JP6425908B2 - 射出成形方法、射出成形金型および成形品 - Google Patents
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Description
また、インパネは、直射日光が当たり易い上面部を耐熱性に優れた材料にて成形し、直射日光が当たり難い下面部を比較的安価な材料にて成形し、材料コストの低減を図ることがある。
これらのようなインパネは、例えば上面部と下面部とを別々に成形したり、あるいは成形後に一部を塗装したりしていた。このとき、インパネの製造では、別々に形成した部品を接合する工程や塗装工程が必要であり、製造コストの高騰が招かれる。
そこで、2種成形として単一のキャビティに異なる組成の樹脂を射出し、単一の成形品を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された技術では、第1材料の射出および保圧の工程が完了して冷却工程の開始後に、第1材料と第2材料との境界部(接合部)の入れ子を移動(コアバック)させ、第2材料を射出する。
図1は、本実施形態に係る射出成形金型1を示す断面図である。図2は、本実施形態に係るインパネ100を示す断面図である。
図1に示すように、射出成形金型1は、樹脂成形品の一例として車のインパネ100を成形する。射出成形金型1は、異なる組成からなる第1材料m1および第2材料m2を当該金型1内に射出して接触させることにより、第1材料m1と第2材料m2とを一体成型する。
射出成形金型1は、上型2と、第1下型3と、第2下型4と、可動コア型5と、を備える。
インパネ100は、異なる組成からなる第1材料m1および第2材料m2を射出成形金型1内に射出して接触させることにより、第1材料m1と第2材料m2とを一体成型した成形品である。
インパネ100は、第1成形部110と第2成形部120とから構成される。
第1成形部110の薄肉部112は、徐変部112aおよび薄板部112bを有する。
第2成形部120の薄肉部122は、薄板部122aおよび傾斜先端部122bを有する。
図4の(a)に示すように、図3中の第1材料充填工程S1では、まず、射出成形金型1は、可動コア型5を上方に前進(コアフォワード)させる。可動コア型5は、上面51の平坦面51bを上型2の下面21の突状部22に当接させて停止する。これにより、上型2と第1下型3および可動コア型5との間には、第1キャビティ部6aが形成される。
その後、射出成形金型1は、第1キャビティ部6aに図示左側から第1材料m1を射出する。
図4の(b)に示すように、図3中の第1材料保圧工程S2では、第1材料充填工程S1完了後、第1キャビティ部6aに第1材料m1を充填した状態で保圧状態に維持する。その途中で、上型2、第1下型3、可動コア型5の全ての内部に冷却水が循環する。特に、可動コア型5では、BaCuなどの高い熱伝導率を有する部材を用い、内部に冷却水が循環することにより、インパネ100の第1成形部110の薄肉部112が熱を可動コア型5の上面51に伝熱でき、薄肉部112が早期に冷却固化される。これにより、第1材料m1における第2材料m2との接合部である薄肉部112の冷却を、薄肉部112に連続する上流側の厚板部111に比して早める。そして、第1成形部110の薄肉部112が1次収縮する。
図4の(c)に示すように、図3中の第1材料保圧工程かつ第2材料充填工程S3では、薄肉部112および厚板部111の表面部分の冷却固化が進むと、薄肉部112の内層が溶融状態であっても、射出成形金型1は、可動コア型5を下方に後退(コアバック)させる。これにより、上型2と第2下型4および可動コア型5との間には、第2キャビティ部6bが形成される。第2キャビティ部6bには、第1材料m1の薄肉部112が露出する。
その後、射出成形金型1は、第2キャビティ部6bに図示右側から第2材料m2を射出する。このとき、第1キャビティ部6aに第1材料m1を充填した状態で保圧状態に維持する。
図4の(d)に示すように、図3中の第1材料保圧工程かつ第2材料保圧工程S4では、第2材料充填工程S3完了後、第2キャビティ部6bに第2材料m2を充填した状態で保圧状態に維持する。このとき、同様に、第1キャビティ部6aに第1材料m1を充填した状態で保圧状態に維持する。第1材料m1の薄肉部112は、第2材料m2に接触した時点で再度溶融し、その後冷却固化される。
図4の(e)に示すように、図3中の第1材料冷却工程かつ第2材料保圧工程S5では、上型2、第1下型3、可動コア型5の全ての内部に冷却水が循環することにより、第1キャビティ部6aにて第1成形部110に成形される第1材料m1の冷却が実行される。このとき、第2キャビティ部6bに第2材料m2を充填した状態で保圧状態に維持する。ここでも、可動コア型5では、BaCuなどの高い熱伝導率を有する部材を用い、内部に冷却水が循環することにより、インパネ100の第2成形部120の薄肉部122が熱を可動コア型5の上面51に伝熱でき、薄肉部122が早期に冷却固化される。
図4の(f)に示すように、図3中の第1材料冷却工程かつ第2材料冷却工程S6では、上型2、第1下型3、可動コア型5の全ての内部に冷却水が循環することにより、第1キャビティ部6aにて第1成形部110に成形される第1材料m1の冷却が実行される。また、図4の(e)の状態から所定間隔を空けて、上型2、第2下型4、可動コア型5の全ての内部に冷却水が循環することにより、第2キャビティ部6bにて第2成形部120に成形される第2材料m2の冷却が実行される。
そして、第1キャビティ部6aにて成形される第1成形部110の冷却が所定時間完了すると、第1材料m1から構成される第1成形部110の成形が完了し、第2キャビティ部6bにて成形される第2成形部120の冷却を所定時間待つ。
その後、第2材料m2から構成される第2成形部120の成形が完了すると、異なる組成からなる第1材料m1および第2材料m2を射出成形金型1内に射出して接触させることにより、第1材料m1と第2材料m2とを一体成型したインパネ100の成形が完了する。
5…可動コア型(仕切り部材)
6a…第1キャビティ部
6b…第2キャビティ部
100…インパネ(成形品)
112…薄肉部(接合部)
m1…第1材料
m2…第2材料
Claims (7)
- 異なる組成からなる第1材料および第2材料を、固定型および可動型を備える金型内に射出して接触させることにより、前記第1材料と前記第2材料とを一体成型する射出成形方法であって、
前記可動型を前記固定型に接近させることにより第1キャビティ部を形成し、当該第1キャビティ部内に前記第1材料を射出する工程と、
前記第1キャビティ部に前記第1材料を充填した状態で保圧しつつ、前記第1材料における前記可動型の端面と接触する接合部を、前記接合部に連続する上流側に比して速く冷却する工程と、
前記接合部の内層が溶融した状態で前記端面を前記接合部から退避させることにより第2キャビティ部を形成するとともに、当該第2キャビティ部内に前記第2材料を射出し、当該第2材料と前記第1材料とを前記接合部で接触させる工程と、を備えることを特徴とする射出成形方法。 - 前記第1材料における前記第2材料との前記接合部を、前記接合部に連続する上流側に比して板厚を薄くすることを特徴とする請求項1に記載の射出成形方法。
- 前記第1材料における前記第2材料との前記接合部の冷却固化に伴って生じる体積収縮差を、下流側端に向けて徐々に変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形方法。
- 前記第1材料における前記第2材料との前記接合部の厚みを、下流側端に向けて徐々に変化させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の射出成形方法。
- 突状部が設けられた固定型と当該突状部に対し進退可能な可動型とを備え、第1材料と第2材料とを一体成型する射出成形金型であって、
前記可動型の端面と前記突状部とを接触させると前記第1材料を成形する第1キャビティ部が形成され、前記第1材料の成形後に前記端面を前記突状部から離間させると前記第2材料を成形する第2キャビティ部が形成され、
前記第1キャビティ部は、前記第1材料における前記第2材料との接合部を、前記接合部に連続する上流側に比して板厚を薄くする薄肉部に形成し、
前記第1キャビティ部のうち前記薄肉部を成形する部分は、前記端面と前記突状部と前記固定型とによって形成され、
前記端面は、前記上流側から下流側に向かうに従い徐々に前記固定型に接近する傾斜面と、当該傾斜面と前記突状部に対する接触面とを接続する平坦面と、を備えることを特徴とする射出成形金型。 - 前記可動型の内部には、冷却水路が形成され、
前記可動型のうち前記端面を構成する部分は、前記固定型に比して高い熱伝導率を有する部材にて構成されることを特徴とする請求項5に記載の射出成形金型。 - 異なる組成からなる第1材料および第2材料を金型内に射出して接触させることにより、前記第1材料と前記第2材料とを一体成型した成形品であって、
前記第1材料によって成形される第1成形部は、第1厚板部と、当該第1厚板部と連続しかつ前記第1厚板部よりも板厚が薄い第1薄肉部と、を備え、
前記第2材料によって成形される第2成形部は、第2厚板部と、当該第2厚板部と連続しかつ前記第1薄肉部に接合される第2薄肉部と、を備え、
前記第1薄肉部は、前記第1厚板部と連続する徐変部と、前記徐変部と連続しかつ前記第1成形部の端部を構成する薄板状の第1薄板部と、を備え、
前記徐変部の板厚は、前記第1厚板部側から前記第1薄板部側に向かうに従い徐々に薄くなり、
前記第2薄肉部は、前記第2厚板部と連続しかつ前記第2厚板部よりも板厚が薄い第2薄板部と、前記第2薄板部と連続しかつ前記第2厚板部よりも板厚が薄い先端部と、を備え、
前記第2薄板部は前記第1薄板部に接合され、前記先端部は前記徐変部に接合されることを特徴とする成形品。
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