JP2016537333A - 臓器組織保存溶液の安定性及び保存可能期間を増加させる溶液 - Google Patents

臓器組織保存溶液の安定性及び保存可能期間を増加させる溶液 Download PDF

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Abstract

安定性が向上した臓器及び組織保存溶液を開示する。溶液は、2つの別個の溶液から構成される。第一の溶液、溶液Aは、溶液の状態で安定している7.0以上のpHの平衡塩類溶液から構成される。第二の溶液、溶液Bは、L-グルタチオン及び/又はシステイニルグリシンと、糖、例えばD-グルコースと、L-アルギニンと、還元剤、例えばアスコルビン酸と、水とを含有する7.0未満、好ましくは約3.0〜5.0のpHの水溶液から構成される。これら2つの溶液は、使用する時点で混合され、pHが約7.3に調整され、その結果、安定性が向上した臓器及び組織保存溶液になる。好ましくは、溶液Aは、約7.6のpHを有し、溶液Bは、約5.0のpHを有する。本発明はまた、2つの別個の容器22、24に2つの溶液を収容しているキット20から構成される。代替実施形態において、糖は、溶液A中に存在することができる。

Description

関連出願
本出願は、先に出願した係属中の2013年11月22日出願の米国仮特許出願第61/963,093号の利益及び優先権を主張するものであり、この出願の開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、インプラント前に、組織及び臓器機能を保存するための配合物、より詳細には組織及び臓器機能、特に血管導管(vascular conduit)の機能、を保存するための保存安定性配合物を対象とする。
本明細書で引用するすべての参考文献の教示は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれている。
米国特許第7,981,596号には、組織及び臓器保存溶液が開示されており、この溶液は、一般にGALAと呼ばれる。このGALAは、グルタチオン、アスコルビン酸及びL-アルギニンの3つの成分にちなんで命名されたものである。GALA溶液は、平衡塩類溶液も含む。これらの溶液は、動脈及び静脈等の血管導管の保存に特に有用である。血管導管は、末梢血管バイパス手術及び冠動脈バイパス移植(CABG)手術を含むがこれらに限定されない様々なバイパス外科手術に移植片として使用される。バイパス移植術は、閉塞した動脈をバイパスして標的組織への血流を回復させるように血管導管を移植する方法である。血管手術中に、血管導管を採取し、フラッシュし、保存溶液中で一時的に保管した後、それらを移植する。
内皮機能不全は、血管導管不全につながる相互に関連した病因の主要決定因子である。移植不全に先行して移植片血栓症、内膜過形成及び急速進行型移植片アテローム性動脈硬化症が起こり、これらのすべてが血管導管内皮の以前の機能及び/又は構造欠陥に基づいている。手術中に採取された伏在静脈セグメントの保管溶液の選択が内皮構造及び機能に、したがって移植片開存性に有意な影響を及ぼすことは認知されている。これらの溶液が血管導管を十分に保存できないことは、多数の研究者によって立証されている(Thatte HS、Biswas KS、Najjar SFら、Multi-photon microscopic evaluation of saphenous vein endothelium and its preservation with a new solution, GALA、Ann Thorac Surg 2003;75:1145〜52、及びHussaini 2011)。2011年にはWilbringらによるエクスビボ研究により、患者から採取した導管を血管導管の保管に一般に使用される緩衝食塩溶液中で保管した後、血管機能が完全に破壊されることが立証された。そのデータは内皮細胞機能も有意に低下されることを明示したが、これらの機能不全の導管はこの研究ではバイパス手術用の移植片としての使用に成功した。
ヒト伏在静脈セグメントに対するGALA(商標)保存溶液の効果がエクスビボ研究で評価された。今日臨床使用されている溶液は、血管導管(伏在静脈)の内皮細胞生存率の大きな低下をもたらしたが、GALA(商標)は、少なくとも24時間までは内皮細胞の機能及び構造上の生存率を維持した(Thatte 2003、Circulation 2013:127 e6〜e245、Hussaini BE、Lu XG、Wolfe JA及びThatte S、Evaluation of endoscopic vein extraction on structural and functional viability of saphenous vein endothelium、J Cariothorac Surg 2011;6:82〜90)。このようにエクスビボデータによって、血管導管のより良好な保存を血管導管保存溶液としてのGALA(商標)の使用によって得ることができることが立証された。しかし、開示されている溶液は、その溶液の不安定性のため保存可能期間が限られている。
したがって、GALA臓器及び組織保存溶液の改善された溶液を製造して、溶液の安定性及び保存可能期間を向上させる必要がある。
米国特許第7,981,596号 米国特許第5,257,985号 米国特許第6,339,074号
Thatte HS、Biswas KS、Najjar SFら、Multi-photon microscopic evaluation of saphenous vein endothelium and its preservation with a new solution, GALA、Ann Thorac Surg 2003;75:1145〜52 Circulation 2013:127 e6〜e245 Hussaini BE、Lu XG、Wolfe JA及びThatte S、Evaluation of endoscopic vein extraction on structural and functional viability of saphenous vein endothelium、J Cariothorac Surg 2011;6:82〜90
本発明は、GALA配合物を、少なくとも7、一般には7.4〜8のpHを有する第一の溶液Aと7未満、一般にはそれより低いpHを有する溶液Bとに分離することによって、GLAL配合物の安定性を向上させることができるという認識を前提としている。溶液Aは、平衡塩類溶液を含む。溶液Bは、水と、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸と、還元剤、特にL-グルタチオンと、一酸化窒素基質、例えばL-アルギニンと、糖、例えばD-グルコースとを含む。この溶液を7未満、好ましくは5、4又は3のpHで、好ましくはゼロ百万分率(zero parts per million)の酸素含有量で維持する。本発明の代替実施形態では、糖を溶液Aに添加し、溶液Bには添加しないことを除き、溶液A及びBを上述の通りに配合する。また、代替配合物では、エリスロポエチン(EPO)を、好ましくは溶液Bに、添加することができる。
本発明において使用するための複室バッグの透視図である。 本発明で使用するための第一及び第二の容器を有するキットの透視図である。 加速保管条件でのグルタチオンの経時的濃度を表すグラフである。 加速保管条件でのアスコルビン酸及びアルギニンの経時的濃度を表すグラフである。 溶液BにおけるL-グルタチオンの分解速度を図示する2つのグラフである。 本発明を実施する方法の概略図である。 本発明を実施する方法の概略図である。 本発明を実施する方法の概略図である。 本発明を実施する方法の概略図である。
別段の定義が無い限り、本明細書において用いるすべての専門及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載するものと同様又は等価の任意の方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用することができるが、好ましい方法及び材料を記載する。本発明のために、以下の用語を下で定義する。
本明細書において用いる場合、用語「患者」は、ヒトを含むがヒトに限定されない、動物界のメンバーを含む。
本明細書において用いる場合、「臓器」は、心臓、静脈、動脈、肺、肝臓、膵臓及び腎臓を含むが、これらに限定されない。臓器の部分も企図している。
本明細書において用いる場合、「滅菌水」は、(a)注射用滅菌水、USP、(b)滅菌蒸留脱イオン水、及び(c)灌注用滅菌水を含むが、これらに限定されない。
本明細書において用いる場合、「心停止」は、心臓の麻痺を含むがこれに限定されない。
本明細書において用いる場合、「中等度低体温」は、約10℃〜21℃である。
本明細書において用いる場合、「抗酸化剤」は、酸化性基質生体分子を含有する混合物又は構造中に存在するとき、その基質生体分子の酸化を遅らせる又は防止する物質である。例えば、アスコルビン酸は抗酸化剤である。
「平衡塩類溶液」は、急性の細胞又は組織損傷を防止するための浸透圧平衡状態にある水溶液と定義する。
「緩衝塩類溶液」は、所定の生理的pH範囲を維持するために化学物質が添加された平衡塩類溶液と定義する。
「GALA」は、グルタチオン、アスコルビン酸、L-アルギニン及び平衡塩類溶液を含む、組織保存溶液のタイプを指す。
「移植片」は、欠損を修復するために身体部位に移植又はインプラントされる組織と定義する。
「採取されたバイパス導管」は、閉塞部をバイパスするための外科的に設置される血液の代替経路と定義する。
「心停止溶液」は、輸送又は外科手術中に心臓を保存するのに役立つ溶液と定義する。
「細胞還元剤」は、電子を容易に失い、その結果、他の物質を化学的に還元させる物質と定義する。
「緩衝剤」は、溶液の酸性度(pH)を選ばれた値付近で維持するために使用される酸又は塩基である。本発明の溶液を製造するために使用される好ましい緩衝剤は、4N HCl及び84%NaHCO3である。
等張溶液は、半透膜を介し同じ浸透圧を有する2つの溶液を指す。等張溶液は、細胞と同じ塩濃度を有する溶液である。
生理溶液は、正常な間質液と等張であるため、正常な組織に適合する塩類水溶液と定義する。
本発明は、GALAタイプの以前の単一溶液型組織保存溶液より予想外に高い安定性を有する2つの溶液、溶液A及び溶液B、から構成されるGALAタイプの組織保存用配合物を提供する。
本発明によると、第一の溶液、すなわち溶液Aは、平衡塩類溶液から構成される。平衡塩類溶液は、水及び生理的に許容される塩類から構成される。典型的な平衡塩類溶液は、水、カルシウムイオン、塩化物イオン、カリウムイオン、リン酸イオン、マグネシウムイオン及びナトリウムイオンから構成される。
平衡塩類溶液は、次のものより選択される塩類を含む:塩化カルシウム二水和物、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、塩化マグネシウム六水和物、硫酸マグネシウム七水和物、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム七水和物及びこれらの組合せ。平衡塩類溶液は、第一の溶液と第二の溶液が混合されたとき結果として等張溶液になる濃度で提供される。例示的実施形態において、平衡塩類溶液は、約0.14g/L塩化カルシウム二水和物、約0.4g/L塩化カリウム、0.06g/Lリン酸二水素カリウム、約0.1g/L塩化マグネシウム六水和物、約0.1g/L硫酸マグネシウム七水和物、約8g/L塩化ナトリウム、約0.36g/L重炭酸ナトリウム、及び約0.03g/Lリン酸水素二ナトリウム七水和物を含む。
溶液Aの成分を一緒に水に溶解し、得られた溶液のpHを、重炭酸ナトリウム等の塩基の添加によって、約7.4〜8.0に調整する。
場合により、溶液Aは、非ステロイド性抗炎症薬、例えばアスピリン、ナプロキセン及びイブプロフェンを含有することができる。場合により、局所麻酔薬を、好ましくは溶液Aに、添加してもよく、又は代替として、使用する時点で局所麻酔薬を添加することができる。そのような局所麻酔薬の例としては、リドカイン、アルチカイン/エピネフリン、メピバカイン、ブピバカイン、ロピバカイン(ropicavaine)及びクロロプロカインが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明によると、GALAの以下の成分は、第二の溶液、すなわち溶液B中に存在することになる:還元グルタチオンと、還元剤、例えばアスコルビン酸と、糖、例えばD-グルコースと、L-アルギニンと、緩衝剤と、アルゴン等の不活性ガスでパージして実質的にすべての溶存酸素を(好ましくは0.1ppm未満に)除去した水。結果として生じる溶液BのpHは、7未満、一般には3〜5である。代替案として、システイニルグリシンを還元グルタチオンの代わりに使用することができ、又はシステイニルグリシンと還元グルタチオンの混合物が溶液B中に存在することができる。最も好ましい配合物において、溶液AのpHは8.0であり、溶液BのpHは約3.0である。
より具体的には、溶液Bは、溶液Aとは別個の容器内の有機成分の溶液であり、3.0〜5.0のpHで、L-グルタチオン、L-アルギニン、L-アスコルビン酸、D-グルコース及び注射用H2Oから構成される。グルコースの代わりに使用することができる他の糖は、任意の糖であるが、好ましくは、フルクトース、マンノース及びリボースを含めるがこれらに限定されない任意の単糖類である。溶液A及びBを使用する時点で混合したとき、混合溶液のpHは7.3±0.4である。多数の公知の緩衝剤を使用して、溶液A及びBのpHを調整することができる。好ましい緩衝剤は、4N HCl及び84%NaHCO3である。好ましい配合物において、溶液AのpHは約7.8であり、溶液BのpHは約4.0である。最も好ましい配合物において、溶液AのpHは8.0であり、溶液BのpHは3.0である。
溶液中の塩類は、緩衝(pHを維持する)のためのものであり、血管導管に対する等張性を維持するためのものである。有機成分は、更なる緩衝能、オスモル濃度を維持するためのものであり、血管導管に非酸化環境をもたらすためのものである。4つの有機成分、L-グルタチオン、L-アスコルビン酸、L-アルギニン及びD-グルコースは、血液の通常の構成要素であり、血管導管の細胞外環境の保存及び維持におけるそれらの役割のために含まれる。
L-グルタチオン及びL-アスコルビン酸は、フリーラジカルを吸収することにより細胞の酸化的損傷を防止する抗酸化剤である。組織保存溶液におけるこれらの抗酸化剤の機能は、1)酸化を防止し、それによって製品の安定性及び保存可能期間を向上させることにより、溶液の他の成分を安定化すること、並びに2)細胞膜及び細胞外基質構造の酸化的損傷を防止することである。酸化的損傷は、細胞外構造の構造的完全性を壊し、かくして離断した内皮細胞内層を生じさせることが示されている。離断した内皮内層は、損傷した血管移植片の指標である。糖は、組織又は臓器のエネルギー源を与えるためのものである。
溶液Aを溶液Bと混ぜ合わせたとき、L-アルギニンの濃度は約250μM〜約2000μMであるべきである。グルコースの濃度は約50mM〜約120mM、L-グルタチオンは50μM〜約2000μM、及びL-アスコルビン酸は25μM〜約1000μMであるべきである。
第一又は第二の配合物は、組織又は臓器の脈管構造内での血液の凝固の防止に役立つのに十分な量で抗凝血剤を場合により含むことがある。例示的抗凝血剤としてはヘパリン及びヒルジンが挙げられるが、アスピリン等の他の抗凝血剤を使用してもよい。例示的実施形態は、ヘパリンを約50単位/mL〜約250単位/mLの濃度範囲で含む。溶液Aと溶液Bを混ぜ合わせた後、使用する前に、ヘパリンを別途添加することもできる。
例示的実施形態において、溶液Aと溶液Bの間の容量比は約19:1である。例えば、一実施形態では、950mlの溶液Aを50mlの溶液Bと混合して、組織又は臓器の機能を保存するための最終配合物を得る。
EPOを溶液A又はBのいずれかに添加する場合、溶液Aと溶液Bを混ぜ合わせたときのEPOの濃度は約5単位/mLであるべきである。
本発明によると、第二の代替組織保存溶液は、糖、例えばグルコース、マンノース、フルクトース等、を平衡塩類溶液と併せて含む7.4〜8のpHの溶液Aを含み、第二の溶液、溶液Bは、7未満、一般には5、4又は3のpHで水中の還元グルタチオン、アスコルビン酸、L-アルギニン、緩衝剤を含み、無酸素環境で保管されうる。
一般に、いずれの実施形態においても溶液A及びBは、具体的に列挙したもの以外の他の有機成分を含まないことになる。これらは不必要であり、製造コストを増すことになるからである。詳細には、他のタイプの組織保存溶液中で見いだされる、前に列挙したもの以外の有機化合物は、コストを最小にし、最終製品にとって不利益でありうる潜在的副反応を低減させるために、溶液A又はBに含まれないことになる。
製造プロセスは頑強であり、cGMP条件下で行われる。製品は無菌充填手順によって滅菌され、安定性試験によって少なくとも2年の提示保存可能期間が得られる。
図1及び図2は、本発明の組織保存溶液を出荷、保管及び最終的に使用するために使用されるキット又は容器の例示的実施形態を示す。これらは例示的なものであり、他の容器を使用して、組織保存に使用する時点で混ぜ合わせる別個の溶液A及びBを提供することができる。
図1は、2つの室12及び14を有するバッグ10を示し、室12及び14は、区分されており、クランプ16によって互いに離して挟持されている。室12は溶液Aを収容しており、室14は溶液Bを収容している。クランプ16を取り外すと、室12及び14はバッグ10の1つの室になり、溶液Aは溶液Bと混合し、結果としてバッグ10の中で完全な臓器及び組織保存溶液になる。米国特許第5,257,985号を参照されたい。
図2は、2つの容器22及び24を有する、臓器及び組織保存キット20を示す。溶液Aは容器22に収容されており、溶液Bは容器24に収容されている。使用する時点で、容器24の内容物を容器22に移す、又は容器22と容器24両方の内容物を、動脈若しくは静脈を入れることができる深皿若しくはボール(bowel)に移して、完全な臓器及び組織保存溶液を生じさせることができる。
図2に示す好ましい実施形態では、溶液Aを滅菌済みNalgeneボトルに無菌充填し、その後、そのボトルを滅菌済みHDPEスクリューキャップで締める。
溶液Bを滅菌済みI型ホウケイ酸ガラスバイアルに無菌充填し、剥ぎ取りシールで適所に保持される滅菌済みStelmiセプタムでそのバイアルを締める。有効な圧着法を製造業者の推奨圧着設定で用いて剥ぎ取りシールをボトルに圧着する。混合及び充填プロセスの間にボトルBをアルゴンガスで脱気して酸素の存在を低減させてもよいが、これは必要でないこともある。
その後、溶液Aを収容しているボトル及び溶液Bを収容しているボトルをカードストック印刷済みボックスに入れる。この時点で添付文書もボックスに入れる。その後、ボックスを密封し、配送用のラベルを貼る。
使用する時点で溶液Aと溶液Bを混合してGALAの最終溶液Cを完成し、pHは約7.3±0.4に調整されることになる。溶液AのpHが8.0である場合、溶液BのpHは約3.0であろう。溶液AのpHが7.8である場合、溶液BのpHは約4.0であろう。また、溶液AのpHが7.6である場合、溶液BのpHは約5.0であろう。
以下は、本発明を実施するための推奨手順である。
溶液22及び24を放置して周囲温度又は室温に温める。使用する前に、クロージャーを検査することにより各容器22及び24の漏れを確認する。漏れを見つけたら、溶液容器を廃棄する。粒子状物質についての溶液の目視検査を行う。明らかな粒子状物質、沈殿物又は汚染が溶液に顕著に見られたら、その溶液を使用しない。使用直前に、次の工程を行う:
1. 図5Aに示すように、溶液Aの全内容物を、バイアル22から、血管導管32を移植の前に保管することになる滅菌容器26(例えばトレー、カップ又は小さい深皿)に注入する。
2. 滅菌注射器28でバイアル24から12.5mlの溶液Bを無菌で取り出し、溶液Aを有する容器26にそれを添加(図5B)してGALA溶液34を形成する。
3. 図5Cに示すように、溶液A及びBを収容している容器26に12,500単位のヘパリンを添加する。
4. 容器26の中で穏やかに旋回させることによって混合する。
本溶液を使用して、患者から取り出された直後の単離された血管導管32をフラッシュする。混ぜ合わせた溶液Aと溶液Bを注射器と併用して導管に静水圧を印加して、溶液中での保管前に導管の漏れを評価してもよい。その後、血管導管32を、その血管導管を患者に移植することができるまで、容器26内の混ぜ合わせた溶液34の中で保管する。
本発明の溶液、デバイス、及び灌流方法は、特定の組織、臓器又は細胞タイプでの使用に限定されない。例えば、本発明は、冠動脈バイパス移植術(CABG)に使用される、採取された伏在静脈、腹壁動脈、胃大網動脈及び橈骨動脈で使用することができる。本発明は、移植手術中に臓器及び組織を維持するために使用することもできる。本発明は、任意の特定の組織又は臓器に限定されない。例えば、そのような臓器又は組織は、心臓、肺、腎臓、脳、血液、血小板、筋移植片、皮膚、腸、骨、付属器、目等、又はそれらの部分でありうると考えられる。加えて、本発明は、インサイチュー組織又は臓器保存剤として使用することができる。本発明の溶液は、患者から取り出した組織及び臓器を洗浄し、浸す(bath)ために使用されると考えられる。例えば、本発明を心停止中に使用することが考えられる。例えば、組織又は臓器を外科手術まで又は他の医学的関心を得ることができるまで浸す又は保存する必要がありうる救急処置において、本発明を使用することも考えられる。この関連で、救急医療スタッフは本溶液を病院環境においても、「現場でも」(すなわち、救急車内又は臨時の救急医療施設においても)、利用できるようになりうる。
GALA溶液(溶液Aと溶液Bを混ぜ合わせたもの)は、外科手術において、特に形成又は再建外科手術において、洗浄溶液として使用することもできる。この外科手術には、GALA等の等張性pH平衡溶液が望ましい、脂肪吸引術、乳房再建術、乳房切除術又は他の手術が含まれるが、これらに限定されない。透析機をその製造業者のプライミング又はフラッシング手順を用いてプライム又はフラッシュするために、GALA溶液を使用することもできる。GALA溶液を外部静脈支持体と併用することもできる。そのような支持体の一例は、Tel-Aviv、IsraelのVascular Graft Solutions社によって開発されたVest(商標)外部血管支持体である。
臓器及び組織保存溶液の成分をゲル、クリーム、又はヒドロゲルに組み込むこともできる。ヒドロゲルの例は、米国特許第6,339,074号に開示されている。
下のTable 1(表1)は、溶液AのpHが約8.0であり、溶液BのpHが約3.0である、本発明の実施形態を示すものである。
Figure 2016537333
混ぜ合わせた溶液Aと溶液Bの成分をTable 2(表2)に示す:
Figure 2016537333
以下の実施例は、本発明を例証することを意図したものであり、いかなる点においても本発明を限定することを意図したものではない。
Table 1(表1)からの溶液A及び溶液Bの複数のロットを製造した。別個の3つのロットからの21セットの溶液A及びB容器を、40℃で相対湿度75%を有する適格な安全性試験室内に置いた。各々のロットから溶液容器を定期的に取り、これらの加速条件下で試験した。このデータの結果を外挿して、2〜8℃で保管した時の製品の保存可能期間を決定した。保存可能期間の決定は、製品溶液が設定された仕様の範囲内にとどまる最小期間の評価に基づくものであった。溶液A及びBのpH、オスモル濃度及び伝導率を調査した。溶液Aを構成する8つの無機塩は不活性であり、長期間にわたって水性媒体中で安定した状態を保つ。
溶液Bの成分のうちの2つ、L-アルギニン及びD-グルコース、が3のpHで長期間にわたって安定していることも判明した。したがって、合格基準を満たす残りの仕様のすべてと共に、製品の保存可能期間の最終結果に影響を与える2つの成分は、それらの抗酸化特性のためL-アスコルビン酸及びL-グルタチオンであった。
安定性制限特性全般の根本的理由は、溶液が全還元環境に必要な条件を維持するためであった。溶液がこの恩恵をもたらさなくなると仕様から外れる。還元環境は、ある程度の還元L-グルタチオン及びL-アスコルビン酸が、いかにわずかであろうとも、酸化還元、平衡及び溶解時にそれらの還元状態のままである限り、達成された。言い換えると、L-グルタチオン及びL-アスコルビン酸各々が分析法の検出限界より上であり続ける限り。
溶液を40℃で保管しているとき得たデータを、2のQ10係数を用いてそのような溶液の平均5℃の保管温度に外挿した。この外挿に基づき、溶液Bの保管安定性は約900日であると予測され、これは、少なくとも2年の保存可能期間を提供し、業界の要件をはるかに超えており、且つ現行の配合物の安定性をはるかに超えている。グルタチオンの濃度を示すものである得られた生データを図3Aに示し、アスコルビン酸及びアルギニンについての経時的濃度を図3Bに示す。
Q10則に従って、速度定数と温度と保存可能期間の関係を次のように表すことができる:
Figure 2016537333
式中のk1及びk2は、保存可能期間SL1及びSL2に関する温度T1及びT2での速度定数である。温度係数Q10の値は、反応の活性化エネルギーEaに依存する。したがって、少なくとも2つの異なる温度についての速度定数が判っていれば、上の方程式を用いてQ10を計算することができる。概して、Q10の値は、保存可能期間の所望の推定値が、a)保守的であるのか、b)蓋然的であり妥当であるのか、又はc)可能性はあるがさほど保守的でないのかに応じて、それぞれ、2、3又は4である。大まかに言うと、2のQ10は、12.2kcal/molのEaに相当し、3は、19.4 kcal/molに相当し、4は、24.5kcal/molに相当する。
製品の規制当局への書類提出の初期段階に、詳細な温度依存動態データがまだ入手できない場合、保存可能期間の保守的推定を行わなければならない。それ故、製品保存可能期間の保守的推定値を決定するために2のQ10値を用いて、分解反応の低い活性化エネルギーを仮定する。この法則に従って、反応の「最も蓋然性が高い活性化エネルギー」を仮定すると、保管温度が10度上昇するごとに反応速度は大体二倍になる。
40℃で溶液B中のL-グルタチオンの分解についての一次速度定数を、一方はヘッドスペースにアルゴンが有り、他方には無い、溶液Bの2つのロットの加速試験から、0.0643日-1であると決定した。これらのプロファイルを一緒に図4に示す。一次指数関数的減衰を下のプロットに示し、対応する線形対数プロットを上のプロットに示す。加えて、この温度(40℃)で、L-グルタチオンの製品仕様は、おおよそ73日間でその失効限界に近づいた。上記方程式中の引数を用いて、下記のように2のQ10値を用いる外挿により5℃保管での保存可能期間の保守的推定値を推定することができる:
Figure 2016537333
したがって、この計算から、最低でも、溶液Bの保存可能期間は、製品を5℃で保管したとき27カ月であると予測されると推測することができる。
しかし、15カ月のデータ収集後、2〜8℃での溶液Bの3つのGMPロットの安定性に関する詳細な実時間試験は、加速試験からの27カ月保存可能期間推定値が極度に保守的でありうることを示唆し、実際のQ10係数は2.94である。
5℃での実時間安定性試験は、今のところ約1年間進行している。これらのロットからのL-グルタチオン分解についての入手可能な12〜15カ月動態データを、約1.40×10-3-1の速度定数で一次反応動態にフィッティングすることができる。これらの速度では、L-グルタチオンについての製品仕様が約100カ月間でその失効限界に近づいた。驚くべきことに、Q10外挿法を用いて40℃加速試験に基づいて決定した保存有効期間は、実際の実時間データによって示唆されるものより有意に短かった(27カ月)。この食い違いは、下に記載するQ10外挿中に行った仮定条件に基づいて合理的に説明することができる。
65日間にわたって40℃/75%RHの加速条件下で溶液Bに関して溶液B中のL-グルタチオンについて観察された分解速度を図4に示す。同様の傾向が溶液Bの幾つかの他のロットについて観察された。すべての場合、この反応の速度は、性格上、純粋に(一次)指数関数的であり、これは、試験した時間範囲にわたって、同等の経過時間が、分析物濃度、この場合はL-グルタチオンの濃度、の同等の減少分率を与えることを意味する。11ロットすべての40℃と5℃両方での速度定数をTable 3(表3)に要約する。指数関数フィットから導出した方程式中の指数の値が(日-1の単位での)一次速度定数k1である。これらの値も、試験した温度ごとにTable 3(表3)に提示する。
温度係数Q10についての2.94のこの実験に基づいて導出された値は、保存可能期間の以前の計算に用いた2の値より高い。Q10=2の値は、12kcal/mmolの比較的低い活性化エネルギーから得られる保存可能期間の非常に保守的な推定を表す。一方で、Q10=2.94の値での19kcal/mmolのより高い活性化エネルギーは、保管温度が10度上昇するごとに反応速度が大体三倍になり、保存可能期間との対応する逆比例関係があることを意味する。
L-グルタチオン分解についての19.0kcal/molの真の活性化エネルギーをよりよく表す2.94の修正Q10値を用いて、40℃保存可能期間データを外挿することにより、及び/又は5℃での1年実時間データの指数関数フィットから直接、溶液Bの保存可能期間を再計算することができる。修正値をTable 3(表3)にまとめる。
2つのアプローチによって得た結果の不一致を、(保守的)Q10値2及び(実験的)Q10値2.94を用いる40℃実験データの外挿により5℃〜60℃の間の様々な温度での保存可能期間を比較することで例証する。結果をTable 4(表4)に示す。
Figure 2016537333
Figure 2016537333
このように、保存可能期間は、GALA溶液の成分を、グルコースを場合により含むことがあるより高いpH平衡塩類溶液に分離すること、有機成分、特に、L-アルギニン、アスコルビン酸及びグルタチオン、加えて場合により糖をかなり低いpHで保管することによって有意に向上される。予想外なことに、還元グルタチオンの安定性を増加させることがアスコルビン酸及びL-アルギニンの安定性も増加させることを発見した。2つの溶液の保管安定性は、商業的期待及び要求をはるかに超えており、そのことがこの配合物をよりいっそう実用的にし、多種多様な異なる環境に適したものにする。これは、移植材料の細胞生存率を向上させる、向上した移植片機能の最終結果をもたらす。
これは、本発明の好ましい実施方法を伴う本発明の説明である。しかし、本発明自体は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるべきものである。
10 バッグ
12 室
14 室
16 クランプ
20 臓器及び組織保存キット、キット
22 容器、溶液、バイアル
24 容器、溶液、バイアル
26 滅菌容器、容器
28 滅菌注射器
32 血管導管
34 GALA溶液、混合溶液

Claims (31)

  1. 第一の容器に収容された第一の水溶液及び第二の容器に収容された第二の溶液から構成される臓器及び保存キットであって、前記第一の水溶液が平衡塩類溶液から構成され、前記第一の溶液が少なくとも7.0のpHを有し、前記第二の溶液が水、還元グルタチオン、アスコルビン酸、糖、L-アルギニンから構成され、前記第二の溶液が約5.0以下のpHを有する、臓器及び保存キット。
  2. 前記第一及び第二の容器が単一容器内の第一及び第二室であり、前記第一及び第二室が仕切りによって互いに区分されており、前記仕切りを取り外すと、前記第一の溶液が前記第二の溶液と混合して完全な臓器及び組織保存溶液を形成する、請求項1に記載のキット。
  3. 前記第一の溶液のpHが約7.8であり、前記第二の溶液のpHが約4.0である、請求項1に記載のキット。
  4. 前記第一の溶液のpHが約7.6であり、前記第二の溶液のpHが約5.0である、請求項1に記載のキット。
  5. 溶液A及び/又はBがゲル、軟膏、ローション又はヒドロゲルに配合される、請求項1に記載のキット。
  6. 臓器又は組織保存溶液を調製する方法であって、
    7.6〜約8.0のpHを有する平衡塩類溶液を形成する工程を含む第一の溶液を調製する工程と、
    水、D-グルコース、L-アルギニン;グルタチオン及びアスコルビン酸から構成される約3〜5のpHの第二の溶液を調製する工程と、
    使用する時点で前記第一の溶液を前記第二の溶液と混合して7.3±0.4のpHを有する混ぜ合わせた溶液を形成する工程と
    を含む方法。
  7. 組織又は臓器を保存する方法であって、請求項6に記載の方法に従って溶液を形成する工程と、前記組織又は臓器を前記溶液と接触させる工程とを含む、方法。
  8. 組織又は臓器が、伏在静脈、腹壁動脈、胃大網動脈、橈骨動脈、心臓、肺、腎臓、脳、筋移植片、皮膚、腸、骨、付属器、目、及び前記組織又は臓器の部分から成る群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 第一の容器に収容された第一の水溶液及び第二の容器に収容された第二の溶液から構成される臓器及び組織保存キットであって、前記第一の水溶液が平衡塩類溶液及び糖から構成され、前記第一の溶液が約7.6〜約8.0のpHを有し、前記第二の溶液が水、L-アルギニン、還元グルタチオン及びアスコルビン酸から構成され、前記第二の溶液が約3〜5のpHを有する、臓器及び組織保存キット。
  10. 前記第一の溶液のpHが約7.6であり、前記第二の溶液のpHが約5.0である、請求項8に記載のキット。
  11. 溶液A及び/又はBがゲル、軟膏、ローション又はヒドロゲルに配合される、請求項8に記載のキット。
  12. 臓器又は組織保存溶液を調製する方法であって、
    平衡塩類水溶液及び糖から構成される約7.6〜8.0のpHを有する第一の溶液を調製する工程と、
    水、L-アルギニン、グルタチオン及びアスコルビン酸から構成される約3〜5のpHの第二の溶液を調製する工程と、
    前記第一の溶液を前記第二の溶液と混合する工程と
    を含む方法。
  13. 前記第一の溶液のpHが約7.6であり、前記第二の溶液のpHが約5.0である、請求項11に記載の方法。
  14. 溶液を製造する方法であって、水、グルタチオン、L-アルギニン、糖及び還元剤を混合する工程と、前記溶液が3.0〜約5.0のpHを有するように前記溶液を緩衝剤で緩衝する工程とから成る方法。
  15. 前記糖がグルコースである、請求項13に記載の方法。
  16. 前記還元剤がアスコルビン酸である、請求項13に記載の方法。
  17. 水、L-アルギニン、グルタチオン、糖、還元剤及び緩衝剤から成る溶液。
  18. 前記糖がグルコースである、請求項16に記載の溶液。
  19. 前記還元剤がアスコルビン酸である、請求項16に記載の溶液。
  20. 前記緩衝剤がHClの溶液である、請求項16に記載の溶液。
  21. 第一の容器に収容された第一の水溶液及び第二の容器に収容された第二の溶液から構成される臓器及び保存キットであって、前記第一の水溶液が平衡塩類溶液から構成され、前記第一の溶液が少なくとも7.0のpHを有し、前記第二の溶液が水、システイニルグリシン、アスコルビン酸、糖、L-アルギニンから構成され、前記第二の溶液が約5.0以下のpHを有する、臓器及び保存キット。
  22. 前記第二の溶液が還元グルタチオンから更に構成される、請求項20に規定の臓器保存。
  23. 臓器又は組織保存溶液を調製する方法であって、
    7.6〜約8.0のpHを有する平衡塩類溶液を形成する工程を含む第一の溶液を調製する工程と、
    水、D-グルコース、L-アルギニン;システイニルグリシン及びアスコルビン酸から構成される約3〜5のpHの第二の溶液を調製する工程と、
    使用する時点で前記第一の溶液を前記第二の溶液と混合する工程と
    を含み、
    前記第一及び第二の溶液の一方が糖を含む、方法。
  24. 前記第二の溶液が還元グルタチオンから更に構成される、請求項22に記載の方法。
  25. 生体組織を保存する方法であって、
    第一の水溶液を第二の水溶液と混ぜ合わせる工程と、
    前記組織を混ぜ合わせた溶液と接触させる工程と
    を含み、
    前記第一の水溶液が平衡塩類溶液から構成され、少なくとも7のpHであり、
    前記混ぜ合わせた溶液を形成するために前記第二の溶液がpH5.0以下で水、還元グルタチオン、アスコルビン酸、L-アルギニンから構成され、
    前記第一及び第二の溶液の一方が糖を含む、方法。
  26. 前記第一の溶液の前記pHが約8であり、前記第二の溶液のpHが約3である、請求項24に記載の方法。
  27. 前記第一の溶液の前記pHが約7.6であり、前記第二の溶液の前記pHが約5である、請求項24に記載の方法。
  28. 前記第二の溶液がシステイニルグリシンを更に含む、請求項24に記載の方法。
  29. 前記糖がグルコースである、請求項24に記載の方法。
  30. 前記混ぜ合わせた溶液が約7.3±0.4のpHを有する、請求項24に記載の方法。
  31. 生体組織を保存する方法であって、
    第一の水溶液を第二の水溶液と混ぜ合わせ、それによって混ぜ合わせた溶液を形成する工程と、
    前記組織を前記混ぜ合わせた溶液と接触させる工程と
    を含み、
    前記第一の水溶液が、7.6〜約8.0のpHを有する平衡塩類溶液を含み、
    前記第二の溶液が、3〜5のpHで水、グルコース、L-アルギニン、還元グルタチオン、アスコルビン酸及び、場合によりシステイニルグリシンから成る、方法。
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