以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本実施形態に係る注出口組合体の構成を詳細に説明する。図1は本実施形態に係る注出口組合体10の一例が示された平面図であり、図2は図1の注出口組合体10の正面図であり、図3は図1の注出口組合体10の側面図であり、図4は図1のIV−IV線断面図であり、図5は図4の薄肉部23が示された拡大断面図であり、図6は図4のVI−VI線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1、図2における右側を右とし、左側を左とする。また、図2における後述する蓋部50側を上とし、後述する注出口本体20側を下とする。また、図1におけるIV−IV線は注出口組合体10の中心を通るとともに左右方向に延びる直線であり、図4は注出口組合体10の鉛直断面図である。また、図2〜図4における直線L1は後述する円筒部21の中心を通り上下に延びる直線であり、円筒部21の筒軸上に位置している。
図1〜図4に示されるように、本実施形態に係る注出口組合体10は、注出口本体20と蓋部50等から構成され、正面視において、直線L1を基準として対称形状である。
注出口本体20は、円筒状の円筒部21と、円筒部21の下端部に設けられ、後述する容器90に固着される取付部40とを備える。
円筒部21の上端部には、円筒部21の内周面22から内方かつ上方に向けて延びる環状の薄肉部23が形成されている。詳細については後述するが、注出口本体20と蓋部50は、この薄肉部23を介して連結されている。
また、円筒部21の上端部には、第2係止部として、外周面24から外方に突出する環状の係止リブ25を備える。ここで、第2係止部は、注出口本体20の再封時に、後述する第1係止部と係合するものである。係止リブ25の下面26は略水平な面であり、上面27と下面26との間には円周面である側面28が形成されている。また、上面27と側面28との間には、R面取りが形成されている。なお、係止リブ25は、上述の形状に限定されるものではなく、後述する第1係止部と係合する形状であれば良い。
取付部40は、円筒状の基部41と、基部41の上端に設けられた天部42と、下端に設けられたフランジ部43とを備える。円筒状の基部41は円筒部21よりも外径が大きく、基部41は天部42を介して円筒部21の下端部に連設している。フランジ部43は、基部41の下端から外方へ突出する円環状の平板部材から構成され、フランジ部43の天面44が容器90に固着される。なお、フランジ部43は容器90との固着に用いられるものであり、上述の構成に限定されるものではなく、容器90と接合される平坦な天面44を有するものであれば良く、例えば、平面視における外形が四角形や多角形等であっても良い。
基部41の外周面には、外方へ突出した爪部45が4つ設けられている。4つの爪部45は、周方向に略等間隔に配設されている。爪部45の下面46は水平面であり、爪部45の上面47は外方端から基部41の外周面へ向けて下方から上方に傾いたテーパー面である。なお、爪部45は容器90の固着に用いられるものであり、その数や形状は上述の形態に限定されるものではなく、例えば、基部41の外周面から連続的に外方へ突出した環状のリブであっても良く、その形状、大きさ、数等は適宜設計できる。また、爪部45を備えない構成であっても良い。
蓋部50は、円板状の天部51と、天部51の裏面52から垂下した円筒状の嵌合部53と、嵌合部53の外方であって天部51の裏面52から垂下した左右2つの第1係止部としての係止アーム54と、天部51の上方に配設された易開封片としての環状部材から構成されるリング56と、天部51の表面55から上方に延びて環状のリング56と連結する連結支持部57とを備える。ここで、第1係止部としての係止アーム54は、注出口本体20の再封時に、上述した第2係止部としての係止リブ25と係合するものである。また、連結支持部57は、易開封片としてのリング56と天部51とを強固に連結させるものである。
円板状の天部51の中心は、直線L1上に位置しており、その外径は基部41の外径と略同一である。天部51の表面55と裏面52とは略水平な面であり、表面55と裏面52との間には円周面である側面58が形成されている。天部51の嵌合部53に対応する位置である中央部の肉厚は、他の部位よりも薄く形成されている。
ここで、天部51の中央部は、後述する注出口本体20の初期開封時や再封時に力が比較的加わらない部位である。一方で、嵌合部53の外方側における天部51には、係止アーム53や連結支持部57が形成されており、注出口本体20の初期開封時や再封時に大きな力が加わる部位である。したがって、このような構成にすることで、天部51が必要な強度を有するとともに、蓋部50を形成する材料の使用量を低減させることができる。
なお、天部51は、表面55と、裏面52と、表面55と裏面52との間に形成される側面58とを備える構成であれば良く、その形状や大きさは特に限定されるものではなく、平面視において、楕円形や長方形であっても良く、一定の肉厚の平板から構成されるものであっても良い。しかしなら、後述する注出口組合体10の容器90への取り付け作業性等の観点から、天部51は、平面視において、基部41の外方へ突出しない大きさであることが好ましい。
円筒状の嵌合部53の内周面は下方から上方に向かって縮径している。嵌合部53は、外周面59から外方に突出する環状の嵌合突起部60を備える。嵌合部53は、嵌合突起部60の上端61と天部51の裏面52との間に所定の間隔を有する。嵌合突起部60は、頂部62から下方に向かって縮径するテーパー部63を有し、テーパー部63の下端は嵌合部53の下端まで延伸している。また、嵌合突起部60の頂部62の直径D1は、注出口本体20の円筒部21の内周面22の直径D2よりも大である。
左右2つの係止アーム54は、天部51の外縁と連設するとともに、左右対称に、つまり、直線L1を軸として軸対称に配設されている。係止アーム54は、下端部に内方へ突出する係止突起部64を有する。つまり、係止アーム54は、正面視において略L字形状である(図2参照)。また、係止突起部64の上面65は略水平な面であり、下面66は外方から内方に向けて下方から上方に傾いたテーパー面であり、上面65と下面66との間には水平面に対して垂直な平面である側面67が形成されている。
環状のリング56は、平面視において円環形状であり、天部51の表面55との間に所定の間隔を有して配設されている。リング56の中心は、直線L1上に位置しており、その外径は天部51の外径よりも小である。なお、リング56は、後述する注出口本体20の初期開封の際に指を引っ掛けることができる構成であれば良く、その形状は特に限定されるものではない。
連結支持部57は、天部51の中心(直線L1)から左側へ偏心した位置に形成されており、その上端はリング56の左側に連結している。つまり、リング56の左側は、連結支持部57を介して天部51の表面55の左側に連結されている。連結支持部57は、左右方向、及び水平方向であって左右方向と直交する方向にそれぞれ所定の幅を有している。ここで、連結支持部57には後述する初期開封時に力が集中するため、この力に耐えうる強度を有する構成とする。なお、連結支持部57の配置は特に限定されるものではない。しかしながら、詳細については後述するが、注出口本体20の初期開封性の観点から、連結支持部57は、天部51の中心から偏心した位置に形成されることが好ましく、平面視において、円筒状の嵌合部53の天部51との連結部より外方に形成されることが好ましい。
また、リング56と天部51の表面55との間には、補強連結部としての3つの薄肉部68が形成されている。連結支持部57と3つの薄肉部68は、周方向に略等間隔で配置されている(図1参照)。したがって、リング56は、連結支持部57及び3つの薄肉部68を介して天部51の表面55に連結されている。なお、薄肉部68の配置や数は特に限定されるものではなく、薄肉部68を備えない構成であっても良い。しかしながら、詳細については後述するが、注出口組合体10の成形性や注出口組合体10の容器90への取り付け作業性等の観点から、蓋部50は少なくとも連結支持部57の反対側に1つの薄肉部68を備える構成が好ましい。
ここで、図4、図5に示されるように、嵌合突起部60のテーパー部63の下端部には、内方に向かって窪む環状の凹部69が形成されている。そして、この凹部69に薄肉部23の端部が連結されている。したがって、注出口本体20と蓋部50は、この薄肉部23を介して連結されている。
また、薄肉部23は、その外面側(上面側)であって、嵌合部53の凹部69から径方向外方に延びるきっかけ突起部70を有する。このきっかけ突起部70は、連結支持部57に対応する位置である左側に配設されており、図6に示すように、径方向外方へ向かって先細り形状である。薄肉部23の外面側に形成されたきっかけ突起部70の上部は、嵌合部53に連結されている。つまり、きっかけ突起部70は、凹部69の薄肉部23より上方側を埋めるように構成されている。そして、薄肉部23は、嵌合部53と連結する部位において、きっかけ突起部70が形成された箇所の剛性が向上されている。
注出口組合体10は、注出口本体20と蓋部50とが薄肉部23によって連結した状態で一体的に形成される。また、注出口組合体10は、好ましくは合成樹脂を用いて形成されるが、内容物の品質に影響を与えず、内容物に接触しても衛生的に支障のないものであればその材料は特に限定されない。例えば、注出口組合体10は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート等を材料とし、射出成形によって形成される。なお、注出口組合体10を構成する各部材の厚みや大きさ等は、注出口組合体10を形成する材料に応じて適宜設計するものである。
次に、注出口組合体10の容器への固着について説明する。図7は、注出口組合体10が容器90に取り付けられた状態の一例が示された断面図である。なお、図7は注出口組合体10と容器90の一部が断面で示され、上述の図4と同様の鉛直断面である。容器90は、紙を基材層とし、この基材層の表面及び裏面に例えばポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂層を積層した積層材料から形成される、いわゆる紙容器である。なお、積層材料の積層構成は特に限定されるものではなく、アルミニウム箔等の金属箔等から構成されるバリア層や印刷層等を備える構成であっても良い。
容器90の形状は、上部91が傾斜した屋根形状であり、胴部92が四角筒状のゲーブルトップ型である。容器90の上部91の合わせ部93が開放した接合前の状態において、上部91のパネル94(積層材料)に予め形成された孔に注出口組合体10を容器90の内側から挿入する。その際、注出口組合体10は、蓋部50側から孔に挿入される。なお、孔の外縁が爪部45を乗り越えるように注出口組合体10を挿入し、爪部45とフランジ部43との間にパネル94を配置させる。孔に挿入された注出口組合体10は、爪部45とフランジ部43によって、パネル94に仮止めされる。そして、注出口組合体10がパネル94に仮止めされた状態で、フランジ部43の天面44とパネル94の内面とを超音波溶着や熱融着や接着剤等によって固着し、注出口組合体10を容器90へ固着する。なお、注出口組合体10を孔に挿入する際、爪部45の上面47はテーパー面であるので、注出口組合体10を孔に挿入しやすい。また、注出口組合体10はパネル94に仮止めされた状態で注出口組合体10を容器90に固着するので、注出口組合体10の容器90への固着作業が容易に行える。
なお、注出口組合体10の容器90への固着は、容器90が製函される前の状態、つまり、容器90を形成する積層材料を打ち抜いて形成されるブランクの状態で行っても良い。このような場合には、平坦なブランクに注出口組合体10を固着することができるので、固着作業が容易に行える。
また、容器90の形状は特に限定されるものではなく、注出口組合体10を取り付けることが可能なパネルを有するものであれば良く、例えば、上部が平坦な形状であるフラットトップ型等であっても良い。また、注出口組合体10の容器90への取り付け位置や向きは特に限定されるものではく、容器90の形状等に応じて適宜設計できる。
また、容器90への内容物の充填方法は特に限定されるものではない。例えば、容器90の上部91の合わせ部93が開放した接合前の状態で、上述のように容器90に注出口組合体10を取り付ける。そして、合わせ部93が開放した開口から内容物を充填し、合わせ部93を接合して容器90を密封する。このようにして、注出口組合体10を備える容器90に内容物が充填された充填体が作製される。容器90に充填される内容物は、液体や粉体等の流動性を有し、注出口本体20から注出が可能なものであれば特に限定されるものではない。例えば、液体の内容物としては、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、果汁、酒等の各種非炭酸飲料の他、しょうゆ、ソース、みりん等の調味料等や、液体洗剤等とすることができ、粉体の内容物としては、砂糖、塩、こしょう、出しの素、粉末洗剤等とすることができる。
次に、注出口本体20の初期開封方法について説明する。注出口本体20または容器90を一方の手で押さえ、他方の手で蓋部50のリング56を引き上げ、3つの薄肉部68を破断させる。この際、連結支持部57が連結されている側とは反対側であるリング56の右側を引き上げる。次に、リング56に指を引っ掛けて蓋部50を引っ張り上げ、薄肉部23を破断し、蓋部50を注出口本体20から剥離する。蓋部50が注出口本体20から剥離することで、注出口本体20の円筒部21の上端に開口が形成されて初期開封がなされる。そして、円筒部21の内部が流出流路となり、形成された開口から内容物の注出が可能となる。
ここで、蓋部50の注出口本体20からの剥離は、リング56に指を引っ掛けてなされるため、その動作は簡便である。また、リング56に指を引っ掛けるので、蓋部50を引っ張り上げやすく、その力を薄肉部23に効果的に作用させることができ、小さな力で注出口本体20の初期開封をすることができる。また、初期開封時に掴まれる易開封片としてのリング56は、環状であるとともに蓋部50の天部51に連結されているので消費者の目に留まりやすく、消費者はこのリング56を掴んで初期開封を行うことを容易に想定することができる。そして、消費者は、薄肉部23に効果的に力が作用しない誤った開封方法、例えば、注出口本体20に対して蓋部50を回すことによって初期開封をすることがなく、容易に初期開封することができる。
また、連結支持部57は天部51の中心(直線L1)から左側へ偏心した位置に形成されているので、薄肉部23に作用する力は、この連結支持部57がある左側に集中する。そして、薄肉部23は、この連結支持部57が形成された左側を基点として裂かれる。この裂け目は、薄肉部23の嵌合部53と連結した縁に沿って伝播し、薄肉部23が破断される。したがって、小さな力によって蓋部50を注出口本体20から剥離させることができ、初期開封性が良好である。
なお、薄肉部23は、連結支持部57に対応する位置である左側にきっかけ突起部70を有し、このきっかけ突起部70が形成された箇所の剛性が向上されている。したがって、薄肉部23に作用する力は、薄肉部23の左側であって、剛性が向上されたきっかけ突起部70に集中しやすい。さらに、きっかけ突起部70は径方向外方へ向かって先細り形状であり、きっかけ突起部70の縁の内で、その先細りの先端に力が集中しやすい。つまり、薄肉部23に作用する力は、効果的にきっかけ突起部70の先端に集中され、薄肉部23はこの先端を基点として裂かれる。したがって、より小さな力で蓋部50を注出口本体20から剥離させることができるように構成されており、容易に注出口本体20の初期開封をすることができる。
ここで、初期開封時に掴まれるリング56は、初期開封される前の状態では、連結支持部57とともに、3つの薄肉部68を介して天部51の表面55連結されている。したがって、例えば、輸送時の容器の落下や、他部材へのリング56の引っ掛かりによって注出口本体20が誤って初期開封される誤開封や、リング56の変形や破損等を防止することができ、取扱性に優れた製品を提供することができる。また、上述したように注出口組合体10を容器90に固着する際に、より詳細には、パネル94の孔に注出口組合体10を挿入する際に、孔の縁へのリング56の引っ掛かりを防止することができ、注出口組合体付容器の生産性が向上する。また、注出口組合体10が射出成形される際に、リング56には連結支持部57と3つの薄肉部68とから樹脂が流入されるため、ショートモールドやウェルド等の成形不良が生じにくく、成形性が良好である。
次に、注出口本体20の再封方法について説明する。図8は、蓋部50が注出口本体20に嵌合した状態の一例が示された断面図である。なお、図8においては、容器90の記載は省略され、図2、図4と同様に、注出口組合体10はフランジ部43が水平となる向きで示されている。注出口本体20から剥離した蓋部50を注出口本体20の上方から被せ、注出口本体20と蓋部50とを注出口本体20から蓋部50が剥離される前の位置関係にする。そして、蓋部50を注出口本体20へ向かって押し込み、蓋部50の円筒状の嵌合部53を注出口本体20の円筒部21の内部に挿入する。ここで、嵌合突起部60の頂部62の直径D1は、円筒部21の内周面22の直径D2よりも大であるので、嵌合部53は内方に撓みながら円筒部21の内部に挿入される。なお、嵌合突起部60は嵌合部53の下端まで延伸するテーパー部63を有するため、嵌合部53を注出口本体20の円筒部21の内部に挿入する際の抵抗を軽減することができ、容易に挿入することができる。
そして、係止アーム54の係止突起部64が係止リブ25を乗り越えるように、更に蓋部50を注出口本体20へ向かって押し込む。そして、図8に示すように、係止突起部64の上面65が係止リブ25の下面26より下方に位置するまで、つまり、第1係止部としての係止アーム54が第2係止部としての係止リブ25に係合するまで、蓋部50を注出口本体20へ押し込む。そして、蓋部50を注出口本体20に嵌合させることで、注出口本体20の円筒部21の上端に形成された開口が閉塞され、注出口本体20が再封される。
ここで、係止突起部64が係止リブ25を乗り越える際に、係止アーム54は外方に撓ませられる。なお、係止突起部64の下面66は、外方から内方に向けて下方から上方に傾いたテーパー面である。一方で、係止リブ25の上面27と側面28との間には、R面取りが形成されている。したがって、係止アーム54を外方に撓ませて蓋部50を注出口本体20へ向かって押し込む際の抵抗を軽減することができる。
ここで、蓋部50は、係止アーム54と係止リブ25によって注出口本体20に係止され、注出口本体20は閉塞した状態に維持される。したがって、蓋部50が注出口本体20から容易に外れることがなく、再封性が高い。
なお、係止リブ25による蓋部50の係止力は、第1係止部としての係止アーム54と第2係止部としての係止リブ25との係り代によって決まるものであり、適宜設計できる。ここで、係止アーム54と係止リブ25は、注出口本体20の注出流路となる円筒部21の外方に位置している。したがって、係止突起部64と係止リブ25との係り代の変更が容易であり、設計の自由度が高い。更に、係止アーム54は、流出流路を密封するための嵌合部53とは別部材として形成されている。したがって、密封性や嵌合性が低下することなく、注出口本体20への蓋部50の係止力を強くすることができる。
また、第1係止部としての係止アーム54と第2係止部としての係止リブ25は、上述の構成に限定されるものではなく、係止アーム54と係止リブ25とが係合して蓋部50を注出口本体20に係止し、注出口本体20を閉塞状態に維持することができれば良く、係合する構成やそれぞれの配置や数等は適宜設計できる。上述の係止アーム54と係止リブ25は、2つの突起同士が係合する構成であるが、例えば、一方が溝で他方が突起となる構成とし、溝に突起が係合する構成であっても良い。
また、再封状態における注出口本体20は、円筒部21の内周面22に嵌合突起部60の頂部62が当接して密着することで密封されている。なお、嵌合突起部60の頂部62の直径D1は、円筒部21の内周面22の直径D2よりも大であるため、蓋部50の円筒状の嵌合部53が内方に撓んだ状態で円筒部21の内部に嵌合している。したがって、嵌合部53の弾性力によって、嵌合突起部60の頂部62は円筒部21の内周面22に押し付けられているため、流出流路は強固に密封されている。なお、嵌合突起部60と円筒部21との密着性は、円筒部21の内周面22の直径D2に対する嵌合突起部60の頂部62の直径D1によって決まるものであり、適宜設計できる。
また、初期開封時に破断される薄肉部23は、嵌合突起部60の頂部62より下方のテーパー部63で連結する構成である。したがって、薄肉部23が破断された端部はテーパー部63に位置するため、流出流路を密封する頂部62に影響を及ぼすことがなく、密封性が低下する恐れがない。
また、初期開封前の蓋部50は、嵌合部53が注出口本体20への嵌合方向を向いた形態で注出口本体20と連結しており、嵌合部53が外方に大きく露出することがない。したがって、蓋部50の嵌合部53を比較的衛生的に保つことができ、蓋部50によって注出口本体20を再封しても、注出口本体20の内部が汚染されにくい。
また、蓋部50を注出口本体20に嵌合させる際に、係止アーム54の係止突起部64は係止リブ25を乗り越えるので、その時の接合感によって注出口本体20が再封されたことを認識でき、再封不良を防止することができる。また、目視することなく再封されたことを認識でき、再封動作が簡略される。なお、注出口組合体10は、嵌合部53によって流出流路が密封されるので、第1係止部としての係止アーム54と第2係止部としての係止リブ25を備えない構成であっても良い。
また、蓋部50が注出口本体20に嵌合された状態では、図8に示すように、薄肉部23が破断された際に円筒部21の上端部に形成されるその破断片は、嵌合突起部60の上端61と天部51の裏面52との間に位置する。そして、係止アーム54と係止リブ25が係合していない状態であって、蓋部50が注出口本体20に嵌合した状態、つまり再封途中の状態において、円筒部21の側の形成される薄肉部23の破断片は嵌合部53の嵌合突起部60に引っ掛かる構成である。したがって、再封の最中に誤って蓋部50が注出口本体20から外れにくく、内容物が飛び出す事態を抑止できる。
また、薄肉部23は、テーパー部63の下端部に形成された凹部69に連結されているので、薄肉部23が破断された際に嵌合部53の側に形成されるその破断片、つまり破断された薄肉部23によるバリは、テーパー部63より外方に突出しにくい。したがって、薄肉部23の破断片は、嵌合部53を円筒部21の内部へ挿入する際の妨げになりにくく、再封が容易に行え、使い勝手が良い。
なお、薄肉部23の肉厚T1は、0.1mm以上、0.3mm以下であることが好ましい(図5参照)。肉厚T1が0.1mmより小であると、注出口組合体10が射出成形される際に、薄肉部23における樹脂の流動性が低下して成形性が悪くなりやすい。一方で、肉厚T1が0.3mmより大であると、初期開封する際に、薄肉部23を破断させにくくなり、初期開封性が悪くなりやすい。
また、きっかけ突起部70の厚みT2は、0.2mm以上であることが好ましい。厚みT2が0.2mmより小であると、上述した初期開封性が向上する効果が発揮されにくくなる。
また、薄肉部23の径方向の幅W1は、0.1mm以上、1.0mm以下であることが好ましい。幅W1が0.1mmより小であると、初期開封する際に、薄肉部23を破断させにくくなり、初期開封性が悪くなりやすい。一方で、幅W1が1.0mmより大であると、注出口組合体10が射出成形される際に、薄肉部23における樹脂の流動性が低下して成形性が悪くなりやすい。なお、薄肉部23の径方向の幅W1とは、円筒部21の内周面22と薄肉部23の内面との間に形成されるR面取り部の端から薄肉部23の嵌合部53と連結した縁までの距離である。
また、きっかけ突起部70の径方向の長さW2は、0.3mm以上であることが好ましい。長さW2が0.3mmより小であると、上述した初期開封性が向上する効果が発揮されにくくなる。なお、きっかけ突起部70の先端は、薄肉部23の円筒部21の側の端(円筒部21の内周面22と薄肉部23の内面との間に形成されるR面取り部の端)から0.1mm以上離れていることが好ましい。きっかけ突起部70の先端が薄肉部23の円筒部21の側の端から0.1mm以上離れていない場合には、初期開封する際に、薄肉部23を破断させにくくなり、初期開封性が悪くなりやすい。
また、きっかけ突起部70の周方向の幅W3は、0.2mm以上、2.0mm以下であることが好ましい(図6参照)。幅W3が0.2mmより小、または2.0mmより大であると、上述した初期開封性が向上する効果が発揮されにくくなる。
なお、薄肉部23に形成されるきっかけ突起部70の数や配置、形状等は、上述の構成に限定されるものではなく、嵌合部53から径方向に延びる突起であって、複数のきっかけ突起部70が形成されていても良く、きっかけ突起部70を備えない構成であっても良い。図示による説明は省略するが、例えば、きっかけ突起部70は、薄肉部23の外面(上面)と内面(下面)の両側の面から突出するように形成されても良く、薄肉部23の内面側(下面側)のみに形成されても良い。きっかけ突起部70が薄肉部23の内面側のみに形成される場合には、注出口組合体10の外観を良好に維持できるとともに、薄肉部23の嵌合部53と連結した部位の形態が比較的単純な形状となり、射出成形に用いる金型の作成が容易となる。なお、初期開封性の観点から、きっかけ突起部70は、連結支持部57に対応する位置に配設されることが好ましく、径方向外方へ向かって先細り形状であることが好ましい。
なお、注出口本体20が蓋部50によって再封されている状態からの開封は、上述の再封とは逆に、注出口本体20から蓋部50を引き抜くことによってなされる。例えば、蓋部50の天部51の側面58を指で把持して蓋部50を注出口本体20から引き上げる。係止アーム54の係止突起部64が係止リブ25を乗り越えることで、係止アーム54と係止リブ25との係合が外れ、注出口本体20から蓋部50が取り外されて、注出口本体20が開封される。
ここで、蓋部50は上述の構成に限定されるものではなく、図9〜図12に示されるような構成であっても良い。ここで、図9は別の実施形態に係る注出口組合体11の一例が示された平面図であり、図10は図9の注出口組合体11の正面図であり、図11は図9の注出口組合体11の側面図であり、図12は図9のXII−XII線断面図である。なお、注出口組合体11は、上述の注出口組合体10の蓋部50が異なる構成であり、蓋部50の構成以外は、注出口組合体10と同様の構成である。そして、上述の注出口組合体10と同様の構成については、同一の符号を付した上で、その説明を適宜省略する。
図9〜図12に示すように、注出口組合体11の蓋部150は、上述の注出口組合体10の蓋部50と同様に、天部151と、円筒状の嵌合部53と、左右2つの第1係止部としての係止アーム154と、易開封片としての環状部材から構成されるリング156と、連結支持部157等を備える。
天部151は、有頂円筒形状である。円筒状の嵌合部53は、天部151の裏面152であって、その下端部から垂下されている。有頂筒状の天部151の筒軸と円筒状の嵌合部53の筒軸は、直線L1上に位置している。つまり、嵌合部53は、天部151の円筒部が延伸されたように構成されている。嵌合部53は、外周面59から外方に突出する環状の嵌合突起部60を備える。嵌合突起部60は、頂部62から下方に向かって縮径するテーパー部63を有し、テーパー部63の下端は嵌合部53の下端まで延伸している。テーパー部63の下端部には、内方に向かって窪む環状の凹部69が形成され、この凹部69に薄肉部23の端部が連結されている。そして、注出口本体20と蓋部150は、この薄肉部23を介して連結されている。また、薄肉部23は、その外面側(上面側)であって、嵌合部53の凹部69から径方向外方に延びるきっかけ突起部70を有する。このきっかけ突起部70は、連結支持部157に対応する位置である左側に配設されており、径方向外方へ向かって先細り形状である。
環状のリング156は、平面視において円環形状であり、その中心は、直線L1上に位置している。環状のリング156の内周側には、所定の間隔を有して天部151が配置されている。つまり、リング156は、天部151の外周を取り囲むように配置されている。リング156の上端は天部151の上端と同一面上に位置し、リング156の下端は天部151の下端と同一面上に位置している。つまり、リング156の上下方向の幅は、天部151の上下方向の幅と略同一である。リング156の外径は、基部41の外径と略同一である。なお、リング156は、上述の注出口組合体10のリング56と同様に、注出口本体20の初期開封の際に指を引っ掛けることができる構成であれば良く、その形状や大きさは特に限定されるものではない。しかしなら、注出口組合体11の容器90への取り付け作業性等の観点から、リング156は、平面視において、基部41の外方へ突出しない大きさであることが好ましい。
リング156の左右には、それぞれ下面から垂下した第1の係止部としての係止アーム154が形成されている。左右2つの係止アーム154は、リング156の外縁と連接するとともに、左右対称に、つまり、直線L1を軸として軸対称に配設されている。係止アーム154は、下端部に内方へ突出する係止突起部164を有し、その形状は正面視において略L字形状である(図10参照)。なお、係止アーム154は、上述の注出口組合体10の係止アーム54に対応するものであり、その説明は省略する。
連結支持部157は、天部151の左側の下端部に形成され、天部151の側面158から外方へ向けて延び、リング156と連結している。つまり、リング156の左側は、連結支持部157を介して天部151の側面158の左側に連結されている。なお、連結支持部157は、上下方向、及び水平方向であって左右方向と直交する方向にそれぞれ所定の幅を有している。
ここで、天部151の下端部には側面158から外方に突出する環状のフランジ部71が形成されている。フランジ部71の上下方向の幅は、連結支持部157の上下方向の幅と略同一である。つまり、フランジ部71と連結支持部157とは一体的に形成されている。なお、フランジ部71の外方端とリング156との間には所定の間隙を有する。そして、天部151の側面158に形成されたフランジ部71とリング156との間には、補強連結部としての3つの薄肉部168が形成されている。連結支持部157と3つの薄肉部168は、周方向に略等間隔で配置されている(図9参照)。したがって、リング156は、連結支持部157及び3つの薄肉部168を介して天部151の側面158(フランジ部71)に連結されている。
なお、薄肉部168の配置や数は、上述の注出口組合体10における薄肉部68と同様に、特に限定されるものではなく、薄肉部168を備えない構成であっても良い。しかしながら、注出口組合体11の成形性や注出口組合体11の容器90への取り付け作業性等の観点から、蓋部150は少なくとも連結支持部157と反対側に1つの薄肉部168を備える構成が好ましい。また、天部151はフランジ部71を備えない構成であっても良く、その形状は有頂円筒形状に限定されるものではない。天部151は、表面155と、裏面152と、表面155と裏面152との間に形成される側面158とを備える構成であれば良く、例えば、上述の注出口組合体10の天部51と同様に、円板状に形成されていても良い。
上述のような構成の蓋部150を備える注出口組合体11は、既述の注出口組合体10と同様に、容器90に取り付けられる。ここで、蓋部150のリング156は、天部151の外周を取り囲むように配置されているものの、その外径は基部41の外径と略同一である。つまり、リング156の外径は、容器90のパネル94に予め形成される孔と略同一の径である。したがって、この孔に注出口組合体11を挿入する際にリング156が妨げとなることがなく、容器90の取り付け作業性が低下することがない。
また、注出口組合体11は、既述の注出口組合体10と同様に、易開封片としての環状のリング156を用いて初期開封がなされる。より詳細には、注出口本体20または容器90を一方の手で押さえ、他方の手で蓋部150のリング156を引き上げ、3つの薄肉部168を破断させる。次に、リング156に指を引っ掛けて蓋部150を引っ張り上げ、薄肉部23を破断し、蓋部150を注出口本体20から剥離する。蓋部150が注出口本体20から剥離することで、注出口本体20の円筒部21の上端に開口が形成されて初期開封がなされる。そして、円筒部21の内部が流出流路となり、形成された開口から内容物の注出が可能となる。
ここで、注出口組合体11におけるリング156、連結支持部157、薄肉部168は、それぞれ注出口組合体10のリング56、連結支持部57、薄肉部68に対応するものであり、注出口組合体11は、上述した注出口組合体10と同様の効果を有し、初期開封性に優れる。より詳細には、蓋部150の注出口本体20からの剥離は、リング156に指を引っ掛けてなされるため、その動作は簡便であって、小さな力で注出口本体20の初期開封をすることができる。また、リング156は、環状であるとともに蓋部150の天部151に連結されているので消費者の目に留まりやすく、消費者はこのリング156を掴んで初期開封を行うことを容易に想定することができ、容易に初期開封することができる。
また、連結支持部157は天部151の中心(直線L1)から左側へ偏心した位置であって、天部151の左側の下端部に形成されている。また、薄肉部23は、連結支持部157に対応する位置である左側に、径方向外方へ向かって先細り形状であるきっかけ突起部70を有する。したがって、リング156に指を引っ掛けて蓋部150を引っ張り上げた際に薄肉部23に作用する力は、きっかけ突起部70の先端に集中しやすく、小さな力で蓋部150を注出口本体20から剥離させることができ、容易に注出口本体20の初期開封をすることができる。
ここで、蓋部150のリング156は、天部151の外周を取り囲むように配置されており、その外径は、注出口組合体11の容器90への取り付け作業を低下させることがない範囲で最大である。したがって、リング156を指に引っ掛けやすく、更に容易に注出口本体20の初期開封をすることができる。
また、注出口組合体11は、既述の注出口組合体10と同様に、蓋部150を注出口本体20へ向かって押し込み、蓋部150を注出口本体20に嵌合させることで、注出口本体20が再封される。なお、蓋部150を注出口本体20へ向かって押し込む際には、天部151とリング156とを一体的に注出口本体20へ向かって押し込む。そして、図13に示されるように、天部151の裏面152であって、フランジ部71の下面が円筒部21の上端と当接するまで、嵌合部53を円筒部21の内部に挿入させる。また、係止突起部164の上面165を係止リブ25の下面26より下方に位置させる。なお、図13は、蓋部150が注出口本体20に嵌合した状態の一例が示された断面図である。ここで、図13においては、上述の図8と同様に、容器90の記載は省略され、注出口組合体11はフランジ部43が水平となる向きで示されている。
ここで、嵌合突起部60は嵌合部53の下端まで延伸するテーパー部63を有するため、円筒部21の内部に容易に挿入することができる。また、係止突起部164の下面166は、外方から内方に向けて下方から上方に傾いたテーパー面であり、係止リブ25の上面27と側面28との間にはR面取りが形成されているので、係止アーム154を係止リブ25に容易に係合させることができる。そして、蓋部150は、係止アーム154と係止リブ25によって注出口本体10に係止されるので、蓋部150が注出口本体20から容易に外れることがなく、再封性が高い。また、係止アーム154と係止リブ25は、注出口本体20の注出流路となる円筒部21の外方に位置しているので、係止突起部164と係止リブ25との係り代の変更が容易であり、設計の自由度が高い。また、係止アーム154は、流出流路を密封するための嵌合部53とは別部材として形成されているので、密封性や嵌合性が低下することなく、注出口本体20への蓋部150の係止力を強くすることができる。
また、蓋部150の円筒状の嵌合部53は、内方に撓んだ状態で円筒部21の内部に嵌合しているので、流出流路は強固に密封されており、密封性に優れる。また、初期開封時に破断される薄肉部23は、嵌合突起部60の頂部62より下方のテーパー部63で連結するので、再封時に流出流路を密封する頂部62に影響を及ぼすことがなく、密封性が低下する恐れがない。
また、再封した際に、薄肉部23が破断された際に円筒部21の上端部に形成されるその破断片は、嵌合突起部60の上端61と天部151の裏面152(フランジ部71の下面)との間に位置する。そして、係止アーム154と係止リブ25が係合していない状態であって、蓋部150が注出口本体20に嵌合した状態、つまり再封途中の状態において、円筒部21の側の形成される薄肉部23の破断片は嵌合部53の嵌合突起部60に引っ掛かる構成である。したがって、再封の最中に誤って蓋部150が注出口本体20から外れにくく、内容物が飛び出す事態を抑止できる。
また、薄肉部23は、テーパー部63の下端部に形成された凹部69に連結されているので、薄肉部23が破断された際に嵌合部53の側に形成されるその破断片は、テーパー部63より外方に突出しにくい。したがって、薄肉部23の破断片は、嵌合部53を円筒部21の内部へ挿入する際の妨げになりにくく、再封が容易に行え、使い勝手が良い。
ここで、易開封片は、上述の環状部材から構成されるリング56、156に限定されるものではなく、天部51、151に連結支持部57、157を介して連結され、初期開封時に掴むことが可能な構成であれば良い。例えば、易開封片は、図14、図15に示されるような板状部材から構成される摘み片256であっても良い。ここで、図14は別の実施形態に係る注出口組合体12の一例が示された平面図であり、図15は図14の注出口組合体12の正面図である。なお、注出口組合体12は、上述の注出口組合体10の蓋部50における易開封片としてのリング56と連結支持部57が異なる構成であり、リング56と連結支持部57の構成以外は、注出口組合体10と同様の構成である。そして、上述の注出口組合体10と同様の構成については、同一の符号を付した上で、その説明を適宜省略する。
図14、図15に示すように、注出口組合体12の蓋部250は、上述の注出口組合体10の蓋部50と同様に、天部51と、円筒状の嵌合部53と、左右2つの第1係止部としての係止アーム54と、天部51の上方に配設された易開封片としての摘み片256と、天部51の表面55から上方に延びて摘み片256と連結する連結支持部257等を備える。
摘み片256は、平坦な板状部材から構成され、天部51の表面55との間に所定の間隔を有して配設されている。摘み片256は、平面視おいて、天部51の外縁の内側に位置し、左右方向に延びる長方形である。
連結支持部257は、天部51の中心(直線L1)から左側へ偏心した位置に形成されており、その上端は摘み片256の左側の端部に連結している。連結支持部257は、左右方向、及び水平方向であって左右方向と直交する方向にそれぞれ所定の幅を有している。なお、連結支持部257の水平方向であって左右方向と直交する方向の幅は、摘み片256の幅と略同一である。つまり、摘み片256と連結支持部257とは一体的に形成され、板状部材を折り曲げたような構成である。なお、連結支持部257の配置は特に限定されるものではないが、注出口本体20の初期開封性の観点から、連結支持部257は、天部51の中心から偏心した位置に形成されることが好ましく、平面視において、円筒状の嵌合部53の天部51との連結部より外方に形成されることが好ましい。
また、摘み片256と天部51の表面55との間には、補強連結部としての薄肉部268が形成されている。薄肉部268は、連結支持部257と反対側である右側に形成されている。
上述のような構成の蓋部250を備える注出口組合体12は、既述の注出口組合体10、11と同様に、易開封片としての摘み片256を用いて初期開封がなされる。より詳細には、注出口本体20または容器90を一方の手で押さえ、他方の手で摘み片256の右側の端部を摘んで引き上げ、薄肉部268を破断させる。更に、摘み片256を引っ張り上げて薄肉部23を破断し、蓋部250を注出口本体20から剥離する。蓋部250が注出口本体20から剥離することで、注出口本体20の円筒部21の上端に開口が形成されて初期開封がなされる。そして、円筒部21の内部が流出流路となり、形成された開口から内容物の注出が可能となる。
ここで、摘み片256を引っ張り上げる際に、まず、連結支持部257が位置する側の上方へ、つまり左斜め上方へ引っ張り上げ、薄肉部23の左側を裂く。次に、摘み片256を上方へ引っ張り上げて、薄肉部23の裂け目を薄肉部23の嵌合部53と連結した縁に沿って伝播させ、薄肉部23を破断させる。
なお、注出口組合体12における摘み片256、連結支持部257は、それぞれ注出口組合体10、11のリング56、156、連結支持部57、157対応するものである。そして、詳細な説明は省略するが、注出口組合体12は、上述した注出口組合体10、11と同様の効果を有し、初期開封性に優れる。
なお、易開封片としての摘み片256の形状や配置は、上述の構成に限定されるものではない。摘み片256は、注出口本体20の初期開封の際に指を引っ掛けたり、指で摘んだりして引き上げることができる構成であれば良く、その形状や配置や大きさは、適宜設計できる。また、連結支持部257は、摘み片256を天部51に連結させる構成であれば良く、その形状や配置は、摘み片256の形態に応じて適宜設計できる。図示による説明は省略するが、例えば、摘み片256は、天部51の側面58に形成された連結支持部を介して天部51に連結され、下方に向かって延びる板状部材から構成されても良い。このような構成の場合、摘み片256は係止アーム54と一体的に形成され、連結支持部を介することなく直接天部51に連結されても良い。つまり、係止アーム54が連結支持部の役割を果たし、係止アーム54を介して摘み片256が天部51に連結される構成としても良い。なお、このような構成において補強連結部としての薄肉部268を設ける場合、注出口本体20の円筒部21と摘み片256との間に薄肉部268を形成することが好ましい。また、注出口組合体12の容器90への取り付け作業性等の観点から、摘み片256を含む基部41より上方に位置する部材は、平面視において、基部41の外方へ突出しない構成とすることが好ましい。
また、注出口組合体10、11、12が取付けられる容器90は、上述の紙容器に限定されるものではない。例えば、合成樹脂フィルムから形成される包装容器であっても良く、注出口組合体10、11、12の包装容器への取り付け方法は、容器90の場合と同様である。包装容器を構成する合成樹脂フィルムに予め形成された孔に注出口組合体10、11、12を容器内側容器内側から挿入し、合成樹脂フィルムの内面とフランジ部43の天面44とを熱融着や接着剤によって固着し、注出口組合体10、11、12を包装容器へ固着する。ここで、注出口組合体10、11、12は、孔に挿入された際に爪部45とフランジ部43によって合成樹脂フィルムに仮止めさせることができるため、上述の紙容器である容器90の場合と同様に注出口組合体10、11、12の包装容器への固着作業が容易に行える。なお、フランジ部43と爪部45との隙間は、合成樹脂フィルムの厚み等に応じて適宜設計する。また、包装容器への注出口組合体10、11、12の取り付け方法は、特に限定されるものではい。例えば、製袋前の合成樹脂フィルム原反に注出口組合体10、11、12を取り付け、その後に製袋しても良い。また、製袋途中に注出口組合体10、11、12を取り付けても良い。
なお、合成樹脂フィルムから形成される包装容器の形態は、4方シールの平袋や、両側部に内側に折り込まれた折込部を有するガゼット型の袋等であっても良い。また、樹脂フィルムは、単層の合成樹脂フィルムであっても良く、多層の合成樹脂フィルムであっても良い。そして、多層の合成樹脂フィルムの場合、例えば、外側から順に、表面層、バリア層、ヒートシール層を積層した3層構造の合成樹脂フィルムとすることができ、それぞれの材料としては、例えば、表面層にはポリエチレンテレフタラート、バリア層にはアルミニウム箔、ヒートシール層にはポリエチレンを用いることができる。また、合成樹脂フィルムは、更に印刷層を備える構成であっても良い。
また、取付部40は上述の構成に限定されるものではなく、注出口組合体10、11、12が取付けられる容器の形態に適合した構成とすれば良い。例えば、図16、図17に示されるような取付部340であっても良い。ここで、図16は別の実施形態に係る注出口組合体13が示された平面図であり、図17は図16の注出口組合体13の正面図である。なお、図17において、注出口組合体13の右側は断面によって示されている。また、注出口組合体13は、上述の注出口組合体10の取付部40が異なる構成であり、取付部40の構成以外は、注出口組合体10と同様の構成である。そして、上述の注出口組合体10と同様の構成については、同一の符号を付した上で、その説明を適宜省略する。また、注出口組合体13が取り付けられる容器190は、合成樹脂フィルムを重ね合わせて内容物を収容する包装容器である。
注出口本体320は、円筒部21と取付部340とを有する。取付部340は、円筒状の基部341と、基部341の上端に設けられた天部342と、基部341の下端に設けられたフランジ部343と、フランジ部343の下方に連設された固着部344とを備える。フランジ部343は、板状部材であり、平面視において左右方向に延伸した略八角形である。固着部344は、平面視において左右方向に延伸するとともに左右の端部に向けて厚みが減少する舟形である。また、固着部344は、中央部に上下方向に貫通する貫通穴345が形成され、この貫通穴345は円筒状の基部341の内部に連通する。また、固着部344は、貫通穴345の左右両側に、下端から上方へ延びる円柱状の切り欠き部346を有する。
そして、容器190を構成する一方の合成樹脂フィルムの内面を固着部344の前側面347に固着し、他方の合成樹脂フィルムの内面を固着部344の後側面348に固着することで、容器190に注出口組合体13が取付けられる。なお、熱融着や接着剤によって合成樹脂フィルムと固着部344とは固着される。
したがって、このような構成の取付部340とすることで、合成樹脂フィルムを重ね合わせて内容物を収容する容器190に、注出口組合体13を取り付けるための孔を形成することなく適用することが可能となる。ここで、フランジ部343は、注出口組合体13を容器190へ取り付ける際の位置合わせ等に用いられる。また、固着部344は、切り欠き部146を有するので、厚肉部位がなく、射出成形時の成形不良を防止することができる。
また、図18に示されるような取付部440であっても良い。ここで、図18は別の実施形態に係る注出口組合体14が示された正面図である。なお、図18において、注出口組合体14と注出口組合体14が取り付けられる容器290の右側は断面によって示されている。また、注出口組合体14は、上述の注出口組合体10の取付部40が異なる構成であり、取付部40の構成以外は、注出口組合体10と同様の構成である。そして、上述の注出口組合体10と同様の構成については、同一の符号を付した上で、その説明を適宜省略する。また、注出口組合体14が取り付けられる容器290は、内容物の充填および流出流路となる円筒状の口部を有する容器であって、例えば、ガラスや合成樹脂から形成されるボトル容器である。
注出口本体420は、円筒部21と取付部440とを有する。取付部440は、円筒状の基部441と、基部441の上端に設けられた天部442と、天部442の下面443から垂下した円筒状の嵌合リング444とを備える。基部441は、下端部に内方へ突出する環状の突起部445を備える。また、嵌合リング444は、外周面から外方に突出する環状の突起部446を備える。なお、容器290は円筒状の口部291を備え、この口部291は外周面から外方へ突出する環状の突起部292を有する。
注出口組合体14は、取付部440の突起部445と容器290の突起部292が係合して係止されることによって取り付けられる。この時、取付部440の嵌合リング444は、口部291の内部に挿入される。そして、嵌合リング444の環状の突起部446が口部291の内周面に当接して密着することで口部291は密封されている。したがって、取付部をこのような構成にすることで、円筒状の口部を有する容器にも注出口組合体を適用することが可能となる。なお、注出口組合体14の容器290への取り付け構成は、上述のような二つの突起の係合による構成に限定されるものではなく、例えば、ねじ構造の螺合によって取り付ける構成であっても良い。
なお、以上に説明がなされた本実施形態にかかる注出口組合体10、11、12、1314は、矛盾の生じない範囲で組み合わせることができる。例えば、注出口組合体11において、取付部40に替わって注出口組合体13の取付部340を備える構成とすることができる。
また、注出口組合体10、11、12、13、14の寸法は限定されるものではなく、容器の大きさや容器に充填される内容物に応じて適宜設計できる。なお、易開封片としてのリング56、156や摘み片256は、初期開封時に指に引っ掛けたり、指で摘んだりすることができる寸法である。