JP2015111514A - リチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 初期容量を維持しつつサイクル特性を向上できるリチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】 Siナノ粒子と、Siナノ粒子の表面の少なくとも一部を被覆するリチウムイオン伝導性を有する高分子固体電解質層と、を有するSi−高分子固体電解質複合体を含み、高分子固体電解質層は有機高分子とリチウム塩とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 Siナノ粒子と、Siナノ粒子の表面の少なくとも一部を被覆するリチウムイオン伝導性を有する高分子固体電解質層と、を有するSi−高分子固体電解質複合体を含み、高分子固体電解質層は有機高分子とリチウム塩とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、充放電容量が高く、高出力化が可能な二次電池である。現在リチウムイオン二次電池は、主として携帯電子機器用の電源として用いられており、更に、今後普及が予想される電気自動車用の電源として期待されている。そのため、更に高容量のリチウムイオン二次電池が望まれている。高容量のリチウムイオン二次電池を得るために負極活物質の選択や設計が検討されている。
近年リチウムイオン二次電池の負極活物質として、炭素材料の理論容量を大きく超える充放電容量を持つ珪素、珪素合金、珪素酸化物などの珪素系材料が検討されている。
珪素系材料は、リチウムと合金化することで、1000mAh/g以上の高容量をもつ。しかし、珪素系材料を負極活物質として用いると、充放電サイクルにおいてリチウム(Li)の吸蔵及び放出に伴って、負極活物質が膨張及び収縮することが知られている。負極活物質が膨張或いは収縮することで、負極活物質を集電体に保持する役割を果たす結着剤に負荷がかかり、負極活物質と集電体との密着性が低下する、電極内の導電パスが破壊されて容量が著しく低下する、或いは膨張と収縮の繰り返しにより負極活物質に歪が生じて負極活物質が微細化して電極から脱離する。
この問題点を解決するために様々な検討が行われている。例えば以下の技術が検討されている。第1に、Siをナノ粒子化する。第2に、Siナノ粒子をSiO2中に分散させた構造のSiOx(X<2)を負極活物質として用いる。第3に、SiとCとの複合体を負極活物質として用いる。例えば特許文献1では、粒子の表面が炭素被膜で被覆されたシリコン粉末を含む負極活物質粉末が提案されている。第4に、Siの表面を酸化物でコートしたものを負極活物質として用いる。例えば特許文献2では、シリコン若しくはスズ又はこれらの少なくとも一方を含む合金粒子が、金属酸化物又は半金属の酸化物で複合化されている負極活物質が提案されている。
しかし、上記技術は以下の問題点がある。第1の技術では、Siをナノ粒子化することによって、Siの体積変化によってSiが微細化して容量低下することは抑えられるが、Siの体積変化による負極全体の結着性低下によって容量が低下することは抑制できない。第2の技術では、SiO2はLiを吸蔵し、SiO2に吸蔵されたLiは放出されないので、SiO2があることによってLiの不可逆容量が増えてしまう。そのため、SiOxを負極活物質に用いると電池の高容量化が難しい。更に充放電後に形成されるLiSiOxは絶縁性であり、電池抵抗が大きくなる問題点もある。第3の技術では、Si/C複合体は、Siの膨張、収縮によりCが剥離することが考えられ、更にサイクルを繰り返すことによって、電池容量が劣化してしまう。第4の技術では、Siの表面に形成した酸化物のコートは抵抗が大きいため、本来持っているはずの電池容量が十分に発揮されないおそれがある。
従来の技術には、上記した問題があり、従来の技術によりSiを負極活物質に用いても、実用上十分な容量とサイクル特性を得ることが困難である。そのため、Siを用いて、十分な電池容量と良好なサイクル特性を有する負極活物質が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、Siを負極活物質に用い、十分な容量と良好なサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者等が鋭意検討した結果、少なくとも一部の表面がリチウムイオン伝導性を有する高分子固体電解質層で被覆されたSiナノ粒子からなるSi−高分子固体電解質複合体を負極活物質が含むことで、リチウムイオン二次電池の初期容量を大きく低下させずに、サイクル特性を向上させうることを見いだした。
すなわち、本発明の二次電池用負極活物質は、Siナノ粒子と、Siナノ粒子の表面の少なくとも一部を被覆するリチウムイオン伝導性を有する高分子固体電解質層と、を有するSi−高分子固体電解質複合体を含み、高分子固体電解質層は有機高分子とリチウム塩とを含むことを特徴とする。
有機高分子はポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)から選ばれる一つであることが好ましい。
Si−高分子固体電解質複合体を100質量%としたときに、Siナノ粒子の含有率は
20質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
20質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、上記リチウムイオン二次電池用負極活物質を含むことを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記リチウムイオン二次電池用負極を含むことを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、少なくとも一部の表面がリチウムイオン伝導性を有する高分子固体電解質層で被覆されたSiナノ粒子からなるSi−高分子固体電解質複合体を含むことにより、リチウムイオン二次電池の初期容量を大きく低下させずに、サイクル特性を向上させうる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記リチウムイオン二次電池用負極活物質を含むリチウムイオン二次電池用負極を有するので、初期容量を維持しつつサイクル特性を向上できる。
<リチウムイオン二次電池用負極活物質>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、Siナノ粒子と、Siナノ粒子の表面の少なくとも一部を被覆するリチウムイオン伝導性を有する高分子固体電解質層と、を有するSi−高分子固体電解質複合体を含み、高分子固体電解質層は有機高分子とリチウム塩とを含む。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、Siナノ粒子と、Siナノ粒子の表面の少なくとも一部を被覆するリチウムイオン伝導性を有する高分子固体電解質層と、を有するSi−高分子固体電解質複合体を含み、高分子固体電解質層は有機高分子とリチウム塩とを含む。
Siナノ粒子は、その平均粒径D50が1nm〜100nmであることが好ましい。Siナノ粒子は、その平均粒径D50が50nm以下であることが更に好ましい。SiはLiの吸蔵、放出により体積が膨張、収縮する。Siナノ粒子は、粒径がナノサイズであるので、Siの膨張、収縮もナノサイズとなる。ここで平均粒径D50は、粒度分布測定法によって計測できる。平均粒径D50とはレーザー回析法による粒度分布測定における体積分布の積算値が50%に相当する粒子径のことである。つまり、平均粒径D50とは、体積基準で測定したメディアン径を意味する。
Siナノ粒子の表面の少なくとも一部はリチウムイオン伝導性を有する高分子固体電解質層で被覆されている。
高分子固体電解質層はリチウムイオン伝導性を有する。高分子固体電解質層は室温付近でリチウムイオン伝導度が1.0×10−6S/cm以上であることが好ましく、1.0×10−5S/cm以上であることがさらに好ましく、1.0×10−4S/cm以上であることが特に好ましい。
Siナノ粒子の表面の一部にリチウムイオン伝導性を有する高分子固体電解質層が被覆されていれば、高分子固体電解質層を介してSiナノ粒子へのリチウムイオン伝導性が向上する。
高分子固体電解質層は、有機高分子とリチウム塩とを有する。高分子固体電解質層を構成する高分子固体電解質は有機高分子を基本骨格とし、ヤング率が数GPa以下である。高分子固体電解質層を構成する高分子固体電解質のヤング率が低いので、高分子固体電解質層は、Siナノ粒子の膨張、収縮に追随して、膨張、収縮する。従って、高分子固体電解質層は、Siナノ粒子が膨張、収縮しても、Siナノ粒子から剥離しにくく、破砕されにくい。
本発明における高分子固体電解質層を構成する高分子固体電解質としては、例えば、高分子ゲル電解質、真性ポリマー電解質が挙げられる。高分子ゲル電解質は有機高分子とリチウム塩と更に溶媒を含む。真性ポリマー電解質は、有機高分子とリチウム塩とを含み、溶媒を含まない。リチウムイオン伝導性が高いので、高分子固体電解質としては、高分子ゲル電解質が好ましい。
真性ポリマー電解質における有機高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)及びこれらの重合体が挙げられる。
真性ポリマー電解質におけるリチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2が挙げられる。
真性ポリマー電解質においては、上記有機高分子にリチウム塩が溶解している。上記有機高分子は架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発揮しうる。架橋構造を形成するには必要に応じて重合開始剤を用いて何らかの重合処理を行えばよい。
高分子ゲル電解質は、有機高分子とリチウム塩と更に溶媒を含む。高分子ゲル電解質は、有機高分子が架橋されて三次元網目構造を形成し、その内部に溶媒及びリチウム塩が吸収されている。高分子ゲル電解質における有機高分子の架橋は、水素結合、イオン結合、配位結合によって物理的に架橋されたものでもよいし、共有結合で化学的に架橋されたものであってもよい。物理的に架橋されたものは、外部刺激によって可逆的にゾルゲル転移するものでもよい。
高分子ゲル電解質における有機高分子として、例えば、エーテル系ポリマー、フッ素系ポリマーが挙げられる。高分子ゲル電解質における有機高分子として、具体的には、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)が挙げられる。特にポリアクリロニトリル(PAN)は、化学的に安定であり、難燃性であるため好ましい。またポリアクリロニトリル(PAN)は、物理的に架橋されうるので使いやすい。
高分子ゲル電解質におけるリチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2が挙げられる。
高分子ゲル電解質における溶媒としては、例えば環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類が使用できる。環状エステル類として、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンが使用できる。鎖状エステル類として、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステルが使用できる。エーテル類として、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンが使用できる。
Siナノ粒子の表面の少なくとも一部は高分子固体電解質層で被覆されている。Siナノ粒子の表面の少なくとも一部が高分子固体電解質層で被覆されている態様を以下に説明する。
図1〜図3は、いずれもSi−高分子固体電解質複合体を説明する模式断面図である。図1では、1個のSiナノ粒子1の表面の一部が高分子固体電解質層2で被覆されているところを示す。Siナノ粒子1の表面の一部が高分子固体電解質層2で被覆されていれば、高分子固体電解質層2を介してSiナノ粒子1へのリチウムイオン伝導性が向上する。またSiナノ粒子1が膨張、収縮しても高分子固体電解質層2はSiナノ粒子1の膨張、収縮に追随するので、Siナノ粒子1の表面から高分子固体電解質層2が脱離しにくい。
図2では、1個のSiナノ粒子1の表面の全面が高分子固体電解質層2で被覆されているところを示す。Siナノ粒子1の表面の全面が高分子固体電解質層2で被覆されている方が、Siナノ粒子1の表面の一部が高分子固体電解質層2で被覆されているものよりリチウムイオン伝導性が向上する。またSiナノ粒子1が膨張、収縮しても高分子固体電解質層2はSiナノ粒子1の膨張、収縮に追随するので、Siナノ粒子1の表面から高分子固体電解質層2は脱離しにくい。
図3では、3個のSiナノ粒子1がまとまって塊状になっており、塊状のまとまったSiナノ粒子1の表面が高分子固体電解質層2で被覆されているところを示す。この態様は高分子固体電解質層2の中に複数個のSiナノ粒子1が埋設されているともいえる。この態様においても、高分子固体電解質層2を介してSiナノ粒子1へのリチウムイオン伝導性が向上する。また、Siナノ粒子1が膨張、収縮しても高分子固体電解質層2はSiナノ粒子1の膨張、収縮に追随するので、Siナノ粒子1の表面から高分子固体電解質層2が脱離しにくい。
Si−高分子固体電解質複合体は、上記で説明した態様が、単一の態様で構成されていてもいいし、様々な態様をしたものが混在していてもよい。
Si−高分子固体電解質複合体を100質量%としたとき、Siナノ粒子の含有率は、5質量%以上95質量%以下であることが好ましい。Siナノ粒子の含有率が5質量%より少ないと所望の電池容量を得ることができず、95質量%より多いと、高分子固体電解質層によるリチウムイオン伝導性向上の効果が得られにくい。Si−高分子固体電解質複合体を100質量%としたときにSiナノ粒子の含有率は、20質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
Si−高分子固体電解質複合体の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、以下の手順で製造することができる。リチウム塩と有機高分子と必要に応じて溶媒とを混合して高分子固体電解質層用組成物を調製する。調製した高分子固体電解質層用組成物とSiナノ粒子とを混合する。混合することによってSiナノ粒子の表面には高分子固体電解質層が被覆され、Si−高分子固体電解質複合体が製造される。
高分子固体電解質層用組成物は、Siナノ粒子と混合する前に、有機高分子を架橋させてもよいし、Siナノ粒子と混合してから有機高分子を架橋させてもよい。架橋方法はそれぞれの有機高分子にあわせた条件で行えばよい。有機高分子が、ポリアクリロニトリル(PAN)の場合は、例えば30℃以上90℃以下で、1時間以上24時間以下の条件で加熱を行えば、ポリアクリロニトリル(PAN)は物理的に架橋してゲル状となる。またポリアクリロニトリル(PAN)は、ゲル状になっても、攪拌すれば、容易に粘度が下がる。
高分子固体電解質層を高分子ゲル電解質から構成する場合、更に、Si−高分子固体電解質複合体を乾燥して、Si−高分子固体電解質複合体から溶媒を除去してもよい。溶媒の除去方法は、その溶媒の種類に応じた温度及び時間で行えばよい。溶媒の除去は、例えば、60℃以上200℃以下で、1時間以上48時間以下で乾燥を行えばよい。
溶媒を含む高分子ゲル電解質は有機高分子の三次元網目構造の形成する網目内にリチウム塩及び溶媒が含有されている。この三次元網目構造の網目内に含有される溶媒が除去されても、三次元網目構造には変化はなく、溶媒を加えれば、その溶媒はまた三次元網目構造の網目内に吸収される。従ってSi−高分子固体電解質複合体から溶媒を除去しても、Siナノ粒子の表面には高分子固体電解質層が被覆されている。
負極作成時に、Si−高分子固体電解質複合体は溶媒を含まない方が好ましい。負極作成時にSi−高分子固体電解質複合体と結着剤とを混合する際に、Si−高分子固体電解質複合体に溶媒が多量に含まれると、結着剤がその溶媒に溶け出してしまって、結着剤の効果が発揮しにくくなる。
溶媒はSi−高分子固体電解質複合体の作成時に除去されても、リチウムイオン二次電池を作製する際に電解液を注入されれば、電解液に含まれる溶媒が高分子固体電解質層に吸収される。従ってリチウムイオン二次電池内で、Si−高分子固体電解質複合体が使用されるときには、Si−高分子固体電解質複合体の高分子固体電解質層は溶媒を吸収している。Si−高分子固体電解質複合体の高分子固体電解質層は溶媒を含む方が、Si−高分子固体電解質複合体はイオン伝導性が高い。
また本発明のリチウムイオン二次電池負極活物質には、Si−高分子固体電解質複合体に加えてSiナノ粒子が単体で含まれていてもよいし、他の負極活物質が含まれていてもよい。
他の負極活物質としては、例えば、炭素系材料が挙げられる。炭素系材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、天然黒鉛、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭或いはカーボンブラック類が挙げられる。ここで、有機高分子化合物焼成体とは、フェノール類やフラン類などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。リチウムイオン二次電池負極活物質に、更に炭素系材料が含まれると、サイクル特性が安定し、電池寿命が長くなる。
<リチウムイオン二次電池用負極>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は上記リチウムイオン二次電池用負極活物質を含むことを特徴とする。上記リチウムイオン二次電池用負極活物質を有する負極とすれば、リチウムイオン二次電池は、十分な容量と良好なサイクル特性を有する。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は上記リチウムイオン二次電池用負極活物質を含むことを特徴とする。上記リチウムイオン二次電池用負極活物質を有する負極とすれば、リチウムイオン二次電池は、十分な容量と良好なサイクル特性を有する。
負極は、集電体と、集電体に配置され上記負極活物質と結着剤とを含む負極活物質層とを有する。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体に用いられる材料として、例えば、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、アルミニウム、銅などの金属材料及び導電性樹脂が挙げられる。また集電体は、箔、シート、フィルムなどの形態をとることができる。集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔が挙げられる。
集電体は、その膜厚が5μm〜200μmであることが好ましい。
上記負極活物質層は更に導電助剤を含んでもよい。負極は、負極活物質及び結着剤、必要に応じて導電助剤を含む負極活物質層形成用組成物を調製し、更に上記組成物に適当な溶媒を加えてペースト状にしてから、集電体の表面に塗布後、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。
負極活物質層形成用組成物の塗布方法としては、例えば、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法が挙げられる。
粘度調整のための溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)が挙げられる。
結着剤は、負極活物質及び導電助剤を集電体に繋ぎ止める役割を果たす。結着剤として、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂及びスチレン-ブタジエンゴム(SBR)が挙げられる。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤として、例えば、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)が挙げられる。これらの導電助剤を単独又は二種以上組み合わせて負極活物質層に添加することができる。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、例えば、負極に含有される活物質100質量部に対して、1質量部〜95質量部程度とすることができる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、電池構成要素として、上記したリチウムイオン二次電池用負極に加えて、正極、電解質及び必要に応じてセパレータを有する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、電池構成要素として、上記したリチウムイオン二次電池用負極に加えて、正極、電解質及び必要に応じてセパレータを有する。
正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた正極活物質層とを有する。正極活物質層は、正極活物質、結着剤を含み、必要に応じて導電助剤を含む。集電体、結着剤、導電助剤は負極で説明したものと同様である。
正極活物質としては、リチウム含有化合物、他の金属化合物或いは高分子材料が挙げられる。リチウム含有化合物として、例えば、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム鉄リン酸複合酸化物が挙げられる。リチウム含有化合物として、例えばLiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi0.6Co0.2Mn0.2O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、Li2MnO3、LiMn2O4、LiFePO4、LiMnPO4、Li2FeP2O7、Li2FeSiO4、LiMnSiO4、LiNi0.8Co0.2O2、LiNi0.5Mn1.5O4及びこれらの酸化物の少なくとも2つを含む固溶体が挙げられる。リチウム含有化合物として、一般式:LiCopNiqMnrO2(p+q+r=1、0≦p<1、0≦q<1、0≦r<1)で表される複合金属酸化物が特に好ましい。
他の金属化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウム若しくは二酸化マンガンなどの酸化物、又は硫化チタン若しくは硫化モリブデンなどの硫化物が挙げられる。高分子材料としては、例えば、ポリアニリン或いはポリチオフェンなどの導電性高分子が挙げられる。リチウムを含有しない金属化合物又は高分子材料を正極に用いる場合は、正極、負極及び電池構成体から選ばれる少なくとも一つにリチウムをドープする。ドープ方法は特に規定されないが、ドープ方法として、例えば、電極へのリチウムスパッタ、対極リチウムでの予備充放電が挙げられる。
セパレータは正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータの形状としては、例えば多孔質膜、不織布が挙げられる。多孔質膜の材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、或いはポリエチレンなどの合成樹脂製、セルロースなど天然高分子製及びセラミックス製が挙げられる。不織布の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、或いはポリエチレンなどの合成樹脂製又はセルロースなど天然高分子製が挙げられる。
電解質は移動可能なリチウムイオンを含む。電解質として、非水電解液を用いることができる。非水電解液は、有機溶媒とこの有機溶媒に溶解された電解質塩とを含む。
有機溶媒として、例えば環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類が使用できる。環状エステル類として、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンが使用できる。鎖状エステル類として、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステルが使用できる。エーテル類として、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンが使用できる。
また上記有機溶媒に溶解させる電解質塩として、例えば、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2等のリチウム塩を使用することができる。
非水電解液として、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの有機溶媒にLiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3などのリチウム塩を0.5mol/lから2mol/l程度の濃度で溶解させた溶液を使用することができる。
上記リチウムイオン二次電池用負極を有する本発明のリチウムイオン二次電池は、十分な容量と良好なサイクル特性を有する。
本発明のリチウムイオン二次電池は車両に搭載することができる。上記リチウムイオン二次電池は、十分な容量と良好なサイクル特性を有するため、そのリチウムイオン二次電池を搭載した車両は、高性能の車両とすることができる。
車両としては、電池による電気エネルギーを動力源の全部又は一部に使用する車両であればよく、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド鉄道車両、電動フォークリフト、電気車椅子、電動アシスト自転車、電動二輪車が挙げられる。
以上、本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
<材料の準備>
Siナノ粒子として、平均粒径D50が50nmのSiナノ粒子(Nanostructured & Amorphous Materials inc.製)を準備した。
Siナノ粒子として、平均粒径D50が50nmのSiナノ粒子(Nanostructured & Amorphous Materials inc.製)を準備した。
高分子固体電解質層の材料として、エチレンカーボネ−ト(EC)+ジエチルカーボネート(DEC)(EC:DEC=1:1(体積比))にLiPF6を1モル/lとなるように溶解した溶液と、ポリアクリロニトリル(PAN)を準備した。
(実施例1)
<Si−高分子固体電解質複合体の作製>
エチレンカーボネ−ト(EC)+ジエチルカーボネート(DEC)(EC:DEC=1:1(体積比))にLiPF6を1モル/lとなるように溶解した溶液にポリアクリロニトリルを4質量%となるように溶解し、その溶液を60℃の恒温水槽で24時間温め、ゲル状の高分子固体電解質を作成した。
<Si−高分子固体電解質複合体の作製>
エチレンカーボネ−ト(EC)+ジエチルカーボネート(DEC)(EC:DEC=1:1(体積比))にLiPF6を1モル/lとなるように溶解した溶液にポリアクリロニトリルを4質量%となるように溶解し、その溶液を60℃の恒温水槽で24時間温め、ゲル状の高分子固体電解質を作成した。
高分子固体電解質とSiナノ粒子とをポリアクリロニトリルとSiナノ粒子が質量比で1:1となるように混合し、その混合物を120℃の真空乾燥機で一晩(約15時間)乾燥して実施例1のSi−高分子固体電解質複合体を得た。なおSiナノ粒子を入れずに上記ゲル状の高分子固体電解質のみを同じ方法で乾燥して得たものをシート状に成形し、リチウムイオン伝導度を測定した。この高分子固体電解質のリチウムイオン伝導度は1.0×10−4S/cm以上であった。
<Si−高分子固体電解質複合体の粉末X線回折(XRD)測定>
実施例1のSi−高分子固体電解質複合体を粉末X線回折(XRD)(リガク製 SmartLab)で分析した。この分析結果をポリアクリロニトリル(PAN)の分析結果と合わせて図4に示す。実施例1のSi−高分子固体電解質複合体には、SiとPANの両方のピークが観察され、SiとPANとを含む複合体であることが確認できた。
実施例1のSi−高分子固体電解質複合体を粉末X線回折(XRD)(リガク製 SmartLab)で分析した。この分析結果をポリアクリロニトリル(PAN)の分析結果と合わせて図4に示す。実施例1のSi−高分子固体電解質複合体には、SiとPANの両方のピークが観察され、SiとPANとを含む複合体であることが確認できた。
また図4では、Li2SiF6のピークが観察された。これは不純物であると推測される。
またXRDでは測定されないが、実施例1のSi−高分子固体電解質複合体にはリチウム塩が含まれていた。
<Si−高分子固体電解質複合体の走査型電子顕微鏡(SEM)観察>
実施例1のSi−高分子固体電解質複合体をSEM(日立ハイテク社製S−4800)で観察した。
実施例1のSi−高分子固体電解質複合体をSEM(日立ハイテク社製S−4800)で観察した。
図5に実施例1のSi−高分子固体電解質複合体のSEM写真を示す。図5には、灰色に見える複数のSiナノ粒子1と白色に見える高分子固体電解質層2が観察された。Siナノ粒子1の表面に様々な形態で高分子固体電解質層2が被覆されていることが観察された。従ってSiナノ粒子1の表面の少なくとも一部は高分子固体電解質層2に被覆されていたといえる。
<コイン型リチウムイオン二次電池作製>
上記実施例1のSi−高分子固体電解質複合体を負極活物質として用い、以下のようにコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
上記実施例1のSi−高分子固体電解質複合体を負極活物質として用い、以下のようにコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1のSi−高分子固体電解質複合体を用いて、Si−高分子固体電解質複合体、天然黒鉛(SMG)、アセチレンブラック(導電助剤)、ポリアミドイミド樹脂(バインダ−)を、Si−高分子固体電解質複合体/天然黒鉛(SMG)/アセチレンブラック(導電助剤)/ポリアミドイミド樹脂(バインダ−)=45/40/5/10(質量比)の割合で混合し、この混合物を適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて、スラリーを作製した。
厚さ20μmの銅箔に上記スラリーを乗せて、ドクターブレードを用いて銅箔上に成膜した。得られたシートを80℃で20分間乾燥してNMPを揮発させて除去した後、ロ−ルプレス機により、銅箔からなる集電体と上記混合物からなる負極層を強固に密着接合させた。これを0.95cm2の円形ポンチで抜き取り、200℃で2時間、真空乾燥させて電極を得た。
上記した電極を評価極とし、金属リチウムを対極として、ハーフセルでの評価を行った。エチレンカーボネ−ト(EC)+ジエチルカーボネート(DEC)(EC:DEC=1:1(体積比))にLiPF6を1モル/lとなるように溶解した溶液を電解液として、ドライルーム内でコイン型モデル電池(CR2032タイプ)を作製した。コイン型モデル電池は、スペーサー、対極となる厚み500μmのリチウム箔、セパレータ(セルガード社製 商標名Celgard #2400)、及び評価極を順に重ね、かしめ加工して、実施例1のモデル電池を作製した。
(比較例1)
Si−高分子固体電解質複合体に代えてSiナノ粒子を用いた以外は実施例1のモデル電池と同様にして比較例1のモデル電池を作製した。
Si−高分子固体電解質複合体に代えてSiナノ粒子を用いた以外は実施例1のモデル電池と同様にして比較例1のモデル電池を作製した。
(比較例2)
Si−高分子固体電解質複合体に代えて平均粒径D50が5μmのSi粉末(高純度化学社製、3N)を用いた以外は実施例1のモデル電池と同様にして比較例2のモデル電池を作製した。
Si−高分子固体電解質複合体に代えて平均粒径D50が5μmのSi粉末(高純度化学社製、3N)を用いた以外は実施例1のモデル電池と同様にして比較例2のモデル電池を作製した。
(比較例3)
実施例1で説明したゲル状の高分子固体電解質と比較例2に記載のSi粉末とをポリアクリロニトリルとSi粉末が質量比で1:1となるように混合し、その混合物を120℃の真空乾燥機で一晩(約15時間)乾燥してSi粉末−高分子固体電解質複合体を得た。Si粉末−高分子固体電解質複合体を走査型電子顕微鏡(SEM)観察したところ、Si粉末の表面の一部に高分子固体電解質が被覆されていることが観察された。
実施例1で説明したゲル状の高分子固体電解質と比較例2に記載のSi粉末とをポリアクリロニトリルとSi粉末が質量比で1:1となるように混合し、その混合物を120℃の真空乾燥機で一晩(約15時間)乾燥してSi粉末−高分子固体電解質複合体を得た。Si粉末−高分子固体電解質複合体を走査型電子顕微鏡(SEM)観察したところ、Si粉末の表面の一部に高分子固体電解質が被覆されていることが観察された。
Si−高分子固体電解質複合体に代えてSi粉末−高分子固体電解質複合体を用いた以外は実施例1のモデル電池と同様にして比較例3のモデル電池を作製した。
<充放電特性測定>
実施例1及び比較例1のコイン型モデル電池の充放電試験を行った。充放電試験は、電極材料1mgに対し、0.1mAの定電流で0.01Vに達するまで放電し、0.1mAの定電流で2.0Vに達するまで充電することによって行った。この充放電を1サイクルとして50サイクルまで繰り返した。初回の充電容量を測定し、電極材料あたりの初回容量を計算した。50サイクル目までの各充電容量から同様に計算して、電極材料あたりの各サイクルの容量を計算した。容量維持率は以下の式で求めた。容量維持率(%)=(各サイクルの容量/初回容量)×100。
実施例1及び比較例1のコイン型モデル電池の充放電試験を行った。充放電試験は、電極材料1mgに対し、0.1mAの定電流で0.01Vに達するまで放電し、0.1mAの定電流で2.0Vに達するまで充電することによって行った。この充放電を1サイクルとして50サイクルまで繰り返した。初回の充電容量を測定し、電極材料あたりの初回容量を計算した。50サイクル目までの各充電容量から同様に計算して、電極材料あたりの各サイクルの容量を計算した。容量維持率は以下の式で求めた。容量維持率(%)=(各サイクルの容量/初回容量)×100。
実施例1及び比較例1のモデル電池の各サイクルの容量維持率(%)とサイクル数との関係を示すグラフを図6に示す。
図6から、実施例1のモデル電池は、Si−高分子固体電解質複合体の代わりにSiナノ粒子を用いた比較例1のモデル電池と比べて、50サイクル目の容量維持率が向上したことがわかった。具体的には、比較例1のモデル電池の50サイクル目の容量維持率が60%であったのに対し、実施例1のモデル電池の50サイクル目の容量維持率は87%であった。
また図6には記載していないが、比較例2及び比較例3のモデル電池も、実施例1のモデル電池と同様のサイクル試験を行った。比較例2と比較例3のモデル電池の容量維持率は、共に10サイクルで10%以下となり、比較例1に比べても非常にサイクル特性が悪かった。また、比較例3のモデル電池の容量維持率は、比較例2のモデル電池の容量維持率とほとんど変わらなかった。このことからSiナノ粒子ではなくSi粉末の表面の少なくとも一部に高分子固体電解質層を被覆した複合体は高分子固体電解質層の効果が得られないことがわかった。
1:Siナノ粒子、2:高分子固体電解質層。
Claims (6)
- Siナノ粒子と、
該Siナノ粒子の表面の少なくとも一部を被覆するリチウムイオン伝導性を有する高分子固体電解質層と、
を有するSi−高分子固体電解質複合体を含み、
該高分子固体電解質層は有機高分子とリチウム塩とを含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。 - 前記有機高分子はポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)から選ばれる一つである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
- 前記Si−高分子固体電解質複合体を100質量%としたときに、前記Siナノ粒子の含有率は20質量%以上90質量%以下である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質を含むリチウムイオン二次電池用負極。
- 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用負極を含むリチウムイオン二次電池。
- 前記高分子固体電解質層は溶媒を含有する請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
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-
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- 2013-12-06 JP JP2013253243A patent/JP2015111514A/ja active Pending
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