JPH08210152A - ガスタービン冷却空気導入装置 - Google Patents

ガスタービン冷却空気導入装置

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JPH08210152A
JPH08210152A JP1908495A JP1908495A JPH08210152A JP H08210152 A JPH08210152 A JP H08210152A JP 1908495 A JP1908495 A JP 1908495A JP 1908495 A JP1908495 A JP 1908495A JP H08210152 A JPH08210152 A JP H08210152A
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忠雄 屋敷
Eiji Akita
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ガスタービンロータ等の要の冷却個所に外部
から冷却空気を導入する冷却空気導入装置に関し、流れ
を乱すことなく、配管作業がし易く、又冷却空気の通路
確保が容易な装置を提供する。 【構成】 冷却空気入口管5の出口が開口し、圧縮機1
5後流側に設けたディフューザ16の外周に設けた冷却
空気導入室4と、ディフューザの出口側に設け、内部に
冷却空気導入室からの冷却空気を通過させる中空を設け
たラジアルストラット2と、ガスタービンロータ20の
外周に設けた中間軸カバー6の内部に画成し、ラジアル
ストラットの中空及びタービンの冷却個所に通じる冷却
空気通路25に連通する空気室9で構成する装置とし
た。又、燃焼器室10から冷却空気入口管を排除し、燃
焼器12,同尾筒13より内周側を広くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温になり偏心する恐
れのあるガスタービンロータ等、ガスタービンにおい
て、冷却の必要がある冷却個所へ、外部からの冷却空気
を導入して、供給するためのガスタービン冷却空気導入
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来のガスタービンの燃焼器付
近の部分断面図である。ガスタービンの駆動源となる燃
焼ガスを発生するための燃料は、図の白抜き矢印で示す
ように、外部からノズル11に導入され、燃焼器(内
筒)12で空気と混合し、燃焼し、燃焼ガスとなり、燃
焼器尾筒13を通って、第1段静翼14から動翼19内
に入り、ガスタービンロータ20に回転動力を発生させ
る。
【0003】また、前記燃焼器12で燃料と混合される
空気等、ガスタービンに必要とされる空気は、圧縮機1
5で圧縮され、400〜450℃の高温になって、圧縮
機15の後流側に設けられた静翼15’を通り、静止翼
の後流側の外側、及び内側ディフューザ16,17で整
流され、細線(点線)の矢印で示すように、外側ケーシ
ング18内の燃焼器室10に拡散され、燃焼器12に供
給される等、それぞれの用途に供せられる。
【0004】さらに、高温による強度の低下を防止する
ため、ガスタービンロータ20、又は動翼19等の冷却
を必要とする、冷却個所を冷却するための冷却空気は、
圧縮機15で圧縮された空気を、一旦、圧縮機15の外
部に抽気し、外部に設けられた、図示しないクーラで約
200℃に冷却した後、外側ケーシング18を貫通して
設けた冷却空気入口管26で、ケーシング18の内部に
戻され、冷却空気入口管26に連結したフレキシブル管
21で、中間軸23の外周を包囲した中間軸カバー22
で形成された空気室24に導入され、太矢印に示すよう
に、ガスタービンロータ20の外周と中間軸23の間に
形成された冷却空気通路25に流出させ、ガスタービン
ロータ20を冷却するとともに、動翼19等、ガスター
ビンにおいて冷却を必要とする冷却個所に供給され、冷
却を行う。
【0005】上述したガスタービンにおいて、ガスター
ビンロータ20等、冷却を必要とする冷却個所に、外部
のクーラからガスタービン内部に冷却空気を供給するた
めに、外側ケーシング18の内部に設ける導入構造にお
いては、外側ケーシング18を貫通して設ける冷却空気
入口管26、および、これに連結したフレキシブル管2
1が、圧縮機15の出口側に設けられるディフューザ1
6,17の直ぐ後方を横切るため、ディフューザ16,
17で整流された、圧縮機15から吐出される空気束を
ブロックし、ディフューザ16,17で整流された流れ
が乱され、タービン性能の低下をきたす不具合がある。
【0006】また、燃焼器12と外側ディフューザ16
との間に冷却空気入口管26を設けるようにしているた
め、この間の隙間が小さくなり、冷却空気入口管26の
配管作業が非常に困難となる不具合がある。さらに、燃
焼器12、および燃焼器尾筒13より内径側の燃焼器室
10の空間確保が難しく、これらの燃焼器12,13の
外側に廻り込む、ディフューザ16,17から出た空気
の通路面積が確保し難く、これらの燃焼器12,13の
外側に供給される圧縮空気に、圧力損失が生じる等の不
具合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来のガスタービン冷却空気導入装置の不具合を解消する
ため、(1)ディフューザの出口側に配置される、フレ
キシブル管を含む冷却空気入口管による、ディフューザ
で整流された空気流れの乱れを引き起こすことなく、冷
却空気入口管で燃焼器室に導入される冷却空気を圧力室
に供給でき、(2)燃焼器と外側ディフューザとの間の
隙間に設けられ、配管作業が困難である、フレキシブル
管を含む冷却空気入口管の設置が不要になり、ガスター
ビンの組立、分解作業が容易になるとともに、部品点数
を少なくし、コスト低減ができ、(3)燃焼器尾筒を含
む燃焼器より内径側の燃焼器室内の空間を大きくでき、
内径側から外径側に向かう空間を充分確保でき、この空
間を通過する圧縮機から吐出される圧縮空気の圧力損失
を小さくできる、ガスタービン冷却空気導入装置を提供
することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のガス
タービン冷却空気導入装置は、次の手段とした。
【0009】(1)細長比の大きい断面形状の中空構造
にされ、内部に冷却空気の通過する通路を設けたラジア
ルストラットを、圧縮機の後流側に設置したディフュー
ザの出口側に設けた。
【0010】(2)外部から冷却空気を外側ケーシング
の内部に導入するため、外側ケーシングに開口させた冷
却空気入口管に一端を連通させ、ラジアルストラットの
中空部の一方に他端を連通させた冷却空気導入室をディ
フューザの外周に設けた。
【0011】(3)ラジアルストラットの中空部の他方
に一端を連通し、ガスタービンの冷却を必要とする、ガ
スタービンロータの外周面等に設けた冷却空気通路に他
端を連通させた空気室を、ガスタービンロータ外周面を
包囲して設けた、中間軸カバーの内部に画成した。
【0012】また、他の本発明のガスタービン冷却空気
導入構造は、上記(1)〜(3)の手段に加え、次の手
段とした。
【0013】(4)ラジアルストラットの強度を保持す
るためのインサートを、前記ラジアルストラットの内部
に設けた。
【0014】
【作用】本発明のガスタービン冷却空気導入装置は、上
述(1)〜(3)の手段により、 (1)冷却空気入口管の外側ケーシングへの開口と連通
させた冷却空気導入室と、中間軸カバーの内部に画成し
た空気室を、細長比の大きい外形形状にされ、その外周
部を流れる空気流れを乱さないようにしたラジアルスト
ラットの内部に設けた中空構造で連通して、外部からの
冷却空気をガスタービンの冷却個所へ送り込む空気室へ
導入するようにしたことにより、ディフューザ出口の圧
縮機から吐出された空気の流れを乱していた、冷却空気
を送るための配管が不要となる。これにより、従来、こ
の配管でブロックされ、生じていた、ディフューザ出口
側の、整流された空気束の乱れを少なくすることがで
き、ガスタービンの性能を大幅に向上させることができ
る。
【0015】(2)また、燃焼器と外側ディフューザの
間に、冷却空気導入室を設けたことにより、隙間の小さ
い、この部分に配設していた、配管作業が困難で、しか
も、ガスタービンの組立、分解を困難にしていた冷却空
気入口管、およびこれに連結するフレキシブル管の設置
が不要になり、これらの困難さが解消されるとともに、
ガスタービンの部品点数を大幅に削減できる。
【0016】(3)さらに、冷却空気導入室、およびラ
ジアルストラットの設置により、燃焼器より内径側の空
間が充分確保できるようになり、燃焼器尾筒を含む燃焼
器の内径側と外径側の間に形成される空間を大きくで
き、内径側から外径側に廻り込む空気流れの抵抗を少な
くでき、圧縮機から供給される圧縮空気の圧力損失を小
さくできるとともに、流量を充分確保できる。
【0017】さらに、他の本発明のガスタービン冷却空
気装置は、上記(1)〜(3)の手段に加え、上記
(4)の手段としたので、上記(1)〜(3)に加え、 (4)ラジアルストラット内に挿入したインサートによ
り、中空構造のラジアルストラットにおける熱伝達が向
上し、200℃程度の冷却空気が内部を流れるラジアル
ストラットが、400〜450℃の圧縮空気の流れの中
におかれても内,外面に生じる温度差は緩和され、温度
差による熱応力は小さくできる。これにより、細長比の
大きい、中空構造のラジアルストラットにおいても、強
度を充分保持することができ、熱応力による変形等の不
具合発生を防止することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明のガスタービン冷却空気導入装
置の実施例を、図面にもとづき説明する。図1は、本発
明のガスタービン冷却空気導入装置の一実施例を具え
る、ガスタービンの燃焼器付近の縦断面図、図2は、図
1に示す矢視A−Aにおけるラジアルストラットの断面
図である。なお、図1において、図3に示した符号と同
一符号のものは、図3において説明したものと同一のも
のであり、詳細説明は省略する。
【0019】図1において、外部から冷却空気を導入す
る冷却空気入口管5は、その出口を、燃焼器室10を画
成する外側ケーシング3に設けた開口に連通させて、外
側ケーシング3に固着されている。
【0020】また、外側ケーシング3から燃焼器室10
内へ突出させて、外側ディフューザ16の外周を包囲し
た、外側ケーシング3の突起部3’の上方には、冷却空
気導入室4が設けられている。この冷却空気導入室4
は、前記の開口を設けた、外側ケーシング3で形成され
た前端壁4aに、燃焼器室10との間を仕切る隔壁7で
形成された外周壁4b、突起部3’で形成された内周壁
4c、および突起部3’の先端部で形成され、流出口4
fを設けた後端壁4dで画成されている。従って、冷却
空気導入室4は、前端壁4aを構成する外側ケーシング
3に設けた開口を流入口4eとして、冷却空気入口管5
から供給される外部からの冷却空気をその内部に導入で
きる。
【0021】また、圧縮機15の後流側に設置されてい
る、内側ディフューザ1出口端に連結された延長材8上
には、ラジアルストラット2が設けられている。このラ
ジアルストラット2は、その断面形状が図2に示すよう
に、細長比の大きい外形形状にされて、その内部を冷却
空気が通過する中空2a構造にされている。そして、外
側ディフューザ16、および内側ディフューザ1によ
り、整流されて流出する、圧縮機15からの空気束の流
線方向に、細くされた断面部を対向させて、延長材8上
に立設されている。また、ラジアルストラット2の上部
前方には、流入口2bが設けられており、上記冷却空気
導入室4の後端壁4dに設けた流出口4fからの冷却空
気を、その内部に流入させるようにしている。さらに、
ラジアルストラット2の下部後方には、流出口2cが設
けられている。
【0022】また、ラジアルストラット2の内部に形成
される中空2a構造は、図2(A)に示すように、内面
を平滑にして、通過する冷却空気の抵抗を少なくするこ
ともできるが、図2(B)に示すように中空2a構造の
内面にディンプルを形成し、または、内面に固着したリ
ブからなるインサート2dを設けて、400〜450℃
の圧縮空気にさらされる外周面と、200℃程度の冷却
空気が通過する内周面との間に生じる温度差を低減し
て、ラジアルストラット2に生じる熱応力を小さくする
こともできる。なお、インサート2dを中空2a内面に
設ける場合は、ラジアルストラット2を、予め半割れ状
に形成して、中空2a内面にインサート2dを設けた
後、溶接2eにより接合して、一体に成形するようにす
れば良い。
【0023】また、ガスタービンロータ20の外周面
と、その内周面との間に間隙を設けて、ガスタービンロ
ータ20の外周面を冷却するとともに、動翼19等のガ
スタービンで冷却を必要とする冷却個所に連通する、冷
却空気通路25を形成する中間軸23の外周には、中間
軸カバー22が設けられている。中間軸23の外周を包
囲して設けられた、この中間軸カバー22の内部には、
空気室9が設けられている。空気室9は、ラジアルスト
ラット2の流出口2cと連通する流入口6aによって、
ラジアルストラット2の中空2aと連通するとともに、
中間軸23にあけられた開口23aと連通する流出口6
bによって、冷却空気通路25とも連通している。
【0024】本実施例は、上述したように構成されてい
るので、外部から供給される冷却空気は、冷却空気入口
管5から冷却空気導入室4の内部に入り、次いでラジア
ルストラット2の中空2aを通って、中間軸カバー6内
の空気室9に入り、空気室6から太線矢印の方向に流出
して、ガスタービンロータ20外周面、およびガスター
ビンにおいて冷却を要する冷却個所を冷却する。
【0025】また、内側ディフューザ1、および外側デ
ィフューザ16に整流されて、その出口から流出する圧
縮空気は、細線矢印、点付矢印で示すように、燃焼器室
10内に拡散され、圧縮機15から吐出された400〜
450℃の圧縮空気は、ラジアルストラット2にブロッ
クされることなく、空気束の整流が確保される。
【0026】また、ディフューザ1,16の出口から流
出する圧縮空気の流線との対向幅が狭くされた、ラジア
ルストラット2の採用によって、ディフューザ1,16
出口側の空間が広くなり、燃焼器12,13の内径側よ
り外径側に廻り込む面積が、充分確保できるので、この
ときに生じる圧力損失を小さくできる。
【0027】さらに、外側ケーシング3の内部、すなわ
ち、燃焼器室10内に冷却空気入口管5を設置する必要
がなく、作業が困難な配管作業が不要になるとともに、
燃焼器12,13と外側ディフューザ16の外周面との
間のスペースに余裕が生じ、ガスタービンの組立、分解
が容易になるとともに、部品点数も減らすことができ
る。
【0028】さらに、ラジアルストラット2の中空2a
にインサートを設けることにより、ラジアルストラット
2に生じる熱応力を低減でき、強度が保持されて変形等
を防ぐことができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガスター
ビン冷却空気導入装置によれば、請求項1に示す構成に
より (1)ディフューザ後流側での冷却空気入口管によるブ
ロックを無くし、ディフューザで整流された流れの乱れ
がなくなり、また、圧力損失を少なくすることができ
る。
【0030】(2)燃焼器内径側より外径側に廻り込む
面積が、充分に確保できて、圧力損失を少なくすること
ができる。
【0031】(3)組立、分解が容易になるとともに、
部品点数も少なくできて、コスト低減となる。
【0032】さらに、本発明のガスタービン冷却空気導
入装置によれば、請求項2に示す構成により、ラジアル
ストラットに発生する熱応力を低減でき、ラジアルスト
ラットの変形、又は破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービン冷却空気導入装置の一実
施例を具える、ガスタービンの燃焼器廻りの縦断面図、
【図2】図1で示す矢視A−Aにおけるラジアルストラ
ットの横断面図、
【図3】従来のガスタービンの燃焼器廻りの縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 内側ディフューザ 2 ラジアルストラット 2a 中空 2b 流入口 2c 流出口 2d インサート 3 外側ケーシング 3’ 外側ケーシング突起部 4 冷却空気導入室 4a 前端壁 4b 外周壁 4c 内周壁 4d 後端壁 4e 流入口 4f 流出口 5 冷却空気入口管 6 中間軸カバー 6a 流入口 6b 流出口 7 隔壁 8 延長材 9 空気室 10 燃焼器室 11 ノズル 12 燃焼器(内筒) 13 燃焼器尾筒 14 第1段静翼 15 圧縮機 15’ 圧縮機の静翼 16 外側ディフューザ 17 内側ディフューザ 18 外側ケーシング(燃焼器室) 19 動翼 20 ガスタービンロータ 21 フレキシブル管 22 中間軸カバー 23 中間軸 23a 開口 24 空気室 25 冷却空気通路 26 冷却空気入口管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機を具えたガスタービンの冷却個所
    へ、外部から導入された冷却空気を供給するため、ガス
    タービンに設ける冷却空気導入装置において、前記圧縮
    機の後流側に設置したディフューザの出口側に設けら
    れ、細長比の大きい断面形状の中空構造にしたラジアル
    ストラットと、前記ディフューザの外周側に設けられ、
    外側ケーシングに開口して、外部からの前記冷却空気を
    外側ケーシング内に導入する冷却空気入口管に一端を連
    通し、他端を前記ラジアルストラットの内部に連通した
    冷却空気導入室と、ガスタービンロータの外周を包囲し
    て設けた中間軸カバーで画成され、一端を前記ラジアル
    ストラットの内部に連通し、他端を前記冷却個所に連通
    した空気室を設けたことを特徴とするガスタービン冷却
    空気導入装置。
  2. 【請求項2】 前記ラジアルストラットの内部にインサ
    ートを設けたことを特徴とする請求項1のガスタービン
    冷却空気導入装置。
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