JP2017022176A - 薄膜抵抗器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好なTCR特性を保持しつつ、従来よりも高い抵抗値を有する薄膜抵抗器を提供する。
【解決手段】基板上に一対の電極と、前記一対の電極と接続された抵抗膜を形成した薄膜抵抗器であって、前記抵抗膜は、第1の抵抗膜と前記第1の抵抗膜とはTCRが異なる第2の抵抗膜とからなり、前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とは、いずれもSi、Cr、Nを主成分とする薄膜抵抗器。
【選択図】図1
【解決手段】基板上に一対の電極と、前記一対の電極と接続された抵抗膜を形成した薄膜抵抗器であって、前記抵抗膜は、第1の抵抗膜と前記第1の抵抗膜とはTCRが異なる第2の抵抗膜とからなり、前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とは、いずれもSi、Cr、Nを主成分とする薄膜抵抗器。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄膜抵抗器及びその製造方法等に関する。
抵抗器はパーソナルコンピュータや携帯端末等の多くの電子機器に使用され、特に自動車や医療用機器、またロボット等の産業用機器では信頼性の高い薄膜抵抗器が求められる。
これらの抵抗器は、近年の電子機器の小型化に伴ってチップサイズの小型化が要求され、小型化した抵抗器においても従来と同等の抵抗値を実現する必要がある。そのためには、抵抗材料の薄膜化や抵抗パターンの微細化(細線化)といった方法が挙げられる。しかし過度な薄膜化や細線化は抵抗器の長期信頼性を低下させる要因になり、薄膜抵抗器の特長を阻害する。よって根本的には、より比抵抗(抵抗率)の高い抵抗材料を得る必要がある。
高比抵抗を有する薄膜抵抗材料として、例えばクロムとシリコンにバルブ金属または遷移金属を加えた材料であることが開示されている(特許文献1参照)。具体的にはクロムとシリコンに加え、Nb、Ta、Al、Cu、Mn、Zr、Niのいずれかまたは数種からなる金属を含むことが述べられている。薄膜抵抗材料から成るターゲットをスパッタリングすることにより、基板表面に当該材料を抵抗膜として堆積する。スパッタリングは不活性ガスであるアルゴンと窒素の混合ガスによって行われ、窒素ガスの割合を増やすことで、比較的高い比抵抗を有する抵抗膜が形成できる。
基板上に堆積した抵抗膜はフォトリソグラフィー等によって略所望の抵抗値となる形状に加工され、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下にて当該抵抗膜の熱処理が行われる。この熱処理条件を適当に設定することにより、抵抗温度係数(TCR)を小さく(略0)することができる。
このように作製された抵抗膜の比抵抗は数mΩ・cm程度を示し、薄膜抵抗器としては数百kΩ程度から1MΩ程度の抵抗値を有する。そしてこの時の抵抗温度係数TCRは例えば±25ppm/℃程度の範囲で作製することができる。
上記のように抵抗率をより高くしたいという要求がある。抵抗膜の比抵抗をより高くする方法として、スパッタリングにおける窒素ガス量を増やし、比抵抗の高い窒化シリコンの量を増やす方法が挙げられる。
しかしながら、この方法で形成した抵抗膜は、窒化シリコンの負のTCRの特性が支配的となり、比抵抗を高くしようとすると、TCRを略ゼロにすることが難しいという問題があった。
本発明は、良好なTCR特性を保持しつつ、従来よりも高い抵抗値を有する薄膜抵抗器を提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、基板上に一対の電極と、前記一対の電極と接続された抵抗膜を形成した薄膜抵抗器であって、前記抵抗膜は、第1の抵抗膜と前記第1の抵抗膜とはTCRが異なる第2の抵抗膜とからなり、前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とは、いずれもSi、Cr、Nを主成分とする薄膜抵抗器が提供される。
前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とは、一方のTCRが正の値、他方のTCRが負の値であることが好ましい。
前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とは、TCRの正負が変化する窒化シリコンの割合であるxTCR(窒化シリコンの閾値、幅を有していても良い)を境に異なる窒化シリコンの割合を有するようにすると良い。
前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とは、いずれも窒化シリコンを含んでおり、前記第1の抵抗膜において、当該抵抗膜に含まれるSiのうち窒化シリコンを形成しているSiの割合は63%以下であり、前記第2の抵抗膜において、当該抵抗膜に含まれるSiのうち窒化シリコンを形成しているSiの割合は68%以上であることが好ましい。
前記第1の抵抗膜においては、クロムシリサイドの結晶子が連続して組織化しており、その組織が繋がってネットワーク構造が形成されている。このような構造により、導電性が高くシート抵抗が低い膜が実現できる。前記第2の抵抗膜においては、クロムシリサイドの結晶子が個々に分散し、不連続な組織形態になっていることがわかる。このような構造により、導電性が低くシート抵抗が高い膜が実現できる。
前記第2の抵抗膜は、Ti、Zr、Alから選択される少なくとも1の添加金属元素を含むようにしても良い。前記添加金属元素を、前記第2の抵抗膜全体に対して1〜4atm%の割合で含有するようにすると良い。
これらの元素は、窒化物を形成しやすい元素である、これらを添加して、抵抗膜の特性を調整している。
これらの元素は、窒化物を形成しやすい元素である、これらを添加して、抵抗膜の特性を調整している。
主成分として、Crに替えて窒化物を形成しにくい元素を添加して抵抗膜の特性を調整しても良い。例えば、本発明は、基板上に一対の電極と、前記一対の電極と接続された抵抗膜を形成した薄膜抵抗器であって、前記抵抗膜は、第1の抵抗膜と前記第1の抵抗膜とはTCRが異なる第2の抵抗膜とからなり、前記第1の抵抗膜は、Si、Cr、Nを主成分とし、前記第2の抵抗膜は、SiとNと、シリサイドを形成し、かつ、窒化物を形成し難い金属元素を含む薄膜抵抗器であっても良い。
前記金属元素は、Mo、W、Fe、Coのうちから選択される少なくとも1の元素であることが好ましい。
前記金属元素は、Mo、W、Fe、Coのうちから選択される少なくとも1の元素であることが好ましい。
本発明の他の観点によれば、基板上に一対の電極と、前記一対の電極と接続された抵抗膜を形成した薄膜抵抗器の製造方法であって、Si、Cr、Nを主成分とする第1の抵抗膜を形成する工程と、前記第1の抵抗膜に積層してSi、Cr、Nを主成分とする第2の抵抗膜を形成する工程を備え、前記第1の抵抗膜および前記第2の抵抗膜は窒素を含む雰囲気においてスパッタリングにより形成し、前記第1の抵抗膜または前記第2の抵抗膜のいずれか一方を形成する工程において、前記窒素の混合比を大きくすることを特徴とする薄膜抵抗器の製造方法が提供される。
また、本発明は、基板上に一対の電極と、前記一対の電極と接続された抵抗膜を形成した薄膜抵抗器の製造方法であって、Si、Cr、Nを主成分とする第1の抵抗膜を形成する工程と、前記第1の抵抗膜に積層してSi、Cr、Nを主成分とする第2の抵抗膜を形成する工程を備え、前記第1の抵抗膜および前記第2の抵抗膜は窒素を含むガス中においてスパッタリングにより形成し、前記第1の抵抗膜または前記第2の抵抗膜のいずれか一方は、Ti,Zr,Alから選択される少なくとも1の添加金属元素を含むターゲットを用いて形成することを特徴とする薄膜抵抗器の製造方法である。
本発明によれば、良好なTCR特性を保持しつつ、従来よりも高い抵抗値を有する薄膜抵抗器を提供することができる。
本明細書において、「Si(シリコン)、Cr(クロム)、N(窒素)を主成分とする」とは、意図的に成分として含めた元素が、Si、Cr、Nのみであること、それ以外の元素は、例えば5atm%程度の、いわゆるドーパント的な意味での成分と意図しない不純物とであることを意味する。また、シート抵抗と比抵抗(抵抗率)とは実際には、異なるものであるが、厚さを一定とすれば同じ意味を有するため、この明細書では同義に用いることがある。
以下、本発明の実施の形態による抵抗器及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明の実施の形態による抵抗器及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態による薄膜抵抗器の一構成例を示す断面図(図1(a))と例示的に示す平面図(図1(b))である。図1(a)(図1(b)のIa−Ib線に沿った断面図)、図1(b)に示すように、本実施の形態による薄膜抵抗器Aは、例えばアルミナなどの絶縁基板1と、絶縁基板1上に形成される第1の抵抗膜3aと、第1の抵抗膜3a上に形成される第2の抵抗膜3bとの少なくとも2層構造からなる抵抗膜3(3a/3b)と、抵抗膜3上の所定の領域に形成される電極5aと、を有している。
図1は、本発明の第1の実施の形態による薄膜抵抗器の一構成例を示す断面図(図1(a))と例示的に示す平面図(図1(b))である。図1(a)(図1(b)のIa−Ib線に沿った断面図)、図1(b)に示すように、本実施の形態による薄膜抵抗器Aは、例えばアルミナなどの絶縁基板1と、絶縁基板1上に形成される第1の抵抗膜3aと、第1の抵抗膜3a上に形成される第2の抵抗膜3bとの少なくとも2層構造からなる抵抗膜3(3a/3b)と、抵抗膜3上の所定の領域に形成される電極5aと、を有している。
第1の抵抗膜3aは、TCRが正の値であり、第2の抵抗膜3bは、TCRが負の値である。さらに、第2の抵抗膜3bのシート抵抗は、第1の抵抗膜3aのシート抵抗よりも高い。尚、第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとの上下関係は任意である。
以下に、図1に示す抵抗器の製造方法の一例について、図2Aから図2Cを参照しながら説明する。
図2A(a)に示すように、少なくとも一方の面が絶縁性を有する基板1をスパッタリング装置などに装着し、基板1上に第1の抵抗膜3aを堆積する。基板1には例えばアルミナ基板等を用いることができる。スパッタリング技術については後述する。
スパッタリングによって形成する第1の抵抗膜3aの膜厚は例えば30nmから150nm程度である。
尚、抵抗膜の膜厚をより薄くすることによっても抵抗膜のシート抵抗を大きくし、抵抗器の抵抗値を上げることができる。しかしながら、基板1表面には比較的大きな凹凸が存在すること、あまり薄い抵抗膜では厚さのばらつきの影響を受けやすいことなどから、安定して抵抗器を製造するためにはある程度の膜厚が必要である。
続いて、第1の抵抗膜3a上に第2の抵抗膜3bを堆積する(図2A(b))。
続いて、第1の抵抗膜3a上に第2の抵抗膜3bを堆積する(図2A(b))。
本実施の形態における第2の抵抗膜3bは、クロムとシリコンとを含むターゲットをスパッタリングして形成する。スパッタリングに用いる混合ガス中の窒素の混合比は第1の抵抗膜3aの形成時のそれに比べて大きくすると良い。すなわち、第2の抵抗膜3b中の窒素量(割合)は第1の抵抗膜3a中のそれより多い。尚、第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとの上下関係は任意であるため、第1の抵抗膜3aの形成時の窒素の混合比を大きくしても良い。
次に、第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとの積層から成る抵抗膜を、例えばフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングし、次の工程の熱処理後に略所望の抵抗値となる抵抗膜パターンを得る(図2A(c))。
次に、抵抗膜パターンが形成された基板1を、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下において熱処理する。熱処理工程の詳細な条件等については後述する。
以上の工程により形成された第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとは、ともにクロム・シリコン・窒素を主成分とし、いずれの抵抗膜も、クロムはシリコンの一部と化合物(クロムシリサイド)を形成し、残るシリコンの一部は窒化物(シリコン窒化物)を形成する。
第1の抵抗膜3aの窒化物を形成するシリコンの割合は、シリコン全体に対して50〜63%程度(第1の抵抗膜3a中の窒素の組成量は20〜26atm%程度)、第2の抵抗膜3bの窒化物を形成するシリコンの割合は68〜80%程度(第2の抵抗膜中の窒素の組成量は29〜33atm%程度)が適している。
上記のように、第2の抵抗膜3bは第1の抵抗膜3aに比べて多くの窒素を含み、シリコンが窒化している割合は大きいため、第1の抵抗膜3aに比べて高い比抵抗を有する。第1の抵抗膜3aのシート抵抗Rs1と、第2の抵抗膜3bのシート抵抗Rs2は、各々の抵抗膜の膜厚(t1とt2)を変えることによってある程度の調整をすることができる。Rs1とRs2との関係については後述する。
次に、下地電極の形成を行う(図2A(d))。下地電極5aは、基板1の表面に例えば銅をスパッタリングにより堆積し形成する。この下地電極5aのパターニングは、抵抗薄膜3のパターンが形成された基板1上にメタルマスクを配置して行っても良いし、フォトレジストによるリフトオフ法によって形成しても良い。ここでは後者を例について説明する。
抵抗薄膜3がパターン形成された基板1上にフォトレジストを塗布し、パターニングを行う。その後、アルゴンイオン等を用いて抵抗薄膜パターン表面を数nm程度、スパッタエッチングする。この工程は、熱処理工程等において抵抗薄膜の表面に形成される自然酸化膜を除去し、抵抗薄膜3と下地電極5aとの電気的な導通を良好なものにするためである。同様に、基板1の裏面にもメタルマスク等を用いてスパッタリングにより下地電極5bを形成する。下地電極5aと下地電極5bを形成する順番はどちらが先でも良い。
銅の膜厚は1μm程度である。
銅の膜厚は1μm程度である。
その後、フォトレジストを剥離剤等の有機溶媒により剥離することで、所望の領域のみに下地電極5aおよび下地電極5bとしての銅の膜が形成される。
次に、例えば、プラズマCVD装置などにより、保護膜としての酸化シリコン膜11を形成する(図2B(e))。この工程においても、平行平板型のRF放電装置を使用することができる。原料ガスとしては、SiH4とN2Oガスを用いることができる。酸化シリコン膜の膜厚は1μmから2μm程度である。
保護膜としての酸化シリコン膜11を形成する前に、プラズマCVD装置によって窒化シリコン保護膜を堆積しても良い。あるいは、保護膜を形成した後に、プラズマCVD装置によって窒化シリコン保護膜を堆積しても良い(図示せず)。窒化シリコン保護膜の形成工程では、原料ガスとしてSiH4とNH3またはN2ガスを用いる。
窒化シリコン保護膜の膜厚は50nmから100nm程度でよい。窒化シリコン保護膜は酸化シリコン膜に比べて透湿性が低いことから、高温高湿度環境下においても水分の侵入を抑制することができる。
その後、保護膜11(酸化シリコン膜、または酸化シリコン膜と窒化シリコン保護膜の積層膜)をフォトリソグラフィー技術によりパターニングし、少なくとも下地電極5a上を開口する(図2B(f))。そして、図2B(g)に示すように、オーバーコート膜17を形成する。このオーバーコート膜17は、例えば樹脂の保護膜であり、スクリーン印刷などによって形成した後に硬化して形成することができる。
次に、1次ブレーク処理を行い、基板1を短冊状のチップ群に分割する。そして、露出した基板端面に端面下地電極21を形成する(図2C(h))。次いで、2次ブレーク処理を行い、個々のチップとし、端面下地電極21および基板の上面と下面の下地電極5a、5bに、ニッケルおよびスズめっきを施し電極部25を形成し、薄膜抵抗器が完成する(図2C(i))。
抵抗膜を形成するために、例えば、スパッタリング技術を用いる。ターゲットを用いてスパッタリングする際には、高比抵抗膜を得るために、不活性ガスと窒素とを適量含む混合ガスを用いるのが好ましい。
ここでは、アルゴンと窒素の混合ガスを使用し、ガス中の窒素の混合比(流量比)は例えば10%から30%程度の範囲で用いることができる。
これによりターゲットに含まれるシリコンを適量窒化させた膜が基板上に堆積され、抵抗膜を得る。第1の抵抗膜中の窒素の組成量は20atm%から26atm%程度が適当であり、また該抵抗膜中に含まれるシリコンのうちの50%から63%程度が窒化しているのが好ましい。
尚、第1の抵抗膜と第2の抵抗膜の上下は任意であるため、第2の抵抗膜3bの窒素の混合比と比べて、第1の抵抗膜3aの窒素の混合比のほうが大きくなるように調整しても良い。
金属元素の組成量およびスパッタ時の窒素ガスの割合においては、第2の抵抗膜3bのTCRは負の値となり、また、比抵抗は第1の抵抗膜3aと同程度になる。よって、組成量の範囲内で適当な元素を選ぶことによって所望の特性を有する第2の抵抗膜3bを形成することが可能となる。
(熱処理工程についての詳細な説明)
以下に、上記では簡単に説明した熱処理工程について詳細に説明する。スパッタリング等により抵抗膜パターン3(3b/3a)が形成された基板1を、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下において熱処理することで、第1の抵抗膜3aや第2の抵抗膜3bに含まれるクロムとシリコンは化合し、シリサイドの結晶子を形成する。すなわち、熱処理によって、抵抗膜3a/3bは非晶質の窒化シリコンを主体とするマトリックス中に、シリサイド結晶子が分散した組織形態となる。
以下に、上記では簡単に説明した熱処理工程について詳細に説明する。スパッタリング等により抵抗膜パターン3(3b/3a)が形成された基板1を、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下において熱処理することで、第1の抵抗膜3aや第2の抵抗膜3bに含まれるクロムとシリコンは化合し、シリサイドの結晶子を形成する。すなわち、熱処理によって、抵抗膜3a/3bは非晶質の窒化シリコンを主体とするマトリックス中に、シリサイド結晶子が分散した組織形態となる。
この組織形態は、抵抗膜3a/3bの電気特性(比抵抗やTCR)と大きく関係していることが発明者の研究によって分かった。以下に、その経過について説明する。
抵抗膜3a/3bは、熱処理前は、非晶質であり、この時のTCRは負の値である。
抵抗膜3a/3bは、熱処理前は、非晶質であり、この時のTCRは負の値である。
ところが500℃以上の温度で熱処理を行うと、抵抗膜3a/3b内部にクロムが凝集し、クロムシリサイドの結晶子が形成され、それ以外の窒化シリコンを主体としたマトリックス部分との相分離が起こる。
ここで、クロムシリサイドは正のTCRを有し、マトリックスである窒化シリコンは負のTCR特性を有する。
熱処理温度が比較的低い場合は、クロムシリサイド結晶子の形成が不十分であるため、抵抗膜全体のTCR特性は負の値のままである。熱処理温度を高くしていくと、クロムシリサイド結晶子の形成が促進され、TCRは略ゼロ〜正の値に変化する。
さらに熱処理温度を上げると、クロムシリサイド結晶子の形成は更に促進し、クロムシリサイド結晶子と窒化シリコンマトリックス部分との相分離が進む。電荷は比較的抵抗の小さいクロムシリサイド結晶子を優先的に移動するため、抵抗膜のTCRはクロムシリサイドの特性が支配的となり、より高い正の値に変化する。同時に、クロムシリサイド結晶子の部分は凝集して細く長い組織形態になるため、膜の抵抗は増加する。これらの詳細な検討結果については後述する。
図3は、第1の抵抗膜3aのシート抵抗Rs1とTCR1との関係を示す図である。横軸はシート抵抗である。各プロットは、横軸の左側から順番に、熱処理温度が、650℃、700℃、750℃、800℃である。熱処理温度の上昇に伴ってTCR1は正の値に増加し、同時にシート抵抗Rs1も増加する。すなわち比抵抗ρ1=Rs1×t1は増加する。
図3からわかるように、第1の抵抗膜3aでは、熱処理温度を高くすると、シート抵抗は高くなり、かつ、TCRも大きくなる。但し、750℃以上では、TCRは正の値ではあるが、あまり変化せずにほぼ一定の値となることがわかる。このように、製造段階において、TCR変動が収まる温度領域まで熱処理を行なっておくことにより、その後のTCR変動を抑制し、全体としてTCRの安定した抵抗器とすることができる。
ところで、抵抗膜が1層である従来の技術では、TCR特性が略ゼロとなる温度をターゲットに熱処理を行っていた、従って、得られる比抵抗は比較的低い値であった。また図3を参照すればわかるように、TCR特性が略ゼロとなる付近でのTCR特性の熱処理温度依存性が比較的高いため、少しの条件のプロセス変化により、TCR特性が大きく変動するという問題があった。
本実施の形態では、従来のようにTCR特性が略ゼロとなる条件を目標とした場合に比べてより高い温度で熱処理を行う。これにより、従来に比べて10倍程度高いシート抵抗と正のTCR特性とを有する第1の抵抗膜3aを形成することができる。この熱処理温度の領域、特に750℃以上の熱処理温度領域におけるTCR特性の変化は比較的緩やかであることから、TCR特性のプロセス(熱処理温度)に依存するバラツキが小さくなり、かつ、高いシート抵抗を有する抵抗膜を得ることができる。
図4は、第2の抵抗膜3bのシート抵抗Rs2とTCR2との関係を示す図である。横軸はシート抵抗である。各プロットは、横軸の左側から順番に、熱処理温度が、650℃、700℃、750℃、800℃である。
図4からわかるように、第2の抵抗膜3bでは、熱処理温度を高くすると、シート抵抗は高くなり、かつ、TCRが小さくなる。TCRは負の値である。
第2の抵抗膜3bでは、第1の抵抗膜3aに比べて、抵抗膜中の窒素の割合を増加させているため、熱処理後の第2の抵抗膜3b中の窒化シリコンマトリックスの割合は増加している。そのため、熱処理により形成されるクロムシリサイドは数nmから10数nm程度の大きさの結晶子として個々に点在し、当該結晶子同士が繋がった組織形態が形成され難くなる。
その結果、電荷はクロムシリサイド結晶子のみならず、該結晶子間の窒化シリコン部分(マトリックス領域)も流れるため、当該領域の大きな比抵抗と負のTCR特性の影響を強く受ける。
本実施の形態では、第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとを積層することによって、高い抵抗値を有し、かつ、TCR特性がゼロ付近の抵抗膜を得る。その条件を以下に述べる。
第1の抵抗膜3aのシート抵抗Rs1と第2の抵抗膜3bのシート抵抗Rs2を積層した抵抗膜3のシート抵抗Rsは、Rs1とRs2との並列接続として、以下の式(1)で表される。
第1の抵抗膜3aのシート抵抗Rs1と第2の抵抗膜3bのシート抵抗Rs2を積層した抵抗膜3のシート抵抗Rsは、Rs1とRs2との並列接続として、以下の式(1)で表される。
式(1)に示すように、積層した抵抗膜3のシート抵抗Rsは、第1の抵抗膜3aのシート抵抗Rs1に比べて小さくなるが、前述の通り、TCR特性が略ゼロとなる熱処理条件で作製される従来の抵抗膜に比べて、第1の抵抗膜は10倍程度高い比抵抗を実現できる(図3参照)。
従って、適切なRs2を得れば、従来の一層の構造に比べて十分に高いシート抵抗Rsを実現することができる。
Rs1に対するRsの割合をn(0<n<1)として一般化して表すと、下記の式(2)となる。
これを変形すると式(3)が得られる。
これからRsをRs1の半分以上(n≧0.5)にするためには、Rs1≦Rs2とすればよい。この場合においては、従来の一層構造の抵抗層に比べてRsは5倍程度高いシート抵抗となる。また、例えばRsがRs1の95%以上(n≧0.95)とするには、19Rs1≦Rs2を満たすよう第2の抵抗膜3bの組成(窒素量)や膜厚を設定すればよい。このように、第2の抵抗膜3bの組成(窒素量)や膜厚を設定することで、所望のシート抵抗を有する積層抵抗膜3を得ることができる。
次に、積層抵抗膜3の抵抗温度特性TCRについて説明する。ある温度Tにおける第1の抵抗膜3aのシート抵抗がRs1であり、温度T+ΔTにおける同シート抵抗をRs1+ΔRs1であるとし、またこれらから求められる第1の抵抗膜3aの抵抗温度係数をTCR1とする。第2の抵抗膜3bについても同様とする。
第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとを積層した積層抵抗膜3の温度Tにおけるシート抵抗Rsは、前述の式(1)で表現され、また同様に温度T+ΔTにおけるシート抵抗は以下の式(4)で表される。
従って、式(1)と式(4)とを用いて、積層された抵抗膜3のTCRを表すと、以下の式(5)で表すことができる。
式(5)から、抵抗膜3のTCRを略ゼロにするには、式(5)の分子の括弧内をゼロにすれば良い。そこで、第2の抵抗膜3bの抵抗温度係数TCR2が負の値であることを考慮し、また式(3)に記したnを用いると、TCR=0となる条件は式(6)となる。
ΔT=100Kとし、例えば、n=0.5およびn=0.95の場合についてTCR1に対するTCR2の変化を図5に示す。図5は、式(6)をグラフ化した図である。TCR1が決まれば、nの値に応じて取るべきTCR2の値が図5の横軸から読み取れる。換言すると、nの値に応じて、TCR1とTCR2をどのような関係に設計すればよいか、設計指針が得られる。図5に示す第1の抵抗膜3aのTCR1が約300ppm/Kの場合には、n=0.5〜0.95の比抵抗を有する第2の抵抗膜3bのTCR2は−283〜−3563ppm/Kであれば良いことが分かる。
図6は、積層抵抗膜3のTCR値が±25ppm/K範囲内となるTCR2のバラツキ許容幅を、TCR1の値に対する変化として示す図である。
図6は、式(5)をグラフ化した図である。ある程度の抵抗膜3のTCRのバラツキを想定した場合、nの値を大きくすることによって、第2の抵抗膜3bに求められるTCR2のばらつき許容範囲が広く(大きく)できることがわかる。すなわち、nが大きくなるように設計する方が、TCR2がばらついても抵抗膜3のTCRに対する影響は小さく(第2の抵抗膜に求められる精度は低く)することができ、製造しやすくなるというような設計指針が得られる。
例えば、n=0.5の場合に比べて、n=0.95の方がTCR2のバラツキ許容幅が大きく、第2の抵抗膜3bの作製が容易となる。
以上の検討結果から、所望のシート抵抗Rsを得るためには、式(2)に従い適当なRs1とnを定める。この時のnは0.5≦n<1の範囲で、nはできるだけ大きい値が望ましい。定めたnと第1の抵抗膜3aがRs1の時に得られるTCR1から式(6)に従いTCR2を求め、実現する第2の抵抗膜3bの組成(窒化量)を設計すると良い。
或いは、熱処理条件によって変化するTCR1とTCR2とを考慮して、式(6)に従い、nが0.5≦n<1の範囲で、また好ましくはnができるだけ大きくなるよう熱処理条件を定めても良い。得られたnに従い、Rs1とRs2とが式(3)の関係を満たすよう、第1の抵抗膜3aの比抵抗や膜厚、第2の抵抗膜3bの比抵抗や膜厚の調整を行うと良い。
そのような熱処理条件とは、例えば、500℃以上、望ましくは750℃以上である。上限は、1000℃と推測される。製造段階において、TCR変動が収まる温度領域まで熱処理を行なっておくことにより、その後のTCR変動を抑制し、全体としてTCRの安定した抵抗膜となる。
以上の点を加味して、第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとを形成することにより、従来に比べて高いシート抵抗を有し、且つTCRがゼロ付近の温度安定性に優れた抵抗膜3を得ることができる。このようにして、第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとの設計指針を定めることができる。
(抵抗膜の組成について)
以下に、第1抵抗膜3a及び第2抵抗膜3bの組成等について詳細に検討する。
本実施の形態による第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとは、クロムとシリコンの組成比は同じでよいが、窒素の含有量(組成量)が異なる。これにより、窒化物を形成するシリコンの割合が第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとでは異なる。
以下に、第1抵抗膜3a及び第2抵抗膜3bの組成等について詳細に検討する。
本実施の形態による第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとは、クロムとシリコンの組成比は同じでよいが、窒素の含有量(組成量)が異なる。これにより、窒化物を形成するシリコンの割合が第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとでは異なる。
第1の抵抗膜3aの窒化物を形成するシリコンの割合は、シリコン全体に対して50〜63%程度(第1の抵抗膜3a中の窒素の組成量は20〜26atm%程度)、第2の抵抗膜3bの窒化物を形成するシリコンの割合は68〜80%程度(第2の抵抗膜3b中の窒素の組成量は29〜33atm%程度)が適している。
それぞれの抵抗膜において、上記範囲とする理由は以下の通りである。
それぞれの抵抗膜において、上記範囲とする理由は以下の通りである。
第1の抵抗膜3aの窒化シリコンが50%より少ない場合には、目標とする抵抗値に対して第1の抵抗膜3aのシート抵抗(比抵抗率)が低くなりすぎる。
第2の抵抗膜3bの窒化シリコンが80%より多い場合には、材料が絶縁体に近くなり、第2の抵抗膜3bの比抵抗、TCRが、抵抗器に対して作用しにくい(影響を与えにくい)。
第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとの間である63〜68%という値は、窒化シリコンの割合がこの値を境に、TCRが正から負の方向へ変化するという現象に依存した値である。この窒素組成をxTCRと定める。
図7は、第1の抵抗膜3aのSi2p光電子分光スペクトルを示す図である、横軸は結合エネルギー、縦軸はスペクトル強度である。
図7に示すように、99eV付近の第1のピークがSi−Si結合またはシリサイドを形成するSiに起因し、101−102eV付近の第2のピークが窒化シリコン(Si−N結合)に起因する。
第1の抵抗膜3a中の窒素量を増やすと、第1のピーク強度が弱くなり、第2のピーク強度が強くなる。第1のピークと第2のピークのピーク面積の比が各結合状態の割合に相当する。低エネルギー側にピークを持つスペクトルが窒化シリコンの割合が51%、高エネルギー側にピークを持つスペクトルが窒化シリコンの割合が63%である、それぞれのサンプルのデータであり、この時の抵抗膜は正のTCRを示す。
第1の抵抗膜3aでは、窒化シリコンの割合が比較的少ないため、クロムシリサイドの結晶子の組織が繋がってネットワーク構造が形成されている。
このように、第1の抵抗膜3aでは、SiNマトリックス中にクロムシリサイド(主にCrSi2)のネットワーク構造が形成されている。このような構造により、図3に示すように、導電性が高くシート抵抗が低い膜が実現できる。
図8は、第2の抵抗膜3bのSi2p光電子分光スペクトルを示す図である、横軸は結合エネルギー、縦軸はスペクトル強度である。
第2の抵抗膜3b中の窒素量が多いため、101−102eV付近の第2のピーク(窒化シリコンに起因するピーク)のピーク強度が、99eV付近の第1のピークのピーク強度に比べて強くなる。図8は、窒化シリコンの割合が68%と77%のサンプルであり、後者サンプル(77%)では、99eV付近の第1のピーク強度が相対的に小さくなっている。この時の抵抗膜3bは負のTCRを示す。
第2の抵抗膜3bは、窒化シリコンの割合が比較的多いため、クロムシリサイドの結晶子が個々に分散し、不連続な組織形態になっていることがわかる。このような構造により、図4に示すように、導電性が低くシート抵抗が高い膜が実現できる。
図9は、クロム・シリコン・窒素を主成分とし、いずれの抵抗膜も、クロムはシリコンの一部と化合物(クロムシリサイド)を形成し、残るシリコンのうちの少なくとも一部は窒化物(シリコン窒化物)を形成する本実施の形態における抵抗膜の熱処理温度に対するTCRの変化の様子を示す図である。
第1の抵抗膜3a(●(黒塗り丸印)、▲(黒塗り三角印))では、熱処理温度が高くなるとTCRは正の方向に変化する。一方、第2の抵抗膜3b(◆(黒塗りひし形)、■(黒塗り四角印))では、熱処理温度が高くなるとTCRは負の方向に変化する。
しかも、このようなTCRの変化の方向の違いが、クロム・シリコン・窒素を主成分とした抵抗膜において、窒化シリコン量の割合63%〜68%の間で急激に発生することが発見された(図10参照)。
本明細書において、この新たに発見された現象における、TCR値の変化の方向の反転する窒化シリコンの割合を、xTCR(TCRに関する窒化シリコンの割合の閾値)と称する。このxTCRは、本実施の形態における2層抵抗膜におけるシート抵抗−TCR特性を左右する重要なパラメータである。
この現象に関して、発明者は、現時点では以下のようなメカニズムを推定している。
この現象に関して、発明者は、現時点では以下のようなメカニズムを推定している。
(推定メカニズム)
クロム・シリコン・窒素を主成分とした抵抗膜において、熱処理温度の上昇に伴って、抵抗膜中には、クロムシリサイド結晶子の形成が促進される。クロムシリサイドは、正のTCRを有し、電荷はこの結晶子を優先して流れるため、第1の抵抗膜3aでは熱処理温度の上昇に伴って正のTCRを示す傾向がある。
クロム・シリコン・窒素を主成分とした抵抗膜において、熱処理温度の上昇に伴って、抵抗膜中には、クロムシリサイド結晶子の形成が促進される。クロムシリサイドは、正のTCRを有し、電荷はこの結晶子を優先して流れるため、第1の抵抗膜3aでは熱処理温度の上昇に伴って正のTCRを示す傾向がある。
しかしながら、抵抗膜中の窒素量が増加し、窒化シリコン(マトリックス)の割合が増えると、結晶子が個々に分散した組織となり、電荷は結晶子とその間の窒化シリコンの領域を流れるようになる。窒化シリコンの領域は高抵抗であり、負のTCRを有するため、抵抗膜の特性は負のTCR特性に変化する。
しかも、窒化シリコンの量に依存する抵抗膜の組織形態の変化が、膜全体で一様に起こるため、xTCR付近で僅かな窒素量(窒化シリコン量)の変化があっただけでも急激にTCRが変化することになる。
以上に説明したように、TCRが異なる第1および第2の抵抗膜を積層し、第1および第2の抵抗膜は、いずれもSi,Cr,Nを主成分とするが、Nの割合が異なる積層抵抗膜を用いることで、従来よりも高抵抗値であり、TCRをゼロ付近にした抵抗膜を実現することができる。薄膜抵抗器の小型化も可能である。
尚、「従来よりも高抵抗値」とは、クロム・シリコン・窒素を主成分とする抵抗膜(一層)の抵抗器と比較して例えば3倍以上の高抵抗値を実現できることを意味する。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態における第1の抵抗膜3aは、クロムとシリコンと窒素を含み、また第2の抵抗膜3bには、クロム、シリコン、窒素と、窒化物を形成しやすい金属元素(添加金属元素)を含むことを特徴とする。具体的に窒化物を形成しやすい金属元素とはTi、Zr、Alなどである。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態における第1の抵抗膜3aは、クロムとシリコンと窒素を含み、また第2の抵抗膜3bには、クロム、シリコン、窒素と、窒化物を形成しやすい金属元素(添加金属元素)を含むことを特徴とする。具体的に窒化物を形成しやすい金属元素とはTi、Zr、Alなどである。
クロム、シリコン、窒素を含む抵抗膜に、窒化物を形成する上記各種金属元素のいずれかを添加すると、その比抵抗やTCR特性が変化する。
例えば、NbやTaなどを添加すると抵抗膜の比抵抗が減少し、TCRは負の方向に変化する傾向が見られている。
一方で、Ti、Zr、Alなどを添加した抵抗膜では、比抵抗の減少は僅かであるか、または殆ど変化がなく、一方、TCRは負の方向に変化することが観察された。
このような添加元素に依存する抵抗膜の特性変化の違いは、添加元素の窒化物の形成し易さに関係していると考えられ、TiやZrやAlは、NbやTaに比べて窒化物を形成しやすい元素である。
一例として、Tiを含む第2の抵抗膜3bのシート抵抗Rs2とTCR2との関係を図11に示す。また、図11に、第1の抵抗膜3aのシート抵抗Rs1とTCR1の関係を示す。
第1の実施の形態(図3)と同じ第1の抵抗膜3aの特性(●(黒塗り丸印))と、Tiを添加した第2の抵抗膜3bの特性(▲(黒塗り三角印)、■(黒塗り四角印))を併記している。図3と同様に、熱処理温度は、横軸の左側から順番に、650℃、700℃、750℃、800℃である。Tiの添加量は、0atm%(Rs1:●)、2atm%(Rs2:▲)、4atm%(Rs2:■)である。尚、Tiを1atm%添加した場合の特性は、予想値(内挿値)である。この1atm%という値は、TCRが負の値となる最小の添加量に相当する。
Tiを添加した抵抗膜が負のTCR特性を有していることが分かる。またこの特性はTiの添加量によっても変化することがわかる。
第1の抵抗膜3aと、第2の抵抗膜3bとを成膜する際のスパッタガス(Ar+N2ガス)に含まれる窒素ガスの割合は同じであることが好ましい。この場合、例えば複数のターゲットを有するスパッタ装置内においては、第1の抵抗膜用のターゲットと第2の抵抗膜用のターゲットとを設置し、各ターゲット近傍を基板が通過することによって、第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとを略真空中で連続して成膜することも可能である。例えば、窒化物を形成しやすい元素を添加した第2の抵抗膜3b用のターゲットをスパッタ装置内にセットし、適当なアルゴンと窒素の混合比の雰囲気中でスパッタすると、第1の抵抗膜3aは正のTCRに、第2の抵抗膜は負のTCRになり、上記のように抵抗器を作りやすくなる。
この方法を用いると、上記の第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとを略真空中で連続して成膜するため、第1の抵抗膜3aと第2の抵抗膜3bとの界面が清浄に保たれること、また製造工程におけるスループットを向上させること等の利点がある。
尚、これらの金属元素の添加により比抵抗(シート抵抗)も変化するが、添加による著しい比抵抗の減少が起きない添加量としては、1atm%から4atm%程度の添加量の範囲であることが望ましい。この範囲内であれば、第2の抵抗膜3bの比抵抗やTCR特性を金属元素の添加量によって精度良く調整することが可能である。
図12は、Ti添加量に対するシート抵抗Rs2(a)とTCR2(b)の変化の様子を示す図である。
Ti添加量4atm%以上では、シート抵抗Rs2が低下し、またTi添加量1atm%以下ではTCR2が正になるため、第2の抵抗膜3bとしては、1から4atm%の間の添加量が好適である。本実施の形態では、これらの元素を添加することにより、xTCRを調整することができる。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、クロム、シリコン、窒素を含む抵抗膜に、窒化物を形成する上記各種金属元素のいずれかを適量だけ添加することで、シート抵抗の変動を少なくしたままで、TCRの値を略0にすることが容易である。
尚、既に説明したように、第1の抵抗膜3aと、第2の抵抗膜3bを成膜する際のスパッタガスに含まれる窒素ガスの割合は同じであることが好ましい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明を行う。本実施の形態における第1の抵抗膜は、クロムとシリコンと窒素とを含み、また、第2の抵抗膜にはシリコンと窒素と、シリサイドを形成しかつ窒化物を形成し難い金属元素を含むことを特徴とする。シリサイドを形成しかつ窒化物を形成し難い金属元素としては、特にMo、W、Fe、Coを用いることができる。これらの金属元素を含む第2の抵抗膜を成膜し熱処理を行うと、金属元素のシリサイドが抵抗膜中に形成される。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明を行う。本実施の形態における第1の抵抗膜は、クロムとシリコンと窒素とを含み、また、第2の抵抗膜にはシリコンと窒素と、シリサイドを形成しかつ窒化物を形成し難い金属元素を含むことを特徴とする。シリサイドを形成しかつ窒化物を形成し難い金属元素としては、特にMo、W、Fe、Coを用いることができる。これらの金属元素を含む第2の抵抗膜を成膜し熱処理を行うと、金属元素のシリサイドが抵抗膜中に形成される。
発明者が検討したところ、第2の抵抗膜の比抵抗(シート抵抗)やTCR特性は金属元素の種類や量により変化する。第1及び第2の実施の形態のように、クロムを用いる場合と同程度の比抵抗を有する抵抗膜を実現するためには、シリサイドを形成しかつ窒化物を形成し難い金属元素の組成量は15atm%から22atm%程度の間が望ましい。
本実施の形態では、第2の抵抗膜3bにクロムのように窒化物を形成しにくく、かつ、シリサイドを形成しやすい元素を、クロムの代替元素として使用する。すなわち、第2の抵抗膜3bにはクロムは含有されていない。これらの代替元素によって、xTCRを調整することができる。
さらに、第1の抵抗膜と、第2の抵抗膜とを成膜する際のスパッタガスに含まれる窒素ガスの割合は同じであることが好ましい。このようにすることで、第二の実施の形態に記載と同様の利点がある。
シリサイドを形成しかつ窒化物を形成し難い金属元素の組成量およびスパッタリング時の窒素ガスの割合に関しては、第2の抵抗膜のTCRは負の値となり、また比抵抗は第1の抵抗膜と同程度になる程度とすることが好ましい。
組成量の範囲内で適切な元素を選ぶことによって、所望の特性を有する第2の抵抗膜を形成することが可能となる。
また、窒素ガスの代わりに酸素ガスを用いても同様の効果が得られる可能性がある。
また、窒素ガスの代わりに酸素ガスを用いても同様の効果が得られる可能性がある。
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。抵抗膜の構造として、2層の積層構造を例にしたが、3層以上であっても良い。
また抵抗膜のチップ抵抗器への応用を例にして説明したが、本発明は、抵抗体を利用した集積回路等様々な部品等にも応用可能である。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
本発明は、抵抗器に利用可能である。
1…絶縁基板、3…積層抵抗膜、3a…第1の抵抗膜、3b…第2の抵抗膜、5a、5b…電極。
Claims (10)
- 基板上に一対の電極と、前記一対の電極と接続された抵抗膜を形成した薄膜抵抗器であって、
前記抵抗膜は、第1の抵抗膜と前記第1の抵抗膜とはTCRが異なる第2の抵抗膜とからなり、
前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とは、いずれもSi、Cr、Nを主成分とする薄膜抵抗器。 - 前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とは、一方のTCRが正の値、他方のTCRが負の値である請求項1に記載の薄膜抵抗器。
- 前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とは、TCRの正負が変化する窒化シリコンの割合であるxTCR(窒化シリコンの閾値)を境に異なる窒化シリコンの割合を有する請求項2に記載の薄膜抵抗器。
- 前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とは、いずれも窒化シリコンを含んでおり、
前記第1の抵抗膜において、当該抵抗膜に含まれるSiのうち窒化シリコンを形成しているSiの割合は63%以下であり、前記第2の抵抗膜において、当該抵抗膜に含まれるSiのうち窒化シリコンを形成しているSiの割合は68%以上である
請求項1から3までのいずれか1項に記載の薄膜抵抗器。 - 前記第2の抵抗膜は、Ti、Zr、Alから選択される少なくとも1の添加金属元素を含む請求項1に記載の薄膜抵抗器。
- 前記添加金属元素を、前記第2の抵抗膜全体に対して1〜4atm%の割合で含有する請求項5に記載の薄膜抵抗器。
- 基板上に一対の電極と、前記一対の電極と接続された抵抗膜を形成した薄膜抵抗器であって、
前記抵抗膜は、第1の抵抗膜と前記第1の抵抗膜とはTCRが異なる第2の抵抗膜とからなり、
前記第1の抵抗膜は、Si、Cr、Nを主成分とし、前記第2の抵抗膜は、SiとNと、シリサイドを形成し、かつ、窒化物を形成し難い金属元素を含む薄膜抵抗器。 - 前記金属元素は、Mo、W、Fe、Coのうちから選択される少なくとも1の元素である請求項7に記載の薄膜抵抗器。
- 基板上に一対の電極と、前記一対の電極と接続された抵抗膜を形成した薄膜抵抗器の製造方法であって、
Si、Cr、Nを主成分とする第1の抵抗膜を形成する工程と、前記第1の抵抗膜に積層してSi、Cr、Nを主成分とする第2の抵抗膜を形成する工程を備え、前記第1の抵抗膜および前記第2の抵抗膜は窒素を含む雰囲気においてスパッタリングにより形成し、前記第1の抵抗膜または前記第2の抵抗膜のいずれか一方を形成する工程において、前記窒素の混合比を大きくすることを特徴とする薄膜抵抗器の製造方法。 - 基板上に一対の電極と、前記一対の電極と接続された抵抗膜を形成した薄膜抵抗器の製造方法であって、
Si、Cr、Nを主成分とする第1の抵抗膜を形成する工程と、前記第1の抵抗膜に積層してSi、Cr、Nを主成分とする第2の抵抗膜を形成する工程を備え、前記第1の抵抗膜および前記第2の抵抗膜は窒素を含む雰囲気においてスパッタリングにより形成し、前記第1の抵抗膜または前記第2の抵抗膜のいずれか一方は、Ti、Zr、Alから選択される少なくとも1の添加金属元素を含むターゲットを用いて形成することを特徴とする薄膜抵抗器の製造方法。
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