JP2003205460A - 酸化セリウム系研磨剤再生方法 - Google Patents

酸化セリウム系研磨剤再生方法

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弘明 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化セリウム系研磨剤を再生すること、つま
り再生処理中に酸化セリウム系研磨剤を凝集させること
なく、研磨剤の表面に付着したガラス(珪素)成分を十
分に除去し、この酸化セリウム系研磨剤によっても使用
前と実質的に同等の研磨速度と低いスクラッチの発生頻
度を維持することを課題とする。 【解決手段】 劣化した酸化セリウム系研磨剤懸濁液に
分散剤を添加したのち、この懸濁液の水素イオン濃度が
pH10.5以上となるようにアルカリ成分を添加す
る。これを50℃以上の温度に加熱することによって付
着した珪素成分を溶解させて、酸化セリウム系研磨剤を
再生する。添加された分散剤によって、研磨剤粒子の凝
集が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク用の
ガラスディスク、水晶ウェーハ、液晶パネル用ガラスな
どを鏡面研磨するために使用する酸化セリウムを主成分
とする酸化セリウム系研磨剤を再生する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューター、液晶ディスプレー、携
帯電話などの普及により、ガラスディスク、水晶ウエー
ハ、液晶パネルなどガラス材料の使用量が増大してい
る。これらガラス材料の表面は、鏡面に研磨することが
必須であり、このために酸化セリウムを主成分とする酸
化セリウム系研磨剤が使用される。研磨に繰り返し使用
しているうち、この研磨剤は劣化し、所望の研磨速度が
維持できなくなる。このように劣化した酸化セリウム系
研磨剤は、そのほとんどが産業廃棄物として処理されて
いるのが現状であるが、資源の枯渇、環境保全、研磨コ
スト削減等の観点からこれら研磨剤を再生使用すること
が望まれるようになってきている。
【0003】このような技術の先行例として、特許第3
134189号明細書および特開平6−254764号
公報をあげることができる。
【0004】上記特許第3134189号明細書開示の
技術では、凝集剤を添加して固形分を凝縮させた後、大
量のアルカリ成分を添加するため、どうしても再生後の
研磨剤に粗大な砥粒が残留する。このため、この方法で
再生した研磨剤の場合、被研磨物にスクラッチが発生し
易くなるという問題があった。
【0005】特開平6−254764号公報開示の技術
は、研磨液に電解質を添加し、研磨除去された基本成分
を可溶化させると共に、研磨液中の研磨砥粒を沈降させ
る方法であるが、大量の電解質を加えるため、研磨砥粒
が凝集を起こし、やはり再生後の研磨剤に粗大な砥粒が
残留する。このため、同様に被研磨物にスクラッチが発
生し易い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらはいずれも、研
磨剤再生処理中に、研磨剤の凝集が生じることに原因が
あり、凝集した研磨剤粒子がスクラッチを発生させてい
る。また、凝集した研磨粒子を除去することは可能であ
るが、費用がかかる。
【0007】本発明は、これらの問題を解決するため鋭
意研究した結果、再生処理中に研磨剤を凝集させること
なく、研磨剤の表面に付着したガラス(珪素)成分を十
分に除去することができる方法を見いだし、これによ
り、再生した酸化セリウム系研磨剤によっても使用前と
実質的に同等の研磨速度と低いスクラッチの発生頻度を
維持することができるようにしたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の手段に
より解決される。すなわち、第1番目の発明の解決手段
は、劣化した酸化セリウム系研磨剤懸濁液に分散剤を添
加したのち、この懸濁液の水素イオン濃度がpH10.
5以上となるようにアルカリ成分を添加し、これを50
℃以上の温度に加熱することによって酸化セリウム系研
磨剤を再生することを特徴とする酸化セリウム系研磨剤
再生方法である。
【0009】第2番目の発明の解決手段は、劣化した酸
化セリウム系研磨剤懸濁液に分散剤と水素イオン濃度が
pH10.5以上となるようにアルカリ成分を添加し、
これを50℃以上の温度に加熱することによって酸化セ
リウム系研磨剤を再生することを特徴とする酸化セリウ
ム系研磨剤再生方法である。
【0010】第3番目の発明の解決手段は、第1番目又
は第2番目の発明の酸化セリウム系研磨剤再生方法にお
いて、上記分散剤として、オキシカルボン酸又はポリア
クリル酸を添加することを特徴とする酸化セリウム系研
磨剤再生方法である。
【0011】第4番目の発明の解決手段は、第1番目か
ら第3番目までのいずれかの発明の酸化セリウム系研磨
剤再生方法において、上記アルカリ成分として、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、もしくはこれらの水溶液を使用することを特徴
とする酸化セリウム系研磨剤再生方法である。
【0012】第5番目の発明の解決手段は、第1番目か
ら第4番目までのいずれかの発明の酸化セリウム系研磨
剤再生方法において、上記加熱ののち、生成した酸化セ
リウムの粗大粒子、及び、上記アルカリ性水溶液に溶解
した珪素成分を除去することを特徴とする酸化セリウム
系研磨剤再生方法である。
【0013】第6番目の発明の解決手段は、研磨作業に
よって劣化した酸化セリウム懸濁液を再生させるための
酸化セリウム系研磨剤再生方法であって、劣化後の研磨
剤を、分散剤添加により水素イオン濃度をpH8.5〜
pH10.5に保ち、且つ乾燥させることなく貯蔵する
第1工程、上記第1工程にて貯蔵された研磨剤懸濁液を
回収し、回収された研磨剤懸濁液に更に分散剤を加えて
研磨剤を再分散させるための第2工程、上記第2工程に
て研磨剤が再分散された研磨剤懸濁液にアルカリ成分を
加えてpH10.5以上とし、これを50℃以上の温度
で加熱するための第3工程、上記第3工程を経た研磨剤
懸濁液から粗大粒子を除去するための第4工程、及び、
上記第4工程を経た研磨剤懸濁液からアルカリ性水溶液
に溶解した珪素成分を除去するための第5工程からなる
ことを特徴とする酸化セリウム系研磨剤再生方法であ
る。
【0014】第7番目の発明の解決手段は、第6番目の
発明の酸化セリウム系研磨剤再生方法において、上記第
4工程と上記第5工程とを逆の順序で行うことを特徴と
する酸化セリウム系研磨剤再生方法である。
【0015】第8番目の発明の解決手段は、第1番目か
ら第7番目までのいずれかの発明である酸化セリウム系
研磨剤再生方法によって再生したことを特徴とする酸化
セリウム系研磨剤である。
【0016】第9番目の発明の解決手段は、第1番目か
ら請求項7までのいずれかの発明の酸化セリウム系研磨
剤再生方法によって再生した研磨剤懸濁液を、更に、乾
燥させたことを特徴とする酸化セリウム系研磨剤であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】多くの場合、ガラス、水晶を鏡面
研磨するために研磨剤として酸化セリウムの微粒子の懸
濁液が使用される。酸化セリウムは硬度が高い物ではな
いため、通常の研磨剤(例えば酸化アルミニウム)など
のように、物理的あるいは機械的に被研磨物を削るよう
なものではなく、酸化セリウム微粒子がガラスあるいは
水晶と接触したとき、珪素成分が化学的に反応を起こし
酸化セリウムに付着することによって、研磨作用が生じ
るものと考えられている。
【0018】このため、研磨を繰り返しているうち、酸
化セリウム微粒子の表面は、付着した珪素成分によって
覆われ、徐々に研磨能力が失われる、つまり劣化するこ
とになる。したがって、付着した珪素成分を表面から除
去すれば研磨能力は回復すると考えられる。
【0019】酸化セリウム微粒子の表面に付着した珪素
成分は、強いアルカリ性溶液によって溶解・除去するこ
とができ、水素イオン濃度pHをより高くすれば溶解速
度をより速くすることができる。一方、水素イオン濃度
が高いときに一般には凝集が起こりにくいと考えられて
いる。ところが、珪素成分を溶解させるために、高濃度
のアルカリ性水溶液に酸化セリウム微粒子を接触させた
とき、一定の濃度と水素イオン濃度を超えると逆に酸化
セリウムは凝集を起こしやすくなるという現象が判明し
た。
【0020】本発明では、珪素成分を溶解させる過程で
高濃度のアルカリ成分を用いるが、劣化した酸化セリウ
ム研磨剤に事前に分散剤を添加することにより、研磨剤
の凝集がきわめて起こりにくくなるようにコントロール
される。
【0021】本発明では、ガラス、水晶などのワークに
対して研磨を行うための研磨工場あるいは研磨作業場
と、劣化した研磨剤を再生するための再生工場あるいは
再生作業場とが離れた場所にあることを念頭に置いてい
る。研磨工場では、多数の研磨装置を設置して大量のワ
ークを加工し、その際出てくる劣化した研磨剤を貯留
し、一定期間毎あるいは一定量毎に劣化した研磨剤を再
生工場に搬送する。
【0022】劣化した酸化セリウム系研磨剤は、上記貯
留の間、静止状態に放置され、攪拌作用を受けないため
どうしても凝集しやすい。また、この間に部分的乾燥が
起きると更に凝集しやすい。この凝集を防ぐため、第1
工程において、劣化した酸化セリウム系研磨剤には、水
素イオン濃度pHを8.5〜10.5に維持するように
分散剤が添加され、密閉等することにより乾燥しないよ
うに貯留される。なお、貯留期間が短い(たとえば、直
ちに再生処理が行われる)ようなときには、第1工程は
必要とされない。
【0023】第1工程において貯留されている劣化した
酸化セリウム系研磨剤は、一定期間あるいは一定量貯ま
る毎に、再生工場に搬送される。ここで、以下の第2工
程乃至第6工程を経て再生される。
【0024】第2工程では、次の第3工程における珪素
成分溶解時に凝集が生じないように、更に、分散剤が添
加される。第2工程における分散剤の添加は、第1工程
における分散剤添加と異なり必須であり、オキシカルボ
ン酸類、あるいは、ポリカルボン酸類、より具体的に
は、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシイ
ゾ酪酸などを使用することができる。これらの分散剤
は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩などの塩としても
添加することができる。
【0025】第3工程では、水素イオン濃度をpH1
0.5以上になるように、第2工程において分散剤が添
加された酸化セリウム系研磨剤に強いアルカリ成分を添
加し、温度50℃以上に加熱する。加熱時間は2時間以
上、好ましくは3時間乃至5時間、が必要であり、反応
時の研磨剤濃度は5〜40wt%の範囲に維持すること
が望ましい。この第3工程において、酸化セリウム系研
磨剤粒子に付着した珪素成分はアルカリ性水溶液と反応
しこの水溶液中に溶出する。この際、第2工程で添加し
た分散剤により凝集の発生をほぼ抑えることができる。
【0026】なお、上記第2工程で行っている分散剤の
添加を第3工程におけるアルカリ成分の添加と同時に行
うようにすることができる。これは、珪素成分が溶出す
る反応速度、及び、凝集速度が非常に遅いため、このよ
うにしても分散剤がこれら速度よりも速やく効果を現す
からである。
【0027】上記アルカリ成分には、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを
使用することができ、またこれらを水溶液として使用す
ることが好ましい。
【0028】第4工程では、それでも凝集した研磨剤、
研磨工程で混入したゴミなどの異物や脱落した研磨布繊
維等の粗大粒子を除去する。粗大粒子除去のためには、
水ひ法、遠心分離法、フィルターによる濾過法などを、
単独あるいは組み合わせて採用することができる。
【0029】第5工程では、第3工程においてアルカリ
性水溶液中に溶出した珪素成分を、デカンテーション法
など任意の除去法により除去する。第4工程と第5工程
との順序は逆であってもよい。
【0030】第5工程を経た酸化セリウム系研磨剤は、
付着していた珪素成分及び混入していた粗大粒子が取り
除かれて再生している。このため、ウェット状態ではあ
るがこれを適宜の濃度に希釈する、あるいは新しい研磨
剤を追加することによって、研磨剤として使用すること
ができる。また、酸化セリウム系研磨剤の粒度分布を揃
えるために湿式粉砕を行ってもよい。さらに、酸化セリ
ウム系研磨剤の通常の供給形態であるドライ状態つまり
パウダー状にすることもできる。
【0031】第6工程は、このための乾燥工程であり、
この工程を経て通常行われる供給形態となる。
【0032】以下に実施例を示す。この実施例及び比較
例で使用した鏡面研磨装置のスペック及び研磨条件を示
す。
【0033】研磨装置:スピードフアム株式会社製 S
H−24型 定盤回転数:60RPM プレッシャープレート回転数:60RPM 研磨布:SUBA400(ロデールニッタ社製) 面圧力:200g/cm 研磨組成物流量:60ml/分 研磨剤濃度:15wt% 研磨時間:10分 研磨剤:CO−85 研磨試料:3インチ水晶ウェーハ 研磨速度:研磨前後のウェーハの重量差から計算 研磨面評価:集光灯下で肉眼にてヘイズ、ピット、スク
ラッチの状態を観察 酸化セリウム系研磨剤の劣化状態:最初の研磨速度の約
60%になったとき。
【0034】* 実施例1 第1工程: 研磨に使用後、劣化した研磨剤濃度20w
t%のCO−85スラリーに10%炭酸ナトリウム水溶
液を加え、水素イオン濃度をpH10.2に調製した。
【0035】第2工程: 第1工程で水素イオン濃度を
整えたスラリー3Kgを5リットルステンレス製ビーカ
ーに分取した。次ぎに攪拌しながら、5%酒石酸ナトリ
ウム水溶液50gを加えた。
【0036】第3工程: 第2工程のスラリーに10%
炭酸ナトリウム水溶液100gを攪拌しながら加え、水
素イオン濃度をpH11.5とした。攪拌しながら、7
0℃に加熱し、3時間放置した。
【0037】第4工程: 冷却後、水ひ法により、5μ
m以上の粗大粒子を除去した。
【0038】第5工程: 第4工程のスラリーを静定
し、研磨剤を沈降させた後上澄みを除去し、同量の純水
を加えた。この操作を4回繰り返し、再生を完了した。
【0039】* 実施例2 第1工程: 研磨に使用後、劣化した研磨剤濃度20w
t%のCO−85スラリーに10%水酸化ナトリウム水
溶液を加え、水素イオン濃度をpH10.2に調製し
た。
【0040】第2工程: 第1工程で水素イオン濃度を
整えたスラリー3Kgを5リットルステンレス製ビーカ
ーに分取した。次ぎに攪拌しながら、5%クエン酸3ナ
トリウム水溶液40gを加えた。
【0041】第3工程: 第2工程のスラリーに10%
炭酸ナトリウム水溶液100gを攪拌しながら加え、水
素イオン濃度をpH11.5とした。攪拌しながら、5
0℃に加熱し、5時間放置した。
【0042】第4工程: 冷却後、水ひ法により、5μ
m以上の粗大粒子を除去した。
【0043】第5工程: 第4工程のスラリーを静定
し、研磨剤を沈降させた後、上澄みを除去し、同量の純
水を加えた。この操作を4回繰り返し、再生を完了し
た。
【0044】* 比較例1 劣化した研磨剤濃度20wt%のCO−85スラリーを
15wt%に希釈して使用した。
【0045】* 比較例2 第1工程: 研磨に使用後、劣化した研磨剤濃度20w
t%のCO−85スラリーに10%水酸化ナトリウム水
溶液を加え、水素イオン濃度をpH10.2に調製し
た。
【0046】第2工程: 第1工程で水素イオン濃度を
整えたスラリー3Kgを5リットルステンレス製ビーカ
ーに分取した。分散剤は添加しなかった。
【0047】第3工程: 第2工程のスラリーに10%
炭酸ナトリウム水溶液100gを攪拌しながら加え、水
素イオン濃度をpH11.5とした。攪拌しながら、5
0℃に加熱し、5時間放置した。
【0048】第4工程: 冷却後、水ひ法により、5μ
m以上の粗大粒子を除去した。
【0049】第5工程: 第4工程のスラリーを静定
し、研磨剤を沈降させた後、上澄みを除去し、同量の純
水を加えた。この操作を4回繰り返し、再生を完了し
た。
【0050】結果を以下のテーブルに示す。 項目 CO-85(新品) 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 研磨速度(μm/分) 0.88 0.90 0.86 0.54 0.90 スクラッチ(本) 0 0 0 3 8
【0051】比較例1は、新品の研磨剤CO−85に対
し約60%の研磨速度となって、丁度「劣化」した状態
での研磨を示している。比較例2は、第2工程におい
て、分散剤を添加しなかった場合の例であり、この研磨
剤によると、研磨速度は回復しているがスクラッチの発
生頻度が高いことがわかる。このことから、比較例2で
は、第3工程で凝集が起こり、これを研磨剤として用い
たときスクラッチが発生すること、すなわち再生が充分
に行われていないことがわかる。
【0052】実施例1、及び、実施例2では、スクラッ
チの発生は認められず、研磨速度も実質的に回復してい
るので、分散剤添加により凝集が防止され再生が充分に
行われたことがわかる。
【0053】上記実施例1及び実施例2に、更に第6工
程を付加し、再生した酸化セリウム系研磨剤を乾燥さ
せ、通常の供給形態であるパウダー状にすることができ
る。この研磨剤を研磨工場に供給することで、研磨工場
では、これまで新品のドライ状酸化セリウム系研磨剤に
代える、あるいは、これと混合するだけで、これまでど
おりの研磨作業を行うことができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、再生処理中に研磨剤を
凝集させることなく、研磨剤の表面に付着したガラス
(珪素)成分を十分に除去することができ、再生した酸
化セリウム系研磨剤によっても使用前と実質的に同等の
研磨速度と低いスクラッチの発生頻度を維持することが
できるという効果を奏する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 劣化した酸化セリウム系研磨剤懸濁液に
    分散剤を添加したのち、この懸濁液の水素イオン濃度が
    pH10.5以上となるようにアルカリ成分を添加し、
    これを50℃以上の温度に加熱することによって酸化セ
    リウム系研磨剤を再生することを特徴とする酸化セリウ
    ム系研磨剤再生方法。
  2. 【請求項2】 劣化した酸化セリウム系研磨剤懸濁液に
    分散剤と水素イオン濃度がpH10.5以上となるよう
    にアルカリ成分を添加し、これを50℃以上の温度に加
    熱することによって酸化セリウム系研磨剤を再生するこ
    とを特徴とする酸化セリウム系研磨剤再生方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された酸化
    セリウム系研磨剤再生方法において、 上記分散剤として、オキシカルボン酸又はポリアクリル
    酸を使用することを特徴とする酸化セリウム系研磨剤再
    生方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれかに
    記載された酸化セリウム系研磨剤再生方法において、 上記アルカリ成分として、水酸化ナトリウム、水酸化カ
    リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、あるいは水酸
    化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
    カリウムの水溶液を使用することを特徴とする酸化セリ
    ウム系研磨剤再生方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれかに
    記載された酸化セリウム系研磨剤再生方法において、 上記加熱ののち、生成した酸化セリウムの粗大粒子、及
    び、上記アルカリ性水溶液に溶解した珪素成分を除去す
    ることを特徴とする酸化セリウム系研磨剤再生方法。
  6. 【請求項6】 研磨作業によって劣化した酸化セリウム
    懸濁液を再生させるための酸化セリウム系研磨剤再生方
    法であって、 アルカリ成分及び/又は分散剤を添加することにより、
    水素イオン濃度をpH8.5〜pH10.5に保ち、且
    つ乾燥させることなく貯蔵する第1工程、 上記第1工程にて貯蔵された研磨剤懸濁液を回収し、回
    収された研磨剤懸濁液に更に分散剤を加えて研磨剤を再
    分散させるための第2工程、 上記第2工程にて研磨剤が再分散された研磨剤懸濁液に
    アルカリ成分を加えてpH10.5以上とし、これを5
    0℃以上の温度で加熱するための第3工程、 上記第3工程を経た研磨剤懸濁液から粗大粒子を除去す
    るための第4工程、及び、 上記第4工程を経た研磨剤懸濁液からアルカリ性水溶液
    に溶解した珪素成分を除去するための第5工程からなる
    ことを特徴とする酸化セリウム系研磨剤再生方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された酸化セリウム系研
    磨剤再生方法において、 上記第4工程と上記第5工程とを逆の順序で行うことを
    特徴とする酸化セリウム系研磨剤再生方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7までのいずれかに
    記載された酸化セリウム系研磨剤再生方法によって再生
    したことを特徴とする酸化セリウム系研磨剤。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項7までのいずれかに
    記載された酸化セリウム系研磨剤再生方法によって再生
    した研磨剤懸濁液を、更に、乾燥させたことを特徴とす
    る酸化セリウム系研磨剤。
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