JP3635838B2 - 熱可塑性樹脂中空成形体製造用金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂中空成形体製造用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内部を中空状にした熱可塑性樹脂製の中空成形体、たとえばハンドル形状やグリップ形状の中空成形体はよく知られている。これらはその両端を基板となる別の部品と接合して取っ手部品などとして用いられることが多く、その代表的なものとして自動車内装材、例えばドアトリムやインストルメントパネルに取り付けられたアシストグリップなどがよく知られている。
しかし、中空構造体の代表的な製造法として従来より知られているガスインジェクション法やブロ−成形法では、上記したようなハンドル形状やグリップ形状の中空成形体は、それ単独での製造は可能であったが、基板となる別部品を同時一体的に製造することはできず、取っ手部品などとして使用する場合にはその中空成形体と基板となる別部品を接合しなければならないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、本発明者らは中空成形部品と基板である部品とをそれぞれ別個に製造し、その後に両者を接合するという面倒な工程を必要とすることなく、基板部と中空構造部が一体的に構成されてなる熱可塑性樹脂中空成形体を容易に製造することができ、またその表面に容易に表皮材を一体的に貼合しうる熱可塑性樹脂中空成形体製造用金型を開発すべく検討の結果、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板部と中空構造部が一体的に構成されてなる熱可塑性樹脂中空成形体を製造するための雌雄一対からなる金型であって、成形過程において、一方の金型の成形面側に主として中空構造部を形成するための入れ子構造からなるキャビティが、他方の金型面側に主として基板部を形成するためのキャビティがそれぞれ形成されるとともに、両キャビティは中空構造部の中空形成部の両末端部において連通してなる構造を有し、かついずれか一方の連通部に対応する金型位置には流体注入ピンが設けられ、他方の連通部に対応する金型位置には該連通部を遮断/開放可能ならしめるスライドコアが設けられてなる熱可塑性樹脂製中空成形体製造用金型を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性樹脂中空成形体製造用金型は、その例を断面概略図で図1に示すように雌雄一対の金型(1、2)からなり、一方の金型(この図では雌金型(1))の成形面側には主として中空構造部を形成するためのキャビティ(3)が、他方の金型(この図では雄金型(2))の成形面側には主として基板部を形成するためのキャビティ(4)がそれぞれ形成されるようになっており、中空構造部を形成するためのキャビティ(3)は基板部を形成するためのキャビティ(4)に対して入れ子(5、5')構造となっていて、両キャビティは入れ子(5)で分割され、中空形成部の両末端部において連通している。
このため、入れ子(5)の反キャビティ面(6)(雌型(1)の成形面に対して反対側であって、この図では入れ子(5)の下面側)が基板部を形成するためのキャビティ面を兼ねることとなっている。
【0006】
雄金型側または雌金型側いずれか一方またはその両方のキャビティ内には、金型内に溶融状態の熱可塑性樹脂(7)を供給するための溶融樹脂供給口(8)とキャビティ内に供給された溶融樹脂中に圧縮流体を供給するための圧縮流体供給口(9)が設けられているが、圧縮流体供給口は両キャビティの連通部(10)のいずれか一方に設けられ、溶融樹脂供給口は通常基板部を形成するためのキャビティ側に設けられる。
【0007】
ここで、溶融樹脂供給口(8)は金型内の樹脂通路(11)を経て一般的な熱可塑性樹脂用の射出機に接続され、キャビティ内に所定量の溶融樹脂が供給できるようになっている。
尚、溶融樹脂は中空構造部を形成するためのキャビティ(3)および基板部を形成するためのキャビティ(4)内に供給することが必要であり、溶融樹脂供給口(8)はその両方に供給可能な位置に設けられるが、必要により複数個の溶融樹脂供給口が設けられていてもよい。
但し、溶融樹脂は、流体供給の開始時において基板部を形成するためのキャビティ(3)内を満たし、かつ圧縮流体供給口(9)周辺を溶融樹脂で満たすことは必要であるが、中空部を形成するためのキャビティは完全に満たすことなく、形成せしめる中空部分にほぼ相当する容積分を空隙としてキャビティ(4)内に存在させることが必要であるから、このような要件を満足する位置に溶融樹脂供給口を設ける必要がある。
【0008】
圧縮流体供給口(8)は一方の連通部に設けられ、その後端部はボンベやコンプレッサ−などの流体供給源(図1では図示せず)に接続されている。
ここで、流体としては溶融樹脂中に供給可能で、これを注入することにより中空部分が形成されるものであれば特に限定されず、液体であってもよいが、通常、空気、窒素ガス、炭酸ガスなどの気体が使用される。
圧縮流体供給口(8)はキャビティ面に直接開口するように設けられていてもよいが、先端部が開口する流体注入ピン(12)などを用い、該ピン先が溶融樹脂中に埋没するように配置しておくことが好ましく、また、かかる流体注入ピンは固定式であってもよいが、進退可能の構造となっていることが好ましい。
【0009】
かかる、圧縮流体供給口(8)は溶融樹脂の圧力によって詰まりを生じたりして、流体の供給が不可能とならないようにすることが必要である。
特に、圧縮流体供給口が溶融樹脂と接しているような場合には、流体供給開始前の溶融樹脂の供給やその後の型締により、圧縮流体の供給開始前に、溶融樹脂が圧縮流体供給口(8)内に入り込んで詰まりを生じたり、金型成形面や流体注入ピン(12)の外周面に形成される溶融樹脂の冷却固化薄層(スキン層)により供給口がスキン層により覆い隠され、数kgf/cm2程度の低圧の圧縮流体では流体の供給が不可能となることがあるため、流体注入ピンを用いる場合であっても、流体の供給が開始されるまでは圧縮流体供給口が溶融樹脂と接することなく、しかも流体供給時には圧縮流体供給口周辺に形成されたスキン層を破壊して圧縮流体供給口が溶融樹脂と直接接し、低圧の圧縮流体であっても容易に溶融樹脂中に流体を供給し得るような機能を有することが好ましい。
【0010】
このような機能を有する流体注入ピンとしては、特願平9−16347号に示され、図2に例示するような、その先端が封鎖された中空管からなり、該中空管の管壁にはこれを貫通して外周面(14)に開口する圧縮流体供給口(貫通孔)(9)が、また、外周面には前記貫通孔の中心と同一軸線上に切り欠き凹部(13)が設けられ、かつ中空空間の後端開口部が流体供給源(15)に連通してなるとともに、該中空管が中空管の長さ方向に進退移動可能な移動手段(16)に接続されてなる流体注入ピンが例示される。
【0011】
かかる流体注入ピン(12)を使用する場合には、たとえば流体注入ピンを基板部を形成するためのキャビティ側の金型(図1では雄型)に設けた後、金型を所定のキャビティクリアランスになるまで閉じ、該ピンの切り欠き凹部(13)がキャビティ内に位置するように移動手段で調整した後、所定量の溶融樹脂(7)をキャビティ内に供給すると、溶融樹脂は流体注入ピンの外周面を包み込みながらキャビティ内を流動し、金型成形面や流体注入ピンの外周面などと接する部分は樹脂温度が低下、固化して切り欠き凹部部分を含めて薄い固化層(スキン層)(21)が形成される。このときの流体注入ピンの部分の拡大概略図を図3に示す。
その後流体注入ピンの貫通孔(9)が当初に切り欠き凹部が位置していたところまで流体注入ピンをキャビティ側に突き上げ移動させると、切り欠き凹部内のスキン層は流体注入ピンの移動とともに切り欠き凹部内に取り込まれたまま周辺のスキン層から削り取られ、当該部分は溶融樹脂がむき出し状態となって、この部分に貫通孔が一致することとなる。このときの流体注入ピンの部分の拡大概略図を図4に示す。
この状態で流体の供給を開始すると、流体はスキン層による詰まりなどの影響を受けることなく、せいぜい数kgf/cm2程度の低圧の圧縮流体であっても、容易に溶融樹脂中に供給することができ、中空部を形成することができる。
【0012】
キャビティ連通部(10)の他方には、その連通部を開放、遮断するためのスライドコア(17)が設けられている。
このスライドコアは、基板部を形成せしめるキャビティ(4)側から供給された溶融樹脂(7)が他方の連通部(圧縮流体供給口が設けられていない連通部)から中空構造部を形成せしめるキャビティ(3)側に入り込まないように、連通部を遮断して樹脂止めの役割を果たし、また、圧縮流体の供給を開始するときには、その上端面が成形面と一致するように金型内に後退させ、基板部を形成せしめるキャビティ(4)の一部となすようにするものである。
【0013】
このため、スライドコア(17)は連通部(10)を完全に遮断しえるように、スライドコアを突き出したときにはその上端面が入れ子(5、5')の下端面と当接するか、スライドコアの外周側面を入れ子(5、5')で形成されている連通部分のキャビティ(3)の内周面に摺動させながらはめ込むなどの手法が採用されるが、金型の加工性などの点で前者の手法が好ましい。
そのためにも、かかるスライドコアは基板部を形成するためのキャビティ(4)側の金型に設けられ、通常の油圧や空気圧等を利用するシリンダ−(18)などの移動手段により、制御可能となっている。
【0014】
入れ子(5、5')は目的とする中空成形体の形状によってそれぞれに適した形状とされることは言うまでもなく、特に限定されるものではない。
【0015】
次に、このような金型を用いて、平板上の基板部にコの字型の中空管が取っ手状に一体的に設けられた中空成形体(図10)を製造する例について説明する。
この場合に使用する金型は、図1に示されるように、開閉可能な雌雄一対の金型(1、2)からなり、雌型(1)の成形面側には中空構造体を形成するための入れ子(5、5')が挿入、固定されている。入れ子は金型に設けたノックピンやネジによって金型に固定してもよいし、適当な吸着装置や磁石等による磁力を利用して金型に固定してもよく、また、容易に位置ずれや落下する可能性のないときは特に固定手段を設けなくてもよい。
【0016】
雄型(2)には、開閉制御可能な溶融樹脂供給口(8)、圧縮流体を供給するための図2に例示される流体注入ピン(12)および金型の開閉方向に移動可能なスライドコア(17)が設けられている。
流体注入ピンは、中空構造部形成キャビティ(3)と基板部形成キャビティ(4)との連通部(10)の一方の金型位置に設けられており、また、スライドコア(17)は連通部の他方の金型位置に設けられ、シリンダ−(18)に接続されて当該連通部の開閉が制御可能となっている。
【0017】
このような雌雄両金型において、その先端部に設けた圧縮流体供給口(9)(図示せず)が一方のキャビティ連通部(10)内に位置するように流体注入ピン(12)を突き出し、また、スライドコア(17)の上端面が入れ子(5、5')の下周端面と接触して他方の連通部(10)を遮断するようにスライドコアを突き出した(図1)後、両金型が完全に閉鎖していない開放状態で溶融状の熱可塑性樹脂(7)を供給する。(図5)
次いで、基板部形成キャビティ(4)が最終的に所定の厚みになるまで型締し、供給された溶融樹脂をキャビティ内を流動移動させる。この時、基板部形成キャビティ内は溶融樹脂(7)で完全に充満されるが、中空構造部形成キャビティ(3)内には最終製品における中空部分に相当する容積分が空隙として該キャビティ内に残存する必要があり、そのために、型締完了時において溶融樹脂の供給量を調節し、また溶融樹脂供給口の位置も供給された溶融樹脂が中空構造部形成キャビティに優先的に入り込むことなく、基板部形成キャビティ内が充満しうる最適の位置を選択する必要がある。(図6)
型締過程において、その上端面が入れ子(5、5')の下周端面と接触して一方の連通部(10)を遮断しているスライドコアは、型締に伴なって接触状態を保ちつつ金型内に後退し、基板部形成キャビティからの溶融樹脂が中空構造部形成キャビティ内へ流動するのを阻止する樹脂止め機能を果たしている。
また、この例では溶融樹脂供給口は1ケ所設けているが、樹脂供給口を複数設ける場合には、それぞれの樹脂供給口からの供給量を調整することによって、上記要件を満たすこともできる。また、場合によっては連通部付近の形状を最終成形体の機能に差し支えない程度に、例えば基板部形成キャビティ側に優先的に溶融樹脂が流動するような誘導突起を設けて、中空構造部形成キャビティ側に流動移動する樹脂量を調整することもできる。
【0018】
型締が完了すると、スライドコア(17)をその上端面がキャビティ面と同位置になるまで後退させ、圧縮流体供給口(9)から圧縮流体の供給を開始する。
圧縮流体の供給は、スライドコアを完全に後退させた後であってもよいし、後退させながら行ってもよいし、スライドコアの後退開始前に圧縮流体の供給を開始してもよく、特に限定されないが、略同時的に行うのが好ましい。
圧縮流体の供給に伴なって、中空構造部形成キャビティ中の溶融樹脂はその内部に中空部(19)を形成しつつ(図7)、キャビティ内の空隙部分を流動移動し、該キャビティ中に充満される。
この時、スライドコアを後退させた後は、連通部付近においてスライドコアが突き出していた分の空間が生じることになるが、この部分も前記空隙部分と一体化して、圧縮流体の供給に伴なう溶融樹脂の流動移動によりその内部に中空部を形成した溶融樹脂により満たされ、この部分において基板部形成キャビティ内の溶融樹脂と合流、一体化して、中空構造となった中空構造部と平板状である基板部とが一体となった中空成形体が得られる。(図8)
尚、この場合に、基板部形成キャビティ内の溶融樹脂が半固化状態になったり、その表面に固化薄層が生じる場合があるが、この場合には中空構造部形成キャビティ中を流動移動してきた溶融樹脂と熱融着して一体化される。
【0019】
その後、金型内の溶融樹脂を冷却し、金型を開放して成形体を取り出す。この成形体には入れ子(5、5')が残っている(図9)ので、成形体から入れ子を取り除けば図10に示される形状の中空成形体が得られる。
尚、図10の上段図は得られた成形体を上から見た平面図であり、下段図はこれを線A−Aで切断したときの断面図である。
【0020】
このようにして得られた中空成形体の基板部や中空構造部の最外層には、図11に示すように必要に応じて表皮層(20)を設けることもできる。
かかる表皮層は、目的とする成形体の表面加飾、クッション性や断熱性の付与などの使用目的によって適宜選択され、また、表皮層を設ける部位も基板部や中空構造部のいずれか一方、あるいはその両方など任意であり、それぞれに表皮層が異なっていてもよい。
かかる表皮層は、成形された中空成形体の表面に接着剤等を用いて貼合してもよいが、予め金型の所定の位置に表皮材を配置しておき、中空成形体を成形すると同時一体的に表皮材を貼合することもできる。
後者の方法による場合には、供給される溶融状熱可塑性樹脂の熱によって溶けたり破れたりしないような表皮材を使用する必要があり、このような表皮材として紙、織布、不織布、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーのシ−トもしくはフィルム、発泡シ−トなどが挙げられ、これらは単独あるいはこれらの組み合わせからなる積層シ−トなどが挙げられ、これら表皮材の表面にはシボ等の凹凸模様や印刷などが適宜施されていてもよい。
かかる表皮材の厚みは材質や使用目的によっても異なるが、通常0.5〜4mm程度である。
【0021】
以上述べた本発明の中空成形体製造用金型を使用すれば、熱可塑性樹脂からなる中空成形体が容易に製造できるが、ここで適用される熱可塑性樹脂としては、従来より、押出し成形、射出成形、プレス成形などに用いられてきた樹脂であれば特に限定されずに適用可能であり、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカ−ボネ−ト、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレ−トなどの一般的な熱可塑性樹脂、これらの混合物、あるいはこれ等の熱可塑性樹脂を用いたポリマ−アロイなどが挙げられる。
もちろん、これらの樹脂中には通常使用される安定剤、顔料その他の各種の添加剤や、ガラス繊維などの強化繊維やタルクなどの充填剤が必要に応じて配合されていてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂製中空成形体製造用金型を使用すれば、中空成形部品と基板である部品とをそれぞれ別個に製造し、その後に両者を接合するという面倒な工程を必要とすることなく、基板部と中空構造部が一体的に構成されてなる熱可塑性樹脂製中空成形体を容易に製造することができ、またその表面に容易に表皮材を一体的に貼合することができる。
【0023】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明するが、本発明がかかる実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0024】
実施例1
図1に示される金型を使用し、図5〜図8に示す工程によって、図10に示される熱可塑性樹脂中空成形体の製造を行なった。
尚、図1の金型はプレス装置(図示せず)に取り付けられて、雄金型は固定され、雌金型は上下方向に開閉可能となっている。また、樹脂の供給は通常の射出機により行われ、圧縮流体はコンプレッサ−により加圧した8kgf/cm2の圧縮空気を用いた。
雌雄両金型が未閉鎖にある状態で、スライドコアを上方に突き出し、その上面を入れ子の下周端面と接触させて基板部形成キャビティと中空構造部形成キャビティの一方の連通部を遮断し、他方の連通部には流体注入ピンをその先端部が型締時に中空構造部形成キャビティの下部になるように突き出した。
この状態で、最終型締時におけるキャビティ容積の70容量%となる量の溶融状(240℃)のポリプロピレン樹脂(AZ564,住友化学社製)を供給した。(図5)
溶融樹脂供給後直ちに雌金型を降下させて基板部形成キャビティが所定のキャビティクリアランスとなるまで型締し、スライドコア部分を除く基板部形成キャビティの全部および中空構造部形成キャビティの一部を溶融樹脂で満たした。(図6)
次いで、スライドコアを金型内に後退させると同時に流体注入ピンより圧縮空気の注入を開始し(図7)、中空部を形成させながら溶融樹脂を押し流しつつキャビティ内に充満させた。(図8)
この状態を維持しながら40秒間冷却したのち、圧縮気体の注入を停止し、金型を開放した。
入れ子と一体となった中空成形体(図9)から入れ子を取り外し、図10に示される中空成形体を得た。
得られた成形体の中空構造部は管状となっており、平面状の基板部と管状の中空構造部とは強固に接続されて一体化されていた。
【0025】
実施例2
図1における金型の入れ子部分の内周面の一部に、予め厚さ0.5mmのオレフィン系熱可塑性エラストマーからなるシ−トを密着させておく以外は実施例1と同様にして中空成形体を得た。
得られた成形体の管状の中空構造部の外周面には表面外観および触感に優れた表皮材が貼合されていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金型例をその断面概略図で示したものである。
【図2】本発明の金型に使用される流体注入ピンの例をその断面概略図で示したものである。
【図3】図2で示される流体注入ピンの使用時の状態を示す概念図である。
【図4】図2で示される流体注入ピンの使用時の状態を示す概念図である。
【図5】本発明の金型により中空成形体を製造するときの工程を金型の断面概略図で示したものである。
【図6】本発明の金型により中空成形体を製造するときの工程を金型の断面概略図で示したものである。
【図7】本発明の金型により中空成形体を製造するときの工程を金型の断面概略図で示したものである。
【図8】本発明の金型により中空成形体を製造するときの工程を金型の断面概略図で示したものである。
【図9】図1で示される金型を使用して中空成形体を製造したときの成形完了時に金型から取り出したときの中空成形体の状態を示す。
【図10】図1で示される金型を使用して製造した中空成形体の形状を示し、上段図は上面からの平面図であり、下段図はこれをA−A線で切断したときの断面図である。
【図11】図10で示す中空成形体において、表皮材を貼合した場合の例をその断面で示したものである。
【符号の説明】
1:雌金型 2:雄金型
3:中空構造部形成キャビティ 4:基板部形成キャビティ
5:入れ子 6:入れ子の反キャビティ面
7:溶融状熱可塑性樹脂 8:溶融樹脂供給口
9:圧縮流体供給口 10:キャビティ連通部
11:溶融樹脂通路 12:流体注入ピン
13:切り欠き凹部 14:外周面
15:流体供給源 16:移動手段
17:スライドコア 18:シリンダ−
19:中空部 20:表皮層
21:スキン層
Claims (1)
- 基板部と中空構造部が一体的に構成されてなる熱可塑性樹脂中空成形体を製造するための雌雄一対からなる金型であって、成形過程において、一方の金型の成形面側に主として中空構造部を形成するための入れ子構造からなるキャビティが、他方の金型面側に主として基板部を形成するためのキャビティがそれぞれ形成されるとともに、両キャビティは中空構造部の中空形成部の両末端部において連通してなる構造を有し、かついずれか一方の連通部に対応する金型位置には流体注入ピンが設けられ、他方の連通部に対応する金型位置には該連通部を遮断/開放可能ならしめるスライドコアが設けられてなることを特徴とする熱可塑性樹脂中空成形体製造用金型。
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