JP6806000B2 - シート付下肢拘束エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明はシート付下肢拘束エアバッグ装置に関する。
従来、インストルメントパネルやステアリングコラムから反力を受けて着座乗員(以下、単に「乗員」という。)の下肢を拘束する車両用ニーエアバッグ装置が知られている。
ここで、近年、車室内空間の拡大を図る要請からインストルメントパネルの縮小化が進んできている。この場合、乗員の下肢がインストルメントパネルから遠ざかることになるため、車両用ニーエアバッグ装置のニーエアバッグを車両前後方向に大型化する必要が生じる。
さらに、昨今の乗用車の自動運転化が進むと、車両用シートを前後逆向きに回転させて使用する態様も想定される。この場合、ニーエアバッグはインストルメントパネル等から反力を受けることができず、反力面を喪失することになる。そこで、インストルメントパネルやステアリングコラム等に反力を求めるのではなく、独自に反力を確保して乗員の下肢を拘束することが可能なシート付下肢拘束エアバッグ装置の創出が望まれる。
上記の背景の下、下記特許文献1に記載されたエアバッグ装置を適用できないかを以下に検討する。この先行技術では、シートの座面の左右の端部に腹部用のエアバッグが組み込まれている。このシート付エアバッグ装置では、一対のエアバックが膨張展開すると、乗員の腹部の前面側で一対のエアバッグが接合面を介して互いに当接する。そして、当該接合面に予め設けられた図示しない面ファスナ等によって一対のエアバッグ同士が接合され、乗員の腹部を覆うことで乗員が拘束されるようになっている。
特開2013−018378号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された先行技術では、前面衝突時に慣性移動しようとする乗員から一対のエアバックにシート前方側の荷重が入力されると、接合面が剥がれて一対のエアバッグの結合状態が得られなくなってしまうことが考えられる。換言すれば、左右一対のエアバッグ同士の結合状態を維持することは非常に難しく、ひいては乗員の下肢を充分に拘束するためには更なる改善が必要と考えられる。
本発明は、上記事実を考慮し、車両衝突時に乗員の下肢を充分に拘束することができるシート付下肢拘束エアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置は、車両用シートのシートクッションにおけるシート幅方向の一方の側部に設けられ、膨張展開することで着座乗員の下肢の前面を覆うように前記一方の側部から他方の側部に跨って延出する棒状の第1バッグと 、前記他方の側部に設けられ、膨張展開した状態で前記第1バッグが係合され 、前記第1バッグが膨張展開時の位置から慣性力の作用方向へ移動することを抑制する第2バッグと、を有し、前記第1バッグは、延出方向の長さがシート幅方向よりも長く形成され、前記他方の側部に配置された先端部が前記シートクッションに対してシート幅方向の他方側に突出しており、前記第2バッグは、前記第1バッグの前記先端部を巻き込むように膨張展開する。
請求項1に記載の発明では、シートクッションにおけるシート幅方向の一方の側部に第1バッグが設けられている。この第1バッグは、膨張展開することで着座乗員の下肢の前面を覆うように前記一方の側部から他方の側部に跨って棒状に延出する。一方、他方の側部には第2バッグが設けられ、膨張展開した状態で第1バッグが係合される。そして、この第2バッグによって、第1バッグが膨張展開時の位置から慣性力の作用方向へ移動することが抑制される。これにより、車両衝突時に着座乗員の慣性移動により下肢部から第1バッグに荷重が入力されても、第2バッグから反力を受けるため、第1バッグにより乗員の下肢を拘束することができる。
以上説明したように、本発明に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置によれば、車両衝突時に乗員の下肢部を充分に拘束することができる。
第1実施形態に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置を備えた車両用シートを、当該シート付下肢拘束エアバッグ装置が作動した状態で示す斜視図である。 図1に示されるシート付下肢拘束エアバッグ装置が作動する前の状態における車両用シートの平面図である。 (A)は第1バッグの膨張時の状態を実線で示しかつ第2バッグの膨張時の状態を二点鎖線で示したシート付下肢拘束エアバッグ装置の概略平面図であり、(B)は第2バッグの膨張時の状態を実線で示しかつ第1バッグの膨張時の状態を二点鎖線で示したシート付下肢拘束エアバッグ装置の概略側面図である。 (A)は2枚のコート基布が重なり合う前の状態を拡大して示す模式図であり、(B)は2枚のコート基布が重なり合った後の状態を拡大して示す模式図である。 (A)は図4(A)に示されるコート基布の摩擦面の凹凸形状を示す部分拡大平面図であり、(B)〜(E)は、コート基布の摩擦面の凹凸形状の変形例をそれぞれ示す部分拡大平面図である。 第2実施形態に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置を備えた車両用シートを、当該シート付下肢拘束エアバッグ装置が作動した状態で示す図1に対応する斜視図である。 第3実施形態に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置を備えた車両用シートを、当該シート付下肢拘束エアバッグ装置が作動した状態で示す図1に対応する要部斜視図である。 第4実施形態に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置を備えた車両用シートを、当該シート付下肢拘束エアバッグ装置が作動した状態で示す図1に対応する要部斜視図である。
<第1実施形態>
以下、図1〜図5を用いて、第1実施形態に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置10について説明する。なお、図面に適宜記される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。また、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両前後方向の前方を向いた場合の左右を示すものとする。
(下肢拘束エアバッグ装置の構成)
図1、図2に示されるように、本実施形態に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置10(以下、単に「エアバッグ装置10」と称する。)は、車両用シート12に搭載されており、エアバッグモジュール32L、32Rと、第1バッグ20、第2バッグ22、ガスの供給手段としてのインフレータ24L、24Rとを含んで構成されている。
車両用シート12は、乗員の腰部L(ここでは臀部を含む)及び大腿部Dを支持するシートクッション14と、シートクッション14の後端部に傾倒可能に支持されて乗員の背部Bを支持するシートバック16と、シートバック16の上端部に上下動可能に設けられて乗員の頭部Hを支持するヘッドレスト18と、によって構成されている。なお、この車両用シート12は、右ハンドル車の助手席とされている。また、本実施形態では、車両用シート12のシート前後方向は車両前後方向に一致しており、又車両用シート12のシート幅方向は車両車幅方向に一致している。なお、特に断りのない限り、本実施形態では、車両の向きとシートの向きは一致しているものとする。
補足すると、各図では、保護すべき乗員のモデルとして衝突試験用のダミー(人形)が車両用シート12のシートクッション14に着座した状態を示している。このダミーは、衝突試験法で定められた標準的な着座姿勢で着座しており、車両用シート12は、当該着座姿勢に対応した基準設定位置に位置している。以下、ダミーを乗員とみなして「乗員P」と称することとする。
上述した車両用シート12のシートクッション14は、車体フロアに対して車両前後方向へスライド可能に支持された図示しないシートクッションフレームと、このシートクッションフレームに支持された図示しないシートクッションパッドと、このシートクッションパッドの表面を覆うシートクッション表皮30と、によって構成されている。
ここで、シートクッション表皮30のシート幅方向の両側面の前端側には、所定のバッグ膨張圧が作用することにより破断し開裂する図示しない表皮開裂部が形成されている。また、シートクッションパッドにおいて表皮開裂部のシート後方側には、エアバッグモジュール32L、32Rが収容されている。乗員Pから見て左側のエアバッグモジュール32Lには、後述する第1バッグ20が折り畳まれた状態で収納されていると共に第1バッグ20にガスを供給するインフレータ24L及び整流手段である円筒状のディフューザ(図示省略)等が収納されている。一方、乗員Pから見て右側のエアバッグモジュール32Rには、後述する第2バッグ22が折り畳まれた状態で収納されていると共に第2バッグ22にガスを供給するインフレータ24R及び整流手段である円筒状のディフューザ(図示省略)等が収納されている。
ちなみに、乗員Pから見て左側に配置されたディフューザからはスタッドボルト36Lが立設されており、このスタッドボルト36Lが前述したシートクッションフレームの左側のサイドフレームにナット締めされることで、エアバッグモジュール32Lが左側のサイドフレームに取り付けられている。同様に、乗員Pから見て右側に配置されたディフューザからはスタッドボルト36Rが立設されており、このスタッドボルト36Rが前述したシートクッションフレームの右側のサイドフレームにナット締めされることで、エアバッグモジュール32Rが右側のサイドフレームに取り付けられている。
図2に示されるように、上述したインフレータ24L、24Rは、車両に搭載されたECU26と電気的に接続されている。また、ECU26は、車両の衝突を検知する図示しない衝突検知センサとも電気的に接続されている。なお、衝突検知センサとしては、例えば、車両の加速度を検出する加速度センサ等を利用することができる。ECU26では、図示しない衝突センサからの検知信号に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、衝突したと判定した場合にはインフレータ24L、24Rを作動させる。なお、ECU26に車両の衝突を予知するプリクラッシュセンサ等の衝突予知センサを電気的に接続するようにしてもよいし、衝突検知センサと衝突予知センサの両方を電気的に接続するようにしてもよい。
インフレータ24L、24Rが作動することで、各インフレータの端部に設けられた図示しないガス噴出部からガスが噴出される。これにより、図示しないディフューザを介して第1バッグ20及び第2バッグ22にガスが供給される。
ここで、本実施形態では、ECU26における電気的な制御によってインフレータ24L、24Rから第1バッグ20及び第2バッグ22へガスを供給するタイミングが設定されている。具体的には、第2バッグ22よりも先に、第1バッグ20へガスが供給されるように構成されている。このため、第2バッグ22は、第1バッグ20よりも遅れて膨張が完了する。すなわち、第1バッグ20が乗員Pの下肢の前面を覆うように膨張展開した後に、第2バッグ22は、第1バッグ20を構成する第2直線部48に巻き付くように膨張展開し、第1バッグ20と係合する。なお、第1バッグ20と第2バッグ22の膨張展開が同時に完了する構成としてもよいし、第2バッグ22の膨張展開を先に完了させる構成としてもよい。
次に、第1バッグ20及び第2バッグ22について詳細に説明する。
図1、図3(A)に示されるように、第1バッグ20は、長手方向の先端部が閉止された有底筒状の袋体として構成されている。すなわち、第1バッグ20の長手方向の基端部は開放されて開口端部40とされており、長手方向の先端部は閉止されて閉止端42とされている。第1バッグ20の開口端部40からインフレータ24Lが挿入されて、インフレータ24Lと共に開口端部40がシートクッションフレームの左側のサイドフレームに共締めされている。
また、第1バッグ20は、構造的には、シートクッション14のシート幅方向外側の側面からシート前方側へ所定長さ延出された第1直線部44と、シートクッション14のシート前後方向前側の前面に対して略並行に延在された第2直線部48と、第1直線部44の前端部と第2直線部48のシート幅方向外側の端部とを接続する四分円状の湾曲部46とを備え、膨張展開状態を平面視で見ると略L字形の棒状体を成している。これにより、第1バッグ20をシート前方側から見ると、第2直線部48が乗員Pの下肢と重なって配置されている。
また、上述した第1バッグ20における第2直線部48の長手方向の長さは、シート幅よりも長く形成されている。従って、膨張展開時における第1バッグ20をシート前方側から見ると、第2直線部48のシート幅方向右側端部(閉止端42)は、シートクッション14のシート幅方向の右側部から突出されている。
一方、図1、図3(B)に示されるように、第2バッグ22は、乗員Pから見て右側のエアバッグモジュール32Rに折り畳まれた状態で収納されている。エアバッグモジュール32Rには、第2バッグ22の他、インフレータ24R及びディフューザ(図示省略)等が収納されている。
この第2バッグ22は、膨張展開状態では、側面視で車両後方下側が開口された略C字状に形成されている。また、第2バッグ22の内周部58の前部には、シート上下方向及びシート幅方向に延在する平面部68が設けられている。さらに、第2バッグ22の長手方向の基端部は開放されて開口端部54とされており、又長手方向の先端部は閉止されて閉止端56とされている。
第1バッグ20及び第2バッグ22が膨張展開した状態では、第1バッグ20の第2直線部48が第2バッグ22の中央部を貫通した状態で配置されている。なお、この状態では、前述した平面部68が、第1バッグ20の閉止端42におけるシート前方側の側面52に対して略並行に配置されている。この貫通配置により、第1バッグ20は第2バッグ22に対して係合した状態となり、仮に第1バッグ20の第2直線部48がシート前方側へ押圧されたとしても、第2直線部48が第2バッグ22に係合された状態を維持し、第2直線部48が第2バッグ22から外れないようになっている。
なお、上述した第1バッグ20及び第2バッグ22は、ナイロン66又はポリエステル系の材料によって構成されている。
ここで、シート前方側から見て、第1バッグ20の第2直線部48と第2バッグ22とが交差する部位には、コート基布60が配置されている。コート基布60は、各々矩形状に裁断された第1バッグ20側のコート基布60Aと、第2バッグ22側のコート基布60Bとから構成されている。これらのコート基布60A、60Bは、エアバッグ基布と同様の布材にシリコンゴム等がコーティングされた布で、シリコンゴム等がコーティングされていない接合面66と、シリコンゴム等がコーティングされた摩擦面64とを備える。
コート基布60Aは、第1バッグ20の第2直線部48におけるシート前方側の側面52に縫製等によって接合されている。なお、コート基布60Aは、第2直線部48の上面50から側面52を経由して下面53へ至る範囲に設定されている。一方、コート基布60Bは、第2バッグ22の平面部68に縫製等によって接合されている。より具体的には、コート基布60Bは、平面部68を越えて第2バッグ22の内周部58の上部前側及び下部前側まで延在されている。上述した第1バッグ20のコート基布60A及び第2バッグ22のコート基布60Bは、第2直線部48がシート前方側へ押圧されることにより、摩擦面64同士が当接するように構成されている。なお、第2バッグ22は、平面部68を備えない構成としてもよい。
図4(A)、(B)に示されるように、上述した摩擦面64には、凹凸形状が付与されており、第1バッグ20及び第2バッグ22の膨張展開時に、当接部59において、コート基布60Aの摩擦面64とコート基布60Bの摩擦面64の凹凸形状が重ね合わさり、嵌合するようになっている。
図4(A)に示されるように、本実施形態では、各摩擦面64には、複数の凸部62が所定の間隔で繰返し形成されている。各凸部62は帯状をなし、一定間隔をあけて互いに略平行となるように配設されている。従って、摩擦面64には、ストライプ状の凹凸形状(図5(A)参照。)が施されている。但し、凸部62の幅は、凹部63の幅よりも狭く設定されている。そして、当接部59において、凸部62が凹部63に嵌合される構成となっている。
なお、コート基布60の凹凸形状はストライプ状に限らず、様々な形状を採用することができる。例えば、図5(B)〜(E)に示すように、横縞形状や、山形形状、波形状、ジグザグ形状などでもよい。また、コート基布60A、60Bを接合させる範囲や大きさは、第1バッグ20及び第2バッグ22の配置関係等を考慮して適宜設定すればよい。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
本実施形態のエアバッグ装置10では、図示しない各種センサが車両の衝突を検知又は予知すると、ECU26によってインフレータ24L、24Rが作動し、ガスが発生される。そして、インフレータ24L、24Rから噴出するガスが、図示しないディフューザを介して第1バッグ20及び第2バッグ22に流れる。ここで、先ず、第1バッグ20にガスが供給され膨張展開する。第1バッグ20は、図3(A)に示すように、シートクッション14におけるシート幅方向の左側部から右側部に亘って棒状に延出する。これにより、乗員Pの下肢の前面を覆う。
次いで、第2バッグ22にガスが供給され、第2バッグ22が膨張展開する。第2バッグ22は、第1バッグ20を構成する第2直線部48の先端部(閉止端42)に対し、シート後方から巻き込むように膨張展開する。すなわち、第1バッグ20の第2直線部48が第2バッグ22の中央部を貫通し、第1バッグ20は第2バッグ22に対して係合した状態となる。そして、車両衝突時に、慣性移動しようとする乗員Pの下肢が第1バッグ20をシート前方側へ押圧しても、第2直線部48が第2バッグ22に係合された状態が維持され、第2直線部48が第2バッグ22から外れない。従って、第2バッグ22から反力を受け、乗員Pの下肢を強固に拘束することができる。
さらに、第1バッグ20と第2バッグ22が交差する部位(当接部59)では、コート基布60A,60Bが互いに当接し、第1バッグ20及び第2バッグ22における他の部分より高摩擦係数に設定されている。これにより、第1バッグ20が第2バッグ22から受ける反力を向上させることができる。
また、第1バッグ20を、乗員Pの下肢の前面を覆うようにシートクッション14におけるシート幅方向の左側部から右側部に跨って膨張させることで、衝突体などから、乗員Pの下肢を保護することができる。
さらに、本実施形態では、第2バッグ22の内周部58に、平面部68が形成されている。そして、第2バッグ22が膨張展開すると、平面部68は第1バッグ20の閉止端42におけるシート前方側面52に対し略平行に配置されると共に、シート前方側面52に当接する。従って、第1バッグ20と第2バッグ22が接触する面積が拡大される。これにより、当接部59における摩擦力を増大させ、第2バッグ22から効果的に反力を受けることができる。
また、本実施形態では、第1バッグ20よりも遅れて第2バッグ22の膨張が完了するため、同時に膨張した場合と比べて、第1バッグ20が係合位置とは異なる位置、つまり、第2バッグ22より外側で膨張展開されることが防止される。これにより、第2バッグ22を第1バッグ20に安定して係合させることができる。
さらに、エアバッグ装置10は、車両用シート12に設けられ、車両内部に設けられた他の構成に依存することなく乗員Pの下肢を拘束することができる。これにより、車室内のインストルメントパネルやステアリングコラムにニーエアバッグを設ける場合と比較して、省スペース化、コストの低減を図ることができると共に、車室内の設計自由度を高めることができる。
また、本実施形態の第1バッグ20及び第2バッグ22は、シートクッションパッドの側面とシートクッション表皮30の間に収納されているため、車両用シート12の意匠性が向上される。
<第2実施形態>
次に、図6に基づいて、第2実施形態に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置70について説明する。
図6に示されるように、本実施形態のシート付下肢拘束エアバッグ装置70は、シートクッション14におけるシート幅方向の左側部に第1バッグ72が設けられている。一方、シートクッション14におけるシート幅方向の右側部に第2バッグ74が設けられている。この第1バッグ72及び第2バッグ74は、長手方向の先端部が閉止された有底筒状の袋体としてそれぞれ構成されている。また、第1バッグ72、第2バッグ74の各開口端部から、ガスを供給する手段としての図示しないインフレータがそれぞれ挿入され、車両衝突時にインフレータからガスの供給を受けて膨張展開する。
膨張展開状態の第1バッグ72及び第2バッグ74は、平面視で略L字形の棒状体を成し、一対のアームのような形状とされている。換言すると、第1バッグ72は、シートクッション14におけるシート幅方向左側部からシート前方に延出された後、シート幅方向の右方へ直線状に延出されている。また、第2バッグ74は、シートクッション14におけるシート幅方向右側部からシート前方に延出された後、そこからシート幅方向左側部へ向かって直線状に延出されている。そして。シート前方から見ると、第1バッグ72の前に第2バッグ74が重ね合わされた構造とされている。この第1バッグ72と第2バッグ74とが重ね合わさる部位には、各々矩形状に裁断されたシート状のコート基布60が縫製等により接合され、これらのコート基布60の摩擦面同士が当接するように構成されている。これにより、仮に第1バッグ72がシート前方側へ押圧されたとしても、第2バッグ74に係合された状態を維持し、第1バッグ72における膨張時の位置からの移動が抑制される構成となっている。
(作用及び効果)
本実施形態のシート付下肢拘束エアバッグ装置70では、車両衝突時に、先ず、第1バッグ72が膨張展開し、乗員Pの下肢の前面を覆うようにシートクッション14におけるシート幅方向の左側部から右側部に向かって棒状に延出する。次いで、第2バッグ74が膨張展開し、シートクッション14におけるシート幅方向右側部から左側部に向かって棒状に延出し、シート前方から第1バッグ72に重ね合わせられる。すなわち、第1バッグ72と第2バッグ74が一対のアーム状となって、シート前方から乗員Pの下肢を拘束する。また、車両衝突時に、慣性移動しようとする乗員Pの下肢が、第1バッグ72をシート前方側へ押圧しても、コート基布60により摩擦力が発生し、第2バッグ74に係合された状態を維持する。従って、第2バッグ74から反力を受ける。これにより、第1バッグ72による乗員Pの下肢の拘束状態は強固に維持され、乗員Pの慣性移動を防止又は抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、図7に基づいて第3実施形態に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置80について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図7に示されるように、本実施形態のシート付下肢拘束エアバッグ装置80は、シートクッション14の右側部に設けられた第2バッグ82がシート幅方向における側面視において、略四角形の板状のクッション体に膨張展開する構成とされている。そして、シート幅方向における側面視において、第2バッグ82の略中央にシート幅方向に貫通する挿通孔84が形成されている。そして、第1バッグ20及び第2バッグ82の膨張展開状態では、この挿通孔84に、第1バッグ20の直線部48が貫通するように配置される。この貫通配置により、第1バッグ20は第2バッグ82に対して係合した状態となり、仮に第1バッグ20がシート前方側へ押圧されたとしても、第2直線部48が第2バッグ82に係合された状態を維持し、第2直線部48が第2バッグ82から外れないようになっている。なお、第1バッグ20と挿通孔84の内周縁86が交差する部位に、各々図示しないコート基布を接合して、第1バッグ20と第2バッグ82が当接する部位の摩擦係数を向上させてもよい。
(作用及び効果)
本実施形態のシート付下肢拘束エアバッグ装置80では、車両衝突時に、先ず、第2バッグ82が膨張展開する。次いで、第1バッグ20が膨張展開することで、第2バッグ82の挿通孔84に第1バッグ20の直線部48が挿通される。これにより、乗員Pの下肢の前面が覆われる。また、車両衝突時に、慣性移動しようとする乗員Pの下肢が、第1バッグ20をシート前方側へ押圧しても、第2直線部48が第2バッグ82に係合された状態が維持される。従って、第2バッグ82を構成する挿通孔84の内周面から反力を受ける。これにより、第1バッグ20による乗員Pの下肢の拘束状態は強固に維持され、乗員Pの慣性移動を防止又は抑制する。また、第1バッグ20と挿通孔84の内周縁86が交差する部位に、各々図示しないコート基布を接合すれば、挿通孔84の内周面から受ける反力をさらに向上させることができる。
<第4実施形態>
次に、図8に基づいて第4実施形態に係るシート付下肢拘束エアバッグ装置90について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図8に示されるように、本実施形態のシート付下肢拘束エアバッグ装置90は、第2バッグ92が中空円錐状に膨張展開することで第1バッグ20と係合する点に特徴がある。具体的には、本実施形態の第2バッグ92は、シートクッション14におけるシート幅方向右側部に備えられている。第2バッグ92は袋体からなる本体部96を備え、この本体部96は、シート幅方向左方に開口し、シート幅方向右方に凸となる中空円錐形状に膨張展開する。そして、第1バッグ20及び第2バッグ92の膨張展開状態では、第1バッグ20の閉止端42が、本体部96に挿入されると共に、本体部96の内周面と当接する構成となっている。これにより、第1バッグ20は第2バッグ92に対して係合した状態となり、仮に第1バッグ20がシート前方側へ押圧されたとしても、閉止端42が第2バッグ92に係合された状態を維持し、閉止端42が第2バッグ92から外れないようになっている。なお、第1バッグ20と、第2バッグ92を構成する本体部96の内周面が当接する部位に図示しないコート基布を接合して、第1バッグ20と第2バッグ92が当接する部位の摩擦係数を向上させてもよい。
(作用及び効果)
本実施形態のシート付下肢拘束エアバッグ装置90では、車両衝突時に、先ず、第2バッグ92が膨張展開する。次いで、第1バッグ20が膨張展開することで、第2バッグ92の本体部96に第1バッグ20の閉止端42が挿入される。これにより、乗員Pの下肢の前面が覆われる。また、車両衝突時に、慣性移動しようとする乗員Pの下肢が、第1バッグ20をシート前方側へ押圧しても、閉止端42が第2バッグ92に係合された状態が維持される。従って、第2バッグ92を構成する本体部96の内周面から反力を受ける。
これにより、第1バッグ20による乗員Pの下肢の拘束状態は強固に維持され、乗員Pの慣性移動を防止又は抑制する。また、第1バッグ20と本体部96の内周面が当接する部位に、各々図示しないコート基布を接合すれば、本体部96の内周面から受ける反力をさらに向上させることができる。
以上、本発明に係る第1実施形態〜第4実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、本実施形態では、第1バッグと第2バッグは、膨張展開することにより当接されているが、本発明はこれに限らない。例えば、第1バッグと第2バッグを膨張展開時に近接配置させて、乗員Pの慣性移動によって第1バッグが変形された直後に第2バッグと当接する構成としてもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、膨張展開時、第1バッグと第2バッグが当接する部位に凹凸形状を有するコート基布60を接合し、これらを重ね合わせることで摩擦係数を向上させている。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、当接する部位に表面状態の粗い基布を設けて摩擦係数を向上させたり、エアバッグ基布に直接合成樹脂材等を塗布することにより、当接する部位を高粘度かつ高弾性の状態にすることで摩擦係数を向上させてもよい。
また、第1実施形態〜第4実施形態では、車両用シート12のシート前後方向と車両前後方向とが一致した状態で、車両が前面衝突した場合を例に説明したが、これに限らず、車両用シート12のシート前後方向と車両前後方向が逆となる状態、すなわち、車両用シート12に乗員が着座した場合に車両後方を向く状態で、車両が後面衝突した場合においても有効である。
10 シート付下肢拘束エアバッグ装置
12 車両用シート
14 シートクッション
20 第1バッグ
22 第2バッグ
70 シート付下肢拘束エアバッグ装置
72 第1バッグ
74 第2バッグ
80 シート付下肢拘束エアバッグ装置
82 第2バッグ
90 シート付下肢拘束エアバッグ装置
92 第2バッグ
P 乗員(着座乗員)

Claims (1)

  1. 車両用シートのシートクッションにおけるシート幅方向の一方の側部に設けられ、膨張展開することで着座乗員の下肢の前面を覆うように前記一方の側部から他方の側部に跨って延出する棒状の第1バッグと 、
    前記他方の側部に設けられ、膨張展開した状態で前記第1バッグが係合され 、前記第1バッグが膨張展開時の位置から慣性力の作用方向へ移動することを抑制する第2バッグと、
    を有し、
    前記第1バッグは、延出方向の長さがシート幅方向よりも長く形成され、前記他方の側部に配置された先端部が前記シートクッションに対してシート幅方向の他方側に突出しており、
    前記第2バッグは、前記第1バッグの前記先端部を巻き込むように膨張展開する、
    シート付下肢拘束エアバッグ装置。
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