JP2017013363A - 断熱性積層体、画像形成装置用の定着加圧部材、並びに、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

断熱性積層体、画像形成装置用の定着加圧部材、並びに、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】消費電力の低減に貢献する断熱性積層体及び画像形成装置用の定着加圧部材、並びに、消費電力の少ない定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】発泡弾性体上にシリコーン断熱性接着層及びフッ素樹脂層がこの順で積層された断熱性積層体であって、前記シリコーン断熱性接着層に中空ガラスビーズを8〜18質量%含有する断熱性積層体、及びこれを備えた定着加圧部材、並びに、これを備えた定着装置及び画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、断熱性積層体、画像形成装置用の定着加圧部材、並びに、定着装置及び画像形成装置に関する。さらに詳しくは、消費電力の低減に貢献する断熱性積層体、これを備えた、画像形成装置用の定着加圧部材、並びに、消費電力の少ない定着装置及び画像形成装置に関する。
レーザープリンター及びビデオプリンター等のプリンター、複写機、ファクシミリ、これらの複合機等には、電子写真方式を利用した各種の画像形成装置が採用されている。このような画像形成装置は、例えば定着装置等の発熱部材を装備している。したがって、画像形成装置においても、発熱部材の昇温時間の短縮及びそれに伴う使用電力の省力化、発熱部材の温度維持に要する電力の省力化など、消費電力の低減が求められている。
画像形成装置の消費電力を低減することを目的として、画像形成装置の定着装置に装備される加熱ローラが提案されている。例えば、特許文献1には、発熱層及び空気封入体を含んだ第2接着層等を含むヒートローラが提案されている。
一方、画像形成装置の定着装置に加熱ローラとともに装備される加圧ローラによる消費電力の低減も検討されている。例えば、加圧ローラの弾性層を発泡弾性体とすることが挙げられる。このような発泡弾性体を備えた加圧ローラよりもさらに有効なものとして、中空ガラスビーズを含有する発泡弾性体を備えた加圧ローラも提案されている(例えば特許文献2)。
特開2009−98221号公報 特開2013−114115号公報
ところで、近年、省電力化が強く要求され、消費電力のさらなる低減が求められるようになっている。
このような要求に応えるには、発熱部材で発生した熱の拡散を防止して画像形成装置の消費電力をさらに低減しうる断熱性部材、例えば定着加圧部材が重要となる。
ここで、定着加圧部材とは、現像剤を溶融、圧接させて記録体に定着させる機能を有する部材をいう。例えば、定着装置に装着される、加圧ローラ、定着ローラ又は定着パッド等が挙げられる。定着ローラ及び加圧ローラは、通常、画像形成装置が備える定着装置に一対として用いられるローラであり、上記機能を有する限り同一のローラであってもよい。本明細書において、定着ローラ及び加圧ローラは便宜上区別しているが、同一のローラである場合、いずれの名称をも用いることができる。
したがって、本発明は、消費電力の低減に貢献する断熱性積層体、及び、画像形成装置用の定着加圧部材を提供することを課題とする。また、本発明は、消費電力の少ない定着装置及び画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明者は、断熱性部材の構成部材等について鋭意検討したところ、発泡弾性体とフッ素樹脂チューブと接着する接着層を、中空ガラスビーズを特定量含有させた接着剤の硬化物で形成すると、ヒートローラ等の熱源からの伝熱が少なくなり、熱伝導率が低下することにより、結果として消費電力を低減できることを見出した。これらの知見に基づき本発明者らはさらに研究を重ね、本発明をなすに至った。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
(1)発泡弾性体上にシリコーン断熱性接着層及びフッ素樹脂層がこの順で積層された断熱性積層体であって、前記シリコーン断熱性接着層に中空ガラスビーズを8〜18質量%含有する断熱性積層体。
(2)前記シリコーン断熱性接着層の厚さが、100〜500μmである(1)に記載の断熱性積層体。
(3)前記シリコーン断熱性接着層の熱伝導率が、0.19〜0.24W/m・kである(1)又は(2)に記載の断熱性積層体。
(4)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の断熱性積層体を備えた、画像形成装置用の定着加圧部材。
(5)シート状に形成されてなる(4)に記載の定着加圧部材。
(6)前記定着加圧部材が、軸体の外周面に管状に形成されてなる(4)に記載の定着加圧部材。
(7)ローラである(6)に記載の定着加圧部材。
(8)上記(4)〜(7)のいずれか1項に記載の定着加圧部材を備えた定着装置。
(9)上記(8)に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
本発明の断熱性積層体は、中空ガラスビーズを8〜18%含有させたシリコーン断熱性接着層が高い断熱性を発揮して、ヒートローラ等の熱源からフッ素樹脂層に伝達される熱が発泡弾性体に吸収されることを防止できる。したがって、本発明により、消費電力の低減に貢献する断熱性積層体、及び、画像形成装置用の定着加圧部材が提供される。また、本発明により、消費電力の少ない定着装置及び画像形成装置が提供される。
図1は、本発明の断熱性積層体の一例を示す概略一部拡大断面図である。 図2は、本発明の断熱性積層体の一例を示す概略斜視図である。 図3は、本発明の定着装置及び画像形成装置を示す概略説明図である。 図4は、断熱性積層体の温度上昇測定方法を説明する説明図である。
本発明の断熱性接着体は、発泡弾性体上にシリコーン断熱性接着層及びフッ素樹脂層がこの順で積層された断熱性積層体である。このシリコーン断熱性接着層は、発泡弾性体とフッ素樹脂層とを接着する接着層であって、シリコーン断熱性接着剤の硬化物である。このシリコーン断熱性接着剤は、シリコーン接着成分と8〜18質量%の中空ガラスビーズとを含有している。これにより、加熱により硬化接着し、小さな熱伝導率を有する。
断熱性接着体は、外部の熱源からフッ素樹脂層を経由して伝達される熱を発泡弾性体に伝達しにくくする機能がある。
本発明のシリコーン断熱性接着体は、発泡弾性体とフッ素樹脂層とを有する、画像形成装置用の断熱性積層体として好適である。
本発明の断熱性接着体が有するシリコーン断熱性接着層について、説明する。
このシリコーン断熱性接着剤と、特許文献1の「空気封入体を20〜50質量%含んだ電気絶縁性のシリコーン接着剤」との技術上の相違点は下記点にある。
(1)特許文献1のシリコーン接着剤は発熱体を覆い、発熱体自体の熱損失を低減するものであるが、本発明におけるシリコーン断熱性接着層は外部からの熱受容を防止することができる。
(2)特許文献1のシリコーン接着剤は、直接耐熱絶縁層、伝熱層、離型層に接着できないため、第一接着層を必要とする。
(3)上記(2)と関連するが、本発明に用いるシリコーン断熱性接着層は、フッ素樹脂層と発泡弾性体を直接接着することができる。これに対して、「空気封入体を20〜50質量%」含有する特許文献1のシリコーン接着剤は、発泡弾性体に均一に塗装できず、またフッ素樹脂層との十分な接着性を有しない。
本発明の断熱性接着体が有するシリコーン断熱性接着層のベースとなるシリコーン接着成分は、特に限定されない。シリコーン接着成分として、例えば、付加型シリコーンRTV(例えば、商品名「KE1880」(粘度(25℃)84Pa・s、信越化学工業社製)、商品名「KE1830」(粘度(25℃)110Pa・s、信越化学工業)、商品名「KE1833」(粘度(25℃)150Pa・s、信越化学工業株式会社製))、縮合型シリコーンRTV(例えば、商品名「KE441」(粘度(25℃)15Pa・s、信越化学工業株式会社製))等が挙げられる。
中空ガラスビーズは、具体的には、各種ガラスの粒子であり、ガラス粒子とも称することができる。この中空ガラスビーズは、例えば、球形、不定形等であってもよいが、シリコーン接着成分に混ぜるのが容易で均一に分散させることができ、シリコーン接着成分に錬り込んだ際にかかる圧力による破壊を緩和できる点で球形であるのが好ましい。中空ガラスビーズを形成するガラスは、特に限定されず、例えば、ソーダ石灰ガラス、低アルカリガラス、硼珪酸ガラス、石英ガラス、アルミノ珪酸ガラス等が挙げられる。これらの中でも硼珪酸ガラス及びアルミノ珪酸ガラスであるのが、耐衝撃性、低熱膨張である点で好ましい。なお、上記ガラスにシリカ又はシリコーン樹脂若しくはシリコーンゴムを含まない。
このような中空ガラスビーズは、適宜調製してもよく市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、商品シリーズ名「Sphericel」(Potters−Ballotini(ポッターズ・バルティーニ)社製)がある。その中でも、商品名「110P8」(硼珪酸ガラス、平均粒径12μm、比重1.10g/cm)、商品名「60P18」(硼珪酸ガラス、平均粒径18μm、比重0.60g/cm)、商品名「34P30」(硼珪酸ガラス、平均粒径35μm、比重0.34g/cm)、商品名「25P45」(硼珪酸ガラス、平均粒径45μm、比重0.25g/cm)等が挙げられる。
他の商品シリーズ名では、商品名「Q−CEL」、「Ceramic Multi Cellular」及び「Extendospheres」(いずれも、Potters−Ballotini(ポッターズ・バルティーニ)製)、並びに、商品シリーズ名「Glass Bubbles」(ソーダ石灰硼珪酸ガラス)(住友スリーエム社製)等が挙げられる。
この中空ガラスビーズは、その表面がシランカップリング剤で表面処理されていてもよい。中空ガラスビーズの表面が表面処理されていると、発泡弾性体3を形成するゴム例えばシリコーンゴムとの接着性が強くなり、発泡弾性体3の表面に露出している中空ガラスビーズが発泡弾性体3から脱落しにくくなる。シランカップリング剤で表面処理される割合は、特に限定されないが、表面全体が処理されているのが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、(メタ)アクリル基を含有する(メタ)アクリルシランカップリング剤、アミノ基を含有するアミノシランカップリング剤、グリシドキシ基等のエポキシ基を含有するエポキシシランカップリング剤、ビニル基を含有するビニルシランカップリング剤、メルカプト基を含有するメルカプトシランカップリング剤等が挙げられる。
(メタ)アクリルシランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノシランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトシキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトシキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジブチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ジブチルアミノプロピルジメチルモノメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N,N−ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル−3−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−3−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−3−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−3−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−3−プロピルイミダゾール等が挙げられる。メルカプト基を含有するメルカプトシランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の断熱性積層体が、定着装置に装着される定着加圧部材、特に、定着ローラ又は加圧ローラとして用いられる場合、中空ガラスビーズは耐圧性であるのが好ましい。ここで、「耐圧性」とは、30Paの減圧下においても、また30MPaの加圧下においても、元の形状を保持できる特性をいう。中空ガラスビーズがこのような耐圧性を有すると、定着ローラ又は加圧ローラの製造時及び使用時にも中空ガラスビーズが割壊せず、接着剤層、延いては断熱性積層体が所期の断熱性を保持できる。
中空ガラスビーズは、シリコーン断熱性接着層中に8〜18質量%の割合で含有されている。含有量が少ないと断熱効果が十分ではなく、一方、多いと粘度が高くなり、均一に塗布できなくなり接着するフッ素系樹脂等との接着強度が弱くなり、剥離する虞がある。また、18%を超えて含有すると、かえって熱伝導率が高くなり、逆の効果となる。したがって、断熱効果と接着性との点で、10〜18質量%が好ましく、12〜18質量%がさらに好ましい。
シリコーン断熱性接着層は、断熱性の点で、0.19〜0.24W/m・kの熱伝導率を有することが好ましい。熱伝導率のより好ましい範囲は0.21〜0.23W/m・kである。熱伝導率の測定方法は後述する。
発泡弾性体4は、ゴムの発泡体であれば特に限定されないが、耐熱性、耐候性等の点で、シリコーンゴムの発泡体が好ましい。この発泡弾性体は、形状等が管状に限定されないこと以外は、本発明の定着加圧部材としてのローラ(本発明のローラということがある)の発泡弾性体と同じであり、詳細は後述する。
フッ素樹脂層は、フッ素系樹脂からなる層であればよく、形状等が管状に限定されないこと以外は、後述する定着加圧部材の一例としての、本発明のローラが有するフッ素樹脂チューブと同じである。詳細は後述する。
シリコーン断熱性接着層は、シリコーン接着成分及び上記中空ガラスビーズの他に接着性と断熱性を低下させない範囲で、溶剤、また各種添加剤を含有していてもよい。
本発明の断熱性積層体は、発泡弾性体とフッ素樹脂層とが上記断熱性接着層で接着されている。
この断熱性積層体は、画像形成装置用の定着加圧部材として好適に用いられる。この場合、上記の優れた特性を発揮して、画像形成装置の消費電力を低減できる。
本発明の断熱性積層体は、上記構成を有するものであれば、その形状、寸法、及び、その他の構成は特に限定されない。例えば、用途等に応じた適宜の形状として、シート状(層状、膜状ともいう)、管状等が挙げられる。
また、用途等に応じて、他の部材、例えば、支持体、中間層等を備えていてもよい。
本発明の断熱性積層体が好適に用いられる定着加圧部材の一例として、図1に示される、シート状の断熱性積層体1が挙げられる。この断熱性積層体1は、発泡弾性体4とシリコーン断熱性接着層3とフッ素樹脂層2とからなる。
シリコーン断熱性接着層(断熱性接着層ともいう)3は、上記の通りであり、加熱により硬化して、発泡弾性体4とフッ素樹脂層2とを接着する。断熱性接着層3は、シリコーン接着成分が硬化反応してなるシリコーンゴムと中空ガラスビーズとを含有している。中空ガラスビーズは、シリコーン接着成分と反応してシリコーンゴムと複合体を形成してもよく、シリコーン接着成分と反応せずにシリコーンゴム中に分散していてもよい。
シリコーン断熱性接着層3の厚さは、特に限定されず、断熱性積層体1の用途等に応じて適宜に決定される。例えば、画像形成装置用の断熱性積層体1とする場合、100〜500μmが好ましく、200〜500μmが特に好ましい。
発泡弾性体4及びフッ素樹脂層2は、ぞれぞれ、予め成形されているのが好ましい。成形方法は公知の方法を特に限定されることなく用いることができる。
発泡弾性体4の厚さは、特に限定されず、断熱性積層体1の用途等に応じて適宜に決定される。例えば、画像形成装置用の断熱性積層体1とする場合、1〜20mmが好ましく、2〜10mmが特に好ましい。フッ素樹脂層2の厚さは、特に限定されず、断熱性積層体1の用途等に応じて適宜に決定される。例えば、画像形成装置用の断熱性積層体1とする場合、20〜200μmが好ましく、50〜100μmが特に好ましい。
発泡弾性体4及びフッ素樹脂層2の詳細は後述する。
このような断熱性積層体1は、例えば、画像形成装置の定着加圧装置部分等に用いられる積層体であり、特に、トナーを加熱して溶融する部分に好適に用いられる断熱性積層体が好ましい。具体的には、シート状に成形された断熱性積層シート、断熱性積層パッド等が挙げられる。
本発明の断熱性積層体が好適に用いられる定着加圧部材一例として、図2に示される定着ローラ15が挙げられる。この定着ローラ15は、軸体16の外周面に、管状に形成された本発明の断熱性積層体を備えている。この断熱性積層体は、軸体16の外周面に管状の発泡弾性体(以下、発泡弾性層ともいう)4と、発泡弾性体4の外周面に管状のシリコーン断熱性接着層3と、シリコーン断熱性接着層3の外周面に管状のフッ素樹脂層(以下、フッ素樹脂チューブともいう)2とを備えている。
発泡弾性体4とフッ素樹脂チューブ2との間にシリコーン断熱性接着層3が介在すると、フッ素樹脂チューブ2に伝達される熱が発泡弾性体4に拡散するのを防止してフッ素樹脂チューブ2に留めることができる。したがって、定着ローラ15を加熱する際、例えばウォームアップのエネルギーロスを低減して所定の温度までエネルギー効率よく加熱できる。また、所定温度に一旦加熱すると、フッ素樹脂チューブ2の温度が低下しにくく、温度を維持するのに必要なエネルギーを低減できる。
通常、加圧ローラと定着ローラは、画像形成装置の定着装置において加熱ローラと一対となって用いられる。また、定着ベルトを介在して、加圧ローラと定着ローラが一対となっているものもあり、この場合の加熱方法は、外部ヒーターから、定着ベルトを加熱するものである。このようにどちらの定着装置においても、現像剤の定着性等の点で、加圧ローラと定着ローラは、加熱ローラ、又は、外部ヒーターからの伝達した熱量を保持する断熱性を備えているものが好ましい。
本発明の断熱性積層体が好適に用いられる定着加圧部材の別の一例として、加圧ローラが挙げられる。この加圧ローラは、上記の通り、定着ローラ15と同じ構成を有している。
定着ローラ15及び加圧ローラ(定着ローラ15等という)において、軸体16は、耐熱性を有していればよく、通常、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で構成された所謂「芯金」と称される軸体とされる。また、軸体16は、耐熱性を有していれば、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等の軸体であってもよく、内部が空洞となっている構造、所謂パイプ構造でもよい。
発泡弾性体4は、後述する発泡シリコーンゴム組成物によって、軸体16の外周面に形成されている。この発泡弾性体4は、その内部及び/又は外表面に気泡(図2において、図示しない。)を有する、所謂「スポンジ状」になっている。
発泡弾性体4は、独立気泡と連通気泡とを有している。ここで独立気泡とは近傍の気泡と接していない気泡をいい、連通気泡とは近傍の気泡と近接しているセル壁に穴が開いており、空間を共有している状態をいう。気泡は、発泡弾性体4を形成する後述のシリコーン発泡ゴム組成物に含有される発泡剤の発泡又は分解等によって生じる発泡弾性体4内又は表面の中空領域をいう。
発泡弾性体4の厚さは、上記した範囲内にあればよいが、好ましくは1〜20mmであり、より好ましくは2〜10mmである。発泡弾性体13の厚さが上記範囲内にあると、トナー定着性や熱効率が優れるという加圧ローラに要求される特性を満足できる。
シリコーン断熱性接着層3は、特定量の中空ガラスビーズを含有している。この断熱性接着層3の構成は上記の通りであり、その厚さは上記の通りである。
フッ素樹脂チューブ2は、フッ素樹脂からなる薄肉チューブである。この薄肉チューブを形成するフッ素樹脂は、特に限定されない。例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等が挙げられる。
フッ素樹脂チューブ2は、内径が発泡弾性体4と同じ又は小さいことが、フッ素樹脂チューブ2の表面平坦性の点で、好ましい。本発明において、フッ素樹脂チューブ2の内径は、特に限定されないが、発泡弾性体4の外径よりも50μm程度小さいのがよく、加熱により内径が収縮するものがさらに好ましい。フッ素樹脂チューブ2の厚さは上記の通りである。
定着ローラ15等は、軸体16の外周面に本発明の断熱性積層体1(発泡弾性体4、シリコーン断熱性接着層3及びフッ素樹脂層2)を形成して、製造される。定着ローラ15等の製造方法として、例えば、軸体16の外周面に、発泡弾性体4、シリコーン断熱性接着層3及びフッ素樹脂層2を形成する方法が挙げられる。その一例を以下に示す。
まず、軸体16を準備する。軸体16は上記の通りであり、上記の樹脂等で適宜の形状及び寸法に形成する。軸体16は、必要に応じて予め、その外周面に接着剤又はプライマーを、スプレー法、浸漬法等によって、塗布し、接着層又はプライマー層を形成しておくのが良い。
準備した軸体16の外周で発泡シリコーンゴム組成物を成形して発泡弾性体4を得る。
発泡弾性体4を得るには、まず、軸体16の外周面に、発泡シリコーンゴム組成物を、押出成形による連続加熱成形、プレス、インジェクションによる型成形等によって、配置する。軸体16の外周面に発泡シリコーンゴム組成物を配置する方法として、金型を用いることもできるが、押出機等により軸体16と発泡シリコーンゴム組成物とを一体に分出する方法等が好ましい。この方法は作業が容易で連続して行うことができる。
発泡弾性体4を形成する発泡シリコーンゴム組成物は、発泡弾性体4を形成することのできるものであればよく、シリコーンゴム、発泡剤を含有し、所望により導電性付与剤等の各種添加剤を含有する発泡シリコーンゴム組成物、好ましくは付加反応型発泡シリコーンゴム組成物が挙げられる。
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物は、ビニル基含有シリコーン生ゴム、シリカ系充填材、発泡剤、付加反応架橋剤、付加反応触媒、反応制御剤及び導電性付与剤を含有し、所望により有機過酸化物架橋剤及び各種添加剤を含有する付加反応型発泡シリコーンゴム組成物が挙げられる。この付加反応型発泡シリコーンゴム組成物において、ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、シリカ系充填材は5〜100質量部、発泡剤は0.1〜10質量部、付加反応架橋剤は0.01〜20質量部、反応制御剤は0.1〜2質量部、導電性付与剤は0〜15質量部が好ましく、付加反応触媒は組成物全体に対して1〜1,000ppmが好ましい。
この付加反応型発泡シリコーンゴム組成物は、特開2008−076751号公報に記載の「付加反応型発泡シリコーンゴム組成物」を用いることができ、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
次いで、発泡シリコーンゴム組成物を加熱加硫する。発泡シリコーンゴム組成物の加熱加硫は、特に限定されないが、通常、発泡シリコーンゴム組成物を一次加硫し、次いで二次加硫する方法が挙げられる。
一次加硫は、発泡シリコーンゴム組成物に含まれるゴム成分、例えばビニル基含有シリコーン生ゴムが架橋し、かつ、発泡剤が分解又は発泡するのに十分な条件で行われればよい。例えば、発泡シリコーンゴム組成物は、通常、赤外線加熱炉又は熱風炉等の加熱炉、乾燥機等の加熱機等により、170〜500℃程度、特に200〜400℃に加熱され、数分以上1時間以下、特に5〜30分間、加熱される。
二次加硫は、一次加硫で架橋された発泡シリコーンゴム組成物をより確実に架橋させる工程であり、二次加硫によって発泡シリコーンゴム組成物が硬化して成る発泡硬化体の物性が安定する。二次加硫は、例えば、一次加硫された発泡シリコーンゴム組成物を、さらに、押出成形された状態のままで、例えば、180〜250℃、好ましくは190〜230℃で、1〜24時間、好ましくは3〜10時間にわたって、再度加熱する。又は、金型を用いて、例えば、130〜200℃、好ましくは150〜180℃で、5分以上24時間以下、好ましくは10分以上10時間以下にわたって、再度加熱する。
この製造方法において形成された発泡弾性体4は、所望により形状又は外径を調整する工程を実施することができる。例えば、研磨処理、切除処理、ブラスト処理、旋削処理等の各処理を適宜に選択できる。
次いで、発泡弾性体4の外周面に断熱性接着層3を設けるが、塗布方法は上述の通りである。塗布量は断熱性接着層3の厚さが上記範囲となる量とする。
フッ素樹脂チューブ2を準備する。フッ素樹脂チューブは上記した通りである。
発泡弾性体4をフッ素樹脂チューブ2に挿入する方法として、公知の方法を特に制限されずに、用いることができる。このような方法として、例えば、発泡弾性体4の外周面に上記のシリコーン断熱性接着剤を所定の厚さに均一に塗布後、加圧環境下で発泡弾性体4を収縮させて、発泡弾性体4をフッ素樹脂チューブ2内に挿入する方法、フッ素樹脂チューブ2を所望の内径となる円筒形気圧調整穴付金型内部等に装填し、金型を外部から減圧環境下にし、フッ素樹脂チューブ2の径を発泡弾性体4の外径より大きくなるまで半径方向に拡径させて、発泡弾性体4をフッ素樹脂チューブ2に挿入する方法等が挙げられる。
加圧環境下で発泡弾性体4をフッ素樹脂チューブ2内に挿入する方法(加圧法ともいう)として、特開2008−299185号公報に記載の方法を参照でき、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
また、減圧環境下で発泡弾性体4をフッ素樹脂チューブ2内に挿入する方法(減圧法ともいう)として、特開2008−299187号公報に記載の方法を参照でき、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
次いで、フッ素樹脂チューブ2内に挿入した発泡弾性体4を加熱して、外周面に設けた断熱性接着層3を硬化することにより、シリコーン断熱性接着層3を設ける。加熱には、オーブン、送風乾燥機、赤外線加熱器等の加熱器又は乾燥機等を用いる。
このようにして、定着ローラ15等を製造できる。
この定着ローラ15等は、高い断熱性を有するシリコーン断熱性接着層3を有する。これにより、フッ素樹脂チューブ2に伝達される熱を発泡弾性体4に拡散するのを防止してフッ素樹脂チューブ2に留めることができる。したがって、この定着ローラ15等は、画像形成装置の省電力化に貢献でき、定着装置に好適に用いられる。
次に、本発明の定着加圧部材として好適なローラを備えた定着装置(以下、本発明の定着装置いう。)及び画像形成装置(以下、本発明の画像形成装置という。)の一例を、図3を参照して、説明する。
本発明の定着加圧部材として好適なローラは上記特性及び効果を有しており、画像形成装置に具備される定着装置に装着される加圧ローラ及び/又は定着ローラとして好適に用いられる。特に、本発明の定着加圧部材として好適なローラは、加圧ローラ及び/又は定着ローラを外部から非接触状態で加熱するように構成された定着装置に装着されるローラとして好適に用いられる。また、本発明の定着加圧部材として好適なローラは、高精細高速化された画像形成装置に具備される定着装置に装着される加圧ローラ及び/又は定着ローラとして、好適に用いられる。また、上記のローラは、低融点現像剤を使用する画像形成装置に具備される省電力化に対応した定着装置に装着される加圧ローラ及び/又は定着ローラとしても、好適に用いられる。
図3に示されるように、本発明の画像形成装置30は、静電潜像が形成される回転可能な像担持体31例えば感光体と、この像担持体31の周囲に配置された、帯電手段32例えば帯電ローラ、露光手段33、現像手段40、転写手段34例えば転写ローラ及びクリーニング手段37と、記録体の搬送方向下流側に定着装置35とを備えている。この現像手段40は、従来の現像手段と基本的に同様に形成される。具体的には、図3に示されるように、現像剤収納部41と、像担持体31に現像剤42を供給する現像剤担持体44と、現像剤担持体44に現像剤42を供給する現像剤供給手段43と、現像剤42を帯電させる現像剤規制部材45とを備えている。
定着装置35は、図3にその概略断面が示されるように、記録体36を通過させる開口52を有する筐体50内に、定着ローラ53と、定着ローラ53の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ54と、定着ローラ53及び無端ベルト支持ローラ54に巻回された無端ベルト55と、無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接する加圧ローラ56と、無端ベルト55に非接触となるように配置され、無端ベルト55を介して外部から定着ローラ53を加熱する加熱手段57とを備えている。このような構成を有する定着装置は、無端ベルト55を介して定着ローラ53と加圧ローラ56とが互いに当接又は圧接するように回転自在に支持されてなる圧力熱定着装置である。
無端ベルト支持ローラ54は、画像形成装置に通常用いられるローラであればよく、例えば、弾性ローラ等が用いられる。無端ベルト55は、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂により、無端状に形成されたベルトであればよく、その厚さ等も適宜定着装置35に適合するように調整することができる。加圧ローラ56はスプリング等の付勢手段(図示しない。)によって無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接している。この定着装置35において加圧ローラ56として本発明のローラが装着されている。加熱手段57は、ハロゲンヒーター及び反射板等を用いた輻射加熱方法、加熱器等を直接接触させて加熱する直接接触加熱方法、並びに、誘導加熱方法等が採用される。この加熱手段57は、定着ローラ53における軸線方向の長さとほぼ同じ長さを有する部材であり、定着装置35のいずれに配置されてもよいが、図3に示されるように、定着ローラ53の表面より一定の間隔を隔てて定着ローラ53に略並行に配置されるのがよい。前記誘導加熱方法には加熱用コイルが用いられ、この加熱用コイルは、通常、フェライト等の強磁性体で、スイッチング電源用として用いられている代表的な形状であるI型、E型及びU型等に形成され、導線が巻かれて成る。無端ベルト55と加圧ローラ56との圧接された間を記録体36が通過することにより、加圧と同時に加熱され、記録体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができる。
本発明の画像形成装置30は、次のように作用する。まず、画像形成装置30において、帯電手段32により像担持体31が一様に帯電され、露光手段33により像担持体31の表面に静電潜像が形成される。次いで、現像手段40から現像剤42が像担持体31に供給されて静電潜像が現像され、この現像剤像が像担持体31と転写手段34との間に搬送される記録体36上に転写される。この記録体36は定着装置35に搬送され、現像剤像が永久画像として記録体36に定着される。このようにして、記録体36に画像を形成することができる。
本発明の定着装置35及び画像形成装置30は、加圧ローラ56及び定着ローラ53として、本発明の定着加圧部材の好適なローラが採用されているから、現像剤を記録体に定着させる定着性に優れるとともに消費電力が小さい。
本発明の断熱性積層体、定着加圧部材、定着装置及び画像形成装置は、上記例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、加圧ローラ56や定着ローラ53において、発泡弾性体3は、単層構造とされているが、本発明においては二層以上の複層構造とされてもよい。
画像形成装置30は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、本発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置30は、現像手段40に単色の現像剤42のみを収容するモノクロ画像形成装置とされているが、本発明において、画像形成装置は、モノクロ画像形成装置に限定されず、カラー画像形成装置であってもよい。カラー画像形成装置としては、例えば、像担持体上に担持された現像剤像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置、各色の現像手段を備えた複数の像担持体を中間転写体や転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。画像形成装置30は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置とされる。
また、定着装置35及び画像形成装置30において、現像剤42は、一成分系の現像剤が有利に用いられるが、トナーと、鉄、ニッケル等のキャリアとを含む二成分系の現像剤も使用することができる。
(実施例1)
本例では、図1に示される断熱性積層体1を製造した。
シリコーンゴム組成物「KE−951U」(信越化学工業社製:商品名)100質量部と、付加反応架橋剤「C−153A」(信越化学工業社製:商品名)3質量部と、発泡剤アゾビス−イソブチロニトリル1.8質量部と、付加反応触媒としての白金触媒適量と、反応制御剤「R−153A」(信越化学工業社製:商品名)適量を二本ロールで十分に混練して、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物を調整した。これを二本ロールによりシート状(150mm×200mm×8mm)に成形し、IR炉にて250℃で10分間熱処理し、さらにギアーオーブンにて200℃の温度にて7時間熱処理し、常温にて1時間放置して、発泡弾性原体を得た。得られた発泡弾性原体をスライサーにて表面層(未発泡層)を除去し、厚さ2mmにし、さらに50mm×200mmにカットして、発泡弾性体4とした。
次いで、シリコーン接着剤「KE−1880」(信越化学工業社製:商品名)と、中空ガラスビーズ「34P30」(ポッターズ・バロティーニ社製:商品名)を87:13の質量割合で三本ロールにて十分に混練して、シリコーン断熱性接着剤を調製した。
このシリコーン断熱性接着剤を発泡弾性体4の片面に、塗布厚が300μmとなるようにヘラで均一に塗布し、さらに30分放置後、導電性フッ素樹脂のシート(グンゼ社製:導電PFA、50mm×200mm×0.03mm)を被覆し、1.8mm厚の金型を用いて150℃で30分プレス加熱して、断熱性積層体1を製造した。
また、シリコーン断熱性接着剤のみを2.0mm厚の金型により150℃で30分プレス加熱して、シリコーン断熱性接着剤シートを製造した。
(実施例2及び3)
シリコーン接着剤と中空ガラスビーズの質量割合を、それぞれ、92:8又は82:18に変更したこと以外は実施例1と同様にして、断熱性積層体1及びシリコーン断熱性接着剤シートを製造した。
(実施例4及び5)
シリコーン断熱性接着層の厚さを、それぞれ100μm又は500μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、断熱性積層体1及びシリコーン断熱性接着剤シートを製造した。
(比較例1)
中空ガラスビーズを用いないこと以外は実施例1と同様にして、発泡弾性体4、接着剤層及びフッ素樹脂層2からなる積層体及びシリコーン断熱性接着剤シートを製造した。
(比較例2)
シリコーン接着剤と中空ガラスビーズの質量割合を92.5:7.5に変更したこと以外は実施例1と同様にして、断熱性積層体1及びシリコーン断熱性接着剤シートを製造した。
(比較例3)
シリコーン接着剤と中空ガラスビーズの質量割合を80:20に変更したこと以外は実施例1と同様にして、断熱性積層体1及びシリコーン断熱性接着剤シートを製造した。しかし、シリコーン断熱性接着層と導電性フッ素樹脂のシートとを所定の接着力で接着できず、下記特性を評価できなかった。
(温度上昇時間測定方法)
製造した断熱性積層体1又は積層体の温度上昇時間を、図4に示されるようにして、測定した。
すなわち、製造した断熱性積層体1又は積層体のフッ素樹脂非接着側(発泡弾性体4)の中央部に、熱電対13を耐熱性テープ5:ニトフロン Adhesive Tapes(日東電工社製:商品名)で固定し、さらにその上部に比重0.6g/cm、大きさ50mm×200mm×10mmの外気遮断用シリコーン発泡弾性体12を重ね、さらにその上部に固定用錘14として500g分銅を設置した。
このようにして組み立てた組立体を、200℃に加熱した熱源(ホットプレート):EC−1200N(アズワン社製:製品名)11上に、フッ素樹脂層2の表面が接地するように、配置した。この状態を保持して、温度測定装置:NR−600(キーエンス社製:商品名)により熱電対の温度が160℃になるまでの温度上昇時間を測定した。
(断熱性の評価)
温度上昇時間測定方法で測定した160℃までの温度上昇時間につき、中空ガラスビーズを用いなかった比較例1の積層体の昇温時間(636秒)に対する温度上昇時間(昇温効果比率という)を算出した。本発明において、昇温効果比率が1%未満は昇温効果が不十分であると判断した。その結果を表1に示す。
(シリコーン断熱性接着層シートの熱伝導率測定)
各例において、製造したシリコーン断熱性接着剤シートについて、迅速熱伝導率計:QTM−500(京都電子工業社製:品名)の「QTMうす膜測定用ソフト」を用いて、熱伝導率を測定した。このようにして測定したシリコーン断熱性接着層シート(厚さ2mm)の熱導電率を、各例のシリコーン断熱性接着層の熱導電率とした。
Figure 2017013363
表1の結果から明らかなように、実施例1〜5の断熱性積層体1は、いずれも、160℃までの昇温時間が比較例1の積層体よりも長かった。これにより、これらの断熱性積層体1は、ホットプレート11(熱源)からフッ素樹脂層2を経由する熱の伝達を防止でき、昇温効果比率(断熱性)も1%以上と大きかった。よって、これらの断熱性積層体1は、例えば、画像形成装置の定着加圧部材として用いられると、画像形成装置の消費電力の低減に貢献することができる。
これに対して、比較例1及び2の積層体は、いずれも、昇温時間が短く、又は、昇温効果比率が小さく、消費電力の低減効果に期待できないことが分かった。
1 断熱性積層体
2 フッ素樹脂層(フッ素樹脂チューブ)
3 シリコーン断熱性接着層
4 発泡弾性体
5 耐熱性テープ
11 熱源(ホットプレート)
12 外気遮断用発泡弾性体
13 温度測定用センサー(熱電対)
14 荷重用錘
15 定着ローラ
16 軸体
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電手段
33 露光手段
34 転写手段
35 定着装置
36 被転写体
37 クリーニング手段
40 現像手段
41 現像剤収納部
42 現像剤
43 現像剤供給手段
44 現像剤担持体
45 現像剤規制部材
50 筐体
52 開口
53 定着ローラ
54 無端ベルト支持ローラ
55 無端ベルト
56 加圧ローラ
57 加熱手段

Claims (9)

  1. 発泡弾性体上にシリコーン断熱性接着層及びフッ素樹脂層がこの順で積層された断熱性積層体であって、前記シリコーン断熱性接着層に中空ガラスビーズを8〜18質量%含有する断熱性積層体。
  2. 前記シリコーン断熱性接着層の厚さが、100〜500μmである請求項1に記載の断熱性積層体。
  3. 前記シリコーン断熱性接着層の熱伝導率が、0.19〜0.24W/m・kである請求項1又は2に記載の断熱性積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の断熱性積層体を備えた、画像形成装置用の定着加圧部材。
  5. シート状に形成されてなる請求項4に記載の定着加圧部材。
  6. 前記定着加圧部材が、軸体の外周面に管状に形成されてなる請求項4に記載の定着加圧部材。
  7. ローラである請求項6に記載の定着加圧部材。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の定着加圧部材を備えた定着装置。
  9. 請求項8に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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