JP4223321B2 - 複層数発泡射出成形方法及びその成形品 - Google Patents

複層数発泡射出成形方法及びその成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP4223321B2
JP4223321B2 JP2003119622A JP2003119622A JP4223321B2 JP 4223321 B2 JP4223321 B2 JP 4223321B2 JP 2003119622 A JP2003119622 A JP 2003119622A JP 2003119622 A JP2003119622 A JP 2003119622A JP 4223321 B2 JP4223321 B2 JP 4223321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten resin
core layer
resin
skin layer
injection molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003119622A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004322446A (ja
Inventor
猛 長岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2003119622A priority Critical patent/JP4223321B2/ja
Publication of JP2004322446A publication Critical patent/JP2004322446A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4223321B2 publication Critical patent/JP4223321B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複層数発泡射出成形法及びその成形品の技術に関する。詳細には、コア層が発泡した複層数射出成形品の成形方法で、コア層の発泡倍率を任意に制御できるとともに、発泡した複層数成形品を得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複層数発泡射出成形法及びその成形品の技術は公知となっている。
例えば、特許文献1や特許文献2に開示されるものがある。この特許文献1のものは、スキン層溶融樹脂及びコア層溶融樹脂に発泡剤を添加し、金型内に発泡剤によるガスの発生を抑止しうるガスを充満させた後に金型キャビティ容積未満の樹脂を射出し、コア層溶融樹脂の発泡圧力によって成形品を得る方法であり、いわゆるショートショット法と呼ばれるものである。
特許文献2のものは、コア層溶融樹脂を射出装置内で発泡させてからスキン層溶融樹脂とともに、予め気体により加圧された金型に射出し、射出後金型内の気体を放出して、成形品を得ようとするものである。
【0003】
【特許文献1】
特公昭63−31369号公報
【特許文献2】
特開平3−24920号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1のものは、キャビティ容積未満の射出量を金型に射出し、コア層溶融樹脂の発泡によって成形をするために単純な形状は成形できるが、複雑な形状の成形は困難であった。また、金型に充填した気体はコア層溶融樹脂の射出後、金型キャビティより解放する必要があり、複雑な形状の成形は困難であった。
上記特許文献2のものは、コア層溶融樹脂を射出前に射出装置内で発泡させ、発泡の際に発生する気体の解放は射出装置のサックバックによって行うため、射出装置内にある次ショット分のコア層溶融樹脂も発泡し、連続成形が困難であった。また、コア層溶融樹脂を射出前に射出装置内で発泡させ、発泡の際に発生する気体の解放を行うことから、成形品のノズル部分(金型の注入部)では、射出前にコア層溶融樹脂を発泡させた効果があるが、金型の末端部ではその効果が少ない。つまり、成形品全体において発泡の均一性が保持できないという不具合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、第1の発明においては、スキン層射出ユニット及びコア用射出ユニットから金型に、スキン層溶融樹脂及び発泡剤が添加されたコア層溶融樹脂をそれぞれに射出することによって、スキン層樹脂とコア層樹脂からなる複層数成形品を得る射出成形法であって、所定量の前記スキン層溶融樹脂を射出中または射出後に、前記スキン層溶融樹脂内に所定量の加圧気体を射出し、存在させた状態とするものである。
【0007】
これにより、前記コア層溶融樹脂の発泡を抑制しつつ、前記スキン樹脂層または前記コア層樹脂層を押し広げることができ、前記スキン層溶融樹脂表面の転写性が良くなる。
【0008】
第2の発明においては、第1の発明の複層数発泡射出成形法に関して、前記コア層溶融樹脂は、前記加圧気体が前記コア層溶融樹脂内または前記スキン層溶融樹脂内に存在させた後に前記金型外へ放出されることにより、前記加圧気体の放出後に形成される所定容積の空間内で膨張するものである。
【0009】
これにより、前記コア層溶融樹脂は、前記コア層溶融樹脂内または前記スキン層溶融樹脂内の所定容積の空間内で膨張するので、前記コア層溶融樹脂の発泡倍率を任意に制御できる。
【0010】
第3の発明においては、第2の発明の複層数発泡射出成形法に関して、前記加圧気体は、前記コア層溶融樹脂の射出完了後に前記コア層溶融樹脂内に存在し、所定時間経過後に前記金型外へ放出されるものである。
【0011】
これにより、前記コア層溶融樹脂が膨張することができる前記所定容積の空間が前記コア層溶融樹脂内に形成される。
【0012】
第4の発明においては、第2の発明の複層数発泡射出成形法に関して、前記加圧気体は、前記コア層溶融樹脂の射出前または射出中に前記スキン層溶融樹脂内に存在して、所定時間経過後に前記金型外へ放出されるものである。
【0013】
これにより、前記コア層溶融樹脂が膨張することができる前記所定容積の空間が前記スキン層溶融樹脂内に形成される。
【0014】
第5の発明においては、第2の発明または第3の発明のいずれかの複層数発泡射出成形法に関して、前記加圧気体の前記金型外への放出は、金型スプルーで行われるものである。
【0015】
これにより、金型スプルーを通じて、前記加圧気体の前記金型外への放出を容易に行うことができる。
【0016】
第6の発明においては、第2の発明または第3の発明のいずれかの複層数発泡射出成形法に関して、前記加圧気体の前記金型外への放出は、前記金型に設けられた閉塞物を開閉して行われるものである。
【0017】
これにより、前記加圧気体の前記金型外への放出量を調整できるので、容易にかつ安全に前記加圧気体の放出を行うことができる。
【0018】
第7の発明においては、第2の発明の複層数発泡射出成形法に関して、前記コア層溶融樹脂の発泡倍率を1.01〜2.5とするものである。
【0019】
これにより、目的に応じて発泡倍率を変化させることによって、軽量または高強度またはその両方を備えた成形品の成形ができる。
【0020】
第8の発明においては、第1の発明または第2の発明のいずれかの複層数発泡射出成形法に関して、前記スキン層溶融樹脂に発泡剤を添加することを特徴とするものである。
【0021】
これにより、前記スキン層溶融樹脂は発泡するので、複雑な構造での成形後のヒケを防止できる。
【0022】
第9の発明においては、第8の発明の複層数発泡射出成形法に関して、前記スキン層溶融樹脂及び前記コア層溶融樹脂のそれぞれの発泡倍率は、添加した発泡剤量の調整によって制御されるものである。
【0023】
これにより、前記スキン層溶融樹脂及び前記コア層溶融樹脂のそれぞれの発泡倍率は制御されるので、軽量化、強度、外観などにおいて目的に応じて成形ができる。
【0024】
第10の発明においては、第7の発明または第8の発明のいずれかの複層数発泡射出成形法により成形される成形品である。
【0025】
これにより成形された成形品は、軽量化、強度、外観などについて目的に応じて成形することができるものである。
【0026】
第11の発明においては、前記発泡剤が添加されたスキン層溶融樹脂の発泡倍率を1.01〜1.05とし、前記発泡剤が添加されたコア層溶融樹脂の発泡倍率を1.01〜1.10として第9の発明の複層数発泡射出成形法により成形される成形品である。
【0027】
これにより成形された成形品は、軽量化、強度、外観などにおいて良好なものとなる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る複層数射出成形方法に用いられる複層数射出成形機の概略構成図、図2は図1の複層数射出成形機の射出ユニット連結装置の要部拡大断面図、図3は本発明に係る複層数射出成形方法の一実施形態を示す図、図4は本発明に係る複層数射出成形方法の他の実施形態を示す図である。図5はスキン層樹脂に発泡剤を添加したときの実施形態について示す図である。
【0029】
まず、本発明に係る複層数射出成形方法に用いられる複層数射出成形機Aの構成について説明する。
即ち、この複層数射出成形機Aは、図1に示すように、型締ベース1と射出ユニット載置台2とを有している。
型締ベース1の両端部には、支持部材3a・3bが縦設されており、支持部材3a・3b間には、棒状のガイド部材4…が各コーナー部に横設されている。
図中左側に位置する一方の支持部材3aには、金型開閉シリンダ5がシリンダロッド5aを他方側の支持部材3bに対向させるように設けられており、シリンダロッド5aの先端部には、ガイド係合部材6が設けられている。
ガイド係合部材6の各コーナー部には、上述のガイド部材4…が摺動自在に貫挿されており、このガイド係合部材6は、ガイド部材4…に沿って移動することによって、金型開閉シリンダ5のシリンダロッド5aによる進退方向を規制するようになっている。
【0030】
上記のガイド係合部材6には、型盤7を介して移動金型8が設けられている。移動金型8には、射出ユニット連結装置10の背面に接合された固定金型9が対向されており、射出ユニット連結装置10は、前面の外周部が他方側の支持部材3bに固設されている。これにより、固定金型9は、射出ユニット連結装置10を介して他方側の支持部材3bに固設された状態となっており、移動金型8と固定金型9とは、移動金型8が金型開閉シリンダ5により固定金型9に当接して型締めされることによりキャビティ部11を内部に形成するようになっている。
【0031】
上記のキャビティ部11には、成形品の内部を構成するコア層と、このコア層を被覆するスキン層とからなる2種類の樹脂が射出ユニット連結装置10を介して同時に圧入されるようになっている。尚、これらの樹脂は、色や機能が異なったものであっても良いし、成形品を回収および再生した樹脂をコア層に使用するようになっていても良い。上記のコア層の樹脂(コア層樹脂)およびスキン層の樹脂(スキン層樹脂)は、第1射出ユニット12および第2射出ユニット13からそれぞれ供給されるようになっている。
第1射出ユニット12は、支持部材3bの上面に固設されたスライド機構14に設けられている。
スライド機構14は、第1射出ユニット12のノズル部12aの軸心が型締め方向に対して直交するように第1射出ユニット12を昇降可能に支持しており、キャビティ部11への樹脂の供給時に第1射出ユニット12のノズル部12aを射出ユニット連結装置10の側面に当接させるようになっている。
一方、第2射出ユニット13は、ノズル部13aの軸心が型締め方向に対して平行となるように射出ユニット載置台2上に進退移動可能に設けられており、キャビティ部11への樹脂の供給時にノズル部13aが射出ユニット連結装置10の前面に当接されるようになっている。また、このノズル部13aにはコア層溶融樹脂またはスキン層溶融樹脂を金型8,9内で加圧するための加圧気体注入口24が設けられている。なお、この加圧気体注入口は、第1射出ユニット12のノズル部12a、あるいは、スキン層用流路19bまたはコア層用流路20cに連通するよう射出ユニット連結装置10に設けてもよい。
【0032】
上記のノズル部12a・13aが当接される射出ユニット連結装置10は、図2に示すように、固定金型9に接合される金型接合盤15と、支持部材3bに固設される固定盤16とを有している。また、これらの金型接合盤15および固定盤16の間には、コア層樹脂の周囲をスキン層樹脂で覆うように両樹脂を集合しながらキャビティ部11に供給する樹脂層形成機構18が設けられている。
【0033】
上記の樹脂層形成機構18は、図2にも示すように、雄側積層部材19と雌側積層部材20と樹脂導入部材21と流路開閉部材22とを有している。
雄側積層部材19は、固定盤16の中心部において貫設されており、先端部が第2射出ユニット13のノズル部13aに当接するように設定されている。雄側積層部材19の先端部には、ノズル部13aの先端部に面状に当接するように凹湾曲部19aが形成されており、凹湾曲部19aの中心部(底部)には、ノズル部13aからの樹脂を導通させるスキン層用流路19bの一端が開口されている。そして、このスキン層用流路19bは、雄側積層部材19の軸心方向に形成された後、軸心を中心として複数方向(例えば4方向)に分岐され、他方側の壁面の複数箇所において開口するように形成されている。
【0034】
上記のスキン層用流路19bが複数箇所に開口される雄側積層部材19の他方側には、円錐形状に形成された傾斜凸部19cが形成されている。この傾斜凸部19cの傾斜壁面には、上述のコア層用流路19dが開口されている。また、傾斜凸部19cの頂部には、コア層用流路19dの一端が開口されており、コア層用流路19dは、雄側積層部材19(傾斜凸部19c)の軸心方向に形成された後、金型接合盤15および固定盤16の中心位置において直角方向に曲折され、スキン層用流路19bの分岐路の間を通過して側壁面に開口するように形成されている。また、このコア層用流路19dの曲折部には、閉鎖路19eが連通されており、閉鎖路19eは、コア層用流路19dの曲折方向とは反対方向の側壁面に開口するように形成されている。
【0035】
上記の構成を有した雄側積層部材19は、雌側積層部材20に嵌合されている。雌側積層部材20は、金型接合盤15の中心部において貫設されており、この雌側積層部材20の固定金型9側の先端部には、集合路20aの一端が開口されている。
集合路20aは、上述の傾斜凸部19c方向に形成された後、傾斜凸部19cの傾斜壁面に対して一定の間隔を維持するように口径を拡大しながら雄側積層部材19の端面で閉塞されるように形成されている。
また、雌側積層部材20の側面壁には、コア層用流路20cおよび閉鎖路20bの一端が開口されており、これらのコア層用流路20cおよび閉鎖路20bの他端は、上述の雄側積層部材19のコア層用流路19dおよび閉鎖路19eに連通されている。
そして、このようにしてコア層用流路20cと曲折後のコア層用流路19dと閉鎖路19eと閉鎖路20bとが連通されることによって、直線状の貫通孔が雄側積層部材19および雌側積層部材20にかけて型締め方向とは直角方向に形成されるようになっている。
【0036】
上記の雌側積層部材20の一方側の側壁面には、管形状の樹脂導入部材21がコア層用流路20cに連通するように固設されている。
樹脂導入部材21は、金型接合盤15および固定盤16間において雌側積層部材20側の中心部から外周部に到達するように形成されており、外周部側の端部には、アダプター部材23が設けられている。
そして、このアダプター部材23には、上述の第1射出ユニット12のノズル部12aが当接されるようになっている。
【0037】
一方、雌側積層部材20の他方側の側壁面には、例えば油圧シリンダからなる流路開閉部材22が設けられている。
流路開閉部材22は、図2に示すように、進退移動可能な閉栓部材22aを有しており、閉栓部材22aは、閉鎖路20b・19eに液密状態に挿通されている。
流路開閉部材22は、閉栓部材22aを進出させることによりコア層用流路19dを曲折部において閉栓状態にするようになっている一方、閉栓部材22aを後退させることによりコア層用流路19dを開栓状態にするようになっている。また、閉栓部材22aの先端部は、コア層用流路19dの曲折半径に対応した湾曲面とされており、コア層用流路19dを開栓状態としたときに、曲折部における樹脂の流動抵抗を低減させるようになっている。
【0038】
次に、上記の構成において、複数層射出成形機Aの動作を説明する。
複数層射出成形機Aは、図1に示すように、金型開閉シリンダ5により移動金型8を固定金型9方向に移動させ、固定金型9に対して所定の押圧力で移動金型8を押し付けて型締めを行う。そして、型締めにより金型8・9内にキャビティ部11が形成されると、第2射出ユニット13にスキン層樹脂を装填して加熱し、溶融状態となったスキン層樹脂をコア層樹脂に先立って吐出させる。
【0039】
上記のスキン層樹脂は、図2に示すように、ノズル部13aを介して射出ユニット連結装置10における雄側積層部材19のスキン層用流路19bに流入し、スキン層用流路19bにおいて複数方向に分岐されながら進行する。そして、スキン層樹脂がスキン層用流路19bをさらに進行することによって、雄側積層部材19の傾斜凸部19cと雌側積層部材20の集合路20aとの隙間に流出し、傾斜凸部19cの傾斜壁面を完全に覆いながら固定金型9方向に流動する。
【0040】
一方、スキン層樹脂が吐出されてから所定の待ち時間が経過すると、流路開閉部材22の閉栓部材22aを後退させることによって、コア層用流路19dを開栓状態にする。そして、第1射出ユニット12に発泡剤が添加されたコア層樹脂を装填して加熱し、溶融状態となったコア層樹脂をスキン層樹脂の吐出圧よりも低い圧力で吐出させる。
コア層樹脂は、樹脂導入部材21を介して雌側積層部材20および雄側積層部材19のコア層用流路20c・19dに流入し、閉栓部材22aにより進行方向が曲折された後、傾斜凸部19cの先端部から流出する。この際、傾斜凸部19cの先端部には、先立って吐出されたスキン層樹脂が傾斜凸部19cの傾斜壁面に沿って集合している。
従って、傾斜凸部19cの先端部から流出したコア層樹脂は、周囲をスキン層樹脂に完全に被覆されながら、スキン層樹脂と共に集合路20aを通過して固定金型9のキャビティ部11に圧入されることになる。
なお、キャビティ部11にスキン層樹脂を射出し、その後コア層樹脂をスキン層樹脂内に射出することとしてもよい。
【0041】
次に、本発明に係る複層数射出成形法の一実施形態について説明する。
まず、上記のように複層数射出成形機Aを用いて所定量のスキン層樹脂27及びコア層樹脂28を金型8,9内のキャビティ部11に射出する。このとき、スキン層樹脂27を先に射出しその後コア層樹脂28を射出してもよいし(図3(a)(b)の順)、スキン層樹脂27とコア層樹脂28を同時射出してもよい(図3(b)の状態)。また、コア層樹脂28はスキン層樹脂27に拘束されており、発泡しない。
その後、図2に示すように、第2射出ユニット13のノズル部13aに設けられた加圧気体注入口24(第1射出ユニット12のノズル部12aに同様に設けてもよい)により所定量の加圧気体をコア層樹脂28内に圧入、存在させる(図3(c)参照)。
そして、コア層樹脂28を発泡させるのに必要な空間29を形成(このとき、見かけ上はフルショット状態)した後、ノズル部13aを雄側積層部材19の凹湾曲部19aから離し、金型スプルー25からまたは固定金型9に設けられた弁26から加圧気体を放出する。
なお、スキン層樹脂27へのコア層樹脂28及び加圧気体の圧入は、発泡前のコア層樹脂28の容積と加圧気体容積との和が、成形品のコア層樹脂28’の理論容積に相当するように調整して行う。
そして、加圧気体放出後、空間29内において発泡剤が添加されているコア層樹脂28は膨張し成形品のコア層樹脂28’となり、サンドイッチ成形品30を得ることができる(図3(d)参照)。
【0042】
また、上記と同様にスキン層樹脂27を射出後、先に加圧気体をスキン層樹脂27内に圧入、存在させて必要な空間29を形成し(図4(a)参照)、コア層樹脂28をその空間29に所定量射出する方法を実施してもよい。この場合も上記と同様、コア層樹脂と加圧気体との和が成形品のコア層樹脂の理論容積に相当するように調整を行う。
これらの作業の後、金型スプルー25や固定金型9に設けられた弁26より加圧気体をスキン層樹脂27から金型8,9外へ放出する(図4(b)参照)。そして、加圧気体放出後の空間29内でコア層樹脂28を膨張させ、サンドイッチ成形品30を得ることができる(図4(c)参照)。
【0043】
上記のように、スキン層樹脂、コア層樹脂及び加圧気体を所定量単位で圧入し、加圧気体を放出して1回分の射出成形が完了すると、図2における流路開閉部材22の閉栓部材22aを進出させることによって、コア層用流路19dを閉栓状態にし、待機状態になる。そして、上述の一連の動作を再度繰り返すことにより連続成形ができることになる。
【0044】
本実施形態により、コア層樹脂の発泡倍率を任意に制御できる。その結果、発泡コア層を有するサンドイッチ構造の複雑な成形品を容易に得ることができる。
また、コア層樹脂の発泡倍率を変化させることによって、軽量化、強度などについて目的に応じた成形品の成形ができる。
【0045】
なお、加圧気体の放出は加圧気体の圧入を行った加圧気体注入口を介して行うようにしてもよい。
【0046】
次に、本発明に係る複層数射出成形法の別実施形態について説明する。
本実施形態では、上記実施形態とほぼ同様の方法を用いて成形を行うが、スキン層樹脂にも発泡剤を添加する点で異なる。
また、図5に示すように、コア層樹脂及びスキン層樹脂が発泡することになるので、キャビティ部11の全容積に対して、スキン層樹脂27の容積と成形品のコア層樹脂28’の理論容積との和が小さくなるように圧入量を調整して行う点も異なる。
つまり、図5に示すように、所定量のスキン層樹脂27、コア層樹脂28及び加圧気体を圧入させたときにキャビティ部11内に隙間を意図的に作り、スキン層樹脂27が十分発泡できるように調整する。
【0047】
本実施形態により、上記実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、複雑な構造の成形品のヒケを防止することができる。つまり、外観にも優れた成形品を成形できる。
【0048】
なお、コア層樹脂及びスキン層樹脂に添加する発泡剤は物理発泡剤、化学発泡剤のいずれを使用してもよく、その添加量を調整することでも発泡倍率を制御できる。
また、上記実施形態における加圧気体は、空気、窒素、二酸化炭素のいずれでもよい。
さらに、サンドイッチ構造であるので、コア層に用いる樹脂はバージン材に限定されず、リサイクル材でもよい。また、強度上問題がなければ、各種プラスチックが混ざった廃棄プラスチック(一般廃棄プラスチック)でもよい。
【0049】
次に、実施例について説明する。
本実施例では、本発明に係る複層数射出成形法により成形された、構造が複雑なパレットのサンドイッチ成形品について示す。
複層数射出成形機としては、型締力2500トンのものを使用した。スキン層射出ユニットには470オンス(スクリュ径150mm)、コア層射出ユニットには186オンス(スクリュ径115mm)のものを使用した。
また、スキン層樹脂にはコンテナ回収材(PP樹脂、MI=13〜20)を、コア層樹脂にはPPリサイクル材(MI値は不明)を使用した。発泡剤として、スキン層樹脂にはADCA(アゾジカルボンアミド)を0.5phr添加し、コア層樹脂にはADCAを1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5phrでそれぞれ添加することにより、各添加量において発泡倍率の制御を行った。
金型には従来のパレット成形用金型を用い、加圧気体には窒素(気体注入圧力は30MPa)を使用した。
【0050】
上記条件で成形した成形品では、スキン層樹脂の発泡倍率1.01〜1.05、コア層樹脂の発泡倍率1.01〜1.10の任意発泡倍率での成形ができ、外形、強度ともに良好で軽量なものが得られた。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
即ち、コア層樹脂の発泡倍率を任意に制御できる。その結果、発泡コア層を有するサンドイッチ構造の複雑な成形品を容易に得ることができる。
また、コア層樹脂の発泡倍率を変化させることによって、軽量化、強度、外観などについて目的に応じた成形品の成形ができる。さらに、軽量化、強度、外観を兼ね備えた成形品の成形も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複層数射出成形方法に用いられる複層数射出成形機の概略構成図。
【図2】図1の複層数射出成形機の射出ユニット連結装置の要部拡大断面図。
【図3】本発明に係る複層数射出成形方法の一実施形態を示す図。
【図4】本発明に係る複層数射出成形方法の他の実施形態を示す図。
【図5】上記各実施形態においてスキン層樹脂に発泡剤を添加したときの実施形態について示す図。
【符号の説明】
1 型締ベース
2 射出ユニット載置台
3a、3b 支持部材
4 ガイド部材
5 金型開閉シリンダ
5a シリンダロッド
6 ガイド係合部材
7 型盤
8 移動金型
9 固定金型
10 射出ユニット連結装置
11 キャビティ部
12 第1射出ユニット
12a、13a ノズル部
13 第2射出ユニット
14 スライド機構
15 金型接合盤
16 固定盤
18 樹脂層形成機構
19 雄側積層部材
19a 凹湾曲部
19b スキン層用流路
19c 傾斜凸部
19d、20c コア層用流路
19e、20b 閉鎖路
20 雌側積層部材
20a 集合路
21 樹脂導入部材
22 流路開閉部材
22a 閉栓部材
23 アダプター部材
24 加圧気体注入口
25 金型スプルー
26 弁
27 スキン層樹脂
28 コア層樹脂
29 空間
30 サンドイッチ成形品
A 複層数射出成形機

Claims (10)

  1. スキン層射出ユニット及びコア用射出ユニットから金型における成形品を得るキャビティ部に、スキン層溶融樹脂及び発泡剤が添加された発泡前のコア層溶融樹脂を、当該コア層溶融樹脂を発泡させるのに必要な空間を形成するようにそれぞれに射出し、その後当該コア層を発泡させることによって、スキン層樹脂とコア層樹脂からなる複層数成形品を得る射出成形法であって、
    所定量の前記スキン層溶融樹脂を射出中または射出後に、前記スキン層溶融樹脂内に所定量の加圧気体を射出し、存在させた状態として、前記空間を形成し、
    当該加圧気体を存在させた状態の前記空間に所定量の前記発泡前のコア層溶融樹脂を射出して、前記キャビティ部を見かけ上フルショット状態とし、
    その後、前記加圧気体を金型外へ放出して、前記コア層溶融樹脂を前記加圧気体の放出後に形成される所定容積の空間内で膨張させることを特徴とする複層数発泡射出成形法。
  2. スキン層射出ユニット及びコア用射出ユニットから金型における成形品を得るキャビティ部に、スキン層溶融樹脂及び発泡剤が添加された発泡前のコア層溶融樹脂を、当該コア層溶融樹脂を発泡させるのに必要な空間を形成するようにそれぞれに射出し、その後当該コア層を発泡させることによって、スキン層樹脂とコア層樹脂からなる複層数成形品を得る射出成形法であって、
    所定量の前記スキン層溶融樹脂を射出した後、又は、当該スキン層溶融樹脂の射出と同時に、当該スキン層溶融樹脂内に所定量の前記発泡前のコア層溶融樹脂を射出し、
    その後、当該コア層溶融樹脂内に所定量の加圧気体を射出し、存在させた状態として、当該加圧気体を存在させた状態の前記空間を形成して前記キャビティ部を見かけ上フルショット状態とし、
    その後、前記加圧気体を金型外へ放出して、前記コア層溶融樹脂を前記加圧気体の放出後に形成される所定容積の空間内で膨張させることを特徴とする複層数発泡射出成形法。
  3. 前記加圧気体は、前記コア層溶融樹脂の射出前または射出中に前記スキン層溶融樹脂内に存在して、所定時間経過後に前記金型外へ放出されることを特徴とする請求項1記載の複層数発泡射出成形法。
  4. 前記加圧気体は、前記コア層溶融樹脂の射出完了後に前記コア層溶融樹脂内に存在し、所定時間経過後に前記金型外へ放出されることを特徴とする請求項2記載の複層数発泡射出成形法。
  5. 前記コア層溶融樹脂の発泡倍率が1.01〜2.5であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の複層数発泡射出成形法。
  6. 前記スキン層溶融樹脂に発泡剤を添加することを特徴とする請求項1または請求項2記載の複層数発泡射出成形法。
  7. 前記スキン層溶融樹脂及び前記コア層溶融樹脂のそれぞれの発泡倍率は、添加した発泡剤量の調整によって制御されることを特徴とする請求項6記載の複層数発泡射出成形法。
  8. 請求項5または請求項6記載の複層数発泡射出成形法により成形されることを特徴とする成形品。
  9. 前記発泡剤が添加されたスキン層溶融樹脂の発泡倍率を1.01〜1.05とし、前記発泡剤が添加されたコア層溶融樹脂の発泡倍率を1.01〜1.10として請求項7記載の複層数発泡射出成形法により成形されることを特徴とする成形品。
  10. 前記発泡前のコア層溶融樹脂の容積と、所定量の前記加圧気体の容積との和が、成形品における発泡後の前記コア層溶融樹脂の理論容積に相当することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の複層数発泡射出成形法。
JP2003119622A 2003-04-24 2003-04-24 複層数発泡射出成形方法及びその成形品 Expired - Fee Related JP4223321B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003119622A JP4223321B2 (ja) 2003-04-24 2003-04-24 複層数発泡射出成形方法及びその成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003119622A JP4223321B2 (ja) 2003-04-24 2003-04-24 複層数発泡射出成形方法及びその成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004322446A JP2004322446A (ja) 2004-11-18
JP4223321B2 true JP4223321B2 (ja) 2009-02-12

Family

ID=33498799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003119622A Expired - Fee Related JP4223321B2 (ja) 2003-04-24 2003-04-24 複層数発泡射出成形方法及びその成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4223321B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITBS20120058A1 (it) * 2012-04-13 2013-10-14 Spm Spa Processo integrato di stampaggio mediante coiniezione di materiali termoplastici e iniezione di gas per la produzione di parti complesse multistrato alleggerite con elevate proprieta' strutturali ed estetiche
KR102180096B1 (ko) * 2019-04-16 2020-11-17 허순덕 금형을 이용한 다용도 경량구조체와 이의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004322446A (ja) 2004-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5152430B2 (ja) 射出成形方法
JP2993866B2 (ja) 射出成形機及び射出成形方法
EP0900640B1 (en) Process for producing hollow resin molded article
JP4223321B2 (ja) 複層数発泡射出成形方法及びその成形品
JP2002192552A (ja) 成形品およびその射出成形方法、その射出成形装置
JP2000246755A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方法
JP3497917B2 (ja) 複合型樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形用金型装置
JP2001287237A (ja) 貼合成形品の射出成形方法
JP3524966B2 (ja) 樹脂成形用金型装置
JP2010012655A (ja) 多層成形装置及び多層成形方法
JP2002160224A (ja) 熱可塑性樹脂軽量成形体製造用金型およびこれを用いた熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法
EP0884156B1 (en) Process for producing thermoplastic resin hollow molded articles
JP3524984B2 (ja) 複合型樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形用金型装置
JP2004136532A (ja) 多層中空体の射出成形方法および射出成形用金型
US6146579A (en) Process for producing thermoplastic resin hollow molded article
JP3548243B2 (ja) 複合型熱可塑性樹脂成形品及び複合型熱可塑性樹脂成形品の製造方法
JP3527575B2 (ja) 二層成形品の製造方法及びそれに用いる金型
JP3796913B2 (ja) 多層成形体の製造方法
JP5168897B2 (ja) 樹脂の多層成形方法
JP3635838B2 (ja) 熱可塑性樹脂中空成形体製造用金型
JP3938433B2 (ja) インストルメントパネルの製造方法
JP3979796B2 (ja) 複数層射出成形機及び複数層からなる射出成形品の製造方法
JPH1142667A (ja) 熱可塑性樹脂中空成形体の製造方法
JPH06328579A (ja) 射出・圧縮成形方法及びそのモールド
JP4442002B2 (ja) 熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees