JP5926286B2 - ピリミジン化合物を含む電子デバイス - Google Patents

ピリミジン化合物を含む電子デバイス Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、その記載内容全体が参照により援用される2010年12月21日に出願された米国仮特許出願第61/425,556号明細書の優先権を主張する。
本開示は、一般に電気活性ピリミジン化合物に関する。これはまた、ピリミジン化合物を有する少なくとも1層を含む有機電子デバイスにも関する。
OLEDディスプレイを構成する有機発光ダイオード(「OLED」)などの有機電子デバイスにおいて、有機電気活性層は、OLEDディスプレイ中で2層の電気接触層の間に挟まれている。OLED中、電気接触層の間に電圧が印加された時に、有機光活性層は、光透過性電気接触層を透過する光を発する。
発光ダイオード中の電気活性成分として有機エレクトロルミネッセント化合物が使用されることは周知である。単純な有機分子、共役ポリマー、および有機金属錯体が使用されている。
光活性材料を使用するデバイスは、多くの場合、光活性(例えば発光)層と接触層(正孔注入接触層)との間に配置された1層またはそれ以上の電荷輸送層を含む。デバイスは2層以上の接触層を含むことができる。光活性層と正孔注入接触層との間に正孔輸送層を配置することができる。正孔注入接触層はアノードと呼ばれてもよい。光活性層と電子注入接触層との間に電子輸送層を配置することができる。電子注入接触層はカソードと呼ばれてもよい。電荷輸送材料は、光活性材料と組み合わせてホストとして使用することもできる。
電子デバイスのための新規材料が引き続き必要とされている。
式Iまたは式II
Figure 0005926286
(式中、
〜Rは、同一であるか、または異なって、H、D、アルキル、シリル、アルコキシ、シアノまたはアリールであり、R〜Rの少なくとも2つはアリール基であり、かつアリール基の少なくとも1つはN,O,S−複素環を含むが、ただし、R〜Rの2つがN−カルバゾリル基を含む場合、R〜Rの2つはアリールではない)
Figure 0005926286
(式中、
Qは、単結合または炭化水素アリールであり、かつ
およびRは、それぞれ、同一であるか、または異なって、H、D、アルキル、シリル、アルコキシ、シアノまたはアリールであり、Rの少なくとも1つおよび少なくともRの1つはアリール基であり、かつアリール基の少なくとも1つはN,O,S−複素環を含む)を有するピリミジン化合物が提供される。
(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホストと、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能なドーパントとを含んでなる組成物も提供される。
式Iまたは式IIの化合物を含んでなる少なくとも1層を含んでなる電子デバイスも提供される。
基板と、
絶縁層と、
ゲート電極と、
ソース電極と、
ドレイン電極と、
式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物を含んでなる有機半導体層と
を含んでなる薄膜トランジスタであって、ゲート電極および半導体層が両方とも絶縁層と接触し、ソース電極およびドレイン電極が両方とも半導体層と接触し、そして電極が互いに接触しない条件の任意の配列において、絶縁層、ゲート電極、半導体層、ソース電極およびドレイン電極を配置することができる、薄膜トランジスタも提供される。
また、2層の電気接触層の間に配置された少なくとも1層の電気活性層を含んでなり、デバイスの少なくとも1層の電気活性層が式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物を含む電子デバイスも提供される。
また、アノードと、正孔注入層と、光活性層と、電子輸送層と、カソードとを含んでなる有機電子デバイスであって、光活性層および電子輸送層の少なくとも1層が式Iまたは式IIを有する化合物を含んでなる有機電子デバイスも提供される。
以上の一般的説明および以下の詳細な説明は、単に例示的および説明的なものであり、添付の特許請求の範囲に定義される本発明を限定するものではない。
本明細書において提示される概念の理解を深めるために、添付の図面に実施形態を説明する。
図1Aは、底面接触モードのそのようなデバイスの電気活性層の相対的な位置を示す有機電界効果トランジスタ(OTFT)の概略図を含む。 図1Bは、上面接触モードのそのようなデバイスの電気活性層の相対的な位置を示すOTFTの概略図を含む。 図1Cは、ゲートが上面にある底面接触モードのそのようなデバイスの電気活性層の相対的な位置を示す有機電界効果トランジスタ(OTFT)の概略図を含む。 図1Dは、ゲートが上面にある底面接触モードのそのようなデバイスの電気活性層の相対的な位置を示す有機電界効果トランジスタ(OTFT)の概略図を含む。 図2は、有機電子デバイスの別の例の概略図を含む。 図3は、有機電子デバイスの別の例の概略図を含む。
当業者は、図面中の物体が、平易かつ明快にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを認識する。例えば、実施形態の理解を高めるために、図面中の一部の物体の寸法が他の物体よりも誇張されていてもよい。
多くの態様および実施形態を以上に説明しているが、これらは単に例示的で非限定的なものである。本明細書を読めば、本発明の範囲から逸脱することなく他の態様および実施形態が可能であることは当業者に認識される。
いずれか1つ以上の実施形態のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。詳細な説明では、最初に用語の定義および説明を記載し、続いてピリミジン化合物、電気活性組成物、電子デバイス、そして最後に実施例を記載する。
1.用語の定義および説明
以下に記載される実施形態の詳細を記載する前に、一部の用語について定義または説明を行う。
用語「アルキル」は、脂肪族炭化水素から誘導される基を意味することが意図される。
用語「アリール」は、芳香族炭化水素から誘導される基を意味することが意図される。用語「芳香族化合物」は、非局在化パイ電子を有する少なくとも1個の不飽和環式基を含んでなる有機化合物を意味することが意図される。この用語は、炭素および水素原子のみを有する芳香族化合物、ならびに環式基中の炭素原子の1個またはそれ以上が、窒素、酸素、硫黄などの別の原子によって置き換えられる複素環式芳香族化合物を包含することが意図される。
用語「カルバゾリル」は、以下の単位
Figure 0005926286
(式中、Rは、H、D、アルキル、アリールまたは結合点であり、かつYは、アリールまたは結合点である)を含有する基を指す。用語N−カルバゾリルは、Yが結合点であるカルバゾリル基を指す。
層、材料、部材、または構造に関して言及される場合、用語「電荷輸送」は、そのような層、材料、部材、または構造が、比較的効率的かつ少ない電荷損失で、そのような層、材料、部材、または構造の厚さを通過するそのような電荷の移動を促進することを意味することを意図している。正孔輸送材料は正電荷を促進し;電子輸送材料は負電荷を促進する。光活性材料も、ある程度の電荷輸送特性を有し得るが、用語「電荷輸送層、材料、部材、または構造」は、主要な機能が発光または光受容である層、材料、部材、または構造を含むことが意図されない。
用語「ドーパント」は、ホスト材料を含む層中で、そのような材料を含まない場合の層の放射線放出の電子的特徴または波長、受容、またはフィルタリングと比較して、層の放射線放出の電子的特徴または標的波長、受容、またはフィルタリングを変化させる材料を意味することが意図される。
用語「電気活性」は、層または材料に関して言及される場合、電子または電気放射特性を示す層または材料を意味することが意図される。電子デバイスにおいて、電気活性材料は、デバイスの作動を電子的に促進する。電気活性材料の例には、限定されないが、電子または正孔のいずれかであることができる電荷を伝達するか、注入するか、輸送するか、ブロックする材料、および放射線を放出するか、または放射線を受け取るときに電子正孔対の濃度の変化を示す材料が含まれる。不活性材料の例には、限定されないが、絶縁材料および環境障壁材料が含まれる。
用語「ホスト材料」は、ドーパントが添加されていても、されていなくてもよい、通常は層の形態の材料を意味することが意図される。ホスト材料は、電子的特性、あるいは放射線の放出、受容、またはフィルタリングする能力を有していてもよく、または有さなくてもよい。
用語「炭化水素アリール」は、水素および炭素原子のみを含有するアリール基を意味することが意図される。
用語「層」は、用語「膜」と同義的に使用され、所望の領域を覆うコーティングを意味する。この用語は大きさによって限定されることはない。この領域は、デバイス全体の大きさであることが可能であり、実際の視覚的表示などの特殊機能領域の小ささ、または1つのサブピクセルの小ささであることも可能である。層および膜は、気相堆積、液相堆積(連続的技術および不連続的技術)などの従来の任意の堆積技術および熱転写によって形成することができる。連続堆積技術としては、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、および連続ノズルコーティングが挙げられるが、これらに限定されるものではない。不連続堆積技術としては、インクジェット印刷、グラビア印刷、およびスクリーン印刷が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
用語「N−複素環」は、芳香環に少なくとも1個の窒素を有する複素環式芳香族化合物または基を指す。
用語「O−複素環」は、芳香環に少なくとも1個の酸素を有する複素環式芳香族化合物または基を指す。
用語「N,O,S−複素環」は、芳香環に少なくとも1個のN、OもしくはSであるヘテロ原子を有する複素環式芳香族化合物または基を指す。N,O,S−複素環は、2種以上のヘテロ原子を有してもよい。
用語「有機電子デバイス」または単に「電子デバイス」は、1種またはそれ以上の有機半導体層または材料を含むデバイスを意味することが意図される。
用語「光活性」は、印加電圧によって活性化されると光を発する(発光ダイオードまたは化学電池などで)か、あるいは印加バイアス電圧の有無にかかわらず放射エネルギーに反応して信号を生じる(光検出器または太陽電池などで)材料または層を意味することが意図される。
用語「S−複素環」は、芳香環に少なくとも1個の硫黄を有する複素環式芳香族化合物または基を指す。
特に明記しない限り、全ての基は未置換であることも、置換されていることも可能である。特に明記しない限り、全ての基は、可能な位置で、直鎖であることも、分枝であることも、環式であることも可能である。いくつかの実施形態において、置換基は、アルキル、アルコキシおよびアリールからなる群から選択される。
本明細書において使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなること」、「含む」、「含むこと」、「有する」、「有すること」、またはそれらの他のいずれの変化形も、非排他的な包含を含むことが意図される。例えば、ある一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素にのみに必ずしも限定されるわけではなく、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に関して明示されず固有のものでもない他の要素を含んでもよい。開示された本明細書の対象の別の実施形態は、特定の特徴または要素から本質的になるものとして記載され、そのような実施形態においては、実施形態の作動原理または顕著な特徴を大いに変更する特徴または要素は存在しない。開示された本明細書の対象のさらに別の実施形態は、特定の特徴または要素からなるものとして記載され、そのような実施形態においては、またはそれらのごくわずかな変形形態においては、具体的に記述または記載された特徴または要素のみが存在する。
さらに、反対の意味であると明記されない限り、「または」は、包含的な「または」を意味するのであって、排他的な「または」を意味するのではない。例えば、条件AまたはBが満たされるのは、Aが真であり(または存在し)Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)Bが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)のいずれか1つによってである。
また、本発明の要素および成分を説明するために「a」または「an」も使用されている。これは単に便宜的なものであり、本発明の一般的な意味を提供するために行われている。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むものと読むべきであり、明らかにそうではない場合を除けば、単数形は複数形も含んでいる。
元素周期表中の縦列に対応する族の番号は、CRC Handbook of Chemistry and Physics,81stEdition(2000−2001)に見ることができる「New Notation」の規則を使用している。
特に定義しない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料については以下に説明する。本明細書において言及されるいずれの刊行物、特許出願、特許、およびその他の参考文献も、特定の部分に言及される場合を除けば、それらの記載内容全体が援用される。矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書に従うものとする。さらに、材料、方法、および実施例は、単に説明的なものであって、限定を意図したものではない。
本明細書に記載されていない範囲まで、具体的な材料、処理行為、および回路に関する多くの詳細は従来通りであり、それらについては、有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光電池、および半導体要素の技術分野の教科書およびその他の情報源中に見ることができる。
2.ピリミジン化合物
電子輸送材料は、光活性層および電子輸送層のホスト材料として使用されている。Al、GaまたはZrなどのキノリン配位子の金属錯体に基づく電子輸送材料がこれらの用途で使用されている。しかしながら、いくつかの不都合がある。この錯体は、ホストとして使用される場合、低い大気安定性を有する可能性がある。そのような金属錯体を使用して製造された部品をプラズマ洗浄することは困難である。低いトリプレットエネルギーによって、>2.0eVエネルギーの燐光発光の消滅を導く。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるピリミジン化合物は、より高いトリプレットエネルギーを有する。本明細書に使用される場合、用語「ピリミジン化合物」は、化合物内に少なくとも1つの置換されたピリミジン基構造を有する化合物を意味することが意図される。
いくつかの実施形態において、ピリミジン化合物は、OLEDデバイスの溶液加工可能な電子により支配されるホストとして、または厚い電子輸送層を有するOLEDデバイスにおいてn−ドープするために適切な電子輸送材料として有用である。いくつかの実施形態において、ピリミジン化合物から製造されるデバイスは、より低い作動電圧、より高い効率およびより長い間寿命を有することができる。いくつかの実施形態において、この材料は、フォトボルタイクスおよびTFTを含むいずれの印刷電子技術応用においても有用である。
いくつかの実施形態において、式Iまたは式IIを有する化合物は重水素化される。用語「重水素化」は、少なくとも1個のHがDによって置き換えられたことを意味することが意図される。用語「重水素化類似物」は、1個またはそれ以上の利用可能な水素が重水素に置き換えられた化合物または基の構造類似物を指す。重水素化化合物または重水素化類似物において、重水素は天然存在量の少なくとも100倍で存在する。いくつかの実施形態において、化合物は少なくとも10%重水素化される。「%重水素化される」または「%重水素化」は、重陽子対全てのプロトンおよび重陽子の比率を意味し、パーセントで表される。いくつかの実施形態において、化合物は少なくとも20%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも30%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも40%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも60%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも70%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも80%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも90%重水素化され、いくつかの実施形態において、100%重水素化される。
a.式I
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるピリミジン化合物は、式I
Figure 0005926286
(式中、
〜Rは、同一であるか、または異なって、H、D、アルキル、シリル、アルコキシ、シアノまたはアリールであり、R〜Rの少なくとも2つはアリール基であり、かつアリール基の少なくとも1つはN,O,S−複素環を含むが、ただし、R〜Rの2つがN−カルバゾリル基を含む場合、R〜Rの2つはアリールではない)を有する。
本明細書に使用される場合、「N,O,S−複素環を含む」とは、N,O,S−複素環がピリミジンに直接結合可能であるか、またはピリミジンに直接もしくは間接的に結合するアリール基の置換基であることが可能であることを意味することが意図される。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は重水素化されている。
式Iのいくつかの実施形態において、R〜Rの少なくとも1つは、N−複素環を含む。N−複素環の例には、限定されないが、以下に示されるものが含まれる。
Figure 0005926286
Figure 0005926286
(式中、Yは、アリール基または結合点である)基は、利用可能ないずれの位置においても結合可能である。上記の基の重水素化類似物が使用されてもよい。
式Iのいくつかの実施形態において、N−複素環は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、N−カルバゾリルまたはそれらの重水素化類似体である。
式Iのいくつかの実施形態において、R〜Rの少なくとも1つは、O−複素環を含む。いくつかの実施形態において、O−複素環は、ジベンゾピラン、ジベンゾフランまたはそれらの重水素化類似体である。
式Iのいくつかの実施形態において、R〜Rの少なくとも1つは、S−複素環を含む。いくつかの実施形態において、S−複素環は、ジベンゾチオフェンまたはそれらの重水素化類似体である。
式Iのいくつかの実施形態において、N,O,S−複素環は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、N−カルバゾリル、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェンまたはそれらの重水素化類似体である。
式Iのいくつかの実施形態において、R〜Rの少なくとも1つは、式a
Figure 0005926286
(式中、
は、それぞれ、同一であるか、または異なって、D、アルキル、アリール、シリル、アルコキシ、シロキサン、シアノまたはN,O,S−複素環であるが、ただし、少なくとも1つのRはN,O,S−複素環であり、
iは、それぞれ、同一であるか、または異なって、0〜4の整数であり、
jは、0〜5の整数であり、かつ
mは、1〜5の整数である)を有する。
式Iのいくつかの実施形態において、R〜Rの全てが式aを有し、かつR〜Rの少なくとも1つは、少なくとも1つのR=N,O,S−複素環を有する。
いくつかの実施形態において、R〜Rの少なくとも1つは、式b
Figure 0005926286
(式中、RはN,O,S−複素環であり、かつmは上記で定義されたとおりである)を有する。式bによる基は重水素化されてもよい。
式aおよび式bのいくつかの実施形態において、mは1〜2である。
いくつかの実施形態において、R〜Rの少なくとも1つは、式c
Figure 0005926286
(式中、
は、上記で定義されたとおりである)を有する。式cによる基も重水素化されてもよい。
式Iのいくつかの実施形態において、R〜Rの1つ以上は、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、フェニルナフチル、ナフチルフェニルまたはそれらの重水素化類似物である。
式Iのいくつかの実施形態において、R〜Rの2つはアリールであり、かつR〜Rの2つはH、D、アルキル、シリル、アルコキシまたはシアノである。いくつかの実施形態において、R〜Rの3つはアリールであり、かつR〜Rの1つは、H、D、アルキル、シリル、アルコキシまたはシアノである。いくつかの実施形態において、全てのR〜Rはアリールである。いくつかの実施形態において、RおよびRはアリールであり、かつRおよびRは、H、D、アルキル、シリル、アルコキシまたはシアノである。いくつかの実施形態において、RおよびRはアリールであり、かつRおよびRは、H、D、アルキル、シリル、アルコキシまたはシアノである。いくつかの実施形態において、RおよびRはアリールであり、かつRおよびRは、H、D、アルキル、シリル、アルコキシまたはシアノである。いくつかの実施形態において、R、RおよびRはアリールであり、かつRは、H、D、アルキル、シリル、アルコキシまたはシアノである。いくつかの実施形態において、R、RおよびRはアリールであり、かつRは、H、D、アルキル、シリル、アルコキシまたはシアノである。いくつかの実施形態において、R、RおよびRはアリールであり、かつRは、H、D、アルキル、シリル、アルコキシまたはシアノである。いくつかの実施形態において、全てのR〜Rはアリールである。いくつかの実施形態において、非アリール基はHまたはDである。これらの実施形態の全てにおいて、アリール基の少なくとも1つがN,O,S−複素環を含むものと理解される。
式Iのいくつかの実施形態において、R〜Rの2つはアリールであり、かつR〜Rの2つはアルキルまたはシリルである。いくつかの実施形態において、RおよびRはアリールであり、かつRはアルキルまたはシリルである。いくつかの実施形態において、Rは、H、Dまたはアリールであり、RおよびRはアリールであり、かつRはアルキルまたはシリルである。いくつかの実施形態において、RはC1〜5アルキルである。
式Iのいくつかの実施形態において、排他的ではない上記の実施形態の任意の組み合わせであることが可能である。
式Iを有する化合物のいくつかの例を以下に示す。
化合物1
Figure 0005926286
化合物2
Figure 0005926286
化合物3
Figure 0005926286
化合物4
Figure 0005926286
化合物5
Figure 0005926286
化合物6
Figure 0005926286
化合物7
Figure 0005926286
化合物8
Figure 0005926286
化合物9
Figure 0005926286
化合物10
Figure 0005926286
化合物11
Figure 0005926286
化合物12
Figure 0005926286
化合物13
Figure 0005926286
化合物14
Figure 0005926286
化合物15
Figure 0005926286
化合物16
Figure 0005926286
化合物17
Figure 0005926286
化合物18
Figure 0005926286
化合物19
Figure 0005926286
化合物20
Figure 0005926286
化合物21
Figure 0005926286
化合物22
Figure 0005926286
化合物23
Figure 0005926286
化合物24
Figure 0005926286
化合物25
Figure 0005926286
化合物26
Figure 0005926286
化合物27
Figure 0005926286
化合物28
Figure 0005926286
化合物29
Figure 0005926286
化合物30
Figure 0005926286
化合物31
Figure 0005926286
化合物32
Figure 0005926286
化合物33
Figure 0005926286
化合物34
Figure 0005926286
b.式II
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるピリミジン化合物は、式II
Figure 0005926286
(式中、
Qは、単結合または炭化水素アリールであり、かつ
およびRは、それぞれ、同一であるか、または異なって、H、D、アルキル、シリル、アルコキシ、シアノまたはアリールであり、Rの少なくとも1つおよび少なくともRの1つはアリール基であり、かつアリール基の少なくとも1つはN,O,S−複素環を含む)を有する。
式IIのいくつかの実施形態において、化合物は重水素化されている。
式IIのいくつかの実施形態において、Qは、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ビナフチレン、それらの重水素化類似物である。いくつかの実施形態において、Qは、1,4−フェニレン、2,6−ナフチレン、4,4’−ビフェニレンおよび4,4’−(1,1’−ビナフチレン)からなる群から選択される。
式IIのいくつかの実施形態において、N,O,S−複素環は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、N−カルバゾリル、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェンまたはそれらの重水素化類似体である。
式IIのいくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは上記式aを有する。
式IIのいくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは上記式bを有する。
式IIのいくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは上記式cを有する。
式IIのいくつかの実施形態において、RおよびRの1つは、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、フェニルナフチル、ナフチルフェニルまたはそれらの重水素化類似物である。
式IIの化合物のいくつかの実施形態において、Qは単結合であり、化合物は、式II(a)、式II(b)または式II(c)
Figure 0005926286
を有する。
式IIのいくつかの実施形態において、排他的ではない上記の実施形態の任意の組み合わせであることが可能である。
式IIを有する材料の例を以下に示す。
化合物35
Figure 0005926286
化合物36
Figure 0005926286
化合物37
Figure 0005926286
式IおよびIIを有するピリミジン化合物は、既知の合成技術によって製造可能である。例えば、ハロゲン化(Cl、BrまたはI)ピリミジンと、アリール−およびヘテロアリール−ボロン酸またはスタンニル類似物との間の遷移金属触媒カップリング反応によって、化合物を調製することができる。また、アリール−およびヘテロアリール−ニトリルと、エノール化可能なケトンまたはエチニル芳香族との環縮合によって調製することもできる。さらなる方法としては、尿素およびチオウレア誘導体と、置換マロン酸誘導体などの1,3−ジカルボニル種との環縮合が含まれる。これについては、実施例でさらに説明する。
重水素化類似物化合物は、重水素化前駆体材料を使用して、同様の方法で調製することができ、または、一般に、三塩化アルミニウムもしくは塩化エチルアルミニウム、またはCFCOOD、DClなどの酸などのルイス酸H/D交換触媒の存在下で、d6−ベンゼンなどの重水素化溶媒で非重水素化化合物を処理することによって調製することができる。重水素化反応については、国際公開第2011−053334号パンフレットとして公開された同時係属出願にも記載されている。
3.電気活性組成物
(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホストと、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能なドーパントとを含んでなる組成物も提供される。式IおよびIIのピリミジン化合物は、光活性材料のホスト材料として有用である。この化合物は、単独で、または別のホスト材料と組み合わせて使用することができる。式IおよびIIの化合物は、いずれの色の発光を有するドーパントのためのホストとしても使用することができる。いくつかの実施形態において、化合物を、有機金属エレクトロルミネセント材料のためのホストとして使用する。
いくつかの実施形態において、組成物は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホストと、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能な光活性ドーパントとを含んでなる。いくつかの実施形態において、組成物は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホストと、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能な光活性ドーパントとから本質的になる。いくつかの実施形態において、組成物は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホストと、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能な光活性ドーパントと、(c)第2のホスト材料とを含んでなる。いくつかの実施形態において、組成物は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホストと、(b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能な光活性ドーパントと、(c)第2のホスト材料とを含んでなる。
組成物に存在するドーパントの量は、一般に、組成物の全重量に基づき、3〜20重量%、いくつかの実施形態においては5〜15重量%の範囲にある。第2のホストが存在する場合、式Iを有する第1のホスト対第2のホストの比率は、一般に、1:20〜20:1、いくつかの実施形態のいては5:15〜15:5の範囲である。いくつかの実施形態において、式Iを有するピリミジン化合物である第1のホスト材料は、全ホスト材料の少なくとも50重量%、いくつかの実施形態においては少なくとも70重量%である。
ドーパントとして使用可能なエレクトロルミネセント(「EL」)材料としては、限定されないが、小分子有機ルミネセント化合物、ルミネセント金属錯体、共役ポリマーおよびそれらの混合物が含まれる。小分子ルミネセント有機化合物の例としては、限定されないが、クリセン、ピレン、ペリレン、ルブレン、クマリン、アントラセン、チアジアゾール、それらの誘導体およびそれらの混合物が含まれる。金属錯体の例としては、限定されないが、金属キレート化オキシノイド化合物、ならびにイリジウムおよび白金などの金属のシクロメタレート化された錯体が含まれる。共役ポリマーの例としては、限定されないが、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリ(スピロビフルオレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が含まれる。
赤色発光材料の例としては、限定されないが、フェニルキノリンまたはフェニルイソキノリン配位子を有するIrの錯体、ペリフランテン、フルオランテンおよびペリレンが含まれる。赤色発光材料は、例えば、米国特許第6,875,524号明細書および米国特許出願公開第2005−0158577号明細書に開示されている。
緑色発光材料の例としては、限定されないが、フェニルピリジン配位子を有するIrの錯体、ビス(ジアリールアミノ)アントラセンおよびポリフェニレンビニレンポリマーが含まれる。緑色発光材料は、例えば、国際公開第2007/021117号パンフレットに開示されている。
青色発光材料の例としては、限定されないが、フェニルピリジンまたはフェニルイミダゾール配位子を有するIrの錯体、ジアリールアントラセン、ジアミノクリセン、ジアミノピレンおよびポリフルオレンポリマーが含まれる。青色発光材料は、例えば、米国特許第6,875,524号明細書、ならびに米国特許出願公開第2007−0292713号明細書および同第2007−0063638号明細書に開示されている。
いくつかの実施形態において、ドーパントは有機金属錯体である。いくつかの実施形態において、有機金属錯体は、シクロメタレート化される。「シクロメタレート化される」とは、錯体が少なくとも2点で金属と結合する少なくとも1個の配位子を含有して、少なくとも1個の炭素−金属結合を有する少なくとも1個の5−または6員環を形成することを意味する。いくつかの実施形態において、金属はイリジウムまたは白金である。いくつかの実施形態において、有機金属錯体は電気的に中性であり、そして式IrLを有するイリジウムのトリスシクロメタレート化錯体であるか、または式IrLYを有するイリジウムのビスシクロメタレート化錯体である。いくつかの実施形態において、Lは、炭素原子および窒素原子によって配位するモノアニオン二座シクロメタレート化配位子である。いくつかの実施形態において、Lは、アリールがフェニルまたはナフチルであり、そしてN−複素環がピリジン、キノリン、イソキノリン、ジアジン、ピロール、ピラゾールまたはイミダゾールであるアリールN−複素環である。いくつかの実施形態において、Yはモノアニオン二座配位子である。いくつかの実施形態において、Lはフェニルピリジン、フェニルキノリンまたはフェニルイソキノリンである。いくつかの実施形態において、Yは、β−ジエノレート、ジケチミン、ピコリネートまたはN−アルコキシピラゾールである。配位子は未置換であっても、またはF、D、アルキル、ペルフルオロアルキル、アルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、CN、シリル、フルオロアルコキシルもしくはアリール基で置換されてもよい。
いくつかの実施形態において、ドーパントは、イリジウムまたは白金のシクロメタレート化錯体である。そのような材料は、例えば、米国特許第6,670,645号明細書、国際公開第03/063555号パンフレット、同第2004/016710号パンフレットおよび同第03/040257号パンフレットに開示されている。
いくつかの実施形態において、ドーパントは、式Ir(L1)(L2)(L3)
(式中、
L1は、炭素および窒素によって配位するシクロメタレート化されたモノアニオン二座配位子であり、
L2は、炭素によって配位しないモノアニオン二座配位子であり、
L3は、単座配位子であり、
aは1〜3であり、
bおよびcは、独立して0〜2であり、そして
a、bおよびcは、イリジウムが六配位であり、錯体が電気的に中性であるように選択される)を有する錯体である。
式のいくつかの例には、限定されないが、Ir(L1)、Ir(L1)(L2)およびIr(L1)(L3)(L3’)(式中、L3はアニオンであり、そしてL3’は非イオンである)が含まれる。
L1配位子の例には、限定されないが、フェニルピリジン、フェニルキノリン、フェニルピリミジン、フェニルピラゾール、チエニルピリジン、チエニルキノリンおよびチエニルピリミジンが含まれる。本明細書に使用される場合、用語「キノリン」は、特記しない限り、「イソキノリン」を含む。フッ素化誘導体は、1種またはそれ以上のフッ素置換基を有することができる。いくつかの実施形態において、1〜3個のフッ素置換基が配位子の非窒素環上にある。
モノアニオン二座配位子、L2は、金属配位化学において周知である。一般に、これらの配位子は、配位原子としてN、O、PまたはSを有し、イリジウムに配位する場合は5−または6員環を形成する。適切な配位基には、アミノ、イミノ、アミド、アルコキシド、カルボキシレート、ホスフィノ、チオレートなどが含まれる。これらの配位子のための適切な親化合物の例は、β−ジカルボニル(β−エノレート配位子)ならびにそれらのNおよびS類似物、アミノカルボン酸(アミノカルボキシレート配位子)、ピリジンカルボン酸(イミノカルボキシレート配位子)、サリチル酸誘導体(サリチレート配位子)、ヒドロキシキノリン(ヒドロキシキノリネート配位子)およびそれらのS類似物、ならびにホスフィノアルカノール(ホスフィノアルコキシド配位子)が含まれる。
単座配位子L3は、アニオンまたは非イオンであることができる。アニオン配位子には、限定されないが、H−(「水素化物」)および配位原子としてC、OまたはSを有する配位子が含まれる。配位基には、限定されないが、アルコキシド、カルボキシレート、チオカルボキシレート、ジチオカルボキシレート、スルホネート、チオレート、カルバメート、ジチオカルバメート、チオカルバゾンアニオン、スルホンアミドアニオンなどが含まれる。いくつかの場合、β−エノラートおよびホスフィノアルコキシドなどのL2として上記される配位子は、単座配位子として機能することができる。単座配位子は、ハロゲン化物、シアン化物、イソシアン化物、硝酸塩、硫酸塩、ヘキサハロアンチモネートなどの配位アニオンであることもできる。これらの配位子は、一般に商業的に入手可能である。
単座L3配位子は、COまたは単座ホスフィン配位子などの非イオン配位子であることもできる。
いくつかの実施形態において、配位子の1個またはそれ以上は、Fおよびフッ素化アルキルからなる群から選択される少なくとも1個の置換基を有する。イリジウム錯体ドーパントは、例えば、米国特許第6,670,645号明細書に記載されるような標準的な合成技術を使用して製造することができる。
いくつかの実施形態において、ドーパントは小有機ルミネセント化合物である。いくつかの実施形態において、ドーパントは、非ポリマースピロビフルオレン化合物およびフルオランテン化合物からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、ドーパントはアリールアミン基を有する化合物である。いくつかの実施形態において、光活性ドーパントは、次式:
Figure 0005926286
(式中、
Aは、それぞれ、同一であるか、または異なって、3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり、
Q’は、単結合または3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり、
pおよびqは、独立して、1〜6の整数である)から選択される。
上記式のいくつかの実施形態において、各式のAおよびQ’の少なくとも1個は、少なくとも3つの縮合環を有する。いくつかの実施形態において、pおよびqは1に等しい。
いくつかの実施形態において、Q’はスチリルまたはスチリルフェニル基である。
いくつかの実施形態において、Q’は、少なくとも2個の縮合環を有する芳香族基である。いくつかの実施形態において、Q’は、ナフタレン、アントラセン、クリセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、クマリン、ローダミン、キナクリドンおよびルブレンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Aは、フェニル、ビフェニル、トリル、ナフチル、ナフチルフェニルおよびアントラセニル基からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、ドーパントは次式:
Figure 0005926286
(式中、
Yは、それぞれ、同一であるか、または異なって、3〜60個の炭素原子を有する芳香族基であり、
Q’’は、芳香族基、二価トリフェニルアミン残基または単結合である)を有する。
いくつかの実施形態において、ドーパントはアリールアセンである。いくつかの実施形態において、ドーパントは非対称アリールアセンである。
いくつかの実施形態において、光活性ドーパントは、クリセン誘導体である。用語「クリセン」は、1,2−ベンゾフェナントレンを意味することが意図される。いくつかの実施形態において、光活性ドーパントは、アリール置換基を有するクリセンである。いくつかの実施形態において、光活性ドーパントは、アリールアミノ置換基を有するクリセンである。いくつかの実施形態において、光活性ドーパントは、2個の異なるアリールアミノ置換基を有するクリセンである。いくつかの実施形態において、クリセン誘導体は、濃青色発光を有する。
いくつかの実施形態において、ピリミジン化合物は追加のホスト材料とともに使用される。いくつかの実施形態において、ピリミジン化合物は、光活性層のホストとしては使用されない。単独で、またはピリミジン化合物と組み合わせて使用することができる他の種類のホストの例には、限定されないが、インドールカルバゾール、クリセン、フェナントレン、トリフェニレン、フェナントロリン、トリアジン、ナフタレン、アントラセン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フェニルピリジン、ベンゾジフラン、金属キノリネート錯体、およびそれらの重水素化類似物が含まれる。
4.有機電子デバイス
本明細書に記載の重水素化材料を含んでなる1層またはそれ以上の層を有することから有益となり得る有機電子デバイスとしては、限定されないが、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、発光照明器具、またはダイオードレーザー)、(2)電子的プロセスを介して信号を検出するデバイス(例えば、光検出器、光導電セル、フォトレジスタ、光スイッチ、光トランジスタ、光電管、IR検出器)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光起電力デバイスまたは太陽電池)、ならびに(4)1つ以上の有機半導体層を含む1つ以上の電子部品を含むデバイス(例えば、薄膜トランジスタまたはダイオード)が挙げられる。発明の化合物は、バイオアッセイの酸素感応性インジケータおよびルミネセントインジケータなどの用途でしばしば有用となることが可能性である。
一実施形態において、有機電子デバイスは、上記式Iを有する化合物を含んでなる少なくとも1層を含んでなる。
a.第1の例示的なデバイス
トランジスタの特に有用な種類である薄膜トランジスタ(TFT)は、一般に、ゲート電極、ゲート電極上のゲート誘電体、ソース電極、ゲート誘電体に隣接したドレイン電極、ならびにゲート誘電体に隣接し、そしてソースおよびドレイン電極に隣接する半導体層を含む(例えば、S.M.Sze,Physics of Semiconductor Devices,2nd edition,John Wiley and Sons,page 492を参照のこと)。これらの成分は、様々な構造で組み立てることができる。有機薄膜トランジスタ(OTFT)は、有機半導体層を有することを特徴とする。
一実施形態において、OTFTは、
基板と、
絶縁層と、
ゲート電極と、
ソース電極と、
ドレイン電極と、
式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物を含んでなる有機半導体層と
を含んでなり、ゲート電極および半導体層が両方とも絶縁層と接触し、ソース電極およびドレイン電極が両方とも半導体層と接触し、そして電極は互いに接触しない条件の任意の配列において、絶縁層、ゲート電極、半導体層、ソース電極およびドレイン電極を配置することができる。
図1Aにおいて、有機電界効果トランジスタ(OTFT)は概略的に説明され、「底面接触モード」におけるそのようなデバイスの電気活性層の相対的な位置を示す。(OTFTの「底面接触モード」において、ソースおよびドレイン電極ならびに任意の残存する曝露されたゲート誘電層上へ電気活性有機半導体層を堆積させる前に、ドレインおよびソース電極はゲート誘電層上へ堆積される。)基板112は、ゲート電極102および絶縁層104と接触しており、その上にソース電極106およびドレイン電極108が堆積される。ソースおよびドレイン電極の上部および間は、式Iまたは式IIのピリミジン化合物を含んでなる有機半導体層110である。
図1Bは、上面接触モードにおけるそのようなデバイスの電気活性層の相対的な位置を示すOTFTの概略図である。(「上面接触モード」において、OTFTのドレインおよびソース電極は電気活性有機半導体層上面へ堆積される。)
図1Cは、ゲートが上面にある底面接触モードのそのようなデバイスの電気活性層の相対的な位置を示すOTFTの概略図である。
図1Dは、ゲートが上面にある上面接触モードのそのようなデバイスの電気活性層の相対的な位置を示すOTFTの概略図である。
基板は、無機ガラス、セラミック箔、ポリマー材料(例えば、アクリル、エポキシ、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリケトン、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレン)(ポリ(エーテルエーテルケトン)またはPEEKと呼ばれることもある)、ポリノルボルネン、ポリフェニレンオキシド、ポリ(エチレンナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS))、充填ポリマー材料(例えば、繊維強化プラスチック(FRP))、および/またはコーティングされた金属箔を含んでなることが可能である。基板の厚さは、約10マイクロメートル〜10ミリメートル超であることが可能であり、例えば、可撓性プラスチック基板に関しては約50〜約100マイクロメートル、そしてガラスまたはシリコンなどの剛性基板に関しては約1〜約10ミリメートルであることが可能である。典型的に、基板は、製造、試験および/または使用の間、OTFTを支持する。任意選択で、基板は、ソース、ドレインおよび電極へのバスライン接続、ならびにOTFTのための回路などの電気的機能を提供することができる。
ゲート電極は、金属薄膜、導電性ポリマー膜、導電性インクもしくはペーストから製造された導電性膜、または基板自体、例えば高濃度にドープされたシリコンであることができる。適切なゲート電極材料の例には、アルミニウム、金、クロム、インジウムスズ酸化物、ポリスチレンスルホネートがドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)などの導電性ポリマー、カーボンブラック/グラファイトから構成される導電性インク/ペースト、または高分子バインダー中のコロイド状銀の分散系が含まれる。いくつかのOTFTにおいては、同一材料でゲート電極機能を提供することができ、また基板の支持体機能を提供することができる。例えば、ドープされたシリコンはゲート電極として機能することができ、OTFTを支持することができる。
ゲート電極を、真空蒸発、金属または導電性金属酸化物のスパッタリング、スピンコーティング、キャスティング、または印刷による導電性ポリマー溶液または導電性インクのコーティングによって調製することができる。ゲート電極の厚さは、例えば、金属膜に関しては約10〜約200ナノメートル、そしてポリマー導体に関しては約1〜約10マイクロメートルであることが可能である。
ソースおよびドレイン電極は、半導体層とソースおよびドレイン電極との間の接触の抵抗が半導体層の抵抗より低いように、低い抵抗接点を半導体層にもたらす材料から製造することができる。チャネル抵抗は、半導体層の伝導性である。典型的に、抵抗はチャネル抵抗未満である。ソースおよびドレイン電極としての使用に適切な典型的な材料には、アルミニウム、バリウム、カルシウム、クロム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金、チタンおよびそれらの合金、カーボンナノチューブ、ポリアニリンおよびポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ−(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)などの導電性ポリマー、導電性ポリマー中のカーボンナノチューブの分散系、導電性ポリマー中の金属の分散系、ならびにそれらの多層フィルムが含まれる。当業者に既知であるように、これらの材料のいくつかはN型半導体材料の用途に適切であり、そして他はP型半導体材料の用途に適切である。ソースおよびドレイン電極の典型的な厚さはおおよそ、例えば、約40ナノメートル〜約1マイクロメートルである。いくつかの実施形態において、厚さは約100〜約400ナノメートルである。
絶縁層は、無機材料膜または有機ポリマー膜を含んでなる。絶縁層として適切な無機材料の実例としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化タンタル、酸化チタン、窒化ケイ素、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、セレン化亜鉛および硫化亜鉛が含まれる。加えて、上記材料の合金、組み合わせおよび多層フィルムを絶縁層に使用することができる。絶縁層のための有機ポリマーの実例としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(ビニルフェノール)、ポリイミド、ポリスチレン、ポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリレート)、エポキシ樹脂、ならびにそれらのブレンドおよび多層フィルムが含まれる。絶縁層の厚さは、使用される誘電体材料の誘電率に応じて、例えば約10ナノメートル〜約500ナノメートルである。例えば、絶縁層の厚さは約100ナノメートル〜約500ナノメートルであることができる。絶縁層は、例えば、約10−12S/cm(S=ジーメンス=1/オーム)未満である伝導性を有することができる。
絶縁層、ゲート電極、半導体層、ソース電極およびドレイン電極は、ゲート電極および半導体層の両方が絶縁層と接触し、そしてソース電極およびドレイン電極の両方が半導体層と接触する限り、任意の配列で形成される。「任意の配列で」という句は、連続および同時形成を含む。例えば、ソース電極およびドレイン電極は、同時に、または連続的に形成されることができる。ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極は、物理気相堆積(例えば、熱蒸発またはスパッタリング)、あるいはインクジェット印刷などの既知の方法を使用して提供されることができる。電極のパターン化は、シャドーマスキング、アディティブフォトリソグラフィー、サブトラクティブフォトリソグラフィー、印刷、マイクロコンタクト印刷およびパターンコーティングなどの既知の方法によって達成することができる。
底面接触モードのOTFに関して(図1A)、フォトリソグラフ法を使用して、それぞれソースおよびドレインのためのチャネルを形成する電極106および108を二酸化ケイ素層上に形成することができる。次いで、半導体層110を、電極106および108ならびに層104の表面上に堆積する。
一実施形態において、半導体層110は式Iまたは式IIによって表される1種またはそれ以上の化合物を含んでなる。半導体層110は、当該技術で既知の様々な技術によって堆積することができる。これらの技術には、熱蒸発、化学気相堆積、熱移動、インクジェット印刷およびスクリーン印刷が含まれる。堆積のための分散系薄膜コーティング技術には、スピンコーティング、ドクターブレードコーティング、ドロップキャスティングおよび他の既知の技術が含まれる。
上面接触モードのOTFTに関して(図1B)、電極106および108の製造の前に、層110を層104上に堆積する。
b.第2の例示的なデバイス
また本発明は、2層の電気接触層の間に配置される少なくとも1層の電気活性層を含んでなり、デバイスの少なくとも1層の電気活性層が、式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物を含む電子デバイスに関する。
有機電子デバイス構造の別の例を図2に示す。デバイス200は、第1の電気接触層、アノード層210、第2の電気接触層、カソード層260、およびそれらの間の光活性層240を有する。アノードに隣接して、正孔注入層220が存在してもよい。正孔注入層に隣接して、正孔輸送材料を含んでなる正孔輸送層230が存在してもよい。カソードに隣接して、電子輸送材料を含んでなる電子輸送層250が存在してもよい。デバイスは、アノード210の隣に1つ以上の追加の正孔注入層または正孔輸送層(図示せず)、および/またはカソード260の隣に1つ以上の追加の電子注入または電子輸送層(図示せず)を使用することができる。
層220〜250は、個々に、そして集合的に、電気活性層と呼ばれる。
いくつかの実施形態において、光活性層240は図3で示すようにピクセル化される。層240は層上に繰り返されるピクセルまたはサブピクセルユニット241、242および243に分離される。各ピクセルまたはサブピクセルユニットは異なる色を表す。いくつかの実施形態において、サブピクセルユニットは、赤色、緑色、青色である。3つのサブピクセルユニットが図に示されるが、2つまたは4つ以上が使用されてもよい。
一実施形態において、種々の層は以下の厚さの範囲を有する。アノード210、500〜5000Å、一実施形態において1000〜2000Å、正孔注入層220、50〜2000Å、一実施形態において200〜1000Å、正孔輸送層230、50〜2000Å、一実施形態において200〜1000Å、電気活性層240、10〜2000Å、一実施形態において100〜1000Å、層250、50〜2000Å、一実施形態において100〜1000Å、カソード260、200〜10000Å、一実施形態において300〜5000Å。デバイスの電子正孔再結合領域の位置、したがって、デバイスの発光スペクトルは、各層の相対的な厚さに影響を受けることができる。層の厚さの所望の比は、使用される材料の厳密な性質に依存する。いくつかの実施形態において、デバイスは、処理を補助するか、機能性を改善するための追加的な層を有する。
デバイス200の用途によって、光活性層240は、印加電圧によって活性化される発光層(発光ダイオードまたは発光電気化学電池など)、あるいは印加バイアス電圧の有無にかかわらず放射エネルギーに反応して信号を生じる材料の層(光検出器など)であることができる。光検出器の例には、光伝導電池、フォトレジスタ、フォトスイッチ、フォトトランジスタおよび光電管、ならびに光電池が含まれる。これらの用語については、Markus,John,Electronics and Nucleonics Dictionary,470 and 476(McGraw−Hill,Inc.1966)に説明されているとおりである。発光層を有するデバイスは、ディスプレイを形成するため、または白色光証明器具などの照明用途のために使用されてもよい。
本明細書に記載される新規電気活性化合物の1種またはそれ以上が、デバイスの電気活性層の1層またはそれ以上に存在しもよい。
いくつかの実施形態において、式Iまたは式IIを有する新規電気活性化合物は、光活性層240の光活性ドーパント材料のためのホスト材料として有用である。これらの化合物が単独で、または他の共ホストとともに使用される場合、OLEDデバイスの改善された効率および寿命がもたらされることが見出された。計算により、これらの化合物が、高いトリプレットエネルギー、ならびに電荷輸送に適切なHOMOおよびLUMO準位を有し、有機金属発光体のための優れたホスト材料となることが発見された。
いくつかの実施形態において、新規電気活性化合物は、層250の電子輸送材料として有用である。
光活性層
いくつかの実施形態において、光活性層240は、上記電気活性組成物を含んでなる。
いくつかの実施形態において、ドーパントは有機金属材料である。いくつかの実施形態において、有機金属材料は、IrまたはPtの錯体である。いくつかの実施形態において、有機金属材料は、Irのシクロメタレート化された錯体である。
いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、および(b)1種またはそれ以上のドーパントを含んでなる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、および(b)有機金属エレクトロルミネセントドーパントを含んでなる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、(b)光活性ドーパント、および(c)第2のホスト材料を含んでなる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、(b)IrまたはPtの有機金属錯体、および(c)第2のホスト材料を含んでなる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、(b)Irのシクロメタレート化錯体、および(c)第2のホスト材料を含んでなる。
いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、および(b)1種またはそれ以上のドーパントから本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iまたは式IIを有する化合物であるホスト材料、および(b)有機金属エレクトロルミネセントドーパントから本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、(b)光活性ドーパント、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、(b)IrまたはPtの有機金属錯体、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、(b)Irのシクロメタレート化錯体、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。
いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)化合物が重水素化された式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、および(b)1種またはそれ以上のドーパントから本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)化合物が重水素化された式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、および(b)有機金属エレクトロルミネセントドーパントから本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)化合物が重水素化された式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、(b)光活性ドーパント、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)化合物が重水素化された式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、化合物が重水素化された式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、(b)IrまたはPtの有機金属錯体、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。いくつかの実施形態において、光活性層は、(a)化合物が重水素化された式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物であるホスト材料、(b)Irのシクロメタレート化錯体、および(c)第2のホスト材料から本質的になる。いくつかの実施形態において、式Iまたは式IIの重水素化された化合物は少なくとも10%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化される。いくつかの実施形態において、第2のホスト材料は重水素化される。いくつかの実施形態において、第2のホスト材料は少なくとも10%重水素化され、いくつかの実施形態において、少なくとも50%重水素化される。
電子輸送層
式IおよびIIのピリミジン化合物は、層250の電子輸送材料として有用である。化合物は単独でも、別の電子輸送材料と組み合わせても使用することができる。いくつかの実施形態において、電子輸送層は、式IまたはIIのピリミジン化合物から本質的になる。
単独で、またはピリミジン化合物と組み合わせて使用することができる他の電子輸送材料の例としては、限定されないが、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(AlQ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、テトラキス−(8−ヒドロキシキノラト)ハフニウム(HfQ)、およびテトラキス−(8−ヒドロキシキノラト)ジルコニウム(ZrQ)などの金属キノレート誘導体などを含む金属キレート化オキシノイド化合物;ならびに2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、および1,3,5−トリ(フェニル−2−ベンズイミダゾール)ベンゼン(TPBI)などのアゾール化合物;2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリンなどのキノキサリン誘導体;4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)および2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DDPA)などのフェナントロリン;ならびにそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、電子輸送材料は、金属キノレートおよびフェナントロリン誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、電子輸送層は、n−ドーパントをさらに含む。n−ドーパント材料は周知である。n−ドーパントとしては、限定されないが、1族および2族金属;1族および2族金属の塩、例えば、LiF、CsF、およびCsCO;1族および2族金属の有機化合物、例えばLiキノレート;ならびに分子n−ドーパント、例えばロイコ染料、W(hpp)(式中、hpp=1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド−[1,2−a]−ピリミジンである)などの金属錯体、ならびにコバルトセン、テトラチアナフタセン、ビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン、複素環式ラジカルまたはジラジカル、ならびに複素環式ラジカルまたはジラジカルのダイマー、オリゴマー、ポリマー、ジスピロ化合物、および多環化合物が挙げられる。
他のデバイス層
デバイスの他の層は、そのような層で有用であることが知られている任意の材料から製造することができる。
アノード210は、正電荷キャリアの注入に特に有効な電極である。これは、例えば、金属、混合金属、合金、金属酸化物、または混合金属酸化物を含有する材料から製造することができ、あるいは導電性ポリマー、またはそれらの混合物でることもできる。適切な金属としては、11族金属、4〜6族金属および8〜10族遷移金属が挙げられる。アノードが光透過性となる場合には、インジウムスズ酸化物などの12族、13族、および14族金属の混合金属酸化物が一般に使用される。アノード210は、“Flexible light−emitting diodes made from soluble conducting polymer”,Nature vol.357,pp477−479(1992年6月11日)に記載されるようなポリアニリンなどの有機材料を含んでなることができる。アノードおよびカソードの少なくとも1つは、発生した光を観察できるように、望ましくは少なくとも部分的に透明となる。
正孔注入層220は正孔注入材料を含んでなり、有機電子デバイスにおいて、限定されないが、下にある層の平坦化、電荷輸送および/または電荷注入特性、酸素または金属イオンなどの不純物の捕捉、ならびに有機電子デバイスの性能を促進または改善する他の特徴を含む1つ以上の機能を有することができる。正孔注入材料は、ポリマー、オリゴマーまたは小分子でもよい。それらは気相堆積されるか、あるいは溶液、分散系、懸濁液、エマルジョン、コロイド状混合物または他の組成物の形態であってもよい液体から堆積されてもよい。
正孔注入層は、プロトン酸がしばしばドープされるポリアニリン(PANI)またはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)などのポリマー材料を使用して形成することができる。プロトン酸は、例えば、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)などであることができる。
正孔注入層は、銅フタロシアニンおよびテトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン系(TTF−TCNQ)などの電荷輸送化合物などを含むことができる。
いくつかの実施形態において、正孔注入層は、少なくとも1種の導電性ポリマーと少なくとも1種のフッ素化酸ポリマーとを含んでなる。いくつかの実施形態において、正孔注入層は、フッ素化酸ポリマーでドープされた導電性ポリマーを含んでなる。材料は、例えば、米国特許出願公開第2004/0102577号明細書、同第2004/0127637号明細書、同第2005/0205860号明細書および国際公開第2009/018009号パンフレットに記載されている。
層230の正孔輸送材料の例は、例えば、Y.Wangにより,Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Vol.18,p.837−860,1996にまとめられている。正孔輸送分子およびポリマーの両方を使用することができる。一般に使用される正孔輸送分子としては、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、α−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP)、1,2−トランス−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス−(フェニル)ベンジジン(α−NPB)、および銅フタロシアニンなどのポルフィリン系化合物が挙げられる。一般に使用される正孔輸送ポリマーは、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン、およびポリアニリンである。ポリスチレンおよびポリカーボネートなどのポリマー中に上記などの正孔輸送分子をドープすることによって、正孔輸送ポリマーを得ることもできる。場合によっては、トリアリールアミンポリマー、特にトリアリールアミン−フルオレンコポリマーが使用される。場合によっては、これらのポリマーおよびコポリマーは架橋性である。いくつかの実施形態において、正孔輸送層は、p−ドーパントをさらに含んでなる。いくつかの実施形態において、正孔輸送層は、p−ドーパントでドープされる。p−ドーパントの例には、限定されないが、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)およびペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−3,4,9,10−二無水物(PTCDA)が含まれる。
カソード260は、電子または負電荷キャリアの注入に特に効率的な電極である。カソードは、アノードよりも低い仕事関数を有するいずれの金属または非金属であってよい。カソードの材料は、1族のアルカリ金属(例えば、Li、Cs)、2族(アルカリ土類)金属、12族金属、例えば希土類元素およびランタニド、ならびにアクチニドから選択することができる。アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウム、およびマグネシウム、ならびにそれらの組み合わせなどの材料を使用することができる。作動電圧を下げるために、Li−またはCs含有有機金属化合物、LiF、CsF、およびLiOを有機層とカソード層との間に堆積することもできる。
有機電子デバイス中に別の層が存在することが知られている。例えば、注入される正電荷の量を制御するため、および/または層のバンドギャップを一致させるため、または保護層として機能させるために、アノード210と正孔注入層220との間に層(図示せず)が存在することができる。銅フタロシアニン、ケイ素オキシ窒化物、フルオロカーボン、シラン、またはPtなどの金属の超薄層などの当技術分野において周知の層を使用することができる。あるいは、アノード層210、電気活性層220、230、240および250、またはカソード層260の一部または全てを、電荷キャリア輸送効率を増加させるために表面処理することができる。それぞれの構成層の材料の選択は、好ましくは、高エレクトロルミネッセンス効率を有するデバイスを得るために発光層中の正電荷および負電荷のバランスがとられるように行われる。
それぞれの機能層を2層以上の層で構成することができることは理解される。
適切な基板上での個々の層の連続的気相堆積を含む様々な技術によって、デバイスを調製することができる。ガラス、プラスチックおよび金属などの基板を使用することができる。熱蒸発、化学気相堆積などの従来の気相堆積技術を使用することができる。あるいは、限定されないが、スピンコーティング、ディップコーティング、ロール−ツー−ロール技術、インクジェット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷などを含む従来のコーティングまたは印刷技術を使用して、適切な溶媒中の溶液または分散系から有機層を塗布することができる。
いくつかの実施形態において、デバイスは、緩衝層、正孔輸送層および光活性層の液相堆積によって、そしてアノード、電子輸送層、電子注入層およびカソードの気相堆積によって製造される。
効率の高いLEDを達成するため、正孔輸送材料のHOMO(最高被占分子軌道)は、望ましくはアノードの仕事関数と一致し、そして電子伝達材料のLUMO(最低空分子軌道)は、望ましくはカソードの仕事関数と一致する。材料の化学適合性および昇華温度も、電子および正孔輸送材料を選択する時に考慮すべきこととなり得る。
本明細書に記載のピリミジン化合物によって製造されるデバイスの効率を、デバイスの他の層を最適化することによってさらに改善することができることは理解される。例えば、Ca、BaまたはLiFなどのより効率的なカソードを使用することができる。作動電圧の低下をもたらすか、または量子効率を増加させる成形基板および新規正孔輸送材料も適用可能である。様々な層のエネルギー準位を調整し、エレクトロルミネセンスを促進するために、追加の層を加えることもできる。
いくつかの実施形態において、式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物は、デバイスの光活性層に存在する。いくつかの実施形態において、式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物は、デバイスの電子輸送層に存在する。いくつかの実施形態において、式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物がデバイスの光活性層に存在し、かつ式Iまたは式IIを有するピリミジン化合物がデバイスの電子輸送層に存在し、ピリミジン化合物は同一であることも、異なることも可能である。
排他的ではない限り、上記デバイスの実施形態の任意の組み合わせであることが可能である。
本明細書に記載の概念を以下の実施例においてさらに説明するが、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
合成実施例1
本実施例は、化合物1、5−[3−(4,6−ビス−(3−ビフェニル)−2−ピリミジニル)フェニル]ピリミジンの合成を説明する。
(1a)5−(3−ブロモフェニル)ピリミジン
Figure 0005926286
冷却器、温度計およびサイドアームストッパーを備えた1000mLの3つ口丸底フラスコに、1,2−ジメトキシエタン(315mL)中の3−ブロモヨードベンゼン(19.80g、70.0mmol)、ピリミジン−5−ボロン酸(8.67g、70.0mmol)の懸濁液および脱イオン水(105mL)中の炭酸ナトリウム(22.26g、210.0mmol)を添加した。混合物を30分間窒素スパージし、次いで、酢酸パラジウム(393mg、1.75mmol)およびトリフェニルホスフィン(918mg、3.50mmol)を添加した。反応混合物を還流下で18時間加熱し、次いで、UPLCによって完了したことが判定された後、室温まで冷却した。二相反応混合物をEtOAc(3×150mL)で抽出した。組み合わせた有機層を水およびブライン(各2×150mL)で洗浄し、次いで、MgSO上で乾燥し、濾過および濃縮して、オフホワイト色固体を得た。これを、MPLC(ヘキサン/CHCl)、それに続いて、無水エタノール(約200mL)からの結晶化によって精製し、所望の生成物である5−(3−ブロモフェニル)ピリミジンを得た(8.62g、収率63%)。この物質のUPLC分析によって、97.8%の純度を有することが示された。
(1b)5−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ピリミジン
Figure 0005926286
磁気撹拌棒、内部温度計、およびサイドアームから使い捨てピペットを通して導入される窒素ラインを備えた250mLの3つ口丸底フラスコ中、乾燥1,4−ジオキサン(70mL)中の工程(1a)からの5−(3−ブロモフェニル)ピリミジン(3.30g、14.04mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(4.28g、16.25mmol)の溶液に、酢酸カリウム(4.13g、42.1mmol)を添加した。攪拌している懸濁液に15分間窒素スパージした。[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドジクロロメタン錯体(1:1)(344mg、0.42mmol)をさらなる1,4−ジオキサン(10mL)と一緒に添加し、そして窒素スパージをさらに10分間続けた。次いで、フラスコに、窒素バブラーを上部に取り付けた還流冷却器を取り付け、そして残りのサイドアームに栓をした。反応混合物を3.5時間還流下で加熱した。この時点でのUPLCによるアリコートの分析によると、生成物への完全な変換が示された。粗製反応混合物をシリカゲルのパッド(43g)に注入し、これをトルエン(2×100mL)ですすいだ。組み合わせた濾液を濃縮したところ、暗褐色油状物(5.0g)が得られた。50%EtOAc/ヘキサン(2×100mL)によるシリカゲルパッドのさらなる溶離によって、溶離液の濃縮後、UPLC分析によるとトルエン溶離からの茶色油状物と同一組成物を有する黄色油状物(1.2g)が得られた。2つの粗製生成物をジクロロメタン(合計100mL)に溶解し、組み合わせ、MPLC(EtOAc/ヘキサン)によって精製し、所望の生成物である5−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ピリミジン(3.56g、収率90%)を、静置時に凝固する淡黄色油状物として得た。
(1c)2−クロロ−4,6−ビス([1,1’−ビフェニル]−3−イル)ピリミジン
Figure 0005926286
磁気撹拌棒、温度計、還流冷却器および窒素バブラーを備えた1000mLの3つ口丸底フラスコに、脱イオン水(105mL)中、2,4,6−トリクロロピリミジン(9.17g、50.0mmol)、3−ビフェニルボロン酸(21.78g、110.0mmol)、トリフェニルホスフィン(656mg、2.50mmol)、1,2−ジメトキシエタン(375mL)および炭酸ナトリウム(26.50g、250.0mmol)を添加した。混合物を1時間窒素(N)スパージした。酢酸パラジウム(281mg、1.25mmol)を添加し、Nスパージをさらに30分間続けて、スパージ用ピペットを取り外し、サイドアームに栓をして、混合物を21時間還流下で加熱した。反応物を室温まで冷却し、濾過した。濾液を分液漏斗へ移し、そして二相混合物の層を分離した。水層をトルエン(3×100mL)で抽出した。フィルターをCHCl(200mL)ですすいだ。CHCl濾液を組み合わせたトルエン抽出物および濾過された反応混合物からの1,2−ジメトキシエタン層に加え、そしてこの全有機相を水、10%HCl水および食塩水(各2×100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、そしてシリカゲルのパッド(50g)を通して濾過し、CHCl(200mL)ですすいだ。組み合わせた濾液をロータリーエバポレーションによって濃縮し、発泡性淡褐色油状物として粗製生成物(24g)を得た。シリカゲルMPLCによって、ジクロロメタン/ヘキサンを用いて溶離して、粗製生成物を精製した。以下の順番での溶離において、2つの主要フラクションを単離した。第1の単離された材料は白色固体(4.37g)であり、これは、50%ジクロロメタン/ヘキサンで溶離され、三置換副産物の2,4,6−トリス(3’−ビフェニル)ピリミジンと一致するH NMRスペクトルを有した。第2の単離された材料は白色固体(16.0g、76%)であり、これは、80%ジクロロメタン/ヘキサンで溶離され、所望の生成物の2−クロロ−4,6−ビス(3’−ビフェニル)ピリミジンと一致するH NMRスペクトルを有した。この物質のUPLC分析は、99%より高い純度を有することが示された。
(d)化合物1
Figure 0005926286
磁気攪拌された100mLの2つ口丸底フラスコ中、1,2−ジメトキシエタン(1,2−DME、30mL)中の工程(1b)からの5−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ピリミジン(2.82g、10.0mmol)およびトリフェニルホスフィン(131mg、0.5mmol)を、工程(1c)(4.19g、10.0mmol)からの2−クロロ−4,6−ビス([1,1’−ビフェニル]−3−イル)ピリミジンに添加した。さらなる1,2−DME(8mL)を添加し、そして窒素下で穏やかに加熱しながら(Ti=60℃)、混合物を溶解した。脱イオン水(15mL)中の炭酸ナトリウム(3.18g、30.0mmol、300モル%)の溶液を添加し、そして混合物を25分間窒素スパージした。酢酸パラジウム(II)(56mg、0.25mmol)を添加し、そして窒素スパージを10分間続けた。反応混合物を5分間で還流させ、そして加熱を6時間続けた。反応混合物を冷却し、そしてトルエン(75mL)、水(100mL)およびEtOAc(100mL)を添加した。全混合物を、シリカゲルの2.5cmのパッド(37g)に通して濾過した。SiOパッドをEtOAc(200mL)ですすぎ、そして全濾液(水相および有機相)を分液漏斗へ移した。相は分離した。水層をEtOAc(25mL)で抽出し、そして組み合わせた有機相を食塩水(100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過および濃縮して、オフホワイト色固体を得た。これを約1/1のTHF/ヘキサン(約100mL)から結晶化したところ、微細白色針状物のクラスターが生じ、これを濾過によって回収した。THF/ヘキサン(80mL/50mL)からの第2の再結晶によって、白色繊維様固体(2.34g、収率43%)として所望の生成物であるE2590が得られた。UPLCによる純度は>99.7%であった。真空昇華によるその後の精製によって、デバイスでの試験に関して99.97%の純度を有する物質が得られた。
合成実施例2
本実施例は、化合物28、2−[2’−(5’’−ピリミジル)−4’−ピリジル]−4,6−ビス−(3−ビフェニル)ピリミジンの合成を説明する。
(2a)5−(4−クロロ−2−ピリジル)ピリミジン
Figure 0005926286
冷却器、温度計および窒素バブラーを備えた500mLの3つ口丸底フラスコに、水(160mL)中1,2−ジメトキシエタン(160mL)と炭酸カリウム(13.8g)との混合物を添加した。混合物に30分間Nスパージし、そして2,4−ジクロロピリジン(5.92g、40.0mmol)、ピリミジン−5−ボロン酸(4.96g、40.0mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.39g、1.20mmol)を添加し、そして反応混合物を還流するまで加熱した(Ti=75℃)。還流下で17時間後、反応混合物を室温まで冷却し、そして酢酸エチル(3×150mLで抽出した。組み合わせた有機層を水および食塩水(各2×150mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濾過および濃縮して、粗製生成物(7.30g)を得た。これを、ヘキサン中0〜100%酢酸エチルで溶離して、中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)によって精製し、白色粉末固体(5.30g、収率69%)が得られた。UPLC分析によると、純度は99.21%であった。この物質(LIMS#:904855)のH NMRスペクトル(CDCl)は、所望の生成物の構造を裏付けるものであった。
(2b)5−[2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))ピリジル]ピリミジン
Figure 0005926286
冷却器、温度計および窒素バブラーを備えた25mLの3つ口丸底フラスコに、1,4−ジオキサン(10mL)を添加した。溶媒を30分間Nスパージし、そして酢酸カリウム(1.47g、15.0mmol)、工程(2a)からの5−(4−クロロ−2−ピリジル)ピリミジン(0.96g、5.00mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.52g、6.00mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.09g、0.10mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(0.19g、0.40mmol)を添加し、そして反応混合物を還流するまで加熱した(Ti=75℃)。反応物を室温まで冷却し、そして濾過して、酢酸エチル(100mL)ですすいだ。溶離液を濃縮したところ、黒茶色固体(1.92g、粗製)が得られた。さらなる精製をせずに、次の反応工程にこれを直接使用した。
(2c)化合物28
Figure 0005926286
冷却器、温度計および窒素バブラーを備えた250mLの3つ口丸底フラスコに、トルエン(130mL)および炭酸ナトリウム水溶液(65mL、2.0M)の混合物を添加した。混合物に30分間Nスパージし、次いで、工程(1c)からの2−クロロ−4,6−ビス([1,1’−ビフェニル]−3−イル)ピリミジン(4.19g、10.0mmol)、工程(2b)からの粗製5−[2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))ピリジル]ピリミジン(6.80g、24.0mmol)、四級アンモニウム化合物(0.81g、2.00mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.58g、0.5mmol)を添加し、そして反応混合物を還流するまで加熱した(Ti=85℃)。還流下で18時間後、反応物を室温まで冷却した。酢酸エチル(150mL)で洗浄後、沈殿物を廃棄した。濾液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、そして組み合わせた有機層を食塩水(2×150mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過および濃縮した。粗製生成物(4.0g)を、ヘキサン中0〜100%酢酸エチルで溶離して、シリカゲル中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)によって精製した。MPLC精製生成物をトルエン/ヘキサン、1/5(120mL)から結晶化した。次いで、溶液を室温まで冷却し、一晩静置した。次いで、結晶化した生成物を濾過によって回収し、ヘキサンおよびメタノール(各40mL)で洗浄し、そして高真空下で乾燥し、白色粉末固体(1.50g、収率28%)として所望の生成物(E2643)を得た。UPLC分析によると、純度は99.75%であった(BEH C18 1.7μM、2.1×50mm、20:80 ACN:ホルメート)。真空昇華によるその後の精製によって、デバイスでの試験に関して99.81%の純度を有する物質が得られた。
合成実施例3
本実施例は、化合物33、4,6−ジ([1,1’:3’,1’’−テルフェニル]−5’−イル)−2−(3−(ピリミジン−5−イル)フェニル)ピリミジン)の合成を説明する。
(3a)4,4,5,5−テトラメチル−2−[1,1’:3’,1’’−テルフェニル]−5’−イル−1,3,2−ジオキサボロラン
Figure 0005926286
磁気撹拌器と、窒素ラインに接続された冷却器とを備えた1LのRBフラスコに、3,5−ジフェニルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(18.92g、50.0mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン(29.20、115.0mmol)、酢酸カリウム(39.5g、300.0mmol)および乾燥ジオキサン(350mL)を添加した。系を15分間窒素パージしながら、混合物を窒素バブリングした。次いで、Pd(dppf)Cl(2.45g、3.0mmol)を添加し、そして窒素パージをさらに15分間続けて、その後、混合物を一晩、窒素下80℃で攪拌および加熱した(油浴)。10分間の反応によって、最初の薄茶色から暗色に変化した。周囲温度まで冷却後、水(200mL)を添加し、そして混合物を30分間攪拌し、次いで、周囲温度で3時間静置した。有機層を分離し、そして水相をトルエン(2×150mL)で抽出した。有機抽出物を組み合わせ、水、10%HCl水および食塩水(各150mL)で洗浄し、そしてMgSO(20g)上で乾燥した。濾過後、ロータリーエバポレーションによって溶媒を除去した。薄オレンジ色固体物質をジクロロメタン/ヘキサン(1/1、150mL)に溶解し、そして溶液をショートシリカゲルカラムに通し、そしてジクロロメタン/ヘキサン勾配(1/1、2/1および1/0)で溶離した。生成物含有フラクションを得、そして溶ロータリーエバポレーションによって媒を除去した。残渣をジクロロメタン/CHCNから結晶化し、HPLC分析によると95%の純度の白色結晶物質として生成物を得た(13.6g、収率76.4%)。
(3b)4,6−ジ([1,1’:3’,1’’−テルフェニル]−5’−イル)−2−クロロピリミジン
Figure 0005926286
磁気撹拌棒、温度計、還流冷却器および窒素バブラーを備えた250mLの3つ口丸底フラスコに、2,4,6−トリクロロピリミジン(2.20g、12.0mmol)、工程(3a)からの4,4,5,5−テトラメチル−2−[1,1’:3’,1’’−テルフェニル]−5’−イル−1,3,2−ジオキサボロラン(8.56g、24.0mmol)、トリフェニルホスフィン(157mg、0.60mmol)、1,2−ジメトキシエタン(80mL)および炭酸ナトリウム(2M、24mL、48.0mmol)を添加した。攪拌しながら、系を20分間窒素パージした(冷却器の上部からNを流し入れ、サイドアームを通して溶液中をバブリングした)。酢酸パラジウム(67mg、0.3mmol)を添加し、系をさらに15分間パージした。次いで、反応混合物を18時間、窒素下80℃で攪拌および還流した(加熱ブロック)。この間、いくらかの固体が形成した。周囲温度まで冷却後、さらに固体が形成した。固体を濾過し、水で洗浄した。粗製生成物をジクロロメタン(200mL)に溶解し、そして溶液を水、食塩水で洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥した。次いで、溶液をショートアルミナ(塩基性)カラムに通して、ジクロロメタンで溶離した。生成物含有フラクション(UVランプ下で青色蛍光を示す)を回収した。ロータリーエバポレーヨンによって溶を除去し、そして残渣をジクロロメタン/アセトニトリルから結晶化し、UPLCによると97%の純度の白色繊維物質(4.3g、63%)として生成物を得た。
(3c)化合物33
Figure 0005926286
磁気攪拌された250mLの2つ口丸底フラスコ中、1,2−ジメトキシエタン(1,2−DME、180mL)中の工程(1b)からの5−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピリミジン(1.69g、6.0mmol)およびトリフェニルホスフィン(79mg、0.3mmol)の溶液を、工程(3b)からの4,6−ジ([1,1’:3’,1’’−テルフェニル]−5’−イル)−2−クロロピリミジン(97%、3.53g、6.0mmol)に添加した。系を20分間窒素パージした後、酢酸パラジウム(34mg、0.15mmol)を添加した。反応物を18時間、窒素下105℃で攪拌および還流した(加熱ブロック)。この間、反応物は不均一なままであった。周囲温度まで冷却後、固体物質を水で濾過し、洗浄した。粗製生成物をジクロロメタン(200mL)に溶解し、水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶液を、最初はジクロロメタン、次いでジクロロメタン/iPrOH(3/1)で溶離して、ショートアルミナ(塩基性)カラム(5×10cm)に通し、そしてフラクションをTLC(ジクロロメタン/iPrOH 9/1)によって監視した。生成物含有フラクションを回収し、ロータリーエバポレーションによって溶媒を除去した。残渣をTHF/アセトニトリルから結晶化し、UPLC分析によると、99.70%の純度で2.8gおよび99.50%の純度で0.2gの白色繊維様固体として生成物を得た。真空昇華によるその後の精製によって、デバイス内での試験に関して99.59%の純度を有する物質が得られた。
デバイス実施例
(a)材料
HIJ−1は、導電性ポリマーおよびポリマーフッ素化スルホン酸の水性分散系から堆積された正孔注入材料である。そのような材料は、例えば、米国特許出願公開第2004/0102577号明細書、同第2004/0127637号明細書および同第2005/0205860号明細書、ならびに国際公開第2009/018009号パンフレットに記載されている。
HT−1は、トリアリールアミンポリマーである正孔輸送材料である。そのような材料は、例えば、国際公開第2009/067419号パンフレットに記載されている。
H1は重水素化ジアリールアントラセンホストである。そのような材料の非重水素化類似体については、青色ホスト材料として、例えば、米国特許出願公開第2007−0088185号明細書に開示されている。
E1は、ビス(ジアリールアミノ)クリセンドーパントである。そのような材料は、国際公開第2010035364号パンフレットに記載されている。
ZrQ4は、テトラキス(8−ヒドロキシキノリン)ジルコニウムである。
(b)デバイス製造
溶液処理および熱蒸発技術の組み合わせによってOLEDデバイスを製造した。Thin Film Devices,Incからのパターン化されたインジウムスズ酸化物(ITO)コーティングガラス基板を使用した。これらのITO基板は、30オーム/スクエアのシート抵抗および80%の光透過率を有するITOでコーティングされたCorning 1737ガラスをベースとした。パターン化されたITO基板を洗浄水溶液中で超音波によって洗浄し、蒸留水ですすいだ。その後、パターン化されたITOをアセトン中で超音波によって洗浄し、イソプロパノールですすぎ、そして窒素流中で乾燥させた。
デバイス製造直前に、洗浄してパターン化されたITO基板を10分間UVオゾンで処理した。冷却直後に、HIJ−1の水分散系をITO表面上にスピンコーティングし、加熱して溶媒を除去した。冷却後、次いで基板をHT−1のトルエン溶液でスピンコーティングし、次いで加熱して溶媒を除去した。基板をマスクし、真空チャンバーに配置した。冷却後、ホストおよびドーパントの基板を安息香酸メチル溶液でスピンコーティングし、加熱して溶媒を除去した。冷却後、ホストおよびドーパントの安息香酸メチル溶液で基板をスピンコーティングし、加熱して溶媒を除去した。基板をマスクし、真空チャンバー中に置いた。電子輸送層を熱蒸発によって堆積し、続いて、CsFの層を堆積した。次いで、真空でマスクを変化させ、そしてAlの層を熱蒸発によって堆積した。チャンバーを排気し、そしてデバイスを、ガラスの蓋、防湿剤およびUV硬化性エポキシを使用して封入した。
(c)デバイス特徴決定
OLED試料は、それらの(1)電流−電圧(I−V)曲線、(2)電圧に対するエレクトロルミネセンス放射輝度、および(3)電圧に対するエレクトロルミネセンススペクトルを測定することによって特徴決定した。3つの測定は全て同時に実行されて、コンピュータで制御された。特定の電圧でのデバイスの電流効率は、LEDのエレクトロルミネセンス放射輝度をデバイスを作動するために必要とされる電流密度で割ることによって決定する。単位はcd/Aである。色座標は、Minolta CS−100メーターまたはPhotoresearch PR705メーターのいずれかを使用して決定した。
デバイス実施例1および比較例A
本実施例は、本明細書に記載のピリミジン化合物が電子輸送層として存在するデバイスの性能を説明する。
実施例1において、電子輸送層は化合物1であった。
比較例Aにおいて、電子輸送層はZrQ4であった。
デバイス層は以下の厚さを有した。
アノード=ITO=50nm
正孔注入層=HIJ−1=50nm
正孔輸送層=HT−1=20nm
光活性層=H1:E1(重量比13:1)=40nm
電子輸送層(上記)=10nm
電子注入層/カソード=CsF/Al=1nm/100nm
結果を表1に示す。
Figure 0005926286
化合物1によるデバイスは、ZrQ4によるデバイスと等しいか、またはそれより優れた性能を有していたことがわかる。
デバイス実施例2および3
デバイス実施例2において、デバイス実施例1を繰り返した。
デバイス実施例3において、電子輸送材料が化合物33であったことを除き、デバイス実施例1を繰り返した。
結果を以下の表2に示す。
Figure 0005926286
一般的説明または実施例において前述した全ての行為が必要であるとは限らず、特定の行為の一部は不要である場合があり、記載の行為に加えて1つ以上のさらなる行為を行うことができることを留意されたい。さらに、行為が記載される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
以上の明細書において、具体的な実施形態を参照しながら本発明の概念を説明してきた。しかし、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに種々の修正および変更を行えることを認識する。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく説明的なものであると見なすべきであり、すべてのこのような修正形態は本発明の範囲内に含まれることを意図している。
特定の実施形態に関して、利益、その他の利点、および問題に対する解決法を以上に記載してきた。しかし、これらの利益、利点、問題の解決法、ならびに、なんらかの利益、利点、または解決法を発生させたり、より顕著にしたりすることがある、いずれの特徴も、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要、必要、または本質的な特徴であるとして解釈すべきではない。
別々の実施形態の状況において、明確にするために本明細書に記載されている特定の複数の特徴は、1つの実施形態の中で組み合わせても提供できることを理解されたい。逆に、簡潔にするため1つの実施形態の状況において説明した種々の特徴も、別々に提供したり、任意の副次的な組み合わせで提供したりすることができる。さらに、ある範囲内にあると記載される値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含んでいる。

Claims (11)

  1. 下記式で表される化合物。
    Figure 0005926286

    (式中、
    Xは、CまたはNであり、R 2 およびR 4 は、同一であるか、または異なる、アリールである。
  2. 2 およびR 4 が、ビフェニルまたはテルフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 下記式のいずれかで示される化合物。
    化合物1
    Figure 0005926286
    化合物2
    Figure 0005926286
    化合物3
    Figure 0005926286
    化合物6
    Figure 0005926286
    化合物7
    Figure 0005926286
    化合物8
    Figure 0005926286
    化合物9
    Figure 0005926286
    化合物28
    Figure 0005926286
    化合物29
    Figure 0005926286
    化合物30
    Figure 0005926286

    化合物32
    Figure 0005926286
    化合物33
    Figure 0005926286
  4. (a)請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物であるホストと、
    (b)380〜750nmで発光極大を有するエレクトロルミネセンスが可能なドーパントと
    を含んでなる組成物。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物を含んでなる少なくとも1層を有する電子デバイス。
  6. 前記デバイスが、
    基板と、
    絶縁層と、
    ゲート電極と、
    ソース電極と、
    ドレイン電極と、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物を含んでなる有機半導体層と
    を含んでなる有機薄膜トランジスタであり、前記ゲート電極および前記半導体層が両方とも前記絶縁層と接触し、前記ソース電極および前記ドレイン電極が両方とも前記半導体層と接触し、かつ前記電極が互いに接触しない条件の任意の配列で、前記絶縁層、前記ゲート電極、前記半導体層、前記ソース電極および前記ドレイン電極を配置することができる、請求項に記載のデバイス。
  7. デバイスが、2層の電気接触層の間に配置された少なくとも1層の電気活性層を含んでなり、前記デバイスの前記少なくとも1層の電気活性層が請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物を含む、請求項に記載のデバイス。
  8. デバイスが、アノードと、正孔注入層と、光活性層と、電子輸送層と、カソードとを含んでなり、前記光活性層および前記電子輸送層の少なくとも1層が請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物を含んでなる、請求項またはに記載のデバイス。
  9. 前記光活性層が、(a)請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物を含むホスト材料と、(b)有機金属エレクトロルミネセントドーパントとを含んでなる、請求項に記載のデバイス。
  10. 前記正孔注入層が、少なくとも1種の導電性ポリマーと、少なくとも1種のフッ素化酸ポリマーとを含んでなる、請求項またはに記載のデバイス。
  11. 前記電子輸送層が、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物を含んでなる、請求項または10に記載のデバイス。
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