JP3994754B2 - 複合成形体製造金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱可塑性樹脂からなる複数の基材部がその端部において融着一体化した複合成形体を製造するための金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
異種または同種の熱可塑性樹脂からなる複数の基材部がその端部において融着一体化して一つの基材を構成してなる複合成形体は、自動車や家電製品の内装部品等として広く使用されている。
【0003】
このような複合成形体を製造する方法として、例えば、特開平8−25407号には、それぞれの基材部に対応して金型キャビティ内へ供給されたそれぞれの溶融状熱可塑性樹脂を各基材部の境界部で堰き止めるための樹脂止め機構を有する金型を用いた複合成形体の製造方法が提案されている。
【0004】
この方法における複合成形体の製造法は次のとおりである。
まず、樹脂止め機構を金型キャビティ内へ突出させ、第一の基材部が形成される金型キャビティ空間に第一の溶融状熱可塑性樹脂を供給し、該キャビティ空間に樹脂を充填する。この状態で一定時間冷却させた後、樹脂止め機構を金型内へ収容し、残余の第二の基材部が形成される金型キャビティ空間に第二の溶融状熱可塑性樹脂を供給・充填させ、第一の基材部と第二の基材部とを樹脂止め機構に対応する境界部で熱融着させて一体化させる。
【0005】
しかし、このような樹脂止め機構を有する金型を用いた複合成形体を製造する方法は、その方法自体は操作が容易で、工業的な製造法として有利ではあるが、第一の基材部と第二の基材部との接合部における外観を良好なものに仕上げるためには、第一の基材部を形成するための第一の溶融状熱可塑性樹脂を供給、充填後、樹脂止め機構を金型内に突出させた状態である程度の冷却時間(数秒〜数十秒)を設け、第一の基材部の接合面を冷却させた後に、第二の基材部を形成させるための第二の溶融状熱可塑性樹脂を供給することが必要であり、成形サイクル時間が長くなってしまうという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、本発明らは上記の方法において、樹脂止め機構を具備した金型の利点をそのまま活かしつつ、上記方法と基本的に同一の方法で、成形サイクル時間の短縮化が可能となる金型を開発すべく検討の結果、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性樹脂からなる複数の基材部がその端部において融着一体化した複合成形体を製造するための雌雄一対からなる金型であって、一方の金型の、基材部の端部同士の接合位置に対応する金型面に、金型キャビティ内に突出可能に、かつ金型の開閉方向に摺動可能な樹脂止め機構を有し、前記樹脂止め機構には他の金型部分とは独立して冷却手段が設けられており、他方の金型には、前記樹脂止め機構に対応する位置に、該樹脂止め機構に対応した連続する突起部が設けられてなり、樹脂止め機構の先端部と突起部の先端部とが互いに嵌合可能な凹凸形状であることを特徴とする複合成形体製造金型を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を説明するが、本発明はもとよりこの説明に限定されるものではなく、その趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、係る実施態様がいずれも本発明の範囲に含まれるものであることは言うまでもない。
【0009】
本発明の金型は、図1に示すように互いに対になって複合成形体を成形するための雌型(1)と雄型(2)の雌雄一対で構成されている。
【0010】
雄型のキャビティ面には、キャビティ内に突出可能で、かつ金型の開閉方向に摺動可能な樹脂止め機構(5)が設けられており、成形過程において、該樹脂止め機構をキャビティ内に突出させることによって、樹脂止め機構を境界としてキャビティ内を第一の基材部形成部と第二の基材部形成部とに分けることができる。
【0011】
各基材部形成部に対応する雄型キャビティには、第一の基材部を形成するための第一の溶融熱可塑性樹脂(13)を供給するための第一の樹脂供給路(3)と、第二の基材部を形成するための第二の溶融熱可塑性樹脂(14)を供給するための第二の樹脂供給路(4)がそれぞれ設けられており、その一端は金型キャビティ面に樹脂供給口として開口し、他端は金型外に設けた射出機(図示せず)と接続されている。
樹脂供給路はそれぞれの基材部に対応するキャビティ面に複数個設けられていてもよいが、図では説明をわかりやすくするために、それぞれ1個だけの例を示している。
【0012】
前記樹脂止め機構は、第一の基材部と第二の基材部との境界部に対応して例えば連続した柱状や板状の形態からなるものであって、その厚み(幅)は第一の熱可塑性樹脂を供給、充填したときにキャビティ内での溶融樹脂の流動を阻止する堰として機能し、かつその内部に後述する冷却手段を設けることが可能な程度であれば何ら限定されるものではなく、対象とする製品の厚みや大きさ、金型キャビティ面の大きさ(広さ)、樹脂止め堰の材質など種々の条件に応じて適宜決定されるが、樹脂止め機構の幅が小さすぎると樹脂止め機構に冷却手段例えば冷却管を等を内設することが困難になるばかりでなく、冷却管内を流れる冷却媒体の流量が不十分となって冷却効率が悪く、また機械的強度も低下することから、一般的には最終製品厚みの2倍以上、好ましくは5倍以上であり、その上限は特に限定されないが、あまり厚くなってもそれに見合う効果が期待できないところから、通常は25倍以下、好ましくは20倍以下である。
【0013】
係る樹脂止め機構の材質としては、熱伝導性に優れ、機械的強度にも優れる金属性材料が使用され、例えば鉄、銅、アルミニウムなどが例示されるが、多くの場合に金型と同一ないしは類似の組成の鋼鉄が使用される。
【0014】
前記樹脂止め機構を拡大した断面概略図を図2に示すが、該樹脂止め機構の内部には他の金型部分とは独立した冷却手段(6)が設けられており、該樹脂止め機構が金型キャビティ空間に突出して、他の金型部分と独立した状態になっても樹脂止め機構のみを単独で冷却することができるようになっている。
【0015】
冷却手段としては、通常、冷却管を樹脂止め機構内に設け、そこに冷却媒体を流す方法が好んで利用される。
この手段による場合には、冷却媒体供給部(図示せず。)から冷却された冷却媒体が供給され、樹脂止め機構を所望の温度に冷却することができる。
これにより、第一の溶融状熱可塑性樹脂を供給、充填後、樹脂止め機構に接する部分(第一基材部の端部に対応し、次に形成する第二基材部との接合部となる)の冷却速度を早くすることができ、第二の溶融状熱可塑性樹脂を供給するまでのタイムラグを短縮することができ、成形サイクル時間の短縮化を達成することができる。
【0016】
ここでの冷却媒体としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、フロンガス等の気体、水、アンモニア等の液体が利用できるが、一般的には、水が冷却媒体として最も好んで利用される。
【0017】
樹脂止め機構内に設けられる冷却手段として冷却管を用いる場合、配設する冷却管の位置、管径等は任意であるが、冷却管の位置は樹脂止め機構の上部、すなわち、樹脂止め機構を金型キャビティ内に突出し、第一の溶融状熱可塑性樹脂を第一の基材部に対応するキャビティ内に供給、充填した際に金型キャビティ面より上部に位置するように設けることが好ましく、管径は樹脂止め機構の幅に対して通常1/10〜1/2倍程度ある。また、冷却管を樹脂止め機構内に複数個設けても良いし、冷却管をスパイラル状、蛇腹状に配管してもよい。
【0018】
更に本発明においては、樹脂止め機構の温度を一定温度に保つために、温度を検知するための温度センサー(7)が樹脂止め機構に設けられ(図2)、且つ温度センサーからの出力に基づいて樹脂止め機構の温度制御を行う手段が設けられていることが好ましい。
温度センサ―の位置について、は樹脂止め機構の雄型の金型面から突出した部分に設けることが好ましい。
【0019】
温度制御の方法としては、温度センサーからの出力に基づくフィードバック制御により、冷却媒体自体の温度を制御する手段や冷却媒体の流量を調整する手段等があるが、冷却媒体の流量を調整することにより樹脂止め機構の温度を制御する手段がより実用上好適である。
【0020】
前記樹脂止め機構には駆動源(9)が連結されている(図1)。この駆動源により樹脂止め機構を金型の開閉方向に摺動させることによって機械的に樹脂止め機構の突出、収容を行えるようにすることができる。
駆動源を作動させるための動力は、特に限定されないが、シリンダー(エアーシリンダー、油圧シリンダー等)のような通常使用される直線運動型の動力を利用することができる。
【0021】
また、本発明の金型においては、樹脂止め機構を金型キャビティ内に突出し、第一の溶融状熱可塑性樹脂を第一の基材部に対応するキャビティ内に供給、充填した際に、充填された溶融状の第一の熱可塑性樹脂が、樹脂止め機構の先端部とそれと接する雌型金型面との隙間から、隣接する他の基材部に対応するキャビティ内に流入するのをより確実に阻止するために、雌型(1)に雄型(2)に設けられた樹脂止め機構に対応する位置に、樹脂止め機構に対応した連続する突起部(木目込み矢)(8)を設けてもよい(図3)。
【0022】
かかる突起部(8)は、目的とする製品形状によっては雌型に固定された状態であってもよいが、突起物の形状が製品に転写されるのを避ける場合には、雌型金型内を摺動自在で金型面から突出可能な構造とするのが好ましい。
【0023】
雌型に突起部を設ける場合は、図4に示すように樹脂止め機構の先端部と突起部の先端部とが互いに嵌合可能な凹凸形状であることが好ましい。
尚、図4では突起部の先端部を凸状とし、樹脂止め機構の先端部凹状としたが、突起部の先端部を凹状とし、樹脂止め機構の先端部凸状としてもよい。
このようにその先端部の凹凸をどちらにするかは任意であるが、いずれの場合であっても、凹凸が組み合わされた後において、第一の溶融状の熱可塑性樹脂が供給される第一の基材部側の面が平面状となるような凹凸形状とすることが好ましい。
【0024】
次に、このような本発明の金型を用いて、熱可塑性樹脂からなる複数の基材部がその端部において融着一体化した複合成形体を製造する方法について説明する。
【0025】
雌雄両金型を開放状態とし、雄型(2)内に設けた樹脂止め機構(5)をキャビティ面からその先端部までの距離が最終製品厚みより長くなるように雌型方向に前進させ、キャビティ内に突出させる。(図5)
雌型に前記した摺動自在の突起物を設けている場合には、樹脂止め機構の突出と前後して該突起物をキャビティ内に突出させる。
樹脂止め機構を突出させた後、必要に応じて樹脂止め機構で遮断された第一の基材部の形成に対応するキャビティ面に予めこれに対応して裁断された表皮材を載置しても良い。
【0026】
その後、樹脂止め機構の先端部が雄型のキャビティ面と接触するか、突起物の先端部と接触もしくは先端部同士が嵌合するまで雌型を下降させる。
このときのキャビティクリアランスは、その後の第一の溶融状熱可塑性樹脂の供給方法によって変わり、成形後における第一の基材部の厚みと同等であってもよいし、それより広くてもよい。
【0027】
キャビティクリアランスが成形後における第一の基材部の厚みと同等である場合には、通常の射出成形法におけると同様に、雌雄両金型のキャビティ面と樹脂止め機構との間で形成される閉空間のキャビティ内に、第一の基材部(11)を形成するに必要な樹脂量の第一の溶融状熱可塑性樹脂を第一の樹脂供給路(3)から供給し、その供給圧で該溶融樹脂をキャビティ内に充填すればよい。
【0028】
キャビティクリアランスが成形後における第一の基材部の厚みより広い場合には、その状態で第一の基材部(11)を形成するに必要な樹脂量の第一の溶融状熱可塑性樹脂(13)を第一の樹脂供給路(3)から供給し(図6)、次いで、樹脂止め機構(5)を金型内に押し下げながら雌型(1)を下降させ、キャビティクリアランスが成形後における第一の基材部の厚みになるまで型締めする。(図7)。
【0029】
この際の型締めは第一の溶融状熱可塑性樹脂を供給しながら行ってもよいし、第一の溶融状熱可塑性樹脂の供給後に行ってもよく、後者の場合には供給完了後に速やかに型締めを行うことが好ましい。
上記いずれの充填方法であっても、樹脂止め機構により供給された第一の溶融状熱可塑性樹脂が該樹脂止め機構により仕切られた残余のキャビティ空間に流れ込むことが防止されるが、キャビティクリアランスが成形後における第一の基材部の厚みと同等である場合には、樹脂止め機構にかなりの強度が要求されるため、実用的にはキャビティクリアランスを成形後における第一の基材部の厚み以上とし、その後の型締めによりキャビティ内に溶融状熱可塑性樹脂を充填する後者の方法が有利である。
【0030】
溶融状熱可塑性樹脂がキャビティ内に充填されたのち、樹脂止め機構に接する溶融状熱可塑性樹脂が冷却される。
この実施例においては、樹脂止め機構内に設けられた冷却管(6)には冷却水が流されていて、樹脂止め機構が直接冷却され、これによって樹脂止め機構と接する溶融状熱可塑性樹脂が冷却される構造になっている(図8)。
具体的には、溶融状熱可塑性樹脂がキャビティ内に充填され、その流動末端樹脂が樹脂止め機構に接触して樹脂止め機構の温度が上昇すると温度センサー(7)がこの温度上昇を検知し、温度センサーからの出力に基づいてフィードバック制御が行われ、冷却管に流れる冷却水量が増加して樹脂止め機構の温度を所定の温度に冷却、維持するようになっている。
【0031】
溶融状熱可塑性樹脂をキャビティ内に充填したのち、樹脂止め機構の冷却手段を作動させ、この状態を一定時間保持して樹脂止め機構と接する溶融状熱可塑性樹脂を冷却して薄い固化層を形成させたのち、樹脂止め機構を後退させて雄型内へ収納する。このとき、キャビティ内の大部分の樹脂は前記固化層部および金型面に接してスキン層を形成している部分を除いてまだ未固化状態にある。
樹脂止め機構を雄型内に収納する際、雌型面からも摺動自在の突起物をキャビティ内に突出させていた場合には該突起物も雌型内に収納する。
【0032】
樹脂止め機構の後退後、キャビティクリアランスをそのまま維持しながら、第二の基材部(12)が形成される残余のキャビティ空間に第二の樹脂供給路(4)から第二の溶融状熱可塑性樹脂(14)を射出供給し(図9)、キャビティ内に樹脂を充填させる。
【0033】
供給、充填された第二の溶融状熱可塑性樹脂は、最初の工程で形成された第一の基材部の樹脂止め機構に沿って形成された固化層部とキャビティ内で接触し、該固化層部に熱を与えつつ両者は融着一体化される。
【0034】
第二の溶融状熱可塑性樹脂を供給後、キャビティクリアランスを維持しつつ、最初に供給した大部分が未固化の第一の溶融状熱可塑性樹脂とともに第二の溶融状熱可塑性樹脂を冷却、固化させ(図10)、第一の基材部と第二の基材部がその端部で融着一体化された複合成形体を金型から取り出す。
【0035】
尚、図示例では、金型の型締めを上下方向に行う例を示したが、型締め方向は何ら限定されず、プレス装置の取り付け方に応じて水平方向(横方向)に型締めを行ってよい。
【0036】
本発明の金型を用いて複合成形体を製造するにあたり、適用される熱可塑性樹脂は圧縮成形、射出成形、押出成形などで通常使用される熱可塑性樹脂がそのまま適用され何ら限定されない。
係る熱可塑性樹脂としてはたとえばポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルースチレンーブタジエンブロック共重合体、ポリスチレン、ナイロンなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、スチレンーブタジエンブロック共重合体などの一般的な熱可塑性樹脂、EPMやEPDMなどの熱可塑性エラストマー、これらの混合物、あるいはこれらを用いたポリマーアロイ等が挙げられ、本発明においてはこれらを総称して熱可塑性樹脂という。
【0037】
これらの熱可塑性樹脂には必要に応じて通常使用されるガラス繊維、各種の無機もしくは有機フィラーなどの充填材が含有されていてもよく、もちろん通常使用される各種の顔料、滑材、帯電防止剤、安定剤などの各種添加材が配合されていてもよい。
【0038】
また本発明において、第一の基材部を形成するための第一の熱可塑性樹脂と第二の基材部を形成するための熱可塑性樹脂は同じであっても異なっていてもよい。ここで、熱可塑性樹脂が異なるとは、第一の熱可塑性樹脂と第二の熱可塑性樹脂の種類や樹脂組成物としての構成が異なっている場合や、樹脂の種類は同一であっても色や柄が異なる場合などを意味する。
【0039】
例えば熱可塑性樹脂の異なる例として、第一の熱可塑性樹脂がプロピレン系樹脂である場合に第二の熱可塑性樹脂がエチレン−プロピレン共重合体である場合や、第一、第二の両方の熱可塑性樹脂がともにプロピレン系樹脂であっても第一の熱可塑性樹脂が顔料を含有しているのに対して第二の熱可塑性樹脂が顔料を含有していない場合や顔料その他の配合剤が異なっている場合などが挙げられる。
【0040】
このように、熱可塑性樹脂それ自体は任意であって特に限定されないが、少なくとも隣接する基材部同士が成形過程時に熱融着するように、それぞれの基材部を構成する熱可塑性樹脂を選択使用することは必要である。
【0041】
また、上記例では基材部が発泡しない場合について述べたが、前記熱可塑性樹脂は発泡性の熱可塑性樹脂であってもよく、この場合には、前記方法における樹脂充填時のキャビティクリアランスを発泡後の最終製品厚みにとなるように保持すればよい。
【0042】
尚、本発明の金型を用いて表皮材貼合の複合成形体を製造する場合に適用される表皮材としては、モケットやトリコット等の織物や編み物、ニードルパンチカーペット等の不織布、金属フォイル、熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマーからなるシートまたはフィルムが挙げられる。これらの表皮材は必要に応じて発泡層や裏打ち層が適宜積層された2層あるいは3層以上とした積層表皮材であってもよいが、基材の熱可塑性樹脂と直接的に熱融着可能なもの、あるいは表皮材裏面に溶融状態の基材熱可塑性樹脂が含浸して基材樹脂と接着可能なものであることが必要である。
上記の発泡層が積層された積層表皮材を使用する場合において、発泡層としてはポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンの発泡体や、ポリ塩化ビニル発泡体、軟質あるいは半硬質のポリウレタン発泡体が好んで使用される。
【0043】
【発明の効果】
本発明の金型を用いて複合成形体を製造すれば、樹脂止め機構を具備した金型の利点をそのまま活かしつつ、従来方法と基本的に同一の方法で、成形サイクル時間の短縮化が可能となり、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の金型例の概略断面図である。
【図2】図2は本発明の金型に設けられた樹脂止め機構の概略拡大断面図である。
【図3】図3は本発明の金型例の概略断面図である。
【図4】図4は本発明の金型に向けられる樹脂止め機構先端部と突起物先端部との嵌合関係の例を示す概略拡大断面図である。
【図5】図5は本発明の金型を用いて複合成形体を製造するための製造工程を示す金型概略断面図である。
【図6】図6は本発明の金型を用いて複合成形体を製造するための製造工程を示す金型概略断面図である。
【図7】図7は本発明の金型を用いて複合成形体を製造するための製造工程を示す金型概略断面図である。
【図8】図8は本発明の金型の樹脂止め機構に設けられた冷却手段および温度センサーの取り付け位置を示す概略断面図である。
【図9】図9は本発明の金型を用いて複合成形体を製造するための製造工程を示す金型概略断面図である。
【図10】図10は本発明の金型を用いて複合成形体を製造するための製造工程を示す金型概略断面図である。
【符号の説明】
1:雌型
2:雄型
3、4:樹脂供給路、
5:樹脂止め機構
6:冷却手段
7:温度センサー
8:突起物(木目込み矢)
9:駆動源
11:第一の基材部
12:第二の基材部
13:第一の熱可塑性樹脂
14:第二の熱可塑性樹脂
Claims (2)
- 熱可塑性樹脂からなる複数の基材部がその端部において融着一体化した複合成形体を製造するための雌雄一対からなる金型であって、一方の金型の、基材部の端部同士の接合位置に対応する金型面に、金型キャビティ内に突出可能に、かつ金型の開閉方向に摺動可能な樹脂止め機構を有し、前記樹脂止め機構には他の金型部分とは独立して冷却手段が設けられており、他方の金型には、前記樹脂止め機構に対応する位置に、該樹脂止め機構に対応した連続する突起部が設けられてなり、樹脂止め機構の先端部と突起部の先端部とが互いに嵌合可能な凹凸形状であることを特徴とする複合成形体製造金型。
- 温度を検知するための温度センサーが樹脂止め機構に設けられ、且つ温度センサーからの出力に基づいて樹脂止め機構の温度制御を行う手段を有する請求項1記載の複合成形体製造金型。
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