JP5093888B2 - 入浴介助用車椅子 - Google Patents
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Description
また、左右一対のフロント・ハンドルパイプとリヤーパイプが上下方向に回動自在に枢着され、かつ座板が折畳み可能に取付けられ、フロント・ハンドルパイプの下部には着脱式のステップが前後左右に回動可能に取付けられ、一つのキャスターに該キャスターと車輪を別々にロック、解除できるキャスター回転ロック機構および車輪回転ロック機構の二つの機構を備えた前輪キャスターおよび後輪キャスターが取付けられ、椅子本体が前後方向に折畳まれる構造とした車椅子もあります(例えば、特許文献2参照)。
また、後述の車椅子は、折畳むことはできますが、チルトまたはリクライニング機構がなく、入浴介助を行う際に一定の着座状態で行わなければならず、洗い難い部分が残ったり、身体を洗う際に被介護者の安定性が悪くなったりするという問題点があります。
また、前記角度設定プレートには該角度設定プレートの回動中心を中心とした同心円上に配置した複数の係脱孔とこれら係脱孔の下端側を連結する通孔部とからなるチルト設定孔を設けるとともに、該チルト設定孔の前下方に一体となるように略凹字状の折畳み設定孔を設けるとともに、前記背凭れフレームのブラケットに穿設したガイド孔と前記座席フレームに固着した筒状部材間に規制ロッドを取付け、前記座席フレームの上方回動により該規制ロッドが前記ガイド孔内で上方側に引き上げられるよう構成することにより、座部フレームが着座状態にあるときには規制ロッドの下端部が前記角度設定プレートの上方回動範囲を規制し前記車体フレームに具備されたピンがチルト設定孔内のみ移動するよう構成すると共に、前記座部フレームを上方回動させることで前記角度設定プレートの上方回動の規制を解除した後、前記角度設定プレートを上方回動することで前記ピンが折畳み設定孔内を移動することができるように構成してなるチルト機構及び折畳み機構を備えたことを特徴としています。
本発明の入浴介助用車椅子1は、図1に示すように、主として前輪2,2及び後輪3,3を具備した車体フレーム4と、この車体フレーム4に回動自在に枢着される背凭れフレーム5と、この背凭れフレーム5に回動自在に枢着される座部フレーム6と、前記背凭れフレーム5と車体フレーム4との間に具備されるチルト機構7、さらに、前記座部フレーム6とチルト機構7に設けた折畳み機構8とから構成されています。
この車体フレーム4は、側面視において略逆へ字状の側部パイプ9,9を一定間隔離間させた状態で、中間部または後部寄りに連結パイプ10を固着して構成したものです。そして、前記側部パイプ9,9の前端部には旋回自在なキャスター型の前輪2,2が止着される一方、後端部には後方側への転倒防止のための補助輪11,11が回転自在な状態で取り付けられています。さらに、該側部パイプ9,9の後方寄りの位置には後輪3,3が回転自在な状態で取り付けられています。なお、前記補助輪11,11は、側面視において前記後輪3,3の後方下部に突出した位置となるように配置されており、ティッピング操作ができるように、前記前輪2,2及び後輪3,3が接地した状態では床面には接しないように構成されています。
そして、前記連結パイプ10の両端部には上方に向けて背凭れ支持プレート12が固着されています。
なお、車体フレーム4には前輪2,2または後輪3,3、あるいは前後輪2,2,3,3にそれぞれブレーキが設けられ、入浴介助用車椅子1を停止させた状態で安全に使用できるように構成していますが、本実施例ではこのブレーキに関する説明及び図を省略しています。
この背凭れフレーム5は、左右のハンドルパイプ13,13の下端部に回動パイプ14を固着したもので、上部には背凭れプレート15が止着されており、該背凭れプレート15に背凭れマット16が止着されています。
また、左右のハンドルパイプ13,13の上下方向中間部には、座部フレーム6を取付けるための軸受17,17が固着されています。
この座部フレーム6は、平面視において略矩形状となる座席部18が形成されるように座部パイプ18a,18bを固着してなるものです。詳述すると、この座部パイプ18a,18bは図示を省略していますが、平面視において略矩形状で後方中間部を開放した座部パイプ18aに、側面視において略L字状に曲折した座部パイプ18b,18bを固着したものです。そして、座部パイプ18bの後方上端部に基部パイプ19を固着し、前記軸受17,17及び該基部パイプ19にピン20を挿通することによって座部フレーム6が回動自在となるよう支承しています。なお、背凭れフレーム5のハンドルパイプ13,13と座席部18を形成する座部パイプ18aの後端面の接触によって座席部18の下方回動が規制され、前記背凭れフレーム5と座部フレーム6が一定角度で保持され着座状態となるように構成されています。
なお、この座部フレーム6の座席部18上にはプレート21が止着されており、このプレート21に座部マット22が止着されています。
まず、前記軸受17,17の左右外側面には略まが玉状の規制プレート24,24が一体的に形成されています。一方、テスリ23,23は、平面視において略コ字状に曲折されたテスリパイプ25,25の後端部に楕円状のプレート26,26及び支軸27,27をそれぞれ固着し、さらに前記プレート26,26には抜け止めピン28,28をそれぞれ固着しています。
このように構成されたテスリ23の支軸27,27を前記軸受17,17にそれぞれ挿通するとともに、抜け止めピン28,28の顎部28a,28aを前記規制プレート24,24に係止することで抜け止めされています。この状態で、前記座部フレーム6の取付に使用したピン20も抜け止めされた状態となっています。
このように構成されたテスリ23,23は、図2の状態で抜け止めピン28,28が規制プレート24,24に接触しているので、テスリ23,23の下方向きの回動が規制された状態となっています。この状態から上方回動側にはフリーな状態になっているので、この入浴介助用車椅子1への乗り降りには支障なく使用できる構成となっています。
まず、チルト機構7は、上記背凭れフレーム5の回動パイプ14に固着されたU字状のブラケット29を備えています。そして、該ブラケット29内に、角度設定プレート30を揺動自在な状態となるようにピン31で支承しています。なお、この角度設定プレート30はスプリング32によって、図2において時計周りの方向、すなわち該角度設定プレート30の前端側が下方回動側に向けて付勢されています。
また、この角度設定プレート30は、前記ブラケット29への取付部を中心とした扇状の規制部30aと略矩形状の角度設定部30bを一体的に形成しています。前記規制部30aは扇形の一辺を後述する規制ロッド33に接触させてこの角度設定プレート30の回動範囲を規制する際の接触部となります。なお、他方側の一辺にはペタル34が固着されており、このペタル34を前記スプリング32の付勢力に抗して踏み込むことで角度設定プレート30の回動操作ができるように構成されています。また、図7(a)に示すように前記角度設定部30bには、この角度設定プレート30の回動の基端となる支承部を中心とした同心円上に配置された係脱孔a,aとこれら係脱孔a,aを連結する通孔部bからなる略凹字状のチルト設定孔30cと、このチルト設定孔30cの前方下部に連続して配される略凹字状の折畳み設定孔30dを設けています。
そして、前述のチルト設定孔30c及び折畳み設定孔30d内を相対的に移動するようにピン35を前記車体フレーム4の連結パイプ10に固着したプレート36の空孔部36aに挿通しています。
このように構成されたチルト機構7は、後述する折畳み機構8により誤動作することなく、安全に使用状態と折畳み状態を設定できるように構成されています。
詳述すると、前記チルト機構7の角度設定プレート30内の折畳み設定孔30dにピン31が相対的に移動可能な状態とするために、次のように構成しています。まず、座部フレーム6の回動の基点となる基部パイプ19に筒状部材37を固着しています。また、前記ブラケット29には略上下方向のガイド孔29aが穿設されており、前記筒状部材37と該ガイド孔29aに略コ字状に曲折した規制ロッド33を挿通しています。なお、この規制ロッド33の下端部は、座部フレーム6が椅子状態にあるときにブラケット29のガイド孔29aの下部に位置し、この状態では図6に示すように前記角度設定プレート30の反時計回りの回動が規制され、ピン35が折畳み設定孔30d内へ相対的な移動ができないように構成されています。この状態から、座部フレーム6を背凭れフレーム5側に上方回動させると、規制ロッド33の下端部が引き上げられ、前記ガイド孔29aの上部に位置し(図8参照)、前記角度設定プレート30の規制部30aが該規制ロッド33に接触しないので回動範囲が規制されることなくペタル34を踏み込むことができ、ピン35が折畳み設定孔30d内へ相対的な移動ができるようになっています。
この角度設定プレート30では、前述した略凹字状のチルト設定孔30cを略E字状のチルト設定孔30c’としたもので、係脱孔aが3箇所に設けられています。この場合には、着座姿勢が3段階から選択でき、使用者の洗体の状態に合わせ前記座部フレーム6及び背凭れフレーム5を傾倒することができます。
このように、前記角度設定プレート30に設けるチルト設定孔30c及び折畳み設定孔30dは、次のように構成したものであれば良く、本実施例に限定するものではありません。
まず、前記チルト設定孔30cは角度設定プレート30の回動の基端を中心とした同心円上に配設した複数の係脱孔a,a,・・・とこれら係脱孔a,a,・・・の下部を連結する略半径方向の通孔部bを備えたものであり、この係脱孔が2つの場合には上述したように略凹字状となる図7(a)に示すものとなり、係脱孔が3つの場合には上述したような略E字状となる図7(b)に示すようになります。
また、折畳み設定孔30dも上述で説明したものは略凹字状の空孔部を前記チルト設定孔30cの前方下部に連続して一体的となるように構成したものであるが、前方部の係脱孔aをなくしたものであっても、折畳むことができます。しかしながら、この場合には図9に示すように立位で収納することはできません。これは、通孔部b内をピン35が自在に移動可能な状態となっているためです。
なお、チルト設定孔30cの通孔部bの下側に折畳み設定孔30dの通孔部bを位置するように配することで、規制ロッド33が作用し、座部フレーム6を着座状態としたときに上記ピン35が折畳み設定孔30dに侵入しない構成としています。
このステップ38は、前記車体フレーム4に取り付けられるもので、詳しくは側部パイプ9,9の前端下部に取付プレート39,39をそれぞれ固着し、この取付プレート39,39にステップ部材40,40を止着しているステップパイプ41,41の端部に固着されたブラケット42,42を枢着して構成しています。なお、このステップ38は、ステップ部材40,40が略水平面で保持される状態と上方に跳ね上げることができるように構成されています。
まず、チルト操作について説明します。
このチルト操作は、角度設定プレート30の前端側を下方回動側に向けて付勢しているスプリング32に抗してペタル34を踏み込みます。すると、該角度設定プレート30の前端側が上方回動し、チルト設定孔30cの何れかの係脱孔aから通孔部bへピン35が相対的に移動します。この状態でハンドルパイプ13,13を前後何れかに回動させることで背凭れフレーム5と座部フレーム6とが一定の角度を保持した状態で傾倒します。この傾倒操作後に前記ペタル34から足を離すと前記スプリング32の付勢力によって角度設定プレート30が下方回動され、自動的に前記ピン35が何れかの係脱孔aに係止された状態となり、ハンドルパイプ13,13から手を放しても背凭れフレーム5は回動できない状態となっています。
また、前記ペタル34を踏み込む際には、前記座部フレーム6が着座状態になっていれば、規制ロッド33の下端部がブラケット29のガイド孔29aの下部に位置しており、前記角度設定プレート30の上方回動のストッパーとして作用しているので、前記ピン35がチルト設定孔30cから外れ、折畳み設定孔30dに相対的に移動することがないように構成されたものとなっています。
したがって、被介護者が乗車した状態で座部フレーム6を上方回動することはできないため、使用中に何らかの要因によって折り畳まれてしまうという危険性もなく、安全に使用できる入浴介助用車椅子1となっています。
まず、前記角度設定プレート30の上方回動のストッパーを解除するために、前記座部フレーム6を背凭れフレーム5側に向けて上方回動させます。このとき、規制ロッド33が座部フレーム6の回動中心となる基部パイプ19に固着された筒状部材37の上方移動にあわせ、前記ガイド孔29a内を上方へ引き上げられることによって、前記角度設定プレート30の上方回動のストッパーが解除された状態となります。然る後、前記ペタル34を踏み込むことで、前記ピン35がチルト設定孔30cから折畳み設定孔30dへと相対的に移動します。そして、前記背凭れフレーム5と座部フレーム6を前方へ回動させながら前記ペタル34から足を離します。さらに、前方へ背凭れフレーム5と座部フレーム6を倒すと前記ピン35が折畳み設定孔30dの前端側の係脱孔aに係止され、背凭れフレーム5が前後に回動できない状態となります。この状態で、図9に示すように補助輪11,11とペタル34によって支持されるように立位状態とすることができ、より狭いスペースに保管することができるようになります。このように、立位状態で保管できることで、背及び座のマット16,22が略垂直な状態となるので、入浴後の水切り乾燥が多少早くできるという利点もあります。
なお、この折畳み状態から使用状態に戻すには、前後輪2,2,3,3が接地する状態に戻し、前記ペタル34を踏み込み、前記ピン35の係止状態を解除して背凭れフレーム5を上方回動させます。そして、前記ピン35が自動的にチルト設定孔30cの係脱孔aに係止されれば、使用状態になります。このとき、座部フレーム6は着座状態となっているので、前記角度設定プレート30には規制ロッド33がストッパーとして作用する状態となっており、上述のチルト操作ができるようになっています。
したがって、安価に提供することもできるとともに、被介護者の姿勢を換えることができるので介護者も入浴介助がし易く、被介護者にとっては快適に入浴介できるものとなっています。
2 前輪
3 後輪
4 車体フレーム
5 背凭れフレーム
6 座部フレーム
7 チルト機構
8 折畳み機構
29 ブラケット
29a ガイド孔
30 角度設定プレート
30c チルト設定孔
30d 折畳み設定孔
33 規制ロッド
35 ピン
a 係脱孔
b 通孔部
Claims (2)
- 前輪と後輪を具備する車体フレームの中間部または後部寄りに、下端部を基点として前後に回動自在となるように背凭れフレームを支承し、該背凭れフレームの上下略中間部に側面視において略L字状に構成した座部フレームの後方上部を支承することにより該座部フレームが着座可能な状態から上方回動可能となるように構成した入浴介助用車椅子において、前記背凭れフレームの下端部に固着したブラケットに前端側が下方回動側に付勢された状態となるように角度設定プレートを支承するとともに、該角度設定プレートに設けたチルト設定孔及び折畳み設定孔の何れかの係脱孔に前記車体フレーム側に具備したピンを係脱操作可能に取付け、前記座部フレームが着座状態にあるときには前記チルト設定孔内のみ前記ピンが相対的に移動可能となるように構成してなるチルト機構と、前記座部フレームを着座状態から上方回動することで前記角度設定プレートの上方回動規制を解除して該角度設定プレートに固着したペダル部材を踏み込むことにより該角度設定プレートを上方回動させたときのみ前記ピンが折畳み設定孔内を相対的に移動可能となるように構成してなる折畳み機構を備えたことを特徴とする入浴介助用車椅子。
- 前記角度設定プレートには該角度設定プレートの回動中心を中心とした同心円上に配置した複数の係脱孔とこれら係脱孔の下端側を連結する通孔部とからなるチルト設定孔を設けるとともに、該チルト設定孔の前下方に一体となるように略凹字状の折畳み設定孔を設けるとともに、前記背凭れフレームのブラケットに穿設したガイド孔と前記座席フレームに固着した筒状部材間に規制ロッドを取付け、前記座席フレームの上方回動により該規制ロッドが前記ガイド孔内で上方側に引き上げられるよう構成することにより、座部フレームが着座状態にあるときには規制ロッドの下端部が前記角度設定プレートの上方回動範囲を規制し前記車体フレームに具備されたピンがチルト設定孔内のみ移動するよう構成すると共に、前記座部フレームを上方回動させることで前記角度設定プレートの上方回動の規制を解除した後、前記角度設定プレートを上方回動することで前記ピンが折畳み設定孔内を移動することができるように構成してなるチルト機構及び折畳み機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の入浴介助用車椅子。
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