JP2017006343A - リフト装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベース部材20は、上下に重複した少なくとも2枚のプレートを備え、上下間の開口に左右一対の脚部材24が脱着可能に装着される。左右一対のハンドル32が脚部材と連動可能に取り付けられ、ペダル28がハンドルの下部の間に位置し、左右一対のワイヤ36がペダルとハンドルの下部との間にそれぞれ掛け渡されている。ペダルの前方の左右一対の挿通孔28Frの左右方向の間隔は、後方の左右一対の挿通孔28Rrの間隔よりも短く、それぞれ脚部材の開閉位置、初期位置に対応する。下方に折曲されたワイヤの後端の長さはペダルの踏み込みの深さよりも短い。ペダルを踏み込むとワイヤが挿通孔から離脱し、ハンドルを揺動するとワイヤを介して脚部材が揺動する。
【選択図】図3
Description
また、リフト装置に体重測定機能を取り付ければ、被補助者を吊り上げて体重を測定し、健康状態を管理することができる。体重測定機能付のリフト装置は寝たきりの高齢者に対しても使用することができるが、病院などでは主に透析患者に対して使用され、この場合は透析終了時の目標体重を達成したか否かの判断に使用される。
ベース部材は、リフト装置を床面に固定するためのキャスター付きの台座である。被補助者の吊り上げ時に被補助者の体重によりリフト装置が傾き、倒れることを防止するため、ベース部材は一般的にある程度の重量が要求される。補助者はベース部材のキャスターのロックを解除して、リフト装置を自在に移動することができる。
支柱は、ベース部材の中央から上方へ延びる柱状の部材であり、支柱の中央部にはブームを昇降させるための駆動装置(モータ)、駆動装置のバッテリー、補助者がブームを操作するための操作スイッチ、患者の体重を表示するモニタ等が取り付けられている。
ブームは、支柱の上端から前方に延びたアーム部材であり、支柱の上端に固定された固定端を中心に、その自由端を上下に揺動して昇降させる。
吊り部材は、被補助者を保持する部材であり、フック部材を介してブームの自由端に取付可能な袋状のネットやハンガー付の担架とされる。フック部材として体重測定機能付のものを用いることもできる。
補助者が操作スイッチを操作すると、モータの駆動によりブームが揺動し、吊り部材が上昇して被補助者を吊り上げる(持ち上げる)。補助者は、ベース部材のキャスターのロックを解除して、被補助者を吊り上げた状態のまま、リフト装置を車椅子等の脇へ移動させたり、被補助者の体重を計測する。そして、補助者が操作スイッチを操作して吊り部材を下降させ、車椅子、ベッドの上等所定の位置に被補助者を降ろす。
補助者がリフト装置を使用しない時(不使用時)には、リフト装置は居室、病室内の被補助者から離れた位置に移動、収納される。
また、脚部材は支柱、床面との間に設けられた筋交いに過ぎない。ベース部材が軽量であると、脚部材は筋交いとして機能しても、リフト装置の重量や被補助者の体重を十分に支持できるとはいえない。そのため、ベース部材はある程度重量のあるものでなければならず、ベース部材を含めたリフト装置全体の軽量化を図ることが難しい。
また、リフト装置の不使用時には、ピンを取り外してサブフレームの開口から脚部材を引き抜き、支柱に立て掛けて収納する。これにより、リフト装置の省スペース化を図り、狭いスペースにリフト装置を収納することができる。
また、メインフレーム、サブフレームの連結部は、通常、溶接により固定されているため、リフト装置の使用時の設置スペースに応じて、脚部材の左右方向の開き(角度)を調整することができない。そのため、支柱つまりはリフト装置の左右方向の傾きを防止できず、リフト装置の倒れを確実に防止することが難しい。
すなわち、請求項1に係る本発明によれば、ベース部材に支柱を立て、支柱から延びたブームの先端の吊り部材で被補助者を吊り上げるリフト装置において、ベース部材は、その間に開口を前面に残して上下に重複して配置された少なくとも2枚のプレートを有し、左右一対の脚部材が、ベース部材の前面の開口に脱着可能に装着されてベース部材の前方に延出し、左右一対のハンドルが脚部材と連動可能に左右それぞれ取り付けられ、ペダルがハンドルの下部の間に位置し、左右一対のワイヤがペダルと左右一対のハンドルの下部との間にそれぞれ掛け渡され、ペダルの中央部には、左右一対の挿通孔が前後に形成され、前方の左右一対の挿通孔の左右方向の間隔は、後方の左右一対の挿通孔の左右方向の間隔よりも短く設定され、ワイヤは、その後端が下方に折曲されて形成され、ワイヤの前端はハンドルの下部に固定されるとともに、下方に折曲されたワイヤの後端の長さはペダルの下方への踏み込みの深さよりも短く形成され、ベース部材の後部、脚部材の後部には、ハンドルの下部を軸支する軸支孔がそれぞれ設けられ、左右一対の脚部材が前方に略平行に延びた位置にあるとき、左右一対のワイヤの後端は後方の左右一対の挿通孔に、左右一対の脚部材が略平行から左右方向に開かれた位置にあるとき、左右一対のワイヤの後端は前方の左右一対の挿通孔に、それぞれ挿通され、ペダルを踏み込んで下降させると、前方または後方いずれか一方の挿通孔からワイヤの後端が離脱し、ペダルの上面を摺動して他方の挿通孔にそれぞれ挿通し、軸支孔に軸支されたハンドルの下部を中心に脚部材を左右方向に揺動して開閉させている。
下方に折曲されたワイヤの後端の長さはペダルの下方への踏み込みの深さ(距離)よりも短く形成されているため、たとえば脚部材が初期位置にあるときにペダルを踏み込んで下降させると、左右一対のワイヤの後端は後方の左右一対の挿通孔から離脱する。そして、左右一対のワイヤの後端はペダルの上面を摺動して前方の挿通孔にそれぞれ挿通され、脚部材を開脚位置にする。脚部材の前端を開いて開脚位置にすることで、脚部材がリフト装置全体の重量を支持し、その使用時にリフト装置の倒れを確実に防止する。
リフト装置の不使用時には、同様にペダルを踏み込むことでワイヤの後端が前方の挿通孔から離脱、移動して後方の挿通孔に挿通され、脚部材が開脚位置から初期位置に戻される。初期位置で脚部材をベース部材から離脱させれば、リフト装置の不使用時にその省スペース化を図ることができる。
また、ベース部材は少なくとも上下2枚のプレートを有して形成されればよいため、リフト装置全体の軽量化を図ることができる。
リフト装置の前後上下左右はFr、Rr、Up、Lw、L、Rで示されている。
リフト装置10の不使用時には、図2に示すように、ブーム40の先端を下降させ、ブームの先端から吊り部材50を、ベース部材20から後述する脚部材24をそれぞれ取り外して支柱30に立て掛けることができる。
ベース部材20は、上半部22Up、下半部22Lwを上下に重複させ、その上下の間に隙間を残して、たとえば溶着して形成されている。上半部22Upは左右一対のプレート22Up−L、22Up−R、その間に位置する中央のプレート22Up−Mを、下半部22Lwは左右一対のプレート22Lw−L、22Lw−Rをそれぞれ備えて構成されている。これらのプレートは鋼板から成形される。
なお、ベース部材20は、上下に重複して配置された少なくとも2枚のプレートを備え、ベース部材の前面に上下のプレートの間に開口(後述する前面の開口23L−Fr、23R−Fr)を残すものであれば足り、この構成に限定されない。
また、ベース部材20の前面には、上半部の左右一対のプレート22Up−L、22Up−R、下半部の左右一対のプレート22Lw−L、22Lw−Rの間に残された開口(前面の開口)23L−Fr、23R−Frが左右それぞれ設けられている(図6、図7参照)。
図4を見るとわかるように、中央のプレート22Up−Mの前部の長さは、上半部の左右一対のプレート22Up−L、22Up−Rの前部の長さよりも短く形成され、中央のプレートの前方は凹部22Up−M’となっている。また、図4の中央のプレート22Up−Mはその中央部から後部にかけて下方へ傾斜した形状とされているが、この形状に限定されない。
さらに、上半部の中央のプレート22Up−Mは、その中央部にボルト取付用の複数の孔22Up−Mbが形成されている。図4では、孔22Up−Mbは5つ形成されている。中央のプレート22Up−Mの上面に支柱30を立て、プレートの下面からボルトを孔22Up−Mbに差し入れ、支柱下面のナットに螺着して支柱を中央のプレートに固定する。
左右一対のベースブラケット26a−L、26a−Rは、上半部の左右一対のプレート22Up−L、22Up−R上にそれぞれ配置され、支柱30を左右から支持している。
左右一対のベースブラケット26a−L、26a−Rは左右対称の形状であるため、まず、図5(A)を参照して右のベースブラケット26a−Rについて説明する。
右のベースブラケット26a−Rはその中央を90°未満、たとえば45°に折曲した鋼板から形成され、折曲部の前部を斜面部26a−R1、後部を平面部26a−R2としている。斜面部26a−R1は略直角三角形状に形成されるとともに、上半部の右のプレート22Up−R上で垂直に立設した状態で、斜面部の(略直角三角形形状の)斜辺が前方に、底辺が前方斜め右方に位置するように上半部の右のプレート上に配置されている。
平面部26a−R2は略矩形形状とされ、その後部には孔26a−R2’が設けられている。実施例では、図5(A)に示すように孔26a−R2’は3つ設けられている。また、平面部26a−R2は、その後端の中央部が後方に突出して突出部26a−R3が形成され、突出部には後述するペダルの揺動軸28c’の左右端を軸支する軸支孔26c−Rが形成されている(図6参照)。
左右のべースブラケットの平面部26a−L2、26a−R2が支柱30を左右から挟持し、孔26a−L2’、26a−R2’、支柱の孔(図示しない)にボルトを左右それぞれ挿通しナットに螺合させることにより、支柱は左右一対のベースブラケット26a−L、26a−Rに固定、支持される。
図6、図7を見るとわかるように、上半部の左右一対のプレート22Up、下半部の左右一対のプレート22Lwの間には、補助壁20L(20L−L、20L−R)、20R(20R−L、20R−R)がそれぞれ設けられている。
具体的に、補助壁20R−L、20R−Rは、上半部の右のプレート22Up−R、下半部の右のプレート22Lw−Rに上下を挟まれ、溶接により固定されている。また、補助壁20L−L、20L−Rは、上半部の左のプレート22Up−L、下半部の左のプレート22Lw−L間に上下を挟まれ、溶接により固定されている。なお、補助壁20L、20Rは、たとえば上半部22Up、下半部22Lwのプレートと同一の素材からなる鋼板を折曲していずれも形成されている。
ベース部材の左側(内側)に位置する補助壁20R−Lは、上半部の右のプレートの内壁22Up−R’に沿って設けられ、その前端にアブソーバ20R−La(衝撃吸収材)が取り付けられている(図7参照)。ベース部材の右側(外側)に位置する補助壁20R−Rは、右のプレート22Up−Rの右辺(外側の辺)から内方に離反して位置し、アブソーバ20R−Raが取り付けられている(図7参照)。これらのアブソーバ20R−La、20R−Raは、右の脚部材24Rの左右方向の揺動(開閉)範囲を規定している。
図5(B)に加えて図3を見るとわかるように、上半部の中央のプレート22Up−Mの後部から上方へ離反した位置にペダル28が設けられている。ペダル28は、鋼板(平板)から成形され、その平面部28aの前端28bを上方斜め前に略90°折曲した側面視略く字形状に形成されている。
ペダルの平面部28aには、前後に左右一対の挿通孔、すなわち前方の左右一対の挿通孔28Fr(28Fr−L、28Fr−R)、後方の左右一対の挿通孔28Rr(28Rr−L、28Rr−R)が形成されている。また、図5(B)を見るとよくわかるように、前方の左右一対の挿通孔28Fr(28Fr−L、28Fr−R)の左右方向の間隔は、後方の左右一対の挿通孔28Rr(28Rr−L、28Rr−R)の左右方向の間隔よりも短く設定されている。
付勢部材29はたとえば圧縮コイルバネとされるが、圧縮コイルバネに限定されず、ペダルに上方の付勢力を付加するものであればよい。
なお、後方の左右一対の挿通孔28Rr(28Rr−L、28Rr−R)の直下における、ペダルの下方への踏み込みの最大深さはαとされる(図8(B)参照)。
脚部材24は、たとえば断面矩形形状の鋼材から形成されるが、1枚の鋼板を断面矩形形状となるように折曲して形成してもよいし、2枚の鋼板を断面L字形状となるように折曲してから組み合わせて断面矩形形状に形成してもよい。
取付部24aは、たとえば鋼板を折曲して形成された側面視L字形状の部材とされ、キャスター24’を取り付けるための孔24a’がその上面に複数形成されている。図5(C)では、孔24a’は4つ形成されている。
嵌め込み孔24b、24cは非貫通孔、軸支孔24d、孔24eは脚部材の上面から下面にかけて貫通する孔(貫通孔)とされる。嵌め込み孔24b、24cには、ラジアル軸受24b’、24c’が脚部材24の上下からそれぞれ嵌合される。
ラジアル軸受24b’、24c’の構成は公知のものであり、本発明の要旨でないため、詳細な説明は省略するが、概略、ハウジング24b’−1、24c’−1に形成された溝に、円盤形状の軸受本体24b’−2、24c’−2を挿入し、シャフト24b’−3、24c’−3をハウジングと軸受本体との中央部に挿通させて一体化させている。ラジアル軸受24b’、24c’は嵌め込み孔24b、24cにそれぞれ嵌合され、ヘッド付のピン24b’’、24c’’でシャフト24b’−3、24c’−3の抜け落ちが防止される。なお、図5(C)では、ラジアル軸受が図示されているが、ラジアル軸受に限定されず、たとえばころがり軸受でもよい。
軸支孔24dは、後述するハンドル32(ハンドルの下部32b)を軸支する孔、孔24eは、後述するブラケットのピン38L’、38R’の挿通する孔とされる。
支柱30は、その底面が上半部の中央のプレートから22Up−Mに固定されるとともに、その下部が左右のベースブラケット26a−L、26a−R(詳細には、ベースブラケットの平面部26a−L2、26a−R2)に挟持、固定され、ベース部材20に確実に固定される。
支持ブラケット30aは支柱30の上端に設けられ、ブーム40を支柱に連結している。
なお、支持ブラケット30aに連結された脚部材のスタンド31cはたとえば二股形状とされ、この二股の間に、吊り部材50としてのハンガー付の担架を立て掛けて保持することができる。
下方へ延びるハンドルの下部32b(32bL、32bR)は、固定部材の左右一対の支持部34bにそれぞれ挿通され、支持部により支柱に対するハンドルの左右の位置が規定されている。
図1のように、左右一対のハンドル32(32L、32R)には、固定部材の支持部34bの下方の位置に、ヘッド付ピン32’が左右それぞれ取り付けられている。詳細には、左右一対のハンドル32には、固定部材の支持部34bの下方に該当する位置に、ハンドルの後方から前方へ貫通した孔(貫通孔)32’’が左右それぞれ形成されている。ヘッド付ピン32’はハンドルの後方から孔32’’に左右それぞれ挿通され、孔から突出したヘッド付ピンの前端にスナップピン(図示しない)が取り付けられて、ヘッド付ピンの孔からの脱落を防止している。また、ヘッド付ピン32’、スナップピン(図示しない)を取り付けたハンドル32を上方へ引き上げると、ピンのヘッド、スナップピンが固定部材の支持部34bの下面に当接し、ハンドルの上方へ引き上げが規制されている。
左右一対のワイヤ36(36L、36R)は、ペダル28と左右一対のハンドルの下部32bL、32bRとの間にそれぞれ掛け渡されており、たとえば、その後端36L−Rr、36R−Rrが下方に折曲されてL字型形状に形成されている。ワイヤの前端36L−Fr、36R−Frはハンドルの下部32bL、32bRに固定されている。
左右一対のワイヤの後端36L−Rr、36R−Rrは、ペダルの前方の左右一対の挿通孔28Fr(28Fr−L、28Fr−R)または後方の左右一対の挿通孔28Rr(28Rr−L、28Rr−R)のいずれかに左右それぞれ挿通されている。たとえば、図3では、ワイヤの後端36L−Rr、36R−Rrは後方の左右一対の挿通孔28Rr−L、28Rr−Rに挿通されている。
ワイヤの後端36L−Rr、36R−Rrにおいて、左右一対の挿通孔28Fr、28Rr(図8(A)では後方の挿通孔28Rrを示している)に挿通しているときの下方の長さ(挿通孔よりも下方の長さ)βは、ペダルの下方への踏み込みの最大深さαよりも短く設定されている(図8(A)(B)参照)。
ブラケットの前部の軸支孔38L−Fr、38R−Frには、ハンドルの下部32bL、32bRが左右それぞれ挿通されている。
左右一対のブラケット38(38L、38R)の後部下方には、ベース部材の後面の開口23L−Rr、23R−Rrから突出した脚部材24(24L、24R)の後端が左右それぞれ位置している。そして、ブラケットのピン38L’、38R’は、脚部材24(24L、24R)の後端の孔24eに左右それぞれ挿通される。
そして、ペダル28は左右一対のハンドルの下部32Lb、32Rbの間に位置するとともに、左右一対のワイヤ36L、36Rはペダルと左右一対のハンドルの下部との間にそれぞれ掛け渡されている。
なお、体重測定機能付のフック部材42を用いれば、吊り部材50を吊り上げて被補助者の体重を測定することもできる。
直動軸44aは、支持ブラケット40bを介してブームに取り付けられた軸であり、軸カバー44bは、その内部に直動軸を摺動自在に内蔵している。モータケージング44cは、軸カバー44bに連結され、直動軸44aを軸カバーの内部へ引き込みまたは引き出しするためのモータ(図示しない)を内蔵し、支持ブラケット34cを介して支柱30に取り付けられている。
まず、キャスター20a(20a−L、20a−R)を利用してリフト装置10を被補助者のベッドサイドに移動させる。リフト装置10を移動させる際、補助者がハンドルの把持部32aを把持してリフト装置を前方へ押してもよい。
ベッドサイド等所定の位置で、リフト装置10のキャスター20aをロックし、支柱30に立て掛けられた左右一対の脚部材24(24L、24R)を保持スペース20Fr−R’から取り外す。
このとき、左右一対のワイヤの後端36L−Rr、36R−Rrは、ペダルの後方の挿通孔28Rr(28Rr−L、28Rr−R)に左右それぞれ挿通されている。
なお、左右一対の脚部材24L、24Rが初期位置にあるとき、右の脚部材24Rの内側の側面(左側面)はアブソーバ20R−La、左の脚部材24Lの内側の側面(右側面)はアブソーバ20L−Raにそれぞれ当接され、左右の内方向の揺動が制限されている(図6)。
ハンドルの把持部32aを内方に揺動(回動)させると、ハンドルの下部32bに固着されたブラケット38(38L、38R)、ピン38L’、38R’を介して、軸支孔24dに軸支されたハンドルの下部32bL、32bRを中心に脚部材24L、24Rの後端がそれぞれ内方に揺動する。そして、脚部材のラジアル軸受24b’、24c’が上半部、下半部の左右のプレート(22Up−L、22Up−R、22Lw−L、22Lw−R)の間をそれぞれ滑動し、左右一対の脚部材の前端が初期位置から左右方向に開かれる。
なお、左右一対の脚部材24L、24Rが開脚位置にあるとき、右の脚部材24Rの外側の側面(右側面)はアブソーバ20R−Ra、左の脚部材24Lの外側の側面(左側面)はアブソーバ20L−Laにそれぞれ当接され、左右の外方向の揺動が制限される。
ベース部材のキャスター20aのロックを解除し、被補助者を吊り上げた状態のままベース部材のキャスター、脚部材の前端のキャスター24’を利用してリフト装置10を車椅子の脇等へ移動させる。あるいは、リフト装置10で被補助者の楽な姿勢のままベッドサイドで吊り上げて体重を計測することもできる。
そして、車椅子、ベッドの上等所定の位置に被補助者を降ろす際には、補助者が操作スイッチを操作し、モータケージング44c内のモータを駆動して、軸カバー44b内へ直動軸44aを引き込んでブーム40の自由端を下降させ、所定の位置に吊り部材50ごと被補助者を降ろす。
被補助者を所定の位置に降ろしたあと、脚部材24を開脚位置から初期位置に戻すには、リフト装置10の使用時と同様に、まず被補助者がペダル28をその踏み込みの最大深さαまで踏み込む。すると、踏み込みにより下降したペダルの前方の挿通孔28Fr(28Fr−L、28Fr−R)からワイヤの後端36L−Rr、36R−Rrが離脱する。
なお、リフト装置の使用時と同様に、補助者がペダル28から足を離すと、ペダルの前端28bが支柱30の後面に当接し、付勢部材29の付勢力に抗してペダルを踏み込み前の位置に保持する(図8(A))。これにより、ペダル28の上面を摺動したワイヤの後端36L−Rr、36R−Rrが、ペダルの後方の挿通孔28Rr(28Rr−L、28Rr−R)に確実に挿通されることはいうまでもない。
補助者はキャスター20a(20a−L、20a−R)のロックを解除してリフト装置10をベッドサイド等から移動させ、居室、病室内の被補助者から離れた位置に移動、収納する。
そして、左右一対のワイヤの後端36L−Rr、36R−Rrの後方の挿通孔28Rr(28Rr−L、28Rr−R)よりも下方の長さβは、ペダル28の下方への踏み込みの最大深さαよりも短く設定されている。そのため、ペダル28を踏み込むとペダルが左右一対のワイヤの後端から離反し、左右一対のワイヤの後端は容易に後方または前方の挿通孔から離脱する。そして、ハンドル32L、32Rを内方または外方に揺動(回動)させると、ブラケット38(38L、38R)、ピン38L’、38R’を介して、ハンドルの下部32bL、32bRを中心に脚部材の後端がそれぞれ内方または外方に揺動され、左右一対の脚部材の前端が左右方向に開閉される。
つまり、本発明のリフト装置によれば、ペダル28の踏み込みとハンドル32の回動という簡単な操作で左右一対の脚部材24を容易に左右方向に開脚し、開脚位置が得られる。
また、脚部材24を初期位置にしてからベース部材20から引き出せば、リフト装置10の不使用時にその省スペース化を図ることができ、居室、病室内に収納可能となる。
つまり、付勢部材29を設ければその付勢力により、ハンドル32のごくわずかな揺動(回動)操作でワイヤの後端36L−Rr、36R−Rrを摺動させ、他方の左右一対の挿通孔まで移動させて脚部材24の前端を左右に開閉することができる。
つまり、ペダルの前端28bを上方斜め前に折曲し支柱30の後面に当接させるという簡単な構成で、ペダル28の揺動を規制してペダルを水平位置に保持することができる。そして、ワイヤの後端36L−Rr、36R−Rrをペダルの後方または前方の左右一対の挿通孔28Rr(28Rr−L、28Rr−R)、28Fr(28Fr−L、28Fr−R)に確実に挿通させる。
また、実施例における孔はいずれも貫通孔となっているが、部材が挿通しなければ非貫通孔としてもよい。
20 ベース部材
22Up、22Lw ベース部材の上半部、下半部
22Up−L、22Up−R 上半部の左右一対のプレート
22Up−La、22Up−Ra 上半部のプレートの軸支孔
22Lw−L、22Lw−R 下半部の左右一対のプレート
22Lw−La、22Lw−Ra 下半部のプレートの軸支孔
23L−Fr、23R−Fr 前面の開口
23L−Rr、23R−Rr 後面の開口
24 脚部材
24b’、24c’ ラジアル軸受
24d 脚部材の軸支孔
28 ペダル
28Fr、28Rr ペダルの左右一対の挿通孔
29 付勢部材
30 支柱
32 ハンドル
32b ハンドルの下部
36(36L、36R) ワイヤ
36L−Fr、36R−Fr ワイヤの前端
36L−Rr、36R−Rr ワイヤの後端
38(38L、38R) ブラケット
38L−Fr、38R−Fr ブラケットの軸支孔
40 ブーム
50 吊り部材
α ペダルの下方への踏み込みの最大深さ
β 挿通孔よりも下方の長さ
Claims (6)
- ベース部材に支柱を立て、支柱から延びたブームの先端の吊り部材で被補助者を吊り上げるリフト装置において、
ベース部材は、その間に開口を前面に残して上下に重複して配置された少なくとも2枚のプレートを有し、
左右一対の脚部材が、ベース部材の前面の開口に脱着可能に装着されてベース部材の前方に延出し、
左右一対のハンドルが脚部材と連動可能に左右それぞれ取り付けられ、
ペダルがハンドルの下部の間に位置し、
左右一対のワイヤがペダルと左右一対のハンドルの下部との間にそれぞれ掛け渡され、
ペダルの中央部には、左右一対の挿通孔が前後に形成され、前方の左右一対の挿通孔の左右方向の間隔は、後方の左右一対の挿通孔の左右方向の間隔よりも短く設定され、
ワイヤは、その後端が下方に折曲されて形成され、ワイヤの前端はハンドルの下部に固定されるとともに、下方に折曲されたワイヤの後端の長さはペダルの下方への踏み込みの深さよりも短く形成され、
ベース部材の後部、脚部材の後部には、ハンドルの下部を軸支する軸支孔がそれぞれ設けられ、
左右一対の脚部材が前方に略平行に延びた位置にあるとき、左右一対のワイヤの後端は後方の左右一対の挿通孔に、左右一対の脚部材が略平行から左右方向に開かれた位置にあるとき、左右一対のワイヤの後端は前方の左右一対の挿通孔に、それぞれ挿通され、
ペダルを踏み込んで下降させると、前方または後方いずれか一方の挿通孔からワイヤの後端が離脱し、ペダルの上面を摺動して他方の挿通孔にそれぞれ挿通し、軸支孔に軸支されたハンドルの下部を中心に脚部材を左右方向に揺動して開閉させているリフト装置。 - ペダル、ベース部材の間に付勢部材が設けられ、付勢部材はペダルに上方の付勢力を付加している請求項1記載のリフト装置。
- ペダルは平板の前端を上方に折曲して形成され、ペダルの前端が支柱の後面に当接して付勢部材の付勢力に抗している請求項2記載のリフト装置。
- ハンドルは支柱に沿って上方に延びて設けられ、
左右一対のワイヤの後端が、前方または後方いずれか一方の挿通孔から離脱すると、ハンドルが回動可能となり、左右一対のハンドルを回動するとワイヤの後端を他方の挿通孔に挿通させて脚部材を左右方向に揺動している請求項1ないし3のいずれか記載のリフト装置。 - ベース部材の上下のプレートと接触する脚部材の上下面に、ラジアル軸受またはころがり軸受が取り付けられている請求項1ないし4のいずれか記載のリフト装置。
- ベース部材はさらに後面に開口を持ち、
脚部材の後部がベース部材の後面の開口から突出し、突出した脚部材の後部、ハンドルの下部の間にブラケットが取り付けられ、
ブラケットは、その前部にハンドルの下部を軸支する軸支孔が、その後部下面から下方に延びるピンが形成され、
ブラケットの後部のピンが脚部材の後部の孔に挿通されることにより脚部材がブラケットを介してハンドルに連動可能に取り付けられる請求項1ないし5のいずれか記載のリフト装置。
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