JP2016505539A - 標的治療用ライソゾーム酵素融合タンパク質およびその使用 - Google Patents

標的治療用ライソゾーム酵素融合タンパク質およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は基本的に、ライソゾーム蓄積症の治療に有用な治療用融合タンパク質およびそのような疾患の治療方法に関する。例示的な治療用融合タンパク質は、ライソゾーム酵素、ライソゾーム標的化部分、例えばIGF−IIペプチド、およびスペーサーペプチドを含む。また、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)、ライソゾーム標的化部分、例えばIGF−IIペプチド、およびスペーサーペプチドを含んでいる標的治療用融合タンパク質を含んでいるムコ多糖症IIIB型(B型サンフィリポ症候群)を治療するための組成物および治療方法も提供する。【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2012年11月27日に出願の米国仮特許出願第61/730,378号および2013年3月15日に出願の米国仮特許出願第61/788,968号の優先権を主張し、これらの全体は参照することにより本明細書に組み込まれる。
本発明は基本的に、ライソゾーム蓄積症の治療に有用な治療用融合タンパク質およびそのような障害の治療方法に関する。治療用融合タンパク質の例としては、ライソゾーム酵素、ライソゾーム標的化部分、例えば、IGF−IIペプチド、およびスペーサーペプチドが挙げられる。ライソゾーム酵素がα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)であり、障害がムコ多糖症IIIB型(サンフィリポB症候群)であることを想定する。
通常哺乳類のライソゾーム酵素はサイトゾルで合成されてERを横断し、そこでN結合型の高マンノース型炭水化物によってグリコシル化される。ゴルジ体では、高マンノース型炭水化物はライソゾーム酵素上で、マンノース−6−リン酸(M6P)が付加されることによって修飾され、このことにより、これらのタンパク質はライソゾームを標的とするようになる。M6P−修飾型タンパク質は、2つあるM6P受容体のうちの1方との相互作用を介してライソゾームに運ばれる。修飾形態のうち、高マンノース型炭水化物に2つのM6Pが付加される形態が最も有利である。
40種を上回るライソゾーム蓄積症(LSD)が、直接または間接的に、ライソゾーム中に1種類以上のライソゾーム酵素が欠損していることによって引き起こされる。LSDの酵素補充療法が盛んに研究されている。治療には通常、LSDタンパク質を取り除き、様々な細胞型のライソゾームをM6Pに依存的な様式で送達することが必要とされる。利用可能なアプローチの1つは、LSDタンパク質を精製し、M6Pを使って炭水化物を組み入れるように修飾することを伴う。この修飾した物質は、細胞表面で起こるM6P受容体との相互作用によって、未修飾のLSDタンパク質よりも効率的に細胞に取り込まれると考えられる。
本出願の発明者らはこれまでに、治療用酵素をライソゾームにより効率的に送達することを可能にする、ペプチドを利用した標的化技術を開発してきた。この専有技術は、ライソゾームを標的とする部分としてM6Pの替わりにペプチドタグを使用していることから、グリコシル化非依存性ライソゾーム標的化(GILT)と呼ばれている。GILT技術の詳細は、米国特許出願第2003−0082176号、同第2004−0006008号、同第2003−0072761号、同第2005−0281805号、同第2005−0244400号、および国際出願第03/032913号、同第03/032727号、同第02/087510号、同第03/102583号、同第2005/078077号に記載されており、これらすべての開示は、ここで参照することにより本明細書に組み込まれる。
米国特許出願公開第2003/0082176号明細書 米国特許出願公開第2004/0006008号明細書 米国特許出願公開第2003/0072761号明細書 米国特許出願公開第2005/0281805号明細書 米国特許出願公開第2005/0244400号明細書 国際公開第03/032913号 国際公開第03/032727号 国際公開第02/087510号 国際公開第03/102583号 国際公開第2005/078077号
本発明は、さらに改良した組成物と、GILT技術に基づいて効率的にライソゾームを標的とするための方法を提供する。本発明はなかでも、ライソゾーム標的化ペプチドを使用してライソゾーム酵素をライソゾームに標的化するための方法および組成物を提供する。また本発明は、IGF−I受容体との結合親和性が弱いもしくはIGF−I受容体との結合親和性をもたない、および/またはインスリン受容体との結合親和性が弱いもしくはインスリン受容体との結合親和性をもたない、および/またはフューリン分解抵抗性のライソゾーム標的化ペプチドを使用してライソゾーム酵素をライソゾームに標的化するための方法および組成物も提供する。本発明はさらに、ライソゾーム酵素およびIGF−II、ならびに高い生産性とライソゾーム酵素融合タンパク質のライソゾームへの取り込みを高めるためのスペーサーペプチドを含んでいるライソゾーム酵素融合タンパク質も提供する。一定の態様では、ライソゾーム酵素はα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)である。
一側面において本発明は、ライソゾーム酵素、成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するペプチドタグ、およびライソゾーム酵素とIGF−IIペプチドタグとの間にスペーサーペプチドを含んでいる、標的治療用融合タンパク質を提供する。様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGPS(配列番号14)またはGGGSP(配列番号15)アミノ酸配列を1つ以上含み、場合により、さらに、(i)GAP(配列番号9)、(ii)GGGGS(配列番号12)、(iii)GGGS(配列番号16)、(iv)AAAAS(配列番号17)、(v)AAAS(配列番号18)、(vi)PAPA(配列番号19)、(vii)TPAPA(配列番号20)、(viii)AAAKE(配列番号21)または(ix)GGGGA(配列番号60)を1つ以上含む。
本明細書で想定するライソゾーム酵素の例としては、表1に示す酵素がある。
様々な態様において標的治療用融合タンパク質は、ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)タンパク質と少なくとも85%同一のアミノ酸配列(図1、配列番号1)、成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するペプチドタグおよびNagluアミノ酸配列とIGF−IIペプチドタグとの間に配置されているスペーサーペプチドを含む。様々な態様においてスペーサーは、GAP(配列番号9)、GPS(配列番号10)、またはGGS(配列番号11)アミノ酸配列を含む。様々な態様においてスペーサー配列は、成熟ヒトIGF−IIのアミノ酸とヒトNagluのアミノ酸との間にGly−Pro−Ser(GPS)アミノ酸(配列番号10)を含む。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGGS(配列番号12)またはGGGS(配列番号16)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGPS(配列番号14)またはGGGSP(配列番号15)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、AAAAS(配列番号17)またはAAAS(配列番号18)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、PAPA(配列番号19)またはTPAPA(配列番号20)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、AAAKE(配列番号21)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGGA(配列番号60)アミノ酸配列を1つ以上含む。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、(GGGGS)(配列番号12、56、58、91〜94)、(GGGGS)−GGGPS(配列番号36、95〜100)、GAP−(GGGGS)−GGGPS(配列番号101〜107)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−GAP(配列番号37、108〜113)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号114〜162)、GAP−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号163〜169)、GAP−(GGGGS)−AAAAS−GGGPS−(GGGGS)−AAAA−GAP(配列番号170〜218)、GAP−(GGGGS)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号219〜267)、GAP−(GGGGS)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号268〜316)、GAP−(GGGGS)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)n−(AAAKE)n−(Xaa)n−(GGGGS)−GAP(配列番号544〜551)、(GGGGA)(配列番号60、79、81、317〜320)、(GGGGA)−GGGPS(配列番号321〜326)、GAP−(GGGGA)−GGGPS(配列番号327〜333)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−GAP(配列番号334〜340)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号341〜389)、GAP−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号390〜396)、GAP−(GGGGA)−AAAAS−GGGPS−(GGGGA)−AAAA−GAP(配列番号397〜445)、GAP−(GGGGA)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号446〜494)、GAP−(GGGGA)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号495〜543)、GAP−(GGGGA)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)−(AAAKE)n−(Xaa)−(GGGGA)−GAP(配列番号552〜559)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、nは1〜7である。様々な態様においてnは1〜4である。
様々な態様において本発明は、ペプチドまたはペプチドを含んでいる融合タンパク質が哺乳類のライソゾームを標的とするためのペプチドタグとして使用するIGF−IIペプチドを提供する。様々な態様において本発明は、IGF−II変異型タンパク質を提供する。様々な態様において本発明は、成熟ヒトIGF−II(AYRPSETLCGGELVDTLQFVCGDRGFYFSRPASRVSRRSRGIVEECCFRSCDLALLETYCATPAKSE)(配列番号5)と少なくとも70%同一のアミノ酸配列と、フューリンプロテアーゼ切断部位を少なくとも1つ消失させる変異を有するフューリン抵抗性のIGF−II変異型タンパク質を提供する。
いくつかの態様において本発明は、成熟ヒトIGF−IIと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含んでいる、IGF−IIの変異型タンパク質を提供する。様々な態様においてこのIGF−II変異型タンパク質ペプチドタグは、成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸を含む。様々な態様においてIGF−II変異型タンパク質は、インスリン受容体に対する結合親和性を、野生型ヒトIGF−IIと比較して、低下させるまたは減少させる変異を含む。
いくつかの態様においてIGF−II変異型タンパク質は、天然に存在するヒトIGF−IIのIGF−I受容体対する親和性よりも低い、IGF−I受容体に対する結合親和性を有する。
様々な態様において本発明は、ライソゾーム酵素および成熟ヒトIGF−IIと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するIGF−II変異型タンパク質を含有する標的治療用融合タンパク質を提供し、ここでIGF−II変異型タンパク質はフューリン分解抵抗性であり、かつ、マンノース−6−リン酸非依存性の様式で、ヒトカチオン非依存性マンノース−6−リン酸受容体に結合する。
いくつかの態様において本発明は、ライソゾーム酵素および、成熟ヒトIGF−IIと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有し、かつ、天然に存在するヒトIGF−IIのインスリン受容体に対する親和性よりも低いインスリン受容体への結合親和性を有するIGF−II変異型タンパク質を含有する標的治療用融合タンパク質を提供する。関連の態様においてこのIGF−II変異型タンパク質はフューリン分解抵抗性であり、マンノース−6−リン酸非依存性の様式でヒトカチオン非依存性マンノース−6−リン酸受容体に結合する。
様々な態様では、本発明に好適なIGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIの30〜40番目のアミノ酸に相当する領域内に変異を含む。いくつかの態様では、本発明に好適なIGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIの34〜40番目のアミノ酸に相当する領域内に変異を含み、そのような変異によって、フューリンプロテアーゼ切断部位の少なくとも1つが消失している。いくつかの態様において好適な変異は、アミノ酸の置換、欠失および/または挿入である。いくつかの態様において変異は、成熟ヒトIGF−IIのArg37またはArg40に相当する位置でのアミノ酸置換である。いくつかの態様においてこのアミノ酸置換は、LysまたはAlaへの置換である。
いくつかの態様において好適な変異は、成熟ヒトIGF−IIの30〜40、31〜40、32〜40、33〜40、34〜40、30〜39、31〜39、32〜39、34〜37、33〜39、34〜39、35〜39、36〜39、37〜40番目、およびその組み合わせからなる群より選択される位置に相当するアミノ酸残基の欠失または置換である。
様々な態様において本発明によるIGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIの2〜7番目に相当するアミノ酸の欠失または置換をさらに含有する。様々な態様において本発明によるIGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIの1〜7番目に相当するアミノ酸の欠失または置換をさらに含む。様々な態様において本発明によるIGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIの62〜67番目に相当するアミノ酸の欠失または置換をさらに含む。様々な態様において本発明によるIGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIのTyr27、Leu43、またはSer26に相当する位置にアミノ酸置換をさらに含む。様々な態様において本発明によるIGF−II変異型タンパク質は、Tyr27Leu、Leu43Val、Ser26Pheおよびその組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸置換を少なくとも1つ含む。様々な態様において本発明によるIGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIの48〜55番目に相当するアミノ酸を含有する。様々な態様において本発明によるIGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIの8、48、49、50、54、および55番目に相当するアミノ酸からなる群より選択されるアミノ酸を少なくとも3つ含有する。様々な態様において本発明のIGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIの54および55番目に相当する位置に、このいずれもが、pH7.4の場合に帯電していないまたは負に帯電しているアミノ酸を含有する。様々な態様においてIGF−II変異型タンパク質のIGF−I受容体に対する結合親和性は、天然に存在するヒトIGF−IIのIGF−I受容体に対する親和性よりも低い。様々な態様においてIGF−II変異型タンパク質は、IGF2 Δ8−67 R37Aである(つまり、成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸を有しているが、成熟ヒトIGF−IIの37番目の位置にあるArgがAlaで置換されている)。
様々な態様においてペプチドタグは、ライソゾーム酵素のN末端またはC末端に結合されており、そのため、それぞれがN末端タグまたはC末端タグである。様々な態様においてペプチドタグはC末端タグである。
いくつかの態様において本発明に好適なライソゾーム酵素は、ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)(図1)、またはその機能性断片もしくは変異体である。いくつかの態様において本発明に好適なライソゾーム酵素は、シグナル配列を欠失しているヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼの1〜743番目のアミノ酸またはヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼの24〜743番目のアミノ酸を含む。
様々な態様において本発明の標的治療用融合タンパク質はさらに、ライソゾーム酵素とIGF−II変異型タンパク質との間にスペーサーを含む。
様々な態様においてスペーサーは、αらせん構造または強固な構造を含む。
様々な態様においてスペーサーは、Gly−Ala−Pro(GAP)(配列番号9)、Gly−Pro−Ser(GPS)(配列番号10)、またはGly−Gly−Ser(GGS)(配列番号11)アミノ酸配列を1つ以上含む。
いくつかの態様においてスペーサーは、EFGGGGSTR(配列番号22)、GAP(配列番号9)、GGGGS(配列番号12)、GPSGSPG(配列番号23)、GPSGSPGT(配列番号24)、GPSGSPGH(配列番号25)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPST(配列番号26)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSH(配列番号27)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPS(配列番号28)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPSGAP(配列番号29)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号30)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号32)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号33)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号34)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号35)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号37)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPS(配列番号38)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPSGAP(配列番号39)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号40)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号41)、GGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号42)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号43)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号56)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号57)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号58)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号59)、GGGGA(配列番号60)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPST(配列番号61)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH(配列番号62)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPS(配列番号63)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPSGAP(配列番号64)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号65)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号66)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号67)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号68)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号69)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号70)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号72)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPS(配列番号73)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPSGAP(配列番号74)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPS(配列番号75)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号76)、GGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPS(配列番号77)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号78)、GGGGAGGGGAGGGGA(配列番号79)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号80)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGA(配列番号81)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号82)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号83)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号84)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号85)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号86)、GGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPS(配列番号87)、GAPGGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPGGAP(配列番号88)、GGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPS(配列番号89)、およびGAPGGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPGGAP(配列番号90)からなる群より選択される。
いくつかの態様においてスペーサーは、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択される。
いくつかの態様においてスペーサーは、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択される。
様々な態様において融合タンパク質は、薬学上許容可能な担体、希釈剤または賦形剤をさらに含む。
本発明はまた、上記様々な態様で説明したIGF−II変異型タンパク質または標的治療用融合タンパク質をコードしている核酸も提供する。本発明はさらに、本発明の核酸を含有している様々な細胞を提供する。
本発明は、ライソゾーム蓄積症の治療に好適な、治療上有効量の本発明の標的治療用融合タンパク質を含有している医薬組成物を提供する。本発明はさらに、治療を必要としている対象に本発明による標的治療用融合タンパク質を投与することを含む、ライソゾーム蓄積症の治療方法も提供する。いくつかの態様では、ライソゾーム蓄積症はムコ多糖症IIIB型(サンフィリポB症候群)である。
別の側面において本発明は、細胞培養用の培地中で哺乳類細胞を培養する工程を含む標的治療用融合タンパク質の生産方法を提供し、ここで、この哺乳類細胞は本発明の核酸、具体的には本明細書の様々な態様で説明した核酸を保持し、かつ、培養する工程は標的治療用融合タンパク質の発現を許容する条件で行われる。
一層さらに別の側面において本発明は、フューリン欠損細胞(例えば、フューリンを欠損している哺乳類細胞)を細胞培養用の培地中で培養する工程を含む標的治療用融合タンパク質の生産方法を提供し、ここでこのフューリン欠損細胞は、ライソゾーム酵素と、成熟ヒトIGF−IIと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有しているIGF−II変異型タンパク質とを含んでいる融合タンパク質をコードしている核酸を保持し、IGF−II変異型タンパク質はマンノース−6−リン酸非依存性の様式でヒトカチオン非依存性マンノース−6−リン酸受容体に結合し、かつ、培養する工程は標的治療用融合タンパク質の発現を許容する条件で行われる。
様々な態様において、本明細書に記載のスペーサーを含んでいる特定の標的治療用タンパク質を組換え的に発現させた場合には、別のスペーサーペプチドを含んでいる標的治療用タンパク質と比較して、活性なタンパク質がより高いレベルで発現されることが想定される。また様々な態様では、本明細書に記載の標的治療用タンパク質は、本明細書に記載の他の標的治療用タンパク質よりも高い活性を有する可能性があることも想定される。別のスペーサーペプチドを含んでいる他の標的治療用タンパク質と比較して、活性なタンパク質を高レベルで発現しているおよび/または活性の高い標的治療用タンパク質を詳細な実験に用いることを想定している。
別の側面において本発明は、ライソゾーム酵素、成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するペプチドタグおよび、ライソゾーム酵素のアミノ酸配列とIGF−IIペプチドタグとの間に配置されているスペーサーペプチドを含んでいる融合タンパク質を含んでいる治療上有効量の医薬組成物を対象に投与することを含む、対象におけるライソゾーム蓄積症の治療方法を提供する。様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGPS(配列番号14)またはGGGSP(配列番号15)アミノ酸配列を1つ以上含み、場合により、さらに、(i)GAP(配列番号9)、(ii)GGGGS(配列番号12)、(iii)GGGS(配列番号16)、(iv)AAAAS(配列番号17)、(v)AAAS(配列番号18)、(vi)PAPA(配列番号19)、(vii)TPAPA(配列番号20)、(viii)AAAKE(配列番号21)または(ix)GGGGA(配列番号60)を1つ以上含む。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、(GGGGS)(配列番号12、56、58、91〜94)、(GGGGS)−GGGPS(配列番号36、95〜100)、GAP−(GGGGS)−GGGPS(配列番号101〜107)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−GAP(配列番号37、108〜113)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号114〜162)、GAP−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号163〜169)、GAP−(GGGGS)−AAAAS−GGGPS−(GGGGS)−AAAA−GAP(配列番号170〜218)、GAP−(GGGGS)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号219〜267)、GAP−(GGGGS)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号268〜316)、GAP−(GGGGS)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)n−(AAAKE)n−(Xaa)n−(GGGGS)−GAP(配列番号544〜551)、(GGGGA)(配列番号60、79、81、317〜320)、(GGGGA)−GGGPS(配列番号321〜326)、GAP−(GGGGA)−GGGPS(配列番号327〜333)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−GAP(配列番号334〜340)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号341〜389)、GAP−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号390〜396)、GAP−(GGGGA)−AAAAS−GGGPS−(GGGGA)−AAAA−GAP(配列番号397〜445)、GAP−(GGGGA)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号446〜494)、GAP−(GGGGA)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号495〜543)、GAP−(GGGGA)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)−(AAAKE)n−(Xaa)−(GGGGA)−GAP(配列番号552〜559)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、ここでnは1〜7であり、場合によって、nは1〜4である。
様々な態様においてスペーサーペプチドはEFGGGGSTR(配列番号22)、GAP(配列番号9)、GGGGS(配列番号12)、GPSGSPG(配列番号23)、GPSGSPGT(配列番号24)、GPSGSPGH(配列番号25)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPST(配列番号26)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSH(配列番号27)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPS(配列番号28)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPSGAP(配列番号29)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号30)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号32)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号33)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号34)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号35)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号37)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPS(配列番号38)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPSGAP(配列番号39)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号40)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号41)、GGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号42)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号43)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号56)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号57)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号58)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号59)、GGGGA(配列番号60)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPST(配列番号61)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH(配列番号62)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPS(配列番号63)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPSGAP(配列番号64)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号65)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号66)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号67)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号68)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号69)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号70)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号72)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPS(配列番号73)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPSGAP(配列番号74)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPS(配列番号75)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号76)、GGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPS(配列番号77)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号78)、GGGGAGGGGAGGGGA(配列番号79)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号80)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGA(配列番号81)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号82)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号83)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号84)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号85)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号86)、GGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPS(配列番号87)、GAPGGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPGGAP(配列番号88)、GGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPS(配列番号89)、およびGAPGGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPGGAP(配列番号90)からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する。
本明細書に記載の方法で検討するライソゾーム蓄積症の例としては表1に示す障害がある。ライソゾーム蓄積症で欠損している酵素(これも表1で開示している)を含んでいる標的治療用融合タンパク質を使用してライソゾーム蓄積症を治療することを想定する。
様々な態様において本発明は、ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)タンパク質(配列番号1)と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するペプチドタグおよび、Nagluアミノ酸配列とIGF−IIペプチドタグとの間に配置されているスペーサーペプチドを含んでいる治療上有効量の医薬組成物を対象に投与することを含む、対象におけるムコ多糖症IIIB型(サンフィリポB症候群)の治療方法を提供する。様々な態様においてスペーサーは、GAP(配列番号9)、GPS(配列番号10)、またはGGS(配列番号11)アミノ酸配列を含む。
様々な態様においてスペーサー配列は、成熟ヒトIGF−IIのアミノ酸とヒトNagluのアミノ酸との間にGly−Pro−Ser(GPS)アミノ酸(配列番号10)を含む。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGGS(配列番号12)またはGGGS(配列番号16)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGPS(配列番号14)またはGGGSP(配列番号15)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、AAAAS(配列番号17)またはAAAS(配列番号18)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、PAPA(配列番号19)またはTPAPA(配列番号20)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、AAAKE(配列番号21)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGGA(配列番号60)アミノ酸配列を1つ以上含む。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、(GGGGS)(配列番号12、56、58、91〜94)、(GGGGS)−GGGPS(配列番号36、95〜100)、GAP−(GGGGS)−GGGPS(配列番号101〜107)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−GAP(配列番号37、108〜113)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号114〜162)、GAP−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号163〜169)、GAP−(GGGGS)−AAAAS−GGGPS−(GGGGS)−AAAA−GAP(配列番号170〜218)、GAP−(GGGGS)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号219〜267)、GAP−(GGGGS)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号268〜316)、GAP−(GGGGS)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)n−(AAAKE)n−(Xaa)n−(GGGGS)−GAP(配列番号544〜551)、(GGGGA)(配列番号60、79、81、317〜320)、(GGGGA)−GGGPS(配列番号321〜326)、GAP−(GGGGA)−GGGPS(配列番号327〜333)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−GAP(配列番号334〜340)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号341〜389)、GAP−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号390〜396)、GAP−(GGGGA)−AAAAS−GGGPS−(GGGGA)−AAAA−GAP(配列番号397〜445)、GAP−(GGGGA)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号446〜494)、GAP−(GGGGA)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号495〜543)、GAP−(GGGGA)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)−(AAAKE)n−(Xaa)−(GGGGA)−GAP(配列番号552〜559)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、ここでnは1〜7であり、場合により、nは1〜4である。
様々な態様において本発明は、ムコ多糖症IIIB型(サンフィリポB症候群)に罹患している対象に、i)ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)タンパク質(配列番号1)と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、ii)成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するペプチドタグ、およびiii)Nagluアミノ酸配列とIGF−IIペプチドタグとの間に配置されているスペーサーペプチドを含んでいる有効量の融合タンパク質を投与することを含む、グリコサミノグリカン(GAG)のインビボでのレベルを低下させる方法を提供する。
様々な態様においてスペーサー配列は、成熟ヒトIGF−IIのアミノ酸とヒトNagluのアミノ酸との間に、Gly−Ala−Pro(GAP)(配列番号9)アミノ酸を1コピー以上含んでいる。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、EFGGGGSTR(配列番号22)、GAP(配列番号9)、GGGGS(配列番号12)、GPSGSPG(配列番号23)、GPSGSPGT(配列番号24)、GPSGSPGH(配列番号25)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPST(配列番号26)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSH(配列番号27)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPS(配列番号28)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPSGAP(配列番号29)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号30)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号32)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号33)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号34)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号35)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号37)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPS(配列番号38)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPSGAP(配列番号39)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号40)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号41)、GGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号42)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号43)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号56)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号57)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号58)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号59)、GGGGA(配列番号60)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPST(配列番号61)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH(配列番号62)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPS(配列番号63)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPSGAP(配列番号64)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号65)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号66)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号67)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号68)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号69)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号70)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号72)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPS(配列番号73)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPSGAP(配列番号74)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPS(配列番号75)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号76)、GGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPS(配列番号77)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号78)、GGGGAGGGGAGGGGA(配列番号79)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号80)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGA(配列番号81)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号82)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号83)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号84)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号85)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号86)、GGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPS(配列番号87)、GAPGGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPGGAP(配列番号88)、GGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPS(配列番号89)、およびGAPGGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPGGAP(配列番号90)からなる群より選択される。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択される。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択される。
様々な態様においてライソゾーム標的化ドメインまたはIGF−IIペプチドタグは、成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸(配列番号2、4)を含む。様々な態様においてIGF−IIペプチドタグは、Arg37の残基に変異を含む。様々な態様において変異は、アルギニンからアラニンへの置換である。様々な態様においてライソゾーム標的化ドメインまたはIGF−IIペプチドタグは、IGF2 Δ8−67 R37Aを含む。
様々な態様において融合タンパク質は、ヒトNagluの1〜743番目のアミノ酸(配列番号1、3)を含む。様々な態様において融合タンパク質は、ヒトNagluの24〜743番目のアミノ酸を含む。
様々な態様において有効量の融合タンパク質は、対象の体重1キログラムあたり約0.1〜1mg、約1〜5mg、約2.5〜20mg、約5〜20mg、約10〜50mg、または20〜100mgの範囲である。様々な態様において有効量の融合タンパク質は、対象の体重1キログラム当たり約2.5〜20mgである。
様々な態様において融合タンパク質は、髄腔内に、静脈内に、筋肉内に、非経口的に、経皮的に、または経粘膜的に投与される。様々な態様において融合タンパク質は、髄腔内に投与される。様々な態様において髄腔内投与は、必要に応じて、融合タンパク質を静脈内に投与することをさらに含む。
様々な態様において髄腔内投与は、融合タンパク質を脳室、腰部、または大槽に導入することを含む。
様々な態様において融合タンパク質は、2ヶ月に1回、1ヶ月に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1日1回、または様々な間隔で投与される。
様々な態様において治療は、脳組織でのグリコサミノグリカン(GAG)レベルの低下をもたらす。さらに、治療が脳組織におけるライソゾーム貯蔵顆粒の減少をもたらすことも想定される。
また、ライソゾーム蓄積症の治療に使用するための本明細書に記載した標的治療用融合タンパク質を含んでいる組成物についても検討する。ライソゾーム蓄積症の例としては表1に示すものが挙げられる。
本発明の他の特色、目的、および利点は以下の詳細な説明から明らかである。しかしながら、この詳細な説明は、本発明の態様を示しているにもかかわらず、例示する目的のためだけに提示されており、限定する意図がないと理解される。本発明の範囲に入る様々な変更形態および修正形態は、詳細な説明から、当業者には明らかであろう。
以下の図面は例示する目的のためだけに提示され、本発明を限定するものではない。
図1は、(A)Nagluおよび(B)IGF−IIの8〜67番目の残基であって、37番目の残基にR37Aのアミノ酸置換(Arg37Ala)を含むIGF−IIペプチドを含んでいる例示的な治療用融合タンパク質の一部分のアミノ酸配列を示している。
図2は、(A)Nagluおよび(B)IGF−IIの8〜67番目の残基であって、37番目の残基にR37Aのアミノ酸置換(Arg37Ala)を含むIGF−IIペプチドを含んでいる例示的な治療用融合タンパク質の一部分のヌクレオチド配列を示している。
図3では、治療用融合タンパク質における使用を想定している例示的なスペーサー配列を開示している。 同上 同上
定義
回復:本明細書で使用する場合「回復」という用語は、状態の予防、低減、もしくは緩和、または対象の状態の改善を意味する。回復は、病状の完全、完全な予防を含むが、これらは必須ではない。いくつかの態様では、回復には、疾患に関連する組織のライソゾーム中に蓄積された物質の減少が含まれる。
フューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質:本明細書で使用する場合「フューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質」という用語は、変化したアミノ酸配列を含有しているIGF−IIを基礎とするペプチドを指し、ここで変化したアミノ酸配列とは、天然のフューリンプロテアーゼ切断部位を少なくとも1つ消失させるか、またはフューリンによる切断が野生型ヒトIGF−IIペプチドと比較した場合に阻止、阻害、低減または遅れるように、天然のフューリンプロテアーゼ切断部位に近位のもしくは隣接した配列を変化させるものである。本明細書で使用する場合、フューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質もまた、フューリン抵抗性のIGF−II変異型タンパク質を指す。
フューリンプロテアーゼ切断部位:本明細書で使用する場合「フューリンプロテアーゼ切断部位」(「フューリン切断部位」または「フューリン切断配列」とも呼ばれる)という用語は、フューリンまたはフューリン様プロテアーゼによる、酵素的なプロテアーゼ切断の認識配列を保持するペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列を指す。通常、フューリンプロテアーゼ切断部位は、Arg−X−X−Arg(配列番号6)という共通配列を有し、ここでXはいずれのアミノ酸であってもよい。切断部位は、配列のカルボキシ末端にあるアルギニン(Arg)残基の下流に配置されている。いくつかの態様では、フューリン切断部位は、Lys/Arg−X−X−X−Lys/Arg−Arg(配列番号7)の共通配列を有していてもよく、ここでXは任意のアミノ酸である。切断部位は配列中で、カルボキシ末端のアルギニン(Arg)残基の下流に配置されている。
フューリン:本明細書で使用する場合「フューリン」という用語は、本明細書で定義するフューリンプロテアーゼ切断部位を認識し、切断する全てのプロテアーゼを指し、フューリンまたはフューリン様プロテアーゼを含む。フューリンは、対合している塩基性アミノ酸切断酵素(PACE)としても知られている。フューリンは、スブチリシン様プロタンパク質転換酵素ファミリーに属す酵素である。フューリンをコードしている遺伝子は、FUR(FES上流領域)として知られていた。
フューリン欠損細胞:本明細書で使用する場合「フューリン欠損細胞」という用語は、フューリンプロテアーゼ活性が阻害されている、低下しているまたはその活性を欠いている全ての細胞を指す。フューリン欠損細胞には、フューリンを生産しない、またはフューリンの量が低下している、もしくはフューリンプロテアーゼが欠損している、哺乳類細胞および非哺乳類細胞の両方が含まれる。
グリコシル化非依存性ライソゾーム標的化:本明細書で使用する場合「グリコシル化非依存性ライソゾーム標的化」(「GILT」とも呼ばれる)という用語は、マンノース−6−リン酸に依存しないライソゾームの標的化を指す。
ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ:本明細書で使用する場合「ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ」(「Naglu」とも呼ばれる)という用語は、哺乳類のライソゾームにおけるグリコサミノグリカン(GAG)レベルを低下させることが可能なまたはMPS IIIB(サンフィリポB症候群)の症状のうちの1つ以上を救出もしくは回復させることが可能な、前駆形態の(つまり天然のNagluシグナルペプチド配列を含有している)またはプロセシングされた(つまり天然のNagluシグナルペプチド配列を欠いた)野生型ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ、またはその機能性断面もしくは変異体を指す。本明細書で使用する場合、「機能性」という用語は、Nagluに関する場合、哺乳類のライソゾームが取り込むことができ、かつ、哺乳類のライソゾーム内に貯蔵されている物質、つまりグリコサミノグリカン(GAG)を減少させるのに十分な酵素活性を有しているNaglu酵素を指す。
IGF−II変異型タンパク質:本明細書で使用する場合「IGF−II変異型タンパク質」という用語は、IGF−IIを基礎とするが、アミノ酸配列が変化しているペプチドを指す。本明細書で使用する場合「フューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質」という用語は、天然のフューリンプロテアーゼ切断部位が少なくとも1つ消失するように変化した、またはフューリンによる切断が野生型ヒトIGF−IIペプチドと比較した場合に阻止、阻害、低減または遅れるように、天然のフューリンプロテアーゼ切断部位に近位のもしくは隣接した配列を変化させるアミノ酸配列を含有している、IGF−IIを基礎とするペプチドを指す。本明細書で使用する場合、フューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質はフューリン抵抗性のIGF−II変異型タンパク質も指す。
改善、向上、または低下:本明細書で使用する場合「改善」、「向上」または「低下」という用語またはその文法的な均等物は、基準となる測定値、例えば、同じ個人における本明細書に記載の治療を開始する前の測定値、または本明細書に記載の治療を受けていない対照となる個人(または複数人の対照)における測定値と比較した値を示す。「対照となる個人」とは、治療を受けている個人と同じ型のライソゾーム蓄積症(例えば、MPS IIIB(サンフィリポB症候群))を患っており、治療を受けている個人とおよそ同じ年齢の(治療を受けている個人と対照となる個人の疾患の段階が比較できるようにするため)個人である。
個人、対象、患者:本明細書で使用する場合「対象」、「個人」または「患者」という用語は、ヒト対象または非ヒト哺乳類対象を指す。治療を受けている個人(「患者」または「対象」とも呼ばれる)は、ライソゾーム蓄積症、例えば、MPS IIIB(サンフィリポB症候群)(つまり小児発症性、若年発症性、もしくは成人発症性または重症型/従来型または中間型のMPS IIIB(サンフィリポB症候群))を患っている、あるいはライソゾーム蓄積症(例えば、MPS IIIB(サンフィリポB症候群))を発症する可能性のある個人(胎児、新生児、幼児、青年、または成人のヒト)である。
ライソゾーム蓄積症:本明細書で使用する場合「ライソゾーム蓄積症」とは、ライソゾーム中で高分子をペプチド、アミノ酸、単糖、核酸および脂肪酸に分解するのに必要な酵素(例えば、酸性加水分解酵素)が少なくとも1つ欠損している結果生じる群の遺伝性障害を指す。その結果、ライソゾーム蓄積症の患者では、ライソゾーム中に成分が蓄積する。ライソゾーム蓄積症の例を表1に示している。
ライソゾーム酵素:本明細書で使用する場合「ライソゾーム酵素」という用語は、哺乳類のライソゾーム中に蓄積している成分を減らすことができる、またはライソゾーム蓄積症の兆候の1つ以上を救済するまたは回復させることができる全ての酵素を指す。本発明に好適なライソゾーム酵素には、野生型または修飾型両方のライソゾーム酵素が含まれ、また、組換え的な手法および合成によって生産すること、または天然の供給源から精製することができる。ライソゾーム酵素の例を表1に示している。
スペーサー:本明細書で使用する場合「スペーサー」(「リンカー」とも呼ばれる)という用語は、融合タンパク質の2つのタンパク質部分の間にあるペプチド配列を指す。スペーサーは通常、柔軟性をもつように、または2つのタンパク質部分の間にアルファ−ヘリックスなどの構造を挿入するように設計される。スペーサーは相対的に短くてもよく、例えば、Gly−Ala−Pro(GAP)(配列番号9)、Gly−Gly−Gly−Gly−Ser(GGGGS)(配列番号12)、Gly−Gly−Gly−Gly−Ala(GGGGA)(配列番号60)またはGly−Gly−Gly−Gly−Gly−Pro(GGGGGP)(配列番号13)の配列であってよく、またはより長くても、例えば、長さが10〜25のアミノ酸、長さが25〜50のアミノ酸もしくは長さが35〜55のアミノ酸であってもよい。スペーサー配列の例については発明を実施するための形態の項で詳細に開示する。
治療上有効量:本明細書で使用する場合「治療上有効量」または「有効量」という用語は、いかなる医学的な治療にも適用可能な妥当なリスク対効果比で、治療した対象において治療効果を発揮する標的治療用融合タンパク質の量を指す。治療効果は客観的なものであっても(つまりいくつかの試験またはマーカーによって測定可能なものであっても)あるいは主観的なものであっても(つまり対象が指標または効果の感じを提供するものであっても)よい。具体的には、「治療上有効量」とは、所望の疾患または状態を治療する、回復させる、または予防するのに有効な、あるいは、例えば疾患に関連のある症状を回復する、疾患の発症を予防もしくは遅らせる、および/または疾患の重篤度もしくは症状が発現する頻度を下げることで検出可能な治療上もしくは予防上の効果を示す有効な、治療用融合タンパク質または組成物の量を指す。治療上有効量は一般的に、複数回投与を含み得る投与計画に従って投与される。任意の特定の治療用融合タンパク質については、治療上有効量(および/または有効な投与計画における適切な単位投与量)は、例えば、投与経路、併用される他の医薬品に応じて変わり得る。また、任意の特定の患者に特異的な治療上有効量(および/または単位投与量)は、治療する障害やその障害の重篤度;用いられる特定の医薬品の活性;用いられる特定の組成物;患者の年齢、体重、総体的な健康、性別および食事;投与時間、投与経路、および/または用いられる特定の融合タンパク質の排出速度もしくは代謝速度;治療期間;などの医学の分野においてよく知られている様々な要因に依存し得る。
治療:本明細書で使用する場合「治療」(「治療する」または「治療している」も含む)という用語は、特定の疾患、障害、および/または状態を、部分的にもしくは完全に緩和する、回復させる、軽減する、阻害する、その発症を遅らせる、その重篤度を下げる、および/またはその1つ以上の症状または特徴の頻度を下げる前記治療用融合タンパク質を含んでいる治療用融合タンパク質または医薬組成物のいかなる投与をも指す。このような治療は、関連する疾患、障害および/または状態の徴候を示していない対象、および/または疾患、障害、および/または状態のごく初期の徴候だけを示している対象への治療である場合もある。あるいはまたはこれに加えて、このような治療は、関連する疾患、障害および/または状態に関して確立されている徴候を1つ以上示している対象の治療であってもよい。例えば、治療は、心臓の状態の改善(例えば、拡張末期容積および/または収縮末期容積の増大、もしくは、例えばポンペ病に典型的に見られる進行性心筋症の低減、回復または予防)または肺機能の改善(例えば、基準となる容積に対する肺活量の増大、および/または吐いている間の酸素不飽和化の正常化);神経発達および/または運動能力の改善(例えば、AIMSスコアの改善);貯蔵量の低下(例えば、疾患に罹患している個人の組織でのグリコサミノグリカン(GAG)レベルの低下);またはこれら効果の任意の組み合わせを指す場合もある。いくつかの態様では、治療には、グリコサミノグリカン(GAG)の排出の改善、特に、MPS IIIB(サンフィリポB症候群)に関連するニューロンの症状の低下または予防が含まれる。
本明細書で使用する場合「約」および「およそ」という用語は同じ意味で用いられる。約/およそを伴ってあるいは伴わずに本明細書で使用される数字はいずれも、関連分野の当業者が認識する一般的なゆらぎも含むことを意味する。
本発明は、グリコシル化非依存性ライソゾーム標的化(GILT)技術に基づいた、ライソゾーム酵素を標的化するための改善された方法および組成物を提供する。なかでも本発明は、フューリン抵抗性で、および/またはインスリン受容体との結合親和性が弱いもしくはインスリン受容体との結合親和性をもたず、および/またはIGF−I受容体との結合親和性が弱いもしくはIGF−I受容体との結合親和性をもたないIGF−II変異型タンパク質、ならびに本発明のIGF−II変異型タンパク質を含有している標的治療用融合タンパク質を提供する。本発明はまた、その作成方法および使用も提供する。
以降の項において、本発明の様々な側面を詳細に説明する。項は本発明を限定するために使用するものではない。それぞれの項は本発明のいずれの側面にも応用可能である。本明細書では、特段の指定のない限り、「または」は「および/または」と同じ意味で使用する。
ライソゾーム酵素
本発明に好適なライソゾーム酵素には、哺乳類のライソゾーム中に蓄積された成分を減少させることが可能な、または1つ以上のライソゾーム貯蔵性の病徴を救済または回復することが可能な全ての酵素が含まれる。好適なライソゾーム酵素には、野生型または修飾型両方のライソゾーム酵素が含まれ、また、組換え的な手法または合成によって生産することができ、あるいは、天然の供給源から精製することができる。ライソゾーム酵素の例を表1に挙げる。
Figure 2016505539
Figure 2016505539
Figure 2016505539
Figure 2016505539
いくつかの態様では、本明細書で検討されるライソゾーム酵素には、表1に示したヒト酵素の天然に存在するポリヌクレオチド配列と50〜100%の配列同一性、例えば50%、55%、60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%および100%の配列同一性を有し、それでもなお、機能性の、つまり、哺乳類のライソゾーム中に蓄積された物質、例えばグリコサミノグリカン(GAG)を減少させることができる、またはライソゾーム貯蔵性の病徴のうちの1つ以上を救済もしくは回復させることができるタンパク質をコードしている酵素が含まれる。
ライソゾーム酵素の配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」とは、配列を整列させパーセント配列同一性を最大にするために必要に応じてギャップを挿入した後の候補配列中に含まれる、天然由来のヒト酵素配列のアミノ酸残基と同一のアミノ酸残基のパーセンテージと定義される。この場合、保存的置換はいずれも配列同一性の一部とは見なされない。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的での整列は、当該分野の技術の範囲内にある様々な方法によって、例えば、BLAST、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公開されているコンピューターソフトウェアを使って実施することができる。当業者であれば、比較する配列の完全長にわたって整列を最大にするのに必要な任意のアルゴリズムなど、整列を測定するのに適切な指標を判断することができる。アミノ酸配列同一性を決定するためには、WU−BLAST−2ソフトウェア(Altschul et al.,Methods in Enzymology 266,460−480 (1996))を使用するのが好ましい。WU−BLAST−2では複数の検索指標が採用されており、その多くが既定値に設定されている。調整可能な指標は以下の値に設定されている:重複スパン=1、重複画分=0.125、閾値(T)=11。HSPスコア(S)およびHSP S2指標は変動する値で、特定の配列組成に応じてプログラム自体によって確立される。しかしながら、最小値は調整可能であり、上述のように設定される。
α−N−アセチルグルコサミニダーゼ
α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、Naglu、は前駆分子として生産され、成熟形態へとプロセシングされる。この過程は通常、このタンパク質が小胞体に進入するのに伴って23アミノ酸のシグナルペプチドが除去されることによって生じる。典型的には、この前駆形態は完全長前駆体または完全長Nagluタンパク質とも呼ばれ、743個のアミノ酸を含んでいる(配列番号1)。N末端にある23個のアミノ酸はこの前駆タンパク質が小胞体に進入するときに切断され、プロセシングされたまたは成熟した形態のタンパク質となる。従って、N末端の23アミノ酸は基本的に、Nagluのタンパク質活性には必要でないと考えられる。典型的な野生型または天然に存在するヒトNagluタンパク質の成熟形態および完全長前駆形態のアミノ酸配列を図1と配列番号1に示す。ヒトNagluのコード領域のヌクレオチド配列を配列番号3に示した。ヒトNagluのmRNA配列は、ジェンバンクの受入番号NM_000263に記載されている。様々な態様においてNagluは、シグナル配列を含む(アミノ酸1〜743)またはシグナル配列を含まない(アミノ酸24〜743)ヒトNagluである。
米国特許第6,255,096号では、精製したヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼの分子量(つまり82kDaおよび77kDa)と、CHO細胞を使って産生した、哺乳類の組換えα−N−アセチルグルコサミニダーゼの分子量(つまり89kDaおよび79kDa)が推定Nagluポリペプチドの分子量(つまり70kDa)よりも大きいことが記載されており、このことから、精製したポリペプチドと組換えポリペプチドが翻訳後修飾を受けていることが示唆されている。Weber et al., Hum Mol Genet 5:771−777,1996も参照のこと。
ムコ多糖症III B型(サンフィリポB症候群)
例示的なライソゾーム蓄積症の1つに、B型サンフィリポ症候群としても知られているムコ多糖症III B(MPS IIIB)がある。MPS IIIB、B型サンフィリポ症候群、は、酵素であるα−N−アセチル−グルコサミニダーゼ(Naglu)の欠損を特徴とする、希な、常染色体劣性の遺伝性障害である。この酵素が欠損していると、GAGヘパラン硫酸などのグリコサミノグリカン(GAG)や、部分的に分解されたGAG分子が体外に排出されずに様々な組織のライソゾームに蓄積し、その結果、進行性で多岐にわたる、体細胞の機能不全を引き起こす可能性がある(Kakkis et al., N Engl J Med. 344(3):182−8,2001)。脳以外の組織よりも、ニューロンおよびグリア細胞でGAGがより多く蓄積されることが分かっている。
MPS IIIにはA、B、C、およびD型MPS IIIと命名されている4つの形態があり、同定されている。それぞれ、GAGヘパラン硫酸の分解に関わる4つの酵素のうちの1つか欠損している(表1)。いずれの型も、同じ臨床症状、例えば、顔貌の粗大化、肝脾腫、角膜薄濁および骨格変形を様々な程度で伴う。しかしながら、特に顕著なのが重症かつ進行性の認知機能の消失であり、これはニューロンでのヘパラン硫酸の蓄積だけでなく、GAGの蓄積に続いて引き起こされたガングリオシドGM2、GM3およびGD2の増加にも関連している(Walkley et al., Ann N Y Acad Sci. 845:188−99,1998)。
B型サンフィリポ症候群の臨床兆候の特徴は中枢神経系(CNS)の縮退であり、その結果、発達上の主要な段階が失われたり、達成されなかったりする。この進行性の認知機能の低下の結果、認知症を発症し、若年死亡に至る。この疾患は通常幼児期に顕在化し、罹患した患者の寿命は、典型的には、十代後半〜二十代前半より長くなることはない。
MPS III疾患は全て同様の症状を示し、幼児期に顕在化する。罹患した幼児の外観は正常であるが、顔面に軽度の異形症が認められる場合もある。他のムコ多糖症に一般的な関節のこわばり、多毛および顔貌粗大は疾患後期まで現れない。症状の現れない初期段階の後、患者は一般に成長の遅れおよび/または行動異常、その後、進行性の知能低下を現し、その結果、重症認知症および進行性の運動障害を生じる。言語の獲得が遅く、不完全であることが多い。疾患が進行すると、かんしゃく、多動、破壊性、攻撃行動、異食および睡眠障害などの行動障害が増える。罹患している子どもの筋肉強度や運動機能は正常であるため、このような行動障害を制御することは非常に困難である。病気の最終段階では、子どもの運動性および反応性が下がり、車いすが必要になることが多く、嚥下困難および痙攣を発症する。罹患した患者子どもの寿命は、一般的には、十代後半〜二十代前半より長くなることはない。
MPS IIIB(B型サンフィリポ症候群)の治療に好適なα−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素には、野生型ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(配列番号1または3)、または、哺乳類のライソゾームに取り込まれて直鎖オリゴ糖の末端N−アセチル−D−グルコサミン残基のα−1,4結合を加水分解する能力を保持しているその機能性断片または配列変異体が含まれる。
本明細書に記載の組換え標的治療用融合タンパク質を使用したMPS IIIB(B型サンフィリポ症候群)の治療効果は、当該分野で知られている技術を用いることで、ならびにライソゾームやニューロンのバイオマーカーを解析することで測定可能である。初期の実験はNagluノックアウト動物を用いて行われている(Li et al., Proc Natl Acad Sci USA 96: 14505−510, 1999を参照のこと)。Nagluノックアウト動物では、肝臓と腎臓に多量のヘパラン硫酸が、および脳におけるガングリオシドの増加が認められる。
アッセイには、外生酵素の活性と体内分布、ライソゾーム、特に脳細胞のライソゾームにおけるGAG貯蔵量の低下、および星状細胞や小膠細胞の活性化の解析が含まれる。様々なライソゾームのバイオマーカーまたはニューロンのバイオマーカーのレベルには、これらには限定されないが、ライソゾーム関連膜タンパク質1(LAMP1)、グリピカン、ガングリオシド、コレステロール、ミトコンドリアATP合成酵素のサブユニットc(SCMAS)、ユビキチン、P−GSK3b、β−アミロイドおよびP−タウのレベルが含まれる。当該分野で知られている技術を用い、生存および行動の解析も行う。
実験から、MPS IIIB動物のライソゾーム中にミトコンドリアATP合成酵素のサブユニットc(SCMAS)のタンパク質が蓄積していることが分かっている(Ryazantsev et al., Mol Genet Metab. 90(4): 393−401, 2007)。LAMP−1とGM130がMPS IIIB動物で増加していることも示されている(Vitry et al., Am J Pathol. 177(6): 2984−99,2010)。
様々な態様においてライソゾーム蓄積症の治療とは、様々な組織におけるライソゾームの貯蔵性(例えば、GAGの貯蔵性)を低下させることを指す。様々な態様において治療とは、脳の標的組織、脊髄ニューロン、および/または末梢の標的組織におけるライソゾームの貯蔵性を低下させることを指す。一定の態様では、ライソゾームの貯蔵性は、対照と比較して、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%またはそれ以上低下する。様々な態様においてライソゾームの貯蔵性は、対照と比較して、少なくとも1分の1、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、6分の1、7分の1、8分の1、9分の1、10分の1またはそれよりも低下する。
様々な態様において治療とは、様々な組織における酵素活性を高めることを指す。様々な態様において治療とは、脳の標的組織、脊髄ニューロン、および/または末梢の標的組織における酵素活性を高めることを指す。様々な態様において酵素活性は、対照と比較して、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%1000%またはそれ以上高まる。様々な態様において酵素活性は、対照と比較して、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍またはそれ以上高まる。様々な態様において、高まった酵素活性とは、少なくともおよそ10nmol/時/mg、20nmol/時/mg、40nmol/時/mg、50nmol/時/mg、60nmol/時/mg、70nmol/時/mg、80nmol/時/mg、90nmol/時/mg、100nmol/時/mg、150nmol/時/mg、200nmol/時/mg、250nmol/時/mg、300nmol/時/mg、350nmol/時/mg、400nmol/時/mg、450nmol/時/mg、500nmol/時/mg、550nmol/時/mg、600nmol/時/mgまたはそれ以上である。様々な態様では、ライソゾーム酵素はNagluである。
酵素補充療法
酵素補充療法(ERT)とは、欠損している酵素を血中に注入することで酵素欠損を正そうとする治療戦略である。血液が患者の組織を灌流しているため、酵素は細胞に取り込まれてライソゾームに輸送され、そこで酵素は、酵素欠損が原因でライソゾーム中に蓄積された物質を除去するように作用する。ライソゾーム酵素補充療法が有効であるためには、治療用の酵素が、貯蔵障害が現れている適切な細胞のライソゾームに送達されなければならない。標準的なライソゾーム酵素補充療法剤は、標的細胞の表面にある特定の受容体と会合させるためにタンパク質に自然に結合させた炭水化物を利用して送達される。1つの受容体、カチオン非依存性M6P受容体(CI−MPR)は多くの細胞型の表面に提示されているため、ライソゾーム酵素を補充するために標的とするのに特に有用である。
「カチオン非依存性マンノース−6−リン酸受容体(CI−MPR)」、「M6P/IGF−II受容体」、「CI−MPR/IGF−II受容体」、「IGF−II受容体」もしくは「IGF2受容体」という用語またはその略称は、本明細書においては同じ意味で用いられ、M6PとIGF−IIの両方に結合する細胞受容体を指す。
酵素補充療法に対して対象を寛容化するための併用療法
組換えタンパク質などの薬剤や他の治療薬を投与している間に、これらの薬剤に対する免疫応答が対象の体内で高まり、結合して治療活性を干渉する抗体の生産が引き起こされる、ならびに急性または慢性の免疫応答が引き起こされる可能性があることが分かっている。この問題は、タンパク質が複雑な抗原であり、多くの場合に、対象が抗原に対して免疫学的に無感作であることから、タンパク質治療薬にもっとも顕著である。従って、本発明の特定の側面では、治療用酵素の投与を受けている対象を酵素補充療法に対して寛容化することが有用な場合がある。本明細書中においては、酵素補充療法を、寛容化計画の併用療法として処方してもよい。
米国特許第7,485,314号(参照することにより本明細書に組み込まれる)では、免疫寛容の誘導を用いたライソゾーム蓄積症の治療が開示されている。簡単に説明すると、そのような寛容化計画の使用は、対象における酵素補充療法に対する免疫応答の高まりと、それによる酵素補充療法の潜在的な有効性の低下あるいは無効化を予防するのに有用な場合がある。
一方法において本発明は、組換え治療用融合タンパク質、例えばNagluを含んでおり、髄腔内投与によるライソゾーム蓄積症、例えばムコ多糖症IIIB(MPS IIIBまたはB型サンフィリポ症候群)の治療に使用されている治療用融合タンパク質に対する臨床上有意な抗原特異的な免疫応答を低減または予防することを検討する。この方法では、低容量の酵素、例えばNagluを1週間に1回髄腔内注入するのと並行して、投与計画の最初の30〜60日間に、シクロスポリンA(CsA)などのT細胞免疫抑制剤とアザチオプリン(アザ)などの抗増殖剤を使用する。酵素を含んでいる融合タンパク質を少量1週間に1回髄腔内または静脈内に注入するのと並行して、免疫抑制剤であるシクロスポリンA(CsA)およびアザチオプリン(アザ)を60日間投与すると、1週間に1回の酵素注入に対する、一般的には強いIgG反応が大きく低下するかまたは阻害される。このような寛容化計画を利用すれば、対象を、高用量の治療用融合タンパク質に対して最長6ヶ月間、Naglu、または、実際にライソゾーム蓄積症の補充療法に使用される他の全ての酵素に対する抗体の力価を上昇させることなく寛容化することが可能である。このような寛容化計画は米国特許第7,485,314号に記載されている。
グリコシル化非依存性ライソゾーム標的化
グリコシル化非依存性ライソゾーム標的化(GILT)技術は、治療用酵素をライソゾームに標的化するために開発された。具体的には、GILT技術は、ライソゾーム標的化用のCI−MPRを会合させるのに、M6Pの変わりにペプチドタグを利用する。通常GILTタグは、マンノース−6−リン酸−非依存性の様式でCI−MPRを結合させるタンパク質、ペプチド、または他の部分である。この技術は都合のよいことに、ライソゾーム酵素を取り込む正常な生体機構を、マンノース−6−リン酸非依存性の様式で模倣している。
好ましいGILTタグは、ヒトインスリン様成長因子II(IGF−II)由来のタグである。ヒトIGF−IIはIGF−II受容体とも呼ばれるCI−MPRに対する高親和性リガンドである。GILT−タグ化治療用酵素がM6P/IGF−II受容体に結合ことで、タンパク質がエンドサイトーシスの経路を介してライソゾームを標的とするようになる。タンパク質を一旦単離してしまえばそれ以上の修飾が必要ないため、この方法は簡便さや費用効果などの点で、グリコシル化を伴う方法より多くの利点をもつ。
GILT技術およびGILTタグの詳細な説明は、米国特許出願第20030082176号、同第20040006008号、同第20040005309号、および同第20050281805号に見ることができ、これら全ての教示は全体として、参照することによって本明細書に組み込まれる。
フューリン抵抗性GILTタグ
ライソゾーム蓄積症を治療するためのGILT−タグ化ライソゾーム酵素の開発を行うなかで、IGF−II由来のGILTタグは哺乳類細胞で産生している間にフューリンによるタンパク分解の対象となる場合があることが明らかになってきた(実施例の項を参照のこと)。通常フューリンプロテアーゼは、Xが任意のアミノ酸であるArg−X−X−Arg(配列番号6)という共通配列を有する切断部位を認識・切断する。配列中でこの切断部位は、カルボキシ末端のアルギニン(Arg)残基の後ろに位置している。いくつかの態様においてフューリン切断部位は、Xが任意のアミノ酸であるLys/Arg−X−X−X−Lys/Arg−Arg(配列番号7)の共通配列を有する。配列中でこの切断部位はカルボキシ末端のアルギニン(Arg)残基の後ろに位置している。本明細書で使用する場合「フューリン」という用語は、フューリンまたはフューリン様プロテアーゼなどの、本明細書で定義するフューリンプロテアーゼ切断部位を認識・切断するいかなるプロテアーゼをも指す。フューリンは対合している塩基性アミノ酸切断酵素(PACE)としても知られている。フューリンは、膵島細胞におけるプロインスリンの成熟に関与するプロテアーゼであるPC3などを含む、スブチリシン様プロタンパク質転換酵素のファミリーに属す酵素である。フューリンをコードしている遺伝子はFUR(FES上流領域)として知られていた。
成熟ヒトIGF−IIのペプチド配列を以下に示す。
AYRPSETLCGGELVDTLQFVCGDRGFYFSRPASRVSR↑RSR↑GIVEECCFRSCDLALLETYCATPAKSE(配列番号5)
ここに見られるように、成熟ヒトIGF−IIは34〜40番目の残基(太字と下線でしめした部分)の間に、潜在的な、重複している2つのフューリン切断部位を含有している。矢印は潜在的な2つのフューリン切断位置に挿入されている。
フューリンによる切断に対する抵抗性を有し、その上、マンノース−6−リン酸−非依存性の様式でCI−MPRに結合する能力を有する改変型GILTタグが米国特許第20110223147号に開示されている。具体的には、フューリン抵抗性GILTタグは、1つ以上のフューリン切断部位のアミノ酸配列を、フューリン切断部位を少なくとも1つ消失させるように変異させることで設計することができる。従って、いくつかの態様においてフューリン抵抗性GILTタグは、フューリンプロテアーゼ切断部位を少なくとも1つ消失させるまたは、野生型IGF−IIペプチド(例えば、野生型ヒト成熟IGF−II)と比較して、フューリンによる切断が阻止される、阻害される、低下するまたは遅くなるようにフューリンプロテアーゼ切断部位に隣接している配列を変化させる変異を含有するフューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質である。好適な変異は通常、フューリン抵抗性GILTタグがヒトカチオン非依存性マンノース−6−リン酸受容体に結合する能力には影響を及ぼさない。具体的には、本発明に好適なフューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質は、ヒトカチオン非依存性マンノース−6−リン酸受容体にマンノース−6−リン酸−非依存性の様式で、pHが7.4の場合に10−7M以下(例えば、10−8、10−9、10−10、10−11、またはそれ以下)の解離定数で結合する。いくつかの態様においてフューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIの30〜40番目(例えば、30〜40、31〜40、32〜40、33〜40、34〜40、30〜39、31〜39、32〜39、34〜37、33−39、34〜39、35〜39、36〜39、37〜40番目)のアミノ酸に相当する領域内に変異を含有する。いくつかの態様では、好適な変異は少なくとも1つのフューリンプロテアーゼ切断部位を消失させる。変異は、アミノ酸の置換、欠失、挿入であってよい。例えば、配列番号5の30〜40番目(例えば、30〜40、31〜40、32〜40、33〜40、34〜40、30〜39、31〜39、32〜39、34〜37、33〜39、34〜39、35〜39、36〜39、37〜40番目)の残基に相当する領域に含まれているどれか1つのアミノ酸を別の任意のアミノ酸で置換してもあるいは欠失させてもよい。例えば、34番目の位置を置換すると、第一の切断部位をフューリンが認識する能力に影響を及ぼすだろう。それぞれの認識部位に1つ以上のアミノ酸をさらに挿入することで、一方または両方のフューリン切断部位が消失し得る。縮重している位置の残基を1つ以上欠失させることで、両方のフューリン切断部位が消失し得る。
様々な態様においてフューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIのArg37またはArg40に相当する位置にアミノ酸置換を含有する。いくつかの態様においてフューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質は、Arg37またはArg40の位置にLysまたはAla置換を含有する。37および40番目の両方にLysおよび/またはAla突然変異を組み合わせて入れること、またはLysもしくはAla以外のアミノ酸による置換など、他の置換を行うことも可能である。
様々な態様において本明細書の使用に好適なIGF−II変異型タンパク質は、さらなる変異を含有していてもよい。例えば、配列番号1の30%までの残基または30%以上の残基を変化させてもよい(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%までまたはそれ以上の残基を変化させることができる)。従って、本明細書における使用に好適なIGF−II変異型タンパク質は、成熟ヒトIGF−IIと少なくとも70%、例えば少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一のアミノ酸配列を含む場合がある。
様々な態様において本明細書における使用に好適なIGF−II変異型タンパク質は、CI−MPRを特異的に標的とする。特に有用なのは、CI−MPRに高い親和性(例えば、pHが7.4のときに10〜M以下の解離定数)で結合するが、IGF−IIが結合することが知られている他の受容体に対する結合の親和性が天然のIGF−IIより弱いIGF−IIポリペプチドタンパク質を生じる突然変異である。例えば、本発明に好適なフューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質は、IGF−I受容体に対する結合親和性が、天然に存在するヒトIGF−IIのIGF−I受容体に対する親和性よりも弱くなるように改変することができる。例えば、IGF−IIの残基のうち、27番目のTyrをLeuに、43番目のLeuをValに、または26番目のSerをPheに置換すると、IGF−IIのIGF−I受容体に対する親和性がそれぞれ、94分の1、56分の1、および4分の1に下がる(Torres et al. (1995) J.Mol.Biol. 248(2): 385−401)。ヒトIGF−IIの1〜7番目の残基を欠失させるとヒトIGF−I受容体に対する親和性が30分の1に低下し、同時に、ラットIGF−II受容体に対する親和性が12倍に高まる(Hashimoto et al. (1995) J.Biol.Chem.270(30): 18013−8)。IGF−IIのNMR構造は、7番目のThrが、Phe−48とSer−50残基、およびCys−9−Cys−47ジスルフィド架橋のそばに位置していることを示している。Thr−7とこれら残基との相互作用によってIGF−I受容体との結合に必要な、可動性のN末端ヘキサペプチドを安定化することができるのだろうと考えられる(Terasawa et al. (1994) EMBO J. 13 (23) 5590−7)。同時にこの相互作用は、IGF−II受容体との結合を調節することができる。また、IGF−IIのC末端(残基62〜67)を切断しても、IGF−IIのIGF−I受容体に対する親和性が5分の1に低下するようである(Roth et al. (1991) Biochem. Biophys. Res. Commun. 181 (2): 907−14)。
IGF−Iおよびカチオン非依存性M6P受容体の結合表面は、IGF−II上の別々の表面である。構造および突然変異のデータに基づいて、ヒトIGF−IIよりも実質的に小さい、機能性のカチオン非依存性M6P結合ドメインを構築することができる。例えば、アミノ末端のアミノ酸(例えば、1〜7番目または2〜7番目)および/またはカルボキシ末端の62〜67番目の残基を欠失させるまたは置換することができる。加えて、29〜40番目のアミノ酸も、ポリペプチドの残りの部分の折り畳み構造またはカチオン非依存性M6P受容体への結合を変化させることなく、除去または置換することができるようである。従って、8〜28番目および41〜61番目のアミノ酸を含む標的化部分を構築することができる。これら一連のアミノ酸は、おそらく、直接連結させるかまたはリンカーによって分離させることができるだろう。あるいは、8〜28番目および41〜61番目のアミノ酸を別々のポリペプチド鎖として提供することもできる。IGF−IIと相同で、IGF−IIの構造と密接に関連した三次構造を有するインスリンの対応するドメインについては、それらが別々のポリペプチド鎖として存在していても、適切な三次構造に再折り畳みすることが可能なほどに十分な構造情報がある(Wang et al. (1991) Trends Biochem. Sci. 279−281)。従って、例えば、8〜28番目のアミノ酸またはその保存的置換変異体をライソゾーム酵素に融合させてもよく;生じた融合タンパク質を41〜61番目のアミノ酸またはその保存的置換変異体と混合して、患者に投与してもよい。
また、IGF−IIを、血清IGF−結合タンパク質への結合を最小限に抑えて(Baxter (2000) Am. J. Physiol Endocrinol Metab. 278 (6): 967−76)IGF−II/GILT構築物が分離するのを回避するように改変することもできる。複数の研究では、IGF結合タンパク質との結合に必須のIGF−II中の残基を限局させた。これらの残基中に突然変異を有する構築物を、M6P/IGF−II受容体への高い結合親和性の保持およびIGF結合タンパク質に対する低い親和性に関してスクリーニングすることができる。例えば、IGF−IIのPhe−26をSerに置換すると、IGF−IIのIGFBP−1および−6に対する親和性が低下し、かつ、M6P/IGF−II受容体への結合には何ら影響がないことが報告されている(Bach et al. (1993) J. Biol. Chem. 268 (13): 9246−54)。他の置換、例えばGlu−9をLysに置き換えることも有効な場合がある。これとは別にまたは組み合わせて、IGF−IIにも高度に保存されているIGF−Iの領域中に類似した変異を加えることもIGFとBPとの結合を大きく低下させる(Magee et al. (1999) Biochemistry 38(48): 15863−70)。
別のアプローチでは、M6P/IGF−II受容体と高い親和性で結合することが可能なIGF−IIの最小領域を同定する。M6P/IGF−II受容体との結合に関与していたIGF−IIの残基の多くは、IGF−IIの1つの表面に集まっている(Terasawa et al. (1994) EMBO J. 13 (23): 5590−7)。IGF−IIの三次構造は通常、3つの分子間ジスルフィド結合によって保たれているが、M6P/IGF−II受容体の結合表面にくるアミノ酸配列を含んでいるペプチドを、正確に折りたたまれかつ結合活性をもつように設計することができる。このような最小結合ペプチドが非常に好ましいライソゾーム標的化ドメインである。例えば、好ましいライソゾーム標的化ドメイン、ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸である。48〜55番目のアミノ酸の周辺領域に基づいて設計されたM6P/IGF−II受容体に結合するペプチドも望ましいライソゾーム標的化ドメインである。あるいは、ペプチドの無作為なライブラリーを、酵母2ハイブリッドアッセイまたはファージディスプレー型のアッセイによって、M6P/IGF−II受容体への結合能に関してスクリーニングすることができる。
インスリン受容体に対する結合親和性
フューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質を含む本明細書に記載の多くのIGF−II変異型タンパク質は、インスリン受容体との結合親和性が弱いもしくはインスリン受容体との結合親和性をもたない。従って、いくつかの態様において本発明に好適なペプチドタグは、天然に存在するヒトIGF−IIのインスリン受容体に対する親和性と比較して、インスリン受容体との結合親和性が弱いもしくはインスリン受容体との結合親和性をもたない。いくつかの態様では、インスリン受容体との結合親和性が弱いもしくはインスリン受容体との結合親和性をもたない本発明に好適なペプチドタグとしては、野生型成熟ヒトIGF−IIのインスリン受容体に対する結合親和性の1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、12倍、14倍、16倍、18倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍を上回るかまたは100倍未満のインスリン受容体に対する結合親和性を有するペプチドタグが挙げられる。インスリン受容体に対する結合親和性は、当該分野で知られている様々なインビトロおよびインビボアッセイによって測定することができる。結合アッセイの例を実施例の項に記載している。
突然変異生成
IGF−II変異型タンパク質は、IGF−IIのDNAに適切なヌクレオチドの変更を導入するか、または所望のIGF−IIポリペプチドを合成することによって調製することができる。IGF−II配列の変異型も、例えば、米国特許第5,364,934号などに示されている保存的および非保存的突然変異生成の技術および指針のいずれかを使用して作成することができる。変異型は、IGF−IIをコードしているコドンの1つ以上の置換、欠失または挿入であってよく、これらの置換、欠失または挿入は、IGF−IIのアミノ酸配列を天然に存在する成熟ヒトIGF−IIの配列とは異なるものにする変異である。アミノ酸置換は、1つのアミノ酸を、類似の構造および/または化学特性を有する別のアミノ酸で置き換えた結果、例えばロイシンをセリンで置き換えた結果、つまり保存的アミノ酸置換である可能性がある。アミノ酸置換は、1つのアミノ酸を異なる構造および/または化学特性を有する別のアミノ酸で置き換えた結果、つまり非保存的アミノ酸置換である可能性もある。挿入または欠失は、必要に応じて、1〜5個の範囲のアミノ酸であってよい。許容される変異は、配列中にアミノ酸の挿入、欠失または置換を体系的に作成し、得られた変異体の活性を当該分野で知られているインビボまたはインビトロアッセイ(例えばCI−MPRへの結合アッセイもしくはフューリン切断アッセイ)で試験することによって決定することができる。
スキャニング型のアミノ酸解析を利用して、連続した配列に沿って、1つ以上のアミノ酸を同定することもできる。スキャニングするのに好ましいアミノ酸は、相対的に小さく、中性のアミノ酸である。そのようなアミノ酸としてはアラニン、グリシン、セリン、およびシステインが挙げられる。アラニンはこの群の中でもスキャニングに特に好ましいアミノ酸である。これは、アラニンがβ炭素を超えた場所に側鎖をもたず、かつ、変異体の主鎖の高次構造を変化させない傾向にあるためである。また、アラニンが最も一般的なアミノ酸であることからも特に好ましい。さらに、アラニンは覆われた部位にも露出した部位にも頻繁に見られる[Creighton, The Proteins, (W. H. Freeman & Co., N.Y.); Chothia, J. Mol. Biol., 150:1 (1976)]。アラニン置換によって十分な量の変異体が得られない場合には、アミノ酸異性体を使用することができる。
変異型は、オリゴヌクレオチド介在性(部位特異的)突然変異生成、アラニンスキャニング、およびPCR突然変異生成などの当該分野で知られている方法によって作出することができる。クローニングしたDNAに対し、部位特異的突然変異生成[Carter et al., Nucl. Acids Res., 13:4331 (1986); Zoller et al., Nucl. Acids Res., 10:6487 (1987)]、カセット突然変異生成[Wells et al., Gene, 34:315 (1985)]、制限選択的突然変異生成[Wells et al., Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317:415 (1986]または他の既知の技術を適用してIGF−II変異型タンパク質を作成することができる。
スペーサー
GILTタグは、ライソゾーム酵素のN末端またはC末端に融合させることができる。GILTタグは、ライソゾーム酵素に直接融合させることも、またはリンカーまたはスペーサーを使ってライソゾーム酵素から分離させることもできる。アミノ酸リンカーまたはスペーサーは通常、堅固である、柔軟性をもつ、あるいは2つのタンパク質部分の間にアルファ−ヘリックスなどの構造を挿入するように設計される。リンカーまたはスペーサーは相対的に短くてもよく、例えば、Gly−Ala−Pro(GAP)(配列番号9)、Gly−Gly−Gly−Gly−Ala(GGGGA)(配列番号60)もしくはGly−Gly−Gly−Gly−Ser(GGGGS)(配列番号12)の配列であってよく、またはより長くても、例えば、長さが10〜25のアミノ酸、長さが25〜50のアミノ酸または長さが35〜55のアミノ酸であってもよい。融合させるための結合部分は、折り畳みが正確に進むように、融合パートナー双方の活性、およびペプチドタグがライソゾーム酵素、例えば、α−N−アセチルグルコサミニダーゼから成熟前に分離するのを防ぐことを考慮にいれて選択される。
様々な態様においてスペーサーペプチドはGGGPS(配列番号14)またはGGGSP(配列番号15)アミノ酸配列を1つ以上含み、場合により、さらに、(i)GAP(配列番号9)、(ii)GGGGS(配列番号12)、(iii)GGGS(配列番号16)、(iv)AAAAS(配列番号17)、(v)AAAS(配列番号18)、(vi)PAPA(配列番号19)、(vii)TPAPA(配列番号20)、(viii)AAAKE(配列番号21)または(ix)GGGGA(配列番号60)を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーは、GAP(配列番号9)、GPS(配列番号10)、またはGGS(配列番号11)アミノ酸配列を含む。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGGS(配列番号12)またはGGGS(配列番号16)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGPS(配列番号14)またはGGGSP(配列番号15)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、AAAAS(配列番号17)またはAAAS(配列番号18)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、PAPA(配列番号19)またはTPAPA(配列番号20)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、AAAKE(配列番号21)アミノ酸配列を1つ以上含む。様々な態様においてスペーサーペプチドは、GGGGA(配列番号60)アミノ酸配列を1つ以上含む。
様々な態様においてスペーサーペプチドは、(GGGGS)(配列番号12、56、58、91〜94)、(GGGGS)−GGGPS(配列番号36、95〜100)、GAP−(GGGGS)−GGGPS(配列番号101〜107)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−GAP(配列番号37、108〜113)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号114〜162)、GAP−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号163〜169)、GAP−(GGGGS)−AAAAS−GGGPS−(GGGGS)−AAAA−GAP(配列番号170〜218)、GAP−(GGGGS)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号219〜267)、GAP−(GGGGS)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号268〜316)、GAP−(GGGGS)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)n−(AAAKE)n−(Xaa)n−(GGGGS)−GAP(配列番号544〜551)、(GGGGA)(配列番号60、79、81、317〜320)、(GGGGA)−GGGPS(配列番号321〜326)、GAP−(GGGGA)−GGGPS(配列番号327〜333)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−GAP(配列番号334〜340)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号341〜389)、GAP−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号390〜396)、GAP−(GGGGA)−AAAAS−GGGPS−(GGGGA)−AAAA−GAP(配列番号397〜445)、GAP−(GGGGA)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号446〜494)、GAP−(GGGGA)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号495〜543)、GAP−(GGGGA)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)−(AAAKE)n−(Xaa)−(GGGGA)−GAP(配列番号552〜559)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、ここでnは1〜7である。様々な態様においてnは1〜4である。
様々な態様においてスペーサーは、EFGGGGSTR(配列番号22)、GAP(配列番号9)、GGGGS(配列番号12)、GPSGSPG(配列番号23)、GPSGSPGT(配列番号24)、GPSGSPGH(配列番号25)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPST(配列番号26)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSH(配列番号27)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPS(配列番号28)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPSGAP(配列番号29)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号30)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号32)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号33)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号34)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号35)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号37)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPS(配列番号38)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPSGAP(配列番号39)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号40)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号41)、GGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号42)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号43)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号56)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号57)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号58)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号59)、GGGGA(配列番号60)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPST(配列番号61)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH(配列番号62)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPS(配列番号63)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPSGAP(配列番号64)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号65)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号66)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号67)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号68)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号69)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号70)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号72)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPS(配列番号73)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPSGAP(配列番号74)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPS(配列番号75)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号76)、GGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPS(配列番号77)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号78)、GGGGAGGGGAGGGGA(配列番号79)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号80)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGA(配列番号81)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号82)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号83)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号84)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号85)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号86)、GGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPS(配列番号87)、GAPGGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPGGAP(配列番号88)、GGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPS(配列番号89)、およびGAPGGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPGGAP(配列番号90)からなる群より選択される。
様々な態様においてスペーサーは、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択される。
様々な態様においてスペーサーは、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択される。
本発明の方法および組成物で使用することができる他のGILT−タグ化α−N−アセチルグルコサミニダーゼタンパク質の構築物については米国特許公開第20050244400号および同第20050281805号に記載されており、この両方の開示は参照することにより本明細書に組み込まれる。
細胞
細胞培養およびポリペプチドの発現に感受性のある哺乳類の細胞または細胞型はいずれも、例えば、ヒト胎生腎細胞(HEK)293、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、サル腎(COS)細胞、HT1080細胞、C10細胞、ヒーラ細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、3T3細胞、C127細胞、CV−1細胞、HaK細胞、NS/0細胞、およびL−929細胞は、本発明に従って利用することができる。本発明に従って使用することができる哺乳類細胞の非限定的な例としては、これらには限定されないが、BALB/cマウス骨髄腫系統(NS0/1、ECACC番号:85110503);ヒト網膜芽細胞腫(PER.C6(CruCell、ライデン、オランダ));SV40で形質転換したサル腎臓CV1系(COS−7、ATCC CRL 1651);ヒト胎生腎臓系(懸濁培養にサブクローニングした293または293細胞、Graham et al., J. Gen Virol., 36:59 (1977));ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞+/−DHFR(CHO、Urlaub and Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980);マウスセルトリ細胞(TM4、Mather, Biol. Reprod., 23:243−251 (1980));サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1 587);ヒト子宮頸癌細胞(ヒーラ、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳癌(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細胞(Mather et al., Annals N.Y. Acad. Sci., 383:44−68 (1982);MRC 5細胞;FS4細胞;およびヒト肝癌系(Hep G2)が挙げられる。いくつかの態様において本発明の融合タンパク質は、CHO細胞株から生産する。
本発明の融合タンパク質は、様々な非哺乳類の宿主細胞中で、例えば、昆虫細胞(Sf−9、Sf−21、Hi5など)、植物細胞(マメ、穀類、またはタバコなど)、酵母(出芽酵母、ピキア酵母など)、原核生物(大腸菌、枯草菌や他のバチルス属、シュードモナス属、ストレプトマイセス属など)、または真菌細胞中でも発現させることができる。
いくつかの態様では、フューリン抵抗性GILTタグを含むもしくは含まない融合タンパク質をフューリン欠損細胞内で生産することができる。本明細書で使用する場合「フューリン欠損細胞」という用語は、フューリンプロテアーゼ活性が阻害されている、低下しているまたは除去されているいかなる細胞をも指す。フューリン欠損細胞には、フューリンを産生しないか、または少量のもしくは抑えられた量のフューリンプロテアーゼしか生産しない細胞であれば、哺乳類細胞および非哺乳類細胞の両方が含まれる。当業者に知られており、利用可能なフューリン欠損細胞の例としてはこれらには限定されないが、FD11細胞(Gordon et al (1997) Infection and Immunity 65(8):3370 3375)、およびそれらの変異型細胞(Moebring and Moehring (1983) Infection and Immunity 41(3):998 1009で記載されている)が挙げられる。あるいは、上述した哺乳類細胞および非哺乳類細胞に突然変異生成処理を施し、処理しても生存した細胞を回収し、および緑膿菌外毒素Aに抵抗性をもつ細胞を選択することでフューリン欠損細胞を得ることもできる。突然変異生成処理としては、例えば、放射線、エチジウムブロマイド、臭素化ウリジン(BrdU)などへの暴露があり、好ましくは化学突然変異生成であり、より好ましくはメタンスルホン酸エチル突然変異生成である(Moehring and Moehrin (1983) Infection and Immunity 41(3):998 1009を参照のこと)。
様々な態様では、本明細書に記載のスペーサーを含んでいる特定の標的治療用タンパク質を組換え的に発現させた場合には、異なるスペーサーペプチドを含んでいる標的治療用タンパク質よりも高レベルで活性タンパク質を発現するだろうと想定される。また様々な態様では、本明細書に記載の標的治療用タンパク質は本明細書において、他の標的治療用タンパク質よりも高い活性を有するだろうと想定される。異なるスペーサーペプチドを含んでいる他の標的治療用タンパク質よりも高レベルの活性タンパク質の発現を示すおよび/または高い活性を有している標的治療用タンパク質を以降の実験に用いることを想定している。
治療用タンパク質の投与
本発明によれば、本発明の治療用タンパク質は通常、本明細書に記載したように、単独で、または治療用タンパク質を含んでいる組成物もしくは医薬品として個人に投与される(例えば、疾患の治療用薬物の生産中に)。組成物は、医薬組成物を調製するための生理学的に許容可能な担体または賦形剤と共に製剤化することができる。担体および組成物は無菌的であってもよい。製剤は投与経路に適したものである。
好適な薬学上許容可能な担体としては、これらには限定されないが、水、塩溶液(例えば、NaCl)、生理食塩水、緩衝生理食塩水、アルコール、グリセロール、エタノール、アラビアゴム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(乳糖、アミロースもしくはデンプンなど)、糖(マンニトール、ショ糖、その他など)、デキストロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、流動パラフィン、芳香油、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど、およびそれらの組み合わせが挙げられる。所望ならば、医薬製剤を、活性成分と有害な反応を起こさず、それらの活性を干渉もしない助剤(例えば、滑沢剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に作用する塩、緩衝剤、着色料、香味料および/または芳香性の物質など)と混合することもできる。好ましい態様では、静脈内投与に好適な水溶性の担体を使用する。
所望ならば、組成物または薬物に少量の湿潤剤、乳化剤またはpH緩衝剤を加えることができる。組成物は、液体溶液、懸濁駅、乳剤、錠剤、丸薬、カプセル、持続放出性製剤、または粉末であってよい。組成物は、従来型の結合剤やトリグリセリドなどの担体と共に座剤として製剤化することもできる。経口製剤には、標準的な担体、例えば医薬品等級のマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを加えることができる。
組成物または薬物は、慣習的な手法に従って、ヒトへの投与に適した医薬組成物として製剤化することができる。例えば好ましい態様では、静脈内投与用の組成物は通常、無菌的な等張水性緩衝液を溶剤とした溶液である。必要であれば、組成物に可溶化剤や、注入部位に生じる痛みを緩和するための局部麻酔薬を含めることもできる。一般的に成分は、別々にまたは単位容量形態として混合された形で、例えば、凍結乾燥した粉末もしくは水分を含まない濃縮剤として、密閉した容器、例えばアンプルもしくは活性薬剤の量が示されている小袋に入った状態で供給される。組成物が点滴によって投与される場合には、滅菌した医薬品等級の水、生理食塩水またはデキストロース/水の入った注入用の瓶の中に、成分を分配することができる。組成物が注入によって投与される場合には、投与の前に成分を混合するように、注入用の滅菌水または生理食塩水の入ったアンプルを提供することもできる。
治療用タンパク質は、中性または塩の形態で製剤化することができる。薬学上許容可能な塩としては、遊離アミノ基を含む形で形成された塩、例えば、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来する塩、および遊離カルボキシル基を含む形で形成された塩、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来する塩が挙げられる。
治療用タンパク質(または治療用タンパク質を含有している組成物もしくは薬物)は、任意の適切な経路によって投与される。様々な態様において治療用タンパク質は、静脈内に投与される。他の態様では、治療用タンパク質は標的組織、例えば心臓もしく筋肉または神経系に直接投与される(例えば筋内、脳内、脳室内、髄腔内投与)。様々な態様において治療用タンパク質は、髄腔内に投与される。あるいは、治療用タンパク質(または治療用タンパク質を含有している組成物もしくは薬物)を、非経口的に、経皮的に、または経粘膜的に(例えば、経口的にまたは経鼻的に)投与することもできる。所望ならば、2つ以上の経路を同時に利用してもよい。例えば、治療用タンパク質を静脈内におよび髄腔内に投与する。静脈内および髄腔内の同時投与は、同時に行う必要はなく、順次行ってもよい。
治療用タンパク質(または治療用タンパク質を含有している組成物もしくは薬物)は単独で投与してもよく、または他の薬剤、例えば抗ヒスタミン剤(例えば、ジフェンヒドラミン)または抗GILT−タグ化ライソゾーム酵素抗体を相殺する免疫抑制剤もしくは他の免疫治療薬と共に投与してもよい。「と共に」という用語は、その薬剤が、治療用タンパク質(または治療用タンパク質を含有している組成物もしくは薬物)の前に、それらとほぼ同時に、またはそれらの後に投与されることを示している。例えば薬剤を、治療用タンパク質を含有している組成物と混合し、それによって治療用タンパク質と同時に投与してもよく;あるいは、薬剤を混合せずに同時期に投与することもできる(例えば、治療用タンパク質を投与したのと同じ静脈ラインを使って薬剤を「便乗した(piggybacking)」形で送達する。逆もまた同じ)。別の例では、拓剤を、治療用タンパク質の投与から短時間のうちに(例えば24時間以内に)、けれども別々(例えば混合しないで)に投与することができる。
治療用タンパク質(または治療用タンパク質を含有している組成物もしくは薬物)は治療上有効量で(つまり、定期的に投与すれば、例えば前述したように、疾患に関連のある症状を回復させる、疾患の発症を阻止もしくは遅らせる、および/または疾患症状の重篤度もしくは頻度を低減することによって、疾患を治療するのに十分な用量で)投与される。疾患の治療に効果的な用量は、疾患の作用の特性および程度に依存し、または、標準的な臨床技術によって決定することができる。また場合によっては、当該分野で知られている方法を用いたインビトロまたはインビボアッセイを利用することも、最適な用量範囲の同定に役立つ場合がある。使用する正確な用量もまた、投与経路および疾患の重篤度に依存し、また、主治医の判断や各患者の環境によって決定される。有効な用量は、インビトロでのまたは動物モデルを使った試験システムによって得られた用量反応曲線から補外してもよい。治療上有効な投与量は、例えば、体重1キログラム当たり約0.1〜1mg、約1〜5mg、約2.5〜20mg、約5〜20mg、約20〜50mg、または約20〜100mgまたは約50〜200mg、または約2.5〜20mgになる可能性がある。特定の個人に対する有効な用量は、その個人の必要に応じて、時間と共に変化する可能性がある(例えば、増加するまたは減少する場合がある)。例えば、身体的な症状もしくはストレスの時期には、または病徴が悪化した場合には、投与量を増やすことができる。
治療上有効量の治療用タンパク質(または治療用タンパク質を含有している組成物もしくは薬物)を、疾患の作用の特性および程度によって定期的な投与間隔で、かつ、継続的に投与する。本明細書で使用する場合「間隔をおいて」投与するとは、治療上有効量を周期的に投与することを表す(単回投与と区別する)。間隔は、標準的な臨床技術によって決定することができる。いくつかの態様では、治療用タンパク質を2ヶ月に1回、1ヶ月に1回、1ヶ月に2回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または1日1回投与する。一人の個人に関する投与間隔は固定されている必要はなく、個人への必要性に応じて、時間と共に変更してもよい。例えば、身体的な症状もしくはストレスの時期には、または病徴が悪化した場合には、投与間隔を短くすることができる。
本明細書で使用する場合「2ヶ月に1回」という用語は2月に1回(つまり2ヶ月毎に1回)投与することを意味し;「1ヶ月に1回」という用語は1ヶ月に1回投与することを意味し;「3週間に1回」という用語は3週間に1回(つまり3週間毎に1回)投与することを意味し;「2週間に1回」という用語は2週間に1回(つまり2週間毎に1回)投与することを意味し;「1週間に1回」という用語は1週間に1回投与することを意味し;および「1日1回」という用語は1日に1回投与することを意味する。
本開示はさらに、表示のある容器(例えば、バイアル、瓶、静脈内投与用の袋、シリンジなど)に、ムコ多糖症IIIB型(B型サンフィリポ症候群)を治療するための、例えば本明細書に記載の方法による、組成物の投与方法に関する説明書と共に入った、本明細書に記載の治療用タンパク質を含む医薬組成物に関する。
薬学上許容可能な製剤の髄腔内投与
様々な態様において酵素融合タンパク質は、対象の中枢神経系、例えば脳脊髄液に導入することによって、投与される。本発明の特定の側面では、酵素は髄腔内に、例えば、腰部もしくは大槽に、または脳室内(または側脳室内)的に脳室へと導入される。ライソゾーム酵素を髄腔内投与する方法は米国特許第7,442,372号に記載されており、その全体は参照することにより本明細書に組み込まれる。
当業者であれば、治療用組成物を髄腔内に投与するために使用することができる装置が分かるだろう。例えば、髄膜癌腫症用の薬剤を髄腔内投与するのに一般的に使用されているオンマヤ・リザーバーを使って治療を施してもよい(Ommaya AK, Lancet 2: 983−84, 1963)。より具体的には、この方法では、前角にあけた穴から脳室チューブを挿入し、頭皮の下に設置したオンマヤ・リザーバーに接続する。リザーバーは皮下に埋め込まれ、リザーバーに注入される補充用酵素を髄腔内に送達する。個人に治療用組成物を髄腔内投与するための他の装置は米国特許第6,217,552号に記載されており、これは参照することにより本明細書に組み込まれる。あるいは、組成物を例えば単回注射または持続注入によって髄腔内投与することもできる。当然のことながら、投与治療は単回投与の形態であってもまたは複数回投与の形態であってもよい。
本明細書で使用する場合「髄腔内投与」という用語は、頭蓋穿孔または大槽もしくは腰部穿刺などを介した側脳室(つまり脳室内)注入などの技術によって(Lazorthes et al. Advances in Drug Delivery Systems and Applications in Neurosurgery, 143−192およびOmaya et al., Cancer Drug Delivery, 1: 169−179に記載されており、これらの内容は参照することにより本明細書に組み込まれる)、医薬組成物を対象の脳脊髄液に直接送達することを含むことを意図している。「腰部領域」という用語は、第三腰椎と第四腰椎の間の領域(背下部)を含むことを意図しており、より広義には、脊椎のL2〜S1の領域を含む。「大槽」という用語は、頭蓋と脊椎上部との間の開口から、小脳の周辺および小脳下面の領域を利用することを含むことを意図している。「脳室」という用語は、脊髄の中心管につながっている脳内の空洞を含むことを意図している。医薬組成物を直接注入すること、または注入ポンプを利用することにより、医薬組成物を本発明に従って前述した部位のいずれかに投与することができる。注入用に、本発明の組成物を液体溶液の形態で、好ましくは生理学的に適合する緩衝液、例えばハンクス液、リンガー液またはリン酸緩衝液を使って製剤化することができる。加えて、酵素を固形物として製剤化し、使用直前に再溶解または懸濁することもできる。凍結乾燥した形態もまた含まれる。注入は、例えば、酵素のボーラス注入であってもまたは持続注入(例えば注入ポンプを使った)であってもよい。
本発明の様々な態様では、酵素は対象の脳内への側脳室注入によって投与される。注入は、例えば、対象の頭蓋にあけられた穿孔を介して行うことができる。別の態様では、酵素および/または他の医薬製剤は、対象の脳室に外科的に挿入されたシャンを介して投与される。例えば注入は、より大きな側脳室から行っても良いが、より小さな第三脳室および第四脳室から行うこともできる。
様々な態様において本発明で使用される医薬組成物は、対象の大槽または腰部への注入によって投与される。本発明の方法の別の態様では、薬学上許容可能な製剤によって、持続的な送達が提供される。例えば、酵素または本発明で使用される他の医薬組成物が、対象に薬学上許容可能な製剤を投与した後、少なくとも1、2、3、4週間、またはそれ以上の期間送達される「徐放」が提供される。
様々な態様において治療用融合タンパク質は、脳または脊髄の表面または浅部組織の1カ所以上に送達される。例えば、様々な態様において治療用融合タンパク質は、大脳または脊髄の表面または浅部組織の1カ所以上に送達される。いくつかの態様では、大脳または脊髄のうちの標的とする表面または浅部組織は、大脳表面から4mm以内の場所に位置している。いくつかの態様では、大脳のうちの標的とする表面または浅部組織は、軟膜組織、大脳皮質リボン状組織、海馬、ウィルヒョウ・ロビン腔、VR腔内の血管、海馬、脳下面の視床下部の一部、視神経および視索、嗅球および嗅神経突起、およびそれらの組み合わせから選択される。
いくつかの態様において治療用融合タンパク質は、大脳または脊髄の深部組織の1カ所以上に送達される。いくつかの態様では、大脳または脊髄の中の標的とする表面または浅部組織は大脳表面から4mmを超えて(例えば、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、または10mm)深い(つまり内側の)部分に位置している。いくつかの態様では、大脳の中の標的とする深部組織には、大脳皮質のリボンが含まれる。いくつかの態様では、大脳の中の標的とする深部組織には、間脳(例えば、視床下部、視床、腹側視床、視床腹部など)、後脳、レンズ核、基底核、尾状核、被殻、扁桃体、淡蒼球のうちの1カ所以上、およびそれらの組み合わせが含まれる。
様々な態様において脊髄の中の標的とする表面または淡い組織には、軟膜および/または白質の索が含まれる。様々な態様において脊髄の中の標的とする深部組織には、灰白質および/または上衣細胞が含まれる。いくつかの態様において治療用融合タンパク質は、脊髄のニューロンに送達される。
様々な態様において治療用融合タンパク質は、小脳の1カ所以上の組織に送達される。一定の態様では、小脳の中で標的とする1カ所以上の組織は、分子層の組織、プルキンエ細胞層の組織、顆粒細胞層の組織、脳脚、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの態様では、治療薬(例えば酵素)は、小脳の深部組織のうちの1カ所以上に送達され、そのような組織には、これらには限定されないが、プルキンエ細胞層の組織、顆粒細胞層の組織、深部小脳白質組織(例えば、顆粒細胞層よりも深い部分にある組織)、および深部小脳核組織が含まれる。
様々な態様において治療用融合タンパク質は、脳幹の1カ所以上の組織に送達される。いくつかの態様では、脳幹の中で標的とされる1カ所以上の組織には、脳幹白質組織および/または脳幹核組織が含まれる。
様々な態様において治療用融合タンパク質は、灰白質、白質、質周囲、軟−くも膜、髄膜、新皮質、小脳、大脳皮質の深部組織、分子層、尾状核/被殻領域、中脳、脳橋もしくは髄質の深部領域、およびそれらの組み合わせを含むがこれらには限定されない、脳の様々な組織に送達される。
様々な態様において治療用融合タンパク質は、ニューロン、グリア細胞、血管周囲細胞および/または髄膜細胞を含むがこれらには限定されない、脳の様々な細胞に送達される。いくつかの態様では、治療用タンパク質は深部白質の乏突起膠細胞に送達される。
本発明の方法において使用されるキット
本発明の方法で使用する薬剤をキットとして提供してもよく、このキットはさらに使用説明書を含んでいてもよい。そのようなキットは、ライソゾーム蓄積症の治療に使用するための酵素を含んでいる本明細書に記載の融合タンパク質およびライソゾーム標的化部分を、一般に、宿主への投与に好適な用量および形態で含んでいるだろう。様々な態様においてキットは、通常、酵素を髄腔内送達するための装置を含むだろう。
またキットは、治療用組成物を生成する目的で、抗原、特にポリペプチド抗原を高取り込み部分に抱合させるために提供される場合もある。例えば、上述したような、ポリペプチドを連結するのに好適なリンカーに抱合されたIGF−II変異型タンパク質などの部分を提供することができる。高取り込み部分は抱合していない形で、好適なリンカーと、使用説明書と共に提供することもできる。
別のキットには、治療用組成物に加えて、本発明の治療用組成物を髄腔内投与するための説明を含めてもよい。一定の態様において本発明のキットは、本発明の治療用組成物を予め充填しておいた、酵素補充療法の髄腔内投与用のカテーテルまたは他の装置を含んでいる場合がある。具体的には、例えば、ライソゾーム酵素とライソゾーム標的化部分、例えばNagluとIGF−II変異型タンパク質を薬学上許容可能な製剤中に含んでいる治療用融合タンパク質を0.001〜0.01mg、0.01〜0.1mg、0.1〜1.0mg、1.0〜10mg、10〜100mg、またはそれ以上の量、予め充填しておくカテーテルを検討する。例示的なカテーテルは、使用後に廃棄することができる使い捨てのカテーテルであってもよい。あるいは、充填済みカテーテルは再充填が可能で、それらのカテーテルに再充填するのに適切な量の酵素が入ったキットに含まれているものであってもよい。
以下の実施例によって、本発明をさらにかつより具体的に説明する。しかしながら実施例は例示する目的のために含まれるのであって、本発明を限定するものではない。
実施例1−スペーサー配列の生成
GILTタグとスペーサーを含んでいるライソゾーム酵素は、米国特許出願第20030082176号、同第20040006008号、同第20040005309号および同第20050281805号で開示されている。スペーサーペプチドを含んでいるα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)融合タンパク質は米国特許出願第201120232021号で開示されている。ライソゾーム酵素を含んでいる標的治療用融合タンパク質で使用するためのさらなるスペーサーペプチドおよびGILTタグを以下のように開発した。
IGF−II変異型タンパク質とフューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質を連結するためにスペーサーを開発することができる。スペーサーの例としては以下のアミノ酸配列が挙げられる:EFGGGGSTR(配列番号22)GAP(配列番号9)、GGGGS(配列番号12)、GGGGA(配列番号60)、GPSGSPG(配列番号23)、GPSGSPGT(配列番号24)、GPSGSPH(配列番号25)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPST(配列番号26)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSH(配列番号27)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH(配列番号62)。
スペーサー、完全長Naglu(シグナル配列を含む)およびIGF−IIペプチドを含んでいる構築物を生成した。ここで、スペーサー配列(EFGGGGSTRスペーサー(配列番号22)、GAPスペーサー(配列番号9)、GGGGSスペーサー(配列番号12)、GPSGSPGスペーサー(配列番号23)、またはGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSスペーサー(配列番号36))を完全長NagluとIGF2 8〜67 R37A(配列番号560〜564)との間に挿入した。
Schellenbergerら(Nat Biotech 27:1186−1190, 2009)によって記載されているXTEN方法に基づき、さらなるリンカーを作成した。XTEN様リンカーを使用すると、他のリンカーを使用した場合と被殻して、生成された融合タンパク質の半減期が長くなる場合がある。スペーサーの例は、以下のアミノ酸配列を有する:GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、およびGAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)。スペーサーはNagluとIGF−2変異型タンパク質との間に挿入することができる。場合により、構築物のAscI部位を介して挿入することができる。
タンパク質の発現は、特定のアミノ酸をコード化するのに使用したDNAコドンと関連していた。例えば、あるアミノ酸に関するコドンを変更すると、タンパク質のアミノ酸配列を変えることなく、そのタンパク質の発現量を増やすことができる(Trinh et al, Mol. Immunol 40:717−722, 2004)。ペプチドをコードしているコドンを変更することで、組換え融合タンパク質の生産レベルが高まった。この技術を利用して、治療用融合タンパク質で使用するためのさらなるスペーサー配列、例えばGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号56)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号57)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号58)およびGAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号59)。Additionalスペーサー配列areGGGGAGGGGAGGGGA(配列番号79)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号80)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGA(配列番号81)およびGAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号82)を開発した。これらのスペーサーのうちのいずれか1つをNagluとIGF−II変異型タンパク質の間に、場合により構築物のAscI部位を介して、挿入する。
硬性に着よする複数のプロリンを含む強固なリンカーの例としては、以下の配列を有するリンカーが挙げられる:GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、またはGAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)。一方、らせん状リンカーの例としては、以下の配列を有するリンカーが挙げられる:GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、またはGAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)。これらのスペーサーのうちのいずれか1つをNagluとIGF−II変異型タンパク質の間に、場合により構築物のAscI部位を介して、挿入する。
DNA 2.0(メンロパーク、カリフォルニア)によって開発された技術を利用したコドン最適化を使い、さらなるスペーサーを生成することができる。想定されるスペーサーとしては、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号32)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号33)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPS(配列番号28)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPSGAP(配列番号29)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号30)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号34)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号35)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号37)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPS(配列番号38)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPSGAP(配列番号39)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号40)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号41)、GGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号42)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号43)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号67)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号68)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPS(配列番号63)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPSGAP(配列番号64)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号65)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号66)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号69)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号70)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号72)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPS(配列番号73)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPSGAP(配列番号74)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPS(配列番号75)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号76)、GGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPS(配列番号77)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号78)、GGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPS(配列番号87)、GAPGGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPGGAP(配列番号88)、GGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPS(配列番号89)、およびGAPGGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPGGAP(配列番号90)が挙げられる。これらのスペーサーのうちのいずれか1つをNagluとIGF−II変異型タンパク質の間に、場合により構築物のAscI部位を介して、挿入する。
一定の態様においてBM−40細胞外マトリックスタンパク質シグナルペプチド配列(Nischt et al., Eur J. Biochem 200:529−536, 1991)が使用される場合、構築物中のNagluは、Nagluのシグナルペプチド配列を含まない。スペーサーが、Naglu配列とIGF−II変異型タンパク質配列(例えば、IGF2 8〜67 R37A)との間に挿入される。BM−40シグナルペプチド配列の例にはMRAWIFFLLCLAGRALA(配列番号8)がある。クローニングとAscI部位の付加を促進するために、GAPペプチドをスペーサーに付加することもできる。一定の態様において天然のNagluシグナルペプチド配列(Weber et al., Hum Mol Genet. 5:771−777, 1996)が使用される場合には、Nagluは完全長Nagluであり、かつ、スペーサーが完全長NagluとIGF−II変異型タンパク質配列(例えば、IGF2 8〜67 R37A)との間に挿入される。クローニングとAscI部位の付加を促進するために、GAPペプチドをスペーサーに付加することができる。
例示的な構築物では、DNA 2.0技術を利用してヒトNagluの「コドン最適化」を行った。NagluはヒトNagluの1〜743番目のアミノ酸または24〜743番目のアミノ酸を含んでいると想定している。例示的な構築物では、スペーサーは場合によって、GAPスペーサー(クローニングにAscI制限酵素部位を使用する)または以下の配列のうちのいずれかを含む:EFGGGGSTR(配列番号22)、GAP(配列番号9)、GGGGS(配列番号12)、GPSGSPG(配列番号23)、GPSGSPGT(配列番号24)、GPSGSPGH(配列番号25)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPST(配列番号26)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSH(配列番号27)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPS(配列番号28)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPSGAP(配列番号29)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号30)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号32)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号33)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号34)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号35)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号37)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPS(配列番号38)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPSGAP(配列番号39)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号40)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号41)、GGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号42)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号43)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号56)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号57)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号58)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号59)、GGGGA(配列番号60)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPST(配列番号61)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH(配列番号62)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPS(配列番号63)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPSGAP(配列番号64)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号65)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号66)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号67)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号68)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号69)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号70)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号72)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPS(配列番号73)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPSGAP(配列番号74)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPS(配列番号75)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号76)、GGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPS(配列番号77)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号78)、GGGGAGGGGAGGGGA(配列番号79)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号80)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGA(配列番号81)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号82)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号83)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号84)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号85)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号86)、GGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPS(配列番号87)、GAPGGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPGGAP(配列番号88)、GGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPS(配列番号89)、およびGAPGGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPGGAP(配列番号90)。必要に応じ上述したスペーサーを、DNA 2.0技術を使って「コドン最適化」する。
DNA 2.0技術を利用し、必要に応じて「コドン最適化」した本明細書に記載のIGF−II変異型タンパク質はいずれも、本構築物において有用である。例示的な構築物では、IGF−II変異型タンパク質はフューリン抵抗性IGF−II変異型タンパク質、IGF2 Δ8−67 R37Aである。
実施例2−構築物の発現および精製
上述のスペーサー、Naglu酵素およびIGF−II標的化ペプチドを含んでいる構築物を作成し、組換え的に発現させる。一定の態様では、この構築物はシグナルペプチドを含む。シグナルペプチドの例としては、例えば、完全長Nagluの1〜23番目のアミノ酸を含んでいるNagluシグナルペプチド(Weber et al., Hum Mol Genet 5:771−777, 1996)またはBM−40細胞外マトリックスタンパク質由来のシグナルペプチド(Nischt et al., Eur J Biochem 200:529−536, 1991)が挙げられるがこれらには限定されない。
Naglu配列、IGF−II変異型タンパク質およびスペーサーペプチドをコードしているDNAを適切な発現ベクターに、例えばpEEおよびpXC GS発現ベクター(LonzaBiologics、バークシャー、英国)およびpC3B(BioMarin、社内)発現ベクターに挿入する。本明細書に記載の治療用融合タンパク質のクローニングを補助する目的で、AscI制限酵素部位(ggcgcgcc(配列番号570))を1つ、ベクターに挿入してもよい。
例示的な構築物は、シグナルペプチドとスペーサーペプチド(図3)を含む完全長Naglu配列(図1および図2)ならびに8〜67番目の残基を含むIGF−IIペプチドを含む。ここでIGF−IIペプチドには、このIGF−IIペプチドにフューリン抵抗性を付与するR37Aの置換を、つまり37番目のアルギニンがアラニンになるアミノ酸置換を含んでいる(図1および2)。
実施例1に示した、NagluとIGF−IIペプチドを繋いでいる様々なリンカーまたはスペーサー配列を最初に、一過的な発現系を使って評価する。GILT−タグ化Nagluプラスミド(pXC17.4、Lonza)を、懸濁培養しておいたCHOK1SV GS KO細胞(Lonza)に導入する。エレクトロポレーションにより、15μgのプラスミドDNAを10個の細胞に導入する。導入の24時間後に、培地を全て交換する。導入した細胞を選別せずに、1.5×10個細胞/mlずつ、振とう培養用のフラスコに播種する。30℃で培養した細胞の増殖、生存率、力価および特定の生産性を14日間測定する。
GILT−タグ化Nagluプラスミドを懸濁培養しておいたCHOK1SV細胞(Lonza)に導入する。細胞を、6mMのグルタミンを添加したCDCHO培地(インビトロジェン)を入れたフラスコ中、37℃、8%COの条件で振とう培養する。エレクトロポレーションにより、30μgの直線化したプラスミドDNAを1×10個の細胞に導入する。導入の48時間後に、細胞を、40μMのMSXを添加したCDCHO培地を入れた1ウェルにつき、5000個細胞ずつプレーティングする。プレートを37℃、8%COの条件でおよそ4〜6週間インキュベートし、クローンの成長を同定する。その後、Nagluに関する4MU活性アッセイ(実施例3を参照のこと)でコロニーをスクリーニングし、最も発現量の高いコロニーを、40μMのMSXを添加したCDCHO培地の入った24ウェルプレートに移し、最も発現量の高いクローンを6ウェルプレートに継代し続け、その後、振とう培養用フラスコに継代して、GILT−タグ化Naglu融合タンパク質を生産するために、最も発現量の高いクローンを同定する。
標準的なタンパク質精製技術により、精製を行う。例えば、例示的な精製法では、上述したもののような、−80℃で保存しておいた哺乳類の細胞培養上清などの出発材料を解凍する。この材料をNaClで最終濃度が1Mになるように調製し、その後、0.2μmのフィルターを用いて濾過滅菌する。
濾過した材料を、予めブチルローディング緩衝液(20mMのトリス、1MのNaCl、pH7.5)で平衡化しておいたブチル疎水性相互作用カラムに負荷する。結合した材料を、カラムの10倍容量のブチル溶出緩衝液(20mMのトリス、pH7.5)で、直線勾配をかけて溶出する。溶出ピーク由来の試料をたくわえ、緩衝液を20mMのトリス(pH7.5)に置換して、Q陰イオン交換カラムに負荷する。次いで、結合したタンパク質をカラムの10倍容量のQ溶出緩衝液(20mMのトリス、1MのNaCl、pH7.5)で直線勾配をかけて溶出する。その後、遠心濃縮機を使って精製した試料の緩衝液を交換し、濾過滅菌して保存する。
例示的なNaglu融合タンパク質(Naglu−(GGGGS)GGGPS−IGF−II、配列番号568)の構築、発現、生産、精製および製剤化。Naglu−(GGGGS)GGGPS−IGF−II(配列番号568)をコードしているDNA構築物を標準的な組換えDNA法で生成した。Nagluは完全長ヒトNagluの1〜743番目のアミノ酸に相当し、IGF−IIは成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸を含み、フューリン抵抗性を付与するR37Aアミノ酸置換を有するIGF−II変異型タンパク質に相当する。上述したようにCHOK1SV細胞にこのDNA構築物を導入し、安定なGILT−タグ化Naglu−IGF−II融合タンパク質を発現しているクローンを単離した。
Naglu−(GGGGS)GGGPS−IGF−II(配列番号568)を発現している細胞をバイオリアクター中で生育させ、以下のように培地からNaglu融合タンパク質を精製した。回収した細胞の塩濃度を1MのNaClに調整し、ブチルセファロース4FFカラムに負荷した。ブチルセファロース4FFカラムからNaglu融合タンパク質を塩で溶出し、回収・透析し、その後、ヘパリンセファロース6FFカラムに負荷した。Naglu融合タンパク質をフロースルーの画分に回収し、QセファロースHPカラムに負荷した。Naglu融合タンパク質をQセファロースHPカラムから塩で溶出・濃縮し、その後、分取セファクリルS300サイズ排除クロマトグラフィーで仕上げた。
この精製手順により、高度に精製し、酵素活性を有するNaglu融合タンパク質、Naglu−(GGGGS)GGGPS−IGF−II(配列番号568)、を生産した。人工CSF(1mMのリン酸ナトリウム、148mMの塩化ナトリウム、3mMの塩化カリウム、0.8mMの塩化マグネシウム、1.4mMの塩化カルシウム、pH7.2)を使い、精製したNaglu融合タンパク質を20mg/mLの濃度に製剤化した。
例示的なNaglu融合タンパク質の構築、発現、生産、精製および製剤化。Naglu−(GGGGA)GGGPS−IGF−II(配列番号569)、Naglu−強固な構造−IGF−II(配列番号566)、Naglu−らせん−IGF−II(配列番号567)、およびNaglu−XTEN−IGF−II(配列番号565)をコードしているDNA構築物を標準的な組換えDNA法で生成した。Nagluは完全長ヒトNagluの1〜743番目のアミノ酸に相当し、IGF−IIは成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸を含み、フューリン抵抗性を付与するR37Aアミノ酸置換を有するIGF−II変異型タンパク質に相当する。らせん、強固な構造およびXTENリンカーの例は実施例1に記載している。上述したように、CHOK1SV細胞にこれらのDNA構築物を導入し、安定なGILT−タグ化Naglu−IGF−II融合タンパク質を発現しているクローンを単離した。
Naglu−IGF−II融合タンパク質を発現している細胞をバイオリアクター中で生育させた。典型的な生産バッチでは(10〜16日間)、様々なリンカーを有するNaglu−IGF−II構築物は全て、30mg/Lを上回る力価と、80%を超える生存率に達した。
上述したように、Naglu融合タンパク質を培地から精製した。この精製手順により、酵素活性を有するタグ化の無いNagluおよびNaglu−IGF−II融合タンパク質、例えばNaglu−強固な構造−IGF−II(配列番号566)、Naglu−らせん−IGF−II(配列番号567)、Naglu−XTEN−IGF−II(配列番号565)およびNaglu−(GGGGA)GGGPS−IGF−II(配列番号569)を、逆相HPLCで測定した場合におよそ99%の純度で精製することができた。精製した未タグ化NagluおよびNaglu融合タンパク質を人工CSF(1mMのリン酸ナトリウム、148mMの塩化ナトリウム、3mMの塩化カリウム、0.8mMの塩化マグネシウム、1.4mMの塩化カルシウム、pH7.2)を使い、20mg/mLの濃度に製剤化した。
異なるスペーサーペプチドを含んでいる融合タンパク質と比較した場合に、より高レベルで活性タンパク質の組換え的な発現を示すおよび/または向上した酵素活性を示す本明細書に記載の融合タンパク質を、以後の実験、例えば以下に示す活性アッセイ、結合アッセイ、取り込みアッセイおよびインビボでの活性アッセイに用いてもよいことが想定される。
実施例3−活性アッセイ
Naglu融合タンパク質の酵素活性を決定するために、インビトロにおけるNaglu活性アッセイを蛍光標識した合成基質を用いて行う。
アッセイには以下の材料を使用した:10%のDMSOを含むアッセイ緩衝液(0.2Mの酢酸ナトリウム、1mg/mlのBSAは含む場合と含まない場合がある、および0.005%のツイーン20、pH4.3〜4.8)で最終濃度が20mMになるように調整し、−80℃で保存した4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−α−D−グルコサミニド(4MU−NaGlu基質)(Calbiochem、カタログ番号474500)。4−メチルウンベリフェロン(4−MU標準物質)(Sigma、カタログ番号M1381)のストック溶液はDMSOを溶媒として10mMになるように調整し、小分けにして−20℃で保存する。rhNaglu−His6対照(0.5mg/ml、R&D Systems、カタログ番号7096−GH)は25mMのトリス、125mMのNaCl、0.001%のツイーン20、pH7.5で10μg/mlに希釈し、小分けにして−80℃で保存する。
透明な96ウェルの希釈プレート中で(Granger)、希釈緩衝液(1×PBS、1mg/mlのBSAは含む場合と含まない場合がある、0.005%のツイーン20、pH7.4)を用い、標準物質を200μMから1.563μMに2倍段階希釈し、ブランクを1つ用意する。透明な希釈プレート中で、試料を段階希釈して(希釈緩衝液を使う)、検量線の範囲内に確実に入るようにする。
10μlの標準物質(200μM〜1.563μM)、対照および見本試料を黒色の未加工ポリスチレン96ウェルプレート(Costar、カタログ番号3915)に移す。75μlの基質(2mM)をそれぞれのウェルに加え、37℃で30分間インキュベートする。その後、200μlの停止緩衝液(0.5Mのグリシン/NaOH、pH10.7)を加えることで反応を停止させる。96ウェルの蛍光プレートリーダーを使い、励起355、発光460、カットオフ455でプレートを測定する。

このアッセイによりNaglu−(GGGGS)GGGPS−IGF−II(配列番号568)、Naglu−(GGGGA)GGGPS−IGF−II(配列番号569)、Naglu−強固な構造−IGF−II(配列番号566)、Naglu−らせん−IGF−II(配列番号567)、およびNaglu−XTEN−IGF−II(配列番号565)などの例示的なNaglu融合タンパク質がインビトロで酵素活性を有すること、人工の4MU−Naglu基質に対するNaglu融合タンパク質の特異的な活性はおよそ175,000〜およそ220,000nmol/時/mgであることが示された。これらNaglu融合タンパク質の酵素活性は未タグ化Nagluタンパク質の活性(およそ190,000nmol/時/mg)と同等であった。例示的なNaglu融合タンパク質に関する酵素活性データを表1に示す。
Figure 2016505539
実施例4−結合アッセイ
Naglu融合タンパク質とIGF−I、IGF−IIおよびインスリン受容体との結合を測定するために、基本的には米国特許第20120213762号に記載されている方法に従って、結合アッセイを行う。簡単に説明すると、プレートに結合させたインスリンとビオチン化インスリンとの結合に関する競合を測定するアッセイで、融合タンパク質構築物のインスリン受容体への結合親和性を試験する。インスリン受容体結合アッセイは、インスリン受容体(インスリン−R)とビオチン化インスリンとの結合をインスリン、IGF−II、および融合タンパク質を使って競合することで実施する。
具体的には、白色のリアクチバインド(Reacti−Bind)プレートを濃度1μg/ウェル/100μl(38.4nM)のインスリン−Rでコーティングする。コーティングしたプレートを室温で一晩インキュベートし、その後、洗浄用緩衝液(300μl/ウェル)で3回洗浄する。次いでプレートをブロッキング緩衝液(300μl/ウェル)で1時間ブロッキングする。洗浄の工程を繰り返し、溶液からの残留物を全て除去する。20nMのビオチン化インスリンと、段階希釈による種々の濃度のインスリン、IGF−II、または融合タンパク質を混合する。20nMのインスリン−ビオチンで希釈したインスリン、IGF−II、またはNaglu融合タンパク質100μlをコーティングしたプレートに加え、プレートを室温で2時間インキュベートする。その後、プレートを洗浄用緩衝液で3回洗浄する。100μlのストレプトアビジン−HRP作業溶液(10mlのブロッキング緩衝液に50μlのストレプトアビジン−HRPを溶解したもの)をプレートに加え、プレートを室温で30分間インキュベートする。Elisa−Pico化学発光基質を含むElisa−Pico作業溶液(100μl)を加え、化学発光を425nmで測定する。
IGF2R競合結合アッセイ
Naglu融合タンパク質構築物がIGF−II受容体に結合する能力を測定するために競合結合アッセイを行う。IGF−IIの結合に関与するIGFIIRの断片(ドメイン10〜13、タンパク質1288と命名する)で96ウェルプレートをコーティングする。ビオチン化IGF−IIを過剰量の競合剤(対照のIGF−II(ビオチン化されていない)またはIGF−II−由来のGILTエピトープタグを有する融合タンパク質試料のいずれか)存在下で受容体と共にインキュベートする。受容体に結合したビオチン化IGF−IIを西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合型ストレプトアビジンおよび化学発光HRP基質で検出する。融合タンパク質がビオチン化IGF−IIとIGFIIRとの結合を阻害する能力を阻害曲線から算出し、IC50値(50%結合阻害を達成するのに必要とされる濃度)として報告する。
このアッセイを行うために、白色のリアクチバインド(Pierce、カタログ番号437111)を、コーティング緩衝液に溶解したIGFIIR(0.5μg/ウェル、容量100μl、1ウェルあたり69.6nM)でコーティングする。プレートを密閉し、室温で一晩インキュベートする。その後プレートを洗浄用緩衝液で3回洗浄し、ブロッキング緩衝液でブロッキングし、さらに3回洗浄用緩衝液で洗浄する(300μl/ウェル)。
次に、8nMのIGF−II−ビオチンを種々の濃度の競合剤(IGF−II(非ビオチン化)、参照タンパク質、またはNaglu融合タンパク質試料と混合し、2倍段階希釈しながらIGFIIRをコーティングしたプレートに加える。
プレートを室温で2時間インキュベートし、その後、洗浄用緩衝液で3回洗浄する。ブロッキング緩衝液でストレプトアビジン−HRPを調整し(1:200希釈)、プレートの1ウェル当たり100μlを加える。Pico−Elisa試薬を使用し、ストレプトアビジン−HRPを介してIGF−IIビオチン結合活性を検出する。簡単に説明すると、調整したPico−Elisa作業溶液をウェルに加え(1ウェルあたり100μl)、室温で5分間、ゆっくりと振とうしながらインキュベートし、その後、425nmで化学発光を測定する。
各試料のIC50を、種々の濃度の阻害剤に関するIGF−II−ビオチン結合のパーセンテージから算出する。
この競合IGFIIR結合アッセイから、Naglu−(GGGGS)GGGPS−IGF−II(配列番号568)、Naglu−(GGGGA)GGGPS−IGF−II(配列番号569)、Naglu−強固な構造−IGF−II(配列番号566)、Naglu−らせん−IGF−II(配列番号567)、およびNaglu−XTEN−IGF−II(配列番号565)などの例示的なNaglu融合タンパク質が0.23〜0.36nMのIC50値を有することが分かった。このアッセイでは、未タグ化Nagluタンパク質の結合は検出できなかった。例示的なNaglu融合タンパク質のIGF2R競合結合データを表1に示す。
実施例5−取り込みアッセイ
ライソゾーム蓄積症酵素が受容体介在性エンドサイトーシスによって細胞に進入する能力を測定するために、CI−MPR受容体を使用し、ラットL6筋芽細胞またはヒトMPS IIIB線維芽細胞での酵素の取り込みを測定する取り込みアッセイを行う。CI−MPR受容体との結合部位を決定するための阻害剤として、マンノース−6−リン酸(M6P)とIGF−IIを使用する。データを収集して、酵素の取り込みに関する飽和曲線を生成し、その過程における動力学的指標、K取り込みを決定する。
取り込みアッセイの前に(24時間)、L6細胞(L6ラット筋芽細胞、ATCC#CRL−1458)またはヒトMPS IIIB線維芽細胞を24−ウェルプレート(VWR#62406〜183)の1ウェルにつき、1×10個細胞の密度でプレーティングし、1ウェルあたり0.5mlずつ播種する。アッセイ当日の朝クリーンベンチで、酵素を取り込み培地(1LのDMEM、1.5g重炭酸ナトリウム、0.5gウシ胎仔血清、20mlのL−グルタミン(200mM(Gibco#25030〜081))、1MのHEPES(20ml、Gibco#1563080))(20mM最終濃度)、pH7.2)と混合する。酵素量は2〜500nMの範囲になり得る。取り込み培地と酵素を合わせた最終量は1ウェルあたり0.5mlである。M6P(最終濃度5mM)および/またはIGF−II(最終濃度2.4μMまたは18μg/ml)を適切な試料に加える。取り込みを阻害するには、18μlのIGF−IIストック(1mg/ml、133.9μM)を1mlの取り込み培地に加える。
細胞の入ったウェルから成長培地を吸引し、取り込み緩衝液に溶解した0.450mlの酵素を各ウェルに加える。時間を記録し、細胞をインキュベーターに戻して18時間置く。プレートをインキュベーターから取り出し、取り込み緩衝液を細胞から吸引して除去する。0.5mlのダルベッコPBSを加え、その後吸引する工程をくり替えし、プレートを4回洗浄する。200μlのCelLytic M溶解緩衝液(Sigma)をプレートに加え、室温で20〜30分間撹拌する。溶解物を細胞から除去し、テープで覆った透明の96ウェルプレート(VWR)中、−80℃でアッセイの準備ができるまで保存する。
酵素アッセイには、15μlの酵素反応混合物(例えば、Naglu+4MUアッセイ)を黒色の96ウェルプレート(VWR)に加えることで、それぞれの溶解物5μlを2つ組にして加え(上記参照)、各溶解物について、酵素/単位/ml/時間を決定する。
溶解タンパク質アッセイでは、各溶解物を10μlずつ2つ組にし、Pierce BCAタンパク質アッセイキットを製造業者の説明に従って使用してアッセイを行う。吸光度を測定するために、プレートリーダー(BMG FluoStar Optimaプレートリーダー)を使って562nmの吸光度を測定し、ug/ml濃度を決定する。
負荷した各酵素について、取り込みは溶解物の酵素活性/mgの単位となる。取り込みを決定するためには、酵素単位/mlをタンパク質ug/mlで除算し、1000をかける(ブランクのウェルの取り込みの値は引いておく)。阻害剤を入れたまたは入れていないアッセイの結果を比較し、受容体の取り込み特性を決定する。
飽和曲線を作成するためには、0.2〜100nMの範囲の10種類の濃度の酵素を負荷し、上述したアッセイによって飽和曲線を生成する。
このアッセイから、例示的なNaglu融合タンパク質、Naglu−(GGGGS)GGGPS−IGF−II(配列番号568)、のMPS IIIB線維芽細胞中でのK取り込みが7〜9nMであることが分かった。
あるいは、取り込みアッセイの前に(24時間)、L6細胞またはヒトMPS IIIB線維芽細胞を24ウェルプレートに1×10個細胞の密度で、1ウェルあたり0.5mlずつプレーティングする。酵素試料を1.6〜50nMになるように、取り込み培地(1LのDMEM、1.5g重炭酸ナトリウム、0.5gウシ胎仔血清、20mlの200mM L−グルタミンおよび20mlの1M HEPES、pH7.2)を使って調整する。取り込みの阻害をアッセイするには、M6P(最終的に5.0mMまで)および/またはIGF−II(最終的に1.0μMまで)を適切な試料に加える。
成長培地を細胞から吸引し、取り込み緩衝液に溶解して調整した酵素0.5mlと置き換える。4時間インキュベートした後、0.5mlのダルベッコPBSでプレートを2回洗浄する。プレートに100μlのM−PER溶解緩衝液(Pierce)を加え、室温で10分間撹拌する。アッセイの準備ができるまで、溶解物を−80℃で保存する。
酵素アッセイ、各溶解物を10μlずつ2つ組にして黒色の96ウェルプレートに入れる(上記参照)。
溶解タンパク質アッセイでは、各溶解物を10μlずつ2つ組にし、Pierce BCAタンパク質アッセイキットを製造業者の説明に従って使用してアッセイを行う。プレートリーダー(BMG FluoStar Optimaプレートリーダー)を使って562nmの吸光度を測定し、BSAを基準としてμg/ml濃度を決定する。
負荷した各酵素について、取り込みは、30分間の間に遊離した4−MUのナノモル(nmole)で表される。飽和曲線を作成するためには、1.6〜50nMの範囲の濃度の酵素を用い、上述したアッセイによって飽和曲線を生成する。
Naglu融合タンパク質の細胞内での安定性を、Nagluの細胞内活性をおよそ8日間追跡することで決定した。ヒトMPS IIIB線維芽細胞を24ウェルプレート(VWR#62406〜183)に1ウェルあたり1×10個細胞の密度でプレーティングし、最終濃度20nMのNaglu融合タンパク質で4時間処理する。4時間インキュベートした後、細胞をNaglu融合タンパク質の入っていない成長培地に入れ替える。各時点で(4時間目、28時間目、4日目、6日目および8日目)、細胞を100μlのM−PER溶解緩衝液(Pierce)にいれ、室温で10分溶解し、4−MUで標識した基質を使って酵素活性をアッセイした。8日間にわたって見られたNaglu活性の低下を一次速度側にあてはめ、このタンパク質の細胞内での半減期を概算することができる。
このアッセイにより、Naglu−(GGGGS)GGGPS−IGF−II(配列番号568)、Naglu−(GGGGA)GGGPS−IGF−II(配列番号569)、Naglu−強固な構造−IGF−II(配列番号566)、Naglu−らせん−IGF−II(配列番号567)、およびNaglu−XTEN−IGF−II(配列番号565)などの例示的なNaglu融合タンパク質が、およそ2.3〜6.3nMのK取り込み値でMPS IIIB線維芽細胞に取り込まれることが分かった。対照的に未タグ化Nagluタンパク質は、これらの実験条件では細胞には取り込まれなかった。さらに、観察されたNaglu融合タンパク質の取り込みはIGF−IIによって阻害されたが、M6Pでは阻害されなかった。取り込まれた後の例示的なNaglu融合タンパク質は安定で、予測される半減期がおよそ9.5日であることが、細胞溶解物について測定した酵素活性(4−MU基質)から分かった。例示的なNaglu融合タンパク質の取り込みおよび半減期のデータを表1に示す。
実施例6−インビボにおけるNAGLU融合タンパク質の活性
インビボでのNaglu融合タンパク質の活性を決定するためには、融合タンパク質をNagluノックアウト動物に投与する(Li et al., Proc Natl Acad Sci USA 96:14505−510, 1999を参照のこと)。Nagluノックアウト動物では、脳、肝臓および腎臓に多量のヘパラン硫酸が蓄積され、脳で高いβ−ヘキソサミニダーゼ活性およびライソゾーム関連膜タンパク質2(LAMP−2)の染色が見られ、さらに、脳中のガングリオシドが増加している。
組換えヒト(rh)Naglu−IGF2を2週間かけて4回ICV(脳室内)注入(100μg/注入)した後、外生の酵素の活性と体内分布を決定する。耐久性のあるカニューレをマウス(n=12/群、開始時に8〜12週齢)に埋め込み、調整して、カニューレが脳室内に入らないように覆う。エンドポイントで、Nagluの体内分布、GAG(例えばヘパラン硫酸)の減少、脳細胞のライソゾームにおける貯蔵、および星状膠細胞と小膠細胞の活性化を測定する。治療群および対照群におけるライソゾームまたはニューロンの様々なバイオマーカー(Ohmi et al., PLoS One 6:e27461, 2011)のレベルを測定する。測定するバイオマーカーには、これらには限定されないが、ライソゾーム関連膜タンパク質1(LAMP−1)、LAMP−2、グリピカン5、ヘパラン硫酸のNaglu特異的非還元末端(NRE)、ガングリオシド、コレステロール、ミトコンドリアATP合成酵素のサブユニットc(SCMAS)、ユビキチン、P−GSK3β、βアミロイド、P−タウ(リン酸化タウ)、GFAP(星状膠細胞の活性化)およびCD68(小膠細胞の活性化)が含まれる。
rhNaglu−IGF2を2週間かえて4回ICV注入したマウス(n=12/群、開始時に5ヶ月齢、100μg/注入)を使い、生存解析および挙動解析を決定するための実験をさらに行う。測定する評価項目には、生存期間、オープンフィールド活性、Nagluの体内分布、GAG(例えばヘパラン硫酸)の減少、ライソゾームにおける貯蔵、ライソゾームまたはニューロンのバイオマーカー(例えばLAMP−1、LAMP−2、グリピカン5、ガングリオシド、コレステロール、SCMAS、ユビキチン、P−GSK3β、βアミロイド、P−タウ、GFAPおよびCD68)のレベルが含まれる。
naglu遺伝子のエクソン6に変異の入ったNagluノックアウトマウス(Naglu−/−)が開発されている(Li et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 96:14505−10, 1999)。ヒトではエクソン6のこの部位に多くの突然変異があるため、この部位が変異生成位置として選ばれた。ホモ接合マウスではNagluの活性は検出されず、また、ヘテロ接合マウスではNaglu活性が低下している。Naglu−/−マウスでは生存期間が短くなり(6〜12ヶ月)、活性レベルの低下など、他の機能性な表現型が現れる場合がある。Naglu−/−マウスに及ぼすNaglu融合タンパク質の効果を試験する。
Naglu−/−マウス(n=8)および8匹の媒体対照Naglu−/−マウス(n=8、同腹のヘテロ接合マウス)にNaglu−IGF2を2週間かけて4回ICV投与(100μg/投与)する。試験の2日前に、マウスに麻酔をかけ、側脳室にカニューレを埋め込み、マウスを回復させる。1、5、10および14日目、ICV投与する15分前にマウスに麻酔をかける(ベネドリル、5mg/kg、IP)。カニューレを介し、15分間かけて5μlをICV投与し、その後マウスを回復させる。15日目、マウスを安楽死させ、失血させて血清を凍結する。脳を摘出し、IR色素をカニューレに注入して、カニューレを画像化する。
Naglu融合タンパク質の効果を決定するために、以下のアッセイを行う:体重測定、カニューレ設置に関するNIR造影、免疫組織化学による脳におけるNaglu−IGF2、GFAP、LAMP−1およびLAMP−2のレベルの評価、Naglu活性に関する生化学的アッセイ、β−ヘキソサミニダーゼのレベルおよび活性、蓄積されたムコ多糖症IIIb(MPS IIIB)特異的なグリコサミノグリカン(GAG)の非還元末端を検出するためのSensiProアッセイ(国際公開第2010/078511A2号)、生化学的アッセイで測定されるGM3ガングリオシドレベル、ならびに内側嗅内皮質でのSCMAS、A−ベータ、グリピカン5、CD68、GFAPおよびNagluに関する免疫染色(Li et al.、前掲)。
Naglu−IGF2による治療が有効であれば、LAMP−1、LAMP−2、GFAP、CD68、SCMAS、A−ベータ、グリピカン5、β−ヘキソサミニダーゼ、GM3ガングリオシド、およびMPS IIIB特異的GAGのレベルが低下すると予想される。
MPS IIIBのマウスモデルにおけるインビボでの例示的なNaglu融合タンパク質の効力。Naglu−(GGGGS)GGGPS−IGF−II(配列番号568)またはNaglu−強固構造−IGF−II(配列番号566)いずれかのNaglu−IGF−II融合タンパク質を、2週間かけて、Naglu−/−マウス(n=8)に4回ICV投与(100μg/投与)した。Naglu−/−マウス(n=8)および8匹のヘテロ接合または野生型同腹仔(n=8)には対照として媒体のみを投与した。試験開始の5日前、マウスに麻酔をかけ、脳の左側脳室にカニューレを埋め込み、マウスを回復させた。1、5、10および14日目、イソフルランを吸入させてマウスに麻酔をかけた。Naglu−IGF−IIの処理に反応して起こる可能性のあるヒスタミン放出を低減するために、ICV投与の15分前に、各マウスにベナドリル(5mg/kg、IP)を投与した。ICV投与は埋め込んでおいたカニューレを介して、5μlの投与量を15〜20分間かえて注入し、その後、マウスを回復させた。最終投与の1、7、14、および28日後、マウスを安楽死させた。脳を摘出し、矢状に5つの切片に分割して様々なアッセイに供した。
Naglu−IGF−II融合タンパク質の効果を決定するための以下のアッセイを行った:Nagluの免疫組織化学的評価、脳におけるLAMP−2、GFAPおよびCD68のレベル、Nagluおよびβ−ヘキソサミニダーゼ活性の生化学的アッセイ、総ヘパラン硫酸とムコ多糖症IIIB(MPS IIIB)特異的なヘパラン硫酸のNREを検出するためのSensiProアッセイ(Deakin et al., Glycobiology 18:483, 2008; Lawrence et al., Nat Chem Biol. 8:197, 2012; Lawrence et al., J Biol Chem. 283:33674, 2008)(国際公開第2010/078511A2)、ならびに内側嗅内皮質でのSCMAS、β−アミロイド(A−ベータ)、p−Tau、P−GSK3β、グリピカン5、GFAPおよびCD68の免疫蛍光染色(Li et al.、前掲)。
最終投与の24時間後に評価した場合には、Naglu−(GGGGS)GGGPS−IGF−II(配列番号568)またはNaglu−強固な構造−IGF−II(配列番号566)融合タンパク質のいずれを処理した場合にもNagluの酵素活性が顕著に高まり、同時に、βーヘキソサミニダーゼの活性ならびに総ヘパラン硫酸、ヘパラン硫酸のNaglu特異的NRE、およびLAMP−2のレベルが低下した。Naglu酵素は、皮質、海馬、歯状回および視床だけでなく、扁桃体、鼻周囲皮質および視床下部などの脳の末端も含めた脳組織で容易に検出可能であった。Naglu−IGF−IIを処理したNaglu−/−の脳でも、CD68、SCMAS、β−アミロイド(A−ベータ)、p−タウ、P−GSK3β、およびグリピカン5のレベルが有意に低下したことが観察された。最終投与から24時間後にもGFAPの染色は変化しなかった。免疫組織化学からは、脳の多くの領域、ニューロンの内側およびグリア細胞でNaglu酵素がLAMP−2と共に局在していることが示された。
最終投与した時点から7、14、および28日目にかけて、ヘパラン硫酸、Naglu特異的NRE、およびβ−ヘキソサミニダーゼ活性のレベルは継続して低下した。28日目には、全ての分析物のレベルは正常なマウスの対照の値と同じであるかほとんど同じであった。
均等物
当業者であれば、通常の実験によって、本明細書に記載の発明の具体的な態様の多数の均等物を理解し、または確かめることができるだろう。本発明の範囲は、上述の明細書によって制限されるとはみなされず、添付の請求項に示す通りである。本明細書および請求項で使用する場合「1つ」、「1種」および「この」という冠詞は、そうでないことが明示されていない限り、複数の参照物を含むと理解される。ある群の1つ以上の要素の間に「または」を含む請求項または記載は、そうでないことが明示されているか、あるいはそうでないことが文脈から明らかでないかぎり、その群の要素のうちの1つ、1つ以上、または全てが含まれる、使用される、あるいは、所与の製品または過程に関連していると見なされる。本発明には、その群の要素のうちの1つだけが含まれる、使用される、あるいは、所与の製品または過程に関連している態様も含まれる。さらに、当然のことながら本発明は、別段の指定のない限りまたは矛盾もしくは不一致が生じることが当業者に明らか出ない限り、1つ以上の請求項に由来する1つ以上の制限、構成要素、節、記述用語などが、同じ基本請求項に依存して別の請求項(つまり、関連のある他の任意の請求項)に納入されている変更形態、組み合わせ形態、および並べ替え形態を包含する。構成要素が列挙されている場合、例えばマーカッシュ形式や類似の形式で列挙されている場合、その構成要素の各小集団についても開示されており、また、いずれの要素をその群から排除することができると理解される。当然のことながら、基本的には、本発明または本発明の側面は特定の構成要素や特徴などを含んでいると記載されている場合、本発明の特定の態様または本発明の側面は、そのような構成要素、特徴などからなるか、または本質的にそれらからなる。簡潔にする目的で、本明細書ではこれらの態様を、全ての例について具体的に記載してはいない。また、いずれかの本発明の態様、例えば先行技術に見られるいずれかの態様は原則的に、そのような特定の除外が明細書中に記載されているか否かに関わらず、請求項から除外することができる。
また、そうでないことが明示されていない限り、2つ以上の作業を含む本明細書で請求したいずれの方法においても、方法中の作業の順序は、方法の作業を記載している順序に限定される必要はないが、本発明には、作業の順序がそのように制限されている態様も含まれると理解される。さらに、組成物について記載している請求項では、本発明は、そのような組成物の使用方法およびそのような組成物の製造方法も包含する。組成物について記載している請求項では、当然のことながら本発明はそのような組成物の使用方法およびそのような組成物の製造方法も包含する。
本出願で引用した全ての出版物および特許文書は、あたかも個々の出版物または特許文書の内容がそれぞれ本明細書に組み込まれたとの同程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (61)

  1. 標的タンパク質であって、
    (a)ライソゾーム酵素、
    (b)成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するペプチドタグ、および
    (c)ライソゾーム酵素とIGF−IIペプチドタグとの間に配置されているスペーサーペプチド、を含み、
    ここで前記スペーサーペプチドは、GGGPS(配列番号14)またはGGGSP(配列番号15)アミノ酸配列を1つ以上含み、場合によりさらに、(i)GAP(配列番号9)、(ii)GGGGS(配列番号12)、(iii)GGGS(配列番号16)、(iv)AAAAS(配列番号17)、(v)AAAS(配列番号18)、(vi)PAPA(配列番号19)、(vii)TPAPA(配列番号20)、(viii)AAAKE(配列番号21)または(ix)GGGGA(配列番号60)のうちの1つ以上を含む、標的タンパク質。
  2. スペーサーペプチドが、(GGGGS)(配列番号12、56、58、91〜94)、(GGGGS)−GGGPS(配列番号36、95〜100)、GAP−(GGGGS)−GGGPS(配列番号101〜107)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−GAP(配列番号37、108〜113)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号114〜162)、GAP−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号163〜169)、GAP−(GGGGS)−AAAAS−GGGPS−(GGGGS)−AAAA−GAP(配列番号170〜218)、GAP−(GGGGS)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号219〜267)、GAP−(GGGGS)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号268〜316)、GAP−(GGGGS)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)n−(AAAKE)n−(Xaa)n−(GGGGS)−GAP(配列番号544〜551)、(GGGGA)(配列番号60、79、81、317〜320)、(GGGGA)−GGGPS(配列番号321〜326)、GAP−(GGGGA)−GGGPS(配列番号327〜333)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−GAP(配列番号334〜340)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号341〜389)、GAP−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号390〜396)、GAP−(GGGGA)−AAAAS−GGGPS−(GGGGA)−AAAA−GAP(配列番号397〜445)、GAP−(GGGGA)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号446〜494)、GAP−(GGGGA)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号495〜543)、GAP−(GGGGA)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)−(AAAKE)n−(Xaa)−(GGGGA)−GAP(配列番号552〜559)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、ここでnが1〜7である、請求項1の標的治療用融合タンパク質。
  3. nが1〜4である、請求項2の標的治療用融合タンパク質。
  4. 前記スペーサーペプチドが、EFGGGGSTR(配列番号22)、GAP(配列番号9)、GGGGS(配列番号12)、GPSGSPG(配列番号23)、GPSGSPGT(配列番号24)、GPSGSPGH(配列番号25)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPST(配列番号26)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSH(配列番号27)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPS(配列番号28)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPSGAP(配列番号29)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号30)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号32)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号33)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号34)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号35)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号37)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPS(配列番号38)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPSGAP(配列番号39)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号40)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号41)、GGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号42)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号43)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号56)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号57)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号58)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号59)、GGGGA(配列番号60)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPST(配列番号61)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH(配列番号62)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPS(配列番号63)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPSGAP(配列番号64)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号65)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号66)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号67)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号68)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号69)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号70)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号72)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPS(配列番号73)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPSGAP(配列番号74)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPS(配列番号75)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号76)、GGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPS(配列番号77)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号78)、GGGGAGGGGAGGGGA(配列番号79)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号80)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGA(配列番号81)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号82)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号83)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号84)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号85)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号86)、GGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPS(配列番号87)、GAPGGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPGGAP(配列番号88)、GGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPS(配列番号89)、およびGAPGGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPGGAP(配列番号90)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1の標的治療用融合タンパク質。
  5. 前記スペーサーペプチドが、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項4の標的治療用融合タンパク質。
  6. 前記スペーサーペプチドが、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項5の標的治療用融合タンパク質。
  7. ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)タンパク質と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、
    成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するペプチドタグ、および
    Nagluアミノ酸配列とIGF−IIペプチドタグとの間に配置されているスペーサーペプチド、ここで前記スペーサーがアミノ酸配列GAP(配列番号9)、GPS(配列番号10)、またはGGS(配列番号11)を含む、
    を含んでいる標的治療用融合タンパク質。
  8. 前記スペーサー配列が成熟ヒトIGF−IIのアミノ酸とヒトNagluのアミノ酸との間にアミノ酸Gly−Pro−Ser(GPS)(配列番号10)を含む、請求項7の標的治療用融合タンパク質。
  9. 前記スペーサーペプチドがGGGGS(配列番号12)、GGGGA(配列番号60)またはGGGS(配列番号16)アミノ酸配列を1つ以上含む、請求項7〜8のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  10. 前記スペーサーペプチドが、GGGPS(配列番号14)またはGGGSP(配列番号15)アミノ酸配列を1つ以上含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  11. 前記スペーサーペプチドがAAAAS(配列番号17)またはAAAS(配列番号18)アミノ酸配列を1つ以上含む、請求項7〜10のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  12. スペーサーペプチドがPAPA(配列番号19)またはTPAPA(配列番号20)アミノ酸配列を1つ以上含む、請求項7〜11のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  13. スペーサーペプチドがAAAKE(配列番号21)アミノ酸配列を1つ以上含む、請求項7〜12のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  14. スペーサーペプチドが、(GGGGS)(配列番号12、56、58、91〜94)、(GGGGS)−GGGPS(配列番号36、95〜100)、GAP−(GGGGS)−GGGPS(配列番号101〜107)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−GAP(配列番号37、108〜113)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号114〜162)、GAP−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号163〜169)、GAP−(GGGGS)−AAAAS−GGGPS−(GGGGS)−AAAA−GAP(配列番号170〜218)、GAP−(GGGGS)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号219〜267)、GAP−(GGGGS)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号268〜316)、GAP−(GGGGS)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)n−(AAAKE)n−(Xaa)n−(GGGGS)−GAP(配列番号544〜551)、(GGGGA)(配列番号60、79、81、317〜320)、(GGGGA)−GGGPS(配列番号321〜326)、GAP−(GGGGA)−GGGPS(配列番号327〜333)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−GAP(配列番号334〜340)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号341〜389)、GAP−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号390〜396)、GAP−(GGGGA)−AAAAS−GGGPS−(GGGGA)−AAAA−GAP(配列番号397〜445)、GAP−(GGGGA)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号446〜494)、GAP−(GGGGA)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号495〜543)、GAP−(GGGGA)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)−(AAAKE)n−(Xaa)−(GGGGA)−GAP(配列番号552〜559)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、ここでnが1〜7である、請求項7〜8のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  15. nが1〜4である、請求項14の標的治療用融合タンパク質。
  16. 前記スペーサーペプチドが、EFGGGGSTR(配列番号22)、GAP(配列番号9)、GGGGS(配列番号12)、GPSGSPG(配列番号23)、GPSGSPGT(配列番号24)、GPSGSPGH(配列番号25)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPST(配列番号26)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSH(配列番号27)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPS(配列番号28)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPSGAP(配列番号29)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号30)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号32)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号33)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号34)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号35)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号37)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPS(配列番号38)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPSGAP(配列番号39)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号40)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号41)、GGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号42)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号43)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号56)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号57)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号58)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号59)、GGGGA(配列番号60)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPST(配列番号61)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH(配列番号62)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPS(配列番号63)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPSGAP(配列番号64)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号65)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号66)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号67)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号68)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号69)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号70)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号72)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPS(配列番号73)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPSGAP(配列番号74)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPS(配列番号75)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号76)、GGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPS(配列番号77)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号78)、GGGGAGGGGAGGGGA(配列番号79)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号80)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGA(配列番号81)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号82)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号83)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号84)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号85)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号86)、GGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPS(配列番号87)、GAPGGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPGGAP(配列番号88)、GGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPS(配列番号89)、およびGAPGGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPGGAP(配列番号90)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項7の標的治療用融合タンパク質。
  17. 前記スペーサーペプチドが、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項16の標的治療用融合タンパク質。
  18. 前記スペーサーペプチドが、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項17の標的治療用融合タンパク質。
  19. 前記ペプチドタグがN末端タグかまたはC末端タグである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  20. 前記ペプチドタグがC末端タグである、請求項19の標的治療用融合タンパク質。
  21. 前記スペーサーがGly−Ala−Pro(GAP)(配列番号9)またはGly−Pro−Ser(GPS)(配列番号10)アミノ酸配列を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  22. 前記ライソゾーム標的化ドメインが成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  23. 前記スペーサーがαらせん構造または強固な構造を含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  24. 前記IGF−IIペプチドタグがArg37の残基に変異を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  25. 前記変異がアルギニンからアラニンへの置換である、請求項23の標的治療用融合タンパク質。
  26. 薬学上許容可能な担体、希釈剤または賦形剤をさらに含んでいる、請求項1〜25のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質。
  27. ライソゾーム蓄積症の治療に好適な請求項1〜26のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質を含んでいる医薬組成物。
  28. 請求項1〜27のいずれか1項に記載の標的治療用融合タンパク質をコードしている核酸。
  29. 請求項27の核酸を含有している細胞。
  30. 請求項28の核酸を保持している哺乳類細胞を細胞培養用の培地中で培養する工程を含み、ここで前記培養する工程が前記標的治療用融合タンパク質の発現を許容する条件で実施される、標的治療用融合タンパク質の生産方法。
  31. ライソゾーム酵素、成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するペプチドタグおよび前記ライソゾーム酵素アミノ酸配列と前記IGF−IIペプチドタグとの間に配置されているスペーサーペプチド、ここで前記スペーサーペプチドはGGGPS(配列番号14)またはGGGSP(配列番号15)アミノ酸配列を1つ以上含み、場合によりさらに、(i)GAP(配列番号9)、(ii)GGGGS(配列番号12)、(iii)GGGS(配列番号16)、(iv)AAAAS(配列番号17)、(v)AAAS(配列番号18)、(vi)PAPA(配列番号19)、(vii)TPAPA(配列番号20)、(viii)AAAKE(配列番号21)または(ix)GGGGA(配列番号60)を1つ以上含んでいる、を含んでいる融合タンパク質を含んでいる治療上有効量の医薬組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるライソゾーム蓄積症の治療方法。
  32. スペーサーペプチドが、(GGGGS)(配列番号12、56、58、91〜94)、(GGGGS)−GGGPS(配列番号36、95〜100)、GAP−(GGGGS)−GGGPS(配列番号101〜107)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−GAP(配列番号37、108〜113)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号114〜162)、GAP−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号163〜169)、GAP−(GGGGS)−AAAAS−GGGPS−(GGGGS)−AAAA−GAP(配列番号170〜218)、GAP−(GGGGS)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号219〜267)、GAP−(GGGGS)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号268〜316)、GAP−(GGGGS)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)n−(AAAKE)n−(Xaa)n−(GGGGS)−GAP(配列番号544〜551)、(GGGGA)(配列番号60、79、81、317〜320)、(GGGGA)−GGGPS(配列番号321〜326)、GAP−(GGGGA)−GGGPS(配列番号327〜333)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−GAP(配列番号334〜340)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号341〜389)、GAP−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号390〜396)、GAP−(GGGGA)−AAAAS−GGGPS−(GGGGA)−AAAA−GAP(配列番号397〜445)、GAP−(GGGGA)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号446〜494)、GAP−(GGGGA)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号495〜543)、GAP−(GGGGA)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)−(AAAKE)n−(Xaa)−(GGGGA)−GAP(配列番号552〜559)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み;ここでnが1〜7である、請求項31の方法。
  33. nが1〜4である、請求項32の方法。
  34. ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)タンパク質と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するペプチドタグおよびNagluアミノ酸配列とIGF−IIペプチドタグとの間に配置されているスペーサーペプチド、ここで前記スペーサーはアミノ酸配列GAP(配列番号9)、GPS(配列番号10)、またはGGS(配列番号11)を含む、を含んでいる融合タンパク質を含んでいる治療上有効量の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、前記対象におけるムコ多糖症IIIB型(B型サンフィリポ症候群)の治療方法。
  35. 前記スペーサー配列が成熟ヒトIGF−IIのアミノ酸とヒトNagluのアミノ酸との間にアミノ酸Gly−Pro−Ser(GPS)(配列番号10)を含む、請求項34の方法。
  36. 前記スペーサーペプチドがGGGGS(配列番号12)、GGGGA(配列番号60)またはGGGS(配列番号16)アミノ酸配列を1つ以上含む、請求項34〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記スペーサーペプチドがGGGPS(配列番号14)またはGGGSP(配列番号15)アミノ酸配列を1つ以上含む、請求項34〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記スペーサーペプチドがAAAAS(配列番号17)またはAAAS(配列番号18)アミノ酸配列を1つ以上含む、請求項34〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. スペーサーペプチドがPAPA(配列番号19)またはTPAPA(配列番号20)アミノ酸配列を1つ以上含む、請求項34〜38のいずれか1項に記載の方法。
  40. スペーサーペプチドがAAAKE(配列番号21)アミノ酸配列を1つ以上含む、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. スペーサーペプチドが、(GGGGS)(配列番号12、56、58、91〜94)、(GGGGS)−GGGPS(配列番号36、95〜100)、GAP−(GGGGS)−GGGPS(配列番号101〜107)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−GAP(配列番号37、108〜113)、GAP−(GGGGS)−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号114〜162)、GAP−GGGPS−(GGGGS)−GAP(配列番号163〜169)、GAP−(GGGGS)−AAAAS−GGGPS−(GGGGS)−AAAA−GAP(配列番号170〜218)、GAP−(GGGGS)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号219〜267)、GAP−(GGGGS)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号268〜316)、GAP−(GGGGS)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)n−(AAAKE)n−(Xaa)n−(GGGGS)−GAP(配列番号544〜551)、(GGGGA)(配列番号60、79、81、317〜320)、(GGGGA)−GGGPS(配列番号321〜326)、GAP−(GGGGA)−GGGPS(配列番号327〜333)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−GAP(配列番号334〜340)、GAP−(GGGGA)−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号341〜389)、GAP−GGGPS−(GGGGA)−GAP(配列番号390〜396)、GAP−(GGGGA)−AAAAS−GGGPS−(GGGGA)−AAAA−GAP(配列番号397〜445)、GAP−(GGGGA)−PAPAP−(Xaa)−GAP(配列番号446〜494)、GAP−(GGGGA)−PAPAPT−(Xaa)−GAP(配列番号495〜543)、GAP−(GGGGA)−(Xaa)n−PAPAP−(Xaa)−(AAAKE)n−(Xaa)−(GGGGA)−GAP(配列番号552〜559)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み;ここでnが1〜7である、請求項31〜34のいずれか1項に記載の方法。
  42. nが1〜4である、請求項41の方法。
  43. i)ヒトα−N−アセチルグルコサミニダーゼ(Naglu)タンパク質と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、ii)成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有するペプチドタグ、およびiii)Nagluアミノ酸配列とIGF−IIペプチドタグとの間に配置されているスペーサーペプチドを含んでいる有効量の融合タンパク質を、ムコ多糖症IIIB型(B型サンフィリポ症候群)を患っている対象に投与することを含む、インビボでのグリコサミノグリカンレベルを低減させる方法。
  44. 前記スペーサーペプチドが、EFGGGGSTR(配列番号22)、GAP(配列番号9)、GGGGS(配列番号12)、GPSGSPG(配列番号23)、GPSGSPGT(配列番号24)、GPSGSPGH(配列番号25)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPST(配列番号26)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSH(配列番号27)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPS(配列番号28)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGPSGAP(配列番号29)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号30)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号31)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号32)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号33)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号34)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号35)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPSGAP(配列番号37)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPS(配列番号38)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGPSGAP(配列番号39)、GGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号40)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号41)、GGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPS(配列番号42)、GAPGGGGSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGGGGSAAAASGGGPSGAP(配列番号43)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号56)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号57)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号58)、GAPGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGAP(配列番号59)、GGGGA(配列番号60)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPST(配列番号61)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH(配列番号62)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPS(配列番号63)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGPSGAP(配列番号64)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号65)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号66)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号67)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号68)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号69)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号70)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSGAP(配列番号72)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPS(配列番号73)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGPSGAP(配列番号74)、GGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPS(配列番号75)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号76)、GGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPS(配列番号77)、GAPGGGGAGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGGGGAAAAASGGGPSGAP(配列番号78)、GGGGAGGGGAGGGGA(配列番号79)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号80)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGA(配列番号81)、GAPGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGAP(配列番号82)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号83)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号84)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS[または(GGGGA)GGGPS](配列番号85)、GGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPSH[または(GGGGA)GGGPSH](配列番号86)、GGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPS(配列番号87)、GAPGGGGPAPGPGPAPGPAPGPAGGGPGGAP(配列番号88)、GGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPS(配列番号89)、およびGAPGGGGPAPAPGPAPAPGPAPAGGGPGGAP(配列番号90)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項31、34または43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記スペーサーが、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPS(配列番号44)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPGPSGAP(配列番号45)、GGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPS(配列番号46)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPS(配列番号48)、GAPGGGSPAPTPTPAPTPAPTPAGGGPSGAP(配列番号49)、GGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPS(配列番号50)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPS(配列番号52)、GAPGGGSAEAAAKEAAAKEAAAKAGGPSGAP(配列番号53)、GGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGG(配列番号54)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項44の方法。
  46. 前記スペーサーペプチドが、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGPS(配列番号36)、GAPGGSPAGSPTSTEEGTSESATPESGPGTSTEPSEGSAPGSPAGSPTSTGPSGAP(配列番号47)、GAPGGGSPAPAPTPAPAPTPAPAGGGPSGAP(配列番号51)、GAPGGGSPAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAPSGGGGAP(配列番号55)、およびGGGGAGGGGAGGGGAGGGGAGGGPS(配列番号71)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項45の方法。
  47. 前記スペーサー配列がアミノ酸Gly−Ala−Pro(GAP)(配列番号9)の配列を含む、請求項31〜46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記ペプチドタグがN末端タグまたはC末端タグである、請求項31〜47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 前記ペプチドタグがC末端タグである、請求項48の方法。
  50. 前記スペーサーがαらせん構造または強固な構造を含む、請求項31〜49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 前記ライソゾーム標的化ドメインが成熟ヒトIGF−IIの8〜67番目のアミノ酸を含む、請求項31〜50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記IGF−IIペプチドタグがArg37の残基に変異を含む、請求項31〜51のいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記変異がアルギニンのアラニンへの置換である、請求項52の方法。
  54. 前記融合タンパク質がヒトNagluの1〜743番目のアミノ酸または24〜743番目のアミノ酸(図1)を含む、請求項31〜53のいずれか1項に記載の方法。
  55. 前記有効量が前記対象の体重1キログラムにつき、2.5〜20mgの範囲である、請求項31〜54のいずれか1項に記載の方法。
  56. 前記融合タンパク質を髄腔内に投与することを含む、必要に応じて、前記融合タンパク質静脈内に投与することをさらに含む、請求項31〜55のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記投与が、前記融合タンパク質を脳室、腰部、または大槽に導入することを含む、請求項56の方法。
  58. 前記融合タンパク質を静脈内に投与する、請求項31〜55のいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記融合タンパク質を2ヶ月に1回、1ヶ月に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1日1回、または様々な間隔で投与する、請求項31〜58のいずれか1項に記載の方法。
  60. 前記治療の結果、脳組織でのグリコサミノグリカン(GAG)レベルが低下する、請求項31〜59のいずれか1項に記載の方法。
  61. 前記治療の結果、脳組織でのライソゾーム貯蔵顆粒が減少する、請求項31〜60のいずれか1項に記載の方法。
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