JP2016528224A - ハロゲン化有機非ポリマー化合物の脱ハロゲン化水素化のための方法 - Google Patents

ハロゲン化有機非ポリマー化合物の脱ハロゲン化水素化のための方法 Download PDF

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Abstract

式:[Cat+][X−](式中、[Cat+]は、一または複数の有機カチオン種を表し、[X−]は、一または複数のアニオン種を表す)を有するイオン液体を含む触媒を使用するハロゲン化有機非ポリマー化合物の脱ハロゲン化水素化のための方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ハロゲン化有機非ポリマー化合物、好ましくはDCE(1,2−ジクロロエタン)のような塩素化有機非ポリマー化合物の脱ハロゲン化のための方法に関する。
現行の工業プロセスは、DCEを熱分解して塩化ビニル非ポリマー化合物(VCM)とHClとにするために高温熱分解を利用している。しかし、前記プロセスは、いくつかの重大な欠点で特徴付けられる:一方では、DCE転化率は低温では制限され、他方では、温度の上昇は、副生成物およびコークス形成をもたらし、その結果実際には、約500℃の最適温度が工業的には用いられており、それは、エネルギーを消費し、依然として(約50〜60%の)制限された転化率および約98%の選択率をもたらす。
類似の問題に、他のハロゲン化有機非ポリマー化合物、特に塩素化されたもので一般に遭遇し、その結果いくつかの試みが、熱分解を触媒化学反応で置き換えるために過去に行われてきた。まさに、アルカリ金属塩化物、溶融塩、Mg(OH)、酸化物触媒の酸性部位、そしてまたトリエチルベンジルアンモニウムアルコキシドのような液体を使用する脱塩化水素化反応が、文献に開示されている。しかし、これらのどれも、低温での高い転化率および選択率ならびに環境にやさしい特性を同時に提供しない。「低温」とは、300℃よりも低い温度を一般に意味する。
他方では、最近、イオン液体(IL)、すなわち、「溶融した」(つまり液体)状態の有機塩が、ポリ塩化ビニルポリマー(PVC)を脱塩化水素化するために使用されている。これらのILは、それらの化学的および熱的安定性、低い蒸気圧ならびにリサイクリングの容易さのために環境にやさしく、PVCを効果的に脱塩化水素化するそれらの能力は、例えばZhaoら,「Dehydrochlorination of polyvinyl chloride in basic ionic liquids」,the 5th ISFR October 11−14,2009,Chengdu,China,260−262;「A highly efficient approach for dehydrochlorinating polyvinyl chloride catalysis by 1−butyl−3−methylimidazolium chloride」,Green Chem.,2010,12,1062−1065によって、ならびにGlasら「End−of−life treatment of PVC and chlorinated polyethylene by dehydrochlorination in Ionic Liquids」,Chem Sus Chem 2014,7(2)610−7によって開示されている。
実際に、PVCのようなポリマーの脱塩化水素化(およびより一般的には:脱ハロゲン化水素化)は、このプロセス中に、熱力学的に有利である二重共役二重結合が形成されるので、むしろ容易である。
本出願人は、意外にも、いくつかのILがDCEの熱分解または苛性処理の代替としてDCEを脱塩化水素化するために、より一般的にはハロゲン化非ポリマー化合物を熱分解する代わりにそれらを脱ハロゲン化水素化するために使用できることを今見いだした。非ポリマー化合物の脱ハロゲン化水素化は実際には、共役二重結合がプロセス中にまったく形成されないので、熱力学的に不利である。
それ故、本発明は、式:
[Cat][X
(式中:[Cat]は、一または複数の有機カチオン種を表し、
[X]は、一または複数のアニオン種を表す)
を有するイオン液体を含む触媒を使用するハロゲン化有機非ポリマー化合物の脱ハロゲン化水素化のための方法に関する。
「触媒」とは、反応に関与するが、それにおいて化学量論的に変化しない、すなわち、反応によって消費されない化合物を意味する。その関連で、S.S.Shavanovら,Journal of Organic Chemistry of the USSR,1990,26(5),643−647(XP第008166896号)に記載されている脱ハロゲン化水素化反応に使用されるアルコキシド化合物、すなわち、トリエチルベンジルアンモニウムエトキシドは、反応によって消費されない化合物ではなく、代わりに、基本的に酸−塩基反応である、反応の化学量論に関与するので、触媒と見なすことはできない。これは、化学量論量のアルコキシドが使用されることが明記されている644ページの第4段落から理解することができる。
「イオン液体」とは、所望の反応のために用いられる温度で液体であり、好ましくは、所望の反応のために用いられる温度よりも少なくとも10℃下の溶融温度を有する有機塩を意味する。
用語「イオン液体を含む触媒」は、触媒が純粋なILではないに違いないことを暗示するのみならず、ILが、それ故に固体であってもよい触媒中に組み込まれてもよいことを暗示する。例えば、ILは、下により詳細に説明されるように担体中に/上に含浸されてもよい。また、ILは、重合させられているモノマーであってもよい。その例は、塩化ジアリルジメチルアンモニウム(DADMAC)のホモポリマーであるポリ−塩化ジアリル−ジメチル−アンモニウム(縮めてポリDADMACまたはポリDDA)である。
多くのILは、それらが担体上で使用される場合、本発明の反応条件で腐食性であるから、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアまたは他の安定な酸化物のような固体担体を選択することが有利であり得よう。
ILはまた、(本発明の反応条件で反応しない)不活性化合物とのまたは試薬との、すなわち、脱ハロゲン化水素化される化合物との混合物として使用することができる。その場合には、混合物中のIL濃度は、好ましくは少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%モル濃度である。
本発明によれば、カチオン[Cat]は、例えばホスホニウムもしくはアンモニウム型のもの、またはまたヘテロ芳香族性のものであってもよい有機カチオンである。
カチオン[Cat]は、次の一般式:[PRaRbRcRd]
(式中、Ra、Rb、Rc、Rdは独立して、アルキル(C1〜C30の)、アリール(C6〜C10)、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは水素であるように選択することができ;それによってアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基は、(シクロ)アルキル、(シクロ)アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アミド、アンモニウムまたはホスホニウム基で置換され得る)のホスホニウムイオンであり得る。
カチオン[Cat]はまた、タイプ[NRaRbRcRd](式中、Ra、Rb、Rc、Rdは独立して、アルキル(C1〜C30の)、アリール(C6〜C10)、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは水素であるように選択することができ;それによってアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基は、(シクロ)アルキル、(シクロ)アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アミド、アンモニウムまたはホスホニウム基で置換され得る)のアンモニウムイオンであり得る。
カチオン[Cat]はまた、芳香環中にNまたはP原子を持った、ヘテロ芳香族性のものであり得るし、それによって環は、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ベンズイミダゾリウム、フタラジニウム、ピペリジニウム、ピロリウム、キナゾリニウム、キノリニウム、イソ−キノリニウム、インドリニウムまたはインドリウム型のものであり得る。
好ましくは、カチオンは、ホスホニウム型[PRaRbRcRd]のものである。そのようなカチオンのILは、脱ハロゲン化水素条件下で優れた熱安定性を示すことが分かった。好ましくは、このホスホニウムカチオンの置換基Ra、Rb、Rc、Rdは独立して、専らCおよびH原子からなる鎖状または分岐アルキル、アリール、アリールアルキル基、および水素から選択される。
好ましいホスホニウム型カチオンとしては、テトラブチルホスホニウムつまりBuまたは[P4,4,4,4]またはC4444P+Cl−;トリブチルホスホニウムつまりHBuまたは[PH4,4,4]またはHC444PCl−;トリブチル(テトラデシル)ホスホニウムつまり(C1429)Buまたは[P14,4,4,4]またはC44414P+Cl−およびトリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムつまり(C1429)HexP+または[P14,6,6,6]またはC66614P+Cl−が挙げられるが、それらに限定されない。
効率的であり、かつ、商業的に、すなわち、会社Cytecからブランド名Cyphos(登録商標)443Pで容易に入手可能であるので、Buまたは[P4,4,4,4]は、好ましい。短い鎖の置換基はILの溶媒性能を向上させ、その結果、メチル、エチルまたはプロピルのようなP+のより短い置換基がより良好な結果をもたらすことが分かった。不幸にも、そのような製品は、今日容易に商業的に入手可能ではない。
アニオン[X]は好ましくはハライドであり、さらにより好ましくは、熱力学的平衡により常に起こるであろう任意のアニオン交換を回避するために、有機化合物から脱ハロゲン化水素によって脱離されるものと同じハライドである。それ故に、脱塩化水素の場合では、カチオンは好ましくはクロリドである。
本発明においては、触媒は、上に記載されたようなイオン液体の混合物を含んでもよい。ホスホニウムイオン周りの電荷密度を高めるために、塩、好ましくは再び、有機化合物から脱ハロゲン化水素によって脱離されるものと同じアニオンを有する塩がイオン液体に添加されてもよい。脱塩化水素反応の場合には、ILへのCsClの添加がその熱安定性を向上させることが分かった。同様な効果は、KCl、Cs2CO3、K2CO3、CsOHまたはKOHなどの他のセシウムまたはカリウム塩で得ることができる。
本発明の枠組みの中で、「非ポリマー化合物」とは、ポリマーとは反対に、ただ限定された繰り返し(典型的には最大3)だけの同じ化学単位を有する低分子量の分子を意味する。それ故に、それは一般に液体または気体である。それは好ましくは、それを脱ハロゲン化水素化することによって、共役二重結合がまったく形成されないような化学構造を有する分子である。好ましくは、前記非ポリマー化合物は、いかなる繰り返しもなしに単一の化学単位を含む。
本発明の方法によって脱ハロゲン化水素化することができる非ポリマー化合物は、塩素化、フッ素化および臭素化非ポリマー化合物、好ましくは塩素化されたもの、より好ましくはTCE(トリクロロエタン)またはDCEを含むが、それらに限定されない。とりわけDCEを、本発明の方法を用いて容易に脱塩化水素してVCMにすることができる。
本発明の反応で最適化されるべきであり、そしてまた非ポリマー化合物の性質に依存し得るパラーメータは、イオン液体の性質および量;それが担持されているか担持されていないかという事実;温度;圧力:反応器形状/タイプ:接触時間および非ポリマー化合物とILとの間の交換界面;反応媒体の攪拌を含むが、それらに限定されない。
反応の温度は一般に、使用されるILの熱安定性を考慮してできるだけ高い。ホスホニウム系のILの場合には、反応温度は有利には、180℃以上、好ましくは200℃以上、さらにより好ましくは240℃以上である。好ましくは、温度は、280℃以下、より好ましくは260℃以下である。
供給物(流入する流れ)中のハロゲン化有機化合物の体積濃度は好ましくは、2vol%以上である。より有利には、体積濃度は、流入する流れの中に5vol%以上である。
この反応を実施するための好適な工業用の反応器は、CSTR型の反応器、PFR型の反応器、流下膜式反応器を含むが、それらに限定されない。
ILは腐食性であるので、上にリストアップされた反応器は、普通の工業的寿命(数年、典型的には少なくとも10年)の間に腐食が非常に低いことを可能にするように設計されるべきである。それらは好ましくは、反応媒体の腐食性に装置が耐えることを可能にする、大型の耐腐食性材料あるいは保護層としての耐腐食性材料をベースにしている。
大型において使用することができるかあるいは保護層として使用することができる、解離形態の、ハロゲン化した酸に、好ましくはHClに耐性がある材料の例は、金属、フッ素化ポリマー、セラミックス、(含浸)黒鉛、エナメルおよび炭化ケイ素である。
(機械抵抗を提供するものとは異なる材料でできた)保護層として使用されてもよい材料の例は、Nb、Taなどの金属、Hastelloy(登録商標)C276、Hastelloy(登録商標)HB2、Monel(登録商標)、Inconnel(登録商標)、Incoloy(登録商標)などの金属合金、Pfaudler(登録商標)email WWG、Pfaudler(登録商標)email 4300、Pfaudler(登録商標)email ASGなどのエナメル、PTFE、PFA、MFA、PVDFのようなフッ素化ポリマーである。
金属については、腐食代(または関係した部品を取り替えなければならない前に許容される腐食の量)は通常、5mm未満であり、3mm未満の腐食代が好ましく、2mm未満の腐食代がより好ましく、1.8mm未満の腐食代が特に好ましい。金属についての腐食代は通常、0.01mm超、好ましくは0.03mm超、より好ましくは0.05mm超である。
非金属保護層については、層の厚さは通常、0.1mm超、好ましくは0.3mm超、より好ましくは0.5mm超である。通常保護層の厚さは、20mmを下回り、好ましくは15mmを下回り、より好ましくは10mmを下回る。
装置は、単一材料で製造され得るかまたは二材料であり得る。装置が二材料である場合、一般に支持材は、反応媒体と接触せず、機械抵抗を提供する。支持材は、金属またはプラスチックであり得る。支持材の例は、炭素鋼、ステンレス鋼、ガラス繊維強化ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVCである。炭素鋼が好ましい。機械抵抗を提供する支持材は通常、外部雰囲気の腐食性にさらされる。好ましくは、支持材はまた、外部腐食に対する保護層を有する。外部保護層は、追加厚さの同じ材料、またはペイント層であり得よう。保護層が追加厚さである場合、それは通常、0.1mm超、好ましくは0.3超、より好ましくは0.5mm超であり、一方、それは通常、5mmを下回り、好ましくは3mmを下回り、より好ましくは2.5mmを下回る。本発明は、以下に記載される実施例によって今例示され、その結果は本明細書に付属する。
実験1〜4におけるジクロロエタンの転化率の経時変化を示す。 実験5〜8におけるジクロロエタンの転化率の経時変化を示す。 実験9〜16におけるジクロロエタンの転化率の経時変化を示す。 実験17〜23におけるジクロロエタンの転化率の経時変化を示す。 実験24〜33におけるジクロロエタンの転化率の経時変化を示す。 実験34〜36におけるジクロロエタンの転化率の経時変化を示す。 実験37におけるジクロロエタンの転化率の経時変化を示す。
実験は、2つの異なる実験室ベンチスケール反応器を用いて実施した。
反応器(1):所与の量の選択されたイオン液体を秤量し、ガラス反応器バイアルに入れた(必要ならば、イオン液体は、3時間Schlenkラインを用いて前もって乾燥させていてもよい)。いくつかの実験では、他の添加剤をまたイオン液体に添加した(例えばZnCl、HC444PCl...
反応器を、アルミニウム加熱ブロックに入れ、所望の反応温度(180、200、220または240℃)まで加熱し、追加の乾燥工程として乾燥Nでフラッシュした。Nのそのような流量を、希釈および安全目的のために実験の全体にわたって常に保った。反応混合物を、少なくとも200rpmの回転速度で反応器の底部に置かれた磁気攪拌バーを用いて攪拌した。
DCEaを、2つの異なる方法を用いて反応器に供給した:
(1a)反応を次に、反応器に入る前のDCEa飽和器中へ追加の5mL/分の乾燥N2をフラッシュすることによって開始させた。これは、約22μモル/分(実験室の毎日の圧力および温度変化のために流量がわずかに変動することに留意して、T=25℃、p=1気圧についておよび完全な液−気平衡を仮定して計算される)のDCEa流入量を説明した。
(1b)反応を、1〜45ミリモル/hのDCEa流量範囲を可能にする注入ポンプを用いる反応器へのDCEaの添加によって開始させた。方法(1b)は、特有の実験室反応器設計により、工業的適用へのより近いセットアップを表すが、実験結果のより高い変動が観察された。
反応器(2):水平コイルガラス管反応器を用いた(I.D.4〜5mmおよび900〜110mmの全長)。所与の量の選択されたイオン液体を秤量し、「蒸発工程」によって反応器に入れた(必要ならば、イオン液体は、3時間Schlenkラインを用いて前もって乾燥させていてもよい)。所望の量のILを、約10mLのDMSOに溶解させた。次に、反応器を、DMSO−IL溶液で完全に満たした。DMSOを次に、約50℃の温度で反応器を穏やかに加熱することによって蒸発除去した。この手順の後に、使用したILの量に応じて、反応器体積の約1〜15vol%がILで満たされた。ILを、極くわずかな不備で反応器の全体にわたってむらなく、均一に分配させた。反応器を次に砂浴に埋めた。反応器を次に、N2でフラッシュしてDMSOの除去を確実にした。反応器温度を次に、市販の加熱板を用いることによって所望の温度にした。このタイプの反応器は、流下膜式反応器などの高い気−液表面交換を特徴とするそれらの工業反応器を実験室規模で再現するように設計されていたので、特に重要である。
DCEaを、2つの異なる方法を用いて反応器に供給した:
(2a)反応を次に、反応器に入る前のDCEa飽和器中へ追加の5mL/分の乾燥N2をフラッシュすることによって開始させた。これは、約24μモル/分のDCEa流入量を説明した(流量は、実験室の毎日の圧力および温度変化のためにわずかに変動した)。
(2b)反応を、1〜45ミリモル/hのDCEa流量範囲を可能にする注入ポンプを用いる反応器へのDCEaの添加によって開始させた。
反応を所要時間実施し、出口ガスを、オンラインGCを用いて分析した。
詳細な実験条件を下表1に示し、試行の結果を添付の図1〜7に示す。ここでは、転化率を時間の関数としてプロットする。転化率は、次の通り計算した:
(式中、DCEa入口およびDCEa出口は、それぞれモル/h単位で表される反応器前後のDCEaの流量である)。DCEa出口は、オンラインGCを用いて測定したが、DCEa入口は、バイパス弁を用いることによって反応器の前後で測定したにすぎなかった。
実験のすべてにおいて見掛けの転化率における初期の低下が、ILへのDCEの初期の溶解のために観察され得る。そのような溶解期間は平均約60分続き、その後、真の触媒転化率が測定される。実験のすべてにおいて、選択率は、形成された、そしてGCで分析された副生成物の量に基づいて評価した。すべての場合に、選択率は95%超であると見積もられた。
意外にも、試験されたシステムのすべてが高い選択率で安定した転化率を示した。
実験2、3、4を含むシリーズは、DCEa転化率への温度の影響を強調している。結果は、温度の上昇が転化率の増加をもたらすことを示す。
実験:
2、1、5 (塩化テトラブチルホスホニウム、180℃)
6、7 (塩化テトラブチルホスホニウム、200℃)
4、8 (塩化テトラブチルホスホニウム、240℃)
12、13、14 (塩化トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウム、180℃)
を含むシリーズは、転化率への使用されるILの量の影響を強調している。利用されるILの量が反応滞留時間と相関があることは注目に値する。結果は、ILの量の増加がDCEa転化率の向上にとって有益であることを示す。
実験9、22および23は、反応混合物への無機塩の添加の影響を示す(実験9は、実験1と比較すべきであり、一方、実験22および23は、実験18と比較すべきである)。
実験10および11は、2つの異なるイオン液体の混合物を使用して実施した。
異なるILを試験し、結果を、実験15、16、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33によって示す。
(1b)として前に定義された反応器セットアップで得られた結果を、実験17、18、19、20、21、22、23に示す。特に、実験17、18、19、21は、DCEa転化率へのDCEa入口流量の影響を示す。
実験34、35、36は、(2a)として前に定義された反応器セットアップを用いて得られた。
実験37は、(2b)として前に定義された反応器セットアップを用いて得られた。この場合では、実験結果のより高い変動が観察された。

Claims (10)

  1. 式:
    [Cat][X
    (式中:
    [Cat]は、一または複数の有機カチオン種を表し、
    [X]は、一または複数のアニオン種を表す)
    を有するイオン液体を含む触媒を使用するハロゲン化有機非ポリマー化合物の脱ハロゲン化水素化のための方法。
  2. カチオン[Cat]が、ホスホニウムイオンであり、次の一般式:[PRaRbRcRd]
    (式中、Ra、Rb、Rc、Rdは独立して、アルキル(C1〜C30の)、アリール(C6〜C10)、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは水素であるように選択することができ;それによってアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基は、(シクロ)アルキル、(シクロ)アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アミド、アンモニウムまたはホスホニウム基で置換され得る)を有する、請求項1に記載の方法。
  3. カチオン[Cat]が、Bu4Pまたは[P4,4,4,4];HBu3Pまたは[PH4,4,4];(C14H29)Bu3Pまたは[P14,4,4,4];および(C14H29)Hex3Pまたは[P14,6,6,6]から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. カチオン[Cat]がBu4Pまたは[P4,4,4,4]である、請求項3に記載の方法。
  5. アニオン[X]が、有機化合物から脱ハロゲン化水素化によって脱離されるものと同じハライドである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. イオン液体が、シリカ、アルミナ、ジルコニアまたは別の安定な酸化物のような固体担体上に担持されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 有機非ポリマー化合物が、塩素化、フッ素化および臭素化非ポリマー化合物から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 有機非ポリマー化合物が塩素化されたものである、請求項7に記載の方法。
  9. 有機非ポリマー化合物が、TCE(トリクロロエタン)およびDCE(ジクロロエタン)から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 有機非ポリマー化合物がDCEである、請求項9に記載の方法。
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