JP2017004519A - 導電性パターン基板 - Google Patents

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Shinichiro Takahashi
橋 伸一郎 高
近 禅
chan Xu
禅 近
口 卓 也 山
Takuya Yamaguchi
口 卓 也 山
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部 真 阿
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Abstract

【課題】導線の分断部が視認されてしまうことを十分に抑制することができる導電性パターン基板を提供する。【解決手段】導電性パターン基板の他方の側に位置する第2導線55には、第2ライン部56を電気的に分断するための複数の第2分断部58が設けられている。導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、第2導線55の複数の第2分断部58の少なくとも一部は、導電性パターン基板の一方の側に位置する第1導線50の第1ライン部51と部分的に重なっている。また第1導線50は、第2導線55の第2分断部58と重なる位置において、第1ライン部51が延びる方向とは交差する方向で第1ライン部51から突出した第1突出部54を含んでいる。【選択図】図6

Description

本発明は、導電性を有するパターンが設けられた導電性パターン基板に関する。
メッシュタイプのタッチパネル基板や、電磁波シールド基板などの分野において、網目状に配置された導線を有する導電性パターン基板が利用されている。通常、網目状に配置された導線には、導線を電気的に分断するための複数の分断部が設けられている。例えばタッチパネル基板においては、外部導体の接触や接近を検出するための複数の電極が設けられており、これら電極がそれぞれ、網目状に配置された導線によって構成されている。また、各電極の間は電気的に絶縁されている。このため、複数の電極が隣接するよう並べられる場合、隣り合う2つの電極の間の領域は、導線が存在しない空白領域となる。隣り合う2つの電極の間の領域においては、電極を構成する導線が分断されている。
上述の空白領域においては、その他の領域に比べて、光の透過率が局所的に高くなる。このため、空白領域が目立ってしまい、この結果、導電性パターン基板の使用者によって電極の輪郭が視認されてしまうことが考えられる。このような課題を解決するため、例えば特許文献1においては、空白領域に接する導線の端部に、他の位置における導線の幅よりも広い幅を有する拡幅部を設けることが提案されている。これによって、空白領域およびその周辺領域における光の透過率の平均値を低下させることができる。
国際公開第2014/104028号パンフレット
上述の特許文献1において提案されている方法によっては、光の透過率の平均値を低下させることはできるが、空白領域を無くすことはできない。このため、使用者によって空白領域が視認されてしまうおそれがある。また通常、空白領域は、電極の配列ピッチと同一のピッチで周期的に並ぶ。このため、空白領域が並ぶ周期と、その他の構成要素の周期との間の干渉に起因して、モアレが視認されてしまうことも考えられる。例えば、タッチパネル基板とカラーフィルタとが組み合わされる場合、空白領域が並ぶ周期と、カラーフィルタの画素の周期との干渉に起因するモアレが生じることが考えられる。特に、ペンなどの細い外部導体を用いた入力に対応したタッチパネル基板の場合、入力の分解能を向上させるため、電極の配列ピッチが従来よりも小さくなっている。このため、カラーフィルタの画素など、極めて小さな周期で並ぶ構成要素との間においても、タッチパネル基板の空白領域に起因するモアレが生じやすくなっている。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、導線の分断部が視認されてしまうことを十分に抑制することができる導電性パターン基板を提供することを目的とする。
第1の発明は、
導電性を有するパターンが設けられた導電性パターン基板であって、
網目状に配置された複数の第1ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第1導線と、
網目状に配置された複数の第2ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第2導線と、を備え、
前記第2導線には、前記第2ライン部を電気的に分断するための複数の第2分断部が設けられており、
前記第1導線は、前記第1ライン部から突出し且つ前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に前記第2導線の前記第2分断部と重なる位置を延びる第1突出部をさらに含む、導電性パターン基板である。
第2の本発明は、導電性を有するパターンが設けられた導電性パターン基板であって、導電性パターン基板の一方の側に網目状に配置された複数の第1ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第1導線と、導電性パターン基板の他方の側に網目状に配置された複数の第2ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第2導線と、を備え、前記第2導線には、前記第2ライン部を電気的に分断するための複数の第2分断部が設けられており、前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、前記第2導線の前記複数の第2分断部の少なくとも一部は、前記第1導線の前記第1ライン部と部分的に重なっており、前記第1導線は、前記第2導線の前記第2分断部と重なる位置において、前記第1ライン部が延びる方向とは交差する方向で前記第1ライン部から突出した第1突出部をさらに含む、導電性パターン基板である。
第3の本発明は、導電性パターン基板であって、第1の基材と、前記第1の基材に網目状に配置された複数の第1ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第1導線と、前記第1の基材と向かい合うよう配置された第2の基材と、前記第2の基材に網目状に配置された複数の第2ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第2導線と、を備え、前記第2導線には、前記第2ライン部を電気的に分断するための複数の第2分断部が設けられており、前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、前記第2導線の前記複数の第2分断部の少なくとも一部は、前記第1導線の前記第1ライン部と部分的に重なっており、前記第1導線は、前記第2導線の前記第2分断部と重なる位置において、前記第1ライン部が延びる方向とは交差する方向で前記第1ライン部から突出した第1突出部をさらに含む、導電性パターン基板である。
第4の本発明は、導電性を有するパターンが設けられた導電性パターン基板であって、導電性パターン基板の一方の側に網目状に配置された複数の第1ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第1導線と、導電性パターン基板の他方の側に網目状に配置された複数の第2ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第2導線と、を備え、前記第2導線には、前記第2ライン部を電気的に分断するための複数の第2分断部が設けられており、前記第1導線は、前記第1ライン部から突出し且つ前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に前記第2導線の前記第2分断部と重なる位置を延びる第1突出部をさらに含む、導電性パターン基板である。
第5の本発明は、導電性パターン基板であって、第1の基材と、前記第1の基材に網目状に配置された複数の第1ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第1導線と、前記第1の基材と向かい合うよう配置された第2の基材と、前記第2の基材に網目状に配置された複数の第2ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第2導線と、を備え、前記第2導線には、前記第2ライン部を電気的に分断するための複数の第2分断部が設けられており、前記第1導線は、前記第1ライン部から突出し且つ前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に前記第2導線の前記第2分断部と重なる位置を延びる第1突出部をさらに含む、導電性パターン基板である。
第1、第4または第5の本発明による導電性パターン基板において、前記第1ライン部は、前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、前記第2分断部とずれて配置されていてもよい。
第1、第4または第5の本発明による導電性パターン基板において、前記第2分断部は、当該第2分断部に分断された二つの第2ライン部と、当該第2分断部の両側に位置して前記二つの第2ライン部とそれぞれ交差し且つ隣り合って設けられた他の二つの第2ライン部と、の交点の中間からずれた位置に設けられていてもよい。
本発明による導電性パターン基板において、前記第1導線及び前記第2導線は、導電性パターン基板の板面への法線方向に沿って、ずれて配置されていてもよい。
本発明による導電性パターン基板において、前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、前記第1導線の第1突出部は、前記第2導線の前記第2ライン部と部分的に重なっていてもよい。
本発明による導電性パターン基板において、前記第1導線には、前記第1ライン部を電気的に分断するための複数の第1分断部が設けられていてもよい。この場合、前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、前記第1導線の前記複数の第1分断部の少なくとも一部は、前記第2導線の前記第2ライン部と部分的に重なっており、前記第2導線は、前記第1導線の前記第1分断部と重なる位置において、前記第2ライン部が延びる方向とは交差する方向で前記第2ライン部から突出した第2突出部をさらに含んでいてもよい。
本発明による導電性パターン基板において、前記第1導線は、前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に前記第1導線の前記第1ライン部と前記第2導線の前記第2ライン部とが重なる位置において、前記第1ライン部が延びる方向とは交差する方向で前記第1ライン部から突出した第1突出部をさらに含んでいてもよい。
本発明による導電性パターン基板において、前記導電性パターン基板は、タッチパネル基板として機能するものであってもよい。この場合、前記複数の第1導線によって、第1電極方向に延びる複数の第1電極と、前記第1電極の間に配置された複数の第1ダミー部と、が構成され、前記複数の第2導線によって、前記第1電極方向と交差する第2電極方向に延びる複数の第2電極と、前記第2電極の間に配置された複数の第2ダミー部と、が構成され、前記第2分断部は、前記第2電極を構成する前記第2ライン部と前記第2ダミー部を構成する前記第2ライン部との間、または、前記第2ダミー部を構成する前記第2ライン部同士の間に位置している。
本発明において、導電性パターン基板の他方の側に位置する第2導線には、第2ライン部を電気的に分断するための複数の第2分断部が設けられている。導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、第2導線の複数の第2分断部の少なくとも一部は、導電性パターン基板の一方の側に位置する第1導線の第1ライン部と部分的に重なっている。また第1導線は、第2導線の第2分断部と重なる位置において、第1ライン部が延びる方向とは交差する方向で第1ライン部から突出した第1突出部を含んでいる。この場合、第2分断部が設けられている領域において、光は、少なくとも部分的に第1ライン部および第1突出部によって遮蔽されることになる。このため、第2分断部を設けることに起因する光の透過率の上昇の程度を小さくすることができる。従って、電極が設けられている領域における光の透過率と、分断部を含む領域における光の透過率との差が大きくなることを抑制することができる。また、第2分断部に起因するモアレが生じてしまうことを抑制することができる。
図1は、本発明の実施の形態におけるタッチ位置検出機能付き表示装置を示す展開図。 図2は、図1のタッチ位置検出機能付き表示装置におけるタッチパネル基板を示す平面図。 図3Aは、第1電極および第1ダミー部を拡大して示す平面図。 図3Bは、図3Aにおいて符号IIIBが付された二点鎖線で囲まれた部分おける第1電極および第1ダミー部をさらに拡大して示す平面図。 図4Aは、第2電極および第2ダミー部を拡大して示す平面図。 図4Bは、図4Aにおいて符号IVBが付された二点鎖線で囲まれた部分における第2電極および第2ダミー部をさらに拡大して示す平面図。 図5Aは、図3Aに示す第1電極および第1ダミー部並びに図4Aに示す第2電極および第2ダミー部を重ねて示す平面図。 図5Bは、図5Aにおいて符号VBが付された二点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す平面図。 図6は、図5Bに示す第1導線の第1突出部を拡大して示す平面図。 図7は、第1導線の第1ライン部の幅の算出方法の一例を示す図。 図8は、タッチパネル基板を図5BのVI線に沿って切断した場合を示す断面図。 図9は、タッチパネル基板を図5BのVII線に沿って切断した場合を示す断面図。 図10(a)〜(e)は、タッチパネル基板の製造方法を説明するための図。 図11は、第1導線の第1突出部の一変形例を示す平面図。 図12は、第1導線の第1突出部の一変形例を示す平面図。 図13は、第2導線の第2ライン部と重なる位置に設けられた第1導線の第1突出部を示す平面図。 図14(a)は、第1感光層を露光するための第1露光マスクのパターンの一例を示す平面図、図14(b)は、図14(a)に示す第1露光マスクを用いた露光によってパターニングされた第1感光層をレジストとして第1金属層をエッチングすることによって得られる第1導線のパターンの一例を示す平面図。 図15は、導線のパターンの一変形例を示す平面図。 図16は、図3Bに対応する図であって、第1導線のパターンの一変形例を示す平面図。 図17は、図4Bに対応する図であって、第2導線のパターンの一変形例を示す平面図。 図18は、図16の第1導線と図17の第2導線を重ねて示す平面図。 図19は、図3Bに対応する図であって、第1電極のパターンの他の変形例を示す平面図。 図20は、図4Bに対応する図であって、第2電極のパターンの他の変形例を示す平面図。 図21は、図19の第1導線と図20の第2導線を重ねて示す平面図。 図22は、ダミー部の配置の一変形例を示す平面図。 図23Aは、タッチパネル基板の層構成の一変形例を示す断面図。 図23Bは、図23Aに示すタッチパネル基板の貼り合わせの形態の一変形例を示す断面図。 図23Cは、図23Aに示すタッチパネル基板の貼り合わせの形態の一変形例を示す断面図。 図24は、タッチパネル基板の電極の一変形例を示す平面図。
以下、図1乃至図10(a)〜(e)を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また本明細書において、「基板」、「基材」、「シート」や「フィルム」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基板」や「基材」は、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本実施の形態においては、導電性を有するパターンが設けられた導電性パターン基板が、外部の導体の接近を検出するタッチパネル基板として機能するものである例について説明する。はじめに、導電性パターン基板によって構成されたタッチパネル基板が組み込まれた表示装置(以下、タッチ位置検出機能付き表示装置とも称する)について説明する。
タッチパネル装置およびタッチ位置検出機能付き表示装置
図1に示すように、タッチ位置検出機能付き表示装置10は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置15と、表示装置15の観察者側に配置されたタッチパネル基板30と、を組み合わせることによって構成されている。表示装置15は、表示面16aを有する表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができる矩形状のアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
タッチパネル基板30は、表示装置15の表示面16aに、例えば接着層(図示せず)を介して接着されている。図1において、タッチパネル基板30のうち観察者側に位置する面に符号30aが付され、表示装置15側に位置する面に符号30bが付されている。
なお図示はしないが、タッチパネル基板30の観察者側には、タッチパネル基板30や表示装置15を保護するための保護カバーが設けられていてもよい。
タッチパネル基板
次に図2を参照して、タッチパネル基板30について説明する。図2は、観察者側から見た場合のタッチパネル基板30を示す平面図である。
ここでは、タッチパネル基板30が、投影型の静電容量結合方式のタッチパネル基板として構成される例について説明する。なお、「容量結合」方式は、タッチパネルの技術分野において「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等とも呼ばれており、本件では、これらの「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等と同義の用語として取り扱う。典型的な静電容量結合方式のタッチパネル基板は、透光性を有する導電性のパターンを有しており、外部の導体(典型的には人間の指)がタッチパネル基板に接近することにより、外部の導体とタッチパネル基板の導電性のパターンとの間でコンデンサ(静電容量)が形成される。そして、このコンデンサの形成に伴った電気的な状態の変化に基づき、タッチパネル基板上において外部導体が接近している位置の位置座標が特定される。なお本実施の形態によるタッチパネル基板30において採用されている、後述する技術思想は、自己容量方式または相互容量方式のいずれにも対応可能である。
(第1電極および第2電極)
図2に示すように、タッチパネル基板30は、タッチパネル基板30の一方の側(観察者側)に設けられ、第1電極方向D1に延びる複数の第1電極41と、タッチパネル基板30の他方の側(表示装置15側)に設けられ、第1電極方向D1と交差する第2電極方向D2に沿って延びる複数の第2電極46と、を備えている。なお図2においては図示を省略しているが、タッチパネル基板30は、タッチパネル基板30の一方の側において第1電極41の間に設けられた複数の第1ダミー部42と、タッチパネル基板30の他方の側において第2電極46の間に設けられた複数の第2ダミー部47と、をさらに備えている。本実施の形態において、第1電極41および第1ダミー部42は、基材32の第1面(観察者側の面)32a上に設けられている。また第2電極46および第2ダミー部47は、基材32の第2面(表示装置15側の面)32b上に設けられている。なお図2においては、基材32の第1面32a側に設けられている構成要素が実線で表され、基材32の第2面32b側に設けられている構成要素が点線で表されている。後述するように、第1電極41、第1ダミー部42、第2電極46および第2ダミー部47はいずれも、金属材料を含む導線によって構成されている。
相互容量方式が採用される場合、第1電極41および第2電極46の一方が駆動電極になり、他方が、駆動電極からの信号電圧が印加される検出電極となる。例えば、タッチパネル基板30の観察者側に設けられた第1電極41が検出電極になり、タッチパネル基板30の表示装置15側に設けられた第2電極46が駆動電極になる。
第1電極41は、第1電極方向D1に沿って並べられた複数の第1膨出部41aと、隣接する2つの第1膨出部41aを接続するよう第1電極方向D1に延びる第1線状部41bと、を含んでいる。第1膨出部41aとは、第1電極方向D1と交差する第2電極方向D2における寸法が、第2電極方向D2における第1線状部41bの寸法よりも大きくなっている部分のことである。また第2電極46は、第2電極方向D2に沿って並べられた複数の第2膨出部46aと、隣接する2つの第2膨出部46aを接続するよう第2電極方向D2に延びる第2線状部46bと、を含んでいる。第2膨出部46aとは、第2電極方向D2と交差する第1電極方向D1における寸法が、第1電極方向D1における第2線状部46bの寸法よりも大きくなっている部分のことである。
図2に示すように、タッチパネル基板30は、タッチ位置を検出され得る領域に対応する矩形状のアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1の周辺に位置する矩形枠状の非アクティブエリアAa2と、を含んでいる。アクティブエリアAa1および非アクティブエリアAa2はそれぞれ、表示パネル16のアクティブエリアA1および非アクティブエリアA2に対応して区画されたものである。矩形状のアクティブエリアAa1の輪郭は、第1電極方向D1に延びる長辺31aと、第2電極方向D2に延びる短辺31bと、を含んでいる(図1参照)。第1電極方向D1および第2電極方向D2は、アクティブエリアAa1の輪郭を構成する長辺31aおよび短辺31bによって画定される。アクティブエリアAa1の輪郭が、表示装置15において一般に採用される矩形状である場合、長辺31aによって画定される第1電極方向D1と、短辺31bによって画定される第2電極方向D2とが直交することになる。
上述の第1電極41、第1ダミー部42、第2電極46および第2ダミー部47は、アクティブエリアAa1内に配置されている。また非アクティブエリアAa2のうち基材32の第1面32a上には、各第1電極41に電気的に接続された複数の第1額縁配線43と、基材32の外縁近傍に配置され、各第1額縁配線43に電気的に接続された複数の第1端子部44と、が設けられている。さらに、非アクティブエリアAa2のうち基材32の第2面32b上には、各第2電極46に電気的に接続された複数の第2額縁配線48と、基材32の外縁近傍に配置され、各第2額縁配線48に電気的に接続された複数の第2端子部49と、が設けられている。
信号を適切に伝達することができる限りにおいて、第1額縁配線43および第1端子部44並びに第2額縁配線48および第2端子部49の具体的な構成が特に限られることはない。例えば第1額縁配線43および第1端子部44は、第1電極41や第1ダミー部42を構成する後述する第1導線50と同一の層構成で第1導線50と同時に形成されるものであってもよい。同様に、第2額縁配線48および第2端子部49は、第2電極46や第2ダミー部47を構成する後述する第2導線55と同一の層構成で第2導線55と同時に形成されるものであってもよい。
(基材)
基材32を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)やガラスなど、十分な透光性を有する材料が用いられる。基材32が例えばPETを含む場合、PETの厚みは例えば100〜200μmの範囲内になっている。なお電極41,46やダミー部42,47を適切に保持することができる限りにおいて、基材32の具体的な構成が特に限られることはない。例えば、PET層などの表面に設けられたハードコート層がさらに基材32に含まれていてもよい。すなわち本実施の形態において、基材32とは、何らかの具体的な構造や材料を意味するものではなく、タッチパネル基板30を構成する第1電極41や第2電極46などのパターンの下地となるものを意味するに過ぎない。
(第1電極および第1ダミー部の詳細について)
次に図3Aおよび図3Bを参照して、第1電極41および第1ダミー部42について説明する。図3Aは、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合の第1電極41および第1ダミー部42を拡大して示す平面図であり、図3Bは、図3Aにおいて符号IIIBが付された二点鎖線で囲まれた部分における第1電極41および第1ダミー部42をさらに拡大して示す平面図である。
図3Aおよび図3Bに示すように、タッチパネル基板30の一方の側には、複数の第1ライン部51を含み、遮光性および導電性を有する第1導線50が設けられている。複数の第1ライン部51は、第1ライン部51の間に第1開口部52が形成されるよう網目状に配置されている。図示された例では、第1ライン部51が、第1方向M1に延び、第1方向M1に交差する方向に間隔をあけて、とりわけ等間隔で規則的に、並べられた導線と、第1電極方向D1に交差する第2方向M2に延び、第2方向M2に交差する方向に間隔をあけて、とりわけ等間隔で規則的に、並べられた導線と、からなる例について説明する。言い換えると、第1導線50は、第1方向M1と非平行な配列方向に配列された複数の第1ライン部51の群と、第2方向M2と非平行な配列方向に配列された複数の第1ライン部51の群と、を有しており、各第1ライン部51は、分岐を含まず且つ一対の端部の間を延びる線状の導線となっている。図3Aにおいて、符号P1およびP2はそれぞれ、第1方向M1および第2方向M2における第1ライン部51の配列ピッチを表している。このような複数の第1ライン部51を含む第1導線50によって、第1電極41および第1ダミー部42が構成されている。
図3Aおよび図3Bに示す例において、複数の第1ライン部51は、第1開口部52の形状が菱形の形状になるように配置されている。すなわち、第1方向M1と第2方向M2とは互いに直交しないように設定されている。また、菱形の内角のうち鋭角になる内角が第1電極方向D1に沿って並び、菱形の内角のうち鈍角になる内角が第2電極方向D2に沿って並ぶよう、第1ライン部51が構成されている。しかしながら、第1開口部52によって占められる面積の比率(以下、開口率とも称する)が十分に高くなり、これによって、表示装置15からの映像光が適切な透過率でタッチパネル基板30のアクティブエリアAa1を透過することができる限りにおいて、第1開口部52の形状や寸法が特に限られることはない。例えば、図示はしないが、第1方向M1と第2方向M2とが互いに直交するように設定されていてもよい。
好ましくは、第1導線50の第1ライン部51が延びる第1方向M1および第2方向M2は、第1電極方向D1および第2電極方向D2に平行または直交しないよう設定される。通常、第1電極方向D1および第2電極方向D2は、タッチパネル基板30と組み合される表示装置15やカラーフィルタの画素の配列方向に平行または直交している。従って、第1方向M1および第2方向M2を、第1電極方向D1および第2電極方向D2に対して傾斜させることにより、第1ライン部51の周期と画素の周期との干渉に起因してモアレが生じてしまうことを抑制することができる。
第1ライン部51の線幅は、求められる開口率などに応じて設定されるが、例えば第1ライン部51の幅は1〜10μmの範囲内、より好ましくは2〜7μmの範囲内に設定されている。これによって、観察者が視認する映像に対して第1ライン部51が及ぼす影響を、無視可能な程度まで低くすることができる。
第1ライン部51を含む第1導線50は、後述するように、金属材料からなる第1金属層61を含んでいる。第1導線50に含まれる金属材料としては、例えば、銀、銅、アルミニウムまたはこれらの合金等を挙げることができる。第1ライン部51を含む第1導線50の厚みは、第1電極41に対して求められる電気抵抗値などに応じて適宜設定されるが、例えば0.1〜2.0μmの範囲内となっている。
図3Aおよび図3Bに示すように、第1電極41を構成する第1ライン部51と第1ダミー部42を構成する第1ライン部51との間には、複数の第1分断部53が設けられている。このような第1分断部53を設けることにより、第1電極41と第1ダミー部42との間を電気的に分断して絶縁することができる。通常は、1つの第1分断部53を挟んで隣接する2つの第1ライン部51の一方を延長すると他方の第1ライン部51に重なるよう、第1分断部53および第1ライン部51が構成されている。第1ライン部51が延びる方向における第1分断部53の寸法は、例えば1〜500μmの範囲内に設定される。
第1電極41と第1ダミー部42との間の境界部の形状、すなわち第1電極41の輪郭は、第1電極41と第1ダミー部42との間の第1分断部53の配置によって画定される。図3Aおよび図3Bにおいて、タッチパネル基板30の一方の側からタッチパネル基板30を見た場合における、すなわち平面視における第1電極41の輪郭が、符号B1が付された一点鎖線によって示されている。
また図3Bに示すように、第1ダミー部42を構成する第1ライン部51同士の間にも、複数の第1分断部53が設けられていてもよい。なお図3Aにおいては、第1ダミー部42内の第1分断部53が便宜上省略されている。
また図3Bに示すように、第1導線50は、第1ライン部51が延びる方向とは交差する方向で第1ライン部51から突出した複数の第1突出部54をさらに含んでいる。例えば図3Bに示すように、第1方向M1に延びる第1ライン部51には、第1方向M1に交差する第2方向M2で第1ライン部51から突出した第1突出部54が設けられている。また、第2方向M2に延びる第1ライン部51には、第2方向M2に交差する第1方向M1で第1ライン部51から突出した第1突出部54が設けられている。なお後述するように、第1突出部54は、第2導線55の第2分断部58と重なる位置において第1突出部54を設けることにより、第2分断部58に起因する透過率の局所的な上昇やモアレを抑制するためのものである。透過率の局所的な上昇やモアレの抑制という目的を達成することができる限りにおいて、第1突出部54が突出する方向が特に限られることはない。第1突出部54の具体的な形状や寸法については後述する。なお図3Aにおいては、第1突出部54が便宜上省略されている。
図3Bにおいては、第1ライン部51の両側でそれぞれ第1突出部54が第1ライン部51から突出する例が示されているが、これに限られることはない。図示はしないが、第1ライン部51の一方の側のみで第1突出部54が第1ライン部51から突出していてもよい。
(第2電極および第2ダミー部の詳細について)
次に図4Aおよび図4Bを参照して、第2電極46および第2ダミー部47について説明する。図4Aは、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合の第2電極46および第2ダミー部47を拡大して示す平面図であり、図4Bは、図4Aにおいて符号IVBが付された二点鎖線で囲まれた部分における第2電極46および第2ダミー部47をさらに拡大して示す平面図である。
第1導線50の場合と同様に、タッチパネル基板30の他方の側には、複数の第2ライン部56を含み、遮光性および導電性を有する第2導線55が設けられている。複数の第2ライン部56は、第2ライン部56の間に第2開口部57が形成されるよう網目状に配置されている。図示された例では、第1導線50の第1ライン部51と同様に、第2導線55の第2ライン部56は、第1方向M1に延び、第1方向M1に交差する方向に間隔をあけて、とりわけ等間隔で規則的に、並べられた導線と、第1電極方向D1に交差する第2方向M2に延び、第2方向M2に交差する方向に間隔をあけて、とりわけ等間隔で規則的に、並べられた導線と、からなっている。言い換えると、第1導線50は、第1方向M1と非平行な配列方向に配列された複数の第1ライン部51の群と、第2方向M2と非平行な配列方向に配列された複数の第1ライン部51の群と、を有しており、各第1ライン部51は、分岐を含まず且つ一対の端部の間を延びる線状の導線となっている。このような複数の第2ライン部56を含む第2導線55によって、第2電極46および第2ダミー部47が構成されている。
第2ライン部56を含む第2導線55は、後述するように、金属材料からなる第2金属層66を含んでいる。第2導線55に含まれる金属材料としては、第1導線50の場合と同様に、例えば、銀、銅、アルミニウムまたはこれらの合金等を挙げることができる。第2ライン部56を含む第2導線55の厚みは、第2電極46に対して求められる電気抵抗値などに応じて適宜設定されるが、例えば0.1〜2.0μmの範囲内となっている。
第1ライン部51の場合と同様に、第2ライン部56の寸法や形状が特に限られることはない。ここでは、第1ライン部51の場合と同様に、第2電極46および第2ダミー部47が、第2開口部57の形状が菱形の形状になるように複数の第2ライン部56を配置することによって構成される例が示されている。
第2ライン部56の線幅は、第1ライン部51と同等に設定されてもよく、若しくは、第1ライン部51とは異なるように設定されてもよい。本実施の形態においては、第1ライン部51の線幅と第2ライン部56の線幅とが同一である例について説明する。
図4Aおよび図4Bに示すように、第2電極46を構成する第2ライン部56と第2ダミー部47を構成する第2ライン部56との間には、複数の第2分断部58が設けられている。このような第2分断部58を設けることにより、第2電極46と第2ダミー部47との間を電気的に分断して絶縁することができる。通常は、1つの第2分断部58を挟んで隣接する2つの第2ライン部56の一方を延長すると他方の第2ライン部56に重なるよう、第2分断部58および第2ライン部56が構成されている。第2ライン部56が延びる方向における第2分断部58の寸法は、例えば1〜500μmの範囲内に設定される。
第2電極46と第2ダミー部47との間の境界部の形状、すなわち第2電極46の輪郭は、第2電極46と第2ダミー部47との間の第2分断部58の配置によって画定される。図4Aおよび図4Bにおいて、平面視における第2電極46の輪郭が、符号B2が付された一点鎖線によって示されている。
また図4Bに示すように、第2ダミー部47を構成する第2ライン部56同士の間にも、複数の第2分断部58が設けられていてもよい。なお図4Aにおいては、第2ダミー部47内の第2分断部58が便宜上省略されている。
また第1導線50の場合と同様に、図4Bに示すように、第2導線55は、第2ライン部56が延びる方向とは交差する方向で第2ライン部56から突出した複数の第2突出部59をさらに含んでいてもよい。例えば図4Bに示すように、第1方向M1に延びる第2ライン部56には、第1方向M1に交差する第2方向M2で第2ライン部56から突出した第2突出部59が設けられている。また、第2方向M2に延びる第2ライン部56には、第2方向M2に交差する第1方向M1で第2ライン部56から突出した第2突出部59が設けられている。なお後述するように、第2突出部59は、第1導線50の第1分断部53と重なる位置において第2突出部59を設けることにより、第1分断部53に起因する透過率の局所的な上昇やモアレを抑制するためのものである。透過率の局所的な上昇やモアレの抑制という目的を達成することができる限りにおいて、第2突出部59が突出する方向が特に限られることはない。第2突出部59の具体的な形状や寸法については後述する。なお図4Aにおいては、第2突出部59が便宜上省略されている。
図4Bにおいては、第2ライン部56の両側でそれぞれ第2突出部59が第2ライン部56から突出する例が示されているが、これに限られることはない。図示はしないが、第2ライン部56の一方の側のみで第2突出部59が第2ライン部56から突出していてもよい。
図5Aは、図3Aに示す第1電極41および第1ダミー部42並びに図4Aに示す第2電極46および第2ダミー部47を重ねて示す平面図である。また図5Bは、図5Aにおいて符号VBが付された二点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す平面図である。なお図5Aおよび図5Bにおいては、便宜上、タッチパネル基板30の一方の側に設けられている、第1電極41や第1ダミー部42などの構成要素が、タッチパネル基板30の他方の側に設けられている、第2電極46や第2ダミー部47などの構成要素よりも太い線で表されている。ここでは、図5Aおよび図5Bに示すように、第1ライン部51同士の交点51aと第2ライン部56同士の交点56aとが互いに重ならないように第1ライン部51および第2ライン部56が配置されている例が示されている。
以下、第1分断部53および第2分断部58が存在する場合の課題について説明する。第1分断部53が形成された位置では、光は、第1ライン部51によって遮蔽されることなくタッチパネル基板30の一方の側(第1面30a側)の領域を通過する。同様に、第2分断部58が形成された位置では、光は、第2ライン部56によって遮蔽されることなくタッチパネル基板30の他方の側(第2面30b側)の領域を通過する。従って、第1分断部53や第2分断部58が無秩序に配置される場合、第1分断部53や第2分断部58によって占められる領域の面積の分だけ、分断部53,58を含まない、電極41,46が設けられている領域における光の透過率と、分断部53,58を含む、ダミー部42,47が設けられている領域における光の透過率との差が大きくなってしまう。
例えば、タッチパネル基板30のアクティブエリアAa1を、平面視において第1電極41と第2電極46とが重なる領域(以下、第1領域とも称する)、平面視において第1電極41と第2ダミー部47とが重なる領域または第2電極46と第1ダミー部42とが重なる領域(以下、第2領域とも称する)、および、平面視において第1ダミー部42と第2ダミー部47とが重なる領域(以下、第3領域とも称する)に分類して考える。この場合、第1領域においては、タッチパネル基板30の一方の側および他方の側のいずれにも分断部53,58が存在しない。一方、第2領域においては、タッチパネル基板30の一方の側および他方の側のいずれか一方に分断部53,58が存在する。また第3領域においては、タッチパネル基板30の一方の側および他方の側の両方に分断部53,58が存在する。従って、第1分断部53や第2分断部58の位置が無秩序に設定される場合、第1領域における光の透過率T1、第2領域における光の透過率T2および第3領域における光の透過率T3は、T1<T2<T3という関係を示すようになる。例えば、第1ライン部51および第2ライン部56の開口率が95%であり、基材32における光の透過率が100%であると仮定する場合、T1=95%、T2=96%、T3=97%というような透過率の分布になり得る。この場合、第1領域、第2領域および第3領域は、観察者によって比較的に容易に識別され得る。
また、合成樹脂を含む保護カバーがタッチパネル基板30の観察者側に配置される場合、合成樹脂の比誘電率がガラスに比べて低いため、その分だけタッチパネル装置20の検出感度が低下してしまう。このような問題を解決する方法の1つとして、平面視における第1電極41と第2電極46との間の間隔dを大きくすることが考えられる。なぜなら、間隔dを大きくすることにより、第1電極41から第2電極46に至る電気力線の経路がより観察者側にまで広がるようにすることができ、これによって、外部導体の接近や接触をより精度良く検出できるようになるからである。間隔dは、保護カバーを構成する材料の比誘電率や保護カバーの厚みに応じて適宜設定されるが、例えば0.1〜1mmの範囲内に設定される。一方、平面視において第1電極41と第2電極46との間に位置することになる領域は、第1ダミー部42と第2ダミー部47とが重なる上述の第3領域である。従って、間隔dが大きくなることは、アクティブエリアAa1における上述の第3領域の面積の比率がより大きくなることを意味している。このことは、第1領域、すなわち電極41,46が観察者により視認され易くなってしまうことを導く可能性がある。
また、分断部53,58がライン部51,56の配列ピッチや電極41,46の配列ピッチに応じて規則的に並ぶ場合、分断部53,58に起因するモアレが生じてしまうことも考えられる。
このような課題に対しては、分断部に重なる位置に電極とは独立した(離間した)細い小パターンを設けることが考えられる。しかしながら、本件発明者らの実験の結果、このような小パターンはタッチパネル基板中から脱落しやすく、分断部を有効に不可視化できないことが判明した。さらに、細い小パターンは、その製造工程におけるエッチング工程において、その線幅を制御することが困難であり、エッチング工程によって線幅にむらができたり、脱落しやすかったりすることも判明した。その一方で、小パターンの脱落を防止するために小パターンの線幅を太くすると、当該線幅が太い小パターンの配置が連続的に観察されてしまい、その他の構成要素の周期との間の干渉によって、モアレが生じてしまう。
一方、本件発明者は、このような課題に対処するために、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に、複数の第2分断部58の少なくとも一部が第1ライン部51に部分的に重なるよう、第1ライン部51および第2分断部58を配置することを提案する。さらに本件発明者は、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に第2分断部58と重なる位置において、上述の第1突出部54を第1ライン部51に設けることを提案する。ここで、第1突出部54が設けられる第1ライン部51とは、第1電極41をなす第1ライン部及び第1ダミー部42をなす第1ライン部の両方を含む。図6は、図5Bに示す第1導線50の第1突出部54およびその周囲の構成要素を拡大して示す平面図である。図6に示すように、第2導線55の第2分断部58には、第1導線50の第1ライン部51および第1突出部54が重ねられている。すなわち、第2導線55の第2分断部58の位置において、第1導線50の幅が他の部分の第1導線50の幅よりも大きくなっている。これによって、第2分断部58の位置において光がタッチパネル基板30を透過してしまうことを抑制することができる。
図6に示すように、第1突出部54は、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に第1突出部54と第2ライン部56とが部分的に重なるよう、配置されていてもよい。これによって、第2分断部58に起因して光の透過率が上昇してしまうことをさらに抑制することができる。なお図示はしないが、第1突出部54は、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に第1突出部54と第2ライン部56とが重ならないように構成および配置されていてもよい。この場合であっても、第1突出部54が第2分断部58を部分的に覆うことにより、第2分断部58に起因して光の透過率が上昇してしまうことを抑制することができる。
図6に示す例において、第1ライン部51の一方の側および他方の側において第2方向M2で第1ライン部51からそれぞれ突出した第1突出部54は、四角形状の形状を有している。図6において、符号v1は、第1突出部54が突出する方向において第1突出部54と第2導線55の第2ライン部56とが重なっている領域の寸法を表している。寸法v1は、好ましくは、製造公差に起因して第1突出部54の位置や第2ライン部56の位置が設計から逸脱してしまった場合であっても、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に第1突出部54と第2ライン部56とが重なるよう、設定される。例えば寸法v1は、1〜5μmの範囲内に設定される。一例を挙げると、第1ライン部51の幅w1および第2ライン部56の幅w2がそれぞれ2μmであり、第2方向M2における第2分断部58の寸法が4μmである場合、第1突出部54と第2ライン部56とが重なる寸法v1が2μmになるよう、第1突出部54を設計することができる。
上述のように、第1突出部54は、「第1導線50の幅が他の部分(第1突出部54が設けられていない部分)の第1導線50の幅よりも大きくなっている部分」と言い換えることもできる。ここで「幅」の定義の一例について説明する。本実施の形態において、第1突出部54は、図6に示すように、第2導線55の第2分断部58と重なる部分に配置される。図6において、第2導線55のうち第1突出部54と重なっている部分が点線で示されている。上述の図4Bに示すように、第2分断部58は通常、2つの交点56aのほぼ中間位置に形成される。また上述の図5Bに示すように、第1ライン部51は第2ライン部56に対して通常、配列ピッチのほぼ半分に相当する距離だけずらして配置される。このため第1突出部54は、2つの交点51aのほぼ中間位置に形成されることになる。このため、「他の部分(第1突出部54が設けられていない部分)の第1導線50の幅」としては、2つの交点51aのほぼ中間位置から離れた位置における第1導線50の幅が採用されることが好ましい。
また後述するように、第1導線50をウェットエッチングによって作製する場合、第1導線50の幅は、交点51aの近傍において、その他の部分の幅よりも大きくなる傾向を有する。このため、「他の部分(第1突出部54が設けられていない部分)の第1導線50の幅」としては、交点51aから離れた位置における第1導線50の幅が採用されることが好ましい。
これらの点を考慮し、本実施の形態においては、第1導線50や第1ライン部51の幅として、第1ライン部51が延びる方向において交点51aから距離R0〜距離R1の範囲内にある領域R2(図7参照)における第1導線50や第1ライン部51の幅w1の平均値を、第1導線50や第1ライン部51の幅の代表値として採用することにする。距離R0および距離R1はそれぞれ、例えば、第1ライン部51の配列ピッチP1,P2の20%および30%に設定される。上述の「例えば1〜10μmの範囲内、より好ましくは2〜7μmの範囲内」という数値は、領域R2における第1ライン部51の幅w1の平均値に関する数値である。
なお、第1ライン部51を第2ライン部56に対して配列ピッチのほぼ半分に相当する距離だけずらして配置することの利点としては、例えば以下の点を挙げることができる。
タッチパネル基板30においては、製造公差に起因して、第1ライン部51に対する第2ライン部56の配置が設計からある程度ずれてしまうことが不可避である。従って、タッチパネル基板30の設計は、第1ライン部51に対する第2ライン部56の配置が設計からある程度ずれてしまったとしてもタッチパネル基板30の特性に大きな差が生じないようになされることが好ましい。
ここで、第1ライン部51と第2ライン部56とが重なるように第1ライン部51および第2ライン部56の配置が設計されていると仮定する。この場合、設計通りに製造されたタッチパネル基板30においては、第1ライン部51および第2ライン部56の一方が他方によってほぼ覆われているので、第1ライン部51および第2ライン部56の他方に起因する反射光が観察者によって視認されるが、第1ライン部51および第2ライン部56の一方に起因する反射光は観察者によってほとんど視認されない。一方、ある程度の製造公差で製造されたタッチパネル基板30においては、第1ライン部51および第2ライン部56の一方が他方から露出することになる。このため、第1ライン部51および第2ライン部56の一方に起因する反射光も観察者によって相当に視認されてしまう。このように、第1ライン部51と第2ライン部56とが重なるように第1ライン部51および第2ライン部56の配置が設計されている場合、製造公差に起因して、タッチパネル基板30の反射特性が個体によって大きくばらついてしまう。
次に、第1ライン部51と第2ライン部56とが互いにずれるように第1ライン部51および第2ライン部56の配置が設計されていると仮定する。この場合、設計通りに製造されたタッチパネル基板30、および、ある程度の製造公差で製造されたタッチパネル基板30のいずれにおいても、第1ライン部51および第2ライン部56それぞれに起因する反射光が観察者によって相当に視認される。このため、製造公差に起因する、タッチパネル基板30の反射特性の個体によるばらつきが小さくなっている。個体によるばらつきは通常、第1ライン部51の配置と第2ライン部56の配置とが最も大きくずれている場合、すなわち、第1ライン部51が第2ライン部56に対して配列ピッチの半分に相当する距離だけずれている場合に最小になる。
図6に示すように、好ましくは、第1突出部54が突出する方向に直交する方向における第1突出部54の幅は、第2分断部58に隣接する第2ライン部56の幅w2よりも大きくなっている。これによって第2分断部58を隙間なく第1突出部54によって覆うことが可能になる。また、製造公差に起因して第1突出部54の位置や第2ライン部56の位置が設計から逸脱してしまった場合であっても、第2分断部58を十分に第1突出部54によって覆うことができる。
図8は、第2導線55の第2ライン部56が延びる方向に沿ってタッチパネル基板30を切断した場合を示す断面図である。図8には、基材32の第2面32b側の第2分断部58が、基材32の第1面32a側の第1ライン部51および第1突出部54によって覆われる様子が示されている。
好ましくは、第1ライン部51の場合と同様に、第2ライン部56も、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に、複数の第1分断部53の少なくとも一部が第2ライン部56に部分的に重なるよう、配置される。また、第1突出部54の場合と同様に、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に第1分断部53と重なる位置において、上述の第2突出部59が第2ライン部56に設けられている。この場合においても、第2突出部59が設けられる第2ライン部56とは、第2電極46をなす第2ライン部及び第2ダミー部47をなす第2ライン部の両方を含む。図9は、第1導線50の第1ライン部51が延びる方向に沿ってタッチパネル基板30を切断した場合を示す断面図である。図9には、基材32の第1面32a側の第1分断部53が、基材32の第2面32b側の第2ライン部56および第2突出部59によって覆われる様子が示されている。
本実施の形態によれば、第2分断部58が設けられている領域において、光は、少なくとも部分的に第1導線50の第1ライン部51および第1突出部54によって遮蔽されることになる。同様に、第1分断部53が設けられている領域において、光は、少なくとも部分的に第2導線55の第2ライン部56および第2突出部59によって遮蔽されることになる。このため、第1分断部53または第2分断部58が設けられている上述の第2領域や第3領域における光の透過率T2,T3と、第1分断部53および第2分断部58が存在しない上述の第1領域における光の透過率T1との差が大きくなってしまうことを抑制することができる。このことにより、電極41,46が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。また、ライン部51,56の配列ピッチや電極41,46の配列ピッチに応じて規則的に並ぶ分断部53,58が、モアレを生じさせてしまうことを抑制することができる。
また本実施の形態によれば、第3領域における光の透過率T3と第1領域における光の透過率T1との差を小さくすることができるので、比誘電率の低い合成樹脂を含む保護カバーが用いられる場合に、タッチパネル装置20の検出感度向上という目的を重視して第1電極41と第2電極46との間の間隔dを大きく設定する、という構成を採用することが可能になる。従って、電極41,46が視認されることが抑制され、かつ十分な検出感度が達成されたタッチパネル装置20を提供することができる。
好ましくは、平面視において第1ダミー部42と第2ダミー部47とが重なる上述の第3領域には、第1分断部53が第2ライン部56と少なくとも部分的に重なっている部分、および、第2分断部58が第1ライン部51と少なくとも部分的に重なっている部分の両方が存在している。これによって、第1領域における光の透過率T1と第3領域における光の透過率T3との差をより小さくすることができる。
タッチパネル基板の製造方法
次に、以上のような構成からなるタッチパネル基板30を製造する方法について、図10(a)〜(e)を参照して説明する。
はじめに図10(a)に示すように、タッチパネル基板30を作製するための元材としての積層体60(ブランクとも呼ばれる)を準備する。積層体60は、基材32と、基材32の第1面32a上に設けられ、遮光性および導電性を有する第1金属層61と、基材32の第2面32b上に設けられ、遮光性および導電性を有する第2金属層66と、を備えている。基材32の各面32a,32b上に金属層61,66を設ける方法が特に限られることはなく、蒸着法やスパッタリング法などの公知の方法が適宜用いられ得る。
次に図10(b)に示すように、第1金属層61上に第1感光層71を設け、かつ、第2金属層66上に第2感光層76を設ける。第1感光層71および第2感光層76は、特定波長域の光、例えば紫外線に対する感光性を有している。感光層71,76のタイプが特に限られることはない。例えば光硬化型の感光層が用いられてもよく、若しくは光溶解型の感光層が用いられてもよい。ここでは、光硬化型の感光層が用いられる例について説明する。第1金属層61上および第2金属層66上に第1感光層71および第2感光層76を設ける方法としては、例えば、ドライフィルムレジストを第1金属層61上および第2金属層66上にそれぞれ貼付するという方法や、感光材を第1金属層61上および第2金属層66上にそれぞれ塗布するという方法を採用することができる。
(露光工程)
その後、図10(b)に示すように、所定のパターンで遮光部72aおよび開口部72bが形成された第1露光マスク72を第1感光層71の近傍に設置し、かつ、所定のパターンで遮光部77aおよび開口部77bが形成された第2露光マスク77を第2感光層76の近傍に設置する。第1露光マスク72の遮光部72aのパターンは、第1開口部52および第1分断部53のパターンに対応しており、第1露光マスク72の開口部72bのパターンは、第1ライン部51および第1突出部54のパターンに対応している。また第2露光マスク77の遮光部77aのパターンは、第2開口部57および第2分断部58のパターンに対応しており、第2露光マスク77の開口部77bのパターンは、第2ライン部56および第2突出部59のパターンに対応している。次に、第1露光マスク72に対する第2露光マスク77の相対位置を調整する。例えば、第1露光マスク72または第2露光マスク77のいずれか一方の露光マスクに形成されているアライメントマークを基準として、他方の露光マスクの位置を調整する。若しくは、基材32などに設けられている同一のアライメントマークを共通に用いて、第1露光マスク72および第2露光マスク77の位置を調整する。これによって、第1露光マスク72に対して高い位置精度で第2露光マスク77を配置することができる。その後、第1露光マスク72を介して第1感光層71に所定のパターンで露光光を照射し、かつ、第2露光マスク77を介して第2感光層76に所定のパターンで露光光を照射する露光工程を実施する。なお、第1感光層71に対する露光光の照射と、第2感光層76に対する露光光の照射は、同時に実施されてもよく、異なるタイミングで実施されてもよい。
(現像工程)
次に、第1感光層71および第2感光層76を現像する。これによって、図10(c)に示すように、パターニングされた第1感光層71および第2感光層76を得ることができる。
(エッチング工程)
その後、図10(d)に示すように、第1感光層71をレジストとして第1金属層61をウェットエッチングする。これによって、第1電極41および第1ダミー部42の第1導線50に対応するパターンで第1金属層61をパターニングすることができる。また、第2感光層76をレジストとして第2金属層66をウェットエッチングする。これによって、第2電極46および第2ダミー部47の第2導線55に対応するパターンで第2金属層66をパターニングすることができる。次に、図10(e)に示すように、感光層71,76を除去する。このようにして、上述のタッチパネル基板30を得ることができる。
なお図示はしないが、第1導線50および第2導線55には、第1導線50および第2導線55による光の反射を抑制するための低反射処理が施されていてもよい。例えば第1導線50の表面には、黒化処理が施されていてもよい。また、第2導線55は、金属材料からなる層に加えて、金属材料からなる層と基材32の第2面32bとの間に設けられた低反射層をさらに含んでいてもよい。
本実施の形態によれば、第1導線50は、第2導線55の第2分断部58と重なる位置において、第1ライン部51が延びる方向とは交差する方向で第1ライン部51から突出した第1突出部54を含んでいる。また第2導線55は、第1導線50の第1分断部53と重なる位置において、第2ライン部56が延びる方向とは交差する方向で第2ライン部56から突出した第2突出部59を含んでいる。このため、分断部53,58を設けることに起因する光の透過率の上昇の程度を小さくすることができる。従って、分断部53,58を含まない領域における光の透過率と、分断部53,58を含む領域における光の透過率との差が大きくなることを抑制することができる。このことにより、電極41,46が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。また、規則的に並ぶ分断部53,58がモアレを生じさせてしまうことを抑制することができる。
また本実施の形態によれば、露光工程において、第1露光マスク72に対する第2露光マスク77の相対位置が調整される。このため、基材32の第1面32a側に設けられる第1ライン部51、第1突出部54や第1分断部53に対する、基材32の第2面32b側に設けられる第2ライン部56、第2突出部59や第2分断部58の相対的な位置精度を高めることができる。従って、第1ライン部51および第1突出部54と第2分断部58とを精度良く重ねることができ、また、第2ライン部56および第2突出部59と第1分断部53とを精度良く重ねることができる。このことにより、分断部53,58を設けることに起因する光の透過率の上昇の程度をより小さくすることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1突出部の形状の変形例)
上述の本実施の形態においては、第1ライン部51から突出した第1突出部54が四角形状の形状を有する例を示した。しかしながら、分断部53,58を設けることに起因する光の透過率の上昇の程度を低減することができる限りにおいて、第1突出部54の具体的な形状が特に限られることはない。例えば図11に示すように、第1ライン部51から突出した第1突出部54は、半円状の形状を有していてもよい。また図12に示すように、第1ライン部51から突出した第1突出部54は、三角形状の形状を有していてもよい。第2突出部59の形状についても同様である。
(第1突出部の配置の変形例)
上述の本実施の形態においては、第1突出部54が、第2導線55の第2分断部58と重なる位置に配置される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図13に示すように、第1突出部54は、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に第1ライン部51と第2ライン部56とが重なる位置において、第1ライン部51が延びる方向とは交差する方向で第1ライン部51から突出するよう配置されていてもよい。言い換えると、第2分断部58が設けられていない場所において第1突出部54が設けられていてもよい。この場合、好ましくは、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に第1突出部54が第2ライン部56に重なるか、若しくは第1突出部54が第2ライン部56に隣接するよう、第1突出部54が配置される。例えば、第2電極46を構成する第2ライン部56に第1突出部54が重なるよう、第1突出部54が配置される。以下、このように第1突出部54を配置することの理由について説明する。
はじめに、ウェットエッチングによって金属層61,66をパターニングして導線50,55を作製する場合に金属層61,66上に形成される感光層71,76を露光するための露光マスク72,77の具体的なパターンの例について説明する。図14(a)は、第1感光層71を露光するための第1露光マスク72のパターンの一例を示す平面図である。ここでは、第1ライン部51の交点51aとなる部分およびその周辺の部分に照射される露光光を生成するための第1露光マスク72のパターンについて具体的に説明する。図14(a)に示すように、第1露光マスク72は、第1ライン部51に対応するパターンで線状に延びる複数の開口部72bと、線状に延びる開口部72bを画定するように広がる遮光部72aと、を含んでいる。図14(a)において、異なる方向に線状に延びる開口部72bが互いに接続される部分(以下、接続部分とも称する)が符号72kで表され、また線状に延びる開口部72bの交点が符号72cで表されている。図14(a)に示す例において、第1露光マスク72の線状に延びる開口部72bは、交点72cからの距離に依らず同一の幅sを有している。
図14(b)は、図14(a)に示す第1露光マスク72を用いて露光することにより得られた第1感光層71をレジストとして第1金属層61をウェットエッチングすることによって得られる第1ライン部51のパターンの一例を示す平面図である。図14(b)に示すように、異なる方向に延びる第1ライン部51が互いに接続される接続部分51kの形状は、第1露光マスク72の対応する接続部分72kの形状とは異なっている。具体的には、第1ライン部51の接続部分51kは、第1露光マスク72の接続部分72kよりも広がった形状を有している。このことは、第1露光マスク72を用いて第1感光層71を露光する際に、第1感光層71の解像性の限界のため、接続部分72kの形状が完全には第1感光層71に反映されず、第1露光マスク72の接続部分72kに対応する第1感光層71の接続部分の形状が、図14(b)に示す第1ライン部51の接続部分51kのように鈍った形状になることに起因していると考えられる。また、第1金属層61をウェットエッチングする際に、第1露光マスク72の接続部分72kに対応する第1感光層71の接続部分のところにまでエッチング液が十分に侵入することができないことにも起因していると考えられる。接続部分51kにおける第1金属層61のエッチングが不完全なものであるため、図14(b)に示すように、交点51aの近傍における第1ライン部51の幅w1’が、交点51aから遠い部分における第1ライン部51の幅w1よりも大きくなってしまう。このことは、交点51a近傍の領域における光の反射率が、交点51aから遠い領域における光の反射率よりも高くなり、この結果、交点51aが視認されやすくなる、ということを導く。このような光の反射率の上昇は、第2ライン部56の交点56aにおいても同様に生じ得る。
タッチパネル基板30の一方の側からタッチパネル基板30を使用者が見た場合にライン部51,56が交わっているように見える場所としては、上述の交点51aおよび交点56a以外にも、以下の(1)〜(3)の場所が考えられる。
(1)第1ライン部51と第2ライン部56とが交差する場所
(以下、立体交差点とも称する)
(2)第1分断部53と第2ライン部56とが重なる場所
(3)第1ライン部51と第2分断部58とが重なる場所
これらのうち(1)の場所については、交点51a,56aとは異なり、ライン部51,56の幅の拡大が生じない。このため、立体交差点近傍における光の反射率は通常、交点51a,56a近傍における光の反射率よりも低くなる。
一方、(2)の場所においては、上述のように第2ライン部56に第2突出部59が取り付けられている。同様に、(3)の場所においては、上述のように第1ライン部51に第1突出部54が取り付けられている。このため、突出方向に直交する方向における第1突出部54および第2突出部59の幅が、第1ライン部51および第2ライン部56の幅よりも大きい場合、第1分断部53および第2分断部58の近傍における光の反射率は、交点51aおよび交点56a近傍における光の反射率と同様に、その他の部分における光の反射率よりも高くなる。
この場合、ライン部51,56が交わっているように見える場所のうち、上述の立体交差点における光の反射率が、交点51a,56aや分断部53,58などのその他の場所における光の反射率よりも低くなる。この結果、ライン部51,56が交わって見える場所の明るさにばらつきが生じ、目立ってしまうことが考えられる。
これに対して本変形例によれば、第2分断部58の位置だけでなく立体交差点の位置にも第1突出部54が配置されている。このため、ライン部51,56が交わって見える場所のうち、立体交差点における光の反射率を、交点51a,56aや分断部53,58などのその他の場所における光の反射率と同等にすることができる。これによって、ライン部51,56が交わっているように見える場所の明るさにばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
なお図13に示す例においては、第2分断部58が設けられていない場所において第1突出部54が設けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、第1分断部53が設けられていない場所において第2突出部59が設けられていてもよい。すなわち、第2突出部59は、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に第1ライン部51と第2ライン部56とが重なる位置において、第2ライン部56が延びる方向とは交差する方向で第2ライン部56から突出するよう配置されていてもよい。この場合、好ましくは、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に第2突出部59が第1ライン部51に重なるか、若しくは第2突出部59が第1ライン部51に隣接するよう、第2突出部59が配置される。
(第1ライン部および第2ライン部の配列の変形例)
上述の実施の形態の形態においては、第1ライン部51および第2ライン部56がそれぞれ規則的に配置される例を示した。具体的には、第1ライン部51の複数の交点51aおよび第2ライン部56の複数の交点56aがそれぞれ所定の方向に沿って周期的に並ぶよう、第1ライン部51および第2ライン部56が配置される例を示した。しかしながら、図15に示すように、第1ライン部51は、複数の交点51aが不規則に並ぶように配置されていてもよい。図15に示すような第1ライン部51のパターンは、例えば、はじめに、複数の交点51aがそれぞれ所定の方向に沿って周期的に並ぶように第1ライン部51を配置し、次に、隣接する交点51a間の距離よりも小さい距離だけ様々な方向で各交点51aをランダムに変位させることにより、作製され得る。複数の交点51aが不規則に並ぶように第1ライン部51を配置することにより、例えば、モアレを低減するという効果が期待される。なお図示はしないが、第2ライン部56も、第1ライン部51の場合と同様に、複数の交点56aが不規則に並ぶように配置されていてもよい。
図15に示す本変形例においても、第1導線50は、第2導線55の第2分断部58と重なる位置において、第1ライン部51が延びる方向とは交差する方向で第1ライン部51から突出した第1突出部54を含んでいる。このため、第2分断部58が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。
(分断部がずれている変形例)
上述した実施の形態では、第1導線50は、第2導線55の第2分断部58と重なる位置において第1ライン部51が延びる方向とは交差する方向で第1ライン部51から突出した第1突出部54を含んでいたが、第1導線は、第1ライン部から突出し且つ導電性パターン基板の一方の側から見た場合に第2導線の第2分断部と重なる位置を延びる第1突出部54を含んでいてもよい。すなわち、第1ライン部51が第2分断部58上に存在しなくても、第1突出部54が、第1ライン部51から延び出した後に、第2分断部58上まで延びていればよい。この変形例について、図16乃至図18を用いて説明する。
図16は、第1電極41および第1ダミー部42からなる第1導線50を示す、図3Bに対応する平面図である。図16から理解されるように、符号B1が付された一点鎖線で示される第1電極41の輪郭(言い換えると、第1電極41及び第1ダミー部42の境界)は、図3Bに示した第1導線50の図と異なり、同一方向に延びる隣り合う二つの第1ライン部51の中間部からずれた位置にある。例えば図16に示す例における第1分断部53aは、第1の交点51a1と第2の交点51a2との中間となる位置からずれた位置に設けられている。ここで、第1の交点51a1は、第1分断部53aに分断された二つの第1ライン部51x1,51x2の一方(第1ライン部51x1)と、第1分断部53aの両側に位置して二つの第1ライン部51x1,51x2とそれぞれ交差し且つ隣り合って設けられた他の二つの第1ライン部51y1,51y2の一方(第1ライン部51y1)と、の交点である。また、第2の交点51a2は、二つの第1ライン部51x1,51x2の他方(第1ライン部51x2)と他の二つの第1ライン部51y1,51y2の他方(第1ライン部51y2)との交点である。そして、第1電極41の輪郭を画成する第1分断部53上に、第2導線55の第2ライン部56が存在していない。すなわち、第1分断部53は、導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、第2ライン部56とずれた位置に設けられている。
この変形例において、第1突出部54は、第2分断部58上を延びるように配置されている。第1突出部54は、第2分断部58上を延びていれば、任意の形状でよい。例えば図16に示す第1突出部54aのように、第1突出部54は、上述した実施例と同様に第1ライン部51と交差するようにして当該第1ライン部の両側に突出するようにしてもよい。また、図16に示す第1突出部54bのように、第1突出部54は、第1ライン部51の片側のみに突出するようにしてもよい。あるいは、図16に示す第1突出部54cのように、第1突出部54は、第1ライン部51から延び出し、その後に屈曲または湾曲するようにしてもよい。
同様に、図17は、第2電極46および第2ダミー部47からなる第2導線55を示す、図4Bに対応する平面図である。符号B2が付された一点鎖線で示される第2電極46の輪郭は、図4Bに示した第2導線55の図と異なり、同一方向に延びる隣り合う二つの第2ライン部56の中間部からずれた位置にある。例えば図17に示す例における第2分断部58aは、第1の交点56a1と第2の交点56a2との中間となる位置からずれた位置に設けられている。ここで第1の交点56a1は、第2分断部58aに分断された二つの第2ライン部56x1,56x2の一方と、第2分断部58aの両側に位置して二つの第2ライン部56x1,56x2とそれぞれ交差し且つ隣り合って設けられた他の二つの第2ライン部56y1,56y2の一方と、の交点である。また、第2の交点56a2は、二つの第2ライン部56x1,56x2の他方と他の二つの第2ライン部56y1,56y2の他方との交点である。そして、第2電極46の輪郭を画成する第2分断部58上に、第1導線50の第1ライン部51が存在していない。すなわち、第2分断部58は、導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、第1ライン51とずれた位置に設けられている。
第2突出部59は、第1分断部53上を延びるように配置されている。第2突出部59もまた、第1分断部53上を延びていれば、任意の形状でよい。例えば図17に示す第2突出部59aのように、第2突出部59は、上述した実施例と同様に第2ライン部56と交差するようにして当該第2ライン部の両側に突出するようにしてもよい。また、図17に示す第2突出部59bのように、第2突出部59は、第2ライン部56の片側のみに突出するようにしてもよい。あるいは、図17に示す第2突出部59cのように、第2突出部59は、第2ライン部56から延び出し、その後に屈曲または湾曲するようにしてもよい。
図18は、図16に示した第1導線50と、図17に示した第2導線55を重ねて示す、図5Bに対応する平面図である。なお、図18においては、便宜上、タッチパネル基板30の一方の側に設けられている、第1電極41や第1ダミー部42などの構成要素が、タッチパネル基板30の他方の側に設けられている、第2電極46や第2ダミー部47などの構成要素よりも太い線で表されている。図示から明らかなように、第1突出部54は、第1ライン部の第2分断部58と交差していない位置から延び出し、第2分断部58上まで延びている。より具体的には、図16の第1突出部54aが図17の第2分断部58aと重なり、図16の第1突出部54bが図17の第2分断部58bと重なり、図16の第1突出部54cが図17の第2分断部58cと重なり、図16の第1突出部54dが図17の第2分断部58dと重なっている。とりわけ、図示された例において、第1突出部54は、第1ライン部の第2ライン部と交差する位置から延び出し、第2ライン部上を延びて第2分断部に到達している。同様に、第2突出部59は、第2ライン部の第1分断部と交差していない位置から延び出し、第1分断部上まで延びている。より具体的には、図17の第2突出部59aが図16の第1分断部53aと重なり、図17の第2突出部59bが図16の第1分断部53bと重なり、図17の第2突出部59cが図16の第1分断部53cと重なっている。とりわけ、図示された例において、第2突出部は、第2ライン部の第1ライン部と交差する位置から延び出し、第1ライン部上を延びて第1分断部に到達している。
この変形例においても、上述の実施の形態と同様に、分断部での光の透過を抑制することができ、また、分断部に起因するモアレの発生を抑制することができる。さらには、電極の輪郭をライン部の中間にする必要がないので、電極の設計の自由度を上げることができる。
また、上述の実施形態および変形例においては、図3A乃至図5B、図16乃至図18に示されるように、第1電極41の輪郭(言い換えると、第1電極41及び第2ダミー部42の境界)B1及び第2電極46の輪郭(言い換えると、第2電極46及び第2ダミー部47の境界)B2は、第1ライン部51又は第2ライン部56が延びる方向とそれぞれ平行に示されていた。しかしながら、これに限らず、図19乃至図21に示すように、第1電極41の輪郭B1及び第2電極46の輪郭B2は、第1ライン部51及び第2ライン部56が延びる方向と非平行であってもよい。図19は第1電極41の輪郭B1が第1方向M1及び第2方向M2と非平行である第1導線50を、図20は第2電極46の輪郭B2が第1方向M1及び第2方向M2と非平行である第2導線55を、それぞれ示している。上述の変形例と同様に、導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、第1分断部53は第2ライン部56とずれた位置に設けられており、第2分断部58は第1ライン51とずれた位置に設けられている。
図21は、図19に示した第1導線50と、図20に示した第2導線55を重ねて示す平面図である。図21から明らかなように、この場合においても、第1突出部54は、第1ライン部の第2ライン部と交差する位置から延び出し、第2ライン部上を延びて第2分断部に到達している。より具体的には、図19の第1突出部54aが図20の第2分断部58aと重なり、図19の第1突出部54bが図20の第2分断部58bと重なり、図19の第1突出部54cが図20の第2分断部58cと重なり、図19の第1突出部54dが図20の第2分断部58dと重なっている。同様に、第2突出部59は、第2ライン部の第1分断部と交差していない位置から延び出し、第1分断部上まで延びている。より具体的には、図20の第2突出部59aが図19の第1分断部53aと重なり、図20の第2突出部59bが図19の第1分断部53bと重なり、図20の第2突出部59cが図19の第1分断部53cと重なり、図20の第2突出部59dが図19の第1分断部53dと重なり、図20の第2突出部59eが図19の第1分断部53eと重なっている。とりわけ、図示された例において、第2突出部は、第2ライン部の第1ライン部と交差する位置から延び出し、第1ライン部上を延びて第1分断部に到達している。
したがって、上述の実施の形態及び変形例と同様に、分断部での光の透過を抑制することができ、また、分断部に起因するモアレの発生を抑制することができる。さらには、電極の輪郭をライン部に依存させず任意に設計できるので、電極の設計の自由度をさらに上げることができる。
第1電極41の輪郭B1及び第2電極46の輪郭B2が、第1ライン部51及び第2ライン部56の延びる方向と非平行な方向に直線状に延びる場合、第1電極41の輪郭B1が、二つの第1ライン部51の交点51a上を通過することや、第2電極46の輪郭B2が、二つの第2ライン部56の交点56a上を通過することもあり得る。すなわち、ライン部の交点に分断部を配置しなければならないことも想定される。一方、網目状の配列された導線を作製する場合、とりわけ上述したフォトリソグラフィー技術を用いたエッチングでのパターニングで網目状導線を作製する場合、導線の幅が交点の近傍においてばらつくといった問題が生じ得る。一般的には、導線の幅が交点の近傍において太くなる傾向がある。このような交点近傍における導線の幅のばらつきを抑えることを目的として、予め、導線の幅の目標値からのずれ量を見込んで、設計が行われている。しかしながら、交点およびその近傍に分断部が配置されると、導線の幅のばらつきが顕著となり、これにともなって導線の幅のばらつきを抑える設計が大幅に煩雑化してしまう。このため、図19〜図21に示された例では、第1電極41の輪郭B1は、二つの第1ライン部51の交点51aを避けるように規定され、第2電極46の輪郭B2は、二つの第2ライン部56の交点56aを避けるように規定されている。すなわち、第1分断部53が第1ライン部51の交点51aからずらして配置され、第2分断部58が第2ライン部56の交点56aからずらして配置されている。
なお、この変形例においても、上述の実施の形態の同様に、ダミー部42,47にも分断部を設けてもよい。この場合、当該ダミー部に対応して突出部が設けられる。また、第1導線50と第2導線55のうち、一方のみが本変形例の態様となるようにしてもよい。
(ダミー部の配置の変形例)
上述の実施の形態では、電極とダミー部のそれぞれに、適宜突出部および分断部が設けられる例を示した。しかしながら、図22に示すように、ダミー部には分断部のみが設けられ、電極には突出部のみが設けられるようにしてもよい。なお、図22においては、便宜上、タッチパネル基板30の一方の側に設けられている、第1電極41や第1ダミー部42などの構成要素が、タッチパネル基板30の他方の側に設けられている、第2電極46や第2ダミー部47などの構成要素よりも太い線で表されている。図22では、第1導線50の第1電極41には第1分断部が設けられず第1突出部54のみが設けられ、第2導線55の第2ダミー部47には第2突出部が設けられず第2分断部58のみが設けられている例を示しているが、第1導線50と第2導線55とが逆でも当然よい。この変形例において、電極とダミー部がそれぞれ簡易な設計とすることができる。
(層構成の変形例)
また上述の実施の形態の形態においては、第1電極41および第1ダミー部42を構成する第1導線50が、基材32の第1面32a上に設けられ、第2電極46および第2ダミー部47を構成する第2導線55が、基材32の第2面32b上に設けられる例を示した。しかしながら、タッチパネル基板30の一方の側から見た場合に、第1分断部53が第2ライン部56および第2突出部59と少なくとも部分的に重なり、第2分断部58が第1ライン部51および第1突出部54と少なくとも部分的に重なることができる限りにおいて、タッチパネル基板30の層構成が特に限られることはない。例えば図23Aに示すように、互いに対向する2つの基材32A,32Bの対向面の一方(第1の基材32A)に第1導線50を設け、他方(第2の基材32B)に第2導線55を設け、そして2つの基材32を貼り合わせてもよい。このように2つの基材32A,32Bを貼り合わせる場合であっても、第1導線50によって、タッチパネル基板30の一方の側に設けられる第1電極41および第1ダミー部42を構成することができ、また第2導線55によって、タッチパネル基板30の他方の側に設けられる第2電極46および第2ダミー部47を構成することができる。また、第1ライン部51および第1突出部54が第2分断部58と少なくとも部分的に重なり、第2ライン部56および第2突出部59(図示せず)が第1分断部53(図示せず)と少なくとも部分的に重なるよう、第1導線50および第2導線55を配置することにより、分断部53,58が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。
なお図23Aにおいては、第1の基材32Aのうち第1導線50が設けられている面と、第2の基材32Bのうち第2導線55が設けられている面とが向かい合うように2つの基材32A,32Bを貼りあわせ、これによって、タッチパネル基板30の一方の側に設けられる第1ライン部51および第1突出部54が、タッチパネル基板30の他方の側に設けられる第2ライン部56の間の第2分断部58と少なくとも部分的に重なる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図23Bに示すように、第1の基材32Aのうち第1導線50が設けられている面とは反対側の面と、第2の基材32Bのうち第2導線55が設けられている面とは反対側の面とが向かい合うように、2つの基材32A,32Bを貼りあわせてもよい。その他にも、図23Cに示すように、第1の基材32Aのうち第1導線50が設けられている面とは反対側の面と、第2の基材32Bのうち第2導線55が設けられている面とが向かい合うように、2つの基材32A,32Bを貼りあわせてもよい。これらの場合であっても、第1ライン部51および第1突出部54が第2分断部58と少なくとも部分的に重なり、第2ライン部56および第2突出部59(図示せず)が第1分断部53(図示せず)と少なくとも部分的に重なるよう、第1導線50および第2導線55を配置することにより、分断部53,58が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。
(電極のパターンの変形例)
また上述の実施の形態の形態においては、電極41,46が膨出部41a,46aおよび線状部41b,46bを含む例を示した。すなわち、電極41,46のパターンがいわゆるダイヤモンドパターンである例を示した。しかしながら、電極41,46のパターンが特に限られることはない。例えば図24に示すように、電極41,46のパターンとして、いわゆるストライプパターンが採用されてもよい。
(その他の変形例)
上述の実施の形態の形態においては、複数の第2分断部58の全てに第1ライン部51および第1突出部54が重ねられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、複数の第2分断部58の少なくとも一部が第1ライン部51および第1突出部54に重なっていればよい。例えば、第2電極46と第2ダミー部47との境界を区画する第2分断部58には第1ライン部51および第1突出部54が重ねられるが、第2ダミー部47内の第2分断部58には第1ライン部51および第1突出部54が重ねられない、という配置が採用されてもよい。反対に、第2ダミー部47内の第2分断部58には第1ライン部51および第1突出部54が重ねられるが、第2電極46と第2ダミー部47との境界を区画する第2分断部58には第1ライン部51および第1突出部54が重ねられない、という配置が採用されてもよい。また、複数の第2分断部58が一定の比率で第1ライン部51および第1突出部54に重ねられるようになっていてもよい。第1分断部53についても同様に、複数の第1分断部53の少なくとも一部が第2ライン部56および第2突出部59に重ねられていればよい。この場合であっても、第1分断部53や第2分断部58が無秩序に配置されている場合に比べれば、電極41,46が設けられている領域における光の透過率と、分断部53,58を含む領域における光の透過率との差を小さくすることができる。
また上述の実施の形態の形態においては、第1ライン部51および第1突出部54が第2分断部58と少なくとも部分的に重なり、第2ライン部56および第2突出部59が第1分断部53と少なくとも部分的に重なるよう配置された第1導線50および第2導線55を用いて、タッチパネル基板30を構成する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、タッチパネル基板30以外にも、上述の第1導線50および第2導線55を用いて、導電性を有するパターンを備えた様々な導電性パターン基板を構成することができる。例えば、移動体用メッシュアンテナや電磁波シールド等として使用される導電性パターン基板を構成することができる。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 タッチ位置検出機能付き表示装置
15 表示装置
20 タッチパネル装置
30 タッチパネル基板
32 基材
41 第1電極
41a 第1膨出部
41b 第1線状部
42 第1ダミー部
46 第2電極
46a 第2膨出部
46b 第2線状部
47 第2ダミー部
50 第1導線
51 第1ライン部
51a 交点
52 第1開口部
53 第1分断部
54 第1突出部
55 第2導線
56 第2ライン部
56a 交点
57 第2開口部
58 第2分断部
59 第2突出部
60 積層体
61 第1金属層
66 第2金属層
71 第1感光層
72 第1露光マスク
76 第2感光層
77 第2露光マスク
D1 第1電極方向
D2 第2電極方向
M1 第1方向
M2 第2方向

Claims (10)

  1. 導電性を有するパターンが設けられた導電性パターン基板であって、
    導電性パターン基板の一方の側に網目状に配置された複数の第1ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第1導線と、
    導電性パターン基板の他方の側に網目状に配置された複数の第2ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第2導線と、を備え、
    前記第2導線には、前記第2ライン部を電気的に分断するための複数の第2分断部が設けられており、
    前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、前記第2導線の前記複数の第2分断部の少なくとも一部は、前記第1導線の前記第1ライン部と部分的に重なっており、
    前記第1導線は、前記第2導線の前記第2分断部と重なる位置において、前記第1ライン部が延びる方向とは交差する方向で前記第1ライン部から突出した第1突出部をさらに含む、導電性パターン基板。
  2. 導電性パターン基板であって、
    第1の基材と、
    前記第1の基材に網目状に配置された複数の第1ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第1導線と、
    前記第1の基材と向かい合うよう配置された第2の基材と、
    前記第2の基材に網目状に配置された複数の第2ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第2導線と、を備え、
    前記第2導線には、前記第2ライン部を電気的に分断するための複数の第2分断部が設けられており、
    前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、前記第2導線の前記複数の第2分断部の少なくとも一部は、前記第1導線の前記第1ライン部と部分的に重なっており、
    前記第1導線は、前記第2導線の前記第2分断部と重なる位置において、前記第1ライン部が延びる方向とは交差する方向で前記第1ライン部から突出した第1突出部をさらに含む、導電性パターン基板。
  3. 導電性を有するパターンが設けられた導電性パターン基板であって、
    導電性パターン基板の一方の側に網目状に配置された複数の第1ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第1導線と、
    導電性パターン基板の他方の側に網目状に配置された複数の第2ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第2導線と、を備え、
    前記第2導線には、前記第2ライン部を電気的に分断するための複数の第2分断部が設けられており、
    前記第1導線は、前記第1ライン部から突出し且つ前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に前記第2導線の前記第2分断部と重なる位置を延びる第1突出部をさらに含む、導電性パターン基板。
  4. 導電性パターン基板であって、
    第1の基材と、
    前記第1の基材に網目状に配置された複数の第1ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第1導線と、
    前記第1の基材と向かい合うよう配置された第2の基材と、
    前記第2の基材に網目状に配置された複数の第2ライン部を含み、遮光性および導電性を有する第2導線と、を備え、
    前記第2導線には、前記第2ライン部を電気的に分断するための複数の第2分断部が設けられており、
    前記第1導線は、前記第1ライン部から突出し且つ前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に前記第2導線の前記第2分断部と重なる位置を延びる第1突出部をさらに含む、導電性パターン基板。
  5. 前記第2分断部は、前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、前記第1ライン部とずれた位置に設けられている、請求項3または4に記載の導電性パターン基板。
  6. 前記第2分断部は、当該第2分断部に分断された二つの第2ライン部と、当該第2分断部の両側に位置して前記二つの第2ライン部とそれぞれ交差し且つ隣り合って設けられた他の二つの第2ライン部と、の交点の中間からずれた位置に設けられている、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の導電性パターン基板。
  7. 前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、前記第1導線の第1突出部は、前記第2導線の前記第2ライン部と部分的に重なっている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の導電性パターン基板。
  8. 前記第1導線には、前記第1ライン部を電気的に分断するための複数の第1分断部が設けられており、
    前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に、前記第1導線の前記複数の第1分断部の少なくとも一部は、前記第2導線の前記第2ライン部と部分的に重なっており、
    前記第2導線は、前記第1導線の前記第1分断部と重なる位置において、前記第2ライン部が延びる方向とは交差する方向で前記第2ライン部から突出した第2突出部をさらに含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の導電性パターン基板。
  9. 前記第1導線は、前記導電性パターン基板の一方の側から見た場合に前記第1導線の前記第1ライン部と前記第2導線の前記第2ライン部とが重なる位置において、前記第1ライン部が延びる方向とは交差する方向で前記第1ライン部から突出した第1突出部をさらに含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の導電性パターン基板。
  10. 前記導電性パターン基板は、タッチパネル基板として機能するものであり、
    前記複数の第1導線によって、第1電極方向に延びる複数の第1電極と、前記第1電極の間に配置された複数の第1ダミー部と、が構成され、
    前記複数の第2導線によって、前記第1電極方向と交差する第2電極方向に延びる複数の第2電極と、前記第2電極の間に配置された複数の第2ダミー部と、が構成され、
    前記第2分断部は、前記第2電極を構成する前記第2ライン部と前記第2ダミー部を構成する前記第2ライン部との間、または、前記第2ダミー部を構成する前記第2ライン部同士の間に位置している、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の導電性パターン基板。
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