JP2017007035A - 再生研磨材スラリーの調製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用済み研磨材を含有する回収スラリーから、簡易な方法で高純度の研磨材を回収することができる研磨材の回収方法を提供する。【解決手段】本発明の研磨材の回収方法は、添加目的の異なる複数種の添加剤を含有する研磨材スラリーを用いて、ケイ素を主成分として含む被研磨物を研磨した後、回収した回収研磨材スラリーから、再生研磨材スラリーを調製する再生研磨材スラリーの調製方法であって、前記回収研磨材スラリーから、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度低下能を有する添加剤Bを除去する工程1と、工程1で調製した添加剤除去済み研磨材スラリーに、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度の上昇能を有する添加剤Aを補充する工程2を経て再生研磨材スラリーを調製することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、研磨処理後に回収した回収研磨材スラリーから再生された再生研磨材スラリーの調製方法に関する。より詳しくは、回収研磨材スラリーより、研磨速度に影響を及ぼす成分を除去した後、少なくとも研磨速度の上昇に寄与する成分を補充して、研磨性の優れた再生研磨材スラリーを調製する方法に関する。
光学ガラスや水晶発振子を仕上工程で精密研磨する研磨材としては、従来、ダイアモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、アルミナジルコニア、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等に代表される高い硬度を有する微粒子が使用されている。
これらの研磨材は、硬度が高い微粒子であるため、光学レンズや半導体シリコン基板、水晶ウエハー及び液晶画面のガラス板など、電子部品関係の光学研磨材として鏡面に研磨するために多量に使用されている。
研磨方法としては、研磨パッド等の研磨部材と被研磨物との間に研磨材スラリーを介在させた状態で研磨を行う方法が採用されている。
これらの研磨材スラリーは、研磨を行うことにより研磨材スラリー中に微細なガラス片等の被研磨物の含有量が多くなると、研磨速度が低下するため、通常は、一定の期間使用した後、廃棄されている。
研磨加工で使用されている研磨材を構成している主要元素の中には、日本国内では産出量が少ない、あるいは全く産出しない鉱物から得られるレアメタルもあるため、一部では輸入に頼っている貴重な資源であり、かつ材料価格としても高価なものが多く、かつ研磨材としての使用量も多い重要な資源であるため、研磨工程で使用された研磨材スラリーを回収した後、再生して再生研磨材スラリーとして利用することにより、貴重な資源を有効利用することが強く望まれている。
このような研磨工程で使用した研磨材を回収して再生研磨材スラリーとする際、回収した状態でそのまま使用できるケースは少なく、研磨に最適なスラリー組成に再調製する必要がある。
再生研磨材に関しては、例えば、特許文献1には、ガラス研磨に使用した研磨材に、アルカリ金属等の陽イオン、無機酸等を接触させて、研磨材表面の付着物を取り除いて、研磨材を再生する方法が開示されている。また、研磨材を回収する際に、被研磨物由来の成分を回収したスラリーから除去する方法として、特許文献2及び特許文献3には、被研磨物由来の成分を溶解させるために分散剤や電解質を添加する方法が開示されている。
研磨材スラリーには、主成分である研磨材(砥粒ともいう)と共に、研磨時の研磨材の分散安定剤、洗浄剤等の研磨速度を向上させる助剤としての添加剤(以下、添加剤Aともいう。)の他に、研磨材スラリーを製造してから研磨加工で使用するまでの保管期間や輸送時の安定性を維持する観点から、特許文献4及び特許文献5に記載されているような抗菌剤、防腐剤等の他、凍結防止剤等の添加剤が添加されている。上記添加剤において、保存性向上を目的としている添加剤の多くは、研磨速度を低下させる機能を有しており(以下、研磨速度を低下させる機能を有する添加剤を、添加剤Bともいう。)、再生後、直ちに使用するケースが多い再生研磨材スラリーにおいては、研磨速度を維持・向上させるという観点からは、不要な添加剤である。一方、上記特許文献1〜3等に記載の再生研磨材スラリーを調製する方法では、再生処理後に、上記添加剤Aで代表される研磨速度を高める機能を有する添加剤が同時に除去されることとなるため、研磨速度が低下するという問題を抱えている。
特開2015−066656号公報 特開平6−254764号公報 特開2003−205460号公報 特開2002−114967号公報 特開2013−222863号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、研磨速度を低下させる成分を低減し、研磨速度を向上させる成分を所望濃度で有し、研磨性に優れた再生研磨材スラリーの調製方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、添加目的の異なる複数種の添加剤を含有する研磨材スラリーを用いて、被研磨物を研磨した後に回収した回収研磨材スラリーから、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度低下能を有する成分を除去する工程1と、工程1で調製した研磨材スラリーに、少なくとも研磨速度上昇成分を補充する工程2とを経て調製する再生研磨材スラリーの調製方法により、研磨性に優れ、高い研磨速度を有する再生研磨材スラリーを得ることができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記問題は、下記の手段により解決される。
1.添加目的の異なる複数種の添加剤を含有する研磨材スラリーを用いて、ケイ素を主成分として含む被研磨物を研磨した後、回収した回収研磨材スラリーから、再生研磨材スラリーを調製する再生研磨材スラリーの調製方法であって、
前記回収研磨材スラリーから、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度低下能を有する添加剤Bを除去する工程1と、
工程1で調製した添加剤除去済み研磨材スラリーに、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度の上昇能を有する添加剤Aを補充する工程2と、
を経て調製することを特徴とする再生研磨材スラリーの調製方法。
2.前記工程1において、添加剤A及び添加剤Bを、前記回収前の研磨材スラリーのそれぞれの含有量の1/500〜1/2の範囲内まで除去することを特徴とする第1項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
3.前記工程2での前記添加剤Aの補充量が、前記回収前の研磨材スラリーが含有する前記添加剤Aの含有量の10〜5000質量%の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
4.前記添加剤Aが、分散剤又は洗浄性向上剤であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
5.前記添加剤Bが、防腐剤、防錆剤又は抗菌剤であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
6.前記工程2での前記添加剤Aの補充量を、前記添加剤除去済み研磨材スラリーの電気伝導度の測定値に応じて決定することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
7.前記工程2での前記添加剤Aを、再生研磨材スラリーの電気伝導度の値が、前記回収前の研磨材スラリーの電気伝導度の値の0.05〜100倍の範囲内となる条件で、前記添加剤除去済み研磨材スラリーに添加することを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
本発明の上記手段により、研磨速度を低下させる成分を低減し、研磨速度を向上させる成分を所望濃度で有し、研磨性に優れた再生研磨材スラリーの調製方法を提供することができる。
本発明において、上記のような研磨性の向上効果を発揮する理由としては、以下のように推察している。
回収前の研磨材スラリー(以下、「新品の研磨材スラリー」ともいう。)においては、主要成分である研磨材(砥粒)と共に、研磨工程で使用するまでの間、研磨材スラリーの保存安定性を確保するため、例えば、抗菌剤や防腐剤等の添加剤(添加剤B)を含有している。更に、研磨時の研磨材の研磨効率を高める目的で、研磨材粒子の分散安定性を維持するための分散剤や、被研磨物表面の洗浄剤等の添加剤(添加剤A)を含有している。
このような組成の研磨材スラリーを用いて、ケイ素を主成分として含む被研磨物表面の研磨を行う。その後、研磨後の研磨材スラリーは、回収研磨材スラリーとして回収されるが、この回収研磨材スラリー中には、研磨材、添加剤A、添加剤Bの他に、研磨操作により生じた被研磨物の削りカスや研磨工程で被研磨物を保持するためのパッドの屑が混入しており、それらのうち、有効成分である研磨材と、研磨速度向上に有効な添加剤A以外については、除去した状態で、再生研磨材スラリーを調製することが重要となる。添加剤Bについては、多くの添加剤が、研磨速度に悪影響を及ぼす化合物であり、使用サイクルが短い再生研磨材スラリーにおいては、不要の添加剤となる。
そこで、本発明の再生研磨材スラリーの調製方法においては、研磨後に回収した回収研磨材スラリーについて、第1段階として、研磨材粒子は捕獲し、その他の添加剤A、添加剤や被研磨物を通過するような条件を備えた除去手段、例えば、ろ過フィルター等を用いて分離し、研磨材含有の再生スラリー中の添加剤A及び添加剤Bの含有濃度を1/500〜1/2の範囲内まで低下させる。
この操作により、特に、再生研磨材スラリーとして不要な添加剤Bを、除くことができる。次いで、添加剤Aも同時に除去されているため、第2ステップとして、新たに研磨材スラリーにおいて有効な添加剤Aを所定量追加補充することにより、所望の研磨速度を有している再生研磨材スラリーを得ることができ、貴重な資源である研磨材を有効活用することができる。この時、添加剤Aとしては、新品が含有している添加剤A(添加剤Aともいう。)と、工程2で追加する添加剤A(添加剤Aともいう。)は、同一種類であっても、あるいは、研磨速度の上昇能を有する化合物であれば、それぞれが異なる種類であってもよい。
研磨工程から使用済み研磨材スラリーが排出され、研磨材スラリーを回収するフローの一例を示す模式図 回収研磨材スラリーから再生研磨材スラリーを得る方法に一例を示すフロー図 工程1で使用する、回収スラリーから添加剤除去済み研磨材スラリーを調製するフィルター濾過装置の一例を示す模式図 新品スラリーから再生研磨材スラリーを調製する方法における研磨材スラリー中の構成材料の状態を示す模式図
本発明の再生研磨材スラリーの調製方法は、添加目的の異なる複数種の添加剤を含有する研磨材スラリーを用いて、ケイ素を主成分として含む被研磨物を研磨した後、回収した回収研磨材スラリーから、再生研磨材スラリーを調製する再生研磨材スラリーの調製方法であって、前記回収研磨材スラリーから、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度低下能を有する添加剤Bを除去する工程1と、工程1で調製した添加剤除去済み研磨材スラリーに、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度の上昇能を有する添加剤Aを補充する工程2を経て調製することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項5に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、工程1において、添加剤A及び添加剤Bを、回収前の研磨材スラリーのそれぞれの含有量の1/500〜1/2の範囲内まで除去することが、生産性として大きな影響を与えることなく、効率的に添加剤を回収研磨材スラリーから取り除くことができる点で好ましい。
また、工程2での前記添加剤Aの補充量が、前記回収前の研磨材スラリーが含有する前記添加剤Aの含有量の10〜5000質量%の範囲内に設定することが、再生研磨材スラリーであっても、フレッシュな新品の研磨材スラリーと同等性能の研磨性能(研磨速度)を得ることができる。
また、添加剤Aとして、分散剤又は洗浄性向上剤を適用することが、優れた研磨性能を得ることができる観点から好ましい。
また、前記工程2での前記添加剤Aの補充量を、前記添加剤除去済み研磨材スラリーの電気伝導度の測定値に応じて決定すること、あるいは、前記工程2での前記添加剤Aを、再生研磨材スラリーの電気伝導度の値が、前記回収前の研磨材スラリーの電気伝導度の値の0.05〜100倍の範囲内となる条件で、前記添加剤除去済み研磨材スラリーに添加することが、好ましい態様である。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本発明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《再生研磨材スラリーの調製方法の概要》
本発明の再生研磨材スラリーの調製方法は、
添加目的の異なる複数種の添加剤を含有する研磨材スラリーを用いて、ケイ素を主成分として含む被研磨物を研磨した後、回収した回収研磨材スラリーから、再生研磨材スラリーを調製する再生研磨材スラリーの調製方法であって、
前記回収研磨材スラリーから、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度低下能を有する添加剤Bを除去する工程1と、
工程1で調製した添加剤除去済み研磨材スラリーに、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度の上昇能を有する添加剤Aを補充する工程2と、
を経て調製することを特徴とする。
本発明でいう「研磨速度の上昇能を有する添加剤」、及び「研磨速度の低下能を有する添加剤」とは、下記の規定する条件を満たす化合物であると定義する。
なお、各添加剤に係る具体的化合物の詳細については後述する。
はじめに、研磨材粒子のみを1.0質量%の濃度で水に分散した基準の研磨材スラリー1を用いて、下記の方法に従って、研磨速度1を測定する。
〈研磨速度の測定〉
詳細は後述する図1に記載の研磨機を用い、研磨材スラリーを、研磨対象面に供給しながら、研磨対象面を研磨布で研磨する。研磨材スラリーは分散媒を水のみとして、濃度は1.0質量%とした。研磨試験においては、研磨材スラリーを5L/minの流量で循環供給させて研磨加工を行った。研磨対象物として、厚さ65mmのガラス基板を使用し、研磨布は、ポリウレタン製の物を使用した。研磨面に対する研磨時の圧力は、9.8kPa(100g/cm)とし、研磨試験機の回転速度は100min−1(rpm)に設定し、30分間研磨加工を行った。研磨前後の厚みをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚み変位から1分間当たりの研磨量(μm)を算出し、これを研磨速度1とした。
次いで、測定対象の添加剤A又は添加剤Bを0.02質量%、研磨材を1.0質量%の濃度で含有する測定対象の研磨材スラリー2を調製し、上記と同様の方法で研磨速度2を測定する。
次いで、得られた各研磨速度より、研磨速度比(研磨速度2/研磨速度1)を求め、研磨速度比が1.00未満であれば、添加剤は研磨速度の低下能を有する添加剤とし、研磨速度比が1.02以上であれば、研磨速度の上昇能を有する添加剤と定義する。研磨速度の上昇能を有する添加剤としては、好ましくは研磨速度比が1.05以上であり、さらに好ましくは1.10以上である。
《再生研磨材スラリーの調製フロー》
〔使用済み研磨材の回収〕
はじめに図1を用いて、被研磨物の研磨工程において、研磨後に使用済み研磨材を含有するスラリーを回収するフローについて説明する。
図1は、研磨工程から使用済み研磨材スラリーが排出され、研磨材スラリーを回収するフローの一例を示す模式図である。
ガラスレンズの研磨を例にとると、研磨工程では、研磨材スラリーの調製、研磨加工、研磨部の洗浄で一つの研磨工程を構成しているのが一般的である。
図1に示した研磨工程の全体の流れとしては、研磨機1は、不織布、合成樹脂発泡体、合成皮革などから構成される研磨布Fを貼付した研磨定盤2を有しており、この研磨定盤2は回転可能となっている。
研磨作業時には、ケイ素を主成分とする被研磨物3を、回転可能な保持具Hを用いて、所定の押圧力Nで上記研磨定盤2に押し付けながら、研磨定盤2と保持具Hを回転させる。同時に、スラリーノズル5から、ポンプDを介してあらかじめ調整した研磨材液4(研磨材スラリー)を供給する。使用後の研磨材液4(使用済みの研磨材を含む研磨材スラリー)は、流路6を通じてスラリー槽T1に貯留され、研磨機1とスラリー槽T1との間を繰り返し循環する。
また、必要に応じて、研磨機1を洗浄するための洗浄水7を、洗浄水貯蔵槽T2に貯留し、洗浄水噴射ノズル8より、研磨部に吹き付けて洗浄を行い、研磨材を含む洗浄液10(使用済みの研磨材を含む研磨材スラリー)として、ポンプを介し、流路9を通じて、洗浄液貯蔵槽T3に貯留される。
この洗浄液貯蔵槽T3は、洗浄(リンス)で使用された後の洗浄水を貯留するための槽である。この洗浄液貯蔵槽T3内は、沈殿、凝集を防止するため、常時撹拌羽根によって撹拌される。
また、研磨により生じ、スラリー槽T1に貯留された後に循環して使用される研磨材液4と、洗浄液貯蔵槽T3に貯留される研磨材を含む洗浄液10は、研磨材粒子とともに、研磨された被研磨物3より削り取られた被研磨物由来のガラス成分(被研磨物粒子)や、研磨Fとの破片等を含有した状態になっている。
〔研磨工程〕
研磨工程における具体的な方法を説明する。
(1)研磨材スラリーの調製
研磨材の粉体を水等の溶媒に対して0.5〜40質量%の濃度範囲となるように添加、分散させ、更に研磨速度上昇能を有する添加剤A、及び研磨速度低下能を有する添加剤Bを添加して、新品の研磨材スラリーを調製する。この研磨材スラリーは、研磨機1に対して、図1で示したように循環供給して使用される。研磨材として使用される粒子は、平均粒子径が数十nmから数μmの大きさの粒子が使用される。
(2)研磨
図1に示すように、研磨パット(研磨布F)と被研磨物3を接触させ、接触面に対して研磨材スラリーを供給しながら、加圧条件下で研磨布Kと被研磨物3を相対運動させる。
研磨された直後の被研磨物3及び研磨機1には大量の研磨材が付着している。そのため、研磨した後に研磨材スラリーの代わりに水等を供給し、被研磨物3及び研磨機1に付着した研磨材の洗浄が行われる。この際に、研磨材を含む洗浄液10は流路9に排出される。
この洗浄操作で、一定量の研磨材が流路9に排出されるため、系内の研磨材量が減少する。この減少分を補うために、スラリー槽T1に対して新たな研磨材スラリーを追加する。追加の方法は1加工毎に追加を行ってもよいし、一定加工毎に追加を行ってもよい。
〔使用済み研磨材スラリー〕
本発明でいう使用済み研磨材スラリーとは、洗浄液貯蔵槽T3に貯蔵される研磨材スラリー並びに研磨機1、スラリー槽T1及び洗浄水貯蔵槽T2から構成される研磨工程の系外に排出される研磨材スラリーであって、主として以下の2種類がある。
一つ目は、洗浄操作で排出された洗浄液を含む洗浄液貯蔵槽T3に貯蔵されている研磨材スラリー(リンススラリー)であり、二つ目は一定加工回数使用された後に廃棄される、スラリー槽T1に貯留されている使用済みの研磨材スラリー(ライフエンドスラリー)である。
(スラリー回収工程)
スラリー回収工程は、使用済みの研磨材を含む研磨材スラリーを回収する工程である。
前記のとおり、スラリー回収工程では、リンススラリーとライフエンドスラリーの片方又は両方を含んで回収する。
なお、回収された研磨材スラリー(回収研磨材スラリー)には、おおむね0.1〜20質量%の範囲で研磨材が含まれる。
《再生研磨材スラリーの調製方法》
〔研磨材の回収及び再生方法〕
使用済みの研磨材スラリーを回収して、再生研磨材スラリーを調製する方法は、少なくとも、回収研磨材スラリーから、研磨速度の上昇能を有する添加剤A及び研磨速度の低下能を有する添加剤Bを除去する添加剤除去工程(工程1)と、工程1で調製した添加剤除去済み研磨材スラリーに、研磨速度の上昇能を有する添加剤Aを添加する添加剤Aの追加工程(工程2)を有していればよいが、その他には、異物除去工程、溶解工程及び濃縮工程を備えていることが好ましい。更に、溶解工程と添加剤除去工程を繰り返し行った後に、添加剤Aの追加工程(工程2)へ移ることが好ましい。
図2は、回収研磨材スラリーから再生研磨材スラリーを得る方法に一例を示すフロー図である。
(1.異物除去工程)
研磨機及びスラリー用タンクからなる系から排出される研磨材スラリー(回収研磨材スラリー)には、洗浄水と使用済みの研磨材スラリーが含まれる。
異物除去工程では、20〜100μmのフィルターを使用して、研磨パッド等の異物を除去する。
(2.被研磨成分の溶解工程)
次いで、図3に示すように、異物除去工程により異物を除去した回収スラリー22を、温度調節部を備え付けたフィルター濾過装置内のタンク21に投入する。
次いで、回収スラリーに溶媒を添加し、撹拌機15により撹拌して、被研磨物を溶解させる。添加する溶媒としては、主成分は水である。
回収研磨材スラリーは、前記タンク内で加温することも好ましく、40〜90℃の範囲内に加温することが特に好ましい。
溶媒を添加し、場合によっては加温することにより、被研磨物成分の溶解が進み、一方で研磨材成分は溶媒に溶解しないため、フィルターによって分離することができる。
(3.添加剤除去工程)
溶解工程によって被研磨物成分を溶解させた回収研磨材スラリーを、濾過フィルター16を用いて濾過を行い、回収研磨材スラリーより、研磨速度の上昇能を有する添加剤A及び研磨速度の低下能を有する添加剤Bを系外に排出する。
濾過で用いる濾過フィルターとしては、特に制限はなく、例えば、中空糸フィルター、金属フィルター、糸巻フィルター、セラミックフィルター、ロール型ポリプロピレン製フィルター等を挙げることができる。
本発明に適用可能なセラミックフィルターとしては、例えば、フランスTAMI社製のセラミックフィルター、ノリタケ社製セラミックフィルター、日本ガイシ社製セラミックフィルター(例えば、セラレックDPF、セフィルト等)等が好ましい。
また、溶解工程の前に濾過工程を行い、濾液を分離した後に溶解工程を行うことも好ましい。これにより、効率的に被研磨物成分を除去することができる。
(4.連続溶解工程)
具体的には、研磨材スラリーを、循環用配管23を経由して循環させながら、上記(2)溶解工程と(3)添加剤除去工程を所定の時間をかけて連続的に行った後、研磨材スラリー中の研磨材濃度に対する研磨速度の上昇能を有する添加剤A及び研磨速度の低下能を有する添加剤Bの濃度が所定の濃度まで低下した段階で、三方弁24を排出側に代えて、添加剤除去済み研磨材スラリーを系外に排出して回収する。
添加剤除去済み研磨材スラリーにおける研磨材量に対する各添加剤の濃度としては、新品の研磨材スラリーの研磨材に対するそれぞれの添加剤の含有量に対し、1/500〜1/2の範囲内まで除去して低濃度化することが好ましい。
本発明において、研磨材スラリー中における各添加剤の含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、定量することができる。
(5.添加剤A追加工程)
次いで、上記工程で調製した添加剤除去済み研磨材スラリーに対し、補充すべき添加剤Aの補充量を決定する。決定する方法としては、添加剤除去済み研磨材スラリーの電気伝導度を測定し、その測定値に応じて追加する補充量を決定する。この時、工程2での添加剤Aの補充量としては、最終的な再生研磨材スラリーの電気伝導度の値が、未使用の新品状態である回収前の研磨材スラリーの電気伝導度の値の0.05〜100倍の範囲内となるように、添加剤除去済み研磨材スラリーに添加することが好ましい。
このようにして、研磨速度向上に効果を有する添加剤Aを追加補充して、再生研磨材スラリーを調製する。
電気伝導度の測定は、例えば、電気伝導度計(株式会社堀場製作所製ES-51)、電気伝導度計((株)東亜電波工業製CM−30G)、ラコムテスターハンディータイプの導電率計 CyberScan CON110(アズワン株式会社)、コンパクト電気伝導率計 LAQUAtwin B−771(HORIBA社製)等を用い、サンプル液を25℃に温調して測定して求めることができる。
この時の添加剤Aの補充量としては、新品の研磨材スラリーが含有する研磨材量を基準とした添加剤Aの含有量に対し、10〜5000質量%の範囲内、すなわち、新品の研磨材スラリーにおける添加剤Aの含有量に対し、0.1〜50倍の濃度範囲内となるように補充することが好ましい。
例えば、新品の研磨材スラリーが、研磨材を1.0質量%、添加剤Aを0.02質量%含有している条件である場合には、再生研磨材スラリーとしては、研磨材の濃度を1.0質量%とした時、添加剤Aの添加量としては、0.002〜1.00質量%の濃度範囲となるように、添加剤Aを追加して調製することが好ましい。
《再生研磨材スラリーの調製フローと各工程における構成要素の収支バランス》
図4は、上記説明した新品の研磨材スラリーから再生研磨材スラリーを調製するまでの各研磨材スラリー中における構成要素の状態を時系列的に示した模式図である。
図4の(a)は、新品(回収前)の研磨材スラリーの組成を模式的に示したものであり、液媒体Dm(主には、水)中に、主要材料である研磨材(砥粒)PMの他に、研磨速度上昇能を有する添加剤A、及び研磨速度低下能を有し、研磨材スラリーを調製してから研磨工程で使用するまでの期間における保存安定性等を確保するための防腐剤や抗菌剤に代表される添加剤Bを含有している。
この新品研磨材スラリー(a)を、被研磨物の研磨を行う研磨操作(b)で使用した後、前記図1で示した研磨材スラリーの回収フローにより、回収研磨材スラリー(c)を回収する。この回収研磨材スラリー(c)には、前記新品研磨材スラリー(a)の組成に加えて、研磨操作(b)で生じた研磨済残渣である被研磨物粉Sを含有している。
次いで、溶解工程(d)で被研磨物粉Sを溶解した後、前記図3で説明したフィルターろ過装置を用いて、回収研磨材スラリー(c)より、添加剤A及び添加剤Bを、初期濃度の1/500〜1/2の範囲内の濃度まで除去するろ過操作(e)により、ろ過済研磨材スラリー(f)を調製する。ろ過済研磨材スラリー(f)中には、主成分である研磨材PMの他に、濃度が大幅に低下した添加剤A及び添加剤Bが液媒体Dm中に含有している。
次いで、最終工程である再生研磨材スラリーの調製工程においては、ろ過操作(e)により除去した添加剤のうち、研磨速度上昇能を有する添加剤Aのみを、新品の研磨材スラリーが含有する添加剤Aの含有量の10〜5000質量%の範囲内で補充して、再生研磨材スラリーを調製する。再生研磨材スラリーは、研磨材PM及び研磨速度上昇能を有する添加剤Aは、新品の研磨材スラリーに近似した濃度を有し、研磨速度を低下させる添加剤Bのみを大幅に削減した組成であることを特徴としている。
この操作において、図4に示す新品研磨材スラリーが含有する研磨速度上昇能を有する添加剤Aと、工程(g)で添加する研磨速度上昇能を有する添加剤Aとは、同一の化合物であっても、異なる化合物であってもよい。
《研磨材スラリーの構成材料》
次いで、本発明に係る研磨材スラリーの主要構成材料の詳細について説明する。
[研磨材]
一般に、光学ガラスや半導体基板等の研磨材としては、ベンガラ(αFe)、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ等の微粒子を水や油に分散させてスラリー状にしたものが用いられている。
本発明に係る再生研磨材スラリーでは、半導体基板の表面やガラスの研磨加工において、高精度に平坦性を維持しつつ、十分な加工速度を得るために、物理的な作用と化学的な作用の両方で研磨を行う、化学機械研磨(CMP)への適用が可能なダイアモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、アルミナジルコニア及び酸化ジルコニウムから選ばれる研磨材の回収に適用することが好ましい。
本発明に係る研磨材として、ダイアモンド系研磨材としては、例えば、合成ダイアモンド、天然ダイアモンドが挙げられ、窒化ホウ素系研磨材としては、例えば、立方晶窒化ホウ素BN(例えば、昭和電工社製)が挙げられる。窒化ホウ素系研磨材は、ダイアモンドに次ぐ硬度を有する研磨材である。また、炭化ケイ素系研磨材としては、炭化ケイ素、緑色炭化ケイ素、黒色炭化ケイ素等を挙げることができる。また、アルミナ系研磨材としては、アルミナのほかに、褐色アルミナ、白色アルミナ、淡紅色アルミナ、解砕型アルミナ、アルミナジルコニア系研磨材等を挙げることができる。また、酸化ジルコニウムとしては、例えば、第一稀元素化学工業社製の研磨材用のBRシリーズ酸化ジルコニウムを挙げることができる。
本発明に使用される研磨材は、その成分及び形状に関しては、特に限定はなく、一般的に研磨材として市販されているものを使用することができる。
[添加剤]
本発明に係る研磨材スラリーが含有する添加剤としては、研磨速度上昇能を有する添加剤Aと研磨速度低下能を有する添加剤Bに大別される。
本発明でいう研磨速度上昇能を有する添加剤Aと研磨速度低下能を有する添加剤Bの定義に関しては、前述したとおりであり、所定濃度の研磨材を含有する研磨材スラリーに対して、当該添加剤の有無による研磨速度の変化率を測定し、添加剤なし系の研磨速度を研磨速度1とし、添加剤を所定濃度含有する系の研磨速度を研磨速度2としたとき、研磨速度比(研磨速度2/研磨速度1)が、1.00以上であれば、使用した添加剤は、研磨速度上昇能を有する添加剤Aと定義し、研磨速度比(研磨速度2/研磨速度1)が、1.00未満であれば、使用した添加剤は、研磨速度低下能を有する添加剤Bと定義する。
〔添加剤A:研磨速度の上昇能を有する添加剤〕
添加剤Aは、研磨速度の上昇能を有する添加剤であり、研磨速度比(研磨速度2/研磨速度1)が1.02以上であり、好ましくは1.05以上であり、さらに好ましくは1.10以上である。
本発明に適用可能な添加剤Aは、研磨効率を上昇させる機能を備えた添加剤であり、主には、
(1)研磨材粒子の分散安定性を向上する分散剤、
(2)Si膜の研磨速度に対するSiO膜の研磨速度を向上させるSiO/Si膜選択比向上剤、
(3)洗浄性向上効果を有する洗浄剤、
等を挙げることができる。
以下、本発明に適用可能な添加剤Aの代表的な化合物を列挙するが、ここで例示する化合物にのみ限定されるものではない。
(分散剤)
分散剤として、例えば、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤等が挙げられ、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含む高分子化合物である分散剤が好ましい。例えば、ポリアクリル酸アンモニウム、アクリル酸アミドとアクリル酸アンモニウムとの共重合体等が挙げられる。
また、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含む高分子分散剤の少なくとも1種類と、水溶性陰イオン性分散剤、水溶性非イオン性分散剤、水溶性陽イオン性分散剤、水溶性両性分散剤から選ばれた少なくとも1種類とを含む2種類以上の分散剤を併用してもよい。
半導体素子の製造に係る研磨に使用することから、分散剤中のナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属の含有率は10ppm以下に抑えることが好ましい。
〈陰イオン性分散剤〉
陰イオン性分散剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリカルボン酸型高分子分散剤等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸型高分子分散剤としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和二重結合を有するカルボン酸単量体の重合体、不飽和二重結合を有するカルボン酸単量体と他の不飽和二重結合を有する単量体との共重合体、及びそれらのアンモニウム塩やアミン塩などが挙げられる。
〈陽イオン性分散剤〉
陽イオン性分散剤としては、例えば、第一〜第三脂肪族アミン、四級アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウムアルキルピリジニウム、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム、N,N−ジアルキルモルホリニウム、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物の第四級アンモニウムおよびこれらの塩等が挙げられる。
〈ノニオン性分散剤〉
ノニオン性(非イオン性)分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
〈ベタイン性分散剤〉
ベタイン性分散剤としては、例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビスポリオキシエチレンアンモニウム硫酸エステルベタイン、2−アルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのベタイン類;N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩などのアミノカルボン酸類等が挙げられる。
〈分散剤の添加量〉
これらの分散剤の添加量は、研磨材スラリー中の研磨材粒子の分散性及び沈降防止、さらに研磨傷と分散剤添加量との関係から、例えば、研磨材が酸化セリウムである場合、酸化セリウム粒子100質量部に対して、0.01〜2.0質量部の範囲内が好ましい。分散剤の分子量は、100〜50000の範囲内が好ましく、1000〜10000がより好ましい。分散剤の分子量が100以上であれば、酸化珪素膜あるいは窒化珪素膜を研磨するときに、十分な研磨速度を得ることができ、分散剤の分子量が50,000以下であれば、粘度の上昇を抑制し、CMP研磨剤の保存安定性を確保することができる。
これらの研磨材粒子を水中に分散させる方法としては、通常の攪拌機による分散処理の他にホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミルなどを用いることができる。こうして作製された研磨剤スラリー中の研磨材粒子の平均粒径は、0.01〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。研磨材粒子の平均粒径が0.01μm以上であれば、高い研磨速度を得ることができ、1.0μm以下であれば、研磨時の被研磨膜表面のすり傷等の発生を防止することができる。
(研磨速度選択比向上剤)
本発明に係る研磨材スラリーにおいては、添加剤Aとして研磨速度選択比向上剤を適用することができる。
本発明でいう研磨速度選択比向上とは、酸化珪素膜(SiO)の研磨速度に対する窒化珪素膜(Si)の研磨速度比(以下、選択比ともいう)を向上させることを意味する。
本発明においては、研磨速度選択比向上剤としては、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度の比を向上させることができる観点から、有機カチオン系化合物が好ましい。
有機カチオン系化合物としては、窒素原子を含有するものが好ましく、さらにアミノ基や第4級アンモニウム基を有する化合物が好ましい。有機カチオン系化合物の分子量は、水溶性の観点から30〜10000が好ましく、より好ましくは30〜1000、さらに好ましくは30〜200、最も好ましくは40〜120である。
アミノ基を有する化合物は1分子中に1個以上のアミノ基を含有していればよく、その数は水溶性の観点から1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5、最も好ましくは1〜3である。アミノ基を有する化合物の1分子に含まれる炭素原子数と窒素原子数の比(C/N比)は、水溶性の観点から1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜4である。ただし、エタノールアミン系化合物は除く。
各研磨速度選択比向上剤の具体的な化合物としては、例えば、特開2002−114967号公報、特開2002−118082号公報、特開2002−201462号公報、特開2004−269577号公報、特開2004−273547号公報等に記載されている、1級アミン、2級アミン、3級アミン等のモノアミン、多価アミン、OH基を有するアミン、エーテル基を有するアミン、窒素原子を含有する複素環化合物、4級アンモニウム基を有する化合物が挙げられる。
これらの中では、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン及びエチレンジアミンが特に好ましい。
(洗浄剤)
本発明において、添加剤Aの一つとして、洗浄剤を用いることが好ましく、特に、アルコール系化合物を洗浄剤として用いることが好ましい。
本発明に適用可能な洗浄剤であるアルコール系化合物としては、例えば、1−プロパノール、2−プロパノール、2−プロピン−1−オール、アリルアルコール、エチレンシアノヒドリン、1−ブタノール、2−ブタノール、(S)−(+)−2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、t−ブチルアルコール、パーフルオロ−t−ブチルアルコール、クロチルアルコール、1−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、S−アミルアルコール、1−ヘキサノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、DL−3−ヘキシルアルコール、1−ヘプタノール、2−エチルヘキシルアルコール、(S)−(+)−2−オクタノール、1−オクタノール、DL−3−オクチルアルコール、2−ヒドロキシベンジルアルコール、2−ニトロベンジルアルコール、3,5−ジヒドロキシベンジルアルコール、3,5−ジニトロベンジルアルコール、3−フルオロベンジルアルコール、3−ヒドロキシベンジルアルコール、4−フルオロベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、m−(トリフルオロメチル)ベンジルアルコール、m−アミノベンジルアルコール、m−ニトロベンジルアルコール、o−アミノベンジルアルコール、o−ヒドロキシベンジルアルコール、p−ヒドロキシベンジルアルコール、p−ニトロベンジルアルコール、2−(p−フルオロフェニル)エタノール、2−アミノフェネチルアルコール、2−メトキシベンジルアルコール、2−メチル−3−ニトロベンジルアルコール、2−メチルベンジルアルコール、2−ニトロフェネチルアルコール、2−フェニルエタノール、3,4−ジメチルベンジルアルコール、3−メチル−2−ニトロベンジルアルコール、3−メチル−4−ニトロベンジルアルコール、3−メチルベンジルアルコール、4−フルオロフェネチルアルコール、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール、4−メチル−3−ニトロベンジルアルコール、5−メチル−2−ニトロベンジルアルコール、DL−α−ヒドロキシエチルベンゼン、o−(トリフルオロメチル)ベンジルアルコール、p−(トリフルオロメチル)ベンジルアルコール、p−アミノフェネチルアルコール、p−ヒドロキシフェニルエタノール、p−メチルベンジルアルコール及びS−フェネチルアルコール等のアルコール;4−メチルフェノール、4−エチルフェノール及び4−プロピルフェノール等のフェノール等を挙げることができる。
〔添加剤B:研磨速度の低下能を有する添加剤〕
本発明でいう添加剤Bとは、研磨速度低下能を有する添加剤であり、研磨速度比(研磨速度2/研磨速度1)が、1.00未満である。
この添加剤Bは、前述のとおり、研磨材スラリーを調製し、研磨工程で使用するまでの期間で、保存安定性等を付与するための添加剤であり、再生研磨材スラリーにおいては、不要となる添加剤である。
添加剤Bに該当する化合物としては、主には、防腐剤や抗菌剤を挙げることができる。
(防腐剤)
防腐剤としては、ベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、(5−クロロ)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、過酸化水素、次亜塩素酸等が挙げられる。
(抗菌剤)
抗菌剤としては、4級アンモニウム塩型抗菌剤を挙げることができ、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
(防錆剤)
防錆剤としては、例えば、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のエタノールアミン系化合物が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
《新品研磨材スラリーの調製》
下記の各添加剤を準備混合した後、ホモジナイザーを用いて分散して、新品の研磨材スラリーを調製した。
研磨材:酸化セリウム研磨材 10.0g
添加剤A−1:ポリアクリル酸アンモニウム塩(分散剤) 0.200g
添加剤B−1:ベンゼトニウムクロライド(防腐剤) 0.0500g
純水 1.00Lに仕上げた
《再生研磨材スラリーの調製》
〔再生研磨材スラリー1の調製〕
上記調製した新品研磨材スラリーについて、図3に記載のフィルター濾過装置を用いて、添加剤A及び添加剤Bを1/100まで除去した後、加水して、研磨材濃度が1.0質量%の再生研磨材スラリー1(ろ過済研磨材スラリー)を調製した。なお、フィルターろ過装置では、ろ過フィルターとしては、日本ガイシ社製のセラミックフィルター「セフィルト」(細孔径i:0.8μm)を用いた。再生研磨材スラリー1(ろ過済研磨材スラリー)の組成は以下の通りであり、添加剤の追加は行わなかった。調製した再生研磨材スラリー1の電気伝導度は、25℃で0.001(mS/cm)であった。なお、電気伝導度の測定は、コンパクト電気伝導率計 LAQUAtwin B−771(HORIBA社製)を用い、サンプル液を25℃に温調して測定した。
研磨材:酸化セリウム研磨材 10.0g
添加剤A−1:ポリアクリル酸アンモニウム塩(分散剤) 0.002g
添加剤B−1:ベンゼトニウムクロライド(防腐剤) 0.0005g
純水 1.00Lに仕上げた
〔再生研磨材スラリー2の調製〕
上記調製した再生研磨材スラリー1(ろ過済研磨材スラリー)に、添加剤B−1を0.045g/Lで追加添加した以外は同様にして、再生研磨材スラリー2を調製した。
再生研磨材スラリー2は、新品研磨材スラリーに対し、添加剤Aの含有比率は0,01、添加剤Bは0.91である。調製した再生研磨材スラリー2の電気伝導度は、25℃で0.061(mS/cm)であった。
〔再生研磨材スラリー3の調製〕
上記調製した再生研磨材スラリー1(ろ過済研磨材スラリー)に、添加剤Bとして、テトラメチルアンモニウムクロライド(抗菌剤、添加剤B−2)を0.045g/L追加添加した以外は同様にして、再生研磨材スラリー3を調製した。
再生研磨材スラリー3は、新品研磨材スラリーに対し、添加剤A−1の含有比率は0,01、添加剤B−1及びB−2の総量は0.91である。調製した再生研磨材スラリー3の電気伝導度は、25℃で0.061(mS/cm)であった。
〔再生研磨材スラリー4の調製〕
上記調製した再生研磨材スラリー1(ろ過済研磨材スラリー)に、添加剤Aを0.014g/Lで追加添加した以外は同様にして、再生研磨材スラリー4を調製した。
再生研磨材スラリー4は、新品研磨材スラリーに対し、添加剤Aの含有比率は0,08、添加剤Bは0.01である。調製した再生研磨材スラリー4の電気伝導度は、25℃で0.006(mS/cm)であった。
〔再生研磨材スラリー5〜11の調製〕
上記調製した再生研磨材スラリー4の調製において、添加剤A−1の添加量を表1に記載の条件に変更した以外は同様にして、再生研磨材スラリー5〜11を調製した。
〔再生研磨材スラリー12の調製〕
上記調製した新品研磨材スラリーについて、図3に記載のフィルター濾過装置を用いて、添加剤A及び添加剤Bを1/50まで除去した後、加水して、研磨材濃度が1.0質量%のろ過済研磨材スラリーを調製した。
次いで、添加剤Aを0.080g/Lで追加添加して、再生研磨材スラリー12を調製した。再生研磨材スラリー12は、新品研磨材スラリーに対し、添加剤Aの含有比率は0.90、添加剤Bは0.50である。調製した再生研磨材スラリー12の電気伝導度は、25℃で0.092(mS/cm)であった。
〔再生研磨材スラリー13の調製〕
上記調製した新品研磨材スラリーについて、図3に記載のフィルター濾過装置を用いて、添加剤A及び添加剤Bを1/10まで除去した後、加水して、研磨材濃度が1.0質量%のろ過済研磨材スラリーを調製した。
次いで、添加剤Aを0.010g/Lで追加添加して、再生研磨材スラリー13を調製した。再生研磨材スラリー13は、新品研磨材スラリーに対し、添加剤Aの含有比率は1.00、添加剤Bは0.90である。調製した再生研磨材スラリー13の電気伝導度は、25℃で0.125(mS/cm)であった。
〔再生研磨材スラリー14〜19の調製〕
上記調製した再生研磨材スラリー7の調製において、添加剤A−1を、下記に示す添加剤A−2〜A−7に変更した以外は同様にして、再生研磨材スラリー14〜19を調製した。
添加剤A−2:ラウリル硫酸トリエタノールアミン(陰イオン性分散剤)
添加剤A−3:ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド(陽イオン性分散剤)
添加剤A−4:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(ノニオン性分散剤)
添加剤A−5:N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン(ベタイン性界面活性剤)
添加剤A−6:イソプロピルアミン(研磨速度選択比向上剤)
添加剤A−7:1−プロパノール(洗浄剤)
〔再生研磨材スラリー20の調製〕
上記調製した再生研磨材スラリー7の調製において、添加剤B−1に代えて、同量のテトラメチルアンモニウムクロライド(抗菌剤、添加剤B−2)を用いた以外は同様にして、再生研磨材スラリー20を調製した。調製した再生研磨材スラリー20の電気伝導度は、25℃で0.034(mS/cm)であった。
なお、上記で使用した添加剤A−1〜A−7は、前記記載の方法で測定した研磨速度比は、いずれも1.02以上であった。また、添加剤B−1及びB−2の研磨速度比は、1.00未満であった。
《各研磨材スラリーにおける添加剤A及び添加剤Bの定量》
添加剤A及び添加剤Bの定量は、(株)島津製作所社製の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い、研磨材スラリーにおける研磨材粒子濃度を1.0質量%とした時の各添加剤の含有量を測定した。
《研磨速度の測定》
〔新品研磨材スラリーの研磨速度の測定〕
上記調製した新品研磨材スラリーを、図1に記載の研磨機を用い、研磨対象面に供給しながら、研磨対象面を研磨布で研磨した。新品研磨材スラリーを5L/minの流量で循環供給させて研磨加工を行った。研磨対象物として、65mmΦのガラス基板を使用し、研磨布は、ポリウレタン製の物を使用した。研磨面に対する研磨時の圧力は、9.8kPa(100g/cm)とし、研磨試験機の回転速度は100min−1(rpm)に設定し、30分間研磨加工を行った。研磨前後の厚みをNikon Digimicro(MF501)にて測定し、厚み変位から1分間当たりの研磨量(μm)を算出して研磨速度(μm/分)を測定し、これを1.00とした。
〔再生研磨材スラリー1〜20の研磨速度の測定〕
再生研磨材スラリー1〜20について、上記と同様の方法で研磨速度を測定し、基準である新品研磨材スラリーの研磨速度を1.00とした時の相対研磨速度を求め、得られた結果を表1に示す。
Figure 2017007035
表1に記載の結果より明らかなように、研磨工程で得られた回収研磨材スラリーを回収した後、ろ過操作により、各添加剤を除き、その後、所定濃度の添加剤Aを追加して調製した本発明の再生研磨材スラリーは、比較例に対し、高い研磨速度を有していることが分かる。
1 研磨機
2 研磨定盤
3 被研磨物
4 研磨材液
5 スラリーノズル
6 流路
7 洗浄水
8 洗浄水噴射ノズル
9 流路
10 研磨材を含む洗浄液
11 回収流路
15 撹拌機
16 濾過フィルター
21 タンク
22 回収スラリー
23 循環用配管
24 三方弁
A−1、A−2 添加剤A
B 添加剤B
D ポンプ
Dm 分散媒
F 研磨布
M モーター
N 押圧力
H 保持具
PM 研磨材
S 被研磨物粉
T1 スラリー槽
T2 洗浄水貯蔵槽
T3 洗浄液貯蔵槽
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、添加目的の異なる複数種の添加剤を含有する研磨材スラリーを用いて、被研磨物を研磨した後に回収した回収研磨材スラリーから、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度低下能を有する成分を除去する工程1と、工程1で調製した研磨材スラリーに、少なくとも研磨速度上昇成分を補充する工程2とを経て調製し、前記工程1において、前記添加剤A及び前記添加剤Bを、前記回収前の研磨材スラリーのそれぞれの含有量の1/500〜1/2の範囲内まで除去することを特徴とする再生研磨材スラリーの調製方法により、研磨性に優れ、高い研磨速度を有する再生研磨材スラリーを得ることができることを見いだし、本発明に至った。
1.添加目的の異なる複数種の添加剤を含有する研磨材スラリーを用いて、ケイ素を主成分として含む被研磨物を研磨した後、回収した回収研磨材スラリーから、再生研磨材スラリーを調製する再生研磨材スラリーの調製方法であって、
前記回収研磨材スラリーから、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度低下能を有する添加剤Bを除去する工程1と、
工程1で調製した添加剤除去済み研磨材スラリーに、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度の上昇能を有する添加剤Aを補充する工程2と、を経て調製し、
前記工程1において、前記添加剤A及び前記添加剤Bを、前記回収前の研磨材スラリーのそれぞれの含有量の1/500〜1/2の範囲内まで除去することを特徴とする再生研磨材スラリーの調製方法。
.前記工程2での前記添加剤Aの補充量が、前記回収前の研磨材スラリーが含有する前記添加剤Aの含有量の10〜5000質量%の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
.前記添加剤Aが、分散剤又は洗浄性向上剤であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
.前記添加剤Bが、防腐剤、防錆剤又は抗菌剤であることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
.前記工程2での前記添加剤Aの補充量を、前記添加剤除去済み研磨材スラリーの電気伝導度の測定値に応じて決定することを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
.前記工程2での前記添加剤Aを、再生研磨材スラリーの電気伝導度の値が、前記回収前の研磨材スラリーの電気伝導度の値の0.05〜100倍の範囲内となる条件で、前記添加剤除去済み研磨材スラリーに添加することを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
本発明の再生研磨材スラリーの調製方法は、添加目的の異なる複数種の添加剤を含有する研磨材スラリーを用いて、ケイ素を主成分として含む被研磨物を研磨した後、回収した回収研磨材スラリーから、再生研磨材スラリーを調製する再生研磨材スラリーの調製方法であって、前記回収研磨材スラリーから、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度低下能を有する添加剤Bを除去する工程1と、工程1で調製した添加剤除去済み研磨材スラリーに、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度の上昇能を有する添加剤Aを補充する工程2を経て調製し、前記工程1において、前記添加剤A及び前記添加剤Bを、前記回収前の研磨材スラリーのそれぞれの含有量の1/500〜1/2の範囲内まで除去することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
Figure 2017007035

Claims (7)

  1. 添加目的の異なる複数種の添加剤を含有する研磨材スラリーを用いて、ケイ素を主成分として含む被研磨物を研磨した後、回収した回収研磨材スラリーから、再生研磨材スラリーを調製する再生研磨材スラリーの調製方法であって、
    前記回収研磨材スラリーから、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度低下能を有する添加剤Bを除去する工程1と、
    工程1で調製した添加剤除去済み研磨材スラリーに、前記複数の添加剤のうち少なくとも研磨速度の上昇能を有する添加剤Aを補充する工程2と、
    を経て調製することを特徴とする再生研磨材スラリーの調製方法。
  2. 前記工程1において、添加剤A及び添加剤Bを、前記回収前の研磨材スラリーのそれぞれの含有量の1/500〜1/2の範囲内まで除去することを特徴とする請求項1に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
  3. 前記工程2での前記添加剤Aの補充量が、前記回収前の研磨材スラリーが含有する前記添加剤Aの含有量の10〜5000質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
  4. 前記添加剤Aが、分散剤又は洗浄性向上剤であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
  5. 前記添加剤Bが、防腐剤、防錆剤又は抗菌剤であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
  6. 前記工程2での前記添加剤Aの補充量を、前記添加剤除去済み研磨材スラリーの電気伝導度の測定値に応じて決定することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
  7. 前記工程2での前記添加剤Aを、再生研磨材スラリーの電気伝導度の値が、前記回収前の研磨材スラリーの電気伝導度の値の0.05〜100倍の範囲内となる条件で、前記添加剤除去済み研磨材スラリーに添加することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の再生研磨材スラリーの調製方法。
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