JP2022031015A - 抵抗体、抵抗体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022031015000001
【課題】鉛成分を含有せず、抵抗温度係数の絶対値が100ppm/K以下の抵抗体を提供することを目的とする。
【解決手段】鉛成分を含有しない抵抗体であって、
負の抵抗温度係数を有する第1抵抗体と、
正の抵抗温度係数を有する第2抵抗体と、を有し、
前記第1抵抗体と、前記第2抵抗体とが直列に配置され、
前記第1抵抗体が、電気伝導性の薄膜と、絶縁体膜とが積層された多層膜であり、
前記第2抵抗体が、TaCおよびHfCから選択された1種類以上を含む薄膜であり、
前記抵抗体の抵抗値に占める、前記第1抵抗体の抵抗値の割合である混合率が、前記抵抗体の抵抗温度係数の絶対値が100ppm以下となる範囲内にある抵抗体を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、抵抗体、抵抗体の製造方法に関する。
抵抗体の形成方法としては、抵抗ペーストを用いる厚膜方式と、スパッタ法により膜形成材料を成膜する薄膜方式とが従来からよく用いられている。
厚膜方式は、抵抗ペーストをセラミック基板上に印刷、焼成して抵抗体を形成する方法であり、設備が安価で、生産性も高いことから、チップ抵抗器やハイブリッドICなどの抵抗体の製造に広範に利用されている。
厚膜方式に用いる抵抗ペーストは、一般的に導電性粒子およびガラスフリットを含む固体成分と、固体成分を印刷に適したペースト状にするための有機ビヒクルとを含有する。
導電性粒子としては、二酸化ルテニウム(RuO)やパイロクロア型ルテニウム系酸化物(PbRu7-X、BiRu)が一般に使用されている。
ガラスフリットとしては、ホウケイ酸鉛ガラス(PbO-SiO-B)やアルミノホウケイ酸鉛ガラス(PbO-SiO-B-Al)など、鉛を多量に含むホウケイ酸鉛系ガラスが使われている。
このように、従来の抵抗体は良好な電気特性とするため、鉛を含有する場合があった。しかしながら、近年では電子機器について、鉛の使用の排除が求められている。このため、抵抗体についても、鉛を用いないことが求められているが、同時に良好な電気特性を有することも求められている。
例えば特許文献1には、酸化イリジウム(IrO)粉を用いてなる厚膜抵抗体形成用ペーストや、該ペーストを用いた厚膜抵抗体が開示されている。特許文献1に開示された厚膜抵抗体用ペーストは、例えば高抵抗領域の厚膜抵抗体用ペーストとして有用であるが、イリジウムは高価であり、特に汎用抵抗部品への適用においては従来の導電物から置き換えるにはコストの点で課題がある。
そこで厚膜方式ではなく薄膜方式を用いて鉛フリー抵抗体を作成することが検討されている。
特許文献2には塊状にて抵抗温度係数の大きさが異なる金属の2層以上の薄膜から成り、各々の薄膜は正負の抵抗温度係数を有し且つ該薄膜の膜厚と各々の膜厚比が制御されることによって所定の抵抗値と小さな抵抗温度係数を有することを特徴とする薄膜抵抗体が開示されている。
しかしながら、抵抗温度係数の絶対値を100ppm程度以下にするには正負の抵抗体の抵抗値を同程度の値にする必要がある。このため、特許文献2に開示された薄膜抵抗体の構成では、抵抗値が狭い範囲に制約されるため、問題があった。
特開2007-277040号公報 特公昭50-25149号公報
以上のように、これまで検討された鉛成分を含有しない抵抗体では、得られる抵抗体の抵抗値の範囲が狭い等の理由から、一般的に使用することは困難であった。このため、鉛成分を含有せず抵抗温度係数が抑制された新たな抵抗体が求められていた。
上記従来技術の問題に鑑み、本発明の一側面では、鉛成分を含有せず、抵抗温度係数の絶対値が100ppm/K以下の抵抗体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、
鉛成分を含有しない抵抗体であって、
負の抵抗温度係数を有する第1抵抗体と、
正の抵抗温度係数を有する第2抵抗体と、を有し、
前記第1抵抗体と、前記第2抵抗体とが直列に配置され、
前記第1抵抗体が、電気伝導性の薄膜と、絶縁体膜とが積層された多層膜であり、
前記第2抵抗体が、TaCおよびHfCから選択された1種類以上を含む薄膜であり、
前記抵抗体の抵抗値に占める、前記第1抵抗体の抵抗値の割合である混合率が、前記抵抗体の抵抗温度係数の絶対値が100ppm以下となる範囲内にある抵抗体を提供する。
本発明の一側面によれば、鉛成分を含有せず、抵抗温度係数の絶対値が100ppm/K以下の抵抗体を提供することができる。
本開示の一態様に係る抵抗体の上面図である。 図1のA-A´線での断面図である。 第1抵抗体と第2抵抗体との混合率を変化させた場合の抵抗値の温度依存性の説明図である。 第1抵抗体と第2抵抗体との混合率を変化させた場合の抵抗値の温度依存性の説明図である。 多層膜を成膜するスパッタ装置の説明図である。
以下、本発明の抵抗体、抵抗体の製造方法の一実施形態について説明する。
[抵抗体]
本発明の発明者は、鉛成分を含有しない新たな抵抗体について鋭意検討を行った。
本発明の発明者は、検討を進める中で負の抵抗温度係数を有する導電性薄膜、すなわち電気伝導性の薄膜(電気伝導性を有する薄膜)が物理成膜法により形成でき、積層構造を作製しやすいことに着目した。そして、電気伝導性の薄膜と、絶縁体膜とを交互に積層した第1抵抗体は、負の抵抗温度係数を有し、積層数を選択することで抵抗値を制御可能であることを見出した。
さらに、上記負の抵抗温度係数を有する第1抵抗体と、正の抵抗温度係数を有する導電性抵抗体である第2抵抗体とを組み合わせた抵抗体とすることで、抵抗体全体の抵抗温度係数を制御し、抵抗温度係数の絶対値を100ppm/K以下にできることを見出した。
すなわち、第1抵抗体として電気伝導性の薄膜と絶縁体膜とが積層された多層膜を用い、例えば積層数を選択することで抵抗体全体の抵抗値を制御し、選択できる抵抗値の範囲の広い抵抗体とすることができる。そして、負の抵抗温度係数を有する第1抵抗体と、正の抵抗温度係数を有する第2抵抗体とを有する抵抗体とすることで、抵抗体の抵抗温度係数の絶対値を100ppm/K以下にできる。
本実施形態の抵抗体の構成例を図1、図2に示す。図1は、本実施形態の抵抗体10の上面図である。図2は、本実施形態の抵抗体10が有する第1抵抗体11と、第2抵抗体12とを通り、第1抵抗体を構成する電気伝導性の薄膜111Aと、絶縁体膜111Bとの積層方向と平行な面での断面図を示している。図2は図1のA-A´線での断面図にあたる。
本実施形態の抵抗体は鉛成分を含有しない。そして、図1、図2に示すように、本実施形態の抵抗体10は、負の抵抗温度係数を有する第1抵抗体11と、正の抵抗温度係数を有する第2抵抗体12とを有し、第1抵抗体11と、第2抵抗体とは直列に配置できる。
第1抵抗体11は、電気伝導性の薄膜111Aと、絶縁体膜111Bとが積層された多層膜111を有する。
第2抵抗体12は、TaC(炭化タンタル)およびHfC(炭化ハフニウム)から選択された1種類以上を含む薄膜である。
抵抗体10の抵抗値に占める、第1抵抗体11の抵抗値の割合である混合率を、抵抗体10の抵抗温度係数の絶対値が100ppm以下となる範囲内とすることができる。
以下、各部材について説明する。
(1)第1抵抗体
第1抵抗体は、負の抵抗温度係数を有する抵抗体である。図2に示すように、電気伝導性の薄膜111Aと、絶縁体膜111Bとを交互に積層した多層膜111(積層膜)を有することができる。
多層膜111は、図1、図2に示すように電極112の間に配置し、後述する第2抵抗体12や、他の部材と電気的に接続しやすくなるように構成することもできる。電極112の材料は特に限定されないが、電極112は、例えば導電率の高いAl(アルミニウム)、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Pd(パラジウム)、Sn(スズ)、およびPt(白金)等から選択された1種類以上を含有できる。
多層膜111が有する電気伝導性の薄膜111Aの材料としては特に限定されないが、例えば、Au(金)、Pt(白金)、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)から構成される金属群から選択された1種類以上の金属を含むことができる。電気伝導性の薄膜111Aの材料がAgを含む場合、例えばAg-Mn(マンガン)合金等とすることもできる。抵抗体10の抵抗値を安定させる観点から、電気伝導性の薄膜111Aの材料は酸素雰囲気でもほとんど酸化しないAuや、Pt等の貴金属を含むことがより好ましく、Auや、Pt等の貴金属から構成されることがさらに好ましい。
多層膜111が有する絶縁体膜111Bの材料についても特に限定されない。絶縁体膜111Bは、例えばSi(ケイ素)、Ta(タンタル)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Al(アルミニウム)等の元素群から選択された1種類以上を含む酸化物、または窒化物を用いることができる。中でも、Siの酸化物であるSiOや、Alの酸化物であるAlは高抵抗体を製造しやすいので、絶縁体膜111Bの材料として特に好ましく用いることができる。窒化物としては、例えばアモルファスシリコン窒化膜(SiN)や窒化アルミニウム(AlN)を用いることができる。
本実施形態の抵抗体10は鉛成分を含有しないため、第1抵抗体11についても鉛成分を含有しない。ここで、抵抗体10や、第1抵抗体11が鉛成分を含有しないとは、意図して鉛成分を添加していないことを意味し、鉛成分が製造工程等で不可避成分として第1抵抗体11に混入することを排除するものではない。
各層の厚さは特に限定されないが、例えば電気伝導性の薄膜111Aの膜厚は、例えば1nm以上100nm以下とすることができる。
電気伝導性の薄膜111Aの膜厚を1nm以上とすることで安定性して電気伝導性を示し、再現性を高めることができる。また、電気伝導性の薄膜111Aの膜厚を100nm以下とすることで多層膜111をより確実に負の抵抗温度係数を有する膜とすることができる。電気伝導性の薄膜111Aの膜厚は、1nm以上50nm以下であることがより好ましい。
なお、多層膜111を製造する際、電気伝導性の薄膜111Aと、絶縁体膜111Bと交互に積層した後、アニール処理を行うこともできる。係るアニール処理を行うと、電気伝導性の薄膜111Aと、絶縁体膜111Bとの界面近傍で反応し、電気伝導性の薄膜111Aの膜厚が場所により異なる場合がある。このため、電気伝導性の薄膜111Aの膜厚は一定である必要は無く、任意の場所で測定を行った場合に上記範囲にあればよい。
電気伝導性の薄膜111Aの膜厚は、多層膜111について、電気伝導性の薄膜111Aと絶縁体膜111Bとの積層方向と平行な面の断面について、オージェ電子分光法や、XPS(X-ray photoelectron spectroscopy:X線光電子分光法)等により分析し、電気伝導性の薄膜111Aを構成する元素が分布する範囲の厚さを評価することで求められる。
絶縁体膜111Bの膜厚は100nm以上1000nm以下であることが好ましい。絶縁体膜111Bの膜厚を100nm以上とすることで絶縁性を高められる。また、絶縁体膜111Bの膜厚を1000nm以下とすることで絶縁体膜111B表面の凹凸が大きくなることを抑制できる。絶縁体膜111Bの膜厚についても、電気伝導性の薄膜111Aの膜厚の場合と同様の方法で評価できる。
図2では、模式的に、電気伝導性の薄膜111Aを5層、絶縁体膜111Bを4層積層した例を示したが、電気伝導性の薄膜111A、および絶縁体膜111Bの層の数は特に限定されない。
電気伝導性の薄膜111Aの抵抗値をR111Aとし、第1抵抗体11が、電気伝導性の薄膜111Aをn層有する場合、第1抵抗体11の抵抗値R1は、R1=R111A÷nで表せる。
このため、抵抗体10に要求される抵抗値や、組み合わせる第2抵抗体12の抵抗値等に応じて電気伝導性の薄膜111A、および絶縁体膜111Bの層数を選択できる。
(2)第2抵抗体
第2抵抗体12は、TaCおよびHfCから選択された1種類以上を含む薄膜である。
第2抵抗体12は、TaCおよびHfCから選択された1種類以上のみから構成することができるが、この場合でも製造工程で混入する不可避不純物を含有することを排除するものではない。
また、本実施形態の抵抗体10は鉛成分を含有しないことから、第2抵抗体12についても鉛成分を含有しない。ここで、第2抵抗体12が鉛成分を含有しないとは、意図して鉛成分を添加していないことを意味し、鉛成分が製造工程等で不可避成分として第2抵抗体12に混入することを排除するものではない。
第2抵抗体12は、その厚さT、長さL、幅Wを調整することで、抵抗値や、後述する混合率を調整できる。
(3)基板
本実施形態の抵抗体10は、図1、図2に示すように、基板13上に形成できる。基板13は、抵抗体10を形成する面が平坦であれば材質は特に限定されない。基板13の材料としては、平坦性の良いSi(ケイ素)や、石英等が挙げられる。
なお、基板13が導電性を有する場合、基板13の影響を避けるため、抵抗体10を形成する面にはSiO等の絶縁体膜131を配置できる。
本実施形態の抵抗体は、所望の抵抗値となるように、かつ抵抗温度係数の絶対値が100ppm/K以下となるように、第1抵抗体と、第2抵抗体との混合率を選択できる。
(4)抵抗体の抵抗温度係数、および第1抵抗体と第2抵抗体との混合率
(4-1)抵抗温度係数
抵抗体の抵抗温度係数について説明する。
抵抗温度係数は、300Kの抵抗値に対して220Kまたは420Kでの抵抗値により求められる抵抗値の温度変化率であり、それぞれ下記の式(A)、式(B)により求められる。
Cold-TCR(ppm/K)=(R220-R300)/R300/(-80)×10・・・(A)
Hot-TCR(ppm/K)=(R420-R300)/R300/(120)×10・・・(B)
300Kと220Kの抵抗値から求められる抵抗温度係数を低温側TCR(Cold-TCR)という。なお、TCRはTemperature Coefficient of resistanceを意味する。
300Kと420Kの抵抗値から求められる抵抗温度係数を高温側TCR(Hot-TCR)という。
本実施形態の抵抗体は、抵抗温度係数、すなわち低温側TCR、および高温側TCRの絶対値がいずれも100ppm/K以下であることが好ましい。
そこで、本実施形態の抵抗体は、抵抗温度係数の絶対値が100ppm/K以下となるように、第1抵抗体と第2抵抗体との混合率を選択できる。
(4-2)第1抵抗体と第2抵抗体との混合率
第1抵抗体と第2抵抗体との混合率とは、抵抗体の抵抗値のうち、第1抵抗体の抵抗値が占める割合、すなわち寄与する割合を意味する。
抵抗体の抵抗値をR、第1抵抗体の抵抗値をR1、第2抵抗体の抵抗値をR2とした場合、第1抵抗体と第2抵抗体とは直列に配列されているため、R=R1+R2の関係にある。そして、第1抵抗体と第2抵抗体との混合率をrとした場合、R1=r×R、R2=(1-r)×Rとなる。
本実施形態の抵抗体において、抵抗体の抵抗値に占める第1抵抗体の抵抗値の割合である混合率rは、該抵抗体の抵抗温度係数の絶対値が100ppm以下となる範囲内にあることが好ましい。すなわち、上記混合率rは、抵抗体の抵抗温度係数の絶対値が100ppm以下となるように選択されていることが好ましい。なお、第1抵抗体の抵抗値と第2抵抗体の抵抗値との合計は、既述のように抵抗体の抵抗値となる。
以下に、第1抵抗体と第2抵抗体との混合率(以下、単に「混合率」とも記載する)を変化させた場合の抵抗温度係数の変化の例を示す。
(第1構成例)
図3に、後述する実施例1-1と同じ構成の第1抵抗体、第2抵抗体を有する抵抗体について、混合率を変化させた場合の、抵抗値の温度依存性を示す。
図3に示した例では、第1抵抗体は、電気伝導性の薄膜である厚さが1nmのAu膜と、絶縁体膜である厚さが100nmのSiO膜とを交互にそれぞれ5層積層した多層膜である。また、第2抵抗体は、厚さTが1μm、幅Wが10μmのTaC膜である。図3中、点線31が第1抵抗体の抵抗値の温度依存性を、点線32が第2抵抗体の抵抗値の温度依存性を示している。
そして、混合率が0.2の場合の抵抗体の抵抗値の温度依存性を線分331、混合率が0.3の場合の抵抗体の抵抗値の温度依存性を線分332、混合率が0.4の場合の抵抗体の抵抗値の温度依存性を線分333に示す。混合率が0.5の場合の抵抗体の抵抗値の温度依存性を線分334、混合率が0.55の場合の抵抗体の抵抗値の温度依存性を線分335にそれぞれ示す。
また、表1に、混合率を変化させた場合の抵抗体の抵抗温度係数を示す。
Figure 2022031015000002
なお、第2抵抗体であるTaC膜の比抵抗は1550μΩmなので、例えば膜厚Tが1μm、長さLが1mmの場合、幅Wを1~100μmの範囲で変化させると、抵抗値は以下の表2に示すように15500Ωから155Ωの範囲で変化する。このため、幅Wを変化させることで第2抵抗体の抵抗値を変化させ、上記混合率を変化させている。
Figure 2022031015000003
表1に示した構成例の場合、混合率が0.25以上0.5以下の場合に抵抗温度係数の絶対値が100ppm以下になることを確認できる。すなわち、第1抵抗体11の電気伝導性の薄膜がAu膜、絶縁体膜がSiOであり、第2抵抗体がTaC膜の場合、混合率は0.25以上0.5以下であることが好ましいことを確認できる。
(第2構成例)
図4に、後述する実施例2-1と同じ第1抵抗体、第2抵抗体を有する抵抗体について、混合率を変化させた場合の、抵抗値の温度依存性を示す。
第1抵抗体は、電気伝導性の薄膜である厚さが1nmのAl-Pt膜と、絶縁体膜である厚さが100nmのSiO膜とを交互にそれぞれ5層積層した多層膜である。また、第2抵抗体は、厚さTが1μm、幅Wが10μmのHfC膜を用いている。図4中、点線41が第1抵抗体の抵抗値の温度依存性を、点線42が第2抵抗体の抵抗値の温度依存性を示している。
そして、混合率が0.15の場合の抵抗体の抵抗値の温度依存性を線分431、混合率が0.3の場合の抵抗体の抵抗値の温度依存性を線分432、混合率が0.4の場合の抵抗体の抵抗値の温度依存性を線分433で示す。混合率が0.5の場合の抵抗体の抵抗値の温度依存性を線分434、混合率が0.55の場合の抵抗体の抵抗値の温度依存性を線分435にそれぞれ示す。
また、表3に、混合率を変化させた場合の抵抗体の抵抗温度係数を示す。
Figure 2022031015000004
なお、第2抵抗体であるHfC膜の比抵抗は1700μΩmであるので、例えば膜厚Tが1μm、長さLが1mmの場合、幅Wを1~100μmの範囲で変化させると、抵抗値は以下の表4に示すように17000Ωから170Ωの範囲で変化する。このため、幅Wを変化させることで第2抵抗体の抵抗値を変化させ、上記混合率を変化させている。
Figure 2022031015000005
表3に示した例の場合、混合率を0.2以上0.5以下とすることで抵抗温度係数の絶対値を100ppm以下にできることを確認できる。すなわち、第1抵抗体11の電気伝導性の薄膜がAl-Pt膜、絶縁体膜がSiOであり、第2抵抗体がHfC膜の場合、混合率は0.2以上0.5以下であることが好ましいことを確認できる。
なお、ここでは、それぞれ上記構成の第1抵抗体、第2抵抗体を用いた場合を例に説明したが、第1構成例、第2構成例から明らかなように、各抵抗体の構成を変更することで好適な混合率の範囲も変化するため、上記範囲に限定されるものではない。
上述のように、製造する抵抗体が有する第1抵抗体、第2抵抗体の温度依存性を予め測定し、混合率による抵抗温度係数の変化を算出することで、適切な混合率を選択できる。
[抵抗体の製造方法]
本実施形態の抵抗体の製造方法について説明する。本実施形態の抵抗体の製造方法によれば、既述の抵抗体を製造できる。このため、既に説明した事項については一部説明を省略する。
本実施形態の抵抗体の製造方法は、鉛成分を含有しない抵抗体の製造方法に関し、以下の第1抵抗体形成工程と、第2抵抗体形成工程とを有することができる。
負の抵抗温度係数を有する第1抵抗体を形成する第1抵抗体形成工程。
正の抵抗温度係数を有する第2抵抗体を形成する第2抵抗体形成工程。
第1抵抗体形成工程および第2抵抗体形成工程においては、第1抵抗体と、第2抵抗体とが直列に配置されるように、第1抵抗体および第2抵抗体を形成できる。
また、抵抗体の抵抗値に占める第1抵抗体の抵抗値の割合である混合率を、抵抗体の抵抗温度係数の絶対値が100ppm以下となる範囲内とすることができる。すなわち、第1抵抗体形成工程および第2抵抗体形成工程においては、抵抗体の抵抗値に占める第1抵抗体の抵抗値の割合である混合率を、抵抗体の抵抗温度係数の絶対値が100ppm以下となるように、第1抵抗体および第2抵抗体を形成できる。
なお、第1抵抗体形成工程と、第2抵抗体形成工程とを実施する順番は特に限定されず、第1抵抗体形成工程と、第2抵抗体形成工程とをその順に実施することもできる。また、第2抵抗体形成工程を実施してから、第1抵抗体形成工程を実施することもできる。
各工程について以下に説明する。
(第1抵抗体形成工程)
第1抵抗体形成工程では、電気伝導性の薄膜と、絶縁体膜とをスパッタ法により交互に積層できる。
例えば図5に示すように、スパッタ装置50のチャンバー51内に、電気伝導性の薄膜形成用の第1ターゲット52と、絶縁体膜形成用の第2ターゲット53Aとを配置しておく。また、基板ホルダー54の基板固定部541に抵抗体10を形成する基板13を保持し、基板固定部541に接続された回転軸542により、基板ホルダー54を回転できるように構成する。なお、第1ターゲット52、第2ターゲット53Aと、基板13の抵抗体10を形成する面とが対向するように配置する。
そして、基板ホルダー54の回転軸542をブロック矢印Bに沿って回転させながら、第1ターゲット52に接続された第1電源521、第2ターゲット53Aに接続された第2電源531から電力を供給し、スパッタを行う。これにより、基板13上に電気伝導性の薄膜と、絶縁体膜とを交互に積層できる。
成膜速度と基板ホルダー54を回転させる速度を調整することで、所望の厚さを有する積層膜を形成できる。例えば各ターゲットの数や、ターゲットの位置、ターゲットのサイズ、ターゲットと基板との間の距離を選択することで、成膜速度を変化させることができる。
電気伝導性の薄膜と、絶縁体膜との厚さは特に限定されないが、既述のように、電気伝導性の薄膜111Aの膜厚は、例えば1nm以上100nm以下とすることが好ましく、1nm以上50nm以下とすることがより好ましい。
絶縁体膜111Bの膜厚は100nm以上1000nm以下であることが好ましい。
(第2抵抗体形成工程)
第2抵抗体は、既述のようにTaCおよびHfCから選択された1種類以上を含む薄膜である。第2抵抗体形成工程においても、スパッタ法により薄膜を形成できる。
本実施形態の抵抗体の製造方法は、上記第1抵抗体形成工程、第2抵抗体形成工程以外に、さらに任意の工程を有することもできる。
本実施形態の抵抗体の製造方法は、例えば、第1抵抗体形成工程、第2抵抗体形成工程を実施した後に、第1抵抗体、第2抵抗体を所望の形状、サイズにするために、第1抵抗体、第2抵抗体をエッチングするエッチング工程を有することもできる。なお、エッチング工程は、第1抵抗体形成工程後、および、第2抵抗体形成工程後のそれぞれで実施してもよく、両工程を終えた後に実施することもできる。
また、本実施形態の抵抗体の製造方法は、所定の領域外に、第1抵抗体、第2抵抗体が形成されないように、マスキングを行うマスキング工程を有することもできる。なお、マスキング工程は、例えば第1抵抗体形成工程前、および、第2抵抗体形成工程前のそれぞれで実施できる。
本実施形態の抵抗体の製造方法は、アニール処理を行うアニール工程をさらに有することもできる。アニール処理を行うことで、得られる抵抗体の電気特性を安定させることができる。アニール処理の条件は特に限定されないが、例えば、酸素含有雰囲気下、300℃以上500℃以下で1時間以上5時間以下、アニールを行うことができる。なお、酸素含有雰囲気は、酸素を18体積%以上100体積%以下の割合で含むことが好ましい。
アニール処理は、少なくとも第1抵抗体について行うことが好ましいため、アニール処理工程は、第1抵抗体形成工程後に実施することが好ましい。アニール処理工程は、第1抵抗体形成工程、および第2抵抗体形成工程の終了後に実施してもよい。
以下に具体的な実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
[実施例1-1]
以下の手順により抵抗体を製造し、評価を行った。
(第1抵抗体形成工程)
図5に示したスパッタ装置50と同様の構造を有するスパッタ装置を用いて、第1抵抗体の多層膜を成膜した。
具体的にはアルバック株式会社製スパッタ装置(型式:SIH-450)を用いてArと酸素を含むガス中で0.5Paの条件で行った。なお、成膜を行う間Arと酸素(O)とは流量比がAr:O=9:1~2:1の範囲内となるように制御した。本実施例での初期流量比は5.6:1である。スパッタ前のチャンバー51内の到達真空度は1.5×10-4Pa、スパッタ時のAr+Oガスのガス圧は0.5Paとした。
第1ターゲット52としては、導電性を付与するためにP(リン)を添加したSiターゲットを用い、6インチ、5mm厚であった。用いたスパッタ装置は3個のターゲットを設置でき、上記第1ターゲット52を2つのカソードに1枚ずつ装着した。
第2ターゲット53Aとしては、Auターゲットを用い、6インチ0.5mm厚の円板形状を有していた。第2ターゲット53Aを銅製のバッキングプレートにIn(インジウム)でボンディングして使用した。
第1ターゲット52と、抵抗体を形成する基板13との間の距離L52を40mmとした。また、第2ターゲット53Aと基板13との間の距離L53は80mmとした。
基板13は基板ホルダー54に固定した。基板ホルダー54は120度回転して静止成膜を繰り返すようにステップ回転を行った。印加するDC電力は第2ターゲット53Aが50W、第1ターゲット52は各800Wとした。これにより、絶縁体膜であるSiO層の膜厚が100nm、電気伝導性の薄膜であるAu層の膜厚が1nmになるように成膜時間を調整して成膜を行った。
第1抵抗体形成工程では、絶縁体膜と、電気伝導性の薄膜とをそれぞれ5層成膜した。成膜後、フォトリソグラフィ法により、多層膜のサイズが幅1mm、長さ10mmとなるように成形した(エッチング工程)。得られた多層膜にはAgを含む導電性ペーストにより電極112を形成した。得られた多層膜の室温での抵抗値は2023Ωであった。
(第2抵抗体形成工程)
スパッタ法により、第1抵抗体と直列に配列されるように、第2抵抗体を形成した。第2抵抗体としてはTaC膜を形成した。
第2抵抗体12は、厚さTが1μm、幅Wが10μmとなるように成膜し、第1抵抗体11と、第2抵抗体12との混合率が0.4になるように、すなわち第2抵抗体の室温での抵抗値が3035Ωになるように長さLを調整した。
なお、第2抵抗体12の長さLは、第2抵抗体12の上にマスクを形成し、Agペーストを塗布して電極141を形成することで調整した。また、第1抵抗体11の電極112にも電極142をAgペーストにより形成した。
得られた抵抗体10の室温での抵抗値は5050Ωであった。また、得られた抵抗体の抵抗温度係数を求めたところCold-TCRは-20ppm、Hot-TCRは37ppmであった。
評価結果を表5にまとめて示す。
なお、抵抗温度係数は、作製した抵抗体を220K、300K、420Kにそれぞれ15分保持してから抵抗値を測定し、各温度での抵抗値をR220、R300、R420とした。そして、以下の式(A)、式(B)によってCold-TCRと、Hot-TCRとを計算した。
Cold-TCR(ppm/℃)=(R220-R300)/R300/(-80)×10 ・・・(A)
Hot-TCR(ppm/℃)=(R420-R300)/R300/(120)×10 ・・・(B)
抵抗値は、-140℃~400℃の範囲で温度制御可能な温度制御ステージ(東陽テクニカ社製 型番:HCS302-mK2000)を設置した金属容器内に被測定物である抵抗体を配置し、金属容器内を窒素ガスで置換してから、デジタルマルチメータ(KEITHLEY社製 型番:DMM7510)により測定した。
抵抗値であるR220、R300、R420は、同じ条件で作製した25個の抵抗体について測定を行い、25個分の測定結果を平均することで算出した。以下の他の実験例でも同様にして抵抗値を測定し、抵抗温度係数を算出した。
[実施例1-2]
第1抵抗体形成工程で、絶縁体膜と、電気伝導性の薄膜とをそれぞれ50層ずつ成膜した。また、第2抵抗体形成工程で、幅100μmとなるように成膜した。以上の点以外は実施例1-1と同様にして抵抗体を製造し、評価を行った。第1抵抗体11と、第2抵抗体12との混合率は、実施例1-1と同様に0.4とした。
得られた抵抗体の室温での抵抗値は503Ωであった。また、得られた抵抗体の抵抗温度係数を求めたところCold-TCRは-21ppm、Hot-TCRは36ppmであった。
評価結果を表5にまとめて示す。
[実施例1-3]
第1抵抗体形成工程で、絶縁体膜と、電気伝導性の薄膜とをそれぞれ1層成膜した。以上の点以外は実施例1-1と同様にして抵抗体を製造し、評価を行った。第1抵抗体11と、第2抵抗体12との混合率は、実施例1-1と同様に0.4とした。
得られた抵抗体の室温での抵抗値は25005Ωであった。また、得られた抵抗体の抵抗温度係数を求めたところCold-TCRは-21ppm、Hot-TCRは-38ppmであった。
評価結果を表5にまとめて示す。
[実施例2]
[実施例2-1]
以下の手順により抵抗体を製造し、評価を行った。
(第1抵抗体形成工程)
図5に示したスパッタ装置50と同様の構造を有するスパッタ装置を用いて、第1抵抗体の多層膜を成膜した。
具体的にはアルバック株式会社製スパッタ装置(型式:SIH-450)を用いてArと酸素とを含むガス中で0.5Paの条件で行った。なお、成膜を行う間Arと酸素(O)とは流量比がAr:O=9:1~2:1の範囲となるように制御した。本実施例での初期流量比は5.6:1である。スパッタ前のチャンバー51内の到達真空度は1.5×10-4Pa、スパッタ時のAr+Oガスのガス圧は0.5Paとした。
第1ターゲット52としては、導電性を付与するためにP(リン)を添加したSiターゲットを用い、6インチ、5mm厚であった。用いたスパッタ装置は3個のターゲットを設置でき、上記第1ターゲット52を2つのカソードに1枚ずつ装着した。
第2ターゲット53AとしてはAlターゲットを用い、6インチ0.5mm厚の円板形状を有していた。第2ターゲット53Aを銅製のバッキングプレートにIn(インジウム)でボンディングして使用した。
また、第2ターゲット53A上に5mm角のPtチップ53Bを10枚配置した。6インチのAlターゲット上に5mm角のPtチップを10枚配置することで、物質量の比でAl:Pt=80:20のAl-Pt膜を成膜できる。
第1ターゲット52と、抵抗体を形成する基板13との間の距離L52を40mmとした。また、第2ターゲット53Aと基板13との間の距離L53は80mmとした。
基板13は基板ホルダー54に固定した。基板ホルダー54は120度回転して静止成膜を繰り返すようにステップ回転を行った。印加するDC電力は第2ターゲット53Aが50W、第1ターゲット52は各800Wとした。これにより、絶縁体膜であるSiO層の膜厚が100nm、電気伝導性の薄膜であるAl-Pt層の膜厚が1nmになるように成膜時間を調整して成膜を行った。
第1抵抗体形成工程では、絶縁体膜と、電気伝導性の薄膜とをそれぞれ5層成膜した。成膜後、フォトリソグラフィ法により、多層膜のサイズが幅1mm、長さ10mmとなるように成形した(エッチング工程)。得られた多層膜にはAgを含む導電性ペーストにより電極112を形成した。得られた多層膜の室温での抵抗値は4050Ωであった。
(第2抵抗体形成工程)
スパッタ法により、第1抵抗体と直列に配列されるように、第2抵抗体を形成した。第2抵抗体としてはHfC膜を形成した。
第2抵抗体12は、厚さTが1μm、幅Wが10μmとなるように成膜し、第1抵抗体11と、第2抵抗体12との混合率が0.5になるように、すなわち第2抵抗体の室温での抵抗値が4000Ωになるように長さLを調整した。
なお、第2抵抗体12の長さLは、第2抵抗体12の上にマスクを形成し、Agペーストを塗布して電極141を形成することで調整した。また、第1抵抗体11の電極112にも電極142をAgペーストにより形成した。
得られた抵抗体10の室温での抵抗値は8000Ωであった。また、得られた抵抗体の抵抗温度係数を求めたところCold-TCRは-20ppm、Hot-TCRは-90ppmであった。
評価結果を表5にまとめて示す。
[実施例2-2]
第1抵抗体形成工程で、絶縁体膜と、電気伝導性の薄膜とをそれぞれ50層ずつ成膜した。また、第2抵抗体形成工程で、幅Wが100μmとなるように成膜した。以上の点以外は実施例2-1と同様にして抵抗体を製造し、評価を行った。第1抵抗体11と、第2抵抗体12との混合率は、実施例2-1と同様に0.5とした。
得られた抵抗体の室温での抵抗値は801Ωであった。また、得られた抵抗体の抵抗温度係数を求めたところCold-TCRは-92ppm、Hot-TCRは-21ppmであった。
評価結果を表5にまとめて示す。
[実施例2-3]
第1抵抗体形成工程で、絶縁体膜と、電気伝導性の薄膜とをそれぞれ1層成膜した。以上の点以外は実施例2-1と同様にして抵抗体を製造し、評価を行った。第1抵抗体11と、第2抵抗体12との混合率は、実施例2-1と同様に0.5とした。
得られた抵抗体の室温での抵抗値は80003Ωであった。また、得られた抵抗体の抵抗温度係数を求めたところCold-TCRは-89ppm、Hot-TCRは-22ppmであった。
評価結果を表5にまとめて示す。
Figure 2022031015000006
表5に示したように、実施例1-1~実施例1-3、実施例2-1~実施例2-3においては抵抗値が503Ω~80003Ωと広く、抵抗温度係数の絶対値が100ppm/K以下の抵抗体が得られることを確認できた。
10 抵抗体
11 第1抵抗体
111 多層膜
111A 電気伝導性の薄膜
111B 絶縁体膜
12 第2抵抗体

Claims (4)

  1. 鉛成分を含有しない抵抗体であって、
    負の抵抗温度係数を有する第1抵抗体と、
    正の抵抗温度係数を有する第2抵抗体と、を有し、
    前記第1抵抗体と、前記第2抵抗体とが直列に配置され、
    前記第1抵抗体が、電気伝導性の薄膜と、絶縁体膜とが積層された多層膜であり、
    前記第2抵抗体が、TaCおよびHfCから選択された1種類以上を含む薄膜であり、
    前記抵抗体の抵抗値に占める、前記第1抵抗体の抵抗値の割合である混合率が、前記抵抗体の抵抗温度係数の絶対値が100ppm以下となる範囲内にある抵抗体。
  2. 前記電気伝導性の薄膜の膜厚が1nm以上100nm以下である請求項1に記載の抵抗体。
  3. 鉛成分を含有しない抵抗体の製造方法であって、
    負の抵抗温度係数を有する第1抵抗体を形成する第1抵抗体形成工程と、
    正の抵抗温度係数を有する第2抵抗体を形成する第2抵抗体形成工程と、を有し、
    前記第1抵抗体形成工程および前記第2抵抗体形成工程において、前記第1抵抗体と、前記第2抵抗体とが直列に配置されるように、前記第1抵抗体および前記第2抵抗体を形成し、
    前記第1抵抗体形成工程では、電気伝導性の薄膜と、絶縁体膜とをスパッタ法により積層し、
    前記第2抵抗体は、TaCおよびHfCから選択された1種類以上を含む薄膜であり、前記第2抵抗体形成工程では、スパッタ法により前記薄膜を形成し、
    前記抵抗体の抵抗値に占める前記第1抵抗体の抵抗値の割合である混合率が、前記抵抗体の抵抗温度係数が100ppm以下となる範囲内にある抵抗体の製造方法。
  4. 前記第1抵抗体形成工程では、膜厚が1nm以上100nm以下となるように前記電気伝導性の薄膜を成膜する請求項3に記載の抵抗体の製造方法。
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