JP2017019945A - ロータ保護用樹脂組成物及びロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】含浸性及び厚塗り性が良好で、巻線が、異物や高速回転に伴う巻線同士の接触等により摩耗したり断線したりするのを防止することができるロータ保護用樹脂組成物、及びそのようなロータ保護用樹脂組成物を用いた耐久性に優れたロータを提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)ジシアンジアミドまたはその誘導体、(C)シリカ粉、及び(D)有機ベントナイトを含有し、(A)成分100質量部に対して(D)成分を1〜2質量部含有する常温で液状のロータ保護用樹脂組成物、及びそのような組成物からなる硬化物で巻線端部が被覆されているロータ。【選択図】なし

Description

本発明は、ロータ保護用樹脂組成物、及びこれを用いたロータに関する。
電動機を構成するロータは、回転軸に固定されたコアのスロット内に巻線を巻き付けるとともに、この巻線端部をスロットからコアの両端部に突出させた構造を有する。このようなロータでは、電動機内に侵入した異物がスロット内の巻線やスロットから突出する巻線端部を傷付け、摩耗または断線させるおそれがある。また、ロータの高速回転時、巻線同士が接触することによっても摩耗または断線が起こるおそれがある。そこで、従来より、スロット内の巻線やコアの両端部に突出する巻線端部、特に摩耗または断線を生じやすいコア両端部に突出する巻線端部をモールド樹脂で被覆し保護することが行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、このモールド樹脂で被覆し保護する技術は、製品形状に応じて金型を用意しなければならず、生産効率が低いうえ、製造コストも高くなる。また、巻線端部内へ樹脂を十分に含浸させることが難しいため、ボイドやクラックが発生しやすいという問題もあった。
このため、常温で液状の樹脂組成物を用いて、金型を使用せずに上記被覆を施す技術が検討されている。この場合、液状の樹脂組成物には、巻線端部の内部にまで十分に含浸される含浸性と、巻線の外側に十分な厚さの被覆を形成し得る厚塗り性が要求される。含浸性及び厚塗り性のいずれか一方が不十分であっても、巻線に対する十分な保護効果が得られない。しかしながら、液状の樹脂組成物において、含浸性と厚塗り性を両立させることは非常に難しい。そして、このような両特性を備えた、ロータの巻線の保護に有用な液状の樹脂組成物は未だ見出されていない。
特開平07−123618号公報 特開平03−070441号公報 特開2007−166683号広報
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、含浸性及び厚塗り性が良好で、コアのスロット内に巻き付けられた巻線やコアの両端部に突出する巻線が、異物や高速回転に伴う巻線同士の接触等により摩耗したり断線したりするのを防止することができるロータ保護用樹脂組成物、及びそのようなロータ保護用樹脂組成物を用いた耐久性に優れたロータを提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、沈降防止剤として知られる有機ベントナイトを含む樹脂組成物が、上記の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]の構成を有する、ロータ保護用樹脂組成物及びロータである。
[1](A)エポキシ樹脂、(B)ジシアンジアミドまたはその誘導体、(C)シリカ粉、及び(D)有機ベントナイトを含有する常温で液状のロータ保護用樹脂組成物であって、(A)成分100質量部に対して(D)成分を1〜2質量部含有することを特徴とするロータ保護用樹脂組成物。
[2](A)成分が、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする[1]のロータ保護用樹脂組成物。
[3](C)成分が、平均粒径0.1〜12μmの粉砕結晶シリカ粉を含むことを特徴とする[1]または[2]のロータ保護用樹脂組成物。
[4](D)成分は、分散時の平均粒径が0.5μm以下の有機ベントナイトであることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかのロータ用樹脂組成物。
[5]25℃の粘度が210〜350Pa・sであり、かつ150℃の粘度が10〜50Pa・sであることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかのロータ保護用樹脂組成物。
[6][1]乃至[5]のいずれかのロータ保護用樹脂組成物からなる硬化物で、巻線端部が被覆されていることを特徴とするロータ。
本発明によれば、含浸性及び厚塗り性が良好で、コアのスロット内に巻き付けられた巻線やコアの両端部に突出する巻線が、異物や高速回転に伴う巻線同士の接触等により摩耗したり断線したりするのを防止することができるロータ保護用樹脂組成物、及びそのようなロータ保護用樹脂組成物を用いた耐久性に優れたロータを提供することができる。
本発明の一実施形態のロータを示す上面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のロータ保護用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)ジシアンジアミドまたはその誘導体、(C)シリカ粉、及び(D)有機ベントナイトを含有する常温で液状の組成物である。
本発明に用いられる(A)成分のエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のグリシジル基(エポキシ基)を有するものであれば、特に限定されることはなく、公知のエポキシ樹脂を使用することができる。
使用可能なエポキシ樹脂の例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エーテルまたはポリエーテル型エポキシ樹脂(1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキサノールジグリシジルエーテル等)、エステルまたはポリエステル型エポキシ樹脂(ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、トリグリシジルイソシアヌレート等)、ウレタン型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジル変性ポリブタジエン、グリシジル変性トリアジン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、可とう性エポキシ樹脂、メタクリル変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、特殊変性エポキシ樹脂、側鎖水酸基アルキル変性エポキシ樹脂、長鎖アルキル変性エポキシ樹脂、イミド変性エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
エポキシ樹脂は、常温で液状であることが好ましいが、常温で固体のものであっても、液状のエポキシ樹脂、反応性希釈剤、溶剤等に希釈分散することにより液状にして用いることができる。好ましい液状のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明に用いられる(B)成分のジシアンジアミドまたはその誘導体は、上記(A)成分の硬化剤として作用する成分である。ジシアンジアミド及びその誘導体は、融点が高いため(例えば、ジシアンジアミドの融点は約210℃である)、組成物に良好な貯蔵安定性、貯蔵寿命(シェルフライフ)を付与する。また得られる硬化物は良好な機械的特性を発現する。ジシアンジアミドの誘導体の具体例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、またはカルボン酸のグリシジルエステル類等の各種エポキシ化合物との反応物等が挙げられる。ジシアンジアミドまたはその誘導体は、1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。本発明の目的のためには、なかでもジシアンジアミドの使用が好ましく、ジシアンジアミドの単独使用がより好ましい。
この(B)成分のジシアンジアミドまたはその誘導体の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して、1〜12質量部が好ましく、4〜10質量部がより好ましく、7〜9質量部がより一層好ましい。1質量部未満では、硬化が不十分で巻線を固定する力が低下するおそれがあり、12質量部を越えると、組成物のガラス転移点が下がり、高温時、巻線を固定する力が低下するおそれがある。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、従来、エポキシ樹脂の硬化剤として知られるものを併用してもよい。併用可能な硬化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、ポリパラビニルフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂等のフェノール樹脂硬化剤;無水マレイン酸、無水フタル酸等の酸無水物;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン硬化剤等が挙げられる。
本発明に用いられる(C)成分のシリカ粉は、特に限定されず、結晶シリカ、溶融シリカ等の公知のシリカ粉を用いることができる。含浸性の点からは、なかでも結晶シリカが好ましく、粉砕結晶シリカがより好ましい。
また、含浸性の点から、(C)成分のシリカ粉は、平均粒径が0.1〜12μmであることが好ましく、5〜9μmであることがより好ましい。すなわち、用いるシリカ粉の平均粒径が0.1〜12μmの範囲であれば、組成物の含浸性を高めることができる。ここで、シリカ粉の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した個数積算分布における50%粒径(D50値)である。
(C)成分として好適な平均粒径が0.1〜12μmの粉砕結晶シリカの市販品を例示すると、例えば、平均粒径8μmのクリスタライト5X、平均粒径が6μmのクリスタライトAA(以上、いずれも(株)龍森製 商品名)等が挙げられる。なお、市販の平均粒径の異なる複数種のシリカ粉を使用する場合、混合後の平均粒径が上記条件を満たしていればよい。
(C)成分のシリカ粉の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、200〜400質量部の範囲が好ましく、250〜350質量部の範囲がより好ましい。200質量部未満では、ロータ内部の熱が十分に放散されずに、温度が上昇し、コンミテータ(整流子)等のロータを構成する部品の寿命特性が低下するおそれがある。一方、400質量部を超えると、粘度が増大して、含浸性が低下し、またボイドが生じやすくなる。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、従来、エポキシ樹脂組成物に配合されている各種充填剤を配合してもよい。併用する充填剤は、無機系及び有機系のいずれであってもよい。無機系充填材としては、例えば、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、炭酸カルシウム、マグネシア、ベーマイト、水酸化アルミニウム、タルク等が挙げられる。球状溶融シリカ以外のシリカ、例えば、破砕溶融シリカや結晶シリカ等も使用可能である。有機系充填剤としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリテトラフロロエチレン等のフッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ベンゾグアナミンやメラミンとホルムアルデヒドとの架橋物等が挙げられる。さらに、シリカとアクリル樹脂との複合材等、有機化合物と無機化合物を複合した充填材等も使用される。これらの充填剤は、分散性等を高めるため、アルコキシシラン、アシロキシシラン、シラザン、オルガノアミノシラン等のシランカップリング材等により表面処理が施されていてもよい。
本発明に用いられる(D)成分の有機ベントナイトは、粘土鉱物であるモンモリロナイトの結晶表面を、トリアルキルベンジルアンモニウム、ジメチルジアルキルアンモニウム、トリメチルアルキルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩で変性させた複合体からなるものである。この有機ベントナイトは、有機溶剤に懸濁すると膨潤して増粘し、分散液に剪断力をかけると薄片状結晶が流れに対して平行に配列するために粘性が低下し、分散液を再び静止状態にすると薄片状結晶の端面に存在している水酸基の水素結合により会合し、薄片状結晶同士がネットワークを形成するために粘性が増加する性質を有する。このような有機ベントナイトを配合することにより、本発明の組成物に良好な含浸性と良好な厚塗り性を付与することができる。
有機ベントナイトの市販品を例示すると、例えば、エスベン、エスベンC、エスベンE、エスベンW、エスベンP、エスベンWX、エスベンN−400、エスベンNX、エスベンNX80、エスベンNO12S、エスベンNEZ、エスベンNO12、エスベンNE、エスベンNZ、エスベンNZ70、オルガナイト、オルガナイトD、オルガナイトT(以上、(株)ホージュン製 商品名);ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSTN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSPN、ソマシフME−100、ソマシフMAE、ソマシフMTE、ソマシフMEE、ソマシフMPE(以上、コープケミカル(株)製 商品名);クニピアF、クニピアG、クニピアG4(以上、クニミネ工業(株)製 商品名);チクソゲルVZ、クレイトンHT、クレイトン40(以上、ロックウッド アディティブス社製 商品名)等が挙げられる。有機ベントナイトは、1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
(D)成分の有機ベントナイトは、分散時の平均粒径が0.5μm以下となるものが好ましく、0.3μm以下となるものがより好ましい。分散時の平均粒径が0.5μm以下であれば、良好な含浸性を維持しつつ、良好な厚塗り性を得ることができる。分散時の平均粒径が0.5μm以下となる有機ベントナイトの市販品としては、例えば、エスベン、エスベンC、エスベンE、エスベンW、エスベンP、エスベンWX等が挙げられる。ここで、分散時の平均粒径とは、有機溶剤に分散させたときの平均粒径(メジアン径(d50))をいい、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定することできる。
この(D)成分の有機ベントナイトの配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、1〜2質量部の範囲であり、好ましくは1.2〜1.8質量部の範囲である。
1質量部未満では、良好な厚塗り性が得られない。一方、2質量部を超えると、含浸性が低下し、またボイドが生じやすくなる。
本発明のロータ保護用樹脂組成物には、上記(A)成分と(B)成分との硬化を促進する目的で、硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤は、上記(A)成分と(B)成分との硬化を促進することができるものであれば、特に制限されることなく使用することができる。
使用可能な硬化促進剤の例としては、ウレア系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、有機ホスフィン系硬化促進剤、ジアザビシクロ系硬化促進剤、有機ボロン塩系硬化促進剤、ポリアミド系硬化促進剤等が挙げられる。保存安定性等の点から、なかでもウレア系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、ウレア系硬化促進剤がより好ましい。
ウレア系硬化促進剤の具体例としては、例えば、芳香族ジメチルウレア、脂肪族ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチルウレア、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン、1,1’−4(メチル−m−フェニレン)ビス(3,3’−ジメチルウレア)、4,4’メチレンビス(フェニルジメチルウレア)等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤の具体例としては、例えば、2‐メチルイミダゾール、2‐ウンデシルイミダゾール、2‐ヘプタデシルイミダゾール、1,2‐ジメチルイミダゾール、2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール、2‐フェニルイミダゾール等が挙げられる。
硬化促進剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。その配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対して、0.5〜3.0質量部の範囲が好ましく、0.5〜1.5質量部の範囲がより好ましい。0.5質量部未満では、硬化促進効果が十分得られず、3.0質量部を超えると、硬化促進効果はさほど変わらずに、耐熱性が低下するおそれがある。
本発明のロータ保護用樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、粘度調整剤、希釈剤、カップリング剤等の接着助剤、硬化促進助剤、消泡剤、着色剤(顔料、染料)、界面活性剤、難燃剤、チクソ性付与剤その他の各種添加剤を、必要に応じて配合することができる。これらの各添加剤はいずれも1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
粘度調整剤としては、例えば、酢酸セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ−ブチルラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジドン等が挙げられる。
希釈剤としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル等が挙げられる。
カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤等が挙げられる。
本発明のロータ保護用樹脂組成物は、前記した(A)〜(D)成分、及び必要に応じて配合される硬化促進剤、希釈剤等の添加剤等を十分に混合した後、さらにディスパース、ニーダ、三本ロールミル、遊星撹拌機等により混練処理を行い、その後、減圧脱泡することにより調製することができる。
本発明のロータ保護用樹脂組成物は、EHD型回転粘度計により、温度25℃、回転数0.5rpmで測定される粘度が210〜350Pa・sであることが好ましい。この範囲であれば、良好な厚塗り性を確保することができる。
また、本発明のロータ保護用樹脂組成物は、レオメータにより回転数0.5rpmで測定される150℃における溶融粘度が10〜50Pa・sであることが好ましい。この範囲であれば、良好な含浸性を確保することができる。この150℃における溶融粘度は、15〜45Pa・sであるとより好ましい。
本発明のロータ保護用樹脂組成物は、良好な含浸性と良好な厚塗り性を併せ有するため、これを用いて、従来のような金型によらずに、ロータに装着された巻線を保護する被覆を形成することができ、高速回転によっても巻線が摩耗したり断線したりすることはない耐久性に優れたロータを得ることができる。
次に、本発明のロータ保護用樹脂組成物を用いた本発明のロータについて説明する。
本発明のロータは、例えば、ロータコアに巻き付けられ、その端部から突出している巻線に、本発明の常温で液状のロータ保護用樹脂組成物を滴下含浸させ、その後、ロータ保護用樹脂組成物を加熱硬化させることにより製造することができる。ロータ保護用樹脂組成物を硬化させる際の温度は、通常、150〜170℃であり、0.5〜1.0時間程度加熱することが好ましい。また、ロータ保護用樹脂組成物を巻線に滴下する際は、ロータコアの中心に挿通されたシャフト(回転軸)を水平に支持し、回転させながら行うことが好ましい。ロータコアを回転させながら行うことにより、速やかに被覆することができ、かつ被覆厚の均一性を高めることができる。
図1は、このようにして得られた本発明のロータ10の一例を示したものであり、コア1端部に突出している巻線2の端部2aが本発明のロータ保護用樹脂組成物からなる被覆3で保護固定されている。上述したように本発明のロータ保護用樹脂組成物は含浸性及び厚塗り性に優れるため、組成物は巻線端部2aの内部にまで十分に含浸されるとともに、外側は十分な厚さに被覆される。したがって、巻線2が、異物や高速回転に伴う巻線同士の接触等によって摩耗したり断線したりすることはなく、ロータ10は優れた耐久性を具備する。
なお、図1において、4はシャフト(回転軸)、5はコア1の外周面に設けられ、巻線2が巻き付けられたスロット、6はコア1の一端側に装着され、巻線2に電気的に接続されたコンミテータ(整流子)を示している。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において使用した材料は表1に示した通りである。また、「部」は特に断らない限り「質量部」を意味する。
Figure 2017019945
(実施例1)
エポキシ樹脂100部、硬化剤I8.0部、硬化促進剤1.0部、結晶粉砕シリカ300部、及び有機ベントナイト1.5部をプラネタリーミキサで均一に混合してエポキシ樹脂組成物を調製した。
(実施例2〜4、比較例1〜6)
組成を表2に示すように変えた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。
上記各実施例及び各比較例で得られたエポキシ樹脂組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価し、その結果を表2に併せ示した。
<エポキシ樹脂組成物>
(1)初期粘度(25℃)
東機産業(株)製のEHD型粘度計を用い、25℃、0.5rpmの条件で測定した。
(2)溶融粘度
TA Instruments社製のレオメータを用い、測定ギャップ2mm、回転数0.5rpmの条件で、温度150℃における溶融粘度を測定した。
(3)ガラス転移点(Tg)
エポキシ樹脂組成物を150℃で1時間の条件で硬化させて作製した試料について、熱分析装置TMA/SS150(セイコーインスツルメンツ社製 型名)により、室温から250℃まで昇温して(昇温速度20℃/分)熱膨張曲線を測定し、変位点の中点から求めた。
(4)コイル含浸性
直径40mm、長さ200mmのコアのスロット部に直径1.2mmの巻線(AIW線)を10回巻き付けたモデルコイルを用意し、これに25℃でエポキシ樹脂組成物4mlを滴下含浸させ、170℃で30分間加熱硬化させた後、硬化物を任意の断面で切断し、その切断面における樹脂の充填部面積(S)と樹脂の未充填部面積(S)を測定し、次式より切断面における樹脂の充填率(%)を算出した。充填率が100%に近いほど含浸性が良好であることを示す。
充填率(%)={S/(S+S)}×100
(5)シェルフライフ
東機産業(株)製のEHD型粘度計を用いて、0.5rpmの条件で測定する25℃における粘度が、初期粘度の2倍に達するまでの日数を測定した。
(6)成形性
150℃で0.5時間加熱し硬化させて得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物表面におけるボイドの有無を目視で確認し、下記の基準で評価した。
○:ボイドなし
×:ボイドあり
(7)厚塗り性
直径40mm、長さ200mmのコアのスロット部に直径1.2mmの巻線(AIW線)を10回巻き付けたモデルコイルを用意し、これに25℃でエポキシ樹脂組成物4mlを滴下含浸させ、170℃で30分間加熱硬化させた後、その表面を目視で観察し、内部のエナメル線の視認の可否により、下記の基準で評価した。この厚塗り性は硬化膜によるコイルの保護効果を示す指標となるもので、エナメル線が視認できない場合は、硬化膜の厚さが十分で、コイルに対し良好な保護効果が得られることを示す。逆に、エナメル線が視認できる場合は、硬化膜の厚さが不十分で、コイルに対し良好な保護効果が得られないことを示す。
○:エナメル線が視認できない
×:エナメル線が視認できる。
<製品(ロータ)>
(1)オーバーロード試験
直径40mm、長さ200mmのコアのスロット部に直径1.2mmの巻線(AIW線)を巻き付けた後、25℃でエポキシ樹脂組成物4mlを滴下含浸させ、170℃で30分間加熱硬化させてコイルを作製した。このコイルに、無負荷(15秒)及び負荷(0.7A、30秒)を20回繰り返した後、負荷電流を毎秒10%ずつ、1分間上昇させて、巻線の断線の有無を調べ、1分の間に断線が生じなかった場合を「合格」、断線が生じた場合を「不合格」とした。なお、1分以内に断線が生じたものについては、その断線までの時間を併せ示した。
Figure 2017019945
表2からも明らかなように、実施例のエポキシ樹脂組成物は、含浸性、成形性、厚塗り性に関し、いずれも良好な特性を有しており、これを用いたコイル装置はオーバーロード試験において良好な結果が得られた。これに対し、有機ベントナイトが未配合または過小配合の比較例1、3では厚塗り性が不良で、有機ベントナイトが過剰配合の比較例2では含浸性、成形性が不良であった。また、有機ベントナイトに代えて乾式シリカを用いた比較例4では、厚塗り性とともに含浸性が不良であり、硬化剤のジシアンジアミドに代えてアミン系硬化剤または酸無水物を用いた比較例ではボイドが発生し、コイル装置のオーバーロード試験の結果も不良であった。
1…コア、2…巻線、2a…巻線端部、3…ロータ保護用樹脂組成物からなる被覆、4…シャフト(回転軸)、5…スロット、6…コンミテータ(整流子)、10…ロータ。

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)ジシアンジアミドまたはその誘導体、(C)シリカ粉、及び(D)有機ベントナイトを含有する常温で液状のロータ保護用樹脂組成物であって、
    (A)成分100質量部に対して(D)成分を1〜2質量部含有することを特徴とするロータ保護用樹脂組成物。
  2. (A)成分が、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載のロータ保護用樹脂組成物。
  3. (C)成分が、平均粒径0.1〜12μmの粉砕結晶シリカ粉を含むことを特徴とする請求項1または2記載のロータ保護用樹脂組成物。
  4. (D)成分は、分散時の平均粒径が0.5μm以下の有機ベントナイトであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のロータ保護用樹脂組成物。
  5. 25℃の粘度が210〜350Pa・sであり、かつ150℃の粘度が10〜50Pa・sであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のロータ保護用樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載のロータ保護用樹脂組成物からなる硬化物で、巻線端部外周が被覆されていることを特徴とするロータ。
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