JP2017013443A - 中空成形品の成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1次成形で一対の半中空成形品を成形し、2次成形によってこれらを接合して中空成形品を得るダイ・スライド・インジェクションにおいて、一対の半中空成形品が精度良く接合端面において突き合わされ、2次成形において一対の半中空成形品が強固に接合されて品質の高い中空成形品が得られる、中空成形品の成形方法を提供する。【解決手段】1次成形工程で、第1のスライド位置で型締めして一対の半中空成形品を成形するとき、超臨界状態の不活性ガスを添加した溶融樹脂を射出して発泡樹脂から成形する。型開工程で、一対の半中空成形品の一方を一方の金型に、他方を他方の金型にそれぞれ残して金型を開く。2次成形工程で、第2のスライド位置にして型締めし、一対の半中空成形品を互いに突き合わせ、そして突き合わせた部分に溶融樹脂を射出充填して一対の半中空成形品を一体化する。【選択図】 図2

Description

本発明は、一対の半中空成形品を成形する1次成形と、前記1次成形で得られた一対の半中空成形品を互いに突き合わせ、そして突き合わせた部分に溶融樹脂を射出充填して一対の半中空成形品を一体化する2次成形とから中空成形品を得る、中空成形品の成形方法に関するものである。
型締めされた金型に溶融樹脂を射出して成形品を得る射出成形は、色々な形状の成形品を得ることができ、そして色々な種類の樹脂から成形することができる。射出成形によって得られる成形品の形状には、中空成形品のような複雑な形状のものもある。中空成形品の場合、中空成形品を二つ割りした一対の半中空成形品を射出成形によって得、これらを金型から取り出した後に、一対の半中空成形品を互いの接合端面をヒータ等によって溶融し、接合端面を圧着させることによって一対の半中空成形品を一体化して中空成形品を得ることができる。
特昭開62−87315号公報 特開2001−138371号公報
上で説明した方法は、射出成形だけでなくその後に圧着工程を必要とするが、射出成形のみによって中空成形品を成形する方法もある。そのような方法として、特許文献1に記載されている、いわゆるダイ・スライド・インジェクションが周知である。この方法で使用される金型は、一方の金型に対して他方が相対的にスライドするようになっており、2つのスライド位置においてそれぞれ型締めできるようになっている。この金型は、第1のスライド位置で型締めするとキャビティが2カ所形成されるようになっている。この第1のスライド位置で型締めして1次成形により樹脂を射出すると、それぞれのキャビティにおいて中空成形品を二つ割りした半中空成形品が成形される。すなわち一対の半中空成形品が得られる。これらの半中空成形品には、他方の半中空成形品と接合される接合端面が形成されている。一方の半中空成形品を一方の金型に、そして他方の半中空成形品を他方の金型に残すようにして金型を開く。次いでこれらの一対の半中空成形品が対向する位置、つまり第2のスライド位置に金型をスライドさせ型締めする。そうすると一対の半中空成形品がそれぞれの接合端面において互いに突き合わされる。2次成形により樹脂を射出して一対の半中空成形品を接合する。金型を開くと中空成形品が得られる。このような成形方法によって成形すれば、射出成形のみによって中空成形品を成形することができるので、生産効率が高い。また半中空成形品を金型から取り出す必要がないので、成形品に手垢や塵埃が付着することがなく品質の高い中空成形品を得ることができ、優れている。ダイ・スライド・インジェクションは、1次成形により一対の半中空成形品を、2次成形により一対の半中空成形品を接合するので、中空成形品を成形するのに適しているが、中空成形品以外の他の複雑な形状の成形品を成形することもできる。
射出成形においては、このように色々な形状の成形品を成形することができるが、材料の樹脂についても色々な種類のものを射出することができる。特許文献2には、溶融樹脂に二酸化炭素、窒素等の不活性ガスを注入し、この溶融樹脂を金型に射出して金型のキャビティ内で発泡させて発泡成形品を得る方法が記載されている。特許文献2に記載の方法では、溶融樹脂に注入する不活性ガスは超臨界状態で注入するので、溶融樹脂の流動性が高くなると共に、発泡により形成される気泡が微細になり、品質の高い発泡成形品が得られる。発泡成形品は、材料を節約できるだけでなく、成形品を軽量化でき優れている。
特許文献1に記載の中空成形品の成形方法によれば、中空成形品を金型から取り出すこと無く成形することができるし、他の複雑な形状の成形品であっても成形ができ優れている。しかしながら解決すべき課題も見受けられる。まず、特許文献1に記載の中空成形品の成形方法では、第1のスライド位置で型締めして1次成形により一対の半中空成形品を成形し、次いで一方の半中空成形品を一方の金型に、他方の半中空成形品を他方の金型に残すようにして開く必要があるが、このときに問題がある。金型には半中空成形品を成形するためのキャビティの一部を構成する凹部が形成されているが、金型を開くときに半中空成形品がこの凹部に残るようにしなければならない。しかしながら半中空成形品は1次成形後、冷却固化により収縮するので、半中空成形品は凹部から分離し易く、金型を開くときに半中空成形品が金型から抜けて出やすくなってしまう。つまり半中空成形品を金型の凹部に残しにくい。これを防止するために金型の凹部は、その開口部がわずかに小径になるようにすぼめて凹部の奥がわずかに大きい逆テーパ状に形成する場合もあり、金型の製造には熟練を要する。2次成形についても問題が見受けられる。2次成形では、まず金型を第2のスライド位置にして型締めし、一対の半中空成形品をその接合端面で突き合わせるが、半中空成形品は冷却固化によって収縮し反りが生じている場合もある。そうすると一対の半中空成形品は反りによって変形し、互いに接合端面がズレた状態で突き合わされる場合がある。この状態で2次成形により溶融樹脂を射出すると、一対の半中空成形品を接合できないし、射出された樹脂が中空成形品の内部に漏れる現象が発生する。第2のスライド位置で型締めしたときに、精度良く一対の半中空成形品がその接合端面で突き合わせられている場合でも改善の余地が見受けられる。2次成形により射出する溶融樹脂は、一対の半中空成形品の接合端面近傍に射出されるが、このとき半中空成形品の接合端面近傍の樹脂をわずかに溶融し、このように溶融した樹脂と共に冷却固化して一対の半中空成形品は接合される。しかしながら、2次成形により射出する溶融樹脂は、一対の半中空成形品を接合するためなので少量である。溶融樹脂が少量であると、半中空成形品の接合端面近傍の樹脂は溶融し難い。そうすると接合力が十分に得られない場合もある。さらに他の問題もある。1次成形によって成形される半中空成形品は、その表面積に比して肉厚が薄い、いわゆる薄肉である場合が多い。薄肉の半中空成形品を成形するには、キャビティ内に適切に溶融樹脂が充填されるように、多数のゲートを設ける必要がある。そうすると半中空成形品にはウェルドラインが形成され易く、最終的に得られる中空成形品の美観を損なうだけで無く、強度も低下してしまう。
本発明は、上記したような問題点を解決した中空成形品の成形方法を提供することを目的とし、具体的には、ウェルドラインが形成されにくく、1次成形後に金型を開くとき、一対の半中空成形品が、金型の凹部から抜け出にくく、そして2次成形において型締めするとき一対の半中空成形品が精度良く接合端面において突き合わされ、2次成形において射出する溶融樹脂によって一対の半中空成形品が強固に接合されて品質の高い中空成形品が得られる、中空成形品の成形方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、第1、2のスライド位置で型締される金型を使用して、中空成形品を成形するように構成する。まず1次成形工程で、第1のスライド位置で型締めして溶融樹脂を射出して一対の半中空成形品を成形する。このとき本発明は、超臨界状態の不活性ガスを添加した溶融樹脂を射出して発泡樹脂からなる一対の半中空成形品を成形するようにする。次いで型開工程で、一対の半中空成形品の一方を一方の金型に、他方を他方の金型にそれぞれ残して金型を開く。2次成形工程で、第2のスライド位置にして型締めし、一対の半中空成形品を互いに突き合わせ、そして突き合わせた部分に溶融樹脂を射出充填して一対の半中空成形品を一体化する。2次成形工程で射出する溶融樹脂は、超臨界状態の不活性ガスを添加してもよいし、無添加であってもよい。
かくして、請求項1記載の発明は、上記目的を達成するために、少なくとも2位置にスライドして型締される金型を使用して、第1のスライド位置で型締めして溶融樹脂を射出して一対の半中空成形品を成形する1次成形工程と、前記一対の半中空成形品の一方を一方の金型に、他方を他方の金型にそれぞれ残して金型を開く型開工程と、第2のスライド位置にして型締めし、前記一対の半中空成形品を互いに突き合わせ、そして突き合わせた部分に溶融樹脂を射出充填して一対の半中空成形品を一体化する2次成形工程と、から中空成形品を得る成形方法において、前記1次成形工程は超臨界状態の不活性ガスを添加した溶融樹脂を射出することを特徴とする中空成形品の成形方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の成形方法において、前記2次成形工程は不活性ガスが無添加の溶融樹脂を射出することを特徴とする中空成形品の成形方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の成形方法において、前記2次成形工程は、超臨界状態の不活性ガスを添加した溶融樹脂を射出することを特徴とする中空成形品の成形方法として構成される。
以上のように、本発明は、少なくとも2位置にスライドして型締される金型を使用して、第1のスライド位置で型締めして溶融樹脂を射出して一対の半中空成形品を成形する1次成形工程と、一対の半中空成形品の一方を一方の金型に、他方を他方の金型にそれぞれ残して金型を開く型開工程と、第2のスライド位置にして型締めし、前記一対の半中空成形品を互いに突き合わせ、そして突き合わせた部分に溶融樹脂を射出充填して一対の半中空成形品を一体化する2次成形工程と、から中空成形品を得る成形方法として構成される。つまり、金型内で射出成形のみにより中空成形品を成形するいわゆるダイ・スライド・インジェクションが対象となっている。そして本発明は、1次成形工程は超臨界状態の不活性ガスを添加した溶融樹脂を射出するように構成されている。そうすると半中空成形品は内部に微細な気泡がある発砲成形品になる。内部で発泡するので発砲成形品は収縮し難い。従って、半中空成形品は金型の凹部に密着した状態に維持されやすく、型開工程において半中空成形品が金型に確実に残った状態で金型を開くことができる。金型の凹部を逆テーパ状に加工する必要がない。また発砲成形品は収縮し難いので半中空成形品は反りが発生し難い。従って2次成形工程で第2のスライド位置にして型締めすると、精度よく一対の半中空成形品を互いに突き合わせることができる。また発泡成形品は気泡が多く形成されているので、溶融しやすいという特徴もある。そうすると2次成形工程で射出する溶融樹脂が少量であっても、この溶融樹脂に接する一対の半中空成形品の表面は容易に溶融する。このように一対の半中空成形品は精度良く突き合わせることができるし、溶融し易いので、2次成形工程において射出する溶融樹脂によって確実かつ強固に接合することができる。1次成形工程で超臨界状態の不活性ガスを添加した溶融樹脂を使用することによって他の効果も得られる。このような溶融樹脂は、不活性ガスが添加されていない溶融樹脂に比して粘性が低下して流動性が大きくなる。従って低い射出圧力であってもキャビティ内に充填し易い。キャビティ内に充填し易いのでゲートの個数を少なくすることができ、半中空成形品においてウェルドラインが形成されにくくなるという効果が得られる。そしてゲートの個数を少なくできるので金型内に設けるランナーのレイアウトの自由度が高く、金型の設計が容易になる。また低い射出圧力で射出できるので小型の射出装置によっても成形できるという効果も得られる。そして、成形方法についての効果ではないが、発泡成形品として得られる中空成形品についても優れた点がある。まず発泡成形品であるので製品重量は小さく、材料の使用量が少なくて済む。そして内部に気泡が形成されるので断熱性に優れ、遮音性も備えている。さらには超臨界状態の不活性ガスが添加された溶融樹脂が射出されて得られる発泡成形品は、内部の気泡が微細になって大量の気泡が内部に形成されるので、発泡のない同じ形状の成形品に比して剛性や強度が大きくなるという効果も得られる。次に他の発明によると、2次成形工程は不活性ガスが無添加の溶融樹脂を射出するように構成されている。このような溶融樹脂は気泡を含まないので、熱容量が大きい。そうするとこのような溶融樹脂が2次成形工程で射出されて発泡成形品である半中空成形品に接すると、その表面は効率よく溶融されることになる。これによって一対の半中空成形品はさらに強固に接合されることになる。また他の発明によると、2次成形工程は、超臨界状態の不活性ガスを添加した溶融樹脂を射出するように構成されている。この場合、1次成形工程で成形される一対の半中空成形品も、そして2次成形工程で射出されて固化する樹脂も発泡するので、均質な中空成形品が得られる。
本発明の実施の形態に係る金型と射出装置の一部を示す図で、金型はその断面で、射出装置はその一部を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る中空成形品の成形方法を模式的に示す図で、その(ア)〜(エ)は各工程における金型の正面断面図である。 本発明の実施の形態に係る中空成形品の成形方法を模式的に示す図で、その(ア)〜(ウ)は各工程における金型の正面断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る中空成形品の成形方法を説明するが、最初にこの成形方法に使用される本実施の形態に係る金型を説明する。本実施の形態に係る一対の金型は中空成形品を成形する金型であり、従来のいわゆるダイ・スライド・インジェクション用の金型と略同様に構成され、図1に示されているように、固定側金型1と、可動側金型2とからなる。図1には示されていないが、射出成形機の型締装置の固定盤に固定側金型1が、そして可動盤に可動側金型2が取付けられている。可動側金型2は可動盤に対して所定のスライド機構を介して取付けられており、可動側金型2は固定側金型1に対して相対的に上下にスライドする。従って、これらの金型1、2は、第1、2のスライド位置において型締めされるようになっている。
固定側金型1のパーティングラインの上寄りの部分には所定高さに突き出ている第1のコア4が形成され、下寄りの部分には所定深さに空けられた第1の凹部5が形成されている。また可動側金型2のパーティングラインには第1のコア4と対応する位置に所定深さに空けられた第2の凹部7が形成され、第1の凹部5と対応する位置に所定高さに突き出た第2のコア8が形成されている。従って、第1のスライド位置において型締めすると、第1のコア4と第2の凹部7とによって、そして第1の凹部5と第2のコア8とによって、それぞれキャビティが形成され、それぞれのキャビティによって中空成形品を二つ割りした形状の一対の半中空成形品が成形できるようになっている。なお、第1のコア4には、同心円状に高さの低い小コア4aが、第2のコア8には、同様に同心円状に高さの低い小コア8aが形成されている。成形される半中空成形品には、これらの小コア4a、8aによってその接合端面に所定の溝が形成されることになり、後で説明する2次成形工程において一対の半中空成形品が突き合わされると、これらの溝から溶融樹脂が充填される接合用キャビティが形成されることになる。固定側金型1には、1次成形において樹脂を射出するための第1のランナ9と、2次成形において樹脂を射出するための第2のランナ10とが設けられている。
本実施の形態に係る金型1、2が設けられている本実施の形態に係る射出成形機は、射出装置が2台設けられている。第1の射出装置12はその射出ノズルが第1のランナ9に当接しており、第2の射出装置13はその射出ノズルが第2のランナ10に当接している。本発明は、次に説明する1次成形工程においていわゆる発泡樹脂を射出できる点に特徴がある。従って、第1の射出装置12には、図には示されていないが、特許文献2(特開2001−138371号公報)に記載のような不活性ガス注入装置が設けられ、溶融樹脂に超臨界状態の不活性ガスが所定量添加されるようになっている。一方、本実施の形態においては第2の射出装置13には不活性ガス注入装置は設けられていない。従って第2の射出装置13から射出される溶融樹脂は発泡しない。
本実施の形態に係る中空成形品の成形方法について説明する。まず、図2の(ア)に示されているように、可動側金型2を第1のスライド位置にして固定側金型1と可動側金型2とを型締めする。そうすると、第1のコア4と第2の凹部7とから、そして第2のコア8と第1の凹部5とから、それぞれ半中空成形品を成形するためのキャビティが形成される。1次成形工程を実施して、第1の射出装置12から超臨界状態の不活性ガスが添加された溶融樹脂を射出する。この様子が図2の(イ)に示されているが、第1の射出装置12は図示されていない。溶融樹脂は第1のランナ9を経由してこれらのキャビティに充填されるが、超臨界状態の不活性ガスが添加されているので溶融樹脂の粘度は低く、キャビティ内全体に充填される。このとき溶融樹脂はキャビティ内で圧力が低下するので充填されながら発泡する。冷却固化すると内部に微細な気泡がある一対の半中空成形品15、16が得られる。
次いで図2の(ウ)に示されているように型開工程を実施する。半中空成形品15、16は発泡成形品からなるので、冷却してもほとんど収縮せず、第2、1の凹部7、5に密着した状態で維持される。つまり第2、1の凹部7、5から抜け出にくい。従って型開工程では、一方の半中空成形品15は可動側金型2に、そして他方の半中空成形品16は固定側金型2に確実に残すことができる。次に金型1、2を開いた状態で可動側金型2をスライドさせて第2のスライド位置にする。そうすると図2の(エ)に示されているように一対の半中空成形品は対向する。第2のスライド位置において型締装置を駆動して型締めすると、図3の(ア)に示されているように一対の半中空成形品はそれぞれの接合端面において突き合わされる。一対の半中空成形品には、前述したように小コア4a、8aによって溝が形成されているので、一対の半中空成形品が突き合わされると、これらの溝から接合用キャビティ18が構成されることになる。2次成形工程を実施して、図示されない第2の射出装置13から溶融樹脂を射出する。そうすると図3の(イ)に示されているように、第2のランナ10を経由して溶融樹脂が接合用キャビティ18に充填される。一対の半中空成形品15、16は内部に多数の微細な気泡があるので、その表面が比較的容易に溶融する。そして第2の射出装置13から射出される溶融樹脂は不活性ガスが添加されていない。従って溶融樹脂は発泡せず、熱容量が大きい。このような溶融樹脂が接合用キャビティ18に充填されるので、一対の半中空成形品15、16の接合用キャビティ18を構成している樹脂表面を容易に溶融する。このように溶融した樹脂と共に2次成形工程において射出された溶融樹脂は一体的に冷却固化する。図3の(ウ)に示されているように金型1、2を開くと中空成形品20が得られる。以下同様にして成形する。
本実施の形態に係る中空成形品の成形方法は色々な変形が可能である。例えば、2次成形工程において射出する溶融樹脂は不活性ガスを含まない溶融樹脂であるように説明した。これによって接合用キャビティ18に充填される溶融樹脂は発泡しない。しかしながら2次成形工程においても超臨界状態の不活性ガスが添加された溶融樹脂を射出してもよい。このようにすると接合用キャビティ18に充填される溶融樹脂も発泡することになり、得られる中空成形品20は内部に一様に気泡がある発泡成形品になる。他の変形も可能であり、上で説明した金型1、2は、第1、2のスライド位置でのみ型締めできるようになっているが、第3のスライド位置等の他のスライド位置でも型締めできるようにしてもよいし、スライド方向は直線方向に限定する必要はなく、回転方向であってもよい。
1次成形工程において得られる半中空成形品が発泡成形品から形成されることによって第1、2の凹部5、7からの浮き、つまり隙間が少なくなり、それによって型開工程において半中空成形品が第1、2の凹部5、7から抜け出にくく残りやすくなっていること、および半中空成形品が小さな射出圧力で成形できることを確認するため実験を行った。
実験1:金型1、2を使用して、1次成形工程を実施し、超臨界状態の不活性ガスが添加された溶融樹脂を射出して一対の半中空成形品を得、型開工程を実施した。一対の半中空成形品15、16について、第1、2の凹部5、7から浮き、つまり隙間があるか否かを調べたところ、第1、2の凹部5、7の開口部近傍においてわずかに浮きが見られた。しかしながら一対の半中空成形品15、16は第1、2の凹部5、7の奥部においてしっかりと密着していることが確認された。
次に金型1、2を使用して、不活性ガスを含まない溶融樹脂を使用して1次成形工程を実施し一対の半中空成形品を得、型開工程を実施した。一対の半中空成形品15、16は発泡のない成形品として得られた。一対の半中空成形品15、16の第1、2の凹部5、7からの浮きを調べた。第1、2の凹部5、7の開口部近傍において一対の半中空成形品15、16の浮き、つまり隙間は約4倍の大きさであった。
超臨界状態の不活性ガスが添加された溶融樹脂から1次成形工程を実施すると、得られる半中空成形品15、16は第1、2の凹部5、7から浮きが少なくなることが確認できた。
実験2:1次成形工程において超臨界状態の不活性ガスが添加された溶融樹脂を射出するとき、射出圧力を色々と変えて成形を繰り返し、キャビティ内に適切に充填されて良好な一対の半中空成形品15、16が得られる射出圧力の下限を調べた。同様にして1次成形工程において不活性ガスを含まない溶融樹脂を射出するとき、射出圧力を色々と変えて成形を繰り返し、良好な一対の半中空成形品15、16が得られる射出圧力の下限を調べた。不活性ガスを含まない溶融樹脂で射出する場合に比して、超臨界状態の不活性ガスが添加された溶融樹脂を射出する場合には、射出圧力の下限は37%も低下させることができることが確認できた。
考察:1次成形工程において超臨界状態の不活性ガスが添加された溶融樹脂を射出して、発泡成形品から半中空成形品を形成すると、第1、2の凹部5、7からの浮き、つまり隙間が少なくなることが確認できた。これによって型開工程において半中空成形品が第1、2の凹部5、7から抜け出にくくなり、確実に第1、2の凹部5、7に残して金型1、2を開けることが予想できる。また、1次成形工程において超臨界状態の不活性ガスが添加された溶融樹脂を射出すると、小さな射出圧力で半中空成形品を成形できることが確認でき、これによってゲート点数を少なくできること、あるいは射出装置を小型化できることが予想できる。
1 固定側金型 2 可動側金型
4 第1のコア 5 第1の凹部
7 第2の凹部 8 第2のコア
9 第1のランナ 10 第2のランナ
12 第1の射出装置 13 第2の射出装置
15、16 一対の半中空成形品
18 接合用キャビティ

Claims (3)

  1. 少なくとも2位置にスライドして型締される金型を使用して、
    第1のスライド位置で型締めして溶融樹脂を射出して一対の半中空成形品を成形する1次成形工程と、
    前記一対の半中空成形品の一方を一方の金型に、他方を他方の金型にそれぞれ残して金型を開く型開工程と、
    第2のスライド位置にして型締めし、前記一対の半中空成形品を互いに突き合わせ、そして突き合わせた部分に溶融樹脂を射出充填して一対の半中空成形品を一体化する2次成形工程と、から中空成形品を得る成形方法において、
    前記1次成形工程は超臨界状態の不活性ガスを添加した溶融樹脂を射出することを特徴とする中空成形品の成形方法。
  2. 請求項1に記載の成形方法において、前記2次成形工程は不活性ガスが無添加の溶融樹脂を射出することを特徴とする中空成形品の成形方法。
  3. 請求項1に記載の成形方法において、前記2次成形工程は、超臨界状態の不活性ガスを添加した溶融樹脂を射出することを特徴とする中空成形品の成形方法。
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