JP2017019979A - 活性エネルギー線硬化性印刷インキ、及びその印刷物 - Google Patents

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JP2017019979A JP2015141312A JP2015141312A JP2017019979A JP 2017019979 A JP2017019979 A JP 2017019979A JP 2015141312 A JP2015141312 A JP 2015141312A JP 2015141312 A JP2015141312 A JP 2015141312A JP 2017019979 A JP2017019979 A JP 2017019979A
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智和 山田
正紀 宮本
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Abstract

【課題】光重合開始剤として硬化後のマイグレーションを低減できるとともに硬化性に優れる活性エネルギー線硬化性印刷インキ、及びその印刷物の提供。【解決手段】構造式Bで表される部分構造を主たる骨格とし、その両末端又は片末端に活性エネルギー線重合性官能基を有する構造部位を有する重合性開始剤(B1)、及び数平均分子量500以上1500以下であってかつ波長300〜450nmに吸収波長を持つ増感剤(C)とを開始剤として有する活性エネルギー線硬化型印刷インキ。構造式B(R1はC1〜6のアルキル基又はアリール基;R2〜R3は各々独立にC1〜12のアルキル基又はアリール基;またR2とR3とは一体となって環を形成してもよい;R4〜R7は各々独立にH、又はC1〜6のアルキル基又はアリール基)【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性印刷インキ、及びその印刷物に関する。
従来、高生産効率や硬化エネルギーの低コスト化、VOC削減の観点から、活性エネルギー線硬化システムが幅広く応用されている。なかでも紫外線硬化システムは、他の活性エネルギー線硬化システムに比べ、設備導入コストが低く、設置面積も少なくすむことから主流となっている。
紫外線硬化システムにおいて必須成分である光重合開始剤は、硬化後は高分子量体となって硬化膜に固定化される反応性モノマーとは異なり、硬化物中に光重合開始剤そのもの或いはこの分解物が残存する。現在流通する殆どの光重合開始剤は低分子量化合物であるために、残存する光重合開始剤そのもの或いはこの分解物もまた低分子量であり、これが臭気等の原因となっていた。
さらに近年では該残存物が、硬化物と接した物質側に移行(マイグレーション)する恐れも指摘され、特に食品包装用印刷物に使用する紫外線硬化性インキでは、その残存物が食品と直接接する印刷物裏面にマイグレーションする恐れがある為に、光重合開始剤のマイグレーションにかかる規制が年々厳しさを増してきている。
これに対し、光重合開始剤の高分子量化を図ることにより、マイグレーションを低下させる試みがなされている。例えば、特許文献1および特許文献2では、分子中に複数の光重合開始能を持つ官能基を有するオリゴマー型の光重合開始剤が開示されている。本文献に開示の方法では、光重合開始剤をオリゴマー化することにより臭気やマイグレーションを低減できる効果がある。しかしながら、近年の規制に対しては、いまだその効果は不十分であった他、硬化性能に劣るものであった。
また、特許文献3には、α−アミノアセトフェノン構造を有する光重合開始剤と多官能アクリレートとをマイケル付加反応して得られる紫外線硬化型の重合開始剤が開示されている。該特許文献3に開示の方法では、光重合開始剤基に反応性基を導入し、光重合開始剤基を硬化塗膜に固定化することにより、硬化膜中からの光重合開始剤の臭気を大幅に抑制することができる。しかしながら特許文献3に開示の光重合開始剤も光開始能がやや劣っており、特に紫外線硬化性インキ等の硬化速度が求められる用途では、硬化不良が生じる等の問題が生じていた。
特表2005−505615号公報 特表2008−519760号公報 WO11/001928
本発明が解決しようとする課題は、硬化後のマイグレーションを低減できるとともに硬化性に優れる活性エネルギー線硬化性印刷インキ、及びその印刷物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、活性エネルギー線重合性化合物(A)、特定構造のα−アミノアセトフェノン骨格を有する重合性の開始剤(B)、及び数平均分子量500以上1500以下であってかつ波長300〜450nmに吸収波長を持つ増感剤(C)を用いた印刷インキが、硬化性、とりわけ印刷物内部における硬化性を著しく改善でき、加えて、硬化後のマイグレーションを効果的に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、活性エネルギー線重合性化合物(A)、
下記構造式B
Figure 2017019979
構造式B
(構造式B中、
R1は炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表し、
R2〜R3は各々独立して炭素原子数1〜12のアルキル基又はアリール基を表し、
またR2とR3とはそれぞれ一体となって環を形成してもよく、
R4〜R7は各々独立して水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表す。)
で表される部分構造を主たる骨格としており、かつ、その両末端又は片末端に活性エネルギー線重合性官能基を有する構造部位を有する重合開始剤(B)、
及び数平均分子量500以上1500以下であってかつ波長300〜450nmに吸収波長を持つ増感剤(C) とを併用することを特徴とする活性エネルギー線硬化型印刷インキに関する。
本発明は、また、前記活性エネルギー線硬化型印刷インキを基材に印刷し、活性エネルギー線を照射して硬化させてなる印刷物に関する。
本発明によれば、硬化後のマイグレーションを低減できるとともに硬化性に優れる活性エネルギー線硬化性印刷インキ、及びその印刷物を提供できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキに用いられる重合開始剤(B)は、前記した通り、下記構造式B
Figure 2017019979
構造式B

(構造式B中、
は炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表し、
〜Rは各々独立して炭素原子数1〜12のアルキル基又はアリール基を表し、
またRとRとはそれぞれ一体となって環を形成してもよく、
〜Rは各々独立して水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表す。)
で表される部分構造を主たる骨格としており、かつ、その両末端又は片末端に活性エネルギー線重合性官能基を有する構造部位を有する重合開始剤(B)である。斯かる重合開始剤(B)は、重合性官能基を有することから該開始剤(B)及びその分解物のマイグレーションを高レベルで抑制できる他、優れた硬化性を発現させることができる。
ここで用いる、重合開始剤(B)は、前記構造式Bで表される構造部位を重合開始部位として有するものであり、かつ、その両末端又は片末端に活性エネルギー線重合性官能基を有する構造部位を持つものである。斯かる、重合開始剤の分子構造は、前記構造式Bを主骨格とし、アミノ基などのマイケル付加供与構造を持つ化合物と、マイケル受容体としての機能を有する反応性化合物(II)とのマイケル付加反応により得られるものが挙げられ、具体的には、マイケル付加供与体としての機能を有するα−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)と、マイケル受容体としての機能を有する反応性化合物(II)とのマイケル付加反応により得られるものが挙げられる。
ここで、本発明で使用するマイケル付加供与体としての機能を有するα−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)は、ピペラジニル基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ベンジルアミノ基等の二級アミノ基に代表されるマイケル付加供与機能を有する官能基を分子構造中に持つものであり、例えば、下記一般式(1)で表されるものが活性エネルギー線を照射した際の硬化性と硬化後の光重合開始剤のマイグレーションの抑制の点から好ましい。
Figure 2017019979
一般式(1)
(一般式(1)中、
は炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表し、
〜Rは各々独立して炭素原子数1〜12のアルキル基又はアリール基を表し、
またRとRとはそれぞれ一体となって環を形成してもよく、
〜Rは各々独立して水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基若しくはアリール基を表し、
は単結合又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表し、
はカルボニル基、チオカルボニル基を表し、
は下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表される基を表し、
は下記一般式(2)又は一般式(3)で表される基を表す。但し、Y及びYが共に一般式(2)で表される構造を有する場合は、その少なくとも一方のXは−NH−であり、また、Yが一般式(4)で表される構造であって、かつ、Yが一般式(2)で表される構造を有する場合は該一般式(2)中のXは−NH−である。)
Figure 2017019979
一般式(2)

(一般式(2)中、X及びXは各々独立して、炭素原子数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基又はオキシアルキレン基を、Xは、単結合、−O−または−NH−を表す。)
Figure 2017019979
一般式(3)
(一般式(3)中、Xは置換基を有するか若しくは無置換の炭素原子数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基又はオキシアルキレン基を表し、RおよびRは各々独立して脂肪族基又はアリール基を表す。)
Figure 2017019979
一般式(4)
(一般式(4)中、R10およびR11は各々独立して炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表す。)
ここで、一般式(1)中のR〜Rを構成するアルキル基としては、例えば、炭素原子数が直鎖状、分岐状、及び環状のいずれかのアルキル基が挙げられる。
具体的には、例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、R及びRを構成する炭素原子数1〜12のアルキル基としては、前記した各アルキル基に加え、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、1−メチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2,2,4,4−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、イソデシル基、1−メチルウンデシル基または1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基等の直鎖状または分岐上のアルキル基、シクロヘプチル基、シクロペンンチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
一方、一般式(1)中のR〜Rを構成するアリール基としては、1個〜3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環とが縮合環を形成したものが挙げられる。具体的には、例えば、フェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、α-メチルベンジル基、αα-ジメチルベンジル基、フェネチル基ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基が挙げられる。これらの中でもフェニル基、ナフチル基がより好ましい。
本発明において、Rは具体的には、特に炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基が好ましい。
また、R〜Rは具体的には、炭素原子数が1〜12の直鎖状のアルキル基が好ましく、とりわけ炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基が好ましい。
また、R〜Rは具体的には、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記一般式(1)中、Xは単結合又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のメチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基を表す。ここで置換基とは、前記置換基を有していてもよい脂肪族基で説明した置換基を挙げることができる。
次に、一般式(1)中の、Xは、カルボニル基、又はチオカルボニル基を表す。
一般式(1)中、Y及びYは各々独立して一般式(2)又は一般式(3)で表される基を表す。
ここでY及びYを構成する一般式(2)は以下に構造式で表されるものである。
Figure 2017019979
一般式(2)
斯かる一般式(2)中、X及びXは各々独立して、炭素原子数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基又はオキシアルキレン基を、Xは、単結合、−O−または−NH−を表す。X及びXは、具体的には、鎖状若しくは分岐状のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オキシメチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等があげられる。
以上詳述した一般式(2)で表される構造部位は、具体的には、以下のような構造が挙げられる。
Figure 2017019979
次に、Y及びYを構成する一般式(3)は下記構造式で表されるものである。
Figure 2017019979
一般式(3)

ここで一般式(3)中、Xは置換基を有するか若しくは無置換の炭素原子数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基又はオキシアルキレン基を表し、RおよびRは各々独立して脂肪族基又はアリール基を表す。ここで、Xにおける置換基とは、具体的には、鎖状若しくは分岐状のメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オキシメチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等が挙げられる。
およびRは各々独立して脂肪族基又はアリール基を表す。ここで脂肪族基、及びアリール基としては、前記したR〜Rを構成するものを挙げることができる。
次に、Yを構成する一般式(4)は下記構造式で表されるものである。
Figure 2017019979
一般式(4)

上記一般式(4)中のR10およびR11は、各々独立して炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基である。斯かる炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基としては、前記したR及びR〜Rにおいて例示した炭素原子数1〜6のアルキル基及びアリール基が挙げられる。
ここで、本発明では、一般式(1)中のY及びYが共に一般式(2)で表される構造を有する場合は、その少なくとも一方のXは−NH−であり、また、Yが一般式(4)で表される構造であって、かつ、Yが一般式(2)で表される構造を有する場合は該一般式(2)中のXは−NH−である。これにより、α−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)においてマイケル付加供与機能を発現させることができる。
上記一般式(1)としては、中でも、Rがエチル基であり、Rがメチル基であり、Rがメチル基であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素でありRが水素であり、Xが短結合であり、Xがカルボニル基であり、Yはピペラジニル基であり、且つYはピペラジニル基である化合物や、Rがエチル基であり、Rがメチル基であり、Rがメチル基であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素でありRが水素であり、Xが−CH(CH)−であり、Xがカルボニル基であり、Yはピペラジニル基であり、且つYはピペラジニル基である化合物や、Rがエチル基であり、Rが1−ヘキシル基であり、Rがメチル基であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素でありRが水素であり、Xが短結合であり、Xがカルボニル基であり、Yはピペラジニル基であり、且つYはピペラジニル基である化合物、Rがエチル基であり、Rがメチル基であり、Rがメチル基であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素でありRが水素であり、Xが短結合であり、Xがカルボニル基であり、Yはモルホリノ基であり、Yはピペラジニル基である化合物や、Rがエチル基であり、Rがメチル基であり、Rがメチル基であり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが水素でありRが水素であり、Xが短結合であり、Xがカルボニル基であり、Yはピペラジニル基であり、Yはモルホリノ基である化合物が、特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、具体的には、下記構造式(5)〜構造式(26)で表される化合物が挙げられる。
なかでも硬化性の高さから、1個のピペラジニル基等の環状二級アミノ基を有するアミノアセトフェノン系の化合物である、構造式(14)、構造式(15)、構造式(17)、構造式(18)、構造式(20)、構造式(21)、構造式(23)、構造式(24)、構造式(25)が好ましく、特に構造式(14)、構造式(15)、構造式(23)、構造式(24)が好ましい。
前記環状二級アミノ基を前記一般式(1)中のYにのみ有する化合物は、硬化性が非常に高くなり好ましい。このような化合物としては、構造式(23)、構造式(24)、構造式(25)の化合物である。
また、前記環状二級アミノ基を前記一般式(1)中のYにのみ有する化合物は、硬化性が非常に高く、また活性エネルギー線の吸収により発生する開裂生成物の高分子マトリクスへの取り込みも促進されるため、特に好ましい。このような化合物としては構造式(14)、構造式(15)、構造式(17)、構造式(18)、構造式(20)、構造式(21)の化合物である。
また、前記環状二級アミノ基を前記一般式(1)中のY及びYに有する化合物は、重合開始剤に由来する物質のマイグレーションを高度に抑制できるの点から好ましい。このような化合物としては構造式(5)、構造式(6)、構造式(8)、構造式(9)、構造式(11)、構造式(12)の化合物である。
Figure 2017019979
(5)
Figure 2017019979
(6)
Figure 2017019979
(7)
Figure 2017019979
(8)
Figure 2017019979
(9)
Figure 2017019979
(10)
Figure 2017019979
(11)
Figure 2017019979
(12)
Figure 2017019979
(13)
Figure 2017019979
(14)
Figure 2017019979

(15)
Figure 2017019979

(16)
Figure 2017019979

(17)
Figure 2017019979

(18)
Figure 2017019979

(19)
Figure 2017019979

(20)
Figure 2017019979

(21)
Figure 2017019979

(22)
Figure 2017019979

(23)
Figure 2017019979

(24)
Figure 2017019979

(25)
Figure 2017019979

(26)
これらのα−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)は、一般式(1)中のY−およびY−の導入手段の違いによって下記の方法1〜3の何れかの合成方法により製造することができる。
(方法1)
方法1は、芳香核上にハロゲン原子を持つアルキルアセトフェノンを、2級アミノ基含有化合物(Y−H)と反応させ、次いでカルボニル基のα位に臭素原子を導入し、次いで、2級モノアミン化合物(HN(R)(R))を反応させ、次いで、置換基(−X−X−OR)を芳香核上の置換基として有するベンジルブロミドを反応させる。ここで、Rはアルキル基である。次いで、これをアルカリで処理して末端に水酸基(又はチオオール基)を持つ中間体である化合物(A)を製造する。更に、これに2級アミノ基含有化合物(Y−H)を反応させ、目的とするα−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)を製造することができる。この際、中間体である化合物(A)と2級アミノ基含有化合物(Y−H)との反応において、2級アミノ基含有化合物(Y−H)が活性水素を持つジアミン化合物である場合には、該化合物の一方のアミノ基を、オキシカルボニル基等で保護した化合物を用い、次いで、酸で処理して保護基を除去する方法を用いてもよい。
Figure 2017019979
上記方法1は、更に具体的には、例えば、前記式(14)で表される化合物を例にとると、下記反応式に従いに製造することができる。(なお、以下の構造式では、C、CH、CHは省略して記載している場合がある。)
Figure 2017019979
即ち、4−フルオロフェニルブタノンにモルホリンを反応させて、モルフォリノフェニルブタノン(202)を生成させ、次いで、臭素を反応させてカルボニル基のα位炭素原子上に臭素原子を導入した臭素化モルフォリノフェニルブタノン(203)を合成する。次いで、ジメチルアミンで置換反応させてジメチルアミノ体(204)にし、更に4位に置換基を有する臭化ベンジル誘導体(103)と反応させて四級アンモニウム塩化物に導き、塩基による1.2−転位反応(Stevens転移)によってα−アミノアセトフェノン骨格を有する中間体(5’)を合成する。その後、シクロヘキシルカルボジイミド試薬等を用いた活性エステル化または塩化チオニル等を用いた酸塩化物化を経由してピペラジン誘導体と反応させ、次いで、酸で処理することにより、目的とする化合物(14)を製造することができる。
(方法2)
方法2は、ハロゲン化ベンゼンと、酸ハライド化合物とを反応させて、カルボニルのα炭素原子上にハロゲン原子を持ち、かつ、芳香核上にハロゲン原子を持つアルキルアセトフェノンを合成し、次いで、2級モノアミン化合物(HN(R)(R))を反応させ、次いで2級アミノ基含有化合物(Y−H)と反応さる。次いで、置換基(−X−X−OR)を芳香核上の置換基として有するベンジルブロミドを反応させて(ここで、Rはアルキル基である。)、アルカリで処理して末端に水酸基(又は知オール基)を持つ中間体化合物(A)を製造する。更に、これに2級アミノ基含有化合物(Y−H)を反応させ、目的とするα−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)を製造することができる。この際、中間体化合物(A)と2級アミノ基含有化合物(Y−H)との反応において、2級アミノ基含有化合物(Y−H)が活性水素を持つジアミン化合物である場合には、方法1の場合と同様に、該化合物の一方のアミノ基を、オキシカルボニル基等で保護した化合物を用い、次いで、酸で処理して保護基を除去する方法を用いてもよい。
Figure 2017019979

上記方法2は、更に具体的には、例えば、前記式(14)で表される化合物を例にとると、下記反応式に従いに製造することができる。(なお、以下の構造式では、C、CH、CHは省略して記載している場合がある。)
Figure 2017019979
即ち、フッ化ベンゼンと2−ブロモ−ブタン酸ブロミドとを、無水塩化アルミを用いてアシル化し、得られたアシル化臭素化体(101)にジメチルアミンで置換反応させてジメチルアミノ体(102)にする。次いで、2級アミンであるモルホリンでジメチルアミノ体(102)の芳香族環上の4位に求核置換して4−モルホニルフェニルブタノン誘導体(204)を得、更にパラ位にエステル等の置換基を有する臭化ベンジル誘導体(103)と反応させて四級アンモニウム塩化物に導き、塩基による1.2−転位反応によってα−アミノアセトフェノン骨格を有する中間体化合物(5’)を合成することができる。その後、ジシクロヘキシルカルボジイミド試薬等を用いた活性エステル化または塩化チオニル等を用いた酸塩化物化を経由してピペラジン誘導体と反応させ、次いで、酸で処理することにより、目的とする化合物(14)を製造することができる。
(方法3)
方法3は、ハロゲン化ベンゼンと、酸ハライド化合物とを反応させて、カルボニルのα炭素原子上にハロゲン原子を持ち、かつ、芳香核上にハロゲン原子を持つアルキルアセトフェノンを合成し、次いで、2級モノアミン化合物(HN(R)(R))を反応させる。次いで置換基(−X−X−OR)を芳香核上の置換基として有するベンジルブロミドを反応させて(ここで、Rはアルキル基である。)、アルカリで処理して末端に水酸基(又はチオール基)を持つ化合物を合成し、これに対して、2級アミノ基含有化合物(Y−H)と反応、次いで、に2級アミノ基含有化合物(Y−H)を反応させ、目的とするα−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)を製造することができる。
Figure 2017019979
上記方法3は、更に具体的には、例えば、前記構造式(5)で表される化合物を例にとると、下記反応式に従いに製造することができる。(なお、以下の構造式では、C、CH、CHは省略して記載している場合がある。)
Figure 2017019979
即ち、臭素化体(101)にジメチルアミンで置換反応させてジメチルアミノ体(102)にし、更に4位に置換基を有する臭化ベンジル誘導体(103)と反応させて四級アンモニウム塩化物に導き、塩基による1.2−転位反応(Stevens転移)によってα−アミノアセトフェノン骨格を有する(104)中間体を合成する。その後、活性エステル化や酸塩化物化によりピペラジンなどのアミンと反応させてアミド化体(105)に導き、更に、60℃〜160℃にてピペラジンと反応させて、目的のマイケル付加供与機能がピペラジノ基である化合物(5)を製造することができる。
ここで、上記した方法1〜3の反応式において、R〜R、X、X、Y、Yは前記一般式(1)と同義であり、Halはフッ素原子、臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子を表す。
また、前記方法1〜3において2級モノアミン化合物(HN(R)(R))としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルブチルアミン、メチルオクチルアミン、メチルドデシルアミン、エチルヘキシルアミン、ジエタノールアミン、2,2‘-ジエトキシジエチルアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペラジン、2,6−ジメチルモルホリン等が挙げられる。置換基(−X−X−OR)を芳香核上に有するベンジルブロミド化合物としては、例えば、ブロモメチル安息香酸メチル、2−[4−(ブロモメチル)フェニル]]プロピオン酸メチル、2−[4−(ブロモメチル)フェニル]]酢酸エチル、ブロモメチルチオ安息香酸メチル、2−[4−(ブロモメチル)フェニル]]チオプロピオン酸メチル等が挙げられる。
以上詳述した前記一般式(1)で表されるマイケル付加供与体として機能するα−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)は、マイケル付加供与機能を有するので、マイケル受容体としての機能を有する化合物(II)とマイケル付加反応し、マイケル付加反応物を与える。
本発明においては、マイケル受容体としての機能を有する化合物(II)として、更に光照射により硬化に寄与する反応性基(以下、「光硬化性基」と略記する。)を有する反応性化合物を用いた場合、得られるマイケル付加反応物が光開始能及び光硬化機能を兼備することとなり、反応性開始剤として良好に機能し、マイグレーション防止の効果が一層良好なものとなる。
(マイケル受容体としての機能を有する反応性化合物(II))
ここで用いることのできるマイケル受容体としての機能を有する反応性化合物(II)は、光硬化性基を複数有する多官能性の反応性化合物が、光硬化機能が特に良好なものとなる点から好ましい。
ここで前記光硬化性基を複数有する多官能性の反応性化合物としては、マレイミド化合物、マレイン酸エステル化合物、フマル酸エステル化合物、(メタ)アクリレート化合物などのα,β−不飽和カルボニル化合物が挙げられる。これらのなかでも、特に特に合成時のマイケル付加反応の制御が容易であり、かつ光硬化時の反応性が高く効果的なマイグレーション防止が期待できる点から(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
(メタ)アクリレート化合物の例としては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能アクリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびそのエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシド変性物、ペンタエリスリトールトリ又はテトラ(メタ)アクリレートおよびそのエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシド変性物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートおよびそのエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシド変性物、ジペンタエリスリトールテトラ又はペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレートおよびそのカプロラクトン変性物等の多官能(メタ)アクリレート類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応により得られるエポキシ(メタ)アクリレート類、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート三量体等のポリイソシアナート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を有するアクリレートとの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート類、トリメリット酸やコハク酸等の多塩基酸と、エチレングリコールやネオペンチルグリコール等のポリオールと、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートとの重合物と、(メタ)アクリル酸との反応により得られる高分子量型のポリ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらの反応性化合物は、単独で使用してもよく、複数を混合して使用してもよい。
中でも、硬化後高分子量体となって硬化膜により強固に固定化できることから、前記反応性化合物としては、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物が最も好ましい。マイケル受容体としての機能を有する反応性化合物として、(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレートを選択した場合は、本発明のマイケル付加反応物が有する光硬化性基が2個以上となるため好ましい。
(マイケル付加反応)
本発明において、前記α−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)と、前記マイケル受容体としての機能を有する反応性化合物(II)とのマイケル付加反応は、特に限定されることなく、公知慣用の反応条件で行うことができる。一般的な方法としては、前記α−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)と前記マイケル受容体としての機能を有する反応性化合物(II)とを、反応容器中、0〜150℃で混合する方法が挙げられ、触媒や溶媒を使用することもできる。
使用可能な触媒としては、例えば、テトラエチルアンモニウムフロライド、テトラブチルアンモニウム水酸化物、水酸化カリウム、テトラメチルグアニジ、ジアザビシクロウンデセン、ナトリウム t−ブチラート、トリ−n−オクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
また、有機溶媒としては例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、カルビトール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。
前記α−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)と、前記マイケル受容体としての機能を有する反応性化合物(II)の混合比は、特に限定されることはないが、マイケル付加供与機能を有する基(i)と、マイケル受容機能を有する基(ii)との当量比[(ii)/(i)]が、1/1.5〜1/30であることが好ましい。当量比[(ii)/(i)]が1/1.5を超えると、化合物(I)又はその分解物の塗膜からのマイグレーションが生じる可能性が上がり、当量比[(ii)/(i)]が1/30未満であるとマイケル付加反応物の硬化性能が劣る傾向がある。得られるマイケル付加反応物の硬化性能と塗膜溶出物量の観点から、当量比[(ii)/(i)]は、特に1/2〜1/20であることが好ましい。
このようにして得られるマイケル付加反応物としては、例えば、以下の式(M1)〜(M16)を挙げることができる。
Figure 2017019979

(M1)
Figure 2017019979

(M2)
Figure 2017019979

(M3)
Figure 2017019979

(M4)
Figure 2017019979

(M5)
Figure 2017019979

(M6)
Figure 2017019979

(M7)
Figure 2017019979

(M8)
Figure 2017019979

(M9)
Figure 2017019979
(M10)

Figure 2017019979

(M11)
Figure 2017019979
(M12)

Figure 2017019979

(M13)
Figure 2017019979

(M14)
Figure 2017019979

(M15)
Figure 2017019979

(M16)
本発明では、前記したマイケル付加供与体としての機能を有するα−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)と、マイケル受容体としての機能を有する反応性化合物(II)とのマイケル付加反応物(以下、これを「マイケル付加反応物(III)」と略記する。)を重合開始剤として使用することが、優れた硬化性を発現し、かつ、マイグレーション低減の効果が良好なものとなる点から好ましい。
次に、本発明において、前記重合開始剤(B)と共に使用される、数平均分子量500以上1500以下であってかつ波長300〜450nmに吸収波長を持つ増感剤(C)は、高波長領域に官能性を持ち、その吸収によって得られたエネルギーを効率的に前記重合開始剤(B)へ伝播させる機能を持つものである。ここで、増感剤(C)を構成する高分子量化合物の数平均分子量が500を下回る場合には、マイグレーションを招きやすくなり、一方、1500を上まれる場合には、増感剤としての効果が低くなる。
斯かる増感剤(C)は、例えば、ジエチルアミノベンゾフェノンの高分子量体やミヒラーケトンの高分子量、チオキサンチル構造を有する高分子量化合物などが挙げられるが、波長300〜450nmの光に対する吸収性能に優れる点からチオキサンチル構造を有する高分子量化合物が好ましい。斯かるチオキサンチル構造としては下記構造式で示されるものが挙げられ、
Figure 2017019979

(式中、Xは塩素原子又は水素原子である。)
該構造を有する高分子量化合物は、チオキサンチル構造を一分子内に2〜4個有するものが、増感作用が良好なものとなる点から好ましく、斯かる化合物としては、具体的には、脂肪族トリオールのアルキレンオキシド付加体のトリ9−オキソ−6H−チオキサンテン−カルボキシレート(RAHN社製3官能型増感剤「ジェノポールTX1」:数平均分子量820)、ポリ(オキシ−1,4−ブチレン)グリコールのジ(9−オキソ−9H−チオキサンチニル)オキシ酢酸エステル(2官能型増感剤IGMレジン社製「オムニポールTX」数平均分子量660)、ペンタエリスリトールのテトラ−ポリ(オキシ−2,3−プロピレン)グリコール付加体の(1−クロロ−9−オキソ−9H−チオキサンチニル)オキシ酢酸エステル(LAMBSON社製「スピードキュア7010」数平均分子量1350)等が挙げられる。
本発明では、前記重合開始剤(B)と共に波長300〜450nmの長波長領域に吸収帯を持つ前記増感剤(C)を併用することにより、印刷時の印刷物内部での硬化性が良好となることに加え、特に、墨インキなど波長300〜450nmの波長を吸収しやすい着色剤成分を使用した場合に、内部架橋を良好に促進させることができる。従って、本発明では重合開始剤や増感剤を大量に使用しなくとも優れた硬化性を発現させることができるため、それらの使用量を少なく抑えることができ、開始剤や増感剤のマイグレーションを良好に防止することができる。具体的には、前記増感剤(C)の使用量は、前記重合開始剤(B)100質量部に対して5〜500質量部となる範囲で用いることができる。
また、前記増感剤(C)のうち、チオキサンチル構造を有する高分子量化合物を用いる場合、更に、アミン系鋭感剤を併用する場合、該増感剤(C)自体が重合開始剤としても機能することとなり、硬化性を一層向上させることができる。
斯かる、アミン系鋭感剤としては、例えば、アミノベンゾエート化合物(RAHN社製「ジェノポールAB−2」)、ジメチルアミノベンゾエート構造を一分子内に2つ有する化合物(Lamberti社製「ESACURE A198」)、ポリエチレングリコール鎖の両末端にアミノベンゾイル基を持つ化合物(IGMレジン社製「オムニポールASA」)、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート(Lamberti社製「ESACURE A198」)等が挙げられる。これらの中でも特にマイグレーション防止の観点から比較的高分子量である、アミノベンゾエート化合物(RAHN社製「ジェノポールAB−2」)、ジメチルアミノベンゾエート構造を一分子内に2つ有する化合物(Lamberti社製「ESACURE A198」)、ポリエチレングリコール鎖の両末端にアミノベンゾイル基を持つ化合物(IGMレジン社製「オムニポールASA」)が好ましい。
このアミン系鋭感剤の使用量は 前記増感剤(C)100 質量部に対して5〜100質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキは、重合開始剤として前記重合開始剤(B)に加え、数平均分子量320以上2000以下であってかつ波長200〜300nmに吸収波長を持つα−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)とを併用することが、優れた耐マイグレーション性を保持しつつ、硬化性を一層向上させることができる点から好ましい。即ち、α−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)は、数平均分子量が320以上2000以下の範囲であることから、該開始剤(B2)自体のマイグレーションを適正に抑えつつ、硬化性を高めることができる。また、波長200〜300nmに吸収波長を持つことから、印刷物における表面の硬化性を飛躍的に高めることができる。従って、重合開始剤として前記重合開始剤(B)と共に上記α−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)とを併用し、かつ、前記増感剤(C)を使用することにより、UV印刷における短波長領域から長波長領域まで感度を高めることができ、UVニスから墨インキまで幅広く使用することができ、また、何れの波長域においても優れた硬化性を発現させることができる。
斯かるα−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)としては、具体的には、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2-ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(数平均分子量:340.4)、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン)(数平均分子量:424.57)、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)フェノキシ〕フェニル}−2−メチルプロパノン(数平均分子量:342.39)等の数平均分子量320以上1000以下であるα−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、及び、ポリウレタン構造を主骨格とし、アクリロイル基及び2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル−フェニル基を、一分子内にそれぞれ2つ有する化合物、例えばBASF社製「イルガキュアLEX201」(数平均分子量:1100)等が挙げられる。
本発明では、これらのなかでも硬化性に優れる点から、数平均分子量320以上1000以下であるα−ヒドロキシケトン系光重合開始剤が好ましい。
ここで、前記増感剤(C)及び前記α−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)における、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による下記条件にて測定(ポリスチレン換算)した値である。
測定装置:東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。
カラム温度:40℃。
移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。
流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。
試料注入量:100マイクロリットル。
標準 ;単分散ポリスチレン
検出器:示差屈折計。
ここで、前記重合開始剤(B)として、前記マイケル付加反応物(M1)から(M8)など、前記構造式Bで表される部分構造を主たる骨格とし、かつ、その両末端に活性エネルギー線重合性官能基を有する構造部位を有する重合開始剤(B’)の場合、該重合開始剤(B’)と、前記α−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)との使用割合は、質量基準での配合比[(B’)/(B2)]が100/100〜2000/100となる割合であることが、硬化性とマイグレーション低減効果のバランスが良好となる点から好ましく、特に、α−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)として、前記数平均分子量320以上1000以下であるα−ヒドロキシケトン系光重合開始剤を用いる場合には、該開始剤の硬化性が著しく高くなることから、マイグレーション低減の効果の高い重合開始剤(B’)の配合割合を高めることができる。斯かる観点から、質量基準での配合比[(B’)/(B2)]は300/100〜2000/100となる割合であることが、低マイグレーションと硬化性とを高レベルで両立することができる点から好ましい。また、この場合において、前記増感剤(C)の配合割合は 前記重合開始剤(B’)100質量部に対して5〜100質量部なる割合であることが低マイグレーションと内部硬化性とを高レベルで両立することができる点から好ましい。
他方、前記重合開始剤(B)として、前記マイケル付加反応物(M9)から(M16)など、前記構造式Bで表される部分構造を主たる骨格とし、かつ、その片末端に活性エネルギー線重合性官能基を有する構造部位を有する重合開始剤(B”)の場合、該重合開始剤(B”)と、前記α−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)との使用割合は、質量基準での配合比[(B”)/(B2)]が30/100〜800/100となる割合であることが、硬化性とマイグレーション低減効果のバランスが良好となる点から好ましく、特に、α−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)として、前記数平均分子量320以上1000以下であるα−ヒドロキシケトン系光重合開始剤を用いる場合には、該開始剤の硬化性が著しく高くなることから、マイグレーション低減の効果の高い重合開始剤(B)の配合割合を高めることができる。斯かる観点から、質量基準での配合比[(B”)/(B2)]は100/100〜800/100となる割合であることが、低マイグレーションと硬化性とを高レベルで両立することができる点から好ましい。また、この場合において、前記増感剤(C)の配合割合は 前記重合開始剤(B”)100質量部に対して5〜300質量部なる割合であることが低マイグレーションと内部硬化性とを高レベルで両立することができる点から好ましい。
次に、本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキで用いられる活性エネルギー線重合性化合物(A)は、各種のエチレン性二重結合を有するマレイミド化合物、マレイン酸エステル化合物、フマル酸エステル化合物、(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられるが、材料入手の容易さと硬化速度に優れる点から(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
ここで(メタ)アクリレート化合物としては、照射により硬化に寄与する反応性基を複数有した多官能の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、具体的には、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンをエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドで変性した三価アルコールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールをエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドで変性した四価アルコールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンをエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドで変性した四価アルコールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ又はペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物等の多官能(メタ)アクリレート等のモノマー型多価(メタ)アクリレート;
ビスフェノールAジグリシジルエーテルやトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応により得られるエポキシ(メタ)アクリレート;イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート三量体等のポリイソシアナート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を有するアクリレートとの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート;トリメリット酸やコハク酸等の多塩基酸と、エチレングリコールやネオペンチルグリコール等のポリオールと、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートとの重合物と、(メタ)アクリル酸との反応により得られる高分子量型のポリ(メタ)アクリレート等のオリゴマー型多価(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、硬化後高分子量体となって硬化膜により強固に固定化できることから、前記反応性化合物としては、3官能以上のモノマー型(メタ)アクリレート化合物が最も好ましい。また、本発明では、前記3官能以上のモノマー型(メタ)アクリレート化合物に加え、前記オリゴマー型多価(メタ)アクリレートをバインダー樹脂として配合することが好ましい。この場合、3官能以上のモノマー型(メタ)アクリレート化合物とオリゴマー型多価(メタ)アクリレートとの配合割合は、質量比[前者/後者]が10/100〜300/100となる割合であることが好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキの粘度調整の観点から、インキの粘度を下げたい場合には、前記活性エネルギー線重合性化合物(A)として、モノマー型の単官能化合物である、単官能(メタ)アクリレート化合物又は単官能ビニルエーテル化合物を併用することができる。
ここで、単官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチルアクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルフォスフェート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチルS(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
他方、単官能ビニルエーテル化合物としては、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルおよびシクロアルキルビニルエーテル;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル等が挙げられる。
これらの単官能(メタ)アクリレート化合物又は単官能ビニルエーテル化合物を使用する場合、その使用量は、未反応モノマーのマイグレーション量の増加、インキ塗膜の耐擦性の低下を誘発しない程度の量にすることが望ましく、具体的には、前記活性エネルギー線重合性化合物(A)中、30質量%以下となる範囲であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキは、以上詳述した活性エネルギー線重合性化合物(A)、重合開始剤(B)、α−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)、増感剤(C)、及びアミン系鋭感剤の他、必要に応じて、顔料、バインダー樹脂、その他各種添加剤等を配合することができる。
ここで、各成分の配合割合は、モノマー型の単官能化合物、又はモノマー型多価(メタ)アクリレート化合物(以下、「モノマー型の活性エネルギー線重合性化合物(A)」と略記する。)と、重合開始剤(B)及びα−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)(以下、この(B)及び(B2)を「開始剤成分」と略記する。)との混合物100質量部に対し、前記顔料1〜70質量部、前記バインダー樹脂3〜70質量部なる組成にて使用できるが、印刷物の色濃度および印刷適性のバランスから、モノマー型の活性エネルギー線重合性化合物(A)と開始剤成分との混合物100質量部に対し、顔料5〜30質量部、上記バインダー樹脂5〜50質量部であることが好ましい。このようにして得たオフセットインキは、使用する印刷装置にもよるが、通常3〜200Pa・s(25℃)となるように設計することが好ましい。
ここで用いるバインダー樹脂は、適切な顔料親和性と分散性を有し、印刷インキに要求されるレオロジー特性を有する樹脂全般であればよく、活性エネルギー線重合性化合物(A)として例示したオリゴマー型多価(メタ)アクリレートの他、例えば非反応性樹脂としては、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、セルロース誘導体、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエンーアクリルニトリル共重合体等を挙げることができ、または樹脂分子中に少なくとも1つ以上の重合性基を有するエポキシアクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物、ポリエステルアクリレート化合物等が挙げられる。
前記非反応性樹脂や樹脂分子中に少なくとも1つ以上の重合性基を有する化合物をバインダー樹脂として配合する場合、モノマー型の活性エネルギー線重合性化合物(A)と前記非反応性樹脂や樹脂分子中に少なくとも1つ以上の重合性基を有する化合物との配合割合は、質量比[前者/後者]が、10/100〜300/100となる割合であることが好ましい。
本発明で使用する顔料としては、無機顔料あるいは有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、黄鉛、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、ベンガラ、酸化鉄、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。本発明では、前記した通り、長波長のUV光を吸収しやすいカーボンブラックを用いても優れた硬化性を発現するため、カーボンブラックを配合した場合に、硬化性良好なUV印刷インキを製造することが可能となる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、各種の蛍光顔料、金属粉顔料等公知公用の各種顔料を使用することができる。
前記顔料の平均粒径は、用途に応じて適宜設計する。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物をオフセットインキ等の印刷インキに適用する場合は、顔料の平均粒径は10〜500nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50〜300nm程度のものである。
顔料を使用する場合は、前記活性エネルギー線重合性化合物等に対する分散安定性を高める目的で顔料分散剤を用いることが好ましい。具体的には、味の素ファインテクノ社製の「アジスパーPB821」、「PB822」、「PB817」、ルーブリゾール社製の「ソルスパース5000」、「24000GR」、「32000」、「33000」、「36000」、「39000」、「44000」、楠本化成社製の「ディスパロンDA−703−50」、「DA−705」、「DA−725」、BYK社製の「DISPERBYK111」、「YK168」、「YK180」等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、顔料分散剤の使用量は、顔料に対して3〜80質量%の範囲が好ましく、特に5〜60質量%の範囲が好ましい。使用量が3質量%未満の場合には分散安定性が不十分となる傾向にあり、80質量%を超える場合にはインキの粘度が高くなる傾向にある。
本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキは、更に硬化性能を高めるため、光増感剤や三級アミン類等の光開始助剤を使用しても良い。
光増感剤としては、特に限定されないが、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、アントラキノン等が挙げられる。
一方、三級アミンとしては、特に限定されないが、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン等が挙げられる。
また、1分子内に複数の光増感剤や三級アミン類を多価アルコール等で分岐させた高分子量化合物も適宜使用することができる。前記光開始助剤は、活性エネルギー線硬化型印刷インキの全量に対し0.03〜20質量部で使用することが好ましく、0.1〜10質量部で使用することがなお好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の光重合開始剤を併用することもできる。具体的には、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
更に必要に応じて、本発明の目的を逸脱しない範囲、とりわけ保存安定性、耐熱性、耐溶剤性等を保持できる範囲内で、各種のカップリング剤;体質顔料;酸化防止剤;重合禁止剤;安定剤;充填剤;及びその他の助剤等を添加することができる。
体質顔料は、インキの流動性調整や印刷時のミスチング防止、紙基材への浸透防止等の物性改良・機能性付与を目的として幅広く使用されている。体質顔料としては公知公用の着色用有機顔料を挙げることができ、例えば「顔料便覧(編集:日本顔料技術協会編)」に掲載される印刷インキ用体質顔料等が挙げられ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、マイカ、硫酸バリウム、シリカ及び水酸化アルミニウム等が使用可能である。
カップリング剤は、無機材料と有機材料において化学的に両者を結び付け、あるいは化学的反応を伴って親和性を改善し複合系材料の機能を高める化合物であり、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン系化合物、テトラ−イソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン等のチタン系化合物、アルミニウムイソプロピレート等のアルミニウム系化合物が挙げられる。これらの添加量は、本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキ100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは0.2〜5質量部である。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、HALSと称される2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体の酸化防止剤、リン系、硫黄系の二次酸化防止剤が挙げられる。一方、重合禁止剤としては、ニトロソアミン塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの酸化防止剤、重合禁止剤は単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの添加量は、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100質量部に対して、0.01〜2.0質量部であり、好ましくは0.03〜1.0質量部である。
また、その他の助剤としては、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性またはスリキズ防止性を付与する目的で、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、シリコン化合物;また、要求性能に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等が挙げられる。これらの助剤の添加量は組成物全量100質量部に対して0〜10質量部であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキを得るには、前記各成分を混合すればよく、混合の順序や方法は特に限定されない。例えば、前記各成分を常温から100℃の間で、ニーダー、三本ロール、サンドミル、ゲートミキサー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、ビーズミル、SCミル、ナノマイザーなどの練肉、混合、調製機などを用いて得ることができる。これらのなかでも高粘度のオフセットインキを効率よく生産できる点からニーダー、三本ロール、ビーズミルにより製造することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキは、印刷基材上に印刷し、活性エネルギー線により重合・硬化させて印刷物を得ることがができる。ここで使用する活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線、マイクロ波、高周波、可視光線、赤外線、レーザー光線等を言う。なかでも紫外線が好ましい。
紫外線としては180〜400nmの波長であれば有効であるが、とりわけ、254nm、308nm、313nm、365nmの波長の光が、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物および活性エネルギー線硬化性インキ組成物の硬化に有効である。光発生源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、エキシマーレーザー、LEDランプが挙げられる。
紫外線照射量は使用する光源の種類や前記化合物(M)及び反応生成物の量の影響を受けるため一概に決められないが、生産性の面から10〜2000J/mの範囲が好ましい。
以上詳述した本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキは、オフセットインキを多色刷りする場合は、使用するインキ、例えば黄(イエロー)、紅(マゼンタ)、藍(シアン)、墨(ブラック)のプロセス4色インキの1色に本発明の活性エネルギー線硬化型印刷インキ用いてもよいし、全ての色に使用してもよい。例えば印刷物が食品包装用途の場合は、マイグレーションをできるだけ抑えるために、全ての色に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を使用することが好ましい。
また、本発明の印刷物で使用する印刷基材としては、特に限定は無く、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウムフォイル、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
H−NMR測定条件]
装置 : 日本電子株式会社 FT-NMR
JNM−LA300(300MHz)
測定溶媒 : 重クロロホルム(CDCl3-d1)
内部標準物質 : テトラメチルシラン(TMS)
合成例1 [化合物(M11)の合成]
[工程1]
Figure 2017019979
撹拌機、温度計、窒素導入管、冷却管、アルカリトラップを備えた5Lフラスコに、4−フルオロブチロフェノン(201) 500g、ジメチルスルホキシド(DMSO)250mL及びモルホリン1000mLを仕込み、窒素下で95℃にて2日間攪拌しながら反応させた。反応の追跡は、ガスクロマトグラフィー分析にて転化率を確認した。放冷後、トルエン 1.4Lと水 2.1Lを加えて静置後分液し、続いて有機層を3回水洗した後、トルエンを減圧留去した。得られた残渣にイソプロパノール700mLを攪拌しながら添加し、氷冷下で析出した結晶を濾収した後、減圧乾燥し、1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(202)を得た。収量:597g、収率:85%
[工程2]
Figure 2017019979
撹拌機、温度計、窒素導入管、冷却管、滴下ロート、アルカリトラップを備えた3Lフラスコに、1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(202) 348g、塩化メチレン348mLを仕込み、窒素下で氷冷し、25%臭化水素−酢酸溶液 724gを1時間かけ滴下した。滴下完了後、10℃以下を維持するように臭素 238gを1時間かけ滴下し、同温度で1時間攪拌して反応を完結させた。2Lの水を加え、水酸化ナトリウムにて中和後、析出した生成物の結晶を塩化メチレン1.5Lを追加して溶解させた。有機層を5%炭酸水素ナトリウムで1回、水で1回、飽和塩化ナトリウム水で1回洗浄した後、塩化メチレンを減圧留去した。ヘキサン1.5Lを加えて氷冷し、析出した結晶を濾収、乾燥することによって1−(4−モルホリノフェニル)−2−ブロモ−1−ブタノン(203)を得た。収量:438g、収率:94%
[工程3]
Figure 2017019979
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた3Lフラスコに、1−(4−モルホリノフェニル)−2−ブロモ−1−ブタノン(203)290g、2-ブタノン870mLを仕込み、氷冷しながら50%ジメチルアミン水溶液251gを5〜10℃で滴下し、同温度で5時間攪拌して反応を完結させた。有機層を水500mLで4回洗浄した後、2−ブタノンを減圧留去して2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタンー1−オン(204)を含む粗生成物を得た。得られた粗生成物はいっさいの精製無しで次工程へ使用した。粗生成物の一部をサンプリングし、ヘキサンにより再結晶することにより薄黄色結晶の2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(204)が得られた。
[工程4]
Figure 2017019979
攪拌機、温度計、冷却管を備えた3Lフラスコに上記に記載で得られた2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(204)と4−(ブロモメチル)安息香酸メチル(103)の256gとIPAの510mLを仕込み、50℃で3時間攪拌した。その後、8M水酸化ナトリウム水溶液の232mLを添加し、50℃で1時間攪拌した。攪拌終了後、塩酸水溶液を用いてpH5.7に調製した後、IPAを留去した。濃縮残渣を酢酸エチルで抽出し、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。酢酸エチルを減圧留去後、ヘキサンの添加によって析出した結晶をろ別し、減圧乾燥を行い、化合物(5’)(2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(4−カルボキシベンジル)ブタン−1−オン)を得た。収量:290.0g、収率:76.0%
[工程5]化合物(14)[2−ジメチルアミノ−1−(4−(モルホリノ)フェニル)−2−(4−(ピペラジニル−1−カルボニル)ベンジル)ブタン−1−オン]の合成
Figure 2017019979
攪拌機、温度計、滴下ロートを備えた300mLフラスコに、工程4で得られた化合物(5’)[2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(4−カルボキシベンジル)ブタン−1−オン]の28.9gと1mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)と100mLの塩化メチレンを加えて溶解し、これに16.8gの塩化チオニルを滴下して2時間反応させた。
反応溶液を減圧濃縮し、濃縮残渣を50mLのジクロロメタンに溶解して酸クロリドのジクロロメタン溶液を調製した。攪拌機、温度計、滴下ロートを備えた別の500mLフラスコにピペラジン30.3gと200mLの塩化メチレンを加えて溶解し、これに前述の酸クロリドのジクロロメタン溶液を30分かけて滴下した。30分間攪拌して反応を完結させ、1M-水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応を停止させた。反応液を分液ロートに移し、有機層を2回水洗した後、硫酸マグネシウムで、一昼夜乾燥させた。ジクロロメタンを減圧留去し、化合物(14)(2−ジメチルアミノ−1−(4−(モルホリノ)フェニル)−2−(4−(ピペラジニル−1−カルボニル)ベンジル)ブタン−1−オン)を得た。収量:33.0g、収率:98.0%
[工程7]
撹拌機、コンデンサ及び熱電対を備えた100mLの三口フラスコに、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成(株)製「アロニックスM−350」)14.3g及び工程6で得られた化合物(14)12gを加え、室温で24時間撹拌して、本発明のマイケル付加反応物(前記の化合物(M11))26.3gを得た。反応仕込み時のマイケル付加供与機能を有する基とマイケル受容機能を有する基の比率は1:4.0であった。
合成例2[化合物(M3)の合成]
[工程1]
Figure 2017019979
撹拌機、温度計、窒素導入管、アルカリトラップ及び滴下ロートを備えた1L四つ口フラスコに塩化アルミニウム(無水)の121.8gと脱水ジクロロメタンの300mLを仕込み、窒素気流下、氷浴を用いて氷冷した。これに2−ブロモブチリルブロミドの200gを添加した。フルオロベンゼンの83.6gと脱水ジクロロメタンの100mLを混合溶液を滴下ロートを用いて先のフラスコ中へ20分かけて滴下した。滴下終了後、氷浴を外し、そのまま、2時間攪拌を続けた。
攪拌終了後、反応液を氷水1L中へ投入し、2時間攪拌を続けた。静置後分液し、下層を回収した。2N塩酸で2回洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回洗浄し、飽和食塩水で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで一昼夜乾燥させた後、ジクロロメタンを減圧留去し、2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−1−ブタノン(101)を得た。収量:214.3g、収率:100%
[工程2]
Figure 2017019979
攪拌機、温度計を備えた2L四つ口フラスコに11%ジメチルアミン/エタノール溶液の789.9gを仕込み、氷浴を用いて氷冷した。そこに中間体(101)の157.7gを滴下ロートを用いて30分かけて滴下した。滴下終了後、氷浴を外し、そのまま、一昼夜攪拌を続けた。攪拌終了後、エタノールを留去し、トルエンを投入した。水洗後、上層に2N塩酸を用いてpH1にした後、分液し、下層を回収した。回収した下層に10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH12にした後、トルエンを投入し、上層を回収した。さらに飽和食塩水で2回洗浄した後、上層を回収し、硫酸マグネシウムで、一昼夜乾燥させた。トルエンを減圧留去し、中間体(102)を得た。収量:134.6g、収率:100%
[工程3]
Figure 2017019979
攪拌機、温度計、冷却管を備えた500mL四つ口フラスコに中間体(102)の79.5gと4−(ブロモメチル)安息香酸メチル(103)の87.0gとIPAの120mLを仕込み、50℃で一昼夜、攪拌した。その後、8M水酸化ナトリウム水溶液の105mLを添加し、50℃で1時間攪拌した。攪拌終了後、塩酸水溶液を用いてpH6に調製した後、IPAを留去し、析出した結晶をろ別して化合物(104)を得た。収量:110.9g、収率:85.0%
[工程4]
Figure 2017019979
次いで、攪拌機、温度計、滴下ロートを備えた500mL四つ口フラスコに2−クロロ−4.6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンの19.3gと脱水ジクロロメタンの100mLを仕込み、氷浴を用いて氷冷した。そこにN−メチルモルホリンの33.3gを滴下ロートを用いて10分かけて滴下した。滴下終了後、工程3で得られた化合物(104)の38.0gを添加し、氷冷下で2時間攪拌した。そこにピペラジンの34.4gを溶解した脱水ジクロロメタンの200mLを滴下ロートを用いて20分かけて滴下した。アイスバスを外し、室温下、2時間攪拌を続けた。攪拌終了後、蒸留水中へ投入し、下層を回収した。さらに蒸留水で4回洗浄した後、硫酸マグネシウムで、一昼夜乾燥させた、ジクロロメタンを減圧留去し、化合物(105)を得た。引き続き、DMSOの100mLとピペラジンの34.4gを加え、窒素気流下、120℃で15時間加熱した。終了後、蒸留水を添加し、析出した結晶をろ別し、蒸留水とエタノールで交互に2回ずつ洗浄し、乾燥後、2−ジメチルアミノ−1−(4−ピペラジニルフェニル)−2−(4−(ピペラジン−1−カルボニル)ベンジル)ブタン−1−オン(化合物(5))を得た。収量:41.7g、収率:87.4%
[工程5](マイケル付加体である化合物(M3)の合成)
撹拌機、コンデンサ及び熱電対を備えた100mLの三口フラスコにエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成(株)製「アロニックスM−350」)28g及び工程4で得られた化合物(5)12gを加えて80℃で撹拌後、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン1gを徐々に添加した。同温で6時間撹拌して本発明のマイケル付加反応物(前記の化合物(M3))40gを得た。反応仕込み時のマイケル付加供与機能を有する基とマイケル受容機能を有する基の比率は1:2.6であった。
実施例1〜8及び比較例1〜9(印刷インキの製造及び評価)
表1及び表2に示す原材料組成にて配合し、ミキサーで均一撹拌した後にロールミルを使用し練肉分散することで製造した。ロールミルとしてはビューラー株式会社製「SDY−300」を使用し、ロール温度40℃、ロール圧1,600kPa・sの条件において3s回ロールパスを実施して印刷インキを得た。次いで、以下の各種評価を実施した。結果を表1及び表2に示す。
尚、色材としてはカーボンブラック16重量%(カーボンブラックとして、実施例1〜12においてはラーベン1060Ultraを使用し、補色成分としてフタロシアニンブルー3重量%及びジオキサジンバイオレット2重量%(色材合計21重量%)、粘度及び流動性調整剤としてタルク2重量%及び炭酸マグネシウム2重量%(合計4重量%)、その他助剤としてワックス2重量%及び安定剤溶液(p−メトキシフェノール10重量%とエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート90重量%の混合物)1重量%(助剤合計3重量%)を全ての実施例及び比較例に共通に添加した。尚、補色成分であるフタロシアニンブルー及びジオキサジンバイオレットはカーボンブラック自体が呈する黄味を打ち消し、インキの漆黒性を更に高める目的で少量配合した。
なお、各実施例及び比較例にて使用する開始剤の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による下記条件にて測定(ポリスチレン換算)した値である。
測定装置:東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。
カラム温度:40℃。
移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。
流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。
試料注入量:100マイクロリットル。
標準 ;単分散ポリスチレン
検出器:示差屈折計。
〔印刷物の製造〕
この様にして得られた紫外線硬化型インキを、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を用い、インキ0.10mlを使用して、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、ミルクカートン紙(ポリエチレンラミネート紙、テトラ・レックス、テトラパック社製)の表面に墨濃度1.6〜1.8(X−Rite社製SpectroEye濃度計で計測)の範囲に均一に塗布されるように展色し、印刷物を作製した。なおRIテスターとは、紙やフィルムにインキを展色する試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することが可能である。
〔UVランプ光源によるUV照射〕
インキ塗布後の印刷物にUV照射を行い、インキ皮膜を硬化乾燥させた。具体的には、水冷メタルハライドランプ(出力100W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製、コールドミラー付属)を使用し、印刷物をコンベア上に載せ、ランプ直下(照射距離11cm)を以下に述べる所定条件で通過させた。各条件における紫外線照射量は紫外線積算光量系(ウシオ電機社製UNIMETER UIT−150−A/受光機UVD−C365)を用いて測定した。
〔インキ組成物の評価1:硬化性〕
硬化性は、照射直後に爪スクラッチ法にて印刷物表面の傷付きの有無を確認した。前記UV照射装置のコンベア速度(m/分)を変化させながら印刷物に紫外線を照射し、傷付きが無い最速のコンベア速度を記載した。従ってコンベア速度が速いほどインキの乾燥性が良好といえる。
〔インキ組成物の評価2:内部硬化性〕
コロナ処理を施したPETフィルム原反にRIテスターを使用して墨濃度2.2でインキを展色し、その展色物をメタルハライドランプ約120mJ/cmの紫外線を照射してインキを乾燥させた。乾燥後カッターナイフを用いて、インキ面に2mmピッチで碁盤の目状に傷を付け、セロファンテープ(ニチバン社製)を添付した。セロファンテープを一定の速度でインキ面から法線方向に引きはがし、セロファンテープ面に取られたインキの量及びインキ面の傷つきの量を測定した。したがってセロファンテープ面へのインキの取られ、インキ面の傷つきが少ないほど、インキの内部乾燥性が良好と評価できる。
セロファンテープ面へのインキの取られ、インキ面の傷つきが生じる面積率について下記の基準にて評価した。
○:5%未満
△:5%以上〜20%未満
×:20%以上
〔印刷物の評価1:低マイグレーション性〕
低マイグレーション性の評価に関しては、基本的な評価手順は欧州印刷インキ評議会であるEuPIA(European Printing Ink Association)のガイドライン(EuPIA Guideline on Printing Inks、applied to the non−food contact surface of food packaging materials and articles、November 2011(Replaces the September 2009 version))に準拠した。
先ず上述の印刷物はコンベア速度40m/min.で2回UV照射することによりインキ層を乾燥させた。本条件における紫外線積算光量は約120mJ/cm2であった。続いて印刷物上面の硬化インキ層にミルクカートン白紙(以後、インキが展色されていない非印刷状態のミルクカートン紙をミルクカートン白紙と呼ぶ)の裏面が接するよう重ね合わせ、油圧プレス機を用いてプレス圧力40kg/cm2、室温25℃雰囲気下で48時間加圧することで、硬化インキ層中の未反応成分をミルクカートン白紙の裏面に移行(マイグレーション)させた。プレス後にミルクカートン白紙を取り外して成形し、1000ml容積の液体容器を作製した。この液体容器においてインキ成分の移行した裏面は内側に面している。次に擬似液体食品として用意したエタノール水溶液(エタノール95重量%と純水5重量%の混合溶液)1000mlを液体容器に注ぎ密閉した。なお、本条件においてエタノール水溶液1000mlと接触する液体容器内面の総面積はおよそ600cmであった。密閉した液体容器を室温25℃雰囲気下で24時間静置し、ミルクカートン白紙裏面に移行したインキ成分をエタノール水溶液中に抽出した。この後液体容器からエタノール水溶液を取り出し、液体クロマトグラフ質量分析にて使用した開始剤の同定及び各々の溶出濃度(マイグレーション濃度)を定量し、各開始剤成分のマイグレーション濃度の合計値から、3段階でマイグレーション性能を評価した。例として、開始剤A、B、C3種を使用した紫外線硬化型インキを用いた印刷物においては、開始剤Aのマイグレーション濃度が10ppb、開始剤Bのマイグレーション濃度が5ppb、開始剤Cのマイグレーション濃度が15ppbであった場合、開始剤成分のマイグレーション濃度の合計値は、A+B+C=10+5+15=30ppbと評価される。なお液体クロマトグラフ質量分析の定量に際しては、使用する全開始剤について各々上記エタノール水溶液を用いた検量線を予め作成し、これを用いることで算出した。
◎:20ppb未満
○:20〜30ppb未満
△:30ppb以上〜60ppb未満
×:60ppb以上
−:非検出
〔印刷物の評価2:臭気〕
前記硬化方法で硬化させた印刷物を縦5cm横2.5cmに切り取り、この切片を10枚用意した。この切片10枚を素早く外径40mm、高さ75mm、口内径20.1mm、容量50mlのコレクションバイアルに入れ、ふたを閉めて60℃の恒温槽に1時間保管し、コレクションバイアル中に臭気を充満させた。つぎに、このコレクションバイアルを室温になるまで放置し、臭気の強さを評価するモニター10名により、各サンプルの臭気の強さを10段階で評価した。
10名の臭気評価結果を平均し、そのサンプルの臭気の強さとした。なお、数値が高い方が、低臭であることを意味している。
○: 10〜7
△: 6〜4
×: 3〜1
Figure 2017019979
・Esacure One:オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、Lamberti社製「Esacure One」)、数平均分子量424.57、
・Irgacure184:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製「Irgacure184」、分子量204
・Omnipol TX:ポリ(オキシ−1,4−ブチレン)グリコールのジ(9−オキソ−9H−チオキサンチニル)オキシ酢酸エステル、IGMレジン社製2官能型増感剤「Omnipol TX」数平均分子量
・Genopol TX−1:脂肪族トリオールのアルキレンオキシド付加体のトリ9−オキソ−6H−チオキサンテン−カルボキシレート(RAHN社製3官能型増感剤「Genopol TX−1」:数平均分子量820)、
・SPEEDCURE DETX:2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン、LAMBSON製「SPEEDCURE DETX」、数平均分子量268、
・EAB−SS:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、大同化成工業社製「EAB−SS」、数平均分子量 324、
・GenopolAB−2:アミノベンゾエート化合物(RAHN社製「ジェノポールAB−2」)
・カーボンブラック:コロンビアンケミカル社製「ラーベン1060Ultra」、平均一次粒子径30nm、比表面積(NSA)66m/g、
・フタロシアニンブルー:DIC社製銅フタロシアニン「FASTOGEN BLUE TGR−1」)
・ジオキサジンバイオレット:クラリアント社製「ホスターパームバイオレット RL 02」
・タルク:含水ケイ酸マグネシウム、松村産業社製「ハイフィラー #5000PJ」
・炭酸マグネシウム:ナイカイ塩業社製「炭酸マグネシウムTT」
・ワックス:ポリオレフィンワックス、シャムロック社製「S−381−N1」
・安定剤溶液:p−メトキシフェノール(精工化学社製「メトキノン」)10質量%とエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(サートマー社製「SR494NS」)90質量%の混合溶液

Claims (9)

  1. 活性エネルギー線重合性化合物(A)、
    下記構造式B
    Figure 2017019979
    構造式B
    (構造式B中、
    は炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表し、
    〜Rは各々独立して炭素原子数1〜12のアルキル基又はアリール基を表し、
    またRとRとはそれぞれ一体となって環を形成してもよく、
    〜Rは各々独立して水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表す。)
    で表される部分構造を主たる骨格としており、かつ、その両末端又は片末端に活性エネルギー線重合性官能基を有する構造部位を有する重合開始剤(B)、
    及び数平均分子量500以上1500以下であってかつ波長300〜450nmに吸収波長を持つ増感剤(C)とを併用することを特徴とする活性エネルギー線硬化型印刷インキ。
  2. 数平均分子量500以上1500以下であってかつ波長300〜450nmに吸収波長を持つ増感剤(C)が、その分子構造中にチオキサンチル構造を有するものである請求項1記載の活性エネルギー線硬化型印刷インキ。
  3. 前記重合開始剤(B)が、下記一般式(1)で表されるマイケル付加供与体としての機能を有するα−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)と、マイケル受容体としての機能を有する重合性基を複数有する化合物(II)とのマイケル付加反応により得られるものである請求項1記載の活性エネルギー線硬化型印刷インキ。
    Figure 2017019979
    一般式(1)

    (一般式(1)中、
    は炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表し、
    〜Rは各々独立して炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表し、
    またRとRとはそれぞれ一体となって環を形成してもよく、
    〜Rは各々独立して水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表し、
    は単結合又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表し、
    はカルボニル基、又はチオカルボニル基を表し、
    は下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表される基を表し、
    は下記一般式(2)又は一般式(3)で表される基を表す。
    但し、Y及びYが共に一般式(2)で表される構造を有する場合は、その少なくとも一方のXは−NH−であり、また、Yが一般式(4)で表される構造であって、かつ、Yが一般式(2)で表される構造を有する場合は該一般式(2)中のXは−NH−である。)
    Figure 2017019979
    一般式(2)

    (一般式(2)中、X及びXは各々独立して、炭素原子数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基又はオキシアルキレン基を、Xは、単結合、−O−または−NH−を表す。)
    Figure 2017019979
    一般式(3)
    (一般式(3)中、Xは置換基を有するか若しくは無置換の炭素原子数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基又はオキシアルキレン基を表し、RおよびRは各々独立して脂肪族基又はアリール基を表す。)
    Figure 2017019979
    一般式(4)
    (一般式(4)中、R10およびR11は各々独立して脂肪族基又はアリール基を表す。)
  4. 前記一般式(1)で表されるマイケル付加供与体としての機能を有するα−アミノアセトフェノン骨格含有化合物(I)が、下記構造式(5)〜(26)で表される化合物である請求項2記載の活性エネルギー線硬化型印刷インキ。
    Figure 2017019979
    (5)

    Figure 2017019979
    (6)

    Figure 2017019979
    (7)

    Figure 2017019979
    (8)

    Figure 2017019979
    (9)

    Figure 2017019979
    (10)

    Figure 2017019979
    (11)

    Figure 2017019979
    (12)

    Figure 2017019979
    (13)

    Figure 2017019979
    (14)

    Figure 2017019979
    (15)

    Figure 2017019979

    (16)

    Figure 2017019979

    (17)

    Figure 2017019979

    (18)

    Figure 2017019979

    (19)

    Figure 2017019979

    (20)

    Figure 2017019979

    (21)

    Figure 2017019979

    (22)

    Figure 2017019979

    (23)

    Figure 2017019979

    (24)

    Figure 2017019979

    (25)

    Figure 2017019979

    (26)
  5. 前記マイケル受容体としての機能を有する重合性基を複数有する化合物(II)が、多官能型(メタ)アクリレート化合物である請求項3記載の活性エネルギー線硬化型印刷インキ。
  6. 前記活性エネルギー線重合性化合物(A)、前記重合性開始剤(B)、前記増感剤(C)に加え、数平均分子量320以上2000以下であってかつ波長200〜300nmに吸収波長を持つα−ヒドロキシケトン骨格含有光重合開始剤(B2)を含有する請求項1〜5の何れか一つに記載の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ。
  7. 前記重合性開始剤(B)が、下記構造式B
    Figure 2017019979
    構造式B

    (構造式B中、
    は炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表し、
    〜Rは各々独立して炭素原子数1〜12のアルキル基又はアリール基を表し、
    またRとRとはそれぞれ一体となって環を形成してもよく、
    〜Rは各々独立して水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表す。)
    で表される部分構造を主たる骨格としており、かつ、その両末端に活性エネルギー線重合性官能基を有する構造部位を有する重合性開始剤(B')であり、かつ、前記α−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)が、数平均分子量(Mn)320以上1000以下の範囲のものである場合、これらの質量基準での配合割合[(B')/(B2)]が300/100〜2000/100の範囲にあり、かつ、前記増感剤(C)の配合割合が前記(B')100質量部に対して5〜100質量部となる割合である請求項6記載の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ。
  8. 前記重合性開始剤(B)が、下記構造式B
    Figure 2017019979
    構造式B

    (構造式B中、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表し、
    〜Rは各々独立して炭素原子数1〜12のアルキル基又はアリール基を表し、
    またRとRとはそれぞれ一体となって環を形成してもよく、
    〜Rは各々独立して水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基を表す。)
    で表される部分構造を主たる骨格としており、かつ、その片末端に活性エネルギー線重合性官能基を有する構造部位を有する重合性開始剤(B”)であり、かつ、前記α−ヒドロキシケトン骨格含有重合開始剤(B2)が、数平均分子量(Mn)320以上1000以下の範囲のものである場合、これらの質量基準での配合割合[(B”)/(B2)]が100/100〜800/100の範囲にあり、かつ、前記増感剤(C)の配合割合が前記(B1−2)100質量部に対して5〜500質量部となる割合である請求項6記載の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ。
  9. 請求項1〜8の何れか一つに記載の活性エネルギー線硬化型印刷インキを基材に印刷し、活性エネルギー線を照射して硬化させてなる印刷物。
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