JPH0373350A - インクジェットヘッド用基体、及び該基体を用いて形成されたインクジェットヘッド、並びに該ヘッドを具備するインクジェット装置 - Google Patents

インクジェットヘッド用基体、及び該基体を用いて形成されたインクジェットヘッド、並びに該ヘッドを具備するインクジェット装置

Info

Publication number
JPH0373350A
JPH0373350A JP2102512A JP10251290A JPH0373350A JP H0373350 A JPH0373350 A JP H0373350A JP 2102512 A JP2102512 A JP 2102512A JP 10251290 A JP10251290 A JP 10251290A JP H0373350 A JPH0373350 A JP H0373350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
atom
inkjet head
ink
atomic
heating resistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2102512A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2656648B2 (ja
Inventor
Isao Kimura
勲 木村
Kenji Hasegawa
研二 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP10251290A priority Critical patent/JP2656648B2/ja
Publication of JPH0373350A publication Critical patent/JPH0373350A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2656648B2 publication Critical patent/JP2656648B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用
してインクを吐出して記録を行うインクジェットヘッド
、及び該ヘッドを形成するために用いられる基体、並び
に前記ヘッドを具備するインクジェット装置に関する。
〔従来の技術〕
米国特許第4,723j29号明細書や米国特許第4.
740,796号明細書等に記載されているインクジェ
ット方式(即ち、キャノン株式会社が呼称するところの
バブルジェット方式)は、高速高密度で高精細高画質の
記録が可能で、且つカラー化、コンパクト化に適してお
り、近年とみに注目を簗めている。この方式を用いる装
置の代表例においては、インク(記録用液体等)を熱エ
ネルギーを利′用して吐出させるため、インクに熱を作
用させる熱作用部が存在する。即ち、インク路に対応し
て熱作用部を有する発熱低抗体を設け、この発熱低抗体
から発生した熱エネルギーを利用してインクを急激に加
熱して発泡させ、この発泡によってインクを吐出するも
のである。
この熱作用部は、対象物に熱を作用させるという観点か
らすると、従来のいわゆるサーマルヘッドの構成と一見
類似している部分もあるが、熱作用部がインクに直接接
する点や、熱作用部がインクの発泡と消泡との繰り返し
によるキャビテーションがもたらす機械的衝撃、場合に
よっては更にエロージョンにさらされるという点、また
熱作用部が10−’〜10マイクロ秒というオーダーの
極めて短い時間に1000℃近い温度の上昇及び下降に
さらされるといった点などで、サーマルヘッドとはその
根本技術が大きく異なる。従って、サーマルヘッド技術
をバブルジェット技術にそのまま適用することができな
いことは言うまでもない、即ち、サーマルヘッド技術と
インクジェット技術とを同列に論じることはできない。
ところで、インクジェット記録ヘッドが有する電気熱変
換体を構成する発熱低抗体の材料としては、使用時に非
常に高温になるため、高温状態でも安定であり、かつ耐
酸化性に優れる、例えば高融点金属あるいは遷移金属の
、窒化物、炭化物、珪化物、硼化物などが使用されてい
る。
近年、インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェッ
ト装置における高密度記録および高速記録の要求に対し
て、発熱低抗体に加える電力を増加させる、あるいは通
電のパルス幅を短くするという方法がとられつつある。
その場合、発熱低抗体はさらに高温に加熱されるので、
より耐熱性のある発熱低抗体が要求される。
また、記録密度を上げるため、発熱低抗体の大きさを小
さくした場合、発熱低抗体の面積抵抗はほぼ一定とされ
るので、複数の発熱低抗体全体における電気導体として
の抵抗値のみが増大するから、複数の発熱低抗体全体に
おける電力消費が上昇することになる。
更に、電力増加が生じると駆動用ICの容量を大きくし
なければならなくなり、IC容量の増大はインクジェッ
トヘッドの価格の上昇などを招く。
そこで、電力消費を低減しつつ高密度記録、高速記録へ
の要求に対応するために、例えば発熱低抗体の比抵抗を
高くする種々の方法が検討されている。
例えば、発熱低抗体の形状、膜厚を変えずにその比抵抗
を高くする方法として、発熱低抗体の組成に、所定の割
合で窒素、酸素等を成分として追加し、所望の比抵抗を
得ようとするものがある。
一方、発熱低抗体の材質を変えずにその膜厚を変化させ
て高抵抗化を計る方法も知られているゆ〔発明が解決し
ようとする課題〕 しかしながら、本発明者らの検討によれば、上述の窒素
、酸素等を追加する方法によって高抵抗化した発熱低抗
体では、駆動電力の増加に従って、抵抗値の大きな減少
にともなう消費電力の増加が観測された。これは、追加
された成分の多くが、基となる発熱低抗体形成化合物と
遊離した状態で存在するために生じるためであると考え
られる。
一方、発熱低抗体の膜厚を薄くして比抵抗を上げる場合
には、膜厚の制御を薄い領域で正確に行なう必要がある
ので製造上の安定性に問題がある上に、発熱低抗体表面
での気体、水分吸着の効果が強く現われて発熱低抗体自
体の安定性が悪くなるので、上述のような発熱低抗体の
窒素、酸素等の追加による高抵抗化と比べて利点が一層
少ない。
本発明の目的の一つは、前述した問題点を解消し、比抵
抗値を高く設定でき、駆動電力の増加にともなう抵抗値
変化が少ない安定的な発熱低抗体を有し、耐久性におい
ても優れた電気熱変換体を備えたインクジェット記録ヘ
ット用基体、および該基体をその構成の一部とするイン
クジェット記録ヘッド、並びに該ヘッドを具備するイン
クジェット装置を提供することにある。
〔:JNを解決するための手段〕 本発明のインクジェットヘッド用基体は、インクを吐出
するために利用される熱エネルギーを通電されることに
より発生する発熱低抗体を有する電気熱変換体と、を具
備するインクジェットヘッド用基体において、 前記発熱低抗体が金属元素、B、Si及びNを次の組成
割合で含有する複合化合物からなることを特徴とする。
8w!子%≦金属元素≦31原子% 7原子%≦ B  ≦58原子% 5IllX子%≦ Si  ≦53原子%6原子%≦ 
N  ≦45原子% また、本発明のインクジェットヘッドは、インクを吐出
する吐出口と、該吐出口からインクを吐出するために利
用される熱エネルギーを通電されることにより発生する
発熱低抗体を有する電気熱変換体と、を具備するインク
ジェットヘッドにおいて。
前記発熱低抗体が金属元i、B、Si及びNを上記の組
成割合で含有する複合化合物からなることを特徴とする
更茫、本発明のインクジェット装置は、インクを吐出す
る吐出口と、該吐出口からインクを吐出するために利用
される熱エネルギーを通電されることにより発生する発
熱低抗体を有する電気熱変換体と、を具備するインクジ
ェットヘッドと、前記発熱低抗体にインク吐出用信号を
付与するための手段と、を備えたインクジェット装置に
おいて、 前記発熱低抗体が金属元素、B、Si及びNを上記のM
成割合で含有する複合化合物からなることを特徴とする
この様な本発明によれば、高品位記録、高速度記録及び
低消費電力記録等を、−層確実に実現することかできる
本発明者等は、前述した問題点を解消すべく鋭意研究し
た結果、インクジェットヘッドの発熱低抗体を、金属元
素、硼素(B)、珪素(Si)及び窒素(N)の4元素
を特定の組成割合で含有する複合化合物により構成する
場合、前述した目的を達成するインクジェットヘッドを
得られるという知見を得た0本発明に係る発熱低抗体を
構成する複合化合物に含まれる金属元素は、Ti、V、
Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta及びWからなる群
から選択される一つ以上の元素であることが好ましく、
中でもHfが最適であることも分かった。そして、本発
明者等は、これらの知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
この様な4元素を特定の組成割合で含有する複合化合物
において、金属元素は主に硼化物を形成しており、Si
は後述する様に、窒化物の状態とSi単体の状態(即ち
、S i −S i結合の状態)との両者を主に含んで
おり、これらのことが結果的に極めて良好な特性をもた
らしているものと想像される。
本発明者等は、前述した4元素を所定の組成割合で含有
するサンプルを、スパッタリング法により複数個作成し
た。
それぞれのサンプルは、第4図に示すスパッタリング装
置(商品名ニスバッタリング装置CFS−8EP、株式
会社徳田製作所製)を使用し、表面に5.0μmの熱酸
化S i 0211gを形成したSi単結晶基板上に成
膜することにより作製した。第4図において201は成
膜室を示す、202は、成膜室201内に設けられた基
板203を保持するための基板ホルダーである。基板ホ
ルダー202には基板203を加熱するためのヒーター
(図示せず)が内蔵されている。基板ホルダー202は
系外に設置された駆動モータ(図示せず)から延びる回
転シャフト217により支持され、上下移動でき、かつ
回転できるように設計されている。成膜室201内の基
板203に対向する位置には、成膜用ターゲットを保持
するためのターゲットホルダー205が設置されている
206は、ターゲットホルダー205の表面に置かれた
9968重量%以上の純度の板状の金R硼化物ターゲッ
トである。207は、金属硼化物ターゲット上に配置さ
れた99.9重量%以上の純度のシート状のSiターゲ
ットである。同様に208は、金属硼化物ターゲット上
に配置された99,9重置%以上の純度のシート状の5
isNaターゲツトである。Siターゲット207と5
isNaターゲツト208は、第4図に示すように、そ
れぞれ所定面積の複数個を金属硼化物ターゲット206
の表面に所定の間隔で配置される。Siターゲット20
7とSi3N4ターゲット208の個々の面積及び配置
は、希望する4元素を所定の組成割合で含有する膜が三
者のターゲットの面積比の関係を如何にしたら得られる
かを予め見極め、検量線を作製し、該検量線に基づいて
行うようにする。
218は、ターゲット206.207及び208が側面
からプラズマによりスパッタされないようにそれらター
ゲットの側面を覆う防護壁である。204は、ターゲッ
トホルダー205の上部の位置で基板203とターゲッ
ト206゜207及び208の間の空間を遮断するよう
に水平に移動するように設けられたシャッター板である
。該シャッター板204は、つぎのように使用される。
即ち、成膜開始前に、ターゲット206.207及び2
08を保持するターゲットホルダー205の上部に移動
させ、ガス供給管212を介してアルゴン(Ar)ガス
等の不活性ガスを成膜室201内に導入し、RF電源2
15よりRF電力を印加して該ガスをプラズマ化し、生
成したプラズマによりターゲット206゜207及び2
08をスパッタして該ターゲットのそれぞれの表面の不
純物を除去する。その後該シャッター板204は、成膜
を害しない位置(図示せず)に移動させる。
RF電源215は、導線216を介して成膜室201の
周囲壁に電気的に接続され、また、導線217を介して
ターゲットホルダー205に電気的に接続されている。
214は、マツチングボックスである。
ターゲットホルダー205には、成膜中にターゲット2
06.207及び208が所定の温度に保持されるよう
に冷却水を内部循環させる機構(図示せず)が設けられ
ている。成膜室201には、該成膜室の内部を排気する
ための排気管210が設けられており、該排気管は排気
バルブ211を介して真空ポンプ(図示せず)に連通し
ている。202は、成膜室201内にアルゴンガス(A
rガス)、ヘリュウムガス(Heガス)等のスパッタリ
ング用ガスを導入するためのガス供給管である。213
は、ガス供給管に設けられたスパッタリング用ガスの流
量調節バルブである。
209は、ターゲットホルダー205を成膜室201か
ら電気的に絶縁するためにターゲットホルダー2−05
と成膜室201の底壁との間に設けられた絶縁碍子であ
る。219は、成膜室201に設けられた真空計である
。該真空計により、成膜室201の内圧が自動的に検知
される。
第4図に示された装置においては、上述したようにター
ゲットホルダーが1つ設けられた形態のものであるが、
複数のターゲットホルダーを設けることもできる。その
場合、それらのターゲットホルダーを成膜室201内の
基板203と対向する位置に同心円上に等間隔で配列す
る。そして、それぞれのターゲットホルダーには、個々
の独立したRF電源をマツチングボックスを介して電気
的に接続させる。上述の場合、3種のターゲット、即ち
、金属硼化物ターゲット、Siターゲット及び5isN
nターゲツトを使用することから、3個のターゲットホ
ルダーを上述したように成膜室201内に配列し、それ
ぞれのターゲットホルダー上にそれぞれのターゲットを
個々に設置する。この場合、個々のターゲットについて
所定のRF電力を独立に印加できるので、成膜する膜構
成元素の組成割合を変化させて金属、硼素、Sl及びN
の元素の1つ又はそれ以上が膜厚方向に変化した膜を形
成することができる。
上述の第4図に示した装置を使用した各サンプルの作製
は、その都度金属硼化物ターゲット206上へのSiタ
ーゲット207及びSi3N4ターゲット208の配置
を、得ようとする所定の4元素の組成割合の非単結晶質
物質(膜)についての予め用意した検量線に基づいて行
った以外は、下記の成膜条件で行った。
基板ホルダー202上に配置した基板:5.0μm厚の
5iOxtliが表面に形成された4 1nchφサイ
ズのSi単結晶基板(ワラカー社製)(3枚) 基板設定温度150℃ ベースプレッシャー: 2.6 X 10−’ Pa以
下高周波(RF)電カニ500W スパッタリング用ガス及びガス圧:アルゴンガス、4 
X 10−’ Torr 成膜時成膜時間分 30分ようにして得られた各サンプルのうちの一部の試
料について株式会社島津製作所製のEPM−810を使
用してX線光電子分光を行って組成分析した。ついで、
各サンプルについて他の試料を使用して、膜厚及び比抵
抗を測定し、更に別の拭材を使用して耐熱性及び耐衝撃
性等を観察するためのステップストレステスト(SST
)を行った。SSTは、後述するステップストレステス
トと同様の手法により行った。これらの結果を総合して
検討したところ、つぎの結論が得られた。
即ち、インクジェットヘッドの発熱低抗体を構成する複
合化合物が、次の4元素を次の特定の組成割合で含有す
る場合に、前述した問題点が飛躍的に解消し、特に高抵
抗で高温安定性に優れ、併せて耐久性も今までのものに
勝るとも劣らない発熱低抗体を得ることができる。
8原子%≦金属元素≦31原子% 7原子%≦ B  ≦58原子% 5原子%≦ Si  ≦53原子% 6R子%≦ N  ≦45原子% また、4元素の特定の組成割合として好ましくは、次の
通りである。
15原子%≦金属元素≦24原子% 18R子%≦ B  ≦38原子% 19原子%S Si ≦35原子% 18原子%≦ N  ≦38原子% 更に、発熱低抗体を構成する複合化合物中に含まれるS
iとNとの原子数比が次の範囲であることが、高抵抗で
高温安定性に優れた発熱低抗体を得る上で好ましい。
0.6 <S i/NS 2.5 加えて、SiとNとの原子数比は、更に好ましくは次の
通りである。
0.7 <S i /NS 1.3 本発明に係る発熱低抗体は、前述した複合化合物の各構
成要素を供給できる原料を用いた、蒸着法、スパッタリ
ング法、CVD法等の各種の薄膜形成技術によって、支
持体上に所望の膜厚で形成することができる。
以下、本発明を図面を参照しつつ詳細に説明する。
第1図は、本発明のインクジェット記録ヘッド用基体の
一例の構造を示す部分断面図である。
この基体は、酸化シリコン、ガラスあるいはセラミック
スのような絶縁物、もしくはシリコン単桔品部材の表面
に熱酸化SiO□層が形成されたものなどを用いて形成
された支持体1上に、発熱低抗体2及び一対の対向する
電極3.4を有する電気熱変換体と、保護N5とを設け
た構造を有する。
発熱低抗体2は、上記複合化合物の薄膜から形成されて
いる。を極3.4に通電することで、発熱低抗体2の、
これら電極の間の部分が、発熱する熱発生部28を形成
している。電極3.4は、A1.Au、Cuのような金
属によって代表される電気良導体で形成される。
保護WA5は、該基体を用いて作成されたインクジェッ
ト記録ヘッドが具備する電気熱変換体の、液路直下に位
置する部分がインクと接触するのを防ぐ機能を有するも
のであり、SiOx、SiCあるいはSENなどの絶縁
性材料等から形成することができる。
なお、保護膜5は、単一材料で構成する必要は必ずしも
なく、前記材料の多層膜構成、あるいは液体(インク等
)と接する最表面にTaなどの面4キャビテーション用
金属薄膜層を設けた構造を有するものでも良い。
発熱低抗体2は、上述の複合化合物からなる薄膜を、フ
ォトリソ工程等の適当なパターニング法によってバター
ニングして形成することができる。
その膜厚及び幅、並びに電極3.4の間隔等は、インク
ジェット記録ヘッドの設計に応じて該薄膜発熱低抗体の
発熱部に必要な特性が得られるように適宜選択すれば良
い。
該複合化合物からなる薄膜は、膜厚制御の比較的容易な
膜厚(たとえば、500Å〜5μm)としても、所望と
する高比抵抗値を高駆動電力下において得ることができ
るという利点を有する。
本発明に係る発熱低抗体の層の厚さは、好ましくは30
0Å〜2μm、より好ましくは700Å〜Iμm、最適
には1ooo入〜5000人である。
第1図に示された構成のインクジェットヘッド用基体の
上に、少なくとも吐出口に連通ずる液路を形成して、本
発明のインクジュツト記録ヘッドを得ることができる。
第2図および第3図に、本発明にかかるインクジェット
記録ヘッドの一例の要部の基本構造を、夫々模式的斜視
図及び模式的断面図として示す。
この例では、上述の構成のインクジェットヘッド用基体
の上に、吐出口8に連通する液路9を、電気熱変換体の
熱発生部2aに対応して設けるための隔壁6及び該隔壁
を覆う天板7が設けられている。
隔壁6は、液浸透防止と耐液作用に優れたエポキシ樹脂
、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等の、例えば感光性
を有する有機絶縁物から選択された材料などを用い、フ
ォトリソ工程を含む方法など公知の方法を用いて形成す
ることができる。
第2図では、隔壁6によって、吐出口、液路、電気熱変
換体の熱発生部2aを含むインク吐出のための吐出単位
が区切られ、該吐出単位がマルチ化されている。
天板7は、各吐出単位における液路の天井に相当する部
分で、ガラス、金属板、セラミック、プラスチックなど
から選ばれた材料から形成することができる。
なお、隔壁6と天板7の接合には、エポキシ樹脂あるい
はシアノアクリレート樹脂などの接着剤を用いた接合等
が利用できる。
このインクジェット記録ヘッドでは、発熱低抗体層の材
料として上述の高抵抗で高温安定性番こ優れる複合化合
物が用いられているので、該記録ヘッドは、高密度記録
および高速記録の要求に対して十分対応できる構成を有
する。
なお、本発明における発熱低抗体以外の構成は、上記し
た例に限定されず、種々の構成を取り得る。
例えば、図示した記録ヘッドは、熱発生部に液体が供給
される方向と、吐出口から液体が吐出される方向とがほ
ぼ同一な構成を有しているが、これらの方向が異なる、
例えばほぼ直角を形成するような構成を有しても良い。
実施例1 Si単結晶基板表面を熱酸化処理することで、厚さが5
.0μmの5i02層が設けられた支持体を、第4図に
示された前述のRFスパッタリング装置内の所定位置に
置き、更に5インチ径のHfBzターゲット(純度99
.8重量%以上)上に5isN4チツプ(純度99.9
重量%以上)とSiチップ(純度99.9重量%以上)
をそれぞれ該ターゲットに対し面積比25%及び10%
となるように置き、放電時パワー0゜5 kW、放電時
Ar圧4×10 ”’torrで30分間スパッタリン
グして、支持体の5iCh層上に成膜を行なったゆ 得られた発熱低抗体薄膜の組成を、XPS (X線光電
子分光)により、表面汚染層をAr”イオンスパッタリ
ングにて取り除いた後の状態で分析した。その定量分析
値を第1表に示す、また、この膜組成を原子%(小数点
以下を四捨五入)で表わしたものを第2表に示す。
第1表 Hf    B    Si    N原子比   1
.00 1.80 1.04. 0.92さらに同分析
装置にて、主要元素の結合状態を判定した。
その結果、Hfの4f軌道電子ピ一ク結合エネルギーが
15.9 eVにあることからHfは硼化物を主に形成
しており、Siの2p軌道電子ピークエネルギーが99
.OeVにあることからSiは窒化物の状態と、Si単
体とほぼ同じ状態(すなわち5i−Si結合の状態)と
を主に含むと考えられる。BおよびNはそれぞれ1s軌
軌道台エネルギーが187.OeV、397.OeVで
あることから、夫々主に硼化物および窒化物(つまり化
合物)を形成しているものと考えられる。
また、得られた発熱低抗体薄膜の膜厚及び比抵抗を常法
により測定したところ、夫々1420人、1150Ω’
cmであった。
次に、支持体上の発熱低抗体薄膜上に、更に電子ビーム
蒸着により5000人のAIJiiを積層し、これらを
フォトリソ工程により、配線幅30μmにバターニング
し、更に、電極層の熱発生部2a (30umX150
μm)に相当する部分を除去して、電気熱変換体を形成
した。
更に、RFスパッタリングにより電気熱変換体を覆うS
in、層(層厚2.0μm)を保護層5として形成し、
第1図に示された構成を有するインクジェットヘッド用
基体を得た。なお各電極3゜4には、外部からの信号を
受ける端子(不図示)を接続して設けた。
次に、各熱発生部に対応する位置に、吐出口8に連通ず
る液路が位置するように、フォトリソ工程を含む常法に
よって感光性ポリイミド樹脂からなる隔壁6(高さ、5
0μm)を設け、更に該隔壁を覆う1mm厚のガラス板
7をエポキシ樹脂を用いて接合し、第2図及び第3図に
示す構成のインクジェット記録ヘッドを得た。
得られたインクジェット記録ヘッドの熱発生部2aに対
して3 kFlzで7μsの矩形波を印加し、記録液体
として純水を用いて、印加電圧を徐々に上げ、発泡が開
始される電圧を求めた。
次に、このヘッドに対して3 kHzの矩形波を2分間
に1.OVずつパルス電圧値が大きくなる様に印加して
ゆき、発熱体抵抗値の変化(△R)を発熱低抗体が破断
するまで測定した。この試験方法はステップストレステ
スト(SST)と呼ばれ、この試験により、インクジェ
ット記録ヘッドの実駆動状態における耐熱性、耐衝撃性
を含む寿命を評価できる。
得られた結果と試験実施前の抵抗値Roとから抵抗変化
率(ΔR/R,)を算出した1本実施例に係る発熱低抗
体は、破断直前の抵抗値変化が+5.0%と小さく、優
れた特性を示していた。しかも、本実施例に係る発熱低
抗体では、消費電流が136mAと十分に小さかった。
故に、消費電力が小さくて済むので、小さな容量の駆動
用ICで十分であることがわかった。
また、本実施例のインクジェットヘッドでのマージンM
(破断直前の印加電圧/発泡開始時の印加電圧)は1.
58であり、十分な耐熱性、耐衝撃性を示した。
更に、本実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行なったところ、良好な印字品位を得ること
ができた。
以上の実施例1の評価結果等について、まとめて第2表
に示した。
実施例2〜12 ターゲットの面積比を種々変化させる以外は、実施例1
と同様の方法により、種々の組成の発熱低抗体薄膜の形
成を支持体上に行なった後、第2図及び第3図に示され
たインクジェットヘッドを実施例1と同様にして作成し
た。
各実施例について、実施例1と同様にして種々のデータ
を求め、その結果を第2表に示した。第2表から分かる
様に、いずれの実施例に係るインクジェットヘッドも、
十分に大きい比抵抗値及び十分に小さい抵抗変化率、十
分に小さな消費電流、更に十分な耐熱性、耐衝撃性を示
した。
また、各実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、いずれの実施例においても良
好な印字品位を得ることができた。
比較例1〜7 ターゲットの面積比を種々変化させる以外は、実施例1
と同様の方法により、種々の組成をもつ発熱低抗体薄膜
を支持体上に形成した。その後、第2図及び第3図に示
されたインクジェットヘッドを実施例1と同様にして作
成した。
各比較例について、実施例1と同様にして種々のデータ
を求め、その結果を第2表に示した。第2表から分かる
様に、これらの比較例に係るインクジェットヘッドは、
比抵抗値、抵抗変化率、消費電流、耐熱性及び耐衝撃性
といった評価のいずれかにおいて、必ずしも十分とは言
えない結果を示した。
実施例13 支持体上への発熱低抗体薄膜の形成を、発熱低抗体薄膜
形成用材料としてHfBzおよび5i(HfBaターゲ
ットに対する面積比25%)を用い、スパッタガスAr
(ガス圧4 X 10−”Torr)中にN、ガスを0
.5 sccM混合しながら流す以外は、実施例1と同
様の条件のRFマグネトロン同時スパッタリングにより
行なった。
得られた発熱低抗体薄膜の膜厚は1995人、比抵抗値
は968μΩ・amであった。
得られた支持体上の発熱低抗体薄膜を用い、実施例1と
同様にして、インクジェット記録ヘッドを形成した。
本実施例について、実施例1と同様にして種々のデータ
を求め、その結果を第3表に示した。
第3表から分かる様に、本実施例に係るインクジェット
ヘッドも、十分に大きい比抵抗値及び十分に小さい抵抗
変化率、十分に小さな消費電流、更に十分な耐熱性、耐
衝撃性を示した。
また、本実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、良好な印字品位を得ることが
できた。
実施例14〜16 ターゲットの面積比とN2の流量とを種々変化させる以
外は、実施例13と同様の方法により、種々の組成をも
つ発熱低抗体rI膜を支持体上に形成した。その後、第
2図及び第3図に示されたインクジェットヘッドを実施
例13と同様にして作成した。
各実施例について、実施例13と同様にして種々のデー
タを求め、その結果を第3表に示した。
第3表から分かる様に、いずれの実施例に係るインクジ
ェットヘッドも、十分に大きい比抵抗値及び十分に小さ
い抵抗変化率、十分に小さな消費電流、更に十分な耐熱
性、耐衝撃性を示した。
また、各実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、いずれの実施例においても良
好な印字品位を得ることができた。
比較例8.9 ターゲットの面積比とN2の流量とを夫々変化させる以
外は、実施例13と同様の方法により、発熱低抗体薄膜
を支持体上に形成した。その後、第2図及び第3図に示
されたインクジェットヘツドを実施例13と同様にして
作成した。
各比較例について、実施例1と同様にして種々のデータ
を求め、その結果を第3表に示した。第3表から分かる
様に、これらの比較例に係るインクジェットヘッドは、
比抵抗値、抵抗変化率、消費電流、耐熱性及び耐衝撃性
といった評価のいずれかにおいて、必ずしも十分とは言
えない結果を示した。
その他の実施例、比較例(そのl) 金属硼化物として、HfBzの代わりにTiBaを用い
る以外は実施例1〜16及び比較例1〜9と同様にして
、本発明に係る発熱低抗体を有する第2図及び第3図に
示されたインクジェットヘッドを作成した。
いずれの実施例に係るインクジェットヘッドも、十分に
大きい比抵抗値及び十分に小さい抵抗変化率、十分に小
さな消費電流、更に十分な耐熱性、耐衝撃性を示した。
また、各実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、いずれの実施例においても良
好な印字品位を得ることができた。
一方、比較例に係るインクジェットヘッドは、比抵抗値
、抵抗変化率、消費電流、耐熱性及び耐衝撃性といった
評価のいずれかにおいて、必ずしも十分とは言えない結
果を示した。
その他の実施例、比較例(その2) 金属硼化物として、HfBzの代わりにVB2を用いる
以外は実施例1〜16及び比較例1〜9と同様にして、
本発明に係る発熱低抗体を有する第2図及び第3図に示
されたインクジェットヘッドを作成した。
いずれの実施例に係るインクジェットヘッドも、十分に
大きい比抵抗値及び十分に小さい抵抗変化率、十分に小
さな消費電流、更に十分な耐熱性、耐衝撃性を示した。
また、各実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、いずれの実施例においても良
好な印字品位を得ることができた。
一方、比較例に係るインクジェットヘッドは、比抵抗値
、抵抗変化率、消費電流、耐熱性及び耐衝撃性といった
評価のいずれかにおいて、必ずしも十分とは言えない結
果を示した。
その他の実施例、比較例(その3) 金属硼化物として、Hf B xの代わりにCrBaを
用いる以外は実施例1〜16及び比較例1〜9と同様に
して、本発明に係る発熱低抗体を有する第2図及び第3
図に示されたインクジェットヘッドを作成した。
いずれの実施例に係るインクジェットヘッドも、十分に
大きい比抵抗値及び十分に小さい抵抗変化率、十分に小
さな消費電流、更に十分な耐熱性、耐衝撃性を示した。
また、各実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、いずれの実施例においても良
好な印字品位を得ることができた。
一方、比較例に係るインクジェットヘッドは、比抵抗値
、抵抗変化率、消費電流、耐熱性及び耐衝撃性といった
評価のいずれかにおいて、必ずしも十分とは言えない結
果を示した。
その他の実施例、比較例(その4) 金属硼化物として、HfBzの代わりにZrB*を用い
る以外は実施例1〜16及び比較例1〜9と同様にして
、本発明に係る発熱低抗体を有する第2図及び第3図に
示されたインクジェットヘッドを作成した。
いずれの実施例に係るインクジェットヘッドも、十分に
大きい比抵抗値及び十分に小さい抵抗変化率、十分に小
さな消費電流、更に十分な耐熱性、耐衝撃性を示した。
また、各実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、いずれの実施例においても良
好な印字品位を得ることができた。
一方、比較例に係るインクジェットヘッドは、比抵抗値
、抵抗変化率、消費電流、耐熱性及び耐衝撃性といった
評価のいずれかにおいて、必ずしも十分とは言えない結
果を示した。
その他の実施例、比較例(その5) 金属硼化物として、HfB、の代わりにNbB、を用い
る以外は実施例1〜16及び比較例1〜9と同様にして
、本発明に係る発熱低抗体を有する第2図及び第3図に
示されたインクジェットヘッドを作成した。
いずれの実施例に係るインクジェットヘッドも、十分に
大きい比抵抗値及び十分に小さい抵抗変化率、十分に小
さな消費電流、更に十分な耐熱性、耐衝撃性を示した。
また、各実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、いずれの実施例においても良
好な印字品位を得ることができた。
一方、比較例に係るインクジェットヘッドは、比抵抗値
、抵抗変化率、消費電流、耐熱性及び耐衝撃性といった
評価のいずれかにおいて、必ずしも十分とは言えない結
果を示した。
その他の実施例、比較例(その6) 金属硼化物として、HfB1の代わりにMo2B5を用
いる以外は実施例1〜16及び比較例1〜9と同様にし
て、本発明に係る発熱低抗体を有する第2図及び第3図
に示されたインクジェットヘッドを作成した。
いずれの実施例に係るインクジェットヘッドも、十分に
大きい比抵抗値及び十分に小さい抵抗変化率、十分に小
さな消費電流、更に十分な耐熱性、耐衝撃性を示した。
また、各実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、いずれの実施例においても良
好な印字品位を得ることができた。
一方、比較例に係るインクジェットヘッドは、比抵抗値
、抵抗変化率、消費電流、耐熱性及び耐衝撃性といった
評価のいずれかにおいて、必ずしも十分とは言えない結
果を示した。
その他の実施例、比較例(その7) 金!硼化物として、Hf B *の代わりにT a B
 2を用いる以外は実施例1〜16及び比較例1〜9と
同様にして、本発明に係る発熱低抗体を有する第2図及
び第3図に示されたインクジェットヘッドを作成した。
いずれの実施例に係るインクジェットヘッドも、十分に
大きい比抵抗値及び十分に小さい抵抗変化率、十分に小
さな消費電流、更に十分な耐熱性、耐衝撃性を示した。
また、各実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、いずれの実施例においても良
好な印字品位を得ることができた。
一方、比較例に係るインクジェットヘッドは、比抵抗値
、抵抗変化率、消費電流、耐熱性及び耐衝撃性といった
評価のいずれかにおいて、必ずしも十分とは言えない結
果を示した。
その他の実施例、比較例(その8) 金属硼化物として、HfBaの代わりにWiBsを用い
る以外は実施例1〜16及び比較例1〜9と同様にして
、本発明に係る発熱低抗体を有する第2図及び第3図に
示されたインクジェットヘッドを作成した。
いずれの実施例に係るインクジェットヘッドも、十分に
大きい比抵抗値及び十分に小さい抵抗変化率、十分に小
さな消費電流、更に十分な耐熱性、耐衝撃性を示した。
また、各実施例に係るインクジェットヘッドを用いて実
際に印字を行ったところ、いずれの実施例においても良
好な印字品位を得ることができた。
一方、比較例に係るインクジェットヘッドは、比抵抗値
、抵抗変化率、消費電流、耐熱性及び耐衝撃性といった
評価のいずれかにおいて、必ずしも十分とは言えない結
果を示した。
尚、第2表及び第3表に示された総合評価の基準を、第
4表に示した。
本発明に係る発熱低抗体は、前述した様に抵抗値が高く
消費電力が小さいので、米国特許第4.429,321
号明細書に開示されている様な、機能素子がヘッド基体
の内部に構造的に設けられている形態のインクジェット
ヘッドに用いられた場合に特に効果的である。
以に述へた構成の本発明に係るインクジェットヘッドを
装置本体に装着して装置本体からヘッドに34号を付与
することにより、高速記録、高画質記録を行うことがで
きるインクジェット記録装置を得ることができる。
第5図は本発明が通用されるインクジェット記録装置I
JRAの一例を示す概観斜視図で、駆動モータ5013
の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011.500
9を介して回転するリードスクリュー5005の螺&!
満5004に対して係合するキャリッジHCはビン(不
図示)を有し、失印a、b方向に往復移動される。50
02は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわたって
紙をプラテン5000に対して押圧する。
5007.5008はフォトカブラでキャリッジのレバ
ー5006のこの域での存在を確認してモータ5013
の回転方向切換等を行うためのホームポジション検知手
段である。5016はインクタンクが一体的に設けられ
たカートリッジタイプの記録ヘッドIJCの前面をキャ
ップするキャップ部材5022を支持する部材で、50
15はこのキャップ内を吸引する吸引手段でキャップ内
開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5
017はクリーニングブレードで、5019はこのブレ
ードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持
板5018にこれらは支持されている。ブレードは、こ
の形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に通用
できることはいうまでもない。又、5012は、吸引回
復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合
するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータか
らの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動5
Ilallされる。インクジェットヘッドTJCに設け
られた電気熱変換体に信号を付与したり、前述した各機
構の駆動制御を司ったりするCPUは、装置本体側に設
けられている(不図示)。
以上説明した本発明の実施例においては、液体インクを
用いて説明しているが、本発明においては、室温で固体
状であるインクであっても、室温で軟化するものであれ
ば用いることができる。上述のインクジェット装置では
、インク自体を30℃以に70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであれば良い。また、mF
fi的に熱エネルギーによる昇温を、インクの固形状態
から液体状態への悪変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止するか又は、インクの蒸発防止を目的とし
て放置状態で固化するインクを用いるかして、いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化してインク液状として吐出するものや記録媒
体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーによって初めて液化する性質のインク
使用も本発明には通用可能である。このような場合イン
クは、特開昭54−56847号公報、特開昭60−7
1260号公報のような、多孔質シート凹部又は貫通孔
に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としても良い。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最もイJ−効なも
のは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
本発明に係るインクジェット方式の記録ヘッド、記録装
置の代表的な構成や原理については、例えば米国特許第
4.723,129号明細書、同第4.740,796
号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うも
のが好ましい。この方式はいわゆるオンデイマント、型
、コンティニュアス型のいずれにも通用可能であるが、
特にオンデイマント型の場合には、液体(インク)が保
持されているシートや液路に対応して配置された電気熱
変換体に、記録情報に対応して核沸騰を越える急速な温
度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加するこ
とによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ
、記録ヘッドの熱作用面のインクC膜沸騰を生起させて
、結果的にこの駆動信号に一対一対応して液体(インク
)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出用開口を介して液体くインク)を吐
出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4.4
63.359号明細書、同第4.345.252号明細
書に記載されているようなものが通している。尚、上記
熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4.3
13.124号明細書に記載されている条件を採用する
と、更に優れた記録を行うことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示され
ているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ
構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部が
屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許
第4,558,333号明細8、米国特許第4,459
.600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる。加
えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリット
を電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭5
9年第123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸
収する開孔を吐出部に対応せる構成を開示する特開昭5
9年第138461号公報に基づいた構成としても本発
明は有効である。
更に、記録装置が記録でさる最大記録媒体の幅に対応し
た長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては
、E述した明細書に開示されているような複数記録ヘッ
ドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一体
的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいずれ
でも良いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発揮
することができる。
また、装置本体に装着されることで、装置本体との電気
的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交
換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッ
ド自体にインクタンクが体的に設けられたカートリッジ
タイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効であ
る。
更に、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録
ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加
することは本発明の効果を一層安定できるので好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対しての、キャビング手段、クリーニング手段、加圧或
いは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素
子或いはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録
とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定し
た記録を行うために有効である。
更にまた、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流
色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的
に構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、
異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少
なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。
(発明の効果) 本発明によれば、比抵抗値を高く設定でき、駆動電力の
増加にともなう抵抗値変化が少ない安定的な発熱低抗体
を有し、耐久性において優れた電気熱変換体を備えたイ
ンクジェット記録ヘッド用基体、該基体をその構成の一
部とするインクジェット記録ヘッド及び該ヘッドを具備
するインクジェット装置を提供することができる。
また、本発明によれば、インクジェット記録における高
品位記録、高速度記録及び低消費電力記録等を、−層確
実に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るインクジェットヘッド用基体の
一例を示す模式的断面図である。 第2図は、本発明に係るインクジェットヘッドの主要部
の一例を示す模式的斜視図である。 第3図は、第2図のa−b−c線に沿って切断した模式
的断面図である。 第4図は、本発明に係る発熱低抗体層を形成するために
用いられるスパッタリング装置を示す模式図である。 第5図は、本発明に係るインクジェットヘッドを具備す
るインクジェット装置の主要部の一例を示す模式的斜視
図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)インクを吐出する吐出口と、該吐出口からインク
    を吐出するために利用される熱エネルギーを通電される
    ことにより発生する発熱抵抗体を有する電気熱変換体と
    、を具備するインクジェットヘッドにおいて、 前記発熱発熱体が金属元素、B、Si及びNを次の組成
    割合で含有する複合化合物からなることを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド。 8原子%≦金属元素≦31原子% 7原子%≦B≦58原子% 5原子%≦Si≦53原子% 6原子%≦N≦45原子% (2)前記発熱低抗体を構成する複合化合物に含有され
    る金属元素、B、Si及びNの組成割合が次の通りであ
    る請求項1に記載のインクジェットヘッド。 15原子%≦金属元素≦24原子% 18原子%≦B≦38原子% 19原子%≦Si≦35原子% 18原子%≦N≦38原子% (3)前記発熱低抗体を構成する複合化合物に含有され
    る前記Si及びNの原子数比が次の通りである請求項1
    に記載のインクジェットヘッド。 0.6<Si/N≦2.5 (4)前記発熱低抗体を構成する複合化合物に含有され
    る前記Si及びNの原子数比が次の通りである請求項3
    に記載のインクジェットヘッド。 0.7<Si/N≦1.3 (5)前記発熱低抗体を構成する複合化合物に含有され
    る前記金属元素が、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo
    、Hf、Ta、及びWからなる群から選択される一つ以
    上の元素である請求項1に記載のインクジェットヘッド
    。 (6)前記発熱低抗体を構成する複合化合物において、
    前記金属元素が硼化物の状態を含み、前記Siが窒化物
    の状態とSi単体の状態との両者を含む請求項1に記載
    のインクジェットヘッド。 (7)前記発熱低抗体の層の厚さが、300Å〜2μm
    である請求項1に記載のインクジェットヘッド。 (8)前記発熱低抗体の層の厚さが、700Å〜1μm
    である請求項7に記載のインクジェットヘッド。 (9)前記発熱低抗体の層の厚さが、1000Å〜50
    00Åである請求項8に記載のインクジェットヘッド。 (10)前記吐出口からインクが吐出する方向と、前記
    発熱低抗体の前記熱エネルギーが発生する部分にインク
    が供給される方向とがほぼ同じである請求項1に記載の
    インクジェットヘッド。 (11)前記吐出口からインクが吐出する方向と、前記
    発熱低抗体の前記熱エネルギーが発生する部分にインク
    が供給させる方向とが異なる請求項1に記載のインクジ
    ェットヘッド。 (12)前記二つの方向が互いにほぼ直角である請求項
    11に記載のインクジェットヘッド。 (13)前記吐出口が複数設けられている請求項1に記
    載のインクジェットヘッド。 (14)前記吐出口が被記録部材の幅に対応して複数設
    けられている請求項13に記載のインクジェットヘッド
    。 (15)インクを吐出するために利用される熱エネルギ
    ーを通電されることにより発生する発熱抵抗体を有する
    電気熱変換体と、を具備するインクジェットヘッド用基
    体において、 前記発熱抵抗体が金属元素、B、Si及びNを次の組成
    割合で含有する複合化合物からなることを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド用基体。 8原子%≦金属元素≦31原子% 7原子%≦B≦58原子% S原子%≦Si≦53原子% 6原子%≦N≦45原子% (16)前記発熱抵抗体を構成する複合化合物に含有さ
    れる前記金属元素、B、Si及びNの組成割合が次の通
    りである請求項15に記載のインクジェットヘッド用基
    体。 15原子%≦金属元素≦24原子% 18原子%≦B≦38原子% 19原子%≦Si≦35原子% 18原子%≦N≦38原子% (17)前記発熱抵抗体を構成する複合化合物に含有さ
    れる前記Si及びNの原子数比が次の通りである請求項
    15に記載のインクジェットヘッド用基体。 0.6<Si/N≦2.5 (18)前記発熱抵抗体を構成する複合化合物に含有さ
    れる前記Si及びNの原子数比が次の通りである請求項
    17に記載のインクジェットヘッド用基体。 0.7<Si/N≦1.3 (19)前記発熱抵抗体を構成する複合化合物に含有さ
    れる前記金属元素が、Ti、V、Cr、Zr、Nb、M
    o、Hf、Ta及びWからなる群から選択される一つ以
    上の元素である請求項15に記載のインクジェットヘッ
    ド用基体。 (20)前記発熱抵抗体を構成する複合化合物において
    、前記金属元素が硼化物の状態を含み、前記Siが窒化
    物の状態とSi単体の状態との両者を含む請求項15に
    記載のインクジェットヘッド用基体。 (21)前記発熱抵抗体の層の厚さが、300Å〜2μ
    mである請求項15に記載のインクジェットヘッド用基
    体。 (22)前記発熱抵抗体の層の厚さが、700Å〜1μ
    mである請求項21に記載のインクジェットヘッド用基
    体。 (23)前記発熱抵抗体の層の厚さが、1000Å〜5
    000Åである請求項22に記載のインクジェットヘッ
    ド用基体。 (24)インクを吐出する吐出口と、該吐出口からイン
    クを吐出するために利用される熱エネルギーを通電され
    ることにより発生する発熱抵抗体を有する電気熱変換体
    と、を具備するインクジェットヘッドと、 前記発熱抵抗体にインク吐出用信号を付与するための手
    段と、を備えたインクジェット装置において、 前記発熱抵抗体が金属元素、B、Si及びNを次の組成
    割合で含有する複合化合物からなることを特徴とするイ
    ンクジェット装置。 8原子%≦金属元素≦31原子% 7原子%≦B≦58原子% 5原子%≦Si≦53原子% 6原子%≦N≦45原子%
JP10251290A 1989-04-18 1990-04-18 インクジェットヘッド用基体、及び該基体を用いて形成されたインクジェットヘッド、並びに該ヘッドを具備するインクジェット装置 Expired - Fee Related JP2656648B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10251290A JP2656648B2 (ja) 1989-04-18 1990-04-18 インクジェットヘッド用基体、及び該基体を用いて形成されたインクジェットヘッド、並びに該ヘッドを具備するインクジェット装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-96419 1989-04-18
JP9641989 1989-04-18
JP10251290A JP2656648B2 (ja) 1989-04-18 1990-04-18 インクジェットヘッド用基体、及び該基体を用いて形成されたインクジェットヘッド、並びに該ヘッドを具備するインクジェット装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0373350A true JPH0373350A (ja) 1991-03-28
JP2656648B2 JP2656648B2 (ja) 1997-09-24

Family

ID=26437632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10251290A Expired - Fee Related JP2656648B2 (ja) 1989-04-18 1990-04-18 インクジェットヘッド用基体、及び該基体を用いて形成されたインクジェットヘッド、並びに該ヘッドを具備するインクジェット装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2656648B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0713467U (ja) * 1993-08-19 1995-03-07 株式会社栗本鐵工所 エアーセパレータ
JP2017022176A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 Koa株式会社 薄膜抵抗器及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0713467U (ja) * 1993-08-19 1995-03-07 株式会社栗本鐵工所 エアーセパレータ
JP2017022176A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 Koa株式会社 薄膜抵抗器及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2656648B2 (ja) 1997-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100229123B1 (ko) 잉크 제트 헤드 기판, 잉크 제트 헤드, 잉크 제트 장치 및 잉크제트 기록 헤드 제조 방법
WO1990009888A1 (fr) Tete a jet d'encre dotee d'une resistance thermogene composee d'une substance non monocristalline contenant de l'iridium, du tantale et de l'aluminium, et dispositif a jet d'encre equipe de ladite tete
EP1090760B1 (en) Ink-jet head base board, ink jet head, and ink-jet apparatus
JP3697196B2 (ja) 記録ヘッド用基体、記録ヘッド及び記録装置
WO1991014575A1 (en) Liquid injection recording head
US5066963A (en) Ink jet head having heat-generating resistor comprised of a complex compound
JPH0373350A (ja) インクジェットヘッド用基体、及び該基体を用いて形成されたインクジェットヘッド、並びに該ヘッドを具備するインクジェット装置
JP3554148B2 (ja) インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置
JP3285601B2 (ja) 液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法
JP3155423B2 (ja) 発熱抵抗体、該発熱抵抗体を備えた液体吐出ヘッド用基体、該基体を備えた液体吐出ヘッド、及び該液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置
JP2002046278A (ja) インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、およびインクジェット記録装置
US6068369A (en) Ink jet head substrate, a method for manufacturing the substrate, an ink jet recording head having the substrate, and a method for manufacturing the head
JP3192757B2 (ja) 記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッド用基体の製造方法
KR20040060814A (ko) 발열 저항 소자 필름, 이를 이용하는 잉크 제트 헤드용기판, 잉크 제트 헤드, 및 잉크 제트 장치
US7140721B2 (en) Heat generating resistive element, substrate for liquid discharge head having the heat generating resistive element, liquid discharge head, and manufacturing method therefor
JPS6342577B2 (ja)
JP3124594B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド用基体、その製造方法および液体噴射記録ヘッド
US7156499B2 (en) Heat generating resistive element, substrate for liquid discharge head having the heat generating resistive element, liquid discharge head, and manufacturing method therefor
JP3542369B2 (ja) 薄膜抵抗素子を有する基板の製造方法、インクジェットヘッド及びインクジェット装置
JP2763412B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド、液体噴射記録ヘッド用基体及び液体噴射記録装置
JP2865946B2 (ja) インクジェットヘッド、その製造方法及びそれを用いたインクジェット記録装置
JP2005186622A (ja) 発熱抵抗体、該発熱抵抗体を有する液体吐出ヘッド用基体、液体吐出ヘッドおよびその製造方法
JPH0470148B2 (ja)
JPH05116291A (ja) インクジエツト記録ヘツド
JPH11334077A (ja) インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェット装置及びインクジェットヘッド用基体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees