JP6205995B2 - タッチパネルセンサおよびタッチ位置検出機能付き表示装置 - Google Patents

タッチパネルセンサおよびタッチ位置検出機能付き表示装置 Download PDF

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本発明は、タッチパネルセンサに関する。また本発明は、タッチパネルセンサと表示装置とを組み合わせることによって得られるタッチ位置検出機能付き表示装置に関する。
今日、入力手段として、タッチパネル装置が広く用いられている。タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサ上への接触位置を検出する制御回路、配線およびFPC(フレキシブルプリント基板)を含んでいる。タッチパネル装置は、多くの場合、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置においては、タッチパネルセンサが表示装置の表示面上に配置されており、これによって、表示装置に対する極めて直接的な入力が可能になっている。タッチパネルセンサのうち表示装置の表示領域に対面する領域は透明になっており、タッチパネルセンサのこの領域が、接触位置(接近位置)を検出し得るアクティブエリアを構成するようになる。
タッチパネルセンサとして、投影型容量結合方式のタッチパネルセンサが知られている。容量結合方式のタッチパネルセンサにおいては、位置を検知されるべき外部導体(典型的には、指)が誘電体を介してタッチパネルセンサに接触(接近)する際、新たに奇生容量が発生する。この奇生容量に起因する静電容量の変化に基づいて、タッチパネルセンサ上における外部導体の位置が検出される。このような投影型容量結合方式のタッチパネルセンサは、例えば特許文献1に示すように、第1面および第1面に対向する第2面を含む基材と、基材の第1面上に設けられ、第1方向に延びる複数の第1電極と、基材の第2面上に設けられ、第1方向に交差する第2方向に延びる複数の第2電極と、を備えている。第1電極および第2電極は、例えば、透光性および導電性を有する透明導電材料から構成される。このタイプのタッチパネルセンサにおいては、第1電極と第2電極とが交差する部分(以下、交差部分とも称する)において第1電極と第2電極との間に形成される静電容量が、指などの外部導体の接近に起因して変化する。
ところで、第1電極および第2電極のうち外部導体からより遠い位置に配置されている一方の電極は、交差部分において外部導体に対して他方の電極によって覆われることになる。従って一方の電極は、交差部分において、外部導体との間で静電容量を形成することができない。この結果、一方の電極に基づくタッチ位置の検出精度が、他方の電極に基づくタッチ位置の検出精度に比べて低くなってしまうことが考えられる。このような問題を解決するため、特許文献2においては、外部導体からより近い位置に配置されている他方の電極の幅を、一方の電極の幅よりも小さくし、これによって、一方の電極のうち他方の電極によって覆われている部分の比率を低減することが提案されている。
特開2011−8724号公報 特開2010−72584号公報
特許文献2において提案されているように他方の電極の幅を小さくすると、他方の電極の電気抵抗値の増加を招くことになる。この場合、他方の電極に流れる信号の振幅が低下し、この結果、他方の電極に基づくタッチ位置の検出精度が劣化してしまうことが考えられる。また、他方の電極に流れる信号の伝達速度の低下も懸念される。
また近年は、タッチパネルセンサが搭載される表示装置のサイズが年々拡大しており、従って、タッチパネルセンサの大型化が求められている。しかしながら、タッチパネルセンサが大型化することは、第1電極および第2電極の長さが増加して各電極の電気抵抗値が増加することを意味している。従って、外部導体からより近い位置に配置されている他方の電極の幅を、一方の電極の幅よりも単に小さくするだけでは、タッチパネルセンサの大型化という要求、および、タッチ位置の検出精度の確保という2つの要求に応えることが困難である。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るタッチパネルセンサおよびタッチ位置検出機能付き表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、静電容量方式のタッチパネルセンサであって、第1面および前記第1面に対向する第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面上に設けられ、第1方向に延びる複数の第1電極と、前記基材の前記第2面上に設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の第2電極と、を備え、前記第1電極は、前記第1方向に帯状に延びる第1透明導電層と、前記第1透明導電層の観察者側の面上または表示装置側の面上に積層された第1金属層と、を有し、前記第2電極は、前記第2方向に帯状に延びる第2透明導電層を有し、前記第1金属層は、前記第1方向における前記第1透明導電層の一端から他端に向かって線状に延びている、タッチパネルセンサである。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記基材の前記第1面は、観察者側を向く面であり、前記基材の前記第2面は、表示装置側を向く面であってもよい。この場合、前記第2電極の前記第2透明導電層の幅が、前記第1電極の前記第1透明導電層の幅よりも大きくなっていてもよい。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、好ましくは、隣接する2つの前記第1電極の前記第1透明導電層の間の間隔が、前記第1透明導電層の幅よりも大きくなっている。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、好ましくは、隣接する2つの前記第2電極の前記第2透明導電層の間の間隔が、30μm以下になっている。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1金属層の表面または側面に、低反射処理が施されていてもよい。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1金属層は、前記第1方向における前記第1透明導電層の一端から他端に向かって蛇行状に線状に延びていてもよい。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記タッチパネルセンサは、アクティブエリアと、前記アクティブエリアの周辺に位置する非アクティブエリアと、に区画され、前記アクティブエリアには、前記第1電極および前記第2電極が設けられており、前記タッチパネルセンサは、前記非アクティブエリアに設けられ、前記第1電極に電気的に接続された複数の第1額縁配線をさらに備え、隣接する2つの前記第1電極の間には、前記第1電極および前記第1額縁配線のいずれにも電気的に接続されていないダミーパターンが設けられていてもよい。この場合、前記ダミーパターンは、透光性および導電性を有する透明導電材料から構成された層を含んでいる。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記ダミーパターンは、金属材料から構成された層をさらに含んでいてもよい。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1金属層は、前記第1透明導電層の観察者側の面上に積層されていてもよい。若しくは、前記第1金属層は、前記第1透明導電層の表示装置側の面上に積層されていてもよい。
本発明は、表示装置と、前記表示装置の表示面上に配置された静電容量方式のタッチパネルセンサと、を備え、前記タッチパネルセンサは、第1面および前記第1面に対向する第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面上に設けられ、第1方向に延びる複数の第1電極と、前記基材の前記第2面上に設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の第2電極と、を備え、前記第1電極は、前記第1方向に帯状に延びる第1透明導電層と、前記第1透明導電層の観察者側の面上または表示装置側の面上に積層された第1金属層と、を有し、前記第2電極は、前記第2方向に帯状に延びる第2透明導電層を有し、前記第1金属層は、前記第1方向における前記第1透明導電層の一端から他端に向かって線状に延びている、タッチ位置検出機能付き表示装置。
本発明において、基材の第1面上に設けられる第1電極は、第1方向に帯状に延びる第1透明導電層と、第1透明導電層に積層された第1金属層と、を有している。第1金属層は、第1方向における第1透明導電層の一端から他端に向かって線状に延びている。このため、第1透明導電層の幅が小さい場合であっても、第1金属層が存在することにより、第1電極の導電性を十分に確保することができ、従って、タッチパネルセンサの大型化に対応することができる。また、第1透明導電層の幅を小さくすることが可能であるため、第1電極および第2電極のパターンの設計の自由度が高くなっている。従って、第1電極および第2電極の電気抵抗値を仕様に沿って柔軟に設定することができ、このことにより、第1電極および第2電極それぞれに基づくタッチ位置の検出精度を適切に確保することができる。このため本発明によれば、大型化およびタッチ位置の検出精度の確保という2つの要求に応えるタッチパネルセンサを提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態におけるタッチ位置検出機能付き表示装置を示す展開図。 図2は、図1のタッチ位置検出機能付き表示装置におけるタッチパネルセンサを示す平面図。 図3は、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す平面図。 図4は、タッチパネルセンサを図3のIV線に沿って切断した場合を示す断面図。 図5は、タッチパネルセンサを図3のV線に沿って切断した場合を示す断面図。 図6(a)〜(f)は、タッチパネルセンサの製造方法を説明するための図。 図7は、タッチパネルセンサの一変形例を示す平面図。 図8は、図7において符号VIIIが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す平面図。 図9は、タッチパネルセンサを図8のIX線に沿って切断した場合を示す断面図。 図10は、第1金属層の表面に施される低反射処理の一例を示す断面図。 図11は、第1金属層のパターンの一変形例を示す平面図。 図12は、第1電極の層構成の一変形例を示す断面図。 図13(a)〜(f)は、図12に示す第1電極を備えたタッチパネルセンサの製造方法を説明するための図。
以下、図1乃至図6(a)〜(f)を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
タッチパネル装置およびタッチ位置検出機能付き表示装置
はじめに図1を参照して、タッチパネルセンサ30を備えたタッチ位置検出機能付き表示装置10について説明する。図1に示すように、タッチ位置検出機能付き表示装置10は、タッチパネルセンサ30と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置15とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
図1に示すように、タッチパネルセンサ30は、表示装置15の表示面16aに、例えば接着層(図示せず)を介して接着されている。
タッチパネルセンサ
次に図2を参照して、タッチパネルセンサ30について説明する。図2は、観察者側から見た場合のタッチパネルセンサ30を示す平面図である。
ここでは、タッチパネルセンサ30が、投影型の静電容量結合方式のタッチパネルセンサとして構成される例について説明する。なお、「容量結合」方式は、タッチパネルの技術分野において「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等とも呼ばれており、本件では、これらの「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等と同義の用語として取り扱う。典型的な静電容量結合方式のタッチパネルセンサは、透光性を有する導電性のパターンを有しており、外部の導体(典型的には人間の指)がタッチパネルセンサに接近することにより、外部の導体とタッチパネルセンサの導電性のパターンとの間でコンデンサ(静電容量)が形成される。そして、このコンデンサの形成に伴った電気的な状態の変化に基づき、タッチパネルセンサ上において外部導体が接近している位置の位置座標が特定される。
図2に示すように、タッチパネルセンサ30は、第1面32aおよび第1面32aに対向する第2面32bを含み、透光性を有する基材32と、基材32の第1面32a上に設けられ、第1方向D1に延びる複数の第1電極41と、基材32の第2面32b上に設けられ、第1方向D1に交差する、例えば第1方向D1に直交する第2方向D2に延びる複数の第2電極46と、を備えている。本実施の形態においては、図1に示すように、第1面32aが、観察者側を向く面となっており、第2面32bが、表示装置側を向く面となっている。本実施の形態においては、タッチ位置を検出するための所定の駆動信号、例えばパルス信号が第2電極46に伝達される。この駆動信号は、第2電極46と第1電極41との間の容量結合を介して第1電極41に伝達され、そして第1電極41から取り出される。このように、本実施の形態において、第2電極46および第1電極41は、いわゆる相互容量方式のタッチパネルセンサにおける駆動電極および検出電極として機能する。
図2に示すように、第1電極41および第2電極46はそれぞれ、帯状に延びる輪郭を有している。また、複数の第1電極41は一定の配列ピッチで第2方向D2に並べられており、複数の第2電極46も一定の配列ピッチで第1方向D1に並べられている。通常は、第2方向D2における第1電極41の配列ピッチと、第1方向D1における第2電極46の配列ピッチとは同一になっている。第1電極41および第2電極46の配列ピッチは、タッチ位置の検出に関して求められる分解能に応じて定められるが、例えば数mmになっている。なお図2においては、基材32の第1面32a側に設けられている構成要素が実線で表され、基材32の第2面32b側に設けられている構成要素が点線で表されている。
図1に示すように、タッチパネルセンサ30の基材32は、タッチ位置を検出され得る領域に対応する矩形状のアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1の周辺に位置する矩形枠状の非アクティブエリアAa2と、を含んでいる。アクティブエリアAa1および非アクティブエリアAa2はそれぞれ、表示パネル16のアクティブエリアA1および非アクティブエリアA2に対応して区画されたものである。
上述の第1電極41および第2電極46は、アクティブエリアAa1内に配置されている。また非アクティブエリアAa2のうち基材32の第1面32a上には、各第1電極41に電気的に接続された複数の第1額縁配線43と、基材32の外縁近傍に配置され、各第1額縁配線43に電気的に接続された複数の第1端子部44と、が設けられている。さらに、非アクティブエリアAa2のうち基材32の第2面32b上には、各第2電極46に電気的に接続された複数の第2額縁配線48と、基材32の外縁近傍に配置され、各第2額縁配線48に電気的に接続された複数の第2端子部49と、が設けられている。
以下、タッチパネルセンサ30の各構成要素について説明する。
(基材)
基材32は、タッチパネルセンサ30において誘電体として機能するものである。基材32を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)やガラスなど、十分な透光性を有する材料が用いられる。なお第1電極41、第2電極46、額縁配線43,48や端子部44,49を適切に保持することができる限りにおいて、基材32の具体的な構成が特に限られることはない。例えば基材32は、タッチパネルセンサ30における光の反射率や透過率を調整するためのインデックスマッチング層をさらに含んでいてもよい。他にも、PET層などの表面に設けられたハードコート層がさらに基材32に含まれていてもよい。すなわち本実施の形態において、基材32とは、何らかの具体的な構造や材料を意味するものではなく、タッチパネルセンサ30を構成する第1電極41や第2電極46などのパターンの下地となるものを意味するに過ぎない。
(第1電極)
次に図3および図4を参照して、第1電極41について説明する。図3は、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す平面図であり、図4は、タッチパネルセンサ30を図3のIV線に沿って切断した場合を示す断面図である。
図3および図4に示すように、第1電極41は、前記第1方向に帯状に延びる第1透明導電層51と、第1透明導電層51に積層された第1金属層52と、を有している。本実施の形態において、第1金属層52は、第1透明導電層51の観察者側の面上に積層されている。第1金属層52は、第1電極41の電気抵抗値を低減するために第1透明導電層51上に積層される層である。第1金属層52は、第1方向D1における第1透明導電層の一端から他端に向かって線状に延びている。図3に示す例では、第1金属層52は、第1方向D1に沿って直線状に延びている。なお「帯状」とは、第1透明導電層51の幅W1が、第1方向D1における位置によらずほぼ一定であることを意味している。また「線状」とは、帯状に延びる第1透明導電層51の幅W1に比べて、第1金属層52の幅W3が著しく小さいことを意味している。例えば、第1透明導電層51の幅W1は0.5〜1.0mmの範囲内になっており、一方、第1金属層52の幅W3は1〜10μmの範囲内、より好ましくは2〜7μmの範囲内になっている。
第1透明導電層51は、透光性および導電性を有する透明導電材料から構成されている。第1透明導電層51を構成する材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物を挙げることができる。また、これらの金属酸化物が2種以上複合されたものが用いられてもよい。第1透明導電層51の厚みは、光の透過率を十分に確保できるよう、例えば10nm〜50nmの範囲内になっている。
一方、第1金属層52は、透光性および導電性を有する金属材料から構成されている。第1金属層52を構成する材料としては、銀、銅若しくはクロム、またはこれらの合金などを用いることができる。第1金属層52の厚みは、第1電極41に対して求められる電気抵抗値などに応じて適宜設定されるが、例えば0.1〜3μmの範囲内となっている。
一般に、金属材料の導電性は、透明導電材料の導電性に比べて極めて優れている。例えば、銅の導電率は、代表的な透明導電材料であるITOの導電率よりも1桁以上高い。このため、上述のように第1金属層52の幅W3が第1透明導電層51の幅W1よりも著しく小さい場合であっても、第1金属層52を第1透明導電層51に積層することにより、第1電極41が第1透明導電層51のみから構成される場合に比べて、第1電極41の電気抵抗値を効果的に低減することができる。
なお従来から、第1電極の電気抵抗値を低減するための方法として、網目状に配置された金属配線を用いて第1電極を構成することが提案されている。この場合、第1電極を流れる電気信号が金属配線のみによって伝達されるため、金属配線は、第1電極の一端から他端まで連続的に延びている必要がある。一方、本実施の形態においては、第1透明導電層51が第1電極41の一端から他端まで連続的に帯状に延びているため、第1金属層52が第1電極41の一端から他端まで連続的に延びている必要はない。例えば第1金属層52は、図示はしないが、第1方向D1における第1透明導電層51の一端から他端に向かって断続的に第1透明導電層51に積層されたものであってもよい。この場合であっても、部分的に信号が第1金属層52を流れることにより、第1電極41全体としての電気抵抗値を低減することができる。
なお図3においては、線状に延びる第1金属層52が1本のみ設けられている例が示されているが、これに限られることはない。例えば、線状に延びる第1金属層52が第1透明導電層51上に複数本設けられていてもよい。この場合、線状に延びる各第1金属層52は、それぞれ単一の経路で延びていてもよい。すなわち、線状に延びる各第1金属層52は、互いに接続されていなくてもよい。
ところで、金属材料からなる第1金属層52が設けられる場合、上述のように第1金属層52の幅W3を小さく設定したとしても、金属材料が有する金属光沢に起因して第1金属層52が観察者に視認されてしまう可能性がある。第1金属層52が視認されることは、タッチ位置検出機能付き表示装置10の意匠性が低下することや、表示装置15からの映像の視認性が低下することを導く。このような悪影響が生じることを防ぐため、第1金属層52の表面や側面には、黒化処理などの低反射処理が施されていることが好ましい。
低反射処理の具体的な内容は特には限られないが、例えば、黒化処理が採用される場合、テルルが溶解された塩酸溶液を用いて、第1金属層52を形成する銅や銀などの表面や側面を黒化することができる。また、第1金属層52の表面に低反射材料を設けることによって、第1金属層52の表面の低反射処理を実施してもよい。低反射材料を設ける方法としては、塗布、蒸着やスパッタリングなど、公知の方法を適宜用いることができる。
(第2電極)
次に図3および図5を参照して、第2電極46について説明する。図5は、タッチパネルセンサ30を図3のV線に沿って切断した場合を示す断面図である。
図3および図5に示すように、第2電極46は、第2方向D2に帯状に延びる第2透明導電層56を有している。第2透明導電層56は、上述の第1透明導電層51と同様に、透光性および導電性を有する透明導電材料から構成されている。第2透明導電層56の厚みは、光の透過率を十分に確保できるよう、例えば10nm〜50nmの範囲内になっている。
(第1電極および第2電極の寸法について)
次に、第1電極41の第1透明導電層51および第2電極46の第2透明導電層56の寸法および位置に関して詳細に説明する。図3および図4において、第1電極41の第1透明導電層51の幅が上述のように符号W1で表されており、隣接する2つの第1透明導電層51の間の間隔が符号S1で表されている。また、図3および図5において、第2電極46の第2透明導電層56の幅が符号W2で表されており、隣接する2つの第2透明導電層56の間の間隔が符号S2で表されている。
本実施の形態において、第2電極46の第2透明導電層56の幅W2は、第1電極41の第1透明導電層51の幅W1よりも大きくなっている。以下、このように設定することの背景および利点について述べる。
まず上述のように、第1電極41は基材32の観察者側の第1面32aに設けられており、一方、第2電極46は、基材32の表示装置側の第2面32bに設けられている。この場合、観察者側にある外部導体と第2電極46の第2透明導電層56との間での結合容量は、第2透明導電層56のうち平面視において第1電極41の第1透明導電層51と重なっていない部分と、外部導体との間で形成される。すなわち、第2透明導電層56のうち平面視において第1透明導電層51によって覆われている部分は、外部導体との間での静電容量(結合容量)の形成に寄与することができない。
ところで上述のように、第1電極41および第2電極46は、すなわち第1透明導電層51および第2透明導電層56は、それぞれ予め定められた所定の配列ピッチで配置されている。従って、第1透明導電層51の幅W1が小さくなるにつれて、隣接する2つの第1透明導電層51の間の間隔S1は大きくなる。また、第2透明導電層56の幅W2が大きくなるにつれて、基材32の表示装置側の第2面32bのうち第2透明導電層56によって占められている領域の比率は大きくなる。このため、上述のように第2透明導電層56の幅W2を第1透明導電層51の幅W1よりも大きくすることは、隣接する2つの第1透明導電層51の間に位置し、外部導体との間で静電容量を形成することができる第2透明導電層56の領域を、より大きく確保することができる、ということを導く。このことにより、第2透明導電層56に基づいて検出される、第1方向における外部導体の位置を、より精度良く算出することが可能になる。
また上述のように、本実施の形態においては、第1電極41の第1透明導電層51に第1金属層52が積層されている。このため、第1透明導電層51の幅W1が第2透明導電層56の幅W2に比べて小さい場合、例えば幅W1が幅W2の10〜30%の範囲内に、具体的には20%程度になっている場合であっても、第1電極41全体としての導電性を十分に確保することができる。従って、第1電極41の導電性を確保しながら、従来に比べて第1電極41の第1透明導電層51の幅を小さくすることができ、このことにより、外部導体との間で静電容量を形成することができる第2透明導電層56の領域をさらに大きく確保することが可能になる。このため、第2透明導電層56を有する第2電極46に基づいて検出される、第1方向における外部導体の位置を、さらに精度良く算出することが可能になる。
好ましくは、隣接する2つの第1透明導電層51の間の間隔S1は、第1透明導電層51の幅W1よりも大きくなっている。このことは、間隔S1が幅W1よりも小さくなっている場合に比べて、アクティブエリアAa1の領域のうち、平面視において外部導体が第1透明導電層51とは重ならないが第2透明導電層56とは重なる、という領域の比率が高くなることを意味している。このため、第2透明導電層56と外部導体との間で静電容量をより安定に形成できるようになる。これによって、第2透明導電層56を有する第2電極46に基づいて検出される、第1方向における外部導体の位置を、さらに精度良く算出することが可能になる。
また好ましくは、隣接する2つの第2透明導電層56の間の間隔S2は、間隔S2が存在していることが観察者によって視認され得ないように設定されている。例えば間隔S2は、30μm以下になっており、さらに好ましくは20μm以下になっている。これによって、アクティブエリアAa1内に第2透明導電層56が設けられていることが観察者に気付かれにくくなり、このことにより、表示装置15からの映像の視認性を高めることができる。なお第1方向における第2透明導電層56の配列ピッチは通常、タッチ位置検出機能付き表示装置10やタッチパネルセンサ30の仕様に応じて定められる一定の値となっている。従って、間隔S2を小さくすることは、第2透明導電層56の幅W2が大きくなることを意味している。このため、間隔S2を小さくことは、第2透明導電層56と外部導体との間に形成される静電容量をより大きくすることを導く。従って、間隔S2を小さくことにより、第2電極46に基づく外部導体の位置の検出精度をさらに高めることもできる。
(額縁配線および端子部)
第2電極46に接続されている第2額縁配線48および第2端子部49は、タッチ位置を検出するための駆動信号を第2電極46に伝達するために設けられたものである。また第1電極41に接続されている第1額縁配線43および第1端子部44は、第1電極41からの検出信号をタッチパネルセンサ30の外部に取り出すために設けられたものである。検出信号並びに駆動信号を適切に伝達することができる限りにおいて、第1額縁配線43および第1端子部44並びに第2額縁配線48および第2端子部49の具体的な構成が特に限られることはない。例えば第1額縁配線43および第1端子部44は、第1電極41を構成する透明導電材料や金属材料と同一の材料を用いて第1電極41と同時に形成されるものであってもよい。同様に、第2額縁配線48および第2端子部49は、第2電極46を構成する透明導電材料と同一の材料を用いて第2電極46と同時に形成されるものであってもよい。また第2額縁配線48および第2端子部49の導電性を高めるため、第2額縁配線48および第2端子部49を構成する透明導電材料の層の上に、後述するように、金属材料からなる金属層がさらに設けられていてもよい。
タッチパネルセンサの製造方法
次に、以上のような構成からなるタッチパネルセンサ30を製造する方法について、図6(a)〜(f)を参照して説明する。なお図6(a)〜(f)は、各製造工程において基材32を図3のIV線に沿って切断した場合を示す断面図である。
はじめに図6(a)に示すように、タッチパネルセンサ30を作製するための元材としての積層体50(ブランクとも呼ばれる)を準備する。積層体50は、基材32と、基材32の第1面32a上に順に設けられた第1透明導電層51および第1金属層52と、基材32の第2面32b上に順に設けられた第2透明導電層56および第2金属層57と、を含んでいる。第2金属層57は、パターニングされることによって上述の第2額縁配線48および第2端子部49を構成するようになる層である。
次に、図6(b)に示すように、第1金属層52上に第1感光層61を所定のパターンで形成する。また、第2金属層57上に第2感光層66を所定のパターンで形成する。第1感光層61および第2感光層66は、特定波長域の光、例えば紫外線に対する感光性を有している。感光層61,66のタイプが特に限られることはない。例えば光溶解型の感光層が用いられてもよく、若しくは光硬化型の感光層が用いられてもよい。ここでは、光溶解型の感光層が用いられる例について説明する。
アクティブエリアAa1に配置される第1感光層61は、第1電極41を構成する第1透明導電層51のパターンに対応したパターンで形成されている。また、アクティブエリアAa1に配置される第2感光層66は、第2電極46を構成する第2透明導電層56のパターンに対応したパターンで形成されている。感光層61,66は、例えば、はじめに、積層体50の表面上にコーターを用いて感光性材料をコーティングし、次に、感光性材料を所定のパターンで露光して現像することによって形成される。
次に、第1感光層61をマスクとして第1金属層52をエッチングする。また、第2感光層66をマスクとして第2金属層57をエッチングする。その後、第1感光層61およびパターニングされた第1金属層52をマスクとして、第1透明導電層51をエッチングする。また、第2感光層66およびパターニングされた第2金属層57をマスクとして、第2透明導電層56をエッチングする。これによって、図6(c)に示すように、第1電極41を構成するための第1透明導電層51、および、第2電極46を構成するための第2透明導電層56を得ることができる。なお上述のエッチングにおいて、金属層52,57用のエッチング液としては、例えば、希塩化鉄、塩化銅、無機系酸および有機酸を含む溶液が用いられる。また透明導電層51,56用のエッチング液としては、例えばハロゲン化水素系(HCl、HF、HBr等)の溶液が用いられる。
なお上述のエッチング工程では、金属層52,57と透明導電層51,56とが別々の工程でエッチングされる例を示したが、これに限られることはなく、金属層52,57および透明導電層51,56の両方を溶解することができるエッチング液を用いて、金属層52,57および透明導電層51,56を同時にエッチングしてもよい。
次に、第1感光層61のうちアクティブエリアAa1内に存在する第1感光層61に対して、所定のパターンで露光光を照射する。具体的には、第1金属層52のうち第1電極41において線状に延びる部分を形成する領域の上に位置する第1感光層61には露光光が照射されず、その他の第1感光層61には露光光が照射されるよう、第1感光層61に対して露光光を照射する。また、第2感光層66のうちアクティブエリアAa1内に存在する第2感光層66全体に対して、露光光を照射する。その後、感光層61,66を現像する。これによって、図6(d)に示すように、第1金属層52のうち第1電極41において線状に延びる部分を形成する領域上の第1感光層61を残して、アクティブエリアAa1内の感光層61,66が除去される。
その後、アクティブエリアAa1内に残っている第1感光層61、および、非アクティブエリアAa2内に残っている第1感光層61をマスクとして、第1金属層52をエッチングする。同様に、非アクティブエリアAa2内に残っている第2感光層66をマスクとして、第2金属層57をエッチングする。これによって、図6(e)に示すようにアクティブエリアAa1内に存在する第1金属層52および第2金属層57を、第1電極41において線状に延びる部分を形成する第1金属層52を残して、除去することができる。次に、図6(f)に示すように、残っている感光層61,66を除去する。
その後、必要に応じて、アクティブエリアAa1内に存在する第1金属層52の表面や側面に黒化処理などの低反射処理を施す。このようにして、観察者側の第1電極41が、帯状に延びる第1透明導電層51と、線状に延びる第1金属層52とから構成され、表示装置側の第2電極46が、帯状に延びる第2透明導電層56から構成されたタッチパネルセンサ30を得ることができる。
本実施の形態によれば、基材32の第1面32a上に設けられる第1電極41は、第1方向D1に帯状に延びる第1透明導電層51と、第1透明導電層51に積層された第1金属層52と、を有している。第1金属層52は、第1方向における第1透明導電層51の一端から他端に向かって線状に延びている。このため、第1透明導電層51の幅W1が小さい場合であっても、第1金属層52が存在することにより、第1電極41の導電性を十分に確保することができ、従って、タッチパネルセンサ30の大型化に対応することができる。
また、第1透明導電層51の幅W1を小さくすることが可能であるため、第1電極41および第2電極46のパターンの設計の自由度が高くなっている。従って、第1電極41および第2電極46の電気抵抗値を仕様に沿って柔軟に設定することができ、このことにより、第1電極41および第2電極46それぞれに基づくタッチ位置の検出精度を適切に確保することができる。このため本実施の形態によれば、大型化およびタッチ位置の検出精度の確保という2つの要求に応えるタッチパネルセンサ30を提供することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(ダミーパターンが設けられる例)
まず第1の変形例として、タッチパネルセンサ30が、隣接する2つの第1電極41の間に設けられ、かつ第1電極41および第1額縁配線43のいずれにも電気的に接続されていないダミーパターン42をさらに備える例について説明する。図7は、本変形例におけるタッチパネルセンサ30を示す平面図である。図8は、図7において符号VIIIが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す平面図であり、図9は、タッチパネルセンサ30を図8のIX線に沿って切断した場合を示す断面図である。図9に示すように、ダミーパターン42は、第1電極41と同様に、基材32の第1面32a上に設けられている。
ダミーパターン42は、第1電極41と同様に、透光性および導電性を有する透明導電材料から構成された層を含んでいる。例えばダミーパターン42は、上述の積層体50をパターニングすることによって第1電極41の第1透明導電層51と同時に形成される第1透明導電層51を含んでいる。またダミーパターン42は、第1透明導電層51に積層され、第1透明導電層51よりも著しく小さい幅を有する第1金属層52をさらに含んでいてもよい。ダミーパターン42の第1金属層52も、ダミーパターン42の第1透明導電層51と同様に、上述の積層体50をパターニングすることによって第1電極41の第1金属層52と同時に形成され得る。ダミーパターン42の第1金属層52も、第1電極41の第1金属層52と同様に、表面や側面に対する低反射処理が施されていてもよい。
ダミーパターン42を第1電極41の間に配置することにより、基材32の観察者側におけるタッチパネルセンサ30の透過率を、アクティブエリアAa1の全域にわたってほぼ均一にすることができる。このことにより、タッチ位置検出機能付き表示装置10の輝度にばらつきが生じることを防ぐことができる。
好ましくは、ダミーパターン42を構成する第1透明導電層51および第1金属層52は、第1電極41を構成する第1透明導電層51および第1金属層52と同様のパターンで形成されている。例えば、ダミーパターン42の第1透明導電層51の幅W4は、第1電極41の第1透明導電層51の幅W1とほぼ同一になっている。また、隣接する2つのダミーパターン42の第1透明導電層51の間の間隔S4と、第1電極41の第1透明導電層51とダミーパターン42の第1透明導電層51との間の間隔S5とが、ほぼ同一になっている。また、ダミーパターン42が第1金属層52を含む場合、ダミーパターン42の第1金属層52の幅W5と、第1電極41の第1金属層52の幅W3とが、ほぼ同一になっている。このようにダミーパターン42の第1透明導電層51および第1金属層52を形成することにより、第1電極41とダミーパターン42とが観察者によって同様に視認されるようにすることができる。これによって、第1電極41が目立って視認されてしまうことなどを防ぐことができる。
図8においては、ダミーパターン42が第1方向D1および第2方向D2の両方において周期的に断線している例が示されている。しかしながら、ダミーパターン42が第1電極41および第1額縁配線43に電気的に接続されない限りにおいて、ダミーパターン42の断線のさせ方が特に限られることはない。
本変形例によれば、ダミーパターン42を設けることにより、タッチ位置検出機能付き表示装置10の輝度にばらつきが生じることを防ぐことができる。また、第1電極41が目立って視認されてしまうことなどを防ぐことができる。従って、表示装置15からの映像の視認性をさらに高めることができる。
(低反射処理の変形例)
第1電極41の第1金属層52の表面や側面に施される低反射処理として、図10に示すように、第1金属層52の表面や側面を荒らして凹凸を設けるという処理が採用されてもよい。この場合、観察者側からの外光L1や表示装置からの映像光L2が第1金属層52の表面や側面に到達すると、これらの光L1,L2は、第1金属層52の表面や側面の凹凸形状によって様々な方向に散乱される。このため、第1金属層52の表面や側面に現れる金属光沢を抑制することができ、このことにより、第1金属層52が観察者によって視認されてしまうことを抑制することができる。第1金属層52の表面や側面を荒らす方法としては、例えば、ギ酸を含む液を用いて第1金属層52を構成する金属材料の結晶粒界をエッチングするという方法を採用することができる。第1金属層52の表面や側面の凹凸形状の程度は、求められる散乱の程度に応じて適切に設定されるが、例えば第1金属層52の表面や側面の算術表面平均粗さ(Ra)は70〜100nmの範囲内になっている。
(第1金属層のパターンの変形例)
上述の本実施の形態においては、第1電極41の第1金属層52が第1方向D1に沿って直線状に延びている例を示した。しかしながら、第1金属層52によって第1電極41の電気抵抗値を十分に低減することができる限りにおいて、第1金属層52のパターンが特に限られることはない。例えば図11に示すように、第1電極41の第1金属層52は、第1方向D1における第1透明導電層51の一端から他端に向かって蛇行状に線状に延びていてもよい。第1金属層52をこのように蛇行状に形成することの利点について、以下に説明する。
第1金属層52が蛇行状に延びている場合、図11において点Aで示す位置における第1金属層52の側面の向きと、点Bで示す位置における第1金属層52の側面の向きは異なっている。このため、点Aの位置で反射された映像光L2が進む方向と、点Bの位置で反射された映像光L2が進む方向は異なることになる。すなわち、第1金属層52が蛇行状に延びることは、第1金属層52の表面や側面を荒らす場合と同様に、第1金属層52の側面に到達した映像光L2を様々な方向に反射させる、すなわち散乱させるという効果を導く。このため、第1金属層52の側面に現れる金属光沢を抑制することができ、このことにより、第1金属層52が観察者によって視認されてしまうことを抑制することができる。
第1金属層52の蛇行の周期や振幅は、求められる散乱の程度によって適切に設定される。例えば第1金属層52の蛇行の周期は、1〜10μmの範囲内となっている。
(第1金属層の積層位置の変形例)
上述の本実施の形態においては、第1電極41の第1金属層52が、第1透明導電層51の観察者側の面上に積層されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図12に示すように、第1電極41の第1金属層52は、第1透明導電層51と基材32との間に設けられていてもよい。すなわち、第1電極41の第1金属層52は、第1透明導電層51の表示装置側の面上に積層されていてもよい。
図12に示す例においても、第1電極41が第1透明導電層51に加えて第1金属層52を含むことにより、第1透明導電層51の幅W1が小さい場合であっても、第1電極41の導電性を十分に確保することができる。このため、タッチパネルセンサ30の大型化に対応することができる。
図13(a)〜(f)を参照して、図12に示すタッチパネルセンサ30を製造する方法について説明する。なお図13(a)〜(f)は、各製造工程において基材32を図3のIV線に沿って切断した場合を示す断面図である。
はじめに図13(a)に示すように、タッチパネルセンサ30を作製するための元材としての積層体50Aを準備する。積層体50Aは、基材32と、基材32の第1面32a上に設けられた第1金属層52と、基材32の第2面32b上に設けられた第2金属層57と、を含んでいる。
次に、図13(b)に示すように、第1金属層52上に第1感光層62を所定のパターンで形成する。アクティブエリアAa1に配置される第1感光層62は、第1電極41を構成する第1金属層52のパターンに対応したパターンで形成されている。なお図示はしないが、基材32の第2面32bの非アクティブエリアAa2には、第2金属層57をエッチングする際のマスクとなる第2感光層が設けられている。
次に、第1感光層62をマスクとして第1金属層52をエッチングする。また、図示しない第2感光層をマスクとして第2金属層57をエッチングする。これによって、図13(c)に示すように、第1電極41を構成するための第1金属層52を得ることができる。その後、第1感光層62および図示しない第2感光層を除去する。次に、必要に応じて、アクティブエリアAa1内に存在する第1金属層52の表面や側面に黒化処理などの低反射処理を施す。
その後、図13(d)に示すように、基材32の第1面32a上に、第1電極41を構成するための第1金属層52を覆うよう、第1透明導電層51を設ける。また基材32の第2面32b上に第2透明導電層56を設ける。次に図13(e)に示すように、第1透明導電層51上に第3感光層63を所定のパターンで形成する。また、第2透明導電層56上に第4感光層68を所定のパターンで形成する。アクティブエリアAa1に配置される第3感光層63は、第1電極41を構成する第1透明導電層51のパターンに対応したパターンで形成される。また、アクティブエリアAa1に配置される第4感光層68は、第2電極46を構成する第2透明導電層56のパターンに対応したパターンで形成される。
その後、第3感光層63をマスクとして第1透明導電層51をエッチングする。また、第4感光層68をマスクとして第2透明導電層56をエッチングする。次に、図示はしないが、残っている感光層63,68を除去する。このようにして、図12に示すタッチパネルセンサ30を得ることができる。
(第1電極および第2電極46の位置関係の変形例)
また上述の本実施の形態において、基材32の観察者側に設けられるとともに第1透明導電層51および第1金属層52を含む第1電極41が、検出電極として機能し、基材32の表示装置側に設けられるとともに第2透明導電層56を含む第2電極46が、駆動電極として機能する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1電極41が、駆動電極として機能し、第2電極46が検出電極として機能してもよい。すなわち、駆動信号が第1電極41に印加され、この駆動信号が、第1電極41と第2電極46との間の容量結合を介して第2電極46に伝達されてもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 タッチ位置検出機能付き表示装置
15 表示装置
16 表示パネル
16a 表示面
30 タッチパネルセンサ
32 基材
41 第1電極
42 ダミーパターン
43 第1額縁配線
44 第1端子部
46 第2電極
48 第2額縁配線
49 第2端子部
50 積層体
51 第1透明導電層
52 第1金属層
56 第2透明導電層

Claims (10)

  1. 静電容量方式のタッチパネルセンサであって、
    観察者側を向く第1面および前記第1面に対向して表示装置側を向く第2面を含む基材と、
    前記基材の前記第1面上に設けられ、第1方向に延びる複数の第1電極と、
    前記基材の前記第2面上に設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の第2電極と、を備え、
    前記第1電極は、前記第1方向に帯状に延びる第1透明導電層と、前記第1透明導電層の観察者側の面上または表示装置側の面上に積層された第1金属層と、を有し、
    前記第2電極は、前記第2方向に帯状に延びる第2透明導電層を有するが金属層を有さず
    前記第1金属層は、前記第1方向における前記第1透明導電層の一端から他端に向かって線状に延びており、
    前記第1電極の前記第1透明導電層の幅が、前記第2電極の前記第2透明導電層の幅の10〜30%の範囲内になっている、タッチパネルセンサ。
  2. 隣接する2つの前記第1電極の前記第1透明導電層の間の間隔が、前記第1透明導電層の幅よりも大きくなっている、請求項に記載のタッチパネルセンサ。
  3. 隣接する2つの前記第2電極の前記第2透明導電層の間の間隔が、30μm以下になっている、請求項またはに記載のタッチパネルセンサ。
  4. 前記第1金属層の表面または側面に、低反射処理が施されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
  5. 前記第1金属層は、前記第1方向における前記第1透明導電層の一端から他端に向かって蛇行状に線状に延びている、請求項1乃至のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
  6. 前記タッチパネルセンサは、アクティブエリアと、前記アクティブエリアの周辺に位置する非アクティブエリアと、に区画され、
    前記アクティブエリアには、前記第1電極および前記第2電極が設けられており、
    前記タッチパネルセンサは、前記非アクティブエリアに設けられ、前記第1電極に電気的に接続された複数の第1額縁配線をさらに備え、
    隣接する2つの前記第1電極の間には、前記第1電極および前記第1額縁配線のいずれにも電気的に接続されていないダミーパターンが設けられており、
    前記ダミーパターンは、透光性および導電性を有する透明導電材料から構成された層を含んでいる、請求項1乃至のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
  7. 前記ダミーパターンは、金属材料から構成された層をさらに含んでいる、請求項に記載のタッチパネルセンサ。
  8. 前記第1金属層は、前記第1透明導電層の観察者側の面上に積層されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
  9. 前記第1金属層は、前記第1透明導電層の表示装置側の面上に積層されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
  10. 表示装置と、
    前記表示装置の表示面上に配置された静電容量方式のタッチパネルセンサと、を備え、
    前記タッチパネルセンサは、
    観察者側を向く第1面および前記第1面に対向して前記表示装置側を向く第2面を含む基材と、
    前記基材の前記第1面上に設けられ、第1方向に延びる複数の第1電極と、
    前記基材の前記第2面上に設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の第2電極と、を備え、
    前記第1電極は、前記第1方向に帯状に延びる第1透明導電層と、前記第1透明導電層の観察者側の面上または表示装置側の面上に積層された第1金属層と、を有し、
    前記第2電極は、前記第2方向に帯状に延びる第2透明導電層を有するが金属層を有さず
    前記第1金属層は、前記第1方向における前記第1透明導電層の一端から他端に向かって線状に延びており、
    前記第1電極の前記第1透明導電層の幅が、前記第2電極の前記第2透明導電層の幅の10〜30%の範囲内になっている、タッチ位置検出機能付き表示装置。
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