JPH11334077A - インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェット装置及びインクジェットヘッド用基体の製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェット装置及びインクジェットヘッド用基体の製造方法

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JPH11334077A
JPH11334077A JP14279398A JP14279398A JPH11334077A JP H11334077 A JPH11334077 A JP H11334077A JP 14279398 A JP14279398 A JP 14279398A JP 14279398 A JP14279398 A JP 14279398A JP H11334077 A JPH11334077 A JP H11334077A
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ink jet
jet head
ink
substrate
film
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JP14279398A
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Toshimori Miyakoshi
俊守 宮越
Teruo Ozaki
照夫 尾崎
Ichiro Saito
一郎 斉藤
Muga Mochizuki
無我 望月
Yoshiyuki Imanaka
良行 今仲
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高抵抗化を達成するために厚さを薄くした発
熱抵抗体を有していながら、インクの吐出安定性に優
れ、長時間連続して記録を行っても高画質の画像形成が
可能であるインクジエット装置を提供する。 【解決手段】 基板上の絶縁層上に形成され、インクに
熱を与えるための複数の発熱抵抗体と、これらの発熱抵
抗体に電気的に接続された電極配線と、これらの発熱抵
抗体を覆う保護層を有するインクジェットヘッド用基体
であって、前記発熱抵抗体は、少なくとも発熱部におい
てその上面のインク面側およびその下面の基板面側の両
側をSi膜で挟み込まれているインクジェットヘッド用
基体を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吐出エネルギー発
生素子によりインク内に生ずるバブルの成長・収縮によ
り吐出口からインクを吐出させて記録を行うインクジェ
ットヘッド、インクジェット装置、並びにインクジェッ
トヘッド用基体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、高速高密度
で高精度高画質の記録が可能であり、且つ、カラー化お
よびコンパクト化に適していることから近年注目されて
いる(米国特許第4723129号、米国特許第474
0796号)。
【0003】上記インクジェット記録に使用される従来
のヘッドは、図5に示すように、複数の吐出口501が
設けられ、またこれらの吐出口からそれぞれ記録液体
(以下「インク」という。)を吐出するために利用され
る熱エネルギーを発生する電気熱変換素子502が、各
インク流路503毎に基板504上に設けられている。
【0004】各電気熱変換素子502は、主に発熱抵抗
体505及びこれに電力を供給するための電極配線50
6並びにこれらを保護する絶縁膜507により構成され
る。また、各インク流路503は、複数の流路壁508
が一体的に形成された天板を、基板504上の電気熱変
換素子502等との相対位置を画像処理等の手段により
位置合わせしながら接合することで形成される。各イン
ク流路503は、その吐出口501と反対側の端部が共
通液室509と連通しており、この共通液室509には
インクタンク(図示せず)から供給されるインクが貯留
される。
【0005】共通液室509に供給されたインクは、こ
こから各インク流路503に導かれ、吐出口501近傍
でメニスカスを形成して保持される。この時、電気熱変
換素子502を選択的に駆動させることにより、その発
生する熱エネルギーを利用して熱作用面上のインクを急
激に加熱沸騰させ、この時の激力によって吐出口501
からインクを吐出させる。
【0006】ところで、インクジェットヘッドの熱作用
面は、インクの発泡と消泡の繰り返しによるキャビテー
ションがもたらす機械的衝撃や、更にはエロージョンに
さらされたり、また、0.1〜10μ秒という極めて短
時間に1000℃前後の温度の上昇及び下降に曝された
りするといった厳しい環境におかれるため、使用環境に
おける発熱抵抗体自身の特性安定性、及び発熱抵抗体を
保護するために設けられた絶縁層の特性安定性が、イン
クジェットヘッドの性能、例えば吐出安定性や寿命を決
定する重要なファクターとなっている。
【0007】上記インクジェットヘッドに使用される発
熱抵抗体としては、現在TaN膜などが一般的である。
このTaN膜における特性安定性、特に長期繰り返し記
録時の抵抗変化率は、TaN膜の組成と強い相間関係が
有る。中でもTaN0.8hexを含む窒化タンタルで構成さ
れた発熱抵抗体が、長期繰り返し記録時の抵抗変化率が
少なく吐出安定性に優れていることが知られている(特
開平7−125218号公報)。
【0008】また、上記インクジェットヘッドに使用さ
れる絶縁層は、耐熱性、耐液性、液浸透防止性、酸化安
定性、絶縁性、耐破傷性、及び熱伝導性に優れているこ
とが要求され、現在では、SiO2或いはSiN等の無
機化合物が一般的に用いられている。
【0009】近年、市場ではインクジェットプリンタが
急速な発展を遂げ、それに伴い記録画像に対してはより
一層の高精細化が求められるようになってきた。そこ
で、より小さなインク滴を効率良く吐出して記録するた
め、発熱抵抗体にはより一層の高抵抗化が望まれてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在一
般的に絶縁層に用いられているSiO2或いはSiN等
の無機化合物では、その膜中に不安定あるいは遊離した
形で酸素・窒素・水素原子等が存在している。したがっ
て、長時間連続してインク吐出を行う記録動作にあたっ
ては、絶縁層中に存在する不安定あるいは遊離した酸素
・窒素・水素原子等が発熱抵抗体に酸化や窒化などの影
響を与え、発熱抵抗体の絶縁層との界面付近では抵抗値
が大きく変化してしまう。
【0011】この影響は、発熱抵抗体の厚さが薄いほど
顕著に現われるため、発熱抵抗体の高抵抗化を達成する
手段として厚さを薄くした場合、長時間連続して記録動
作を行うとインク吐出量に変動を招き、記録画像の画質
に劣化を生じさせてしまうといった問題があった。
【0012】そこで本発明の目的は、高抵抗化を達成す
るために厚さを薄くした発熱抵抗体を有していながら、
インクの吐出安定性に優れ、長時間連続して記録を行っ
ても高画質の画像形成が可能であるインクジエット装置
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を
完成した。
【0014】本発明は、基板上の少なくとも絶縁層上に
形成される、インクに熱を与えるための複数の発熱抵抗
体と、該発熱抵抗体に電気的に接続された電極配線と、
該発熱抵抗体を覆う保護層を有するインクジェットヘッ
ド用基体であって、前記発熱抵抗体は、少なくとも発熱
部でその上面のインク面側およびその下面の基板面側の
両側をSi膜で挟み込まれていることを特徴とするイン
クジェットヘッド用基体に関する。
【0015】また本発明は、基板上の少なくとも絶縁層
上に、下面Si膜、発熱抵抗体、上面Si膜および電極
配線層を順次成膜し、次いで、該電極配線層をエッチン
グして所定のパターンを形成した後、該下面Si膜と該
発熱抵抗体と該上面Si膜とを同時にエッチングするこ
とで所定のパターンを形成する工程を有する、上記イン
クジェットヘッド用基体の製造方法に関する。
【0016】また本発明は、上記インクジェットヘッド
用基体を有するインクジェットヘッドに関する。
【0017】さらに本発明は、上記インクジェットヘッ
ドと、該インクジェットヘッドを載置するための部材と
を少なくとも具備することを特徴とするインクジェット
装置に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施
の形態に限定されることはなく、本発明の目的が達成さ
れ得るものであればよい。
【0019】図1は、本発明のインクジェットヘッド
の、インクを発泡させる発熱部の基板の平面図であり、
図2は、図1のX−X’線部分断面図である。
【0020】本実施の形態における発熱部の基板の作製
には、Si基板、あるいは既に駆動用のICを作り込ん
たSi基板を用いる。Si基板の場合は、熱酸化法、ス
パッタ法、CVD法などによってSiO2の蓄熱層を形
成する。ICを作り込んだSi基板の場合も同様にその
製造プロセス中でSiO2の蓄熱層を形成しておく。図
1中では101がその部分に相当する。
【0021】次に、本実施の形態の実施例1として、電
極配線としてAl層102bを厚さ500nmに、電極
配線の熱ストレスによる影響を抑制する金属合金層とし
てTiW層103を厚さ85nmにスパッタリング法に
て形成した。続いて、フォトリソ法を用いて配線パター
ンを形成し、リアクティブイオンエッチング法でTi
W、Alと連続的にエッチングを行った。
【0022】次に、スパッタ法あるいはCVD法などに
よってSiN或いはSiO2等からなる層間絶縁膜10
5を厚さ1400nmに形成した。次いで、Si膜10
4bを厚さ10nm、発熱抵抗体107としてTaN層
を厚さ15nm、Si膜104aを厚さ10nm、電極
配線としてAl層102aを厚さ500nmにそれぞれ
スパッタリング或いは反応性スパッタリングにより形成
した。続いて、フォトリソ法を用いて配線パターンを形
成し、リアクティブイオンエッチング法で、Al、S
i、TaN、Siと連続的にエッチングを行った。な
お、本発明において、Si膜の厚さは、少なくとも10
nmあることが好ましく、10〜30nmがより好まし
く、10〜20nmがさらに好ましい。
【0023】再びフォトリソ法により図2に示すように
発熱部106を露出させるためにパターンを形成し、ウ
エットエッチングによりその領域のAlを取り去った。
【0024】次に保護膜108として、スパッタ法やプ
ラズマCVD法などによって、SiN或いはSiO2等
からなる絶縁膜を厚さ1000nmに形成した。次いで
耐キャビテーション及び耐インク膜としてTa膜109
を厚さ230nmに、必要に応じてパターニングを行い
ながら成膜した。
【0025】以上により本発明のインクジェット用基体
を作製した。発熱抵抗体のシート抵抗は、測定の結果、
約150Ω/□であった。
【0026】また、上記基板を用いて、インクジェット
ヘッドを製造し、吐出の耐久性の評価を行った。その結
果を図3に示す。図3において、縦軸は耐久試験後の発
熱抵抗体の抵抗変化率を表わし、横軸は吐出パルス数を
表わしている。なお、パルス幅は5μsecで試験した。
【0027】その結果、本実施の形態の実施例1の基板
を用いたインクジェットヘッドは、駆動電圧(Vop)/
発泡開始電圧(Vth)が1.3において3.0×108
パルスの連続繰り返し記録動作を行っても、発熱抵抗体
の抵抗変化率は−0.9%であった。ここで、抵抗変化
率に若干の変化が見られるのは、抵抗値の測定誤差や発
熱抵抗体自身が成膜中に取り込んだ酸素や窒素等による
影響ではないかと考えられる。
【0028】実施例2 発熱抵抗体107として厚さ10nmのTaN層を用い
た他は上記実施例1と同様にしてインクジェットヘッド
用基体を作製した。この時の発熱抵抗体のシート抵抗は
測定の結果、約240Ω/□であった。
【0029】また、この基体を用いてインクジェットヘ
ッドを製造し、実施例1と同様にして吐出の耐久性の評
価を行った。その結果を図3に示す。図3に示すとお
り、実施例2の基体を用いたインクジェットヘッドは、
3.0×108パルスの連続繰り返し記録動作を行って
も、発熱抵抗体の抵抗変化率は−1.2%であった。
【0030】実施例3 発熱抵抗体を覆う上下Si膜104a、104bとし
て、厚さ20nmのSi膜を用いた他は実施例1と同様
にしてインクジェットヘッド用基体を作製した。また、
この基体を用いてインクジェットヘッドを製造し、実施
例1と同様にして吐出の耐久性の評価を行った。その結
果を図3に示す。図3に示すとおり、実施例3の基体を
用いたインクジェットヘッドは、3.0×108パルス
の連続繰り返し記録動作を行っても、発熱抵抗体の抵抗
変化率は−0.9%であった。
【0031】比較例1 発熱抵抗体を覆う上下Si膜104a、104bを設け
ない他は実施例1と同様にしてインクジェットヘッド用
基体を作製した。また、この基体を用いてインクジェッ
トヘッドを製造し、実施例1と同様にして吐出の耐久性
の評価を行った。その結果、図4に示すとおり、比較例
1の基体を用いたインクジェットヘッドは、3.0×1
08パルスの連続繰り返し記録動作により、発熱抵抗体
の抵抗変化率が13.0%であった。
【0032】比較例2 発熱抵抗体を覆う上下Si膜104a、104bを設け
ない他は実施例2と同様にしてインクジェットヘッド用
基体を作製した。また、この基体を用いてインクジェッ
トヘッドを製造し、実施例1と同様にして吐出の耐久性
の評価を行った。その結果、図4に示すとおり、比較例
2の基体を用いたインクジェットヘッドは、3.0×1
08パルスの連続繰り返し記録動作により、発熱抵抗体
の抵抗変化率が19.0%であった。
【0033】なお、本実施例においては、発熱抵抗層の
全面にSi膜が設けられる構成となっているが、少なく
とも発熱部において設けられていれば他の部分はSi膜
が除かれた構成となっていても同様の性能を有する。
【0034】以下、上記本発明のインクジェットヘッド
用基体を適用するインクジェットヘッド及びインクジェ
ット装置について説明する。
【0035】図4は本発明のインクジェット装置の外観
図である。駆動モータ413の正逆回転に連動して駆動
力伝達ギア411、409を介して回転するリードスク
リュー404の螺旋溝405に対して係合するキャリッ
ジHCは、ピン(図示せず)を有し、ガイド403に沿
って矢印方向に往復移動される。このキャリッジに搭載
されたインクジェットヘッド401はキャリッジととも
に矢印方向に往復移動する。402は紙押え板であり、
キャリッジ移動方向にわたって紙をプラテン400に対
して押圧する。407、408はフォトカプラであり、
キャリッジのレバー406のこの域での存在を確認して
駆動モータ413の回転方向切り替え等を行うためのホ
ームポジション検知手段である。416は、記録ヘッド
の全面をキャップするキャップ部材423を支持する支
持部材で、415はこのキャップ内を吸引する吸引手段
であり、キャップ内開口を介して記録ヘッドの吸引回復
を行う。417はクリーニングブレードであり、419
はこのブレードを前後方向に移動可能にする移動部材で
あり、本体支持板418にこれらは支持されている。ブ
レードは、この形態でなくてもよく、周知のクリーニン
グブレードが本体に適用できることは言うまでもない。
また、421は、吸引回復の吸引を開始するための吸引
開始レバーで、キャリッジと係合するカム420の移動
に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切
り替え等の公知の伝達手段で移動制御される。これらの
キャッピング、クリーニング及び吸引回復は、キャリッ
ジがホームポジション側領域にきたときにリードスクリ
ュー404の作用によってそれらの対応位置で所望の処
理が行えるように構成されているが、周知のタイミング
で所望の作動を行うようにすれば、本例はいずれの構成
も適用できる。上述における各構成は単独でも複合的に
見ても優れたものであり、本発明にとって好ましい構成
である。なお、本装置はインク吐出圧発生素子を駆動す
るための駆動信号供給手段を有している。
【0036】本発明は、特に、インクジェット記録方式
のなかでも熱エネルギーを利用して液滴を飛翔させて記
録を行うインクジェット記録ヘッド及びインクジェット
記録装置において優れた効果をもたらすものである。
【0037】これらの記録ヘッド及びインクジェット記
録装置の代表的な構成や原理については、例えば、米国
特許第4723129号明細書、同第4740796号
明細書に開示されている基本的な原理を用いるものが好
ましい。
【0038】この原理を用いた方式は、オンデマンド型
およびコンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特にオンデマンド型の場合に有効である。オンデマ
ンド型方式は次の通りである。液体(インク)が保持さ
れているシートや液路に対応して配置されている電気熱
変換体に、記録情報に対応した、核沸騰を超える急速な
温度上昇を与える一つ以上の駆動信号を印加することに
よって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生させ、記録
ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて駆動信号に1対
1で対応した気泡を液体内に形成させる。この気泡の成
長・収縮によってインク吐出口からインクを吐出させ、
1つ以上の液滴を形成・飛翔させる。
【0039】このときの駆動信号をパルス形状とする
と、信号の印加に対して気泡の成長・収縮が瞬時・適切
に行われ、応答性に優れたインクの吐出が達成できる。
この駆動信号としては、米国特許第4463359号明
細書、同第4345262号明細書に記載されているよ
うなものが適している。また、米国特許第431312
4号明細書に記載の熱作用面の温度上昇率に関する発明
の設定条件を採用すると、さらに優れた記録を行うこと
ができる。
【0040】本発明のインクジェット記録ヘッドの構成
としては、上記の各明細書に記載されているような吐出
口・液路・電気熱変換体を組み合わせた構成(直線状液
流路構成または直角液流路構成)の他に、米国特許第4
558333号明細書および同第4459600号明細
書に開示されている、熱作用部が屈曲する領域に配置さ
れた構成をとってもよい。
【0041】上記構成に加えて、複数の電気熱変換体に
対して共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする
構成(特開昭59−123670号公報に開示)や、熱
エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させ
る構成(特開昭59−138461号公報に開示)に基
づいた構成としても本発明は有効である。
【0042】さらに、記録装置が記録可能な最大記録幅
に対応した長さを有するフルラインタイプのインクジェ
ット記録ヘッドを用いてもよい。このフルラインタイプ
の記録ヘッドとしては、上記の明細書に開示されている
ような記録ヘッドを複数組み合わせた構成や、一体型の
構成のいずれであってもよい。
【0043】その他のインクジェット記録ヘッドのタイ
プとして、インクジェット記録装置本体との電気的接続
や、記録装置本体からのインクの供給が可能になる交換
自在のチップタイプの記録ヘッド、又は記録ヘッド自体
に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイ
プの記録ヘッドであってもよい。
【0044】本発明のインクジェット記録装置の構成ユ
ニットとして、インクジェット記録ヘッドに対する回復
手段や予備的な補助手段等を付加することは、本発明の
効果を一層安定化するため好ましい。これらの手段を具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手
段、クリーニング手段、加圧・吸引手段、予備加熱手
段、予備吐出手段等がある。
【0045】さらに本発明のインクジェット記録装置の
記録モードとして、黒色等の主流色のみの記録モード以
外に、異なる色の複色カラーや、混色によるフルカラー
のモードを備えてもよい。
【0046】以上に説明した本発明のインクジェット記
録ヘッド及びインクジェット記録装置においては、イン
クを液体として説明しているが、室温またはそれ以下で
固化するインクであっても室温以上で軟化または液化す
るインクであれば本発明に用いることができる。インク
ジェット方式では一般に、インク自体を30〜70℃に
調整してインクの粘性を安定吐出範囲に温度制御するた
め、記録信号付与時に上記温度範囲でインクが液状であ
ればよい。このようなインクは、記録信号に応じた熱エ
ネルギーの付与によって液化し、液状インクとして吐出
され、記録媒体に到達時点で即座に固化しはじめるもの
等が用いられる。インクの液化によっては過剰な熱エネ
ルギーによる昇温を防止できたり、インクが常温で付近
で固体であること又は吐出後に固化することによっては
インクの蒸発を防止することができる。
【0047】上記のインクは、多孔質シート等の凹部ま
たは貫通孔に液状または固形物として保持され、これを
電気熱変換体に対向する位置に設けてもよい(特開昭5
4−56847号公報、特開昭60−71260号公報
に記載)。
【0048】本発明においては、上述の各インクに対し
て膜沸騰方式が最も有効である。
【0049】本発明のインクジェット記録装置は、ワー
ドプロセッサやコンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として一体または別体に設けられるものの他、リ
ーダ等と組み合わせた複写装置や、送受信機能を有する
ファクシミリ装置の形態をとるものであってもよい。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、その基体の上記構成により、発熱抵抗体を挟み
込む上下のSi膜が、酸素・窒素・水素等による発熱抵
抗体の劣化を防止するので、高抵抗化を達成するために
厚さを薄くした発熱抵抗体を用いても、長時間、吐出安
定性に優れたインクジエットヘッドを得ることができ
る。すなわち、耐久性に優れ、かつ高画質の画像形成が
可能なインクジェットヘッド及びインクジェット装置が
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジエットヘッド用基板の部分平
面図である。
【図2】図1に示す本発明のインクジェットヘッド用基
板のX−X’線部分断面図である。
【図3】本発明のインクジエットヘッド用基体を用いた
インクジエットヘッドと、従来のインクジエットヘッド
用基体を用いたインクジエットヘッドとの、吐出耐久性
を比較したグラフである。
【図4】本発明のインクジエット記録装置の説明図であ
る。
【図5】従来のインクジエットヘッドの基板構成を示す
概略平面図である。
【符号の説明】
101 蓄熱層 102a、102b 電極配線 103 金属合金層 104a、104b Si膜 105 層間絶縁膜 106 発熱部 107 発熱抵抗体 108 保護膜 109 耐キャビテーション膜 400 プラテン 401 インクジェットヘッド 402 紙押え板 403 ガイド 404 リードスクリュー 405 螺旋溝 406 レバー 407、408 フォトカプラ 409、411 駆動力伝達ギア 413 駆動モータ 415 吸引手段 416 支持部材 417 クリーニングブレード 418 本体支持板 419 移動部材 420 カム 421 吸引開始レバー 423 キャップ部材 HC キャリッジ P 紙 501 吐出口 502 電気熱変換素子 503 インク流路 504 基板 505 発熱抵抗体 506 電極配線 507 絶縁膜 508 流路壁 509 共通液室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 無我 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 今仲 良行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の少なくとも絶縁層上に形成され
    る、インクに熱を与えるための複数の発熱抵抗体と、該
    発熱抵抗体に電気的に接続された電極配線と、該発熱抵
    抗体を覆う保護層を有するインクジェットヘッド用基体
    であって、前記発熱抵抗体は、少なくとも発熱部でその
    上面のインク面側およびその下面の基板面側の両側をS
    i膜で挟み込まれていることを特徴とするインクジェッ
    トヘッド用基体。
  2. 【請求項2】 前記発熱抵抗体を挟み込む前記Si膜
    が、前記発熱抵抗体と同一パターン形状で形成されてい
    る請求項1記載のインクジェットヘッド用基体。
  3. 【請求項3】 前記発熱抵抗体を挟み込む前記Si膜
    が、少なくとも10nmの厚さを有する請求項1又は2
    記載のインクジェットヘッド用基体。
  4. 【請求項4】 基板上の少なくとも絶縁層上に、下面S
    i膜、発熱抵抗体、上面Si膜および電極配線層を順次
    成膜し、次いで、該電極配線層をエッチングして所定の
    パターンを形成した後、該下面Si膜と該発熱抵抗体と
    該上面Si膜とを同時にエッチングすることで所定のパ
    ターンを形成する工程を有する、請求項1、2又は3記
    載のインクジェットヘッド用基体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載のインクジェッ
    トヘッド用基体を有するインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって対
    応するように吐出口が複数設けられたフルラインタイプ
    のものである請求項5記載のインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載のインクジェットヘ
    ッドと、該インクジェットヘッドを載置するための部材
    とを少なくとも具備することを特徴とするインクジェッ
    ト装置。
JP14279398A 1998-05-25 1998-05-25 インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェット装置及びインクジェットヘッド用基体の製造方法 Pending JPH11334077A (ja)

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