン32の凹凸パターン部の凹部にも耐洗浄性保護膜35が形成されている。
本実施形態の製造方法は、遮光膜のパターン化後に耐洗浄性保護膜を成膜する工程をとることにより、遮光膜パターンの側面部にも耐洗浄性保護膜を形成することができ、遮光膜パターンの露出部分をなくすことにより、洗浄耐性のより大きい位置合わせマークとすることができる。さらに、耐洗浄性保護膜が転写に使用される主パターンのすべての凹部に堆積されることにより、凹部底面のコーナー部形状を緩和させ、インプリント時の樹脂の離型性を向上させたテンプレートを製造することができる。また、保護膜のレジスト濡れ性や多孔質性等の性状をコントロールすることによりパターンへのレジストなじみを向上させることができる。これにより充填性を向上させたテンプレートを製造することも可能である。
(その他の実施形態の製造方法)
上記のテンプレートの製造方法において、第2のレジストパターン形成においては、電子線レジストによる電子線描画に替えて、感光性レジストによりレーザ描画する方法、あるいはインプリント法によりレジストパターンを形成する方法を用いることも可能である。インプリント法によれば、位置合わせマークの凹凸パターンの凹部にも十分にレジストが充填されるという効果が得られる。
石英ガラス上にスパッタリング法により遮光膜として窒化クロム膜を10nmの厚さに成膜し、続いて耐洗浄性保護膜として窒化シリコン膜を5nmの厚さに成膜し2層膜とした。次に、窒化シリコン膜上に第1の電子線レジストを塗布し、電子線描画し、現像して、主パターンと位置合わせパターンの第1のレジストパターンを形成した。
次に、第1のレジストパターンをマスクとして、窒化シリコン膜をCF4ガス、窒化クロム膜を塩素と酸素の混合ガス、石英ガラスをCF4ガスで順次ドライエッチングし、石英ガラスに主パターン部となる凹凸パターンと位置合わせマークとする凹凸パターンを形成した。凹凸パターンの凹部の深さは、主パターンおよび位置合わせマークともに50nm、主パターンは凹部の幅30nm、ピッチ60nmの複数のラインアンドスペースパターン、位置合わせマークは凹部の幅2μmの十字マーク形状とした。
次に、第1のレジストパターンを剥離した後、第2の電子線レジストを塗布し、電子線描画し、現像して、位置合わせマーク用の第2のレジストパターンを形成し、第2のレジストパターンをマスクとして、窒化シリコン膜をCF4ガス、窒化クロム膜を塩素と酸素の混合ガスで順にドライエッチングし、位置合わせマーク部以外の窒化シリコン膜、窒化クロム膜を除去した。
次いで、第2のレジストパターンを剥離して、凹凸パターンからなる主パターンと、位置合わせマークとを有するテンプレートを作製した。本実施例のテンプレートの位置合わせマークは、石英ガラスを掘り込んで形成した凹凸パターン部と、この凹凸パターン部の石英ガラス上に形成された遮光膜パターン部からなり、該遮光膜パターン部が遮光膜としての窒化クロム膜と耐洗浄性保護膜としての窒化シリコン膜との2層膜で構成されているものである。
上記の実施例のテンプレートについて、複数のサンプル(評価サンプルNo.1〜4)を用意し、下記の洗浄耐性の評価試験を行った。また、比較のために、位置合わせマークが従来のクロム膜(単層)のみから構成されるテンプレートを作製し、複数のサンプル(評価サンプルNo.5〜7)を用意し、実施例と同一条件で洗浄耐性の評価試験を行った。比較例のテンプレートは、位置合わせマークが厚さ10nmのクロム膜(単層)で形成されている以外は、上記の実施例と同じ材料・構成とした。
洗浄耐性の評価試験は、次のA〜Cの3種類の洗浄条件について行った。アッシングには平行平板型のプラズマアッシング装置を用いた。
(A)テンプレートを150℃に加熱し、酸素ガス雰囲気で5分間アッシングした後、遮光膜パターン部の膜厚変化量(%)を測定した。
(B)テンプレートを250℃に加熱し、酸素ガス雰囲気で5分間アッシングした後、遮光膜パターン部の膜厚変化量(%)を測定した。
(C)テンプレートをSPM(硫酸と過酸化水素水の混合液)でウェット洗浄した後、遮光膜パターン部の膜厚変化量(%)を測定した。
膜厚変化量は、洗浄耐性の評価試験前の遮光膜パターン部の耐洗浄性保護膜の初期膜厚と洗浄試験後の膜厚を原子間力顕微鏡にて測定し、変化量(膜厚減少率)として算出した。
評価試験結果を表1に示す。
Figure 2017022417
表1の実施例の評価サンプルNo.1〜4に示されるように、実施例の窒化クロム膜と窒化シリコン膜との2層膜からなるテンプレート評価サンプルは、酸素ガスによるアッシング(ドライ洗浄)に対し、またSPMによるウェット洗浄に対し、膜厚変化量(膜厚減少率)は数%以内であり、いずれも大きな洗浄耐性を示した。
一方、表1の比較例の評価サンプルNo.5〜7に示されるように、従来のクロム単層膜からなるテンプレート評価サンプルは、酸素ガスによるアッシングでクロム膜がほとんど消滅するほどの損傷を生じてしまった。また、SPMによるウェット洗浄でもクロム膜濃度が低下した。
上記の試験結果より、石英ガラスを掘り込んで形成した凹凸パターン部と、この凹凸パターン部の石英ガラス上に形成された遮光膜パターン部からなり、該遮光膜パターン部が遮光膜としての窒化クロム膜と耐洗浄性保護膜としての窒化シリコン膜との2層膜で構成されている本発明のテンプレートの位置合わせマークの優れた洗浄耐性が確認された。
10、20、30 テンプレート
11、21、31 光透過性基材
12、22、32 主パターン
13、23、33 位置合わせマーク
14、24、34 遮光膜
15、25、35 耐洗浄性保護膜
16、26、36 遮光膜パターン
18、28、38 第1のレジストパターン
19、29、39 第2のレジストパターン
70、80 テンプレート
72、82 主パターン
73、83 位置合わせマーク
75 ウェハ
76 ウェハアライメントマーク
77 樹脂
81 石英ガラス
84 遮光性薄膜
88、89 レジストパターン
91 転写パターン
92 樹脂残り
93 欠陥
本発明の請求項1に係る発明は、インプリントに用いるテンプレートの製造方法であって、前記テンプレートは、主パターンと、位置合わせマークを有しており、前記位置合わせマークは、光透過性基材を掘り込んで形成した凹凸パターン部と、該凹凸パターン部の前記光透過性基材の上に形成された遮光膜パターン部から構成され、該遮光膜パターン部が遮光膜と耐洗浄性保護膜との2層膜で構成されており、前記光透過性基材の主面の上に前記遮光膜を成膜する工程と、前記遮光膜の上に前記耐洗浄性保護膜を成膜する工程と、前記耐洗浄性保護膜の上に、前記主パターンと前記位置合わせマークの凹凸パターン部を形成するための第1のレジストパターンを形成する工程と、前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記耐洗浄性保護膜、前記遮光膜、前記光透過性基材の順にドライエッチングし、前記光透過性基材に、前記主パターンと前記位置合わせマークの凹凸パターン部を形成する工程と、前記第1のレジストパターンを剥離する工程と、前記耐洗浄性保護膜の上に、第2のレジストパターンを形成する工程と、
前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記位置合わせマークとなる領域以外の前記耐洗浄性保護膜および前記遮光膜を除去する工程と、前記第2のレジストパターンを剥離する工程と、を順に備えることを特徴とする、テンプレートの製造方法である。
本発明の請求項2に係る発明は、インプリントに用いるテンプレートの製造方法であって、前記テンプレートは、主パターンと、位置合わせマークを有しており、前記位置合わせマークは、光透過性基材を掘り込んで形成した凹凸パターン部と、該凹凸パターン部の前記光透過性基材の上に形成された遮光膜パターン部から構成され、該遮光膜パターン部が遮光膜と耐洗浄性保護膜との2層膜で構成されており、該凹凸パターン部の凹部にも前記耐洗浄性保護膜が形成されており、前記光透過性基材の主面の上に前記遮光膜を成膜する工程と、前記遮光膜上に、主パターンと位置合わせパターンの第1のレジストパターンを形成する工程と、前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記遮光膜、前記光透過性基材の順にドライエッチングし、前記光透過性基材に、前記主パターンと前記位置合わせマークの凹凸パターン部を形成する工程と、前記第1のレジストパターンを剥離する工程と、前記光透過性基材の主面側の全面に前記耐洗浄性保護膜を成膜する工程と、前記耐洗浄性保護膜の上に、第2のレジストパターンを形成する工程と、前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記位置合わせマークとなる領域以外の前記耐洗浄性保護膜および前記遮光膜を除去する工程と、前記第2のレジストパターンを剥離する工程と、を順に備えることを特徴とする、テンプレートの製造方法である。
本発明の請求項3に係る発明は、インプリントに用いるテンプレートの製造方法であって、前記テンプレートは、主パターンと、位置合わせマークを有しており、前記位置合わせマークは、光透過性基材を掘り込んで形成した凹凸パターン部と、該凹凸パターン部の前記光透過性基材の上に形成された遮光膜パターン部から構成され、該遮光膜パターン部が遮光膜と耐洗浄性保護膜との2層膜で構成されており、前記位置合わせマークの凹凸パターン部の凹部および前記主パターンの凹部にも前記耐洗浄性保護膜が形成されており、前記光透過性基材の主面の上に前記遮光膜を成膜する工程と、前記遮光膜上に、主パターンと位置合わせパターンの第1のレジストパターンを形成する工程と、前記第1のレジストパターンをマスクとして、前記遮光膜、前記光透過性基材の順にドライエッチングし、前記光透過性基材に、前記主パターンと前記位置合わせマークの凹凸パターン部を形成する工程と、前記第1のレジストパターンを剥離する工程と、前記光透過性基材の主面側の全面に前記耐洗浄性保護膜を成膜する工程と、前記耐洗浄性保護膜の上に、第2のレジストパターンを形成する工程と、前記第2のレジストパターンをマスクとして、前記位置合わせマークとなる領域および前記主パターンの凹部以外の前記耐洗浄性保護膜、および、前記遮光膜を、除去する工程と、前記第2のレジストパターンを剥離する工程と、を順に備えることを特徴とする、テンプレートの製造方法である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記遮光膜パターン部を構成する遮光膜がクロム系薄膜であり、前記耐洗浄性保護膜がシリコン系薄膜であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記耐洗浄性保護膜の耐洗浄性が、前記テンプレートを加熱した状態で酸素ガスを用いてアッシングして洗浄したとき、前記耐洗浄性保護膜の膜厚減少率が初期膜厚の10%以内であることを特徴とする請求項1から請求項までのうちのいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法である。

Claims (4)

  1. 光透過性基材の一主面に凹凸パターンを形成したテンプレートを、被加工基板上の光硬化性材料に押し付けると共に、前記テンプレートを介して前記光硬化性材料を感光させる光を照射することによって、前記光硬化性材料を光硬化させて前記凹凸パターンを転写するインプリントに用いるテンプレートであって、
    前記テンプレートの凹凸パターンの凸部の上に、位置合わせ用マークとなる遮光膜パターンを有しており、
    前記遮光膜パターンの上面と側面が、耐洗浄性保護膜で覆われていることを特徴とするテンプレート。
  2. 前記テンプレートの凹凸パターンの凹部にも前記耐洗浄性保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のテンプレート。
  3. 前記遮光膜パターンを構成する遮光膜がクロム系薄膜であり、前記耐洗浄性保護膜がシリコン系薄膜であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテンプレート。
  4. 前記耐洗浄性保護膜の耐洗浄性が、前記テンプレートを加熱した状態で酸素ガスを用いてアッシングして洗浄したとき、前記耐洗浄性保護膜の膜厚減少率が初期膜厚の10%以内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載のテンプレート。
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