JP2009098221A - ヒートローラ、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置の定着装置のヒートローラにおいて、ウォームアップタイムを短縮するとともに省電力性を向上し得る構成を提供する。
【解決手段】ヒートローラ52は、ベース体31と、発熱体35と、第1接着層46と、第2接着層47と、離型層37と、を備えている。ベース体31は、円形の断面輪郭を有する。発熱体35は複数本の線からなるヒータパターンを有しており、電圧の印加により発熱する。第1接着層46は発熱体35の一側に形成されている。第2接着層47は発熱体35の他側に形成され、中空のガラスビーズ66を含むとともに、電気絶縁性を有するように構成されている。離型層37は、トナーに対して高い離型性を有する。そして、ベース体31から半径方向外方に向かって順に、第2接着層47と、発熱体35と、第1接着層46と、離型層37と、が配置されている。
【選択図】図4
【解決手段】ヒートローラ52は、ベース体31と、発熱体35と、第1接着層46と、第2接着層47と、離型層37と、を備えている。ベース体31は、円形の断面輪郭を有する。発熱体35は複数本の線からなるヒータパターンを有しており、電圧の印加により発熱する。第1接着層46は発熱体35の一側に形成されている。第2接着層47は発熱体35の他側に形成され、中空のガラスビーズ66を含むとともに、電気絶縁性を有するように構成されている。離型層37は、トナーに対して高い離型性を有する。そして、ベース体31から半径方向外方に向かって順に、第2接着層47と、発熱体35と、第1接着層46と、離型層37と、が配置されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、主要には、トナーを記録媒体上に定着させるための定着装置に用いられるヒートローラの構成に関する。
特許文献1は、電子写真式の画像形成装置に用いられる熱ローラ定着式の定着装置を開示する。この特許文献1の定着装置は、ヒートローラとプレスローラとを圧接してニップ部を形成し、このニップ部を通過する用紙を加熱及び加圧することで、トナーを用紙に定着させる構成になっている。特許文献1の構成では、ヒートローラは円筒状に構成されるとともに、その内部には熱源としてのハロゲンランプが配置されている。
特開2005−257852号公報
しかし、上記特許文献1に開示されるようなハロゲンランプ内蔵型のヒートローラは、ローラを内部から加熱する構成であるため、加熱を開始してからローラ表面が必要な温度に上昇するまでの時間が長くなってしまい、ウォームアップタイムの短縮という観点から改善の余地があった。また、熱源が円筒状のローラの内周側に配置されているためにローラ表面の効率的な加熱ができず、省エネルギーの観点からも改善の余地が残されていた。
本願発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、ウォームアップタイムを短縮でき、省電力化が可能なヒートローラ、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、トナーを記録媒体上に定着させるための定着装置に用いられるヒートローラの以下の構成が提供される。即ち、このヒートローラは、ベース体と、発熱層と、第1接着層と、第2接着層と、離型層と、を含む。前記ベース体は、円形の断面輪郭を有するように構成されている。前記発熱層は、複数本の線からなるパターン形状を有するとともに、電圧の印加により発熱するように構成されている。前記第1接着層は前記発熱層の一側に形成される。前記第2接着層は空気封入体を含むとともに電気絶縁性を有するように構成され、前記発熱層の他側に形成される。前記離型層は、前記トナーに対して高い離型性を有するように構成されている。そして、前記ベース体から半径方向外方に向かって順に、前記第2接着層と、前記発熱層と、第1接着層と、前記離型層と、が配置されている。
この構成により、ヒートローラ表面の近くに熱源即ち発熱層が配置されるので、ヒートローラ表面の温度を急速に上昇させることができ、ウォームアップタイムを顕著に短縮できる。また、ベース体の外方に発熱層が配置されるので、ヒートローラの中心部の無駄な加熱を防いで省電力を実現することができる。更に、発熱層において発生する熱がベース体側に逃げるのを、当該発熱層のすぐ内側に位置する第2接着層の断熱効果によって防止することができ、記録媒体を効率良く加熱できる。この結果、省電力性の一層の向上に寄与できる。
前記のヒートローラにおいては、前記第2接着層の熱伝導率が0.1W/m・K以下であることが好ましい。
この構成により、発熱層からの熱がベース体へ逃げるのを確実に阻止できるので、定着に必要な消費電力を更に低減することができる。
前記のヒートローラにおいては、前記第2接着層において前記空気封入体は、ベースとなる接着剤に対する重量比で20%以上50%以下の割合で含まれていることが好ましい。
この構成により、第2接着層の粘着性と断熱効果を両立させることができる。従って、発熱層を第2接着層の粘着力によってベース体の外周面に確実に保持しつつ、ヒートローラの表面温度を効率良く上昇させることができる。
前記のヒートローラにおいては、前記空気封入体は中空のガラスビーズであることが好ましい。
この構成により、第2接着層の断熱効果を、簡単な構成かつ低コストで実現することができる。
前記のヒートローラにおいては、前記ガラスビーズは、直径が20μm以上40μm以下の球状に形成されていることが好ましい。
この構成により、第2接着層の断熱効果を良好に発揮させることができる。また、第2接着層の流動性を確保できるので、ガラスビーズを容易かつ均一に混合できるとともに、第2接着層の形成時において良好なハンドリング性を実現することができる。
前記のヒートローラにおいては、前記第1接着層は前記第2接着層よりも高い熱伝導性を有することが好ましい。
この構成により、発熱層の熱をヒートローラの外周面側へ良好に伝達でき、ヒートローラの表面温度を一層素早く上昇させることができる。
前記のヒートローラにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このヒートローラ52は、電気絶縁層と、伝熱層と、を含む。前記電気絶縁層は、前記第1接着層によって前記発熱層と接着される。前記伝熱層は、前記電気絶縁層の前記第1接着層と反対側に配置される。
この構成により、電気絶縁層によって発熱層の短絡を確実に防止することができる。また、電気絶縁層より外方に伝熱層が配置されているので、ヒートローラの外周面に接触する記録媒体を均等に加熱でき、均一なトナー定着を実現できる。
本発明の他の観点によれば、前記のヒートローラを備える定着装置、及びこの定着装置を備える画像形成装置が提供される。
この構成により、ウォームアップタイムを短縮できるとともに、省電力性に優れる定着装置及び画像形成装置を実現することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るコピーファクシミリ複合機の外観斜視図、図2は複合機の本体内部の様子を示す正面断面図である。
図1に示す画像形成装置としてのコピーファクシミリ複合機75は、画像読取部76と、操作パネル77と、本体78と、給紙カセット79と、を備えている。
画像読取部76は、フラットベッドスキャナ及びオートドキュメントフィードスキャナとして機能するように構成されている。操作パネル77は、コピー部数及びファクシミリ送信先等をユーザが複合機75に対し指示するためのものである。
本体78には、記録媒体としての用紙に画像を形成する画像形成部等が内蔵されている。また、本体78は、通信回線を介して画像データを伝送するための図略の送受信部等を備えている。給紙カセット79は、前記用紙を前記画像形成部へ順次供給できるように構成されている。
コピーファクシミリ複合機75の内部の様子が図2に示される。この図2に示すように、前記本体78の上面には、読み取るべき原稿を載置するプラテンガラス82が設けられる。本体78の上方には原稿台カバー83が設けられており、この原稿台カバー83によって、原稿をプラテンガラス82上に押圧して固定できるようになっている。
前記原稿台カバー83には自動原稿供給装置(オートドキュメントフィーダ、ADF)84が配設されている。このADF84は、原稿台カバー83の上部に設けられた原稿トレイ85と、この原稿トレイの下方に設けられた排出トレイ86と、を備える。
図2に示すように、前記原稿台カバー83の内部には、原稿トレイ85と排出トレイ86とを繋ぐ湾曲状の原稿搬送経路87が構成されている。この原稿搬送経路87には、分離ローラ88及び複数の搬送ローラ89が配置されている。この構成で、原稿トレイ85に重ねてセットされた原稿は、1枚ずつ分離されて湾曲状の前記原稿搬送経路87に沿って搬送され、原稿読取位置を通過した後、排出トレイ86へ排出される。
図2に示すように、本体78の上部にはスキャナユニット90が備えられる。このスキャナユニット90は、光源91と、反射ミラー92,93,94と、集光レンズ95と、電荷結合素子(CCD)96と、を備えている。
光源91は、前記プラテンガラス82又は前記ADF84の原稿読取位置に対して光を照射する。原稿からの反射光は、反射ミラー92,93,94によって更に反射し、集光レンズ95によって収束して、CCD96の部分に結像する。CCD96は、この収束光を電気信号に変換して出力する。
スキャナユニット90の光源91及び反射ミラー92等は適宜移動可能に構成している。従って、複合機75をフラットベッドスキャナとして使用する場合は、光源91及び反射ミラー92等を一定の速度で移動させて、プラテンガラス82上の原稿を走査することができる。また、複合機75をADFスキャナとして使用する場合は、光源91及び反射ミラー92等をADF84の前記原稿読取位置まで移動した状態で静止させ、原稿搬送経路87を搬送される原稿を走査することができる。
前述のように、原稿からの反射光はCCD96へ導かれて結像し、CCD96は原稿に応じた電気信号を出力する。この信号は適宜の変換処理後に後述の画像形成部11に送られて印刷され、又は、前記送受信部によって他のファクシミリ装置へ通信回線を介して送信される。
図2に示すように、本体78の下部には、用紙100を供給する給紙カセット79が備えられる。この給紙カセット79は装置正面側(図2の紙面手前側)に引出可能に構成されている。給紙カセット79の上方には、画像形成部11、定着装置51、及び排紙トレイ80が備えられている。
本体78の内部には、給紙カセット79から排紙トレイ80へ用紙100を搬送するための搬送路24が形成されている。この搬送路24は、給紙カセット79の一端側から上方に向かって延びた後、水平方向に湾曲して画像形成部11に至り、更に水平方向へ延びて定着装置51を通過した後、排紙トレイ80上に至るように構成されている。
給紙カセット79の上方には給紙ローラ21が配置されており、給紙カセット79内に積層された最上層の用紙100に前記給紙ローラ21が接触するように構成されている。この状態で給紙ローラ21が駆動されることで、最上層の用紙100が分離されてピックアップされ、前記搬送路24に向けて送り出される。
搬送路24において前記給紙ローラ21のすぐ下流側には、搬送ローラ22,23が配置されている。この搬送ローラ22,23は、それに対向配置されるローラとの間に用紙100をニップしつつ駆動されることで、用紙100を下流側の画像形成部11へ搬送する。
画像形成部11は、図2に示すように、感光ドラム12の周囲に、帯電器13と、LEDヘッド14と、現像器15と、転写ローラ16と、を配置して構成されている。
感光ドラム12は、表面に有機感光体による光導電膜が形成されるとともに、図示しない電動モータによって回転駆動されるように構成されている。帯電器13はブラシ帯電方式に構成され、この帯電器13によって感光ドラム12の表面が均一に、例えば負に帯電されるようになっている。
露光器としてのLEDヘッド14は、前記帯電器13より下流側(感光ドラム12の回転方向の下流側をいう。以下、現像器15、及び転写ローラ16の説明において同じ。)に配置されており、発光ダイオード(LED)を用紙幅方向に多数並べて備えた構成となっている。そしてLEDヘッド14は、電話回線を介して受信したファクシミリ原稿の画像データ、又は、画像読取部76で読み取った画像データに対応して選択的に発光する。この結果、感光ドラム12の表面が選択的に露光され、露光部分の電荷エネルギーが消失することで静電潜像が形成される。
現像器15は前記LEDヘッド14の下流側に配置されている。この現像器15は、非磁性一成分トナーを収容するトナー容器26を備えるとともに、トナーの撹拌のためにトナー容器26の内部で回転駆動される撹拌ブレード27を備えている。更に、現像器15は、トナー容器26の内部に配置される供給ローラ28と、この供給ローラ28に接触して配置される現像ローラ29と、この現像ローラ29の外周面に接触するように配置される規制ブレード30と、を備えている。
この構成で、供給ローラ28と現像ローラ29とは、互いに周面を逆方向に擦るように回転駆動される。また、規制ブレード30の先端は、回転駆動される現像ローラ29の周面を擦ることになる。この結果、トナー容器26内のトナーは摩擦帯電され、現像ローラ29の表面に電位差によって付着する。現像ローラ29の表面のトナーは、規制ブレード30によって付着厚さが均一になるよう調整されるとともに、当該現像ローラ29の回転によって感光ドラム12側へ送られる。その後、感光ドラム12と現像ローラ29との近接部分において、感光ドラム12の前記LEDヘッド14による露光部に相当する部分においてのみ、現像ローラ29の表面のトナーが選択的に感光ドラム12の表面へ移動する。この結果、感光ドラム12の表面上にトナー像が形成される。
転写ローラ16は、前記現像器15の下流側に配置されるとともに、感光ドラム12から搬送路24を挟んで反対側に配置されている。また、この転写ローラ16には電源からの所定の電圧が印加されている。従って、感光ドラム12の表面に形成されたトナー像は、感光ドラム12の回転によって転写ローラ16側へ近づくように移動し、その電界吸引力によって用紙100に転写される。トナー像が転写された用紙100は、感光ドラム12の回転によって、搬送路24の下流側の定着装置51へ送られる。
定着装置51は、回転駆動されるヒートローラ52と、このヒートローラ52に対向して配置されるプレスローラ53と、を備えている。このプレスローラ53は付勢バネによってヒートローラ52に対して押し付けられている。なお、前記ヒートローラ52及びプレスローラ53の詳細な構成については後述する。
この構成で、用紙100がヒートローラ52とプレスローラ53との間を通過することにより、高温のヒートローラ52の熱及びプレスローラ53による圧力によって、トナー像のトナーが融解して用紙100に定着する。なお、定着装置51には、用紙100がヒートローラ52に貼り付いたまま周囲に巻き付くことを防止するための分離爪54が設けられている。
図2に示すように、定着装置51より下流側には排紙ローラ25が設けられる。この構成で、定着装置51から送られてきた用紙100は、排紙ローラ25とそれに対向配置される従動ローラとの間でニップされて、前記排紙トレイ80上に排出される。
次に、前記定着装置51の詳細な構成を説明する。拡大断面図である図3に示すように、前記定着装置51は、前記ヒートローラ52及びプレスローラ53を収容するハウジング55を備える。このハウジング55には、ベアリング56を介してヒートローラ52が回転自在に支持されるとともに、プレスローラ53が軸受体57を介して回転自在に支持される。
軸受体57はハウジング55に対してスライド自在に設けられており、軸受体57とハウジング55との間には付勢バネ58が介在される。この付勢バネ58のバネ力によってプレスローラ53がヒートローラ52に対して押し付けられ、両者が弾接する構成になっている。
次に、ヒートローラ52及びプレスローラ53の詳細な構成について、図4を参照して説明する。図4は図3のAで示した領域(ニップ部)の拡大断面図である。
ヒートローラ52は、ベース体(耐熱担持体)31と、フィルム状ヒータ(面状発熱体)33と、離型層37と、を主要な構成として備えている。また、ヒートローラ52に圧接されるプレスローラ53は、ステンレス等の金属で形成したローラ軸61と、このローラ軸61の周囲に固定されたスポンジ体62と、このスポンジ体62の外周面に配置された離型層63と、を備えている。
ヒートローラ52において、前記ベース体31は断面輪郭が円形である形状(具体的には、円筒形状)を有しており、このベース体31の外側にフィルム状ヒータ33が配置されている。このベース体31の熱伝導率は、フィルム状ヒータ33の熱伝導率(後述の伝熱層36の熱伝導率)より小さく、また、ベース体31の熱容量はフィルム状ヒータ33の熱容量(伝熱層36の熱容量)よりも大きくなっている。
ベース体31の外側に配置されるフィルム状ヒータ33は、発熱体(発熱層)35と、第1接着層46と、第2接着層47と、耐熱絶縁層(電気絶縁層)34と、伝熱層(均熱層)36と、を備えている。
フィルム状ヒータ33の発熱体35は、例えばニッケルクロム等のニッケル合金、ニッケル、又はステンレス等で構成することができる。この発熱体35は、幅の細い複数の線を平行に等間隔で並べたパターン形状に構成されている(ヒータパターン)。発熱体35の厚みは、例えば0.1μm以上100μm以下とするのが好ましく、30μm程度となるように形成することが更に好ましい。ヒータパターンを作成する方法としては、具体的には、スパッタリング、蒸着、金属箔のエッチング、パターン印刷、ブラスト等を使用することができる。
前記耐熱絶縁層34は、例えばポリイミド樹脂、シリコン樹脂等により構成することができる。この耐熱絶縁層34の厚みは、例えば1μm以上200μm以下とするのが好ましく、10μm以上70μm以下とするのが更に好ましい。
第1接着層46及び第2接着層47は、耐熱性を有するシリコン接着剤からなる層で構成される。第1接着層46は熱伝導性の高い組成とされる一方、第2接着層47は断熱性の高い組成とされている。
具体的には、第2接着層47には中空のガラスビーズ(空気封入体)66が所定の量だけ混合されており、この結果、第2接着層47の熱伝導率が0.1W/m・K以下とされている。前記第2接着層47は、その断熱効果を良好に発揮させる観点から、200μm以上500μm以下の厚みとすることが好ましい。なお、第1接着層46の熱伝導率は0.3W/m・K程度とされており、第2接着層47よりも大きい熱伝導率となるよう構成されている。
第2接着層47において前記ガラスビーズ66は、ベースとなるシリコン接着剤の重量比で20%以上50%以下となるように混合することが好ましく、30%前後となるように混合すると更に好ましい。なお、前記重量比が20%未満であると断熱効果が低下するために発熱体35からの熱がベース体31側に伝播してしまい、ヒートローラ52の外周面の温度上昇時間を良好に短縮できない。一方で、重量比が50%を上回ると第2接着層47の接着力が低下し、発熱体35をベース体31の外周面に保持することが極めて困難になる。
また、前記ガラスビーズ66の直径は20μm以上50μm以下であることが好ましい。なお、直径が20μm未満であると断熱効果が低下し、ヒートローラ52の外周面の温度を素早く上昇させることができない。一方で、直径が50μmを上回ると接着剤の流動性が顕著に低下し、第2接着層47の内部にガラスビーズ66を均一に分散させることが極めて困難になる。
フィルム状ヒータ33の伝熱層36は、例えば1μm以上50μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下の厚みを有するように構成する。この伝熱層36は、ベース体31及び発熱体35よりも高い熱伝導率を有するものを用いて形成することが好ましい。また、伝熱層36の熱伝導率は、例えば10W/m・K以上とするのが好ましい。伝熱層36の材料としては、例えば銅又はアルミニウム等の金属を使用することが考えられる。また、窒化アルミニウム(AlN)又は炭化ケイ素(SiC)等のセラミックスを伝熱層36として使用することもできる。
ヒートローラ52の最外周には離型層37が配置される。この離型層37は、トナーに対して離型性の高い材料(表面エネルギーが低く分子間凝集力の小さい材料)、例えばテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素樹脂より構成することができる。離型層37の厚みとしては、例えば30μm程度とすることが考えられる。
フィルム状ヒータ33は、例えば以下の方法で形成することができる。即ち、基材としてのポリイミドフィルムの一側の面に銅箔を貼り合わせたものを用意する。なお、このポリイミドフィルムが図5に示す耐熱絶縁層34に相当し、銅箔が伝熱層36に相当する。次に、ポリイミドフィルムにおいて銅箔の貼合せ面と反対側の面に、所定の厚みのシリコン接着層を形成する。なお、このシリコン接着層が第1接着層46に相当する。
続いて、このシリコン接着層に、厚み25μmのステンレス箔を加熱圧着させる。そして、上記ステンレス箔を、ウェットエッチング等の公知の方法で、複数の線を有するパターン形状に加工する。この結果、ステンレス箔からなるヒータパターン形状の発熱体(発熱層)35が形成される。
なお、前記発熱体35の形成方法としては、当該箔状の材料をウェットエッチング、ドライエッチング、ブラスト等の方法で予め所定のヒータパターン形状に加工してから、第1接着層46に貼り付けてもよい。また、ワイヤ状の材料を予めヒータパターン形状に加工したものを第1接着層46に貼り付けても良い。
更に、このヒータパターンの上に、中空のガラスビーズ66を混合したシリコン接着層を更に形成する。なお、このシリコン接着層が前記第2接着層47に相当する。これにより、良好な可撓性を備えたフィルム状ヒータ33が得られる。
次に、電気絶縁性を有する樹脂、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を円筒状に成形したベース体31を用意する。そして、前記の手順によって得られたフィルム状ヒータ33を、その第2接着層47側の面がベース体31の外周面に対向するように配置し、加熱圧着させる。この結果、ベース体31から半径方向外方に向かって順に、第2接着層47と、発熱体35と、第1接着層46と、耐熱絶縁層34と、伝熱層36と、が配置されることになる。
上記のようにフィルム状ヒータ33を巻き付けた後、フィルム状ヒータ33の縁部同士を、例えば半田接合等の方法を用いて溶融接合する。これにより、フィルム状ヒータ33がベース体31上で位置ズレしないように確実に固定できる。
更に、前記フィルム状ヒータ33の外周面に、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニル共重合体等のフッ素樹脂層を形成し、離型層37とする。以上の工程によりヒートローラ52を製造することができる。
こうして製造されたヒートローラ52は、発熱体35の熱を第1接着層46、耐熱絶縁層34、伝熱層36及び離型層37を経由してヒートローラ52の外周面側に良好に伝達することができる。また、発熱体35の熱のベース体31側への伝達は第2接着層47によって阻止することができる。以上により、ヒートローラ52の表面温度を素早く上昇させることができ、コピーファクシミリ複合機75におけるウォームアップタイムの短縮、及び省電力化に貢献することができる。
以上に示すように、本実施形態のコピーファクシミリ複合機75は、トナーを用紙100上に定着させる定着装置51を備えている。そして、この定着装置51において用いられるヒートローラ52は、ベース体31と、発熱体35と、第1接着層46と、第2接着層47と、離型層37と、を備えている。前記ベース体31は、円形の断面輪郭を有する円筒形状に構成されている。前記発熱体35は、複数本の線からなるヒータパターンを有するとともに電圧の印加により発熱するように構成されている。第1接着層46は、発熱体35の一側に形成されている。第2接着層47は発熱体35の他側に形成され、中空のガラスビーズ66を含むとともに、電気絶縁性を有するように構成されている。離型層37は、前記トナーに対して高い離型性を有するように構成されている。そして、前記ベース体31から半径方向外方に向かって順に、前記第2接着層47と、前記発熱体35と、前記第1接着層46と、前記離型層37と、が配置されている。
この構成により、ローラ表面の近くに熱源即ち発熱体35が配置されるので、特許文献1のハロゲンランプ内蔵型のヒートローラに比べてローラ表面の温度を急速に上昇させることができ、ウォームアップタイムを顕著に短縮できる。また、ベース体31の外方に発熱体35が配置されるので、ヒートローラ52の中心部の無駄な加熱を防いで電力を節約することができる。更に、発熱体35の発生する熱がベース体31側に逃げるのを、すぐ内側に位置する第2接着層47の断熱効果によって防止することができ、用紙100を効率良く加熱できる。この結果、省電力性を向上させることができる。
また、前記第2接着層47は、その熱伝導率が0.1W/m・K以下となるように構成されている。
この構成により、発熱体35からの熱がベース体31へ逃げるのを確実に阻止できるので、トナーの定着に必要な消費電力を更に低減することができる。
また、前記第2接着層47において前記ガラスビーズ66は、当該第2接着層47においてベースとなるシリコン接着剤に対する重量比で20%以上50%以下の割合で含まれている。
この構成により、第2接着層47の粘着性と断熱効果をともに良好に発揮させることができる。従って、発熱体35を第2接着層47の粘着力によってベース体31の外周面に確実に保持しつつ、ヒートローラ52の表面温度を効率良く上昇させることができる。
また、前記第2接着層47には、中空のガラスビーズ66が空気封入体として含まれている。
この構成により、第2接着層47の断熱効果を簡単な構成かつ低コストで実現することができる。
また、前記ガラスビーズ66は、その直径が20μm以上40μm以下の球状に形成されている。
この構成により、第2接着層47の断熱効果を良好に発揮させることができる。また、第2接着層47の流動性を確保できるので、ガラスビーズ66を容易かつ均一に混合できるとともに、第2接着層47の形成時において良好なハンドリング性を実現することができる。
また、前記ヒートローラ52において、前記第1接着層46は前記第2接着層47よりも高い熱伝導性を有するように構成されている。
この構成により、発熱体35の熱をヒートローラ52の外周面側へ良好に伝達でき、ヒートローラ52の表面温度を一層素早く上昇させることができる。
また、前記ヒートローラ52は、前記第1接着層46によって前記発熱体35と接着される耐熱絶縁層34と、この耐熱絶縁層34の前記第1接着層46と反対側に配置される伝熱層36と、を含んでいる。
この構成により、耐熱絶縁層34によって発熱体35のショートを確実に防止することができる。また、耐熱絶縁層34より外方に伝熱層36が配置されていることにより、ヒートローラ52の外周面に接触する用紙100を均等に加熱でき、均一なトナー定着を実現できる。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の構成は更に以下のように変更することができる。
前記第1接着層46及び第2接着層47は、シリコン接着剤に代えて、例えばポリイミド系の耐熱接着剤により構成することができる。
前記耐熱絶縁層34は省略することができる。この場合、前記第1接着層46は、電気絶縁性を有する接着剤を用いて形成することが極めて好ましい。
ベース体31は、中空の円筒状に形成することに代えて、例えば円柱状に形成することができる。
ベース体31の材料としては、PPSに限定されず、液晶性ポリマー、ガラスエポキシ等の耐熱樹脂を採用することができる。また、アルミナ、ムライト、ジルコニア、ガラスセラミックス等の無機材料をベース体31の材料として採用することができる。
本発明のヒートローラ及び定着装置は、コピーファクシミリ複合機に限らず、コピー、ファクシミリ、プリンタ等、様々な電子写真式の画像形成装置に適用することができる。
31 ベース体
33 フィルム状ヒータ(面状発熱体)
34 耐熱絶縁層(電気絶縁層)
35 発熱体(発熱層)
36 伝熱層
37 離型層
46 第1接着層
47 第2接着層
51 定着装置
66 ガラスビーズ(空気封入体)
75 コピーファクシミリ複合機(画像形成装置)
100 用紙(記録媒体)
33 フィルム状ヒータ(面状発熱体)
34 耐熱絶縁層(電気絶縁層)
35 発熱体(発熱層)
36 伝熱層
37 離型層
46 第1接着層
47 第2接着層
51 定着装置
66 ガラスビーズ(空気封入体)
75 コピーファクシミリ複合機(画像形成装置)
100 用紙(記録媒体)
Claims (9)
- 円形の断面輪郭を有するベース体と、
複数本の線からなるパターン形状を有するとともに電圧の引加により発熱する発熱層と、
前記発熱層の一側に形成される第1接着層と、
前記発熱層の他側に形成されるとともに空気封入体を含んだ電気絶縁性の第2接着層と、
トナーに対して高い離型性を有する離型層と、
を含み、
前記ベース体から半径方向外方に向かって順に、前記第2接着層と、前記発熱層と、前記第1接着層と、前記離型層と、が配置されていることを特徴とする、トナーを記録媒体上に定着させるための定着装置に用いられるヒートローラ。 - 請求項1に記載のヒートローラであって、
前記第2接着層の熱伝導率が0.1W/m・K以下であることを特徴とするヒートローラ。 - 請求項1又は2に記載のヒートローラであって、
前記第2接着層において前記空気封入体は、ベースとなる接着剤に対する重量比で20%以上50%以下の割合で含まれていることを特徴とするヒートローラ。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載のヒートローラであって、
前記空気封入体は中空のガラスビーズであることを特徴とするヒートローラ。 - 請求項4に記載のヒートローラであって、
前記ガラスビーズは、直径が20μm以上40μm以下の球状に形成されていることを特徴とするヒートローラ。 - 請求項5に記載のヒートローラであって、
前記第1接着層は前記第2接着層よりも高い熱伝導性を有することを特徴とするヒートローラ。 - 請求項6に記載のヒートローラであって、
前記第1接着層によって前記発熱層と接着される電気絶縁層と、
前記電気絶縁層の前記第1接着層と反対側に配置される伝熱層と、
を含むことを特徴とするヒートローラ。 - 請求項1から7までの何れか一項に記載のヒートローラを備えることを特徴とする定着装置。
- 請求項8に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007267167A JP2009098221A (ja) | 2007-10-12 | 2007-10-12 | ヒートローラ、定着装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007267167A JP2009098221A (ja) | 2007-10-12 | 2007-10-12 | ヒートローラ、定着装置及び画像形成装置 |
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JP2009098221A true JP2009098221A (ja) | 2009-05-07 |
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ID=40701328
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JP2007267167A Pending JP2009098221A (ja) | 2007-10-12 | 2007-10-12 | ヒートローラ、定着装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009098221A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017013363A (ja) * | 2015-07-01 | 2017-01-19 | 信越ポリマー株式会社 | 断熱性積層体、画像形成装置用の定着加圧部材、並びに、定着装置及び画像形成装置 |
-
2007
- 2007-10-12 JP JP2007267167A patent/JP2009098221A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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