JP2016507142A - 合成固体電解質界面の電極材料 - Google Patents

合成固体電解質界面の電極材料 Download PDF

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Abstract

電極、好ましくは、アノードでの使用に適した材料、これを形成するプロセスを提供する。この材料は、電極ベース材料と、前記電極ベース材料をコーティングする水溶性有機ポリマーを含む有機合成固体電解質界面材料と、を含む。ポリマーは、有機合成固体電解質界面材料を形成するために、架橋剤と結合する。結果として、電極材料をコーティングする合成SEIは、優れた放電レート容量とサイクル安定性とを発揮する。【選択図】図1B

Description

本発明は、材料と、その製造方法に関し、特に、リチウム電池のような電気化学デバイスのための電極部品として用途を有するシリコンベース材料に関する。
リチウムイオン電池の稼働方法において、充電するとき、アノードは、カソードからリチウムイオンを奪い取る。また、放電するとき、アノードは、それらリチウムイオンをカソードへ戻すように放出する。アノード材料の重要な因子の1つは、リチウムイオンを保持する容量であり、この容量が、供給された電池システムが保持することのできるチャージ量に直接強い影響を与えるからである。別の重要な因子が、可逆性、すなわち、容量の劣化、又は、重大なロスが無く、材料がリチウムイオンを奪取する、及び、放出する回数である。このパラメータは、電池システムの寿命に直接影響する。
リチウムイオン電池システムには、非常に高い可逆性と、完全な安全性を有するため、炭素質アノードが一般的に採用される。カーボン材料の問題の1つは、リチウムイオン容量が適度に高いものの、それゆえ、比較的多量のアノード材料が、供給された電池システムにおいて採用されなければならない。シリコン(Si)は、比較的多い量のリチウムと合金化することができ、リチウムイオン電池用のアノード材料として多くの利点を有する。典型的なカーボンベースのアノードは、放電容量約372mAh/gを有するが、シリコンベースのアノードは、理論的には放電容量4200mAh/gを有する。しかしながら、シリコンは、リチウムイオンを取り込んだとき、比較的大きな体積変化が生じる。この体積変化が、多くの電池システムにおいて、容量ロスを引き起こすとともにサイクルライフを短くし、且つ、電池構造に機械的損傷を引き起こすため、とても不利益である。リチウム吸収時におけるシリコンの体積は、リチウム放出時におけるそれと比較して、体積400%まで膨張する。これにより、2つの重大な問題が生じる。1つめは、電極におけるシリコン構造の機械的劣化を最小化することである。2つめは、固体電解質界面(SEI)の安定性を維持することである。シリコンアノードの体積上の大きな変化により誘引される応力は、割れと粉状化とを引き起こす。複数の研究は、急速な容量ロスの主な理由を示した。
シリコン粒子のサイズをナノメータレンジにまで減少させることによって、割れとひび(decrepitation)の傾向を減少させる、又は、回避することができる。実際に、このようなシリコンのナノ構造における応力は、機械的構成が無くとも、容易に開放されているはずである。ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノポーラスフィルム、シリコンナノ粒子/カーボン複合材料等を含むシリコン材料のナノ構造のデザインによって、シリコン材料の安定性についての課題を処理することへの成功が有る。これらのようなアプローチは、米国特許出願公開第2007/0077490号明細書、米国特許出願公開第2007/0190413号明細書、米国特許出願公開第2005/0282070号明細書、米国特許第7316792号明細書、国際公開第2007/015910号に開示されている。
しかし、シリコンと液体電解質との間の界面ではSEIの安定性は、長寿命を達成するための別の重要な因子である。シリコンの機械的な割れの課題とひびは、ナノ構成を用いることによって大きく解決したが、電解質の界面は、それらの体積膨張と収縮との反復のため、静的(static)でない。これは、体積変化の大きい材料について、効果的に取り組まれていない重要なチャレンジであることを示す。
電解質分解は、低いポテンシャルのアノードに生じ、バッテリチャージの間、シリコン表面における不動態化したSEI層を形成する。SEI層は、電気的な絶縁体であるものの、リチウムイオン伝導体である。そのため、SEI層の成長は、充放電サイクルの間、シリコン体積変化により新しく形成されたシリコン表面において、衰えず継続する。ナノスケールの構成は、機械的なブレイクダウンを誘引する応力を最小化することを示したが、SEI成長の課題に取り組むことが出来ない。シリコンは、リチウム化において膨張し、それから、脱リチウムの際中において互いに接触する。このプロセスの反復は、シリコン表面において形成される割れを引き起こす。ナノ構造に使用により形成されたSEIは、収縮のために脱リチウムの際中において、破壊される。電界質に新しく再露出されたシリコン表面は、充放電サイクルにおいて、SEIの厚くなった部分において、さらにSEIの形成を引き起こす。
SEIの厚くなった部分は、以下に(1)〜(4)によって、電池のパフォーマンスの劣化を結果として生じさせる。
(1)連続的なSEIの形成中において、電解質とリチウムイオンとが消費すること、
(2)SEIの元々備わる電気的な絶縁性が、集電体とアノード材料との電気的接触を弱めること、
(3)SEIの厚みによる、長いリチウム拡散距離、
(4)SEIの厚み増大による機械的な応力により引き起こされる電極材料の劣化、
安定したSEIの形成が、シリコンアノードの長寿命化の実現にとって重要である。また、これは、大きく体積を変化する他の電極材料にも、通常当てはまる。
様々な努力にもかかわらず、研究者達は、高サイクル寿命を示すリチウムイオンバッテリ用の高容量アノード構造を準備するシリコンベース材料を、うまく利用することができていない。下記の明細書で説明されるように、本発明は、多量のリチウムイオンを合金化することのできるとともに充放電サイクルを多数回繰り返してもこの能力を維持し、粉状化しにくい電極材料を提供する。本発明の電極材料は、長いサイクル寿命を有する高容量リチウムイオン電池の製造を可能とする。これらと本発明の他の利点は、以下の図面、説明、及び、議論によって、明らかにされるであろう。
下記の発明の概要は、本発明に固有の革新的な特徴の一部を理解することへの促進を提供するものの、完全な明細書を意図するものではない。本発明の様々な態様の完全な理解が、全体の明細書、クレーム、図面、及び、要約書を総括して読むことによって、得られるだろう。
本発明は、高機能電池システムのサイクルライフと他の因子を著しく改善する、電極に取り込まれる前(例えば、結合剤、又は、集電体によって組み合わせる前)の、電極材料によって補助(associated with)される合成SEIを形成する重合コーティングを有する電極材料を提供する。本発明の一部の実施の形態に係る電極材料は、電極ベース材料と、水溶性有機ポリマーを含有する有機合成固体電解質界面材料と、を含み、前記有機合成固体電解質界面材料(SEI)は、架橋重合されたコーティングを形成し、前記コーティングは、前記電極ベース材料に重合する。合成SEIは、ポリマー材料と、前記ポリマー材料と重合する架橋剤とを含んでもよい。前記架橋剤は、金属イオン、又は、ルイス塩基を含んでもよい。架橋剤が金属イオンであるとき、前記金属は、ボロン、クロム、チタン、ジルコニウム、又は、アンチモンであってもよい。一部の実施の形態では、架橋剤は、四ホウ酸リチウムであってもよい。合成SEIは、電解質溶媒、若しくは、カーボネート電解質溶媒をさらに含んでもよい、又は、吸収することができてもよい。架橋剤、又は、電極ベース材料の種類から独立して、ポリマーは、PAA、PVA、又は、PMMAであってもよい。一部の実施の形態では、前記水溶性有機ポリマーと前記架橋剤との比は、それぞれ4:1〜1:1の範囲内にあってもよい。前記有機合成固体電解質界面材料は、前記電極材料の総重量の0.05〜5%で前記電極ベース材料に存在してもよい。架橋剤、又は、ポリマーの種類から独立して、前記電極ベース材料は、リチウムを挿入可能な材料を含んでもよい。電極ベース材料は、シリコン、グラファイトカーボン、シリコンとグラファイトカーボンとのシリコン化合物、又は、これらの組み合わせを含んでもよく、シリコンとグラファイトカーボンとのシリコン化合物を含んでもよく、シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤを含んでもよい。電極ベース材料は、シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤを含むとき、前記シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤは、前記シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤと前記有機合成固体電解質界面材料とのカーボン中間物でコーティングされてもよい。結果として、電極材料は、アノードとして使用するのに適していてもよい。
リチウムイオン二次電池の使用に適した電極材料の製造方法も提供する。一部の実施の形態では、プロセスは、電極ベース材料を供給する工程と、架橋剤に対するポリマーを所定の比で有する水溶液において、架橋剤とポリマーとを前記電極ベース材料に結合させる工程と、前記電極ベース材料上に高分子合成固体電解質界面材料を形成するために、前記ポリマーと前記架橋剤とを重合する重合工程と、を含む。前記重合工程では、温度は30〜70℃の範囲内にあってもよく、温度は50℃であってもよい。前記重合工程では、重合時間は、5〜30分間の範囲内であってもよく、15分間であってもよい。合成SEIは、ポリマー材料と、前記ポリマー材料と重合する架橋剤とを含んでもよい。前記架橋剤は、金属イオン、又は、ルイス塩基を含んでもよい。架橋剤が金属イオンであるとき、前記金属は、ボロン、クロム、チタン、ジルコニウム、又は、アンチモンであってもよい。
一部の実施の形態では、架橋剤は、四ホウ酸リチウムであってもよい。合成SEIは、電解質溶媒、若しくは、カーボネート電解質溶媒をさらに含んでもよい、又は、吸収することができてもよい。架橋剤、又は、電極ベース材料の種類から独立して、ポリマーは、PAA、PVA、又は、PMMAであってもよい。一部の実施の形態では、前記水溶性有機ポリマーと前記架橋剤との比は、それぞれ4:1〜1:1の範囲内にあってもよい。前記有機合成固体電解質界面材料は、前記電極材料の総重量の0.05〜5%で前記電極ベース材料に存在してもよい。架橋剤、又は、ポリマーの種類から独立して、前記電極ベース材料は、リチウムを挿入可能な材料を含んでもよい。電極ベース材料は、シリコン、グラファイトカーボン、シリコンとグラファイトカーボンとのシリコン化合物、又は、これらの組み合わせを含んでもよく、シリコンとグラファイトカーボンとのシリコン化合物を含んでもよく、シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤを含んでもよい。電極ベース材料は、シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤを含むとき、前記シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤは、前記シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤと前記有機合成固体電解質界面材料とのカーボン中間物でコーティングされてもよい。結果として、電極材料は、アノードとして使用するのに適していてもよい。
上記した電極材料を含む電池を提供する。また、上記した製造方法を用いることによって形成された、上記した電極材料を含む電池を提供する。
図1Aは、実施の形態の1つに係る、合成SEIをコーティングされた電極材料、又は、コントロール(control)を採用したコイン型セルのサイクル寿命を示す図である。 図1Bは、実施の形態の1つに係る合成SEIを被膜された電極材料を示し、この電極材料は、サイクル寿命の少なくとも25%の改善(26〜42%の改善)を示す。 図2Aは、コントロールを採用し、又はPVAをコーティングされた、8%SiNWを含む複合電極材料を採用したポーチセルにおける比容量の維持を模試的に示す図である。 図2Bは、コントロールを採用し、又はPVAをコーティングされた、8%SiNWを含む複合電極材料を採用したポーチセルにおける比容量の維持を模試的に示す図である。 図3は、実施の形態の1つに係る、コーティングされた電極ベース材料を含むポーチセルのサイクル寿命の改善を示す。 図4は、アノードにおいて、実施の形態の1つに係る、合成SEIをコーティングされた電極ベース材料を用いるセルの、改善した容量維持率を示す。
1つ又は複数の特定の実施の形態についての下記の説明は、本質的には代表的なものに過ぎないし、また、本発明のスコープ、本出願、本発明の利用、当然ながら、これらの変更を限定することを決して意図していない。本発明は、ここに含まれる、限定しない定義と専門用語とに関して、記述されている。これらの定義と専門用語は、本発明のスコープ、又は、プラクティスの限定として機能するように設けられていないが、具体化と説明とだけを目的として存在する。個々のステップのオーダー、又は、複数の材料の使用として製造方法又は化合物を記述する。しかし、複数の工程、又は、複数の材料は、発明の記述が多くの方法でアレンジされた複数の部分又は工程を含み得るように、取り替えできるであろう。
要素が、異なる要素に「on」していると記載されているとき、その要素がその異なる要素に直接的に「on」していること、又は、介在要素がその間に存在し得ることが理解されるであろう。対照的に、要素が、異なる要素に「直接的にon」していると記載されているとき、介在要素は存在しない。
「第1」、「第2」、「第3」等の単語が、様々な要素、コンポーネント、領域、及び、層、部分の少なくとも1つを説明するために、使用され得るものの、様々な要素、コンポーネント、領域、及び、層、部分の少なくとも1つは、これらの単語によって限定されるべきでないことが理解されるべきである。これらの単語は、異なる要素、コンポーネント、領域、又は、層、部分から、1つの要素、コンポーネント、領域、又は、層、部分を区別するためだけに使用される。したがって、以下に説明される「第1のエレメント」、「コンポーネント」、「領域」、「層」、又は、「部分」は、ここでの教示から外れることなく、第2のエレメント(又は、他のエレメント)、コンポーネント、領域、層、又は、部分と名付けてもよい。
ここで使用される専門用語は、限定されることを意図しない、特定の実施の形態のみを説明する目的のためである。ここで使用されるように、単数形は、内容が異なることを、はっきりと示さない限り、「少なくとも1つの(at least one)」を含む複数形を含むことを意図する「a」、「an」、及び、「the」を形成する。「又は(Or)」は「及び/又は(and/or)」を意味する。ここで使用されるように、「及び/又は(and/or)」は、リストに挙がった関連する事項を1つ又は1つ以上の全ての組み合わせを含む。単語「comprises」、若しくは、「comprising」、又は「includes」、若しくは、「including」は、この明細書で使用されるとき、説明される特徴、領域、完全体、ステップ、オペレーション、要素、及び、コンポーネントの少なくとも1つの存在を明示する一方で、1つ又は1以上の他の特徴、領域、完全体、ステップ、オペレーション、要素、コンポーネント、及び、グループの少なくとも1つの存在、又は、追加を不可能とするものではないことを、さらに理解されるべきであろう。単語「これらの組み合わせ(or a combination thereof)」は、前述の少なくとも1つの要素を含む組み合わせを意味する。
他で定義されない限り、ここで使用される全ての単語(科学技術的な単語を含む)は、この開示が属する技術分野の通常の知識の1つによる一般的な理解として、同じ意味を有する。一般的に用いられる辞書における定義されるような単語は、ここで明確に定義されない限り、理想的な、又は、過度に形式的な感覚で翻訳されるべきでなく、先行技術と本開示の文脈における意味と調和する意味を持つように翻訳されるべきであることをさらに理解されるべきであろう。
電気化学セルにおいて電極又は構成要素として有用な電極材料を提供する。電極材料は、有機合成固体電解質界面(SEI)を有する電極ベース材料を含む。本発明の結果として生じる電極材料は、架橋剤を有する有機ポリマーの柔軟性(弾力性)のあるコーティングを含む。この架橋剤を組み合わせた時に、合成SEIを提供する。この合成SEIは、電池システムの動作の際中において、イオンが奪取される、及び、放出されるとき、基礎となる電極ベース材料に、機械的且つ空間的な高い安定性を加える。
発明者等は、驚いたことに、有機合成SEIコーティングの存在が、第1のチャージの間における電解質に関する不可逆容量ロス(ICL)を、コーティングなしの電極材料、又は、従来の電極材料との20%も減らすことを、気付いた。また、発明者等は、サイクル中での、SEIを形成する新電解質の形成は、物理的なバリヤとして動作することによって、横たわる電極ベース材料の構成を保持すると同時に、電解質との直接的な接触から隔離させる。
本発明の有機合成SEIの追加的な第2の利点は、従来の電極材料において典型的に生じる、好ましくない気体状の副産物の量を大きく減少させることである。
電極材料は、電気化学セルにおいてカソード、又は、アノードとして、選択して使用することができる。電極は、電極ベース材料を含む。電極ベース材料は、任意に、アノード、又は、カソードの形成において利用するのに適している。一部の実施の形態では、電極ベース材料は、シリコン、グラファイトカーボン、シリコンカーボン化合物、錫、Ge、Sb、Al、Bi、As、Li金属、リチウム合金、合金、遷移金属酸化物、窒化物材料、硫化物材料、又は、これらの組み合わせを含む。合金は、Mg、Pe、Co、Ni、Ti、Mo、Wから1つ又はそれ以上を含む。
電極材料として使用される合金の実例は、シリコン合金を含む。シリコン合金は、シリコンと、Ge、Be、Ag、Al、Au、Cd、Ga、In、Sb、Sn、Zn、又は、これらの組み合わせのうち任意に選択したものとを含む合金である。シリコンに対する合金の比は、重量比で、シリコンに対して5%〜2000%であればよく、さらに、5%〜500%であればよく、さらに、20%〜60%であればよい。
一部の実施の形態では、電極ベース材料は、リチウム合金を含む。リチウム合金は、リチウムと合金化される金属、又は、合金、を含み、具体的には、Al、Si、Sn、Ag、Bi、Mg、Zn、In、Ge、Pb、Pd、Pt、Sb、Ti、錫合金、シリコン合金を含む。
米国特許第6,235,427号明細書において、さらなる合金の実施例と、その合金の製造方法とを、理解することができる。
一部の実施の形態では、電極ベース材料は、シリコン、カーボン、黒鉛状炭素材料、複合材料、窒化物を含むリチウムのいずれかである、又は、これらの材料を含む。この黒鉛状炭素材料は、例えば、天然黒鉛、グラフェン、合成グラファイト、膨張黒鉛、炭素繊維、硬質炭素、カーボンナノチューブ、フラーレン、活性炭などである。この複合材料は、金属がリチウムとシリコンとを選択的に含むことによって、金属又は金属化合物と、カーボン又は黒鉛材料との複合材料である。電極ベース材料は、シリコン、リチウム、又は金属が無い状態であっても、グラファイトだけで形成されるものではない。所定の実施の形態では、電極ベース材料は、シリコンと炭素状黒鉛との複合材料であり、この複合材料は、カーボンコーティング、及び、コーティングの表面への粘着力を安定させる熱処理の少なくとも一方を含んでもよいし、若しくは、含まなくてもよい。一部の実施の形態では、電極ベース材料は、コーティング、具体的には、カーボンコーティングを含む。このとき、カーボンコーティングは、電極ベース材料と、この電極ベース材料を上塗りするコンポーネントとしての合成SEIとの間に配置される。カーボンコーティングの配置前は、高い電気伝導性を提供し、後に配置されるイオンポリマーコーティングの接着性を提供する。カーボンコーティングの従来の方法は、電極材料にカーボンをコーティングさせるために、具体的なN−メチル−2−ピロリドン(NMP)にPVDPを重量%で2%溶解させるよう混合するPVDPスラリーキャスティングのように、本発明に応用することができる。スラリーキャスティングの似たようなプロセスは、コーティングされた、又は、コーティングを未だ施されていないアノード材料を合成SEIが補助(association)させる効果を成し得るために、利用することができる。
先に記載した電極ベース材料では、合成SEIの形状は、微粒子(例えば、粉)、ナノワイヤ、シート、ナノチューブ、ナノファイバ、ポーラス構造、ウィスカ、ナノプレート、又は、技術の分野ですでに知られた他の構成のような物理的な形状のいずれかである。
電極ベース材料は、導電基板に補助されてもよいし、補助されなくともよい。基板に補助されると、その基板は、好適な電気伝導性と、不浸透性、又は、実質的に不浸透性を有する材料のいずれかから形成される。このような材料は、特に限定されないが、銅、ステンレス鋼、チタン、又は、カーボンペーパー、貫通孔の無い金属ホイル、アルミニウムホイル、ニッケルとアルミニウムを張り合わせた材料(cladding material)、銅とアルミニウム、鉄鋼にメッキされたニッケル、銅にメッキされたニッケル、アルミニウムにメッキされたニッケル、金、銀、他の好適な電気伝導性と、不浸透性、又は、実質的に不浸透性を有する材料、又は、好適なこれらの材料の組み合わせを含む。一部の実施の形態では、基板は、1つ又は複数の好適な金属又は、これらの金属の組み合わせたもの(例えば、合金、固溶体、メッキされた金属)によって形成してもよい。電極ベース材料は、基板に補助されなくともよい。
電極材料は、電極ベース材料の上に層として重ねられる、又は、電極ベース材料をコートするイオン電導有機合成SEIを含む。単語「コート」は、特定の方法、又は、電極ベース材料を囲む結合剤であることが理解される。今回のコーティングは、結合剤を電極ベース材料に化合させる方法と大きく異なるプロセスである。さらに、コーティングされた電極材料は、その技術において容易に理解されたプロセスによって電極を形成するとき、結合材料を伴うことを採用することが好ましい。有機合成SEIは、電極材料を完全にコーティングする。合成SEIは、有機ポリマー又は共重合体(ここで記載された、一体化した(collectively)ポリマー)と、イオン伝導合成SEIを形成するために化合させられる架橋剤とから形成される。合成SEIは、ポリマーネットワークを通して、リチウムイオンを伝導させることが可能であってもよい。ある1つの特定の理論に捕らわれることなく、イオン伝導は、トンネルメカニズムによって生じると信じられている。このトンネルメカニズムは、ポリマー鎖のセグメントの局所的な動きによって反復的に形成される配位サイトの間の移動によって、もたらされる。一部の実施の形態では、有機ポリマーは、50℃よりの上の温度では、水溶性である。一部の実施の形態における合成SEIは、炭酸塩ベースの電解質を含む、ありふれた電解質を吸着することができる。合成SEIにおけるポリマー材料の具体例は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメチルメタアクリライト(PMMA)、又は、それらの組み合わせを含む。合成SEIの構成要素を形成する具体的なポリマー又は共重合体は、10000ダルトンと同じ分子量、又は、これよりも高い分子量を有する。PVA、PAA、又は、PMMAのようなポリマーと、共重合体(一体化した「ポリマー」)を商業的に得ることができる。商業的に得ることのできるPVAポリマーと共重合体とは、酢酸ビニルの加水分解の度合いを変化し得る。ポリマー又は共重合体は、3000よりも大きな高い重合度を有してもよい。電極材料は、電極ベース材料、ポリマー、及び、架橋剤以外の材料を除いてもよい。
ポリマーは、電極ベース材料を結合する、コーティングする、又は、全体的にコーティングするのに適する合成SEIを形成する架橋剤を補助すると認識されている。架橋剤は、材料をコーティングする有機高分子合成SEIを形成するために、ポリマーを架橋するのに用いられる。この材料は、電極ベース材料を直接的にコーティングする、電極ベース材料の外側コ−ティングを形成する。合成SEIの重要なイノベーティブな態様は、混合物を含む有機ポリマーを用いることであり、それは、高イオン移動度を持続する液体電解質の除外ではなく、PEOへの類維したメカニズムにおいてリチウムイオンの移動をサポートする構造である。以下に記載されるように、典型的な系では、有機ポリマーは、合成SEIを形成するために用いられる。
Figure 2016507142
架橋剤は、金属、又は、ルイス塩基を含む。一部の実施の形態では、架橋剤は、ボロン、クロム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、又は、これらの組み合わせである。一部の実施の形態では、架橋剤は、四ホウ酸リチウム(Li)(LTB)である。
電極ベース材料における合成SEIは、コーティングされていない電極ベース材料や他の種類の合成SEIと比較して、サイクル寿命の増加と、容量の劣化速度の低減とをもたらすと理解されている。また、この合成SEIは有機ポリマーと架橋剤とを含む、とも理解されている。合成SEIのコーティングは、1つ又は1つ以上の電解質材料を吸着することができる。この合成SEIは、1.2〜1.6g/ccの密度を有してもよく、合成SEIの一特性として、リチウムイオンの移動を促進する。
ポリマーと架橋剤とは、4:1〜1:1の範囲内の比で存在してもよいし、4:1、3:1、2:1、1:1のいずれかの比で存在してもよい。一部の実施の形態では、架橋剤に対するポリマーの比が、4:1〜1:1の範囲内、又は、値である。ポリマーと架橋剤との比は、5:1を超えないし、1:1よりも低いことは無い。
合成SEI材料の量は、電極ベース材料の総重量の0.05%〜5%の範囲内であってもよく、この範囲内のある値であればよい。合成SEI材料コーティングの量は、重量の5%を超えない。合成SEIは、1μmよりも薄く、100nmよりも薄くてもよいし、10nmよりも薄くてもよいし、5nmよりも薄くてもよいし、0.01〜3nmの範囲内の厚みであってもよい。一部の実施の形態では、合成SEIは、2nm以下の厚みを有し、5nm以下の厚みを有してもよい。合成SEIの厚み又は重量%比は、結合剤の使用に不適なものであってもよい。
具体的に、電極材料は、二次電池の電極において使用してもよい。電極は、スラリーを準備するため、コーティングされた電極材料と結合剤(溶媒の重量の1〜10%であってもよい)とを溶媒に懸濁させ、続いて、得られたスラリーを集電装置にかけて、さらに、乾燥させてもよく、適宜プレスしてもよい。典型的な結合剤は、NMPにおけるPVdfバインダ、又は、水溶性ポリオレフィンラテックス懸濁液である。電極の準備で使用される溶媒の例は、炭酸塩ベースの溶媒、エステルベースの溶媒、エーテルベースの溶媒、ケトンベースの溶媒、アルコールベースの溶媒、又は、非プロトン溶媒を含んでもよいが、これらに限定されることはない。ジメチルスルホキシド(DMSO)、N‐メチルピロリドン(NMP)、エチレングリコールのような具体的な有機溶媒と、蒸留水とを用いてもよい。そのような溶媒が、従来から知られている。
有機合成SEIは、溶解する、又は、分解することなく、電解質において構造的な安定性を保持する。例えば、低い重合度(DP)を有する非架橋PVAは、長期間のサイクルの間、電解質に溶解してもよい(日本国特許公報:特開平11−67215)。高い重合度(DP)を有する非架橋PVAは、電解質において安定しており、水中におけるとても低い溶解性を有する。この低い溶解性は、水のような(aqueous)結合剤としての使用をとても困難にさせる。これら従来の系とは対照的に、進歩的な合成SEIは、水溶液として加工中において、高いDPを有するPVAとして、同じ耐溶解性を有する。進歩的な合成SEIの試験は、60℃でのリチウムイオン電解液に浸して7日後に、架橋PVAが溶解しないことを示す。
特に、熱的な安定性、及び、機械的な安定性が、以下の2つの理由によって、合成SEIコーティングにとって重要である。
(1)電極をコーティングすることと、セルを組み立てることとにおけるオペレーションの際中において要求される、典型的には60℃〜150℃の範囲のいくつかの熱処理ステップがある。
(2)Liイオンバッテリが、ハイパワー且つ悪い使用条件下で、高い温度に到達する。
進歩的な合成SEIは、そのような条件で、化学的且つ物理的に安定している。完全に加水分解したPVAは、PVdFとSBRのような結合剤として用いられる同じような材料よりも高いガラス転移温度(Tg=80℃)と、融点(Tm=230℃)とを有する。
電極材料、アノード、電極ベース材料を形成するプロセスを提供する。この電極ベース材料は、ここで記載されるように有機合成SEIにコーティングされている。合成SEI材料は、水溶媒中に好ましいポリマーを置くことによって、形成される。この水溶媒は、水溶液の架橋剤を好ましい比で、結び付けられている。この比は、ここで記載されるように、どのような比でもよい。電極ベース材料は、ポリマーと架橋剤との溶液に浸してもよい。これにより、電極ベース材料をコーティングする合成SEIを形成するための重合中において、ポリマーと架橋剤とが、電極ベース材料をコーティングする。コーティングは、材料をコーティングする予定の表面へのポリマーのアクセスのし易さと移動性を向上させるために、30℃〜70℃の高温で行ってもよく、この範囲の温度であればどのような温度であってもよい。コーティングは、50℃で行ってもよい。コーティング時間は、5〜90分であってもよく、この範囲の時間であればどのような時間であってもよく、15分であってもよい。コーティング時間は、合成SEIの最終的な厚みを制御するために変更してもよい。
後に続く、コーティングされた電極ベース材料のプロセスステップは、付着していない材料を取り除くために、濾過と、すすぎと、を含んでもよい。コーティングされた電極ベース材料は、具体的には、後に、電気化学セル内における使用のため、乾燥してもよい。
電極ベース材料から形成される電極を用いた電気化学セルを提供する。この電極ベース材料は、ここで記載される実施の形態にかかる発明によって提供される合成SEIによって、しっかりとコーティングされる。電極ベース材料は、単独で使用されてもよく、基板材料によって支持(associated with)されてもよい。
電気化学セルは、反対の電極をさらに含んでもよいし、カソードを含んでもよい。カソードは、既知の好適な材料から形成されてもよい。カソードが合成SEIも含んでもよいことが分かる。カソードにおいて使用するための活物質の例は、二酸化コバルトリチウム(LiCoO)と、ニッケル酸リチウム(LiNiO)とのような積層した化合物、又は、1つ又は複数の金属を置換した遷移化合物、Li1+XMn2−X(0≦x≦0.33)との式で表現される化合物、LiMnO、LiMn、LiMnOのようなマンガン酸リチウム、銅酸リチウム(LiCuO)、LiV、V、Cuのような酸化バナジウム、LiNi1−x(m=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、B、又は、Ga,0.01≦x≦0.3)との式で表現されるニッケルサイトタイプリチウム化ニッケル酸化物(Ni-site type lithiated nickel oxides)、LiMn2−X(M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn、又は、Ta、0.01≦x≦0.1)や、LiMnMO(M=Fe、Co、Ni、Cu、又は、Zn)との式で表現されるリチウムマンガン複合酸化物、Liの一部がアルカリ土類金属イオンに置換されているLiMn、二硫化物、Fe(MoO)、LiFeなどである。
電気化学セルは、電解質を含む。電解質は、固体電解質でもよいし、液体電解質でもよい。電解質は、具体的には、リチウム塩と、非水有機溶媒とを含む。リチウム塩は、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiN(SO、Li(CFSON、LiN(SO、LiCSO、LiClO、LiAlO2、LiAlCl、LiCl、LiI、LiB(C (リチウムビス(オキサレート)ボレート、LiBOB)であってもよい。リチウム塩が、約0.1M〜約2.0Mの範囲の濃度で存在する。リチウム塩が、上記濃度範囲で含有されるとき、電解質は、電解質の導電性と粘性が最適であるため、優れたパフォーマンスとリチウムイオン移動度とを有し得る。
結果として、電極ベース材料を補助(associated)する合成SEIは、電気化学セルにおける含有物のため、アノード又はカソード材料として好適である。電極ベース材料をコーティングする合成SEIのたくさんの利点の中でも、結果として電極材料は、サイクル寿命を増加させ、容量劣化速度を減らすため、充放電サイクルを行うときにシリコンベース材料で良くある物理的な劣化がし難い。
本発明の様々な態様は、以下の限定しない実施例によって、具体的に示された。実施例は、具体的に目的のためであり、本発明のプラクティスを限定するものではない。発明のスピリッツやスコープから離れることなく、変更と改善がなされることが理解されるであろう。実施例は一般的に、電極ベース材料としてシリコン微粒子を示すが、他の電極ベース材料も同様に使用されることが理解されるであろう。ここで具体的に試薬は、商業的に入手可能であり、当業者は、そのような試薬が入手されることを容易に理解する。
グラファイト/Siナノワイヤ複合電極材料(Si含有量8〜16%)は、以下のように、架橋されたPVA/四ホウ酸リチウム(LTB)に被膜される。
1.PVA粉末をお湯に溶解させて、表1に定義された所定のPVA濃度のPVA溶液を準備する。
2.PVA/四ホウ酸リチウム(LTB)(Li)をお湯に溶解させて、表1に定義された所定のホウ酸濃度のホウ酸塩溶液を準備する。
3.PVA溶液とホウ酸塩溶液とを所定の重量比(例えば、4:1〜1:1)で混合する。
4.アノード粉末(Nanosysからのグラファイト/Siナノワイヤ複合)をPVAとホウ酸との混合物に添加し、その後、50℃で15分間力強く攪拌する。
5.アノード/PVA/ホウ酸塩の懸濁液を真空濾過し、イオン交換水で3回すすぐ。
6.濾過した粉末を、約100℃で真空乾燥する。
7.粉をふるいにかける。
真空乾燥は、電極ベース材料粉末に保護層を形成する1つの方法である。しかし、スプレー乾燥やフリーズドライのような他の一般的な粉の乾燥方法も、この目的のために用いてもよい。反応するものの濃度と重量との、異なる組み合わせが、好適な乾燥方法とともに、保護層の最終的な積み重ね(loading)を決定する。開始する基準の条件は、それぞれ、PVA2%水溶液100mlに置かれた電極材料50グラム(最終的な一定の量/PVA 〜20:1)、固形分が35%を占める懸濁液、4%架橋剤溶液、架橋剤に対するPVAの比4:1、25℃である。保護層の理想的なローディングレベルは、Nanosysからのグラファイト/Siナノワイヤ複合を用いたときの総合的な粉末重量の0.05〜5%である。
以下の電極材料は、表1のような追加的な詳細又は代替で上記したプロセスにおいて実質的に形成される。
Figure 2016507142
コーティングされたアノード粉末は、NMP/PVDFを有する非水溶性スラリーと、CMC/SBRを有する水溶性スラリーとにおける、結合剤(binders)との組み合わせに好適である。
コーティングされたアノード粉末は、試験用セルのアノードの形成において用いられる。アノードを形成するための活物質を準備するために、用いられる。フラックテックスピードミキサーは、活性スラリーを混合するために用いられ、ドクターブレードは、電極を手で鋳込むために用いられる。一旦、活物質が導電基板にコーティングされてから、それは、希望する多孔性、一般的にローディング時の厚みの35−40%となるように圧縮される。スラリーの粘度と安定性は、レオメータによってチェックされる。電極の接着は、乾燥状態と湿度状態との両方によって、試験される。電極表面と断面は、それらの均一性のため、SEMと光学顕微鏡によって、観察される。均一性は、電極の構成要素(すなわち、活物質、導電カーボン、結合剤)の分散の均一さと、厚み/多孔性の均一さとである。スラリーは、高せん断ダブルプラネタリーミキサーで、温度と圧力を制御された状態で、約2〜5kgのスケールで混合される。電極は、東洋システム150WIスロットダイコーターを用いてコーティングされる。このスロットダイコーターは、150mm幅のコーティングをすることができ、2つの面、連続的、又は、間欠的に電極沈殿物をサポートする。IRMモデル200 加熱ロールカレンダリングプレス(heated-roll calendaring presses are)は、多孔性を設計するために、電極をカレンダリングするために、用いられる。
電極は、製造における基本的な方法を用いて、接着性とフレキシビリティとを評価される。
マンドレルテスト:テストユニットは、2つのローラの間にマンドレルバー(1.0mm〜4.0mmのサイズ)を置くことによって準備される。電極サンプルは、長さ4インチのスリットである。各エンドで2つの手で支持される。サンプルは、マンドレルバーの前後に、5又は6回、曲げられる。コーティング表面と乾燥接着とは、基本的な使用方法による1〜4のスケールにおいて、グレードを決定される。
熱電解質テスト:1インチ×1インチ電極の3ピースを、2時間、85℃の電解液に浸す。それが冷却したとき、電極をペーパータオルで吸い取って乾かす。電極を撫でて乾かし、試験者は、かみそりの刃の端を用いて、電極をそっと擦る。湿った接着性は、基本的な使用方法による1〜4のスケールにおいて、グレードを決定される。
アノードを含み、コーティングされた材料をそれぞれ、ハーフとフルとの両方のセルフォーマットで試験する。電極の状態と構成とは、コインハーフセルとリチウムイオンポーチセルとの両方において検証される(250mAh)。具体的には、上記コーティングされた電極材料は、リチウムイオンセルにおいて、コーティングされたシリコンアノードと組み合わせるために、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(LNCM)カソードを用いるAr注入ボックスで組み立てられるコインセルにおける電極として用いられる。最初の一連のテストでは、EC:DMC:DECとの比が1:1:1である混合物におけるLiPF6を1mol含む電解質を用いたコインセルを準備する。
低いCレート(C/10)でのセル容量とエネルギーを、Maccorにより、計測する。3セルの再現性を試験する。比エネルギー(Wh/kg)は、電圧電流、充放電曲線、及び、Liイオンセルの重量に基づいて計算される。その結果は、計算値と比較される。C/10容量とエネルギーは、レート容量とサイクル寿命試験のために、基準点として用いられる。
充電容量と放電容量との両方は、容量速度を評価するために、いくつかの異なるCレート(C/10、C/5、C/2、1C、2C、5C、10C、30C)で測定される。異なるCレートでの放電での維持容量は、C/10でのCレートに対するCレートの比でのセル容量から計算される。
表2に示されるように、コーティングされた電極材料は、第一のサイクルのクーロン効率の増加と、サイクル形成を示す、不可逆性容量ロス(ICL)の低下と、を示す。結合剤としてCMC又はPVDFを用いて両方の電極のために、クーロン効率は増加する。
Figure 2016507142
これらのデータは、ICLの劇的、かつ、前回成し得ていない、ほとんど20%の減少を具体的に示す。
コインセルは、電圧0.01〜0.7Vでのサイクルを回し(cycled over)、Liイオンセル電圧は、3.0〜4.3Vであり、単位Ahでの可逆記憶容量は、サイクル数に対してプロットされる。セルのサイクル寿命は、+0.5C/−0.5C、且つ、室温で、評価される。200mAhよりも大きい容量のLiイオンセルでは、サイクル寿命が、放電深度(DOD)100%での300サイクルよりも多いことが実証された。この一連の実験からのデータは、図1Aにおいて要約される。図1Aは、250サイクルを超える良好なサイクル安定性を表わすこの材料を含むセルを模試的に示す。
深い放電サイクルのセル試験(0.5C/−0.5C)も行う。セルを包む電極材料をコーティングする合成SEIは、サイクル寿命を少なくとも約25%改善させること(26%改善と42%改善との間である)を示す。このサイクル寿命の約25%の改善は、同じ維持容量におけるサイクル寿命の比であり、維持容量が低いほど、観察された改善の度合いも大きい(図1B)。
表1の電極材料をコーティングする合成SEIは、アノードに取り込まれ、ポーチセルにおいて試験される。これらのセルは、異なるシリコン比を有する電極のため、4.3V〜3Vの間と、4.2V〜3Vの間とを充放電サイクルする。図2及び図3は、サイクル数に対して単位mAh/gにプロットし、従来のグラファイトアノードと、コーティングされていないシリコン化合物との可逆アノードストレージ容量を示す。8%Siアノードを使用することによって、比容量は、劇的に改善する(図2A)。この比容量は、コーティングされていないアノード材料(制御)の容量との比であり、コーティングされていないアノード材料(制御)の容量は、少なくとも150サイクルまで維持される。同様に、電極材料をコーティングした16%Siアノード合成SEIの使用は、良好な改善を示す(図2B)。
これらのポーチセルも良好なサイクル寿命を示す。図3に示すように、コーティングされていないアノード活物質を含むセルは、197サイクルで容量70%に減少する。アノードにおける、コーティングしたシリコン活物質を含む試験セルは、243サイクルであっても70%よりも大きな容量を維持する。
放電レート容量も、上記したポーチセルを使うことにより、決定される。放電レート容量は、図4に具体的に示されるように、アノードベース材料をコーティングするPVA/LTBによって、大きく改善する。
シリコン/グラファイトの複合材料、シリコンをコーティングするカーボン、又は、シリコン/グラファイトをコーティングするカーボンを用いたとき、炭素状カーボンベースアノード材料と同様に、共通する結果が引き起こされる。
(構成要素のリスト)
要素1:電極ベース材料と、
水溶性有機ポリマーを含有する有機合成固体電解質界面材料と、を含み、
前記有機合成固体電解質界面材料は、架橋重合されたコーティングを形成し、
前記コーティングは、前記電極ベース材料に重合する電極材料。
要素2:前記有機合成固体電解質界面材料は、架橋剤をさらに含む要素1の電極材料。
要素3:前記架橋剤は、金属イオン、又は、ルイス塩基を含む要素2の電極材料。
要素4:前記金属イオンは、ボロン、クロム、チタン、ジルコニウム、又は、アンチモンである要素3の電極材料。
要素5:前記架橋剤は、四ホウ酸リチウムである要素2の電極材料。
要素6:前記有機合成固体電解質界面材料は、電解質溶媒、若しくは、カーボネート電解質溶媒をさらに含む、又は、吸収することができる要素1〜5のいずれか1つの電極材料。
要素7:前記水溶性有機ポリマーは、PAA、PVA、又は、PMMAである要素1〜5のいずれか1つの電極材料。
要素8:前記水溶性有機ポリマーと前記架橋剤との比は、それぞれ4:1〜1:1の範囲内にある要素2〜5のいずれか1つの電極材料。
要素9:前記有機合成固体電解質界面材料は、前記電極材料の総重量の0.05〜5%で前記電極ベース材料に存在する要素1〜5のいずれか1つの電極材料。
要素10:前記電極ベース材料は、リチウムを挿入可能な材料を含む要素1〜5のいずれか1つの電極材料。
要素11:前記電極材料は、シリコン、グラファイトカーボン、シリコンとグラファイトカーボンとのシリコン化合物、又は、これらの組み合わせである要素1〜5のいずれか1つの電極材料。
要素12:前記電極ベース材料は、シリコンとグラファイトカーボンとのシリコン化合物である要素11の電極材料。
要素13:前記電極ベース材料は、シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤである要素1〜5のいずれか1つの電極材料。
要素14:前記シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤは、前記シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤと前記有機合成固体電解質界面材料とのカーボン中間物でコーティングされている要素13の電極材料。
要素15:前記電極ベース材料は、電気化学電池セルのアノードとして使用するのに適している要素1〜5のいずれか1つに電極材料。
要素16:電極ベース材料を供給する工程と、架橋剤に対するポリマーを所定の比で有する水溶液において、架橋剤とポリマーとを前記電極ベース材料に結合させる工程と、前記電極ベース材料上に高分子合成固体電解質界面材料を形成するために、前記ポリマーと前記架橋剤とを重合する重合工程と、を含む、電気化学デバイスのための電極の製造方法。
要素17:前記重合工程では、温度は30〜70℃の範囲内にある要素16の電極材料の製造方法。
要素18:前記重合工程では、温度は50℃である要素16の電極材料の製造方法。
要素19:前記重合工程では、重合時間は、5〜30分間の範囲内である要素16の電極材料の製造方法。
要素20:前記重合時間は、15分間である要素19の電極材料の製造方法。
要素21:前記水溶性有機ポリマーと前記架橋剤との比は、それぞれ4:1〜1:1の範囲内にある要素16〜20のいずれか1つの電極材料の製造方法。
要素22:前記電極ベース材料は、シリコンとグラファイトカーボンとのシリコン化合物である要素16〜20のいずれか1つの電極材料の製造方法。
要素23:前記電極ベース材料は、シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤである要素16〜20のいずれか1つの電極材料の製造方法。
要素24:前記ナノワイヤは、前記電極ベース材料と前記有機合成固体電解質界面材料とのカーボン中間物にコーティングされている要素23の電極材料の製造方法。
要素25:前記電極は、請求項1〜5のいずれか1つの電極材料を含む要素16〜20のいずれか1つの電極材料の製造方法。
要素26:請求項1〜5のいずれか1つの電極材料と、電解質と、前記電極材料と前記電解質との両方をハウジングするコンテナーと、を含むバッテリ。
要素27:前記電解質は、カーボネート電解質である要素26のバッテリ。
要素28:要素1〜15から1つ又は1つ以上の電極材料を有する、要素26のバッテリ。
要素29:要素4〜15から1つ又は1つ以上を伴う、要素1、2、又は、3の電極材料。
要素30:要素4、5、又は、要素7〜15を組み合わせた、要素1の電極材料。
要素31:要素8〜15から1つ又は1つ以上を伴う、要素7の電極材料。
要素32:要素9〜15から1つ又は1つ以上を伴う、要素8の電極材料。
要素33:要素10〜15から1つ又は1つ以上を伴う、要素9の電極材料。
要素34:要素11〜15から1つ又は1つ以上を伴う、要素10の電極材料。
要素35:要素12〜15から1つ又は1つ以上を伴う、要素11の電極材料。
要素36:要素14〜15から1つ又は1つ以上を伴う、要素13の電極材料。
要素37:要素6〜14から1つ又は1つ以上を伴う、要素15の電極材料。
要素38:要素1〜15から1つ又は1つ以上の電極を形成するための、要素16の製造方法。
要素39:要素18〜25から1つ又は1つ以上の要素を有する、要素17の製造方法。
要素40:要素19〜25から1つ又は1つ以上の要素を有する、要素18の製造方法。
要素41:要素17〜18、又は、要素20〜25から1つ又は1つ以上の要素を有する、要素19の製造方法。
要素42:要素17〜18、又は、要素21〜25から1つ又は1つ以上の要素を有する、要素20の製造方法。
要素43:要素22〜25から1つ又は1つ以上の要素を有する、要素21の製造方法。
要素44:要素23〜25から1つ又は1つ以上の要素を有する、要素22の製造方法。
要素45:要素25から1つ又は1つ以上の要素を有する、要素23の製造方法。
要素46:要素1〜15、又は、要素29〜37の電極材料を含む、要素26の電池。
要素46:要素16〜25、又は、要素38〜45の電極材料を含む、要素26の電池。
要素1〜15、又は、29〜37から1つ又は1つ以上の要素を有する、電極材料を含む要素27の電池。
要素16〜25、又は、38〜45から1つ又は1つ以上のプロセスによって形成される電極材料を含む要素27の電池。
本発明の様々な改善は、ここで示されたことと記載されたことの他にも、上記記載の当業者によって実現する。このような改善もまた、意図して、添付されたクレームのスコープの中に入る。
別段の定めがない限り、全ての試薬は、当業者に知られた情報源によって得られるであろう。
本明細書に記載された、特許、刊行物、及び、出願は、その発明が属する技術的な分野の技術な水準を示すものである。これらの特許、刊行物、及び、出願は、まるで、個々の特許、刊行物、及び、出願が、引用文献によって、明確にそれぞれ、ここに取り込まれるように、引用文献によって、ここに取り込まれる。
上記の明細書は、発明の具体的な特定の形態であり、実行の限定を意味するものではない。それゆえ、全て等価物を含む以下のクレームは、発明のスコープを決定することを示すことを意図する。

Claims (29)

  1. 電極ベース材料と、
    水溶性有機ポリマーを含有する有機合成固体電解質界面材料と、を含み、
    前記有機合成固体電解質界面材料は、架橋重合されたコーティングを形成し、
    前記コーティングは、前記電極ベース材料に重合する
    電極材料。
  2. 前記有機合成固体電解質界面材料は、架橋剤をさらに含む
    請求項1に記載される電極材料。
  3. 前記架橋剤は、金属イオン、又は、ルイス塩基を含む
    請求項2に記載される電極材料。
  4. 前記金属イオンは、ボロン、クロム、チタン、ジルコニウム、又は、アンチモンである
    請求項3に記載される電極材料。
  5. 前記架橋剤は、四ホウ酸リチウムである
    請求項2に記載される電極材料。
  6. 前記有機合成固体電解質界面材料は、電解質溶媒、若しくは、カーボネート電解質溶媒をさらに含む、又は、吸収することができる
    請求項1〜5のいずれか1項に記載される電極材料。
  7. 前記水溶性有機ポリマーは、PAA、PVA、又は、PMMAである
    請求項1〜5のいずれか1項に記載される電極材料。
  8. 前記水溶性有機ポリマーと前記架橋剤との比は、それぞれ4:1〜1:1の範囲内にある
    請求項2〜5のいずれか1項に記載される電極材料。
  9. 前記有機合成固体電解質界面材料は、前記電極材料の総重量の0.05〜5%で前記電極ベース材料に存在する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載される電極材料。
  10. 前記電極ベース材料は、リチウムを挿入可能な材料を含む
    請求項1〜5のいずれか1項に記載される電極材料。
  11. 前記電極材料は、シリコン、グラファイトカーボン、シリコンとグラファイトカーボンとのシリコン化合物、又は、これらの組み合わせである
    請求項1〜5のいずれか1項に記載される電極材料。
  12. 前記電極ベース材料は、シリコンとグラファイトカーボンとのシリコン化合物である
    請求項11に記載される電極材料。
  13. 前記電極ベース材料は、シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤである
    請求項1〜5のいずれか1項に記載される電極材料。
  14. 前記シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤは、
    前記シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤと前記有機合成固体電解質界面材料とのカーボン中間物でコーティングされている
    請求項13に記載される電極材料。
  15. 前記電極ベース材料は、電気化学電池セルのアノードとして使用するのに適している、請求項1〜5のいずれか1項に記載される電極材料。
  16. 電極ベース材料を供給する工程と、
    架橋剤に対するポリマーを所定の比で有する水溶液において、架橋剤とポリマーとを前記電極ベース材料に結合させる工程と、
    前記電極ベース材料上に高分子合成固体電解質界面材料を形成するために、前記ポリマーと前記架橋剤とを重合する重合工程と、を含む、
    電気化学デバイスのための電極の製造方法。
  17. 前記重合工程では、温度は30〜70℃の範囲内にある
    請求項16に記載される電極材料の製造方法。
  18. 前記重合工程では、温度は50℃である
    請求項16に記載される電極材料の製造方法。
  19. 前記重合工程では、重合時間は、5〜30分間の範囲内である
    請求項16に記載される電極材料の製造方法。
  20. 前記重合時間は、15分間である
    請求項19に記載される電極材料の製造方法。
  21. 前記ポリマーと前記架橋剤との比は、それぞれ4:1〜1:1の範囲内にある
    請求項16〜20のいずれか1項に記載される電極材料の製造方法。
  22. 前記電極ベース材料は、シリコンとグラファイトカーボンとのシリコン化合物である
    請求項16〜20のいずれか1項に記載される電極材料の製造方法。
  23. 前記電極ベース材料は、シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤである
    請求項16〜20のいずれか1項に記載される電極材料の製造方法。
  24. 前記シリコングラファイトカーボン化合物ナノワイヤは、前記電極ベース材料と前記高分子合成固体電解質界面材料とのカーボン中間物にコーティングされている
    請求項23に記載される電極材料の製造方法。
  25. 前記電極は、請求項1〜5のいずれか1項に記載される電極材料を含む
    請求項16〜20のいずれか1項に記載される電極材料の製造方法。
  26. 請求項1〜5のいずれか1項に記載される電極材料と、
    電解質と、
    前記電極材料と前記電解質との両方をハウジングするコンテナーと、
    を含むバッテリ。
  27. 前記電解質は、カーボネート電解質である
    請求項26に記載されるバッテリ。
  28. 明細書に記載されるように、実質的に形成された電極材料。
  29. 明細書に記載されるように、実質的に形成されたアノードを含むバッテリ。
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