JP2017019383A - カーテンエアバッグ - Google Patents

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鈴木 裕之
Hiroyuki Suzuki
裕之 鈴木
藤澤 直樹
Naoki Fujisawa
直樹 藤澤
中村 真也
Shinya Nakamura
真也 中村
孝彰 二井
Takaaki Nii
孝彰 二井
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Abstract

【課題】カーテンエアバッグに関し、乗員保護性能を向上させる。
【解決手段】車室内10の側面に沿って展開されるメインチャンバー2を設ける。メインチャンバー2の前方においてフロントピラー9に対向してメインチャンバー2とともに展開されるサブチャンバー3を設ける。サブチャンバー3は、フロントピラー9からの反力を受けてメインチャンバー2の前端部15を車室内10方向へと押圧するように設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の車室内に設けられるカーテンエアバッグに関する。
従来、カーテンエアバッグの形状や構造に工夫を施すことにより、展開時におけるカーテンエアバッグの姿勢をコントロールする技術が知られている。例えば、カーテンエアバッグの前端部とフロントピラーとの間をテザー(張力ストラップ)で接続し、カーテンエアバッグに張力を作用させる技術が存在する。この張力は、カーテンエアバッグの膨張,展開中に、カーテンエアバッグがサイドウィンドウの外側へと飛び出すことを阻止するように作用する(特許文献1参照)。
また、カーテンエアバッグのうち、テザーで牽引される位置よりも前方側に袋状の副展開部を設ける技術も存在する。この副展開部は、着座姿勢の乗員から見て、フロントピラーやインストルメントパネルの車幅方向外端側を覆って膨張,展開されるように形成される。これにより、フロントエアバッグの側方に副展開部が配置されることになり、乗員から見て、車両外側に向かう斜め前方がカバーされる(特許文献2参照)。
特開2014-015103号公報 特開2014-162313号公報
従来のカーテンエアバッグの前端部に取り付けられるテザーは、張力を担う部材であって、圧縮方向の荷重を負担することができない。そのため、カーテンエアバッグの前端部に車両前方へ向かう荷重が作用した場合、前端部がフロントピラーの位置まで押し込まれるまでの間は、その荷重を支えることができない。つまり、カーテンエアバッグの前端部とフロントピラーとの距離が長いほど、乗員頭部の可動ストロークが長くなってしまう。したがって、乗員保護性能のさらなる向上のためには改良の余地がある。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、乗員保護性能を向上させることができるカーテンエアバッグを提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示するカーテンエアバッグは、車室内の側面に沿って展開される主室と、前記主室の前方においてフロントピラーに対向して前記主室とともに展開され、前記フロントピラーからの反力を受けて前記主室の前端部を車室内方向へと押圧する副室とを備える。
(2)前記副室が、第一副室と第二副室とを有することが好ましい。前記第一副室は、前記フロントピラーに沿って展開され、前記フロントピラーの表面に接触する支持面を有することが好ましい。また、前記第二副室は、前記第一副室と前記主室とに接続して展開され、前記第一副室との接続側よりも前記主室との接続側が車室内側となることが好ましい。
(3)前記副室が、後端を前記主室に接続され、前端を前記第一副室の一端側に係止される接続部材を有することが好ましい。
(4)前記接続部材の展開後の長手方向長さが、前記第一副室の展開後の長手方向長さと前記第二副室の展開後の長手方向長さとの和よりも短いことが好ましい。
(5)前記接続部材が、前記主室に連通接続し展開される第三副室であり、前記第二副室及び前記第三副室が、連通部を介して前記主室と接続されていることが好ましい。
(6)前記副室が、前記主室の下端部近傍に接続されることが好ましい。
(7)前記副室が、前記フロントピラーの基端部に固定されることが好ましい。
(8)前記主室と前記副室との接続箇所よりも車両後方に設けられ、前記副室からの押圧力を受けて前記主室に折り目を形成する折り目部材を備えることが好ましい。
開示のカーテンエアバッグによれば、前端部の可動ストロークを短縮することができ、乗員保護性能を向上させることができる。
実施形態としてのカーテンエアバッグが設けられた車両の車室内を示す斜視図である。 展開状態のカーテンエアバッグの前端部を示す斜視図である。 収納状態のカーテンエアバッグを示す側面図である。 展開状態のカーテンエアバッグの部分断面図(上面視)である。 (A),(B)は変形例としてのカーテンエアバッグを示す斜視図である。
図面を参照して、実施形態としてのカーテンエアバッグについて説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.構成]
図1に、カーテンエアバッグ1が適用された車両の車室内10を示す。カーテンエアバッグ1は、左右の窓面13を覆うように展開されるエアバッグである。展開前のカーテンエアバッグ1は、左右のフロントピラー9やその上端部に連結される車室側面上方のルーフサイドレールの表面を被覆するトリムの内側に折り畳まれて収納される。また、車両に衝突等の何らかの衝撃力が作用すると、インフレータで発生したガスが、折り畳まれて収納されているカーテンエアバッグ1の内部に供給され、膨張したカーテンエアバッグ1がトリム外部の下方へと展開される。なお、車室内10には、カーテンエアバッグ1のほか、乗員の前方に展開されるフロントエアバッグ11や、運転席及び助手席の側方に展開されるサイドエアバッグ12なども設けられる。
このカーテンエアバッグ1には、メインチャンバー2とサブチャンバー3とが設けられる。メインチャンバー2(主室)は、車室内10の左右側面に沿って展開される袋体である。メインチャンバー2の前端部15の位置は、フロントピラー9の近傍とされる。図1の例では、前端部15の上部がフロントピラー9と重なり、前端部15の下部がドアミラー基端部の三角パネル16の近傍に位置するように、メインチャンバー2の形状が設定されている。
メインチャンバー2の内部には、前端部15よりも車両後方において、表裏の基布を接続する複数の折り目部材8が設けられる。これらの折り目部材8は、メインチャンバー2が展開されたときの幅を規制するための紐状部材であり、メインチャンバー2の前端部15を車室内10に向かって折れ曲がりやすくするように機能する。折り目部材8による接続位置は、上下方向に伸びた直線をなすように配置される。これにより、展開したメインチャンバー2の表面には、縦方向の折り目が形成される。なお、折り目部材8を用いて折り目を形成する代わりに、表裏の基布を縫合してライン状のシーム(縫い目)を設けてもよい。
サブチャンバー3(副室)は、メインチャンバー2の前端部15よりも車両前方に配置された袋体である。サブチャンバー3の内部はメインチャンバー2の内部と連通しており、メインチャンバー2の展開時にはサブチャンバー3も一緒に展開される。すなわち、サブチャンバー3は、メインチャンバー2の前方においてフロントピラー9に対向した状態で、メインチャンバー2とともに展開される。なお、メインチャンバー2の内部にガスを供給するインフレータと、サブチャンバー3の内部にガスを供給するインフレータとを別設してもよいし、同一のインフレータを使用してもよい。
サブチャンバー3の前端部17は、フロントピラー9の下方の基端部に固定される。一方、サブチャンバー3の後端部18は、メインチャンバー2の前端部15における下端部近傍に接続される。メインチャンバー2とサブチャンバー3との接続箇所には、図2に示すように、中空紐状の連通路19が設けられ、ここで収納時のねじれが吸収される。なお、サブチャンバー3の体積は、メインチャンバー2の体積と比較して小さく設定することが好ましい。
サブチャンバー3は、メインチャンバー2の展開時に前端部15を車室内10の方向に押圧するように機能する部位である。すなわち、メインチャンバー2の前端部15を内側に向かって屈曲させることで、乗員から見て車両外側の斜め前方をカバーさせる。図1に示すように、運転席から見て右斜め前方,助手席から見て左斜め前方は、フロントエアバッグ11とカーテンエアバッグ1との隙間が生じやすい部分である。このような隙間が、サブチャンバー3に押圧されたメインチャンバー2の前端部15によって閉塞される。
なお、メインチャンバー2の前端部15の展開形状をあらかじめ車室内10の方向へと折り曲げた形状にしておけば、少なくともこれらの隙間を閉塞することが可能である。しかし、閉塞された隙間に向かって荷重が作用した場合には、前端部15がフロントピラー9の位置まで押し込まれ、荷重による可動ストロークが長くなってしまう。そこで、本実施形態のサブチャンバー3の形状は、フロントピラー9の反力をメインチャンバー2の前端部15へと伝達しうる形状とする。つまり、本実施形態のサブチャンバー3は、メインチャンバー2の前端部15とフロントピラー9との間に展開されて、前端部15を押圧するとともに前端部15を「裏支え」するように機能する。
サブチャンバー3の構造を図2に例示する。このサブチャンバー3には三つの気室、すなわち、外前チャンバー4,外後チャンバー5,内チャンバー6が設けられる。これらのチャンバー4〜6は何れも中空棒状の袋体であり、メインチャンバー2に対して連通状態とされる。各チャンバー4〜6の概略形状は、左右両端部を結わえた小豆袋の形状(あるいはソーセージ形状)に準えることができる。展開された各チャンバー4〜6は、所定長さのリンク部材として機能し、メインチャンバー2の前端部15の位置を弾性的に固定するトラス構造を形成する。図2に示すトラス構造は、三つの気室を三角形状に接続してなる平面トラスの例である。
外前チャンバー4(第一副室)は、三つの気室のうち、最も車両前方側に配置された気室である。外前チャンバー4は、フロントピラー9の車両幅方向に対向するように配置され、表面に沿って車両前後方向に展開される。ここで、外前チャンバー4のうち、フロントピラー9に対向する面を「支持面20」と呼ぶ。支持面20は、フロントピラー9の表面に対して比較的広い面積で面接触するように、平坦に形成される。支持面20の表面は、摩擦抵抗が増大するように粗面加工される。
外前チャンバー4の前端21は、固定具14を介してフロントピラー9に固定される。固定具14は、外前チャンバー4を回動可能に支持するジョイントであってもよいし、単にその前端21を係止するクリップであってもよい。また、外前チャンバー4の後端22は、外後チャンバー5の前端23に連通状態で接続される。なお、外前チャンバー4の後端22と外後チャンバー5の前端23との間に、中空紐状の連通路や弁を介装してもよいし、単に孔をあけて二つのチャンバー4,5を繋いでもよい。また、外前チャンバー4の前端21は密閉してもよいし、所定の隙間を設けてもよい。
外後チャンバー5(第二副室)は、外前チャンバー4よりも車両後方側に配置された気室であり、外前チャンバー4の後端22とメインチャンバー2とに連通状態で接続される。外後チャンバー5の前端23は、展開状態でフロントピラー9の近傍となるように、あるいはドアミラー基端部の三角パネル16の近傍に位置するように配置される。外後チャンバー5の後端24は、前述の連通路19を介してメインチャンバー2の前端部15に接続される。図2に示すように、外後チャンバー5は、外前チャンバー4との接続側(前端23側)よりも、メインチャンバー2との接続側(後端24側)が車室内側となるように設けられる。
内チャンバー6(第三副室,接続部材)は、三つの気室のうち、最も車室内10側に配置された気室である。内チャンバー6の後端26は、外後チャンバー5と同様に、連通路19(連通部)を介してメインチャンバー2の前端部15に接続される。一方、内チャンバー6の前端25は、少なくとも展開時に外前チャンバー4の前端21側に係止されるように設けられる。本実施形態では、内チャンバー6の前端25が、外前チャンバー4に対して摺動自在に設けられる。
図2に示すように、この前端25には、外前チャンバー4の外周に環装されたリング7(環部材)が取り付けられる。リング7の直径は、少なくともサブチャンバー3の展開中に外前チャンバー4がその内部を移動しうる大きさに設定される。なお、サブチャンバー3が展開した後には、リング7と外前チャンバー4との相対移動が拘束されてもよい。したがって、リング7の内径を、展開後の外前チャンバー4よりも細く形成してもよい。
各チャンバー4〜6の展開後の長さに関して、内チャンバー6の長手方向長さL3は、外前チャンバー4の長手方向長さL1と外後チャンバー5の長手方向長さL2との和よりも短い寸法に設定される(L3<L1+L2)。各チャンバー4〜6の展開後には、各チャンバー4〜6を三辺とした三角形が形成され、平面状のトラス構造が完成する。ここで、外前チャンバー4の支持面20がフロントピラー9の表面に面接触してその位置が固定されると、外前チャンバー4を底辺とする三角形の頂点の位置が一意に定まることになる。この頂点の位置は、メインチャンバー2の連通路19の位置に相当する。したがって、外前チャンバー4とフロントピラー9とを接触させることで、メインチャンバー2の前端部15の位置が特定される。
図3は、サブチャンバー3の収納状態を例示する図である。各チャンバー4〜6は、平面状にガス抜きされて巻回され、あるいは折り畳まれた格好で、フロントピラー9のトリム内側に収納される。ここで仮に、内チャンバー6の前端25が外前チャンバー4の前端21と同じ位置でフロントピラー9に固定されているとすれば、内チャンバー6の長手方向長さL3が短いことから、外前チャンバー4と外後チャンバー5とを長さ方向に折り畳まなければならない。一方、内チャンバー6の前端25を外前チャンバー4に対して摺動自在とすることで、各チャンバー4〜6を長さ方向に折り畳まずに収納することができる。
[2.展開状態]
カーテンエアバッグ1のインフレータが作動すると、インフレータ内で発生したガスがメインチャンバー2の内部に供給され、メインチャンバー2がカーテン状に展開される。サブチャンバー3がまだ展開されていない状態では、メインチャンバー2が窓面13やドア側面に沿って展開されるため、メインチャンバー2の前端部15がフロントピラー9の近傍に位置している。一方、サブチャンバー3が展開されると、図4に示すように、メインチャンバー2の前端部15がサブチャンバー3を介してフロントピラー9から離れる方向(車室内10へ向かう方向)へと押圧され、折り目に沿って折り曲げられる。
外前チャンバー4の支持面20は、フロントピラー9の表面に面接触し、その位置が固定される。支持面20には粗面加工が施されているため、その位置がずれにくく、外前チャンバー4の固定状態が安定する。また、外前チャンバー4の前端21には内チャンバー6が係止され、外前チャンバー4の後端22には外後チャンバー5が設けられる。これらの外後チャンバー5,内チャンバー6は、ともにメインチャンバー2の前端部15に接続される。
これにより、上面視で三角形状の平面トラスが形成され、メインチャンバー2の前端部15の位置が安定的に固定される。このとき、図4に示すように、折り目部材8が列設された箇所を折り目として、メインチャンバー2の前端部15が車室内10側へと折り曲げられ、メインチャンバー2の前端部15がフロントエアバッグ11に押し付けられる。したがって、フロントエアバッグ11よりも車両外側の隙間は、メインチャンバー2の前端部15によって閉塞される。これにより、衝突時の乗員の保護エリアが拡大し、乗員頭部を適切に保護することができる。
上記のトラス構造は、カーテンエアバッグ1の展開時に前端部15を車室内10へ押し込むだけでなく、前端部15を「裏支え」する機能を持つ。例えば、図4中に白抜き矢印で示すように、メインチャンバー2の前端部15に車両前方へ向かう荷重が作用すると、その荷重が外後チャンバー5及び内チャンバー6の双方に分散される。また、分散した荷重はフロントピラー9に伝達され、フロントピラー9によって支持されることになる。したがって、メインチャンバー2の前端部15が押し込まれにくくなり、前端部15の可動ストロークが短縮される。
[3.効果]
(1)上記のカーテンエアバッグ1では、メインチャンバー2の展開時にその前端部15がサブチャンバー3によって車室内10の方向へと押圧される。これにより、乗員から見て車両外側に向かう斜め前方をカバー(被覆)することができ、乗員保護性能を向上させることができる。また、前端部15の裏側がサブチャンバー3を介してフロントピラー9に支持されることから、前端部15が押し込まれにくくなり、荷重に対する沈み込み量(押し込まれ量)が減少する。つまり、前端部15の可動ストロークを短縮することができ、乗員保護性能をさらに向上させることができる。
(2)上記のサブチャンバー3には、図4に示すように、外前チャンバー4と外後チャンバー5とが設けられる。外前チャンバー4には支持面20が設けられ、フロントピラー9の表面に対して面接触するように形成される。また、外後チャンバー5は、外前チャンバー4とメインチャンバー2とに連通状態で接続される。
これにより、サブチャンバー3とフロントピラー9との接触面積を増大させることができ、サブチャンバー3の固定状態を安定させることができる。したがって、メインチャンバー2の前端部15の位置精度を高めることができる。
また、サブチャンバー3がフロントピラー9の表面でずれにくくなるため、フロントピラー9からの反力を増大させることができ、前端部15の可動ストロークをより短縮することができる。したがって、乗員保護性能をさらに向上させることができる。
さらに、支持面20に粗面加工が施されているため、支持面20でのスリップを効果的に抑制することができ、前端部15の位置精度や安定性を向上させることができる。したがって、乗員保護性能をさらに向上させることができる。
(3)上記のサブチャンバー3には、図4に示すように、内チャンバー6(第三副室,接続部材)が設けられる。内チャンバー6は、その後端26がメインチャンバー2に連通状態で接続され、その前端25が外前チャンバー4の前端21に係止される。これにより、メインチャンバー2の前端部15に荷重が作用したときに、その荷重を外後チャンバー5と内チャンバー6とに分散させることができる。したがって、前端部15の可動ストロークをさらに短縮することができ、乗員保護性能を向上させることができる。
(4)上記のカーテンエアバッグ1では、内チャンバー6の長手方向長さL3が、外前チャンバー4の長手方向長さL1と外後チャンバー5の長手方向長さL2との和よりも短い寸法に設定される。これにより、各チャンバー4〜6を三辺とした三角形状の平面トラスを形成することができ、メインチャンバー2の前端部15を安定的に固定することができる。また、荷重に対する耐性が高められることから、乗員保護性能をさらに向上させることができる。
(5)上記のカーテンエアバッグ1では、外後チャンバー5と内チャンバー6とが連通路19を介してメインチャンバー2に接続されている。これにより、メインチャンバー2を膨張させるためのインフレータを用いて外後チャンバー5,内チャンバー6を展開することができる。これに加えて、外後チャンバー5,内チャンバー6が展開するタイミングをメインチャンバー2の展開後にすることができる。また、共通の連通路19を介してこれらの副室(外後チャンバー5,内チャンバー6)をメインチャンバー2に接続することで、カーテンエアバッグ1の収納時におけるねじれをまとめて吸収することができる。さらに、連通路19を介して荷重を外後チャンバー5と内チャンバー6とに分散させることができる。
(6)上記のカーテンエアバッグ1では、サブチャンバー3がメインチャンバー2の下端部近傍に接続されるため、メインチャンバー2がある程度展開された後にサブチャンバー3を展開させることができる。したがって、メインチャンバー2の展開を阻害することなくその前端部15を車室内10に向けて折り曲げることができ、乗員保護性能をさらに向上させることができる。
また、サブチャンバー3をメインチャンバー2の上端部近傍に接続した場合と比較して、フロントエアバッグ11に近い位置で前端部15を押圧することができる。これにより、前端部15をフロントエアバッグ11に押し付けることができ、乗員から見て車両外側の斜め前方に生じうる隙間を閉塞することができる。したがって、乗員保護性能をさらに向上させることができる。
(7)上記のカーテンエアバッグ1では、サブチャンバー3がフロントピラー9の基端部に固定されるため、フロントピラー9の表面だけでなくドアミラー基端部の三角パネル16の表面も併用して、比較的広い面積で支持面20を支持することができる。これにより、サブチャンバー3の固定状態をより安定化することができ、乗員保護性能をさらに向上させることができる。
また、サブチャンバー3をフロントピラー9の上端部に固定した場合と比較して、フロントエアバッグ11に近い位置でサブチャンバー3を「裏支え」することができる。これにより、前端部15に比較的大きな荷重が作用した場合であっても、その荷重に対する沈み込み量を削減することができ、前端部15の可動ストロークをさらに短縮することができる。
(8)上記のカーテンエアバッグ1には、メインチャンバー2の前端部15よりも車両後方側に折り目部材8が設けられる。これにより、前端部15を車室内10に向かって折れ曲がりやすくすることができ、乗員保護性能を向上させることができる。なお、折り目部材8の代わりにシームを設けた場合においても同様であり、縦方向の折り目を形成することで乗員保護性能をさらに向上させることができる。
(9)上記のカーテンエアバッグ1では、内チャンバー6の前端25にリング7が取り付けられ、外前チャンバー4の外周にリング7が環装される。これにより、各チャンバー4〜6を長さ方向に折り畳むことなく、フロントピラー9のトリム内側に収納することができる。つまり、収納状態におけるサブチャンバー3の形状を簡素化することができ、サブチャンバー3をスムーズに展開させることができる。また、サブチャンバー3が完全に展開されるまでにかかる時間を短縮することができる。したがって、乗員保護性能をさらに向上させることができる。
[4.変形例]
上述の実施形態では、三つの気室からなるサブチャンバー3を例示したが、気室の数はこれに限定されない。例えば、外前チャンバー4と外後チャンバー5とを一つの気室に合体させてもよい。この場合、展開後のサブチャンバー3の形状が、上述の実施形態と同様の形状となるように、基布の裁断形状及び縫合形状を設定すればよい。また、図5(A)に示すように、各チャンバー4〜6を一体化し、サブチャンバー3の全体形状を三角錐状にしてもよい。また、内チャンバー6を省略し、外前チャンバー4と外後チャンバー5とからなるサブチャンバー3を形成してもよいし、中空の内チャンバー6の代わりに紐状又は棒状の接続部材を用いてサブチャンバー3を形成してもよい。サブチャンバー3は、少なくともフロントピラー9からの反力を受けてメインチャンバー2の前端部15を車室内10方向へと押圧する形状のものであればよい。
上述の実施形態では、三つの気室を三角形状に接続してなる平面トラス構造を具備したサブチャンバー3を例示したが、具体的なトラス構造の全体形状はこれに限定されない。例えば、複数の平面トラスを組み合わせたトラス構造を形成してもよい。図5(B)に示すトラス構造は、複数の気室を骨組みとして、各気室を三角錐状に接続してなる立体的なトラス構造である。このような構造をサブチャンバー3に適用することで、メインチャンバー2の前端部15における構造的な強度や剛性を高めることができ、乗員保護性能をさらに向上させることができる。また、図5(A)に示す構造と比較して、サブチャンバー3の体積を減少させることができ、サブチャンバー3の展開時間を短縮することができる。
上述の実施形態では、内チャンバー6の前端25が外前チャンバー4に対して摺動自在となっているが、リング7を省略して内チャンバー6の前端25をフロントピラー9に固定してもよい。この場合、各チャンバー4〜6を長さ方向に折り畳むことで、フロントピラー9のトリム内部にサブチャンバー3を収納することができる。
1 カーテンエアバッグ
2 メインチャンバー(主室)
3 サブチャンバー(副室)
4 外前チャンバー(第一副室)
5 外後チャンバー(第二副室)
6 内チャンバー(第三副室,接続部材)
7 リング(環部材)
8 折り目部材
9 フロントピラー
10 車室内
19 連通路(連通部)
20 支持面

Claims (8)

  1. 車室内の側面に沿って展開される主室と、
    前記主室の前方においてフロントピラーに対向して前記主室とともに展開され、前記フロントピラーからの反力を受けて前記主室の前端部を車室内方向へと押圧する副室と、
    を備えることを特徴とする、カーテンエアバッグ。
  2. 前記副室が、
    前記フロントピラーに沿って展開され、前記フロントピラーの表面に接触する支持面を有する第一副室と、
    前記第一副室と前記主室とに接続して展開され、前記第一副室との接続側よりも前記主室との接続側が車室内側となる第二副室と、を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載のカーテンエアバッグ。
  3. 前記副室が、
    後端を前記主室に接続され、前端を前記第一副室の一端側に係止される接続部材を有する
    ことを特徴とする、請求項2記載のカーテンエアバッグ。
  4. 前記接続部材の展開後の長手方向長さが、前記第一副室の展開後の長手方向長さと前記第二副室の展開後の長手方向長さとの和よりも短い
    ことを特徴とする、請求項3記載のカーテンエアバッグ。
  5. 前記接続部材が、前記主室に連通接続し展開される第三副室であり、
    前記第二副室及び前記第三副室が、連通部を介して前記主室と接続されている
    ことを特徴とする、請求項3又は4記載のカーテンエアバッグ。
  6. 前記副室が、前記主室の下端部近傍に接続される
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  7. 前記副室が、前記フロントピラーの基端部に固定される
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  8. 前記主室と前記副室との接続箇所よりも車両後方に設けられ、前記副室からの押圧力を受けて前記主室に折り目を形成する折り目部材を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載のカーテンエアバッグ。
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