JPH0696988A - 積層セラミックコンデンサー内部電極用ペースト及び該ペーストを用いた積層セラミックコンデンサー - Google Patents

積層セラミックコンデンサー内部電極用ペースト及び該ペーストを用いた積層セラミックコンデンサー

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JPH0696988A
JPH0696988A JP24297492A JP24297492A JPH0696988A JP H0696988 A JPH0696988 A JP H0696988A JP 24297492 A JP24297492 A JP 24297492A JP 24297492 A JP24297492 A JP 24297492A JP H0696988 A JPH0696988 A JP H0696988A
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internal electrode
ceramic capacitor
paste
green sheet
dielectric
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JP24297492A
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Akinori Yokoyama
明典 横山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温度で焼成される積層セラミックコンデン
サーの内部電極として、誘電体に対する優れた耐酸化
性、内部電極間の優れた耐マイグレーション性を有する
内部電極用ペースト及び該ペーストを用いた積層セラミ
ックコンデンサーを提供するものである。 【構成】 Agx Cu1-x (0.02≦x≦0.4、原
子比)組成で、表面の銀濃度が平均の銀濃度より高く、
平均粒子径が0.1〜5μmである銅合金粉末からなる
積層セラミックコンデンサー内部電極用導電性ペースト
及び、ペーストを誘電体に印刷積層、焼成してなる内部
電極を有する積層セラミックコンデンサー。 【効果】 1200℃以下で焼成して得られる低温焼成
型積層セラミックコンデンサーの内部電極として、誘電
体にも酸化されない優れた耐酸化性及び内部電極間での
短絡を生じない優れた耐マイグレーション性を有してい
る。また、幅広い組成の外部電極体とのマッチング性に
も優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】電子部品として幅広く用いられて
いるコンデンサーとして、アルミ電解コンデンサー、タ
ンタルコンデンサー、積層セラミックコンデンサーなど
あるが、本発明は、何十層の誘電体素体を重ね合わせた
積層セラミックコンデンサーの内部電極に使用する銅合
金粉からなる導電性ペースト及び該ペーストを用いた積
層セラミックコンデンサーを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、幅広く用いられてきた積層セ
ラミックコンデンサーは、主としてチタン酸塩からなる
誘電体と内部電極が交互に何層にも積層されたものであ
るが、内部電極としては、白金、パラジウム、銀−パラ
ジウム、ニッケル、銀、銅などがある。作製法として、
前記導電粒子からなる導電性ペーストを誘電体上に印刷
し、印刷された誘電体を内部電極、誘電体が交互にくる
ように何層にも積層させ焼成して作製される。焼成温度
は、内部電極に使用される導電体の融点より低い温度で
行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】白金、パラジウム内部
電極を用いたものでは、非常にコスト高になると、外部
電極材料が内部電極とのマッチング性(合金化)のため
銀および銀パラジウム系に制限される。また、積層セラ
ミックコンデンサー自体の容量の限られた材料しか使用
できないなどの制限がある。つまり、公知誘電体とし
て、例えばチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウ
ム、チタン酸カルシイウムなどがあるが、焼結温度が高
く、そのため内部電極としても白金、パラジウムなど1
000〜1300度の高温度で焼成するものでないと温
度に耐えられなく、誘電体組成が限られる。また、低温
度で焼成される鉛系の誘電体素体が公知であるが(特開
平4−170355号)、白金、パラジウムなどの高温
度での焼結するタイプのものでは充分な焼結性が得られ
ない。そのため、銀、銅、銀−パラジウムなどが用いら
れてきている。
【0004】銀−パラジウム系の内部電極の場合、コス
ト高になるのみならず、誘電体素体間隔が狭くなってい
く上で銀のマイグレーションの問題があり、内部電極ど
うしが短絡し、容量不足になり易い。銀内部電極は、誘
電体素体間隔が狭まるなかで、内部電極間のマイグレー
ションの問題があり、容量が不十分になる。
【0005】銀ペーストを用いた銅内部電極も公知であ
るが、一般に何層に積層された公知内部電極自体は誘電
体素体より薄く1〜数μmの厚さであるため、焼成時、
誘電体素体の酸化物が内部電極の銅を酸化させ易く、そ
のため内部電極の酸化による断線が起こり機能が充分に
発揮されないなどの重大な問題点がある。また、焼成雰
囲気としては、銅ペーストは窒素中で焼成しなくてはな
らなく、そのため、ペースト中に含まれる有機バインダ
ーの焼き飛びが不十分になる。したがって、焼成時、酸
素を窒素雰囲気中でドープして行うが、内部電極層がも
ともと0.1〜数μm程度と薄いことで使用される導電
性粒子が焼結中に酸化をうけ焼結不十分となり、その結
果、電気容量が不足になるという問題もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
鋭意検討した結果、本発明に達した。すなわち、本発明
は、一般式Agx Cu 1-x(ただし、0.005≦x≦
0.4、原子比)で表され、且つ粒子表面の銀濃度が平
均の銀濃度より高く、表面に向かって銀濃度が増加する
領域を有する平均粒子径が0.1〜5μmである銅合金
粉末からなることを特徴とする積層セラミックコンデン
サー内部電極用ペースト、及び該ペーストを誘電体上に
印刷し、積層してなるグリーンシート積層体、及び該グ
リーンシート積層体を500〜1200℃の温度で焼成
してなる内部電極を有する積層セラミックコンデンサー
に関する。
【0007】本発明の内部電極用ペーストは銀、銅を主
成分にした銅合金粉末であるが、銀量が0.4を超える
場合には、誘電体素体間の銀のマイグレーションが問題
になる。0.005未満の場合には、誘電体により内部
電極が酸化を受け容量が不足になる。好ましくは、銀量
が0.01〜0.3である。また、該組成の銅合金粒子
は表面が平均の銀濃度より高く、且つ粒子表面に向かっ
て銀濃度が増加する領域を有しているが、以下の利点が
ある。すなわち、内部電極ペーストとして印刷後、焼成
する場合、不活性雰囲気中で焼成するのが好ましく、ペ
ーストに含まれる有機ビヒクルを完全に焼き飛ばすのに
さらに微量の酸素を添加するのが好ましいが、この時、
表面に銀濃度が高いことで焼結時の酸化が防止できる。
しかも粒子内部に向かって銀濃度が減少しているため焼
結時の層間でのマイグレーションにも優れるという利点
を有している。そのため、表面の銀濃度が平均の銀濃度
より高いことがよく、2倍以上30倍以下が好ましく、
さらに、3倍以上27倍以下が好ましい。
【0008】また、本発明で用いる銅合金粉末の平均粒
子径は0.1〜5μmであるが、平均粒径が5μmを超
える場合には、内部電極層が厚くなり、充分な数の積層
体が得られず、また、焼結も不十分になる。平均粒子径
が0.1μm未満の場合には、誘電体により該組成のペ
ーストを用いた内部電極体が酸化され易くなるため容量
が不安定になる。好ましくは、0.1〜3μmである。
表面の銀濃度の測定は、XPS(X線光電子分光分析装
置;XSAM800 KRATOS社製)を用いて以下
の条件で行った。エッチング条件; アルゴンイオン
10-7torr 10分間 12keV測定条件; ア
ルゴン雰囲気中 10-8torr、試料台上に、両面テ
ープを張り付けさらに、粉末を全面が覆うように張り付
けて取り出し角度90℃で測定した。測定、エッチング
を繰り返し行い、5回繰り返し行った。最初の2回の平
均値を表面の銀濃度とした。銀濃度xはAg/(Ag+
Cu)、銅濃度はCu/(Ag+Cu)とした。また、
平均の銀、銅濃度は、濃硝酸に銅合金粉末を溶解してI
CP(高周波誘導結合型プラズマ発光分析計、セイコー
電子製)で測定した。
【0009】平均粒子径は、レーザー回折型平均粒子径
測定装置(島津製作所製SALD1100)を用いて体
積積算平均粒子径を用いた。銅合金粉末の形状は、特に
指定はないが、内部電極が薄いことや、焼結性の点から
球状あるいは球状に近いものが好ましい。しかし、特性
を損なわない程度で有れば多少球状以外の形状粉末(鱗
片粉、不定形粉)を含んでいても構わない。
【0010】また、誘電体との優れた接着性を確保する
ためガラス粉末をペーストに混合して用いることもでき
る。ガラス粉末を用いる場合には、誘電体素体と充分な
接着力を有するものが好ましく、PbO,B2 3 ,S
iO2 、Zno,CaO,MgOなどから選ばれた1種
以上の成分からなるガラス粉末が好ましい。ガラス粉末
の添加量としては、銅合金粉末100重量部に対して、
0.1〜20重量部が好ましく、0.1〜15重量部が
好ましい。ガラス粉末としては、平均粒子径が3μm以
下のものが好ましく、さらに、2μm以下のものが好ま
しい。また、必要に応じて、ガラス粉末をペーストに混
合して用いることもできる。
【0011】本発明の積層セラミックコンデンサーの内
部電極用ペーストは、誘電体素体に印刷あるいは塗布し
て用いるため、適度なチキソ性、印刷性が必要である。
そのため、ペーストとして、有機ビヒクルを適当量含有
していることが好ましい。有機ビヒキルは公知のもので
構わないが、焼成条件で充分に焼き飛ぶものが好まし
い。例えば、エチルセルロース系、アクリル樹脂系、ポ
リビニルブチラール系、エポキシ系などが挙げられるが
特に指定するものではない。この場合、溶剤とともに用
いるのが好ましい。溶剤としては、公知の溶剤で、印刷
時のチキソ性、焼成時の揮発性を有するものであれば特
に指定はない。銅合金粉末100重量部に対して1〜3
00重量部が良いが、特に必要で有れば、減量して用い
ることもできる。
【0012】その他、添加物として、チキソ剤、沈降防
止剤、銅合金分の銅酸化物の還元剤を用いることもでき
る。添加剤の量としては、銅合金粉末100重量部に対
して50重量部以下が好ましく、特に、0.1〜40重
量部が好ましい。本発明の内部電極用導電性ペーストを
使用する場合、誘電体素体は公知のものが使用できる
が、誘電体の焼成温度が1080℃未満のものが良い。
1080℃を超える場合には、本発明で用いる銅合金粉
末がすべて融解し流れだし、内部電極として不十分にな
る。好ましくは1050℃以下600℃以上で焼成され
る誘電体が良い。ビスマス層状化合物(Bi2 2
(Mem-1 RmO3m+1)ここで、Meは1〜3価の元
素、Rは4、5価の元素およびこれらの元素を組み合わ
せたものや(例えばBi2 WO6 、Bi2 m Mo1-m
6、Bi4 Ti 3 12など)、Pbを主成分にした
ペロブスカイト型組成物(例えばPb(M* x ** 1-x
1-x 3 (ただし、M* はFe、Co,Zn、Mg,N
i、M**はW,Nb、Ta、xは1/3、1/2、2/
3)で表される)ものである。例えばPb(Fe1/2
1/2 ) O3 などである。またPbTiO3 やPbZr
3 などが挙げられる。これらの誘電体に必要に応じ
て、Mg,Zn,Nb,Ni、Ti、Agなどを添加し
た鉛系の酸化物誘電体などが好ましい。その他、チタン
酸系の酸化物誘電体も用いることができる。これらの酸
化物誘電体を用いても本発明の内部電極用ペーストは優
れた耐酸化性を有している。
【0013】本発明のペーストを用いた内部電極の形成
方法としては、先ず、誘電体組成の粉末と有機ビヒクル
を混合し、調製されたペーストをドクターブレード法、
スプレー法、カレンダーロール法、スクリーン印刷法、
ドローイング法などによりグリーンシートを作製する。
こうして得られたグリーンシートを所定の大きさにパン
チングで打ち抜く。このグリーンシートに本発明の内部
電極用ペーストを印刷する。印刷されたグリーンシート
を何層か積み重ねて、圧着しこれを切断して生チップを
つくる。積層セラミックコンデンサーの大きさとして、
3.2×1.6mm,1.6×0.8mm,1×0.5
mmなどの公知の大きさが使用できる。このチップを所
定の温度で焼成する。所定の温度としては、1050℃
以下550℃以上が良く、さらに、1000℃以下65
0℃以上が良い。この温度処理により電極が誘電体表
面、層間に形成される。有機ビヒクルを完全に焼き飛ば
すためには酸素を窒素中にドープするのが好ましい。焼
成する場合、550〜600℃程度まで酸素ドープする
のが好ましい。ドーブ量としては、5ppm〜150p
pm程度で充分である。
【0014】内部電極としては、厚さ10μm以下が積
層体の積層数の関係から好ましく、厚さ0.1〜7μm
が好ましい。本発明の内部電極ペーストを用いて形成さ
せた場合、導電性ペーストを印刷し、焼成されるが、こ
の時の雰囲気中での酸化に対して優れるのみならず誘電
体(酸化物成分)からの酸化にもわずか数μmの膜厚で
あるにもかかわらず優れており、誘電特性の安定したも
のが得られる。
【0015】本発明の内部電極が形成された積層の誘電
体の内部電極の端子に外部電極を塗布焼成して積層セラ
ミックコンデンサーとして用いられる。特に、外部電極
としては、銅、銀、銀−パラジウム、銅−銀合金など公
知の材料を充分に用いることができる。すなわち、内部
電極は一般式AGx Cu1-X (ただし、0.005≦x
≦0.4、原子比)からなる導電体であるが、従来の銅
の欠点である誘電体による酸化、銀の欠点であるマイグ
レーション性がなく、且つパラジウムにはない良好な導
電性を有しているのみならず、銀−銅の合金組成からな
っているため、外部電極としての銀、銅、パラジウム、
銀−パラジウム、銀−銅のいずれとも充分に合金化でき
るため、従来にない優れた外部電極とのマッチング性を
有している。中でも銀−銅合金外部電極体を用いるのが
好ましい。
【0016】本発明の内部電極用ペーストを用いたセラ
ミックコンデンサーの容量値はLCRメーター(日置
製)により1MHzで測定し、さらに、150℃ 30
分間〜−55℃ 30分間 1000サイクルでの試験
後の測定値との変化率(試験後の変化率)を測定した。
変化率10%以下が良好であるとした。以下に実施例に
より本発明を説明する。また、内部電極の酸化性を測定
するため、積層体をエッチングして内部電極を露出さ
せ、薄膜X線(理学製MXP18)により0.5度の入
射角、電流値100mA、電圧100kVで銅酸化状態
を測定した。酸化第一銅のメインピーク、酸化第二銅の
メインピーク、銅メタルのメインピークの測定強度より
酸化物存在比はCuOx/(CuOx+Cu)をもって
表した(ただし、CuOxは酸化第一銅、酸化第二銅の
和)。20%以内を良好とした。20%を超える場合に
は、内部電極の一部で断線が生じてきて容量が不十分に
なる。
【0017】
【実施例】
粉末作製
【0018】
【作製例1】銅粉末(純度99.9%以上)180.9
75g、銀粉末(純度99.9%以上)16.2gを充
分に混合し、黒鉛るつぼに入れ高周波誘導加熱を用いて
1800℃まで窒素雰囲気中で加熱溶解した。融液を窒
素雰囲気中へ噴出し、噴出と同時にボンベ入り窒素ガス
130kg/cm2 Gを融液に対して噴出し、融液をア
トマイズした。得られた粉末の平均粒子径は6μmであ
った。この粉末の中、2μm以下の粉末を分級し取りだ
した。平均粒径1μmの粉末の表面の銀濃度は、表面よ
り0.76、0.66、0.5、0.45、0.3であ
り、表面の銀濃度は0.71であった。平均の銀濃度は
0.05であり、表面の銀濃度は平均の銀濃度の14倍
であった。
【0019】
【作製例2】銅粉末(純度99.9%以上)152.4
g、銀粉末(純度99.9%以上)64.8gを充分に
混合し、黒鉛るつぼに高周波誘導加熱を用いて窒素雰囲
気中1850℃まで溶解し、さらに、窒素雰囲気中ボン
ベ入り窒素ガス150kg/cm2 Gで融液をアトマイ
ズした。得られた粉末は、8μmの球状粉であった。得
られた粉末の中1μm以下の粉末を分級した。平均粒子
径0.6μmの粉末の表面の銀濃度は、表面より0.
8、0.78、0.7、0.6、0.5であり、表面の
銀濃度は0.79であった。平均の銀濃度は0.2であ
り、表面の銀濃度は平均の銀濃度の3.95倍であっ
た。
【0020】
【作製例3】銅粉末(純度99.9%以上)189.5
g,銀粉末(純度99.9%以上)1.62gを混合
し、同様にして1800℃まで窒素雰囲気中で融解し
た。融液を窒素雰囲気中でボンベ入り窒素ガス(180
kg/cm2 G)で融液をアトマイズした。得られた粉
末は、平均粒子径5μmであった。そのうち1μm以下
の粉末を分級した。平均粒子径0.4μmであった。表
面の銀濃度を測定すると、表面より0.04、0.0
3、0.02、0.2、0.01であり、表面の銀濃度
は0.035であった。平均の銀濃度は0.005であ
り、表面の銀濃度は、平均の銀濃度の7.5倍であっ
た。ペースト実施例
【0021】
【実施例1】作製例1で得られた平均粒子径1μmの粉
末10g,エチルセルロース0.03g,テルペノール
0.5g、PbO−B2 3 −ZnOガラスフリット
0.1gを充分に混合しペーストとした。得られたペー
ストをBi2 WO6 からなる誘電体グリーンシート上に
塗布した。塗膜を40層積層させた後、3.6mm×
1.6mmにカットし、870℃窒素雰囲気中で焼成し
た。この時、550℃まで酸素100ppmドープし
た。一部サンプルを取り出し、内部電極層の厚さを測定
したところ、5μmであった。
【0022】内部電極を作製後、同じ組成のペーストを
外部電極として内部電極面が露出している面に全面に塗
布した。さらに、870℃で窒素雰囲気中で焼成した。
電極を通して容量を測定したところ、規格値の±5%以
内であった。tanδも0.2%であった。外部電極間
に50Vを印可し、60℃ 90%相対湿度中で100
0時間放置後、内部電極を割って走査型電子顕微鏡で測
定したところ内部電極間にマイグレーションは観測され
なかった。
【0023】以下実施例2〜5については表に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【比較例】粉末作製
【0026】
【作製例4】銅粒子127g、銀粒子216gを混合
し、黒鉛るつぼに入れ窒素雰囲気中で1700℃まで加
熱溶解した。融液を黒鉛るつぼ先端より窒素雰囲気中へ
噴出した。噴出後、融液を窒素ガス(150kg/cm
2 G)でアトマイズした。得られた粉末は平均粒子径6
μmであった。得られた粉末の中2μm以下の粉末を分
級した。得られた粉末の平均粒子径は1μmであり、平
均の銀組成は0.5、平均の銅組成は0.5であった。
【0027】
【作製例5】銅粒子500gを混合して、黒鉛るつぼに
入れ窒素雰囲気中で1750℃まで加熱溶解した。融液
を黒鉛るつぼ先端より窒素雰囲気中へ噴出した。噴出
後、融液を窒素ガス(150kg/cm2 G)でアトマ
イスした。得られた粉末は平均粒子径5μmであった。
得られた粉末の中、1.5μm以下の粉末を分級した。
得られた粉末の平均粒子径が0.8μmであった。
【0028】
【作製例6】銅粒子126.7g,銀粒子0.432g
を充分に混合して黒鉛るつぼに入れ、1800℃まで窒
素雰囲気中で加熱溶解した。融液を黒鉛るつぼ先端より
窒素雰囲気中へ噴出した。噴出と同時に、融液を窒素ガ
ス(150kg/cm2 G)でアトマイズした。得られ
た粉末は、平均粒子径5μmであった。さらに、2μm
以下の粉末を分級した。得られた分級粉は1μm平均径
であった。
【0029】分級粉の表面の銀濃度は表面より0.00
6、0.003、0.002、0.002、0.002
であり、表面の銀濃度は0.0045であった。平均の
銀濃度は0.002であり、表面の銀濃度は平均の銀濃
度の2.25倍であった。
【0030】
【作製例7】銀粒子120.65g,銀粒子10.8g
を充分に混合して黒鉛るつぼに入れ、1800℃まで窒
素雰囲気中で加熱溶解した。融液を黒鉛るつぼ先端より
空気中で噴出した。噴出と同時に、空気(150kg/
cm2 G)で融液をアトマイズした。得られた粉末は平
均粒径8μmの無定形粉であった。
【0031】得られた粉末の中、2μm以下の粉末を分
級した。分級粉の表面の銀濃度を測定したところ、表面
より銀濃度が0.008、0.01、0.02、0.0
3、0.04で表面の銀濃度は0.009であった。ま
た、平均の銀濃度は0.05であり、表面の銀濃度は平
均の銀濃度の0.18倍であった。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明は、1200℃以下で焼成される
積層セラミックコンデンサー内部電極用ペーストを提供
するものであり、従来の銅ペーストでは達成できなかっ
た誘電体による内部電極酸化を防止でき、また、銀で問
題となっていた内部電極間のマイグレーションが防止で
きる、焼結性に優れた内部電極ペースト、および該ペー
ストの電極を内部に持つ積層セラミックコンデンサーで
ある。また、外部電極とのマッチングにも優れており、
従来の限定した外部電極だけでなく、幅広い組成の外部
電極体が使用できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Agx Cu1-x (ただし、0.0
    05≦x≦0.4、原子比)で表され、且つ粒子表面の
    銀濃度が平均の銀濃度より高く、表面に向かって銀濃度
    が増加する領域を有する平均粒子径0.1〜5μmであ
    る銅合金粉末からなることを特徴とする積層セラミック
    コンデンサー内部電極用ペースト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内部電極用ペーストに、
    銅合金粉末100重量部に対してさらにガラスフリット
    0.1〜20重量部添加してなることを特徴とする積層
    セラミックコンデンサー内部電極用ペースト。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の内部電極用ペー
    ストをビスマス層状化合物(Bi2 2 )(Mem-1
    m3m+1)(ここで、Meは1〜3価の元素、Rは4、
    5価の元素およびこれらの元素を組み合わせたもの)か
    らなる誘電体グリーンシート上に印刷し、積層してなる
    グリーンシート積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の内部電極用ペー
    ストを鉛を主成分にしたペロブスカイト型化合物Pb
    (M* x ** 1-x )O3 (ただし、M* はFe、Co,
    Zn、Mg,Ni、M**はW,Nb、Ta、xは1/
    3、1/2、2/3)で表される)からなる誘電体グリ
    ーンシート上に印刷し、積層してなるグリーンシート積
    層体。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の内部電極用ペー
    ストをPbTiO3を主成分にした誘電体グリーンシー
    ト上に印刷し、積層してなるグリーンシート積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の内部電極用ペー
    ストをPbZrO3を主成分にした誘電体グリーンシー
    ト上に印刷し、積層してなるグリーンシート積層体。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載のグリー
    ンシート積層体を500〜1200℃の温度で焼成して
    なる誘電体によって酸化されにくい一般式Agx Cu
    1-x (ただし、0.005≦x≦0.4、原子比)の内
    部電極を有する積層セラミックコンデンサー。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の内部電極に含まれる銅酸
    化物存在比が20%以下であることを特徴とする積層セ
    ラミックコンデンサー。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の積層セラミック
    コンデンサーの外部電極として、Ag、Cu,Pdから
    選ばれた1種以上の成分よりなる金属あるいは合金であ
    ることを特徴とする積層セラミックコンデンサー。
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