JP2016509999A - ジアザクリセン誘導体を含む電子デバイス - Google Patents

ジアザクリセン誘導体を含む電子デバイス Download PDF

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Abstract

式I【化1】を有する化合物が提供される。式I中、R1〜R10は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、またはアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシおよびシリルの重水素化類似体であることが可能であり、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができ、かつ全ての他の部位はHまたはDである。加えて、式I中、(i)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つは、アルキル、アルコキシ、シリルまたはそれらの重水素化類似体であり、かつ(ii)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アリール、アリールオキシまたはそれらの重水素化類似体である。

Description

関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、その記載内容全体が参照により援用される2013年2月25日に出願された米国仮特許出願第61/768852号明細書の優先権を主張する。
本開示は、一般に、電気活性ジアザクリセン化合物に関する。これはまたジアザクリセン誘導体を有する少なくとも1層を含む有機電子デバイスにも関する。
OLEDディスプレイを構成する有機発光ダイオード(「OLED」)などの有機電子デバイスにおいて、有機電気活性層は、OLEDディスプレイ中で2層の電気接触層の間に挟まれている。OLED中、電気接触層の間に電圧が印加された時に、有機光活性層は、光透過性電気接触層を透過する光を発する。
発光ダイオード中の電気活性成分として有機エレクトロルミネッセント化合物が使用されることは周知である。単純な有機分子、共役ポリマー、および有機金属錯体が使用されている。
光活性材料を使用するデバイスは、多くの場合、光活性(例えば発光)層と接触層(正孔注入接触層)との間に配置された1層以上の電荷輸送層を含む。デバイスは2層以上の接触層を含むことができる。光活性層と正孔注入接触層との間に正孔輸送層を配置することができる。正孔注入接触層はアノードと呼ばれてもよい。光活性層と電子注入接触層との間に電子輸送層を配置することができる。電子注入接触層はカソードと呼ばれてもよい。電荷輸送材料は、光活性材料と組み合わせてホストとして使用することもできる。
電子デバイスのための新規材料が引き続き必要とされている。
式I
(式中、
1〜R10は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルキルの重水素化類似体、アリールの重水素化類似体、および重水素化シリルからなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができるが、
ただし、(i)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、かつ(ii)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択されることを条件とする)を有するジアザクリセン誘導体が提供される。
(a)式Iを有するホスト化合物と、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能なドーパントとを含む組成物も提供される。
式Iの化合物を含む少なくとも1つの層を含む電子デバイスも提供される。
また、2つの電気接触層の間に配置された少なくとも1つの電気活性層を含み、デバイスの少なくとも1つの電気活性層が式Iを有する電気活性化合物を含む電子デバイスも提供される。
また、アノードと、正孔注入層と、光活性層と、電子輸送層と、カソードとを含む有機電子デバイスであって、光活性層および電子輸送層の少なくとも1つが式Iを有する化合物を含む有機電子デバイスも提供される。
以上の一般的説明および以下の詳細な説明は、単に例示的および説明的なものであり、添付の特許請求の範囲に定義される本発明を限定するものではない。
本明細書において提示される概念の理解を深めるために、添付の図面に実施形態を説明する。
図1は、有機電子デバイスの実施例の概略図を含む。 図2は、有機電子デバイスの別の実施例の概略図を含む。
当業者は、図面中の物体が、平易かつ明快にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを認識する。例えば、実施形態の理解を高めるために、図面中の一部の物体の寸法が他の物体よりも誇張されていてもよい。
多くの態様および実施形態を以上に説明しているが、これらは単に例示的で非限定的なものである。本明細書を読めば、本発明の範囲から逸脱することなく他の態様および実施形態が可能であることは当業者に認識される。
いずれか1つ以上の実施形態のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。詳細な説明では、最初に用語の定義および説明を記載し、続いてジアザクリセン誘導体、電気活性組成物、電子デバイス、ならびに最後に実施例を記載する。
1.用語の定義および説明
以下に記載される実施形態の詳細を記載する前に、一部の用語について定義または説明を行う。
用語「アルキル」は、脂肪族炭化水素から誘導される基を意味することが意図される。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜20個の炭素を有する。
用語「アリール」は、芳香族化合物から誘導される基を意味することが意図される。用語「芳香族化合物」は、非局在化パイ電子を有する少なくとも1個の不飽和環式基を含む有機化合物を意味することが意図される。この用語は、炭素および水素原子のみを有する炭化水素芳香族化合物、ならびに環式基中の炭素原子の1個以上が、窒素、酸素、硫黄などの別の原子によって置き換えられる複素環式芳香族化合物を包含することが意図される。いくつかの実施形態において、炭化水素アリール基は、6〜60個の環炭素を有する。いくつかの実施形態において、複素環式アリール基は、3〜60個の環炭素を有する。
層、材料、部材、または構造に関して言及される場合、用語「電荷輸送」は、そのような層、材料、部材、または構造が、比較的効率的かつ少ない電荷損失で、そのような層、材料、部材、または構造の厚さを通過するそのような電荷の移動を促進することを意味することを意図している。正孔輸送材料は正電荷を促進し;電子輸送材料は負電荷を促進する。光活性材料も、ある程度の電荷輸送特性を有し得るが、用語「電荷輸送層、材料、部材、または構造」は、主要な機能が発光または光受容である層、材料、部材、または構造を含むことが意図されない。
用語「重水素化」は、少なくとも1個の水素が重水素(本明細書中、「D」と略される)によって置き換えられたことを意味することが意図される。用語「重水素化類似物」は、1個以上の利用可能な水素が重水素に置き換えられた化合物または基の構造類似物を指す。重水素化化合物または重水素化類似物において、重水素は天然存在量の少なくとも100倍で存在する。いくつかの実施形態において、化合物は少なくとも10%重水素化される。「%重水素化される」または「%重水素化」は、重陽子対全てのプロトンおよび重陽子の比率を意味し、パーセントで表される。
用語「ドーパント」は、ホスト材料を含む層中で、そのような材料を含まない場合の層の放射線放出の電子的特徴または波長、受容、またはフィルタリングと比較して、層の放射線放出の電子的特徴または標的波長、受容、またはフィルタリングを変化させる材料を意味することが意図される。
用語「電気活性」は、層または材料に適用する場合、電子または電気放射性を示す層または材料を意味するように意図される。電子デバイスにおいて、電気活性材料は、デバイスの動作を電子的に促進する。電気活性材料の例には、限定されないが、電子または正孔のいずれかであることが可能な電荷を伝導するか、導入するか、輸送するか、またはブロックする材料、および放射線を放射するか、または放射線を受け取る時に電子−正孔対の濃度の変化を示す材料が含まれる。不活性材料の例には、限定されないが、絶縁材料および環境バリア材料が含まれる。
用語「ホスト材料」は、ドーパントが添加されていても、されていなくてもよい、通常は層の形態の材料を意味することが意図される。ホスト材料は、電子的特性、あるいは放射線の放出、受容、またはフィルタリングする能力を有していてもよく、または有さなくてもよい。
用語「炭化水素アリール」は、水素および炭素原子のみを含有するアリール基を意味することが意図される。
用語「層」は、用語「膜」と同義的に使用され、所望の領域を覆うコーティングを意味する。この用語は大きさによって限定されることはない。この領域は、デバイス全体の大きさであることが可能であり、実際の視覚的表示などの特殊機能領域の小ささ、または1つのサブピクセルの小ささであることも可能である。層および膜は、気相堆積、液相堆積(連続的技術および不連続的技術)などの従来の任意の堆積技術および熱転写によって形成することができる。連続堆積技術としては、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、および連続ノズルコーティングが挙げられるが、これらに限定されるものではない。不連続堆積技術としては、インクジェット印刷、グラビア印刷、およびスクリーン印刷が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
用語「N−複素環」および「N−ヘテロアリール」は、それぞれ、芳香環に少なくとも1個の窒素を有する複素環式芳香族化合物または複素環式芳香族基を指す。
用語「有機電子デバイス」または単に「電子デバイス」は、1種以上の有機半導体層または材料を含むデバイスを意味することが意図される。
用語「光活性」は、印加電圧によって活性化されると光を発する(発光ダイオードまたは化学電池など)か、あるいは印加バイアス電圧の有無にかかわらず放射エネルギーに反応して信号を生じる(光検出器または光電池など)材料または層を意味することが意図される。
特に明記しない限り、全ての基は未置換であることも、置換されていることも可能である。特に明記しない限り、全ての基は、可能な位置で、直鎖であることも、分枝であることも、環式であることも可能である。いくつかの実施形態において、置換基は、アルキル、アルコキシ、アリール、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
本明細書中、明白に別に明示されるか、使用の状況によって逆に示されない限り、本対象の実施形態は、特定の特徴または要素を含んでなるか、含むか、含有するか、有するか、または構成されるものとして明示されるか、または記載される場合、明白に述べられるか、または記載されるものに加えて、1つ以上の特徴または元素が実施形態に存在してもよい。開示された本明細書の対象の別の実施形態は、特定の特徴または要素から本質的になるものとして記載され、そのような実施形態においては、実施形態の作動原理または顕著な特徴を大いに変更する特徴または要素は存在しない。開示された本明細書の対象のさらに別の実施形態は、特定の特徴または要素からなるものとして記載され、そのような実施形態においては、またはそれらのごくわずかな変形形態においては、具体的に記述または記載された特徴または要素のみが存在する。
さらに、反対の意味で明記されない限り、「または」は、包含的な「または」を意味するのであって、排他的な「または」を意味するのではない。例えば、条件AまたはBが満たされるのは、Aが真であり(または存在し)Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)Bが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)のいずれか1つによってである。
また、本発明の要素および成分を説明するために「a」または「an」も使用されている。これは単に便宜的なものであり、本発明の一般的な意味を提供するために行われている。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むものと読むべきであり、明らかにそうではない場合を除けば、単数形は複数形も含んでいる。
元素周期表中の縦列に対応する族の番号は、CRC Handbook of Chemistry and Physics,81stEdition(2000−2001)に見ることができる「New Notation」の規則を使用している。
特に定義しない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料については以下に説明する。本明細書において言及されるいずれの刊行物、特許出願、特許、およびその他の参考文献も、特定の部分に言及される場合を除けば、それらの記載内容全体が援用される。矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書に従うものとする。さらに、材料、方法、および実施例は、単に説明的なものであって、限定を意図したものではない。
本明細書に記載されていない範囲まで、具体的な材料、処理行為、および回路に関する多くの詳細は従来通りであり、それらについては、有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光電池、および半導体要素の技術分野の教科書およびその他の情報源中に見ることができる。
2.ジアザクリセン誘導体
電子輸送材料は、光活性層および電子輸送層のホスト材料として使用されている。Al、GaまたはZrなどのキノリン配位子の金属錯体に基づく電子輸送材料がこれらの用途で使用されている。しかしながら、いくつかの不都合がある。この錯体は、ホストとして使用される場合、低い大気安定性を有する可能性がある。そのような金属錯体を使用して製造された部品をプラズマ洗浄することは困難である。低いトリプレットエネルギーによって、>2.0eVエネルギーの燐光発光の消滅を導く。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるジアザクリセン誘導体はより高いトリプレットエネルギーを有し、蓄光性放射体のためのホストとして適切である。本明細書で使用される場合、用語「ジアザクリセン誘導体」は、化合物中に少なくとも1つの置換されたジアザクリセン基構造を有する化合物を意味するように意図される。4,10−ジアザクリセン基構造を以下に示す。
いくつかの実施形態において、式Iのジアザクリセン誘導体は、OLEDデバイスの溶液加工可能な電子により支配されるホストとして有用である。
いくつかの実施形態において、式Iのジアザクリセン誘導体は、電子輸送材料として有用である。
いくつかの実施形態において、式Iのジアザクリセン誘導体は、厚い電子輸送層を有するOLEDデバイスにおいてn−ドープするために適切な電子輸送材料として有用である。
いくつかの実施形態において、式Iのジアザクリセン誘導体から製造されるデバイスは、より低い作動電圧を有する。
いくつかの実施形態において、式Iのジアザクリセン誘導体から製造されるデバイスは、より高い効率を有する。
いくつかの実施形態において、式Iのジアザクリセン誘導体から製造されるデバイスは、より長い寿命を有する。
いくつかの実施形態において、この材料は、いずれの印刷電子技術の応用においても有用である。
いくつかの実施形態において、この材料は、フォトボルタイクスにおいて有用である。
いくつかの実施形態において、この材料は、TFTにおいて有用である。
いくつかの実施形態において、式Iを有する化合物は、重水素化される。いくつかの実施形態において、化合物は少なくとも20%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも30%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも40%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも60%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも70%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも80%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも90%重水素化され、いくつかの実施形態において、100%重水素化される。
本明細書に記載されるジアザクリセン誘導体化合物は、式I
(式中、
1〜R10は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、シリル、ならびにアルキル、アリールおよびシリルの重水素化類似体からなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができるが、
ただし、(i)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アルキル、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、かつ(ii)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アリールまたは重水素化アリールであることを条件とする)を有する。
本明細書で使用される場合、「隣接するR基」は、単結合であるか多重結合によって一緒に結合した炭素上のR基を指す。したがって、式I中、R1およびR2は隣接するR基であり、R2およびR3、R4およびR5、R5およびR6、R7およびR8、ならびにR9およびR10も同様である。
いくつかの実施形態において、隣接するR基は、脂肪族環を形成する。いくつかの実施形態において、脂肪族環は、5〜8個の炭素を有する。
いくつかの実施形態において、隣接するR基は、5員または6員芳香環を形成する。いくつかの実施形態において、芳香環にヘテロ原子がない。
1〜R3またはR4〜R6のうちの2つが結合して、芳香族環を形成する場合、R1〜R3およびR4〜R6の第3の基は、アルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
1〜R3またはR4〜R6のうちの2つが結合して、脂肪族環を形成する場合、R1〜R3およびR4〜R6の第3の基は、アリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R4〜R6の1つおよびR1〜R3の1つはHまたはDである。
いくつかの実施形態において、R4〜R6の2つおよびR1〜R3の2つは、アリール基または重水素化アリール基である。
いくつかの実施形態において、R4〜R6の2つおよびR1〜R3の2つは、アリールオキシ基または重水素化アリールオキシ基である。
いくつかの実施形態において、R4〜R6の2つおよびR1〜R3の2つは、アルキル基または重水素化アルキル基である。
いくつかの実施形態において、R4〜R6の2つおよびR1〜R3の2つは、アルコキシ基または重水素化アルコキシ基である。
いくつかの実施形態において、R4〜R6の2つおよびR1〜R3の2つは、シリル基または重水素化シリル基である。
いくつかの実施形態において、アミノ基は存在しない。
いくつかの実施形態において、カルバゾリル基は存在しない。
いくつかの実施形態において、R1〜R3の少なくとも1つは、式a
(式中、
R’は、それぞれ、同一であるか、または異なって、D、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、シリル、ジアリールアミノ、重水素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化アリール、重水素化アリールオキシ、重水素化シリルおよび重水素化ジアリールアミノからなる群から選択され、
aは、それぞれ、同一であるか、または異なって、0〜4の整数であり、
bは、0〜5の整数であり、
mは、1〜5の整数である)を有するアリール基である。
いくつかの実施形態において、R1〜R3の少なくとも1つは、式b
(式中、R’およびmは上記で定義された通りである)を有するアリール基である。式bによる基は重水素化されてもよい。
式aおよび式bのいくつかの実施形態において、mは1〜2である。
いくつかの実施形態において、R1〜R3の少なくとも1つは、式c
(式中、R’は上記で定義された通りである)を有するアリール基である。式cによる基は重水素化されてもよい。
式a〜cのいくつかの実施形態において、R’はアミノ基ではない。
式a〜cのいくつかの実施形態において、R’は、アルキル、アリール、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R4〜R6の少なくとも1つは、上記で定義された式aを有するアリールである。
いくつかの実施形態において、R4〜R6の少なくとも1つは、上記で定義された式bを有するアリールである。
いくつかの実施形態において、R4〜R6の少なくとも1つは、上記で定義された式cを有するアリールである。
いくつかの実施形態において、R1〜R3の少なくとも1つはアリール基であって、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリール基を含む。ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリール基は、ジアザクリセンコアに直接結合していてもよく、あるいは別のアリール基に結合してていてもよい。
いくつかの実施形態において、R4〜R6の少なくとも1つはアリール基であって、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリール基を含む。
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基はN−ヘテロアリールまたは重水素化N−ヘテロアリール基である。いくつかの実施形態において、N−ヘテロアリールまたは重水素化N−ヘテロアリール基は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ベンゾジアゾリル、カルバゾリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される。
N−ヘテロアリール基の例には、限定されないが、以下に示すものが含まれる。
(式中、Yは、アリール基、重水素化アリール基または結合点である。)この基は、利用可能な位置のいずれにおいても結合することができる。上記基の重水素化類似体が使用されてもよい。
いくつかの実施形態において、R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つは、
(式中、x=1または2であり、星印は化合物への結合点を示し、Hに関して利用可能な位置は、HまたはDであることができる)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つは、1〜12個の炭素、いくつかの実施形態において、1〜8個の炭素、いくつかの実施形態において、1〜5個の炭素を有するアルキル基または重水素化アルキルである。
いくつかの実施形態において、R7〜R10の少なくとも1つはアリール基である。
いくつかの実施形態において、R7〜R10の少なくとも1つは、上記で定義された式aを有するアリールである。
いくつかの実施形態において、R7〜R10の少なくとも1つは、上記で定義された式bを有するアリールである。
いくつかの実施形態において、R7〜R10の少なくとも1つは、上記で定義された式cを有するアリールである。
いくつかの実施形態において、R7〜R10の少なくとも1つは、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基はN−ヘテロアリールまたは重水素化N−ヘテロアリール基である。
いくつかの実施形態において、R7〜R10の少なくとも1つは、アルキル基または重水素化アルキル基である。いくつかの実施形態において、アルキル基または重水素化アルキル基は、1〜12個の炭素、いくつかの実施形態において、1〜8個の炭素、いくつかの実施形態において、1〜5個の炭素を有する。
いくつかの実施形態において、R7〜R10のそれぞれはHまたはDである。
いくつかの実施形態において、ジアザクリセン誘導体は、式I(a)
(式中、
Ar1およびAr2は、同一であるか、または異なって、かつアリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、
11〜R14は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルキルの重水素化類似体、アリールの重水素化類似体、および重水素化シリルからなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができ、かつ
他の全ての部位はHまたはDであるが、
ただし、R11およびR12の少なくとも1つならびにR13およびR14の少なくとも1つがアルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択されることを条件とする)を有する。
本明細書で使用される場合、「他の全ての部位はHまたはDである」とは、骨格構造で、Hが暗示される場所は、化合物は水素または重水素を有することができることを意味する。
いくつかの実施形態において、ジアザクリセン誘導体は、式I(b)
(式中、
Ar1およびAr2は、同一であるか、または異なって、かつアリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、
11〜R14は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルキルの重水素化類似体、アリールの重水素化類似体、および重水素化シリルからなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができ、かつ
他の全ての部位はHまたはDであるが、
ただし、R11およびR12の少なくとも1つならびにR13およびR14の少なくとも1つがアルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択されることを条件とする)を有する。
いくつかの実施形態において、ジアザクリセン誘導体は、式I(c)
(式中、
Ar1およびAr2は、同一であるか、または異なって、かつアリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、
11〜R14は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルキルの重水素化類似体、アリールの重水素化類似体、および重水素化シリルからなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができ、かつ
他の全ての部位はHまたはDであるが、
ただし、R11およびR12の少なくとも1つならびにR13およびR14の少なくとも1つがアルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択されることを条件とする)を有する。
式I(a)〜I(c)のいくつかの実施形態において、Ar1およびAr2は、上記で定義された式aを有する。
式I(a)〜I(c)のいくつかの実施形態において、Ar1およびAr2は、上記で定義された式bを有する。
式I(a)〜I(c)のいくつかの実施形態において、Ar1およびAr2は、上記で定義された式cを有する。
式I(a)〜I(c)のいくつかの実施形態において、Ar1およびAr2は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリール基を含む。
式I(a)〜I(c)のいくつかの実施形態において、アミノ基は存在しない。
式I(a)〜I(c)のいくつかの実施形態において、カルバゾリル基は存在しない。
式Iおよび式I(a)〜I(c)のいくつかの実施形態において、以下も含まれる。
(1)R1は、HまたはDである;
(2)R1は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(3)R1は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(4)R1は、シリルまたは重水素化シリルである;
(5)R1は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(6)R1は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(7)R1は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(8)R2は、HまたはDである;
(9)R2は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(10)R2は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(11)R2は、シリルまたは重水素化シリルである;
(12)R2は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(13)R2は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(14)R2は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(15)R3は、HまたはDである;
(16)R3は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(17)R3は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(18)R3は、シリルまたは重水素化シリルである;
(19)R3は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(20)R3は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(21)R3は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(22)R4は、HまたはDである;
(23)R4は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(24)R4は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(25)R4は、シリルまたは重水素化シリルである;
(26)R4は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(27)R4は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(28)R4は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(29)R5は、HまたはDである;
(30)R5は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(31)R5は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(32)R5は、シリルまたは重水素化シリルである;
(33)R5は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(34)R5は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(35)R5は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(36)R6は、HまたはDである;
(37)R6は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(38)R6は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(39)R6は、シリルまたは重水素化シリルである;
(40)R6は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(41)R6は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(42)R6は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(43)R7は、HまたはDである;
(44)R7は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(45)R7は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(46)R7は、シリルまたは重水素化シリルである;
(47)R7は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(48)R7は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(49)R7は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(50)R8は、HまたはDである;
(51)R8は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(52)R8は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(53)R8は、シリルまたは重水素化シリルである;
(54)R8は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(55)R8は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(56)R8は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(57)R9は、HまたはDである;
(58)R9は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(59)R9は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(60)R9は、シリルまたは重水素化シリルである;
(61)R9は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(62)R9は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(63)R9は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(64)R10は、HまたはDである;
(65)R10は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(66)R10は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(67)R10は、シリルまたは重水素化シリルである;
(68)R10は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(69)R10は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(70)R10は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(71)R1およびR2は、環を形成する;
(72)R2およびR3は、環を形成する;
(73)R4およびR5は、環を形成する;
(74)R5およびR6は、環を形成する;
(75)R7およびR8は、環を形成する;
(76)R9およびR10は、環を形成する;
(77)R4およびR5は、環を形成する;
(78)R5およびR6は、環を形成する;
(79)R1=R6
(80)R2=R5
(81)R3=R4
(82)R7=R10
(83)R8=R9
(84)Ar1は、式aを有する
(85)Ar1は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリール基を含む;
(86)Ar2は、式aを有する
(87)Ar2は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリール基を含む;
(88)Ar1=Ar2
(89)R11は、HまたはDである;
(90)R11は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(91)R11は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(92)R11は、シリルまたは重水素化シリルである;
(93)R11は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(94)R11は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(95)R11は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(96)R12は、HまたはDである;
(97)R12は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(98)R12は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(99)R12は、シリルまたは重水素化シリルである;
(100)R12は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(101)R12は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(102)R12は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(103)R13は、HまたはDである;
(104)R13は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(105)R13は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(106)R13は、シリルまたは重水素化シリルである;
(107)R13は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(108)R13は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(109)R13は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(110)R14は、HまたはDである;
(111)R14は、アルキルまたは重水素化アルキルである;
(112)R14は、アルコキシまたは重水素化アルコキシである;
(113)R14は、シリルまたは重水素化シリルである;
(114)R14は、炭化水素アリールまたは重水素化炭化水素アリールである;
(115)R14は、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリールである;
(116)R14は、アリールオキシまたは重水素化アリールオキシである;
(117)R11およびR12は、環を形成する;
(118)R13およびR14は、環を形成する;
(119)R4およびR5は、環を形成する;
(120)R5およびR6は、環を形成する;
(121)R11=R14
(122)R12=R13
上記の特定の、および/または一般的な実施形態のいずれも、それらが排他的にならない限り、他の実施形態の1種以上と組み合わせることができる。例えば、R1〜R3の少なくとも1つがヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリール基である実施形態を、R4がシリルまたは重水素化シリルである実施形態と組み合わせることができる。上記の他の非排他的な実施形態に関しても同様である。当業者は、いずれの実施形態が排他的であるかを理解し、したがって、本出願によって考察される実施形態の組み合わせを容易に決定することができるであろう。
式Iを有する化合物のいくつかの例を示す。
化合物1
化合物2
化合物3
化合物4
化合物5
化合物6
化合物7
化合物8
化合物9
化合物10
化合物11
化合物12
化合物13
化合物14
化合物15
化合物16
化合物17
化合物18
化合物19
化合物20
化合物21
化合物22
化合物23
化合物24
化合物25
化合物26
化合物27
化合物28
化合物29
化合物30
化合物31
化合物32
化合物33
化合物34
化合物35
化合物36
化合物37
化合物38
化合物39
式Iを有するジアザクリセン化合物は、既知の合成技術によって製造することができる。ジアザクリセン化合物の調製のために、キノリンの合成のために使用されるいくつかの周知の方法を使用することができる。キノリン合成の概要は、G.R.Newkome and W.W.Paudlerによる本、「Contemporary Heterocyclic Chemistry」(New York:John Wiley&Sons,1982;その中のChapter15.1.2)に見ることができる。4,10−ジアザクリセンの合成は、最も一般に、1,5−ジアミノナフタレンの渡環反応によって達成されている。例えば、この化合物は、J.Org.Chem.2003,68,3563−8に記載される通り、およびスキーム1で示される通り、バルトカルボニル触媒によるN1,N1,N5,N5−テトラアリルナフタレン−1,5−ジアミンの二環化によって調製することができる。
スキーム1
4,10−ジアザクリセンが調製される別の方法は、Vilsmeier−Haack試薬を用いるオキソケテン−N,S−アニリノアセタールの環化による。スキーム2で示される通り、およびJ.Org.Chem.2003,68,3966−75に記載される通り、この方法をナフタレン−1,5−ジアミンに適用した。
スキーム2
本明細書に記載される実施例のいくつかの場合のように、1,7−位で置換基を有する4,10−ジアザクリセンは、Eaton試薬を使用するジメチルアセチレンジカルボキシレートへのナフタレン−1,5−ジアミンの添加から誘導されるビス(エナミン)のConrad−Limpach環化によって調製されている。これは、スキーム3に示される、J.Org.Chem.2007,72,4276−9からの例によって説明される。次いで、国際公開第2012−082593号パンフレットに記載されるように、得られたビスキノロンを、オキシ塩化リンによる処理によって、1,7−ジクロロ−4,10−ジアザクリセンへと変換することができる。
スキーム3
同様の方法で、重水素化前駆体材料を使用して、または、より一般に、三塩化アルミニウムまたは塩化エチルアルミニウムなどのLewis酸H/D交換触媒、あるいはCF3COOD、DClなどの酸の存在下で、非重水素化化合物をd6−ベンゼンなどの重水素化溶媒で処理することによって、重水素化類似体化合物を調製することができる。重水素化反応は、国際公開第2011−053334号パンフレットにも記載されている。
3.電気活性組成物
(a)式Iを有するホスト化合物と、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能なドーパントとを含む組成物も提供される。式Iのジアザクリセン誘導体は、光活性材料のホスト材料として有用である。この化合物は、単独でも、別のホスト材料と組み合わせても使用することができる。式Iの化合物は、任意の色の発光を有するドーパントのためのホストとして使用することができる。いくつかの実施形態において、化合物を、有機金属エレクトロルミネセント材料のためのホストとして使用する。
いくつかの実施形態において、組成物は、(a)式Iを有するホスト化合物と、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能な光活性ドーパントとを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、(a)式Iを有するホスト化合物と、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能な光活性ドーパントとから本質的になる。いくつかの実施形態において、組成物は、(a)式Iを有するホスト化合物と、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能な光活性ドーパントと、(c)第2のホスト材料とを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、(a)式Iを有するホスト化合物と、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能な光活性ドーパントと、(c)第2のホスト材料とを含む。
組成物に存在するドーパントの量は、一般に、組成物の全重量に基づき、3〜20重量%、いくつかの実施形態においては5〜15重量%の範囲にある。第2のホストが存在する場合、式Iを有する第1のホスト対第2のホストの比率は、一般に、1:20〜20:1、いくつかの実施形態においては5:15〜15:5の範囲である。いくつかの実施形態において、式Iを有する第1のホスト材料は、全ホスト材料の少なくとも50重量%、いくつかの実施形態においては少なくとも70重量%である。
ドーパントとして使用可能なエレクトロルミネセント(「EL」)材料としては、限定されないが、小分子有機ルミネセント化合物、ルミネセント金属錯体、共役ポリマーおよびそれらの混合物が含まれる。小分子ルミネセント有機化合物の例としては、限定されないが、クリセン、ピレン、ペリレン、ルブレン、クマリン、アントラセン、チアジアゾール、それらの誘導体およびそれらの混合物が含まれる。金属錯体の例としては、限定されないが、金属キレート化オキシノイド化合物、ならびにイリジウムおよび白金などの金属のシクロメタレート化された錯体が含まれる。共役ポリマーの例としては、限定されないが、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリ(スピロビフルオレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が含まれる。
赤色発光材料の例としては、限定されないが、フェニルキノリンまたはフェニルイソキノリン配位子を有するIrの錯体、ペリフランテン、ジアザクリセンおよびペリレンが含まれる。赤色発光材料は、例えば、米国特許第6,875,524号明細書および米国特許出願公開第2005−0158577号明細書に開示されている。
緑色発光材料の例としては、限定されないが、フェニルピリジン配位子を有するIrの錯体、ビス(ジアリールアミノ)アントラセンおよびポリフェニレンビニレンポリマーが含まれる。緑色発光材料は、例えば、国際公開第2007/021117号パンフレットに開示されている。
青色発光材料の例としては、限定されないが、フェニルピリジンまたはフェニルイミダゾール配位子を有するIrの錯体、ジアリールアントラセン、ジアミノクリセン、ジアミノピレンおよびポリフルオレンポリマーが含まれる。青色発光材料は、例えば、米国特許第6,875,524号明細書、ならびに米国特許出願公開第2007−0292713号明細書および同第2007−0063638号明細書に開示されている。
いくつかの実施形態において、ドーパントは有機金属錯体である。いくつかの実施形態において、有機金属錯体は、シクロメタレート化される。「シクロメタレート化される」とは、錯体が少なくとも2点で金属と結合する少なくとも1個の配位子を含有して、少なくとも1個の炭素−金属結合を有する少なくとも1個の5−または6員環を形成することを意味する。いくつかの実施形態において、金属はイリジウムまたは白金である。いくつかの実施形態において、有機金属錯体は電気的に中性であり、式IrL3を有するイリジウムのトリスシクロメタレート化錯体であるか、または式IrL2Yを有するイリジウムのビスシクロメタレート化錯体である。いくつかの実施形態において、Lは、炭素原子および窒素原子によって配位するモノアニオン二座シクロメタレート化配位子である。いくつかの実施形態において、Lは、アリールがフェニルまたはナフチルであり、N−複素環がピリジン、キノリン、イソキノリン、ジアジン、ピロール、ピラゾールまたはイミダゾールであるアリールN−複素環である。いくつかの実施形態において、Yはモノアニオン二座配位子である。いくつかの実施形態において、Lはフェニルピリジン、フェニルキノリンまたはフェニルイソキノリンである。いくつかの実施形態において、Yは、β−ジエノレート、ジケチミン、ピコリネートまたはN−アルコキシピラゾールである。配位子は未置換であっても、またはF、D、アルキル、ペルフルオロアルキル、アルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、CN、シリル、フルオロアルコキシルもしくはアリール基で置換されてもよい。
いくつかの実施形態において、ドーパントは、イリジウムまたは白金のシクロメタレート化錯体である。そのような材料は、例えば、米国特許第6,670,645号明細書、国際公開第03/063555号パンフレット、同第2004/016710号パンフレットおよび同第03/040257号パンフレットに開示されている。
いくつかの実施形態において、ドーパントは、式Ir(L1)a(L2)b(L3)c
(式中、
L1は、炭素および窒素によって配位するシクロメタレート化されたモノアニオン二座配位子であり、
L2は、炭素によって配位しないモノアニオン二座配位子であり、
L3は、単座配位子であり、
aは1〜3であり、
bおよびcは、独立して0〜2であり、
a、bおよびcは、イリジウムが六配位であり、錯体が電気的に中性であるように選択される)を有する錯体である。
式のいくつかの例には、限定されないが、Ir(L1)3、Ir(L1)2(L2)およびIr(L1)2(L3)(L3’)(式中、L3はアニオンであり、L3’は非イオンである)が含まれる。
L1配位子の例には、限定されないが、フェニルピリジン、フェニルキノリン、フェニルピリミジン、フェニルピラゾール、チエニルピリジン、チエニルキノリンおよびチエニルピリミジンが含まれる。本明細書に使用される場合、用語「キノリン」は、特記しない限り、「イソキノリン」を含む。フッ素化誘導体は、1種以上のフッ素置換基を有することができる。いくつかの実施形態において、1〜3個のフッ素置換基が配位子の非窒素環上にある。
モノアニオン二座配位子、L2は、金属配位化学において周知である。一般に、これらの配位子は、配位原子としてN、O、PまたはSを有し、イリジウムに配位する場合は5−または6員環を形成する。適切な配位基には、アミノ、イミノ、アミド、アルコキシド、カルボキシレート、ホスフィノ、チオレートなどが含まれる。これらの配位子のための適切な親化合物の例は、β−ジカルボニル(β−エノレート配位子)ならびにそれらのNおよびS類似物、アミノカルボン酸(アミノカルボキシレート配位子)、ピリジンカルボン酸(イミノカルボキシレート配位子)、サリチル酸誘導体(サリチレート配位子)、ヒドロキシキノリン(ヒドロキシキノリネート配位子)およびそれらのS類似物、ならびにホスフィノアルカノール(ホスフィノアルコキシド配位子)が含まれる。
単座配位子L3は、アニオンまたは非イオンであることができる。アニオン配位子には、限定されないが、H−(「水素化物」)および配位原子としてC、OまたはSを有する配位子が含まれる。配位基には、限定されないが、アルコキシド、カルボキシレート、チオカルボキシレート、ジチオカルボキシレート、スルホネート、チオレート、カルバメート、ジチオカルバメート、チオカルバゾンアニオン、スルホンアミドアニオンなどが含まれる。いくつかの場合、β−エノラートおよびホスフィノアルコキシドなどのL2として上記される配位子は、単座配位子として機能することができる。単座配位子は、ハロゲン化物、シアン化物、イソシアン化物、硝酸塩、硫酸塩、ヘキサハロアンチモネートなどの配位アニオンであることもできる。これらの配位子は、一般に商業的に入手可能である。
単座L3配位子は、COまたは単座ホスフィン配位子などの非イオン配位子であることもできる。
いくつかの実施形態において、配位子の1個以上は、Fおよびフッ素化アルキルからなる群から選択される少なくとも1個の置換基を有する。
イリジウム錯体ドーパントは、例えば、米国特許第6,670,645号明細書に記載されるような標準的な合成技術を使用して製造することができる。
いくつかの実施形態において、ドーパントは小有機ルミネセント化合物である。いくつかの実施形態において、ドーパントは、非ポリマースピロビフルオレン化合物およびジアザクリセン化合物からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、ドーパントはアリールアミン基を有する化合物である。いくつかの実施形態において、光活性ドーパントは、次式:
(式中、
Aは、それぞれ、同一であるか、または異なって、3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり、
Q’は、単結合または3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり、
pおよびqは、独立して、1〜6の整数である)から選択される。
上記式のいくつかの実施形態において、各式のAおよびQ’の少なくとも1個は、少なくとも3つの縮合環を有する。いくつかの実施形態において、pおよびqは1に等しい。
いくつかの実施形態において、Q’はスチリルまたはスチリルフェニル基である。
いくつかの実施形態において、Q’は、少なくとも2個の縮合環を有する芳香族基である。いくつかの実施形態において、Q’は、ナフタレン、アントラセン、クリセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、クマリン、ローダミン、キナクリドンおよびルブレンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Aは、フェニル、ビフェニル、トリル、ナフチル、ナフチルフェニルおよびアントラセニル基からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、ドーパントは次式:
(式中、
Yは、それぞれ、同一であるか、または異なって、3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり、
Q’’は、芳香族基、二価トリフェニルアミン残基または単結合である)を有する。
いくつかの実施形態において、ドーパントはアリールアセンである。いくつかの実施形態において、ドーパントは非対称アリールアセンである。
いくつかの実施形態において、光活性ドーパントは、クリセン誘導体である。用語「クリセン」は、1,2−ベンゾフェナントレンを意味することが意図される。いくつかの実施形態において、光活性ドーパントは、アリール置換基を有するクリセンである。いくつかの実施形態において、光活性ドーパントは、アリールアミノ置換基を有するクリセンである。いくつかの実施形態において、光活性ドーパントは、2個の異なるアリールアミノ置換基を有するクリセンである。いくつかの実施形態において、クリセン誘導体は、濃青色発光を有する。
いくつかの実施形態において、ジアザクリセン誘導体化合物は、追加のホスト材料と一緒に使用される。いくつかの実施形態において、ジアザクリセン誘導体化合物は、光活性層のホストとして使用されない。単独で、またはジアザクリセン誘導体化合物と組み合わせて使用することができる他の種類のホストの例には、限定されないが、インドロカルバゾール、クリセン、フェナントレン、トリフェニレン、フェナントロリン、トリアジン、ナフタレン、アントラセン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フェニルピリジン、ベンゾジフランおよび金属キノリネート錯体、ならびにそれらの重水素化類似体が含まれる。
4.有機電子デバイス
本明細書に記載の重水素化材料を含む1つ以上の層を有することから有益となり得る有機電子デバイスとしては、限定されないが、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、発光照明器具、またはダイオードレーザー)、(2)電子的プロセスを介して信号を検出するデバイス(例えば、光検出器、光導電セル、フォトレジスタ、光スイッチ、光トランジスタ、光電管、IR検出器)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光起電力デバイスまたは太陽電池)、ならびに(4)1つ以上の有機半導体層を含む1つ以上の電子部品を含むデバイス(例えば、薄膜トランジスタまたはダイオード)が挙げられる。発明の化合物は、バイオアッセイの酸素感応性インジケータおよびルミネセントインジケータなどの用途でしばしば有用となることが可能性である。
いくつかの実施形態において、有機電子デバイスは、上記の式Iを有する化合物を含む少なくとも1つの層を含む。
いくつかの実施形態において、電子デバイスは、2つの電気接触層の間に配置される少なくとも1つの電気活性層を含み、デバイスの少なくとも1つの電気活性層が、式Iを有するジアザクリセン誘導体化合物を含む。
有機電子デバイス構造の別の例を図1に示す。デバイス100は、第1の電気接触層、アノード層110、第2の電気接触層、カソード層160、およびそれらの間の光活性層140を有する。アノードに隣接して、正孔注入層120が存在してもよい。正孔注入層に隣接して、正孔輸送材料を含む正孔輸送層130が存在してもよい。カソードに隣接して、電子輸送材料を含む電子輸送層150が存在してもよい。デバイスは、アノード120の隣に1つ以上の追加の正孔注入層または正孔輸送層(図示せず)、および/またはカソード160の隣に1つ以上の追加の電子注入または電子輸送層(図示せず)を使用することができる。
層120〜150は、個々に、および集合的に、活性層と呼ばれる。
いくつかの実施形態において、光活性層140は図2で示すようにピクセル化される。層140は層上に繰り返されるピクセルまたはサブピクセルユニット141、142および143に分離される。各ピクセルまたはサブピクセルユニットは異なる色を表す。いくつかの実施形態において、サブピクセルユニットは、赤色、緑色、青色である。3つのサブピクセルユニットが図に示されるが、2つまたは4つ以上が使用されてもよい。
いくつかの実施形態において、種々の層は以下の厚さの範囲を有する。アノード110、500〜5000Å、いくつかの実施形態において1000〜2000Å、正孔注入層120、50〜2000Å、いくつかの実施形態において200〜1000Å、正孔輸送層130、50〜2000Å、いくつかの実施形態において200〜1000Å、光活性層140、10〜2000Å、いくつかの実施形態において100〜1000Å、電子輸送層150、50〜2000Å、いくつかの実施形態において100〜1000Å、カソード160、200〜10000Å、いくつかの実施形態において300〜5000Å。デバイスの電子正孔再結合領域の位置、したがって、デバイスの発光スペクトルは、各層の相対的な厚さに影響を受けることができる。層の厚さの所望の比は、使用される材料の厳密な性質に依存する。いくつかの実施形態において、デバイスは、処理を補助するか、機能性を改善するための追加的な層を有する。
デバイス100の用途次第で、光活性層140は、印加電圧によって活性化される発光層(発光ダイオードまたは発光電気化学電池など)、あるいは印加バイアス電圧の有無にかかわらず放射エネルギーに反応して信号を生じる材料の層(光検出器など)であることができる。光検出器の例には、光伝導電池、フォトレジスタ、フォトスイッチ、フォトトランジスタおよび光電管、ならびに光電池が含まれる。これらの用語については、Markus,John,Electronics and Nucleonics Dictionary,470および476(McGraw−Hill,Inc.1966)に説明されているとおりである。発光層を有するデバイスは、ディスプレイを形成するため、または白色光証明器具などの照明用途のために使用されてもよい。
本明細書に記載される新規ジアザクリセン化合物の1種以上が、デバイスの電気活性層の1層以上に存在してもよい。
いくつかの実施形態において、式Iを有する新規ジアザクリセン化合物は、光活性層140の光活性ドーパント材料のためのホスト材料として有用である。これらの化合物が単独で、または他の共ホストとともに使用される場合、OLEDデバイスの改善された効率および寿命がもたらされることが見出された。計算により、これらの化合物が、高いトリプレットエネルギー、ならびに電荷輸送に適切なHOMOおよびLUMO準位を有し、有機金属発光体のための優れたホスト材料となることが発見された。
いくつかの実施形態において、新規電気活性化合物は、層150の電子輸送材料として有用である。
光活性層
いくつかの実施形態において、光活性層140は、上記電気活性組成物を含む。
いくつかの実施形態において、ドーパントは有機金属材料である。いくつかの実施形態において、有機金属材料は、IrまたはPtの錯体である。いくつかの実施形態において、有機金属材料は、Irのシクロメタレート化された錯体である。
いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iを有するホスト材料、および(b)1種以上のドーパントをむ。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iを有するホスト材料、および(b)有機金属エレクトロルミネセントドーパントを含む。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iを有するホスト材料、(b)光活性ドーパント、および(c)第2のホスト材料を含む。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iを有するホスト材料、(b)IrまたはPtの有機金属錯体、および(c)第2のホスト材料を含む。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iを有するホスト材料、(b)Irのシクロメタレート化錯体、および(c)第2のホスト材料を含む。
いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iを有するホスト材料、および(b)1種以上のドーパントから本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iを有するホスト材料、および(b)有機金属エレクトロルミネセントドーパントから本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iを有するホスト材料、(b)光活性ドーパント、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iを有するホスト材料、(b)IrまたはPtの有機金属錯体、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iを有するホスト材料、(b)Irのシクロメタレート化錯体、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。
いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)化合物が重水素化された式Iを有するホスト材料、および(b)1種以上のドーパントから本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、化合物が重水素化された式Iを有するホスト材料、および(b)有機金属エレクトロルミネセントドーパントから本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)化合物が重水素化された式Iを有するホスト材料、(b)光活性ドーパント、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、化合物が重水素化された式Iを有するホスト材料、(b)IrまたはPtの有機金属錯体、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)化合物が重水素化された式Iを有するホスト材料、化合物が重水素化された式Iを有するホスト材料、(b)Irのシクロメタレート化錯体、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。いくつかの実施形態において、式Iの重水素化された化合物は少なくとも10%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化される。いくつかの実施形態において、第2のホスト材料は重水素化される。いくつかの実施形態において、第2のホスト材料は少なくとも10%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化される。
電子輸送層
式Iのジアザクリセン誘導体化合物は、層150の電子輸送材料として有用である。化合物は単独でも、別の電子輸送材料と組み合わせても使用することができる。いくつかの実施形態において、電子輸送層は、式Iのジアザクリセン誘導体化合物から本質的になる。
単独で、または新規化合物と組み合わせて使用することができる他の電子輸送材料の例としては、限定されないが、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(AlQ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、テトラキス−(8−ヒドロキシキノラト)ハフニウム(HfQ)、およびテトラキス−(8−ヒドロキシキノラト)ジルコニウム(ZrQ)などの金属キノレート誘導体などを含む金属キレート化オキシノイド化合物;ならびに2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、および1,3,5−トリ(フェニル−2−ベンズイミダゾール)ベンゼン(TPBI)などのアゾール化合物;2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリンなどのキノキサリン誘導体;4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)および2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DDPA)などのフェナントロリン;ならびにそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、電子輸送材料は、金属キノレートおよびフェナントロリン誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、電子輸送層は、n−ドーパントをさらに含む。n−ドーパント材料は周知である。n−ドーパントとしては、限定されないが、1族および2族金属;1族および2族金属の塩、例えば、LiF、CsF、およびCs2CO3;1族および2族金属の有機化合物、例えばLiキノレート;ならびに分子n−ドーパント、例えばロイコ染料、W2(hpp)4(式中、hpp=1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド−[1,2−a]−ピリミジンである)などの金属錯体、ならびにコバルトセン、テトラチアナフタセン、ビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン、複素環式ラジカルまたはジラジカル、ならびに複素環式ラジカルまたはジラジカルのダイマー、オリゴマー、ポリマー、ジスピロ化合物、および多環化合物が挙げられる。
他のデバイス層
デバイスの他の層は、そのような層で有用であることが知られている任意の材料から製造することができる。
アノード110は、正電荷キャリアの注入に特に有効な電極である。これは、例えば、金属、混合金属、合金、金属酸化物、または混合金属酸化物を含有する材料から製造することができ、あるいは導電性ポリマー、またはそれらの混合物でることもできる。適切な金属としては、11族金属、4〜6族金属および8〜10族遷移金属が挙げられる。アノードが光透過性となる場合には、インジウムスズ酸化物などの12族、13族、および14族金属の混合金属酸化物が一般に使用される。アノード110は、“Flexible light−emitting diodes made from soluble conducting polymer”,Nature vol.357,pp477−479(1992年6月11日)に記載されるようなポリアニリンなどの有機材料を含むことができる。アノードおよびカソードの少なくとも1つは、発生した光を観察できるように、望ましくは少なくとも部分的に透明となる。
正孔注入層120は正孔注入材料を含み、有機電子デバイスにおいて、限定されないが、下にある層の平坦化、電荷輸送および/または電荷注入特性、酸素または金属イオンなどの不純物の捕捉、ならびに有機電子デバイスの性能を促進または改善する他の特徴を含む1つ以上の機能を有することができる。正孔注入材料は、ポリマー、オリゴマーまたは小分子でもよい。それらは気相堆積されるか、あるいは溶液、分散系、懸濁液、エマルジョン、コロイド状混合物または他の組成物の形態であってもよい液体から堆積されてもよい。
正孔注入層は、プロトン酸がしばしばドープされるポリアニリン(PANI)またはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)などのポリマー材料を使用して形成することができる。プロトン酸は、例えば、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)などであることができる。
正孔注入層は、銅フタロシアニンおよびテトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン系(TTF−TCNQ)などの電荷輸送化合物などを含むことができる。
いくつかの実施形態において、正孔注入層は、少なくとも1種の導電性ポリマーと少なくとも1種のフッ素化酸ポリマーとを含む。いくつかの実施形態において、正孔注入層は、フッ素化酸ポリマーでドープされた導電性ポリマーを含む。材料は、例えば、米国特許出願公開第2004/0102577号明細書、同第2004/0127637号明細書、同第2005/0205860号明細書および国際公開第2009/018009号パンフレットに記載されている。
層130の正孔輸送材料の例は、例えば、Y.Wangにより,Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Vol.18,p.837−860,1996にまとめられている。正孔輸送分子およびポリマーの両方を使用することができる。一般に使用される正孔輸送分子としては、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、α−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP)、1,2−トランス−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス−(フェニル)ベンジジン(α−NPB)、および銅フタロシアニンなどのポルフィリン系化合物が挙げられる。一般に使用される正孔輸送ポリマーは、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン、およびポリアニリンである。ポリスチレンおよびポリカーボネートなどのポリマー中に上記などの正孔輸送分子をドープすることによって、正孔輸送ポリマーを得ることもできる。場合によっては、トリアリールアミンポリマー、特にトリアリールアミン−フルオレンコポリマーが使用される。場合によっては、これらのポリマーおよびコポリマーは架橋性である。いくつかの実施形態において、正孔輸送層は、p−ドーパントをさらに含む。いくつかの実施形態において、正孔輸送層は、p−ドーパントでドープされる。p−ドーパントの例には、限定されないが、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)およびペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−3,4,9,10−二無水物(PTCDA)が含まれる。
カソード160は、電子または負電荷キャリアの注入に特に効率的な電極である。カソードは、アノードよりも低い仕事関数を有するいずれの金属または非金属であってよい。カソードの材料は、1族のアルカリ金属(例えば、Li、Cs)、2族(アルカリ土類)金属、12族金属、例えば希土類元素およびランタニド、ならびにアクチニドから選択することができる。アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウム、およびマグネシウム、ならびにそれらの組み合わせなどの材料を使用することができる。作動電圧を下げるために、Li−またはCs含有有機金属化合物、LiF、CsF、およびLi2Oを有機層とカソード層との間に堆積することもできる。
有機電子デバイス中に別の層が存在することが知られている。例えば、注入される正電荷の量を制御するため、および/または層のバンドギャップを一致させるため、または保護層として機能させるために、アノード110と正孔注入層120との間に層(図示せず)が存在することができる。銅フタロシアニン、ケイ素オキシ窒化物、フルオロカーボン、シラン、またはPtなどの金属の超薄層などの当技術分野において周知の層を使用することができる。あるいは、アノード層110、電気活性層120、130、140および150、またはカソード層160の一部または全てを、電荷キャリア輸送効率を増加させるために表面処理することができる。それぞれの構成層の材料の選択は、好ましくは、高エレクトロルミネッセンス効率を有するデバイスを得るために発光層中の正電荷および負電荷のバランスがとられるように行われる。
それぞれの機能層を2層以上の層で構成することができることは理解される。
適切な基板上での個々の層の連続的気相堆積を含む様々な技術によって、デバイスを調製することができる。ガラス、プラスチックおよび金属などの基板を使用することができる。熱蒸発、化学気相堆積などの従来の気相堆積技術を使用することができる。あるいは、限定されないが、スピンコーティング、ディップコーティング、ロール−ツー−ロール技術、インクジェット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷などを含む従来のコーティングまたは印刷技術を使用して、適切な溶媒中の溶液または分散系から有機層を塗布することができる。
いくつかの実施形態において、デバイスは、緩衝層、正孔輸送層および光活性層の液相堆積によって、ならびにアノード、電子輸送層、電子注入層およびカソードの気相堆積によって製造される。
効率の高いLEDを達成するため、正孔輸送材料のHOMO(最高被占分子軌道)は、望ましくはアノードの仕事関数と一致し、電子伝達材料のLUMO(最低空分子軌道)は、望ましくはカソードの仕事関数と一致する。材料の化学適合性および昇華温度も、電子および正孔輸送材料を選択する時に考慮すべきこととなり得る。
本明細書に記載のジアザクリセン誘導体化合物によって製造されるデバイスの効率を、デバイスの他の層を最適化することによってさらに改善することができることは理解される。例えば、Ca、BaまたはLiFなどのより効率的なカソードを使用することができる。作動電圧の低下をもたらすか、または量子効率を増加させる成形基板および新規正孔輸送材料も適用可能である。様々な層のエネルギー準位を調整し、エレクトロルミネセンスを促進するために、追加の層を加えることもできる。
本明細書に記載の概念を以下の実施例においてさらに説明するが、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
合成実施例1
本実施例は、化合物1、3,9−ジメチル−1,7−ビス(3−フェニルフェニル)−4,10−ジアザクリセンの合成を例示する。
ステップ1:
磁気撹拌棒、サイドアームストッパー、窒素入口、還流冷却器および4Åモレキュラーシーブを含有するディーン−スターク装置を備えた1L三つ口丸底フラスコに、ナフタレン−1,5−ジアミン(11.1g、70mmol)、アセト酢酸エチル(91.1g、700mmol)および無水エタノール(500mL)を装填し、この混合物を15分間窒素スパージし、次いで、p−トルエンスルホン酸一水和物(6.7g、35mmol)を添加し、混合物を18時間還流下で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、ロータリーエバポレーションによって揮発性物質を除去したところ、薄茶色固体が得られた。これを熱イソプロパノール(500mL)で倍散し、室温のイソプロパノール(150mL)で濾過し、すすいで、オフホワイト色固体として、エチル3−[[5−[3−エトキシ−1−メチル−3−オキソ−プロプ−1−エニル]アミノ]−1−ナフチル]アミノ]ブト−2−エノエート(22.1g、収率83%)が得られた。
ステップ2:
上記ステップからのエチル3−[[5−[3−エトキシ−1−メチル−3−オキソ−プロプ−1−エニル]アミノ]−1−ナフチル]アミノ]ブト−2−エノエート(22.1g、57.8mmol)およびEaton試薬(66mL)の混合物を18時間130℃で加熱し、室温まで冷却し、強力に攪拌しながら、過剰量の炭酸ナトリウム水に注意深く注ぎ入れた(気体発生に注意)。沈殿物を減圧濾過によって回収した。湿潤固体をトルエン(200mL)中に懸濁させ、ロータリーエバポレーションによって濃縮して、残留水を除去した。高真空下でさらに乾燥させると、薄茶色固体として1,7−ジヒドロキシ−3,9−ジメチル−4,10−ジアザクリセン(16.7g、粗製)が得られた。この固体の構造は、トリフルオロ酢酸−dに溶解した試料の1H NMR分光法によって確認された。
ステップ3:
上記ステップからの粗製1,7−ジヒドロキシ−3,9−ジメチル−4,10−ジアザクリセン(16.7g、57.5mmol(理論値))を、オキシ塩化リン(158mL、1.73mol)に懸濁させ、18時間還流下で加熱し、室温まで冷却させ、強力に攪拌しながら、氷水に注意深く注ぎ入れた(気体発生に注意)。炭酸ナトリウム(気体発生に注意)を注意深く添加することによるpH9までの水性混合物の塩基性化の後、得られた沈殿物を減圧濾過によって回収し、水およびイソプロパノール(それぞれ、100mL)で洗浄した。高真空下での乾燥後、粗製茶色固体を、抽出チャンバーにおいて平底を有する変性されたsoxhlet抽出装置で、シリカゲル(30g)のプラグが充填された3cm(直径)×9cm(高さ)抽出シンブルを通してトルエンを還流することによる連続的な抽出によって精製した。2日間の連続的な抽出の後、トルエン抽出物を室温まで冷却し、沈殿した薄オレンジ色の固体を濾過によって回収した。次いで、固体を、熱3/1トルエン/1,4−ジオキサン(400mL)で倍散し、重力濾過し、ヘキサンおよびイソプロパノール(それぞれ、30mL)ですすぎ、UPLCによると99.1%の純度を有するオフホワイト色固体として、1,7−ジクロロ−3,9−ジメチル−4,10−ジアザクリセン(9.8g、2つのステップに関して収率52%)を得た。この構造は、トリフルオロ酢酸−dに溶解した試料の1H NMR分光法によって確認した。
ステップ4:
o−キシレン(75mL)中の、上記ステップからの1,7−ジクロロ−3,9−ジメチル−4,10−ジアザクリセン(1.96g、6.00mmol)、3−ビフェニルボロン酸(2.85g、14.4mmol)、2.0M炭酸ナトリウム水(37.5mL)およびAliquat(登録商標)336(485mg、1.20mmol)の混合物を窒素で30分間スパージし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(347mg、0.30mmol)を添加し、この混合物を18時間還流下で加熱した。室温まで冷却した後、二層反応混合物を分液漏斗で分離した。水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層を塩水(2×150mL)で洗浄し、濾過して、濃縮し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。粗製茶色固体を、90℃の熱水浴中、最小量のトルエン(約200mL)を溶解することによって結晶化した。飽和溶液に、同体積のヘキサンを添加した。飽和溶液を一晩、室温まで冷却した。形成した沈殿物を重力濾過によって回収し、イソプロパノール(50mL)による洗浄後、白色粉末固体の第1の収量が得られた。第2の収量は、回収した濾液を濃縮し、上記結晶化手順を繰り返すことによって得られた。2つの作物の収量を組み合わせ、同様に2回再結晶化して、次いで、熱イソプロパノール(300mL)で倍散し、UPLCによると約99%の純度を有する固体が得られた。シリカゲルMPLC(ヘキサン中0〜100%のジクロロメタン)によるさらなる精製、および上記トルエン/ヘキサンからのさらなる再結晶化によって、UPLCによると99.7%の純度を有する白色固体として、3,9−ジメチル−1,7−ビス(3−フェニルフェニル)−4,10−ジアザクリセン(1.22g、収率36%)が得られた。この構造は、トリフルオロ酢酸−dに溶解した試料の1H NMR分光法によって確認した。最終的な精製ステップとして、生成物に蒸気昇華を行った。
合成実施例2
本実施例は、化合物3、3,9−ジメチル−1,7−ビス(3−ピリミジン−2−イルフェニル)−4,10−ジアザクリセンの合成を例示する。
ステップ1:
1,4−ジオキサン(233mL)中の、3−クロロフェニルボロン酸(12.04g、77.0mmol)、2−クロロピリミジン(8.02g、70.0mmol)、フッ化セシウム(23.39g、154.0mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.43g、2.10mmol)の混合物を還流下で17時間加熱し、室温まで冷却し、水(250mL)で希釈して、ジエチルエーテルで3回抽出した。組み合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、粗製赤色油状物が得られた。これをシリカゲル上にあらかじめ吸着させ、シリカゲルMPLC(ヘキサン中0〜100%の酢酸エチル)によって精製した。ヘキサン中8〜12%の酢酸エチルに溶離する純粋なフラクションを組み合わせ、濃縮して、白色固体として、2−(3−クロロフェニル)ピリミジン(4.90g、収率37%)を得た。
ステップ2:
グローブボックス中、トリシクロヘキシルホスフィン(673mg、2.40mmol)およびトリス(ジベンジリジンアセトン)ジパラジウム(0)(274mg、0.30mmol)を、1,4−ジオキサン(50mL)中の、上記ステップからの2−(3−クロロフェニル)ピリミジン(1.90g、10.0mmol)、ビス(ピナコラト)二ホウ素(3.05g、12.0mmol)および酢酸カリウム(2.94g、30.0mmol)の混合物に添加した。この混合物を72時間、80℃(内部温度)で加熱した。追加のトリシクロヘキシルホスフィン(673mg、2.40mmol)およびトリス(ジベンジリジンアセトン)ジパラジウム(0)(274mg、0.30mmol)を添加し、加熱をさらに18時間行った。反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、ジクロロメタンですすいだ。濾液を濃縮したところ、茶色油状物が得られた。これをシリカゲル上にあらかじめ吸着させ、シリカゲルMPLC(ヘキサン中0〜100%の酢酸エチル)によって精製した。ヘキサン中15〜20%の酢酸エチルに溶離する純粋なフラクションを組み合わせ、濃縮して、白色固体として、2−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ピリミジン(1.95g、収率69%)を得た。
ステップ3:
o−キシレン(113mL)中の、合成実施例1のステップ3からの1,7−ジクロロ−3,9−ジメチル−4,10−ジアザクリセン(2.94g、9.00mmol)、上記ステップからの2−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ピリミジン(6.09g、21.6mmol)、2.0M炭酸ナトリウム水(56.5mL)およびAliquat(登録商標)336(728mg、1.80mmol)の混合物を窒素で30分間スパージし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(520mg、0.45mmol)を添加し、この混合物を42時間還流下で加熱した。室温まで冷却した後、混合物を真空濾過して、固体を除去し、これを水およびトルエン(それぞれ50mL)ですすいだ。回収した沈殿物を熱クロロベンゼン(600mL)で溶解し、ほぼ半分まで体積を低下させ、次いで、イソプロパノール(200mL)をゆっくり添加し、一晩、室温で静置することによって結晶化した。結晶を重力濾過によって回収し、イソプロパノールですすいだ。次いで、結晶を熱イソプロパノール(200mL)で2時間倍散し、次いで、濾過し、高真空下で乾燥させ、UPLCによると約99.9%の純度を有する白色固体として、3,9−ジメチル−1,7−ビス(3−ピリミジン−2−イルフェニル)−4,10−ジアザクリセン(2.11g、収率41%)が得られた。この構造は、重水素テトラヒドロフランに溶解した試料の1H NMR分光法によって確認した。最終的な精製ステップとして、生成物に蒸気昇華を行った。
合成実施例3
本実施例は、化合物5、3,9−ジメチル−1,7−ビス[3−(3−ピリジル)フェニル]−4,10−ジアザクリセンの合成を例示する。
ステップ1:
3−ブロモヨードベンゼン(19.8g、70.0mmol)、1,2−ジメトキシエタン(315mL)中のピリジン−3−ボロン酸(8.6g、70.0mmol)、および2.0M炭酸ナトリウム水(105mL)の混合物を30分間、窒素スパージし、次いで、酢酸パラジウム(393mg、1.75mmol)およびトリフェニルホスフィン(918mg、3.50mmol)を添加し、混合物を18時間還流下で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。組み合わせた有機層を水および塩水(それぞれ、2×150mL)で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮したところ、暗褐色油状物が得られた。粗製生成物をシリカゲルMPLC(溶離剤としてヘキサン中0〜90%の酢酸エチル)によって精製した。勾配がヘキサン中55〜85%の酢酸エチルに達した時に溶離する生成物フラクションを組み合わせ、ロータリーエバポれ―小によって濃縮し、UPLC分析に基づき97%の純度を有する暗黄色油状物(14.5g、収率88%)として3−(3−ブロモフェニル)ピリジンが得られた。この材料を直接、ステップ2で使用した。
ステップ2:
乾燥1,4−ジオキサン(477mL)中の、上記ステップからの3−(3−ブロモフェニル)ピリジン(14.5g、61.9mmol)、ビス(ピナコラト)二ホウ素(18.9g、74.3mmol)および酢酸カリウム(18.2g、185mmol)の混合物を15分間窒素スパージし、次いで、ジクロロメタンによる[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド錯体(1:1)(1.52g、1.86mmol)を添加し、窒素スパージをさらに10分間続けて、その後、混合物を一晩、18時間還流下で加熱した。室温まで冷却後、粗製反応混合物をシリカゲルのパッド上に注ぎ、最初にトルエンで、次いで、1/1酢酸エチル/ヘキサンで溶離した。組み合わせた濾液をロータリーエバポレーションによって濃縮したところ、暗褐色油状物が得られ、これをシリカゲルMPLC(溶離剤としてヘキサン中10〜100%の酢酸エチル)によって精製した。ヘキサン中30〜65%の酢酸エチルで溶離するフラクションを組み合わせて、ロータリーエバポレーションによる濃縮および高真空下での乾燥後、オフホワイト色固体として、3−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ピリジン(17.3g、収率99.3%)が得られた。
ステップ3:
o−キシレン(113mL)中の、合成実施例1のステップ3からの1,7−ジクロロ−3,9−ジメチル−4,10−ジアザクリセン(2.94g、9.00mmol)、上記ステップからの3−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ピリジン(6.07g、21.6mmol)、2.0M炭酸ナトリウム水(56.5mL)およびAliquat(登録商標)336(728mg、1.80mmol)の混合物を窒素で30分間スパージし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(520mg、0.45mmol)を添加し、この混合物を18時間還流下で加熱した。室温まで冷却した後、混合物を真空濾過して、固体を除去し、これを水およびトルエン(それぞれ50mL)ですすいだ。
高真空下で乾燥した後、オフホワイト色固体を、抽出チャンバーにおいて平底を有する変性されたsoxhlet抽出装置で、シリカゲルのプラグが充填された3cm(直径)×9cm(高さ)抽出シンブルを通してトルエンを還流することによる連続的な抽出によって精製した。2日間の連続的な抽出の後、トルエン抽出物を室温まで冷却し、沈殿物を濾過によって回収した。UPLCによると99.8%の純度を有する粉末状白色固体として、3,9−ジメチル−1,7−ビス[3−(3−ピリジル)フェニル]−4,10−ジアザクリセン(3.91g、収率77%)を得た。この構造は、重水素テトラヒドロフランに溶解した試料の1H NMR分光法によって確認した。最終的な精製ステップとして、生成物に蒸気昇華を行った。
比較化合物A
比較化合物Aは、合成実施例3と同様の手順を使用して調製した。
o−キシレン(188mL)中の、1,7−ジクロロ−3,9−ジフェニル−4,10−ジアザクリセン(6.77g、15.0mmol、国際公開第2012082593号パンフレットに提供される手順によって調製される)、3−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ピリジン(10.1g、36.0mmol;合成実施例3のステップ2に記載されるように調製される)、2.0M炭酸ナトリウム水(94.0mL)およびAliquat(登録商標)336(1.21g、3.00mmol)の混合物を窒素で30分間スパージした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(867mg、0.75mmol)を添加し、この混合物を18時間還流下で加熱した。室温まで冷却した後、二層反応混合物を濾過して、粗製固体を水およびトルエン(それぞれ、50mL)ですすいだ。粗製灰色固体を、合成実施例3のステップ3に記載される変性されたsoxhlet抽出装置でトルエン(2×300mL)を還流することによる連続的な抽出によって精製した。両トルエン抽出物からの沈殿した白色固体を濾過によって回収し、イソプロパノール(約50mL)で洗浄し、一晩、高真空下で乾燥させた。この材料のUPLC分析によると、これは、2.3%の一置換中間体、1−クロロ−7−[3’−(3’’−ピリジル)−1’−フェニル]−3,9−ジフェニル−4,10−ジアザクリセンを含有することが示された。乾燥した固体に上記の反応条件を再び36時間受けさせ、反応混合物から単離した粗製固体をトリフルオロ酢酸(30mL)に溶解した。不溶性の黒色残渣を濾過によって除去し、濾液をその最初の体積の1/5まで濃縮し、ジクロロメタン(約50mL)で希釈した。6.25M NaOH水(約30mL)を複数回に分けて添加すると、沈殿物が形成した。白色沈殿物を濾過によって単離し、水(約200mL)およびイソプロパノール(約200mL)で洗浄し、トルエン(約300mL)で倍散した。固体を重力濾過し、トルエンおよびイソプロパノール(それぞれ、約50mL)ですすぎ、一晩、高真空下で乾燥させ、UPLCによると99.9%の純度を有する白色固体として3,9−ジフェニル−1,7−ビス−[3’−(3’’−ピリジル)−1’−フェニル]−4,10−ジアザクリセン(6.63g、収率60%)が得られた。この構造は、トリフルオロ酢酸−dに溶解した試料の1H NMR分光法によって確認した。最終的な精製ステップとして、生成物に蒸気昇華を行った。
デバイス実施例
(a)材料
HIJ−1は、ポリマーフッ素化スルホン酸によってドープされた導電性ポリマーである。このような材料は、例えば、米国特許出願公開第2004/0102577号明細書、同第2004/0127637号明細書、同第2005/0205860号明細書、および国際公開第2009/018009号パンフレットに記載されている。
HT−1は、トリアリールアミンおよびフルオレンのコポリマーである。
HT−2は、トリアリールアミン含有ポリマーである。
ホスト−1は、アリールアントラセンである。
ドーパント−1は、ジアリールアミノ置換クリセンである。
EIJ−1は、金属キノレート化合物である。
(b)デバイス製造
溶液処理および熱蒸発技術の組み合わせによってOLEDデバイスを製造した。Thin Film Devices,Incからのパターン化された酸化インジウムスズ(ITO)コーティングガラス基板を使用した。これらのITO基板は、30オーム/スクエアのシート抵抗および80%の光透過率を有するITOでコーティングされたCorning 1737ガラスをベースとした。パターン化されたITO基板を洗浄水溶液中で超音波によって洗浄し、蒸留水ですすいだ。その後、パターン化されたITOをアセトン中で超音波によって洗浄し、イソプロパノールですすぎ、窒素流中で乾燥させた。
デバイス製造直前に、洗浄してパターン化されたITO基板を10分間UVオゾンで処理した。冷却直後に、HIJ−1の水分散系をITO表面上にスピンコーティングし、加熱して溶媒を除去した。冷却後、基板をHT−1のトルエン溶液でスピンコーティングし、次いで加熱して溶媒を除去し、冷却し、深UV放射線に暴露した。次いで、基板をアニソールですすぎ、乾燥させ、HT−2のトルエン溶液でスピンコーティングし、次いで加熱して溶媒を除去した。冷却後、ホストおよびドーパントの基板を安息香酸メチル溶液でスピンコーティングし、加熱して溶媒を除去した。基板をマスクし、真空チャンバー中に置いた。電子輸送材料層を熱蒸発によって堆積し、続いて、EIJ−1の層を堆積した。次いで、真空でマスクを変化させ、Alの層を熱蒸発によって堆積した。チャンバーを排気し、デバイスを、ガラスの蓋、防湿剤およびUV硬化性エポキシを使用して封入した。
(c)デバイス特徴決定
OLED試料は、それらの(1)電流−電圧(I−V)曲線、(2)、電圧に対するエレクトロルミネセンス放射輝度、および(3)電圧に対するエレクトロルミネセンススペクトルを測定することによって特徴決定した。3つの測定は全て同時に実行されて、コンピュータで制御された。特定の電圧でのデバイスの電流効率は、LEDのエレクトロルミネセンス放射輝度をデバイスを作動するために必要とされる電流密度で割ることによって決定する。単位はcd/Aである。色座標は、Minolta CS−100メーターまたはPhotoresearch PR705メーターのいずれかを使用して決定した。
デバイス実施例1および比較例A
本実施例は、デバイスでの電子輸送材料としての式Iを有する化合物の使用を例示する。
デバイスは、ガラス基板上に以下の構造を有した。
アノード=酸化インジウムスズ(「ITO」)(50nm)
正孔注入層=HIJ−1(50nm)
第1の正孔輸送層=HT−1(20nm)
第2の正孔輸送層=HT−2(14nm)
光活性層=93:7(重量比)ホスト−1:ドーパント−1(40nm);
電子輸送層=以下に示される(10nm)
電子注入層/カソード=EIJ−1/Al(3.5/100nm)
結果を以下の表1に示す。
表1から、化合物5によるデバイスが、比較化合物Aによるデバイスよりも高い効率および低い電圧を有することがわかる。
一般的説明または実施例において前述した全ての行為が必要であるとは限らず、特定の行為の一部は不要である場合があり、記載の行為に加えて1つ以上のさらなる行為を行うことができることを留意されたい。さらに、行為が記載される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
以上の明細書において、具体的な実施形態を参照しながら本発明の概念を説明してきた。しかし、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに種々の修正および変更を行えることを認識する。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく説明的なものであると見なすべきであり、すべてのこのような修正形態は本発明の範囲内に含まれることを意図している。
特定の実施形態に関して、利益、その他の利点、および問題に対する解決法を以上に記載してきた。しかし、これらの利益、利点、問題の解決法、ならびに、なんらかの利益、利点、または解決法を発生させたり、より顕著にしたりすることがある、いずれの特徴も、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要、必要、または本質的な特徴であるとして解釈すべきではない。
別々の実施形態の状況において、明確にするために本明細書に記載されている特定の複数の特徴は、1つの実施形態の中で組み合わせても提供できることを理解されたい。逆に、簡潔にするため1つの実施形態の状況において説明した種々の特徴も、別々に提供したり、任意の副次的な組み合わせで提供したりすることができる。さらに、ある範囲内にあると記載される値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含んでいる。

Claims (15)

  1. 式I
    (式中、
    1〜R10は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルキルの重水素化類似体、アリールの重水素化類似体、および重水素化シリルからなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができるが、
    ただし、(i)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、かつ(ii)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択されることを条件とする)を有する化合物。
  2. 1〜R3の少なくとも1つが、式a
    (式中、
    R’は、それぞれ、同一であるか、または異なって、D、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、シリル、ジアリールアミノ、重水素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化アリール、重水素化アリールオキシ、重水素化シリルおよび重水素化ジアリールアミノからなる群から選択され、
    aは、それぞれ、同一であるか、または異なって、0〜4の整数であり、
    bは、0〜5の整数であり、
    mは、1〜5の整数である)を有するアリール基である、請求項1に記載の化合物。
  3. 4〜R6の少なくとも1つが、式a
    (式中、
    R’は、それぞれ、同一であるか、または異なって、D、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、シリル、ジアリールアミノ、重水素化アルキル、重水素化アルコキシ、重水素化アリール、重水素化アリールオキシ、重水素化シリルおよび重水素化ジアリールアミノからなる群から選択され、
    aは、それぞれ、同一であるか、または異なって、0〜4の整数であり、
    bは、0〜5の整数であり、
    mは、1〜5の整数である)を有するアリール基である、請求項1に記載の化合物。
  4. 1〜R3の少なくとも1つがアリール基であって、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリール基を含む、請求項1に記載の化合物。
  5. 4〜R6の少なくとも1つがアリール基であって、ヘテロアリールまたは重水素化ヘテロアリール基を含む、請求項1に記載の化合物。
  6. 前記ヘテロアリールまたは前記重水素化ヘテロアリール基が、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ジアゾール、ベンゾジアゾール、キノキサリン、カルバゾールおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択される化合物から誘導される、請求項4または5に記載の化合物。
  7. I(a)
    (式中、
    Ar1およびAr2は、同一であるか、または異なって、かつアリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、
    11〜R14は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルキルの重水素化類似体、アリールの重水素化類似体、および重水素化シリルからなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができ、かつ
    他の全ての部位はHまたはDであるが、
    ただし、R11およびR12の少なくとも1つならびにR13およびR14の少なくとも1つがアルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択されることを条件とする)を有する、請求項1に記載の化合物。
  8. 式I(b)
    (式中、
    Ar1およびAr2は、同一であるか、または異なって、かつアリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、
    11〜R14は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルキルの重水素化類似体、アリールの重水素化類似体、および重水素化シリルからなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができ、かつ
    他の全ての部位はHまたはDであるが、
    ただし、R11およびR12の少なくとも1つならびにR13およびR14の少なくとも1つがアルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択されることを条件とする)を有する、請求項1に記載の化合物。
  9. 式I(c)
    (式中、
    Ar1およびAr2は、同一であるか、または異なって、かつアリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、
    11〜R14は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルキルの重水素化類似体、アリールの重水素化類似体、および重水素化シリルからなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができ、かつ
    他の全ての部位はHまたはDであるが、
    ただし、R11およびR12の少なくとも1つならびにR13およびR14の少なくとも1つがアルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択されることを条件とする)を有する、請求項1に記載の化合物。
  10. (a)式I
    (式中、
    1〜R10は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルキルの重水素化類似体、アリールの重水素化類似体、および重水素化シリルからなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができるが、
    ただし、(i)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、かつ(ii)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択されることを条件とする)を有するホスト化合物と、
    (b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能なドーパントと
    を含む組成物。
  11. 式I
    (式中、
    1〜R10は、同一であるか、または異なって、かつH、D、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、アルキルの重水素化類似体、アリールの重水素化類似体、および重水素化シリルからなる群から選択され、隣接するR基は一緒に結合して、環を形成することができるが、
    ただし、(i)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アルキル、アルコキシ、シリルおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択され、かつ(ii)R1〜R3の少なくとも1つおよびR4〜R6の少なくとも1つが、アリール、アリールオキシおよびそれらの重水素化類似体からなる群から選択されることを条件とする)の化合物を含む少なくとも1つの層を有する電子デバイス。
  12. 2つの電気接触層の間に配置された少なくとも1つの電気活性層を含み、前記デバイスの前記少なくとも1つの電気活性層が式Iを有する化合物を含む、請求項11に記載のデバイス。
  13. アノードと、正孔注入層と、光活性層と、電子輸送層と、カソードとを含み、前記光活性層および前記電子輸送層の少なくとも1つが式Iを有する化合物を含む、請求項11に記載のデバイス。
  14. 前記光活性層が、(a)式Iを有するホスト材料と、(b)有機金属エレクトロルミネセントドーパントとを含む、請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記電子輸送層が式Iを有する化合物をむ、請求項13に記載のデバイス。
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