JP2016501846A - 新規のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物 - Google Patents

新規のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016501846A
JP2016501846A JP2015541166A JP2015541166A JP2016501846A JP 2016501846 A JP2016501846 A JP 2016501846A JP 2015541166 A JP2015541166 A JP 2015541166A JP 2015541166 A JP2015541166 A JP 2015541166A JP 2016501846 A JP2016501846 A JP 2016501846A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phenyl
compound
formula
thiazol
thiazolyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015541166A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6539839B2 (ja
Inventor
ロッシ,ステファン
バロッティ,ロベル
ベンヒダ,ラシッド
セレッゾ,ミシェル
ドゥーカ,マリア
ジョリー,ジャン−パトリック
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Institut National de la Sante et de la Recherche Medicale INSERM
Universite de Nice Sophia Antipolis UNSA
Original Assignee
Institut National de la Sante et de la Recherche Medicale INSERM
Universite de Nice Sophia Antipolis UNSA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Institut National de la Sante et de la Recherche Medicale INSERM, Universite de Nice Sophia Antipolis UNSA filed Critical Institut National de la Sante et de la Recherche Medicale INSERM
Publication of JP2016501846A publication Critical patent/JP2016501846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6539839B2 publication Critical patent/JP6539839B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D277/00Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings
    • C07D277/02Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings
    • C07D277/20Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D277/32Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D277/38Nitrogen atoms
    • C07D277/42Amino or imino radicals substituted by hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D277/00Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings
    • C07D277/02Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings
    • C07D277/20Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D277/32Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D277/38Nitrogen atoms
    • C07D277/44Acylated amino or imino radicals
    • C07D277/46Acylated amino or imino radicals by carboxylic acids, or sulfur or nitrogen analogues thereof

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
  • Epidemiology (AREA)

Abstract

本発明は化学式(1)の化合物に関し、R1は、1又は2個の縮合環を含むC6−C10アリールを表し、2〜5個の炭素原子がO、S及びNR6から選択されるヘテロ原子と置換され、最終的には、R6、ハロ、CN、NO2、CF3、OCF3、COOR6、OCOR6、SO2NR6R7、CONR6R7、NR6R7、NR6COR7、(CH2)p−NR6R7、(CH2)p−OR6及び(CH2)pSR6から選択される5〜11個の置換基で置換され得り、また適切な場合に、化学式(1)の化合物の薬学的に許容される塩、及び/又は異性体、互変異性体、溶媒和物、若しくは同位体変種に関する。該化合物はがんの処置に有用である。【選択図】なし

Description

本発明は、がんの処置に有効である新規のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物に関する。
メラノサイトの形質転換に由来する皮膚黒色腫は、若年成人の間で最も致死性の高いがんのうちの1つである。その発症はこの10年間に大きな割合で増加している。黒色腫は他の器官への浸潤及び急速な転移をとりわけ起こしやすい。転移黒色腫の予後は非常に悪く、化学療法又は免疫療法の種々のプロトコルによる実際の延命効果は示されていない。神経節転移段階において、予後は実に50%の5年後生存率を伴う相当な悪化を示す。また内臓転移段階において、予後は半年の生存期間中央値を伴う惨たるものである。それゆえ、皮膚がんのうちの5%のみである黒色腫は、この型のがんに関する死亡の80%を示す。黒色腫は、10年毎に発症が2倍になっており(フランスでは2007年に1万件の新規症例)、社会的な健康医療の大きな問題になっている。また、2つのB-Raf経路阻害剤であるベムラフェニブ及びダブラフェニブについて励みになる結果が近年得られたものの、その反応は一過性のものである。ベムラフェニブ及びダブラフェニブは、確かに、B-Rafにおいて変異した黒色腫のみを標的にする(転移黒色腫の約50%)。しかし残念ながら、黒色腫は短期間の退縮後、すべての症例において薬剤に対する抵抗性を生じ、転移は患者の生存の余命を約2か月延長させるのみであり再び進行する。これらの抵抗性機序の特定は、現在数多くの研究における課題であるが、関連する機序を明確に特定できたものはない。
近年、患者の免疫反応を再活性化することが可能な抗CTLA4抗体であるイピリムマブが黒色腫の治療のために開発されたが、この方法では10〜15%の患者に客観性のある反応がもたらされるのみである。
このように、新規の候補分子の特定は、具体的な生物療法開発にとって主要な目的になっている。
本発明の発明者らは、当初、2型糖尿病の治療に用いられる分子ファミリーのチアゾリジンジオン(TZD)に興味を示した。グルコース代謝におけるPPARガンマの効果は、核内受容体であるPPARガンマの活性化により媒介される。
本発明者らは、一部のTZDが、PPARガンマ活性化とは関係なく、黒色腫のインビトロ及びインビボモデルで細胞の大量死をもたらすことを以前に示した。
これらを併せて、本発明者らは、黒色腫細胞の生存能の欠失をもたらすTZD由来の化合物のファミリーを合成し特定した。
また、本発明の化合物は、黒色腫のインビトロ及びインビボモデルで高い有効性を示す。本発明の化合物は、興味深いことに、ダブラフェニブとの構造の類似性を示すが、それらの信号経路及び作用機序は、ダブラフェニブの信号経路及び作用機序とは全く異なる。
さらに、本発明の化合物は、その他のいくつかのがん、つまり前立腺がん、乳がん及び結腸がんにも効果を示しており、これらの分子があらゆるタイプのがんに有効であり得るということを示す。
本発明は、Q、Q、Q、Q、Q、R〜R及びnは下記に記載される意味を有する、下記化学式のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物に関し、
そのような誘導体の調製の工程、そのような誘導体を含む組成物と使用とに関する。
本発明は化学式(1)の化合物に関し、
同一である又は異なるQ〜QはCRを表し、
は、1つの環又は2つの環の縮合環を含むC−C10アリールを表し、2〜5個の炭素原子はO、S、N及びNRから選択されるヘテロ原子と置換され、最終的には、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR及び(CHSRから選択される5〜11個の置換基で置換され得り、
は、SO又はRであり、
同一である又は異なるR及びRは、COR及びRから選択され、
は、R、アリール、OR、SR、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、SONR、CONR、NR又はNHCORを表し、
同一である又は異なるR及びRは、H又はアルキルを表し、
は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールから選択され、Rにおいてアリールは1〜4個の同一である又は異なるR置換基で置換され得るか、又はRは(CH-NRを表し、
pは0〜6の整数を表し、
qは0〜6の整数を表し、
チアゾリル基は、スルホンアミド基に対してメタ位又はパラ位で6員環と結合され、またチアゾリル基は、硫黄原子に対してα又はβ位で6員環と結合され、
又は、適切な場合に、化学式(1)の化合物の薬学的に許容される塩、及び又は、異性体、互変異性体、溶媒和物、若しくは同位体変種であり、
以下の化合物、
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−2−ヒドロキシ−ベンズアミド,
2−(アセチルオキシ)−N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−ベンズアミド,
3−クロロ−N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−ベンズアミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボキサミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボキサミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−2−メトキシ−ベンズアミド,
N−[3−(2−アミノ−4−チアゾリル)フェニル]−4−クロロ−ベンゼンスルホンアミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−ベンズアミド,
2−クロロ−N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−ベンズアミド,
4−クロロ−N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−ベンズアミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−3,4−ジメトキシベンズアミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−3−メトキシベンズアミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−4−メトキシベンズアミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−3−メチル−ベンズアミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−4−メチル−ベンズアミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−4−ニトロ−ベンズアミド,
N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−4−メチル−ベンズアミド,
は除外される。
好ましくは化学式(2)の化合物からなり、
〜Q、R、R及びRは上記の定義通りであり、Rは、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR又は(CHSRを表し、
及びpは上記の定義通りであり、nは1、2、3又は4を表す。
他に好ましくは化学式(3)の化合物からなり、
〜Q、R、R及びRは上記の定義通りであり、Rは、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR又は(CHSRを表し、
及びpは上記の定義通りであり、nは1、2、3又は4を表し、ナフチル基は4級炭素に対して1位、2位又は3位で硫黄原子に付加される。
上記一般化学式(1)(2)及び(3)において、
・Rは、好ましくはH又はSOを表し、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR及び(CHSRから選択される1〜4個の、好ましくは1又は2個の置換基で選択的に置換されたフェニル基又はナフチル基であり、好ましい置換基は、R、ハロ、CF、NRである。RとRとは、H又はメチルを表す。
・好ましくは、RはHを表し、RはH、アルキル、CO−アルキル、アリールを表し、アリールは、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR及び(CHSRから選択される1個以上の置換基を含み、R、R及びpは上記の定義通りである。
・Rは、好ましくはH又はアルキルである。
・Rは、好ましくはR、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR及び(CHSRである。
・チアゾリル基は、好ましくはスルホンアミド基に対してメタ位である。
・チアゾリル基はまた、好ましくは硫黄原子に対してβ位で6員芳香環と結合される。
上記一般化学式(1)〜(3)において、アルキルは、1、2、3、4又は5個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状の基を表す。またこれは、置換基を有するか、又は例えばO−アルキルラジカル、S−アルキルラジカルなどの他のラジカルの置換基として生成される場合についても同様である。適切なアルキルラジカルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどである。
シクロアルキルは3〜7個の炭素原子を含み、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロへプチルを含み、アリールは、6〜10個の炭素原子を含む芳香族炭素環を表す。
そして、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードからなる群、特にフルオロ又はクロロから選択されるハロゲン原子を表す。
以下において、下記の構造のようなフェニル基の遊離価は、フェニルがメタ位又はパラ位において置換され得ることを意味する。
本発明に係る好ましい化合物は、以下の、
N−(4−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
5−(ジメチルアミノ)−N−(3−(2−(メチルアミノ)チアゾール−4−イル)フェニル)ナフタレン−1−スルホンアミド、
N−(4−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)−4メチルベンズアミド、
N−(3−(2−アミノチアゾール−4−イル)フェニル)−5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド、
N−(4−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド、
N−(4−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)ピバルアミド、
2−フルオロ−N−(3−(2−(メチルアミノ)チアゾール−4−イル)フェニル)ベンゼンスルホンアミド、
N−(4−(4−(ナフタレン−2−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(4−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(4−(2−フルオロフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(4−(2,4−ジフルオロフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(3−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(3−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(3−(4−メチルフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(3−(2−ニトロフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(3−(3−ニトロフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(3−(フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(4−(4−メチルフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
N−(4−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)−6−アミノ−ヘキサンアミド、
である。
化学式(1)の化合物について、種々の置換基が提示されない限り上述の定義通りである下記に図示される方法(スキーム1〜2)などの従来の手順を用いて、化学式(1)の化合物が調製されてもよい。
[スキーム1]
スキーム1による本発明の化合物の調製手順は、以下のステップを含む。
ステップ1:化学式2a及び2bの化合物を調製するためのステップであり、2a及び2bは、好ましくはAlClなどのルイス酸の存在下において、エーテル(EtO)、THF又はMeTHFなどの溶媒内において、適切な臭素化剤であるBr又はN−ブロモスクシンイミド(NBS)により、化学式1a又は1bの化合物の臭素化反応によって調製されてもよい(D. Guianvarch, R. Benhida, J−L. Fourrey, R. Maurisse, J−S. Sun. J. Chem. Soc. Chem. Comm. 2001年, 1814−1815)。
ステップ2:化学式4a及び4bの化合物を調製するためのステップであり、該ステップは、EtOH、iPrOH、酢酸エチル、CHCl、DMFを含むがこれに限定されない適切な溶媒内において、化学式3aのチオ尿素で化合物2a又は2bを縮合することからなる。反応は、原料の反応性次第で酸もしくは塩基触媒の存在下又は非存在下において、約25°C〜100°C、好ましくは60°C〜80°Cの温度でおこなわれてもよい。
ステップ3:化学式5a及び5bの化合物を調製するためのステップであり、パラジウム炭素誘導体、白金炭素誘導体、若しくはラネーニッケル炭素を含むがこれに限定されない金属触媒の存在下でH源により、又はNaBH/Pd/C、酸性条件下の金属(鉄、塩化スズ、塩化チタン、HCl又はAcOHにおける亜鉛)などの他のH源により還元がおこなわれてもよい。反応は、大気圧又は高圧のいずれかで、EtOH、MeOH、THF、ジオキサン、AcOH、酢酸エチルを含むがこれに限定されない不活性溶媒内においておこなわれることが可能である。
ステップ4:化学式Ia及びIbの化合物を調製するためのステップであり、反応は、通常は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン及び置換されたピリジン(例えばDMAPなど)などのアミンの存在下で、CHCl、AcOEt、DMF、DMSO、エーテル、THF、MeTHF、ジオキサン、アセトニトリルなどの適切な溶媒内において、化学式5a又は5bの化合物を化学式6aのスルホンクロリドと反応させることによっておこなわれる。また、反応は溶媒としてのピリジン内においておこなわれてもよい。
ステップ5:化学式IIa及びIIbの化合物を調製するためのステップであり、反応は、通常は、KCO、CsCO、NaH、LDA、EtN、ピリジン又は置換されたピリジンを含むがこれに限定されない塩基の存在下で、CHCl、AcOEt、DMF、DMSO、THF、MeTHF、ジオキサン、アセトニトリルなどの適切な溶媒内において、化学式Ia又はIbの化合物をアルキル化剤RX(Xはハロゲン、好ましくはI、Br及びCl)と反応させることによっておこなわれる。
[スキーム2]
スキーム2による本発明の化合物(化合物Ic及びIIc、Id及びIId)の調製手順は、以下のステップを含む。
ステップ1:化学式2c及び2dの化合物を調製するためのステップであり、当該分野における従来の技術を用いて、炭素−炭素結合が生成されてもよい。通常の反応では、化学式1c及び1dの化合物(Xはパラジウム反応の脱離基、好ましくはBr又はI)は、例えばPd(PPh、Pd(PPhCl、パラジウムジベンジリデンアセトンなどのパラジウム触媒の存在下で、例えばDMF、DMSO、THF、MeTHF、ジオキサン、アセトニトリルなどの適切な溶媒内において、20°C〜140°C、好ましくは25°C〜70°Cの温度において、ホウ素誘導体(鈴木・宮浦カップリング、オルガノボラン化合物のパラジウム触媒によるクロスカップリング反応(Palladium−Catalyzed Cross−Coupling Reactions of Organoboron Compounds)、N.Miyaura、A.Suzuki、Chem.Rev.、1995年、95(7)、pp.2457-2483)、亜鉛誘導体(スティルカップリング、J.K.Stille、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1986年、25、508-524、 D.Guianvarc’h、J−L Fourrey、J−S.Sun、R.Maurisse、R.Benhida.Bioorg.Med.Chem.2003年,11、2751−2759)、又は、直接的なC−H活性化(J.Yamaguchi、A.D.Yamaguchi、K.Itami、Angew.Chem.Int.Ed.2012年、51、8960−9009)によって反応されてもよい。この反応は、原料の特性次第で、塩基(炭酸塩、アミン)、及び/若しくはリガンド(ホスフィン)、及び/若しくは例えばCuIである銅源などの他の添加剤、又は当該技術におけるその他の従来の添加剤などをしばしば必要とする。
スキーム2のステップ2、3及び4は、上記スキーム1の、例えばステップ3、4及び5に記載されたもの(還元、スルホン化、及びアルキル化)とそれぞれ同様である。
化学式(1)の化合物の薬学的に許容される塩は、その酸付加塩及び塩基性塩を含む。
適切な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸より形成される。例として、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩・炭酸塩、重硫酸塩・硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシラート(esylate)、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩・塩化物、臭化水素塩酸・臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩(naphthylate)、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸、リン酸塩・リン酸水素・リン酸二水素、サッカラート、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシラート、及びトリフルオロ酢酸塩、キシナホ酸塩を含む。
適切な塩基性塩は、非毒性塩を形成する塩基より形成される。例として、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン及び亜鉛の塩を含む。酸及び塩基のヘミ塩(Hemisalt)が形成されてもよく、例としてヘミ硝酸、ヘミカルシウムの塩などが挙げられる。
適切な塩を検討するにあたって、Stahl及びWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」が参照されてもよい(Wiley−VCH, Weinheim, Germany,2002年)。
化学式(1)の化合物の薬学的に許容される塩は、
(i)化学式(1)の化合物を所望の酸又は塩基と反応させること、
(ii)化学式(1)の化合物の適切なプリカーサから、酸若しくは塩基に不安定な保護基を除くこと、又は、所望の酸若しくは塩基を用いて、例えばラクトン若しくはラクタムなどの適切な環状プリカーサを開環すること、或いは、
(iii)化学式(1)の化合物の1つの塩を、適切な酸若しくは塩基との反応によって、又は適切なイオン交換カラムを用いて、他の塩に変換すること、
という3つのうちの1つ以上の方法によって調製されてもよい。
これら3つの反応はすべて、通常は溶液内においておこなわれる。結果として取得された塩は、析出されて濾過によって収集されるか、又は溶媒の蒸発によって回収されてもよい。取得された塩のイオン化の度合は、完全にイオン化されたものから大部分がイオン化されたものまで変化し得る。
本発明の化合物は、非溶媒和及び溶媒和形態で存在してもよい。用語「溶媒」は、本発明の化合物を含む分子複合体と、例えばエタノールなどの化学量論的な量の薬学的に許容可能である1つ以上の溶媒分子とを述べるために本明細書において用いられる。用語「水和物」は、該溶媒が水である場合に用いられる。本発明の範囲内に含まれるのは、クラスレート、薬剤・ホスト包含複合体などの複合体であり、上述の溶媒とは異なり、薬剤とホストとは化学量論的又は非化学量論的な量で存在する。また、2つ以上の有機及び/又は無機成分を含む薬剤の複合体も包含され、これは化学量論的又は非化学量論的な量であり得る。取得される複合体はイオン化、部分的にイオン化、又は非イオン化されていてもよい。そのような複合体の検討にあたって、HaleblianによるJ Pharm Sci、64(8)、1269−1288(1975年8月)が参照されてもよい。
本明細書において、化学式(1)の化合物に対するすべての言及には、その塩、溶媒及び複合体、並びにその塩の溶媒及び複合体への言及が含まれる。
本発明の化合物は、本明細書において上述で定義された化学式(1)の化合物を含み、そのあらゆる多形体及び晶癖、本明細書において後述され定義されるそのプロドラッグ及び異性体(光学、幾何、及び互変異性体を含む)、並びに同位体標識された化学式(1)の化合物を含む。
また、提示されたように、化学式(1)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」も、本発明の範囲内に含まれる。つまり、それ自体は薬理活性をほとんど有さないか、又は有さない化学式(1)の化合物の特定の誘導体は、身体内若しくは身体上に投与されたときに、例えば加水分解などによって所望の活性を有する化学式(1)の化合物に変換されることが可能である。そのような誘導体は「プロドラッグ」として言及される。プロドラッグの使用におけるさらなる情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」(T.Higuchi及びW.Stella、Vol.14、ACS Symposium Series)並びに「Bioreversible Carriers in Drug Design」(Pergamon Press、1987年、ed.E.B Roche、American Pharmaceutical Association)において見受けられる。
本発明に係るプロドラッグは、例えば、化学式(1)の化合物が備える所定の官能性を、例としてH.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年)に記載されているような「プロ部分(pro−moieties)」として当業者に既知である特定の部分と置換することによって生成され得る。
本発明に係るプロドラッグの一部の例として、
(i)化学式(1)の化合物はカルボン酸官能基(−COOH)、そのエステルを含み、例えば化学式(1)の化合物のカルボン酸官能性水素が(C1−C8)アルキルによって置換される化合物、
(ii)化学式(1)の化合物はアルコール官能基(−OH)、そのエーテルを含み、例えば化学式(1)の化合物のアルコール官能性水素が(C1−C6)アルカノイルオキシメチルによって置換される化合物、
(iii)化学式(1)の化合物は第1級又は第2級アミノ官能基、そのアミドを含み、例えば、場合に応じて化学式(1)の化合物の一方又は双方のアミノ官能性水素が(C−C10)アルカノイルによって置換される化合物、
が含まれる。
前述の例による置換基のさらなる例とその他のプロドラッグ型の例は上述の参考文献に見受けられる。さらに、化学式(1)の特定の化合物は、それ自体が化学式(1)の他の化合物のプロドラッグとして作用し得る。
また、化学式(1)の化合物の代謝物、即ち薬剤の投与によってインビボで生成される化合物も本発明の範囲内に含まれる。本発明に係る代謝物の一部の例として、
(i)メチル基、そのヒドロキシメチル誘導体を含む化学式(1)の化合物、
(ii)アルコキシ基、そのヒドロキシ誘導体を含む化学式(1)の化合物、
(iii)第3級アミノ基、その第2級アミノ誘導体を含む化学式(1)の化合物、
(iv)第2級アミノ基、その第1級アミノ誘導体を含む化学式(1)の化合物、
(v)フェニル部分、そのフェニル誘導体を含む化学式(1)の化合物、
(vi)アミド基、そのカルボン酸誘導体を含む化学式(1)の化合物、
が含まれる。
1つ以上の不斉炭素原子を含む化学式(1)の化合物は、2つ以上の立体異性体として存在し得る。本発明の範囲内に含まれるのは、化学式(1)の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体、及び互変異性型であり、1を超える異性型を示す化合物及びそれらの1つ以上の混合物を含む。また、対イオンが光学活性である、例えばd−乳酸若しくはl−リシン、又はラセミのdl−酒石酸若しくはdl−アルギニンなどの酸添加又は塩基塩も含まれる。各エナンチオマーについて、調製か若しくは分離の少なくとも一方をおこなうための従来技術は、光学的に純粋な適切なプリカーサからのキラル合成、又は例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いたラセミ体(又は塩若しくは誘導体のラセミ体)分割を含む。
代替的に、ラセミ体(又はラセミプリカーサ)は、例えばアルコール、又は化学式(1)の化合物が酸性若しくは塩基性部分を含む場合には酒石酸若しくは1−フェニルエチルアミンなどの酸若しくは塩基など、適切な光学活性化合物と反応されてもよい。取得されたジアステレオマー混合物はクロマトグラフフィー及び/又は分別結晶により分離され、一方又は双方のジアステレオ異性体が、当業者に既知である方法によって、対応する純粋なエナンチオマーに変換されてもよい。
本発明のキラル化合物(及びそのキラルプリカーサ)は、0〜50体積%、通常は2〜20体積%のイソプロパノールと、0〜5体積%のアルキルアミン、通常は0.1%のジエチルアミンとを含む、典型としてヘプタン又はヘキサンである炭化水素からなる移動相を伴う不斉樹脂において、典型ではHPLC(キラルカラム)であるクロマトグラフィーを用いてエナンチオマー濃縮された形態において取得されてもよい。逆相HPLCでは、CHCN及びHO、MeOH又はiPrOH及びHOが溶媒として用いられる。溶出物の濃縮によって富化された混合物が得られる。
立体異性の集合体は、当業者に知られている従来技法によって分離されてもよく、例えば、E.L.Elielによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley,New York,1994年)、G.Subramanianによる「Chiral Separation Techniques」(John Wiley&Sons,2008年、G.B.Coxによる「Preparative Enantioselective Chromatography」(Wiley,2005年)が参照される。
本発明の薬学的に許容される溶媒は、結晶の溶媒が同位体的に置換されている、例えばDOなどであり得るものを含む。化学式(1)の化合物、その薬学的に許容される塩、及び/又はそこから由来する型は、特に黒色腫、乳がん、前立腺がん及び結腸がんである様々ながんの処置及び予防に適する、薬学的に活性である有用な化合物である。
本発明の化合物は、結晶又は非結晶生成物として投与されてもよく、また例えば、析出、結晶化、凍結乾燥、スプレー乾燥、又は蒸発乾燥などの方法によって、例えば固体プラグ(solid plugs)、粉末、又はフィルムとして取得されてもよい。このため、マイクロ波又は高周波乾燥が用いられてもよい。本発明の化合物は、単独で、又は本発明の1つ以上の他の化合物との組合せで、若しくは1つ以上の他の薬剤(若しくはその任意の組合せ)との組合せで投与されてもよく、通常は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を伴う製剤として投与される。本明細書で用いられる用語「賦形剤」は、本発明の化合物以外の任意の成分を記述するために用いられる。賦形剤の選択は、大方の場合、特定の投与形態、溶解性と安定性とにおける賦形剤の効果、剤形の性質などの要素次第である。本発明の化合物の送達に適切な医薬組成物とその調製方法とは、当業者に容易に理解される。そのような組成物及びその調製方法は、例えば「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(19th Edition Mack Publishing Company,1995年)などに見受けられる。
本発明の化合物は任意の適切な経路で投与されてもよい。
つまり、本発明の化合物は、経口、経口腔、経鼻内、非経口(例えば静脈内、筋肉内、若しくは皮下)、局所、若しくは直腸投与用に、又は吸入若しくはガス注入による投与に適する剤形で、医薬組成物として製剤化されてもよい。医薬組成物は、経口投与では、結合剤(例えばアルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、充填剤(例えばラクトース、結晶セルロース若しくはリン酸カルシウムなど)、潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク若しくはシリカなど)、崩壊剤(例えばバレイショデンプン若しくはデンプングリコール酸ナトリウムなど)、又は湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウムなど)などの薬学的に許容される賦形剤と共に従来法で調製された、例えば錠剤又はカプセル剤などの剤形であってもよい。錠剤は該技術分野では既知の方法によってコーティングされてもよい。経口投与のための液剤は、例えば液剤、シロップ、若しくは懸濁剤などの剤形であってよく、又は使用前に水若しくは他の適切な媒体と共に構成される乾燥製品として提供されてもよい。
このような液剤は、懸濁剤(例えばソルビットシロップ、メチルセルロース、又は食用硬化脂など)、乳化剤(例えばレシチン又はアカシアなど)、非水性媒体(例えばアーモンド油、油性エステル又はエチルアルコールなど)、及び保存剤(例えば、メチル若しくはプロピルp−ヒドロキシ安息香酸又はソルビン酸など)などの薬学的に許容される添加剤と共に従来法で調製されてもよい。
また組成物は、口腔内投与では、従来法で製剤化された錠剤又はトローチ剤の剤形であってよい。本発明の化合物は、当業者には既知である方法により徐放性送達用に製剤化されてもよい。
このような製剤化の実施例は、米国特許第3,538,214号、第4,060,598号、第4,173,626号、第3,119,742号及び第3,492,397号において見受けられ、これらはその全体が参考文献として本明細書に組み込まれる。
本発明の化合物は、従来のカテーテル処置技術又は点滴の使用を含む、注射による非経口投与用に製剤化されてもよい。注射用の製剤は、保存剤を添加した、例えばアンプル又は複数回用量容器などの単位用量剤形で提供されてもよい。組成物は、油性若しくは水性媒体の懸濁剤、液剤又は乳化剤などの剤形であってよく、懸濁、安定及び/又は分散剤などの製剤化剤を含んでもよい。代替的に、活性成分は、使用前に例えば滅菌パイロジェンフリー水などの適切な媒体と再構成される散剤の剤形であってよい。通常は、非経口用剤形は、塩、炭水化物、及び緩衝剤(好ましくはpH3〜9)などの賦形剤を含み得る水性液剤であるが、一部の適用においては、滅菌非水性液剤、又は滅菌パイロジェンフリー水などの適切な媒体と共に用いられる乾燥剤形として、より適切に製剤化されてもよい。
例えば特定の疾患又は病態を治療する目的で、組合せの活性化合物を投与することは望ましいことから、少なくとも一方が本発明に係る化合物を含む2つ以上の医薬組成物が、組成物の併用投与に適するキットの形態で適宜組み合わせられ得るということは本発明の範囲内である。ゆえに、本発明によるキットは、その少なくとも一方が本発明に係る化学式(1)の化合物である2つ以上の個別の医薬組成物と、容器、分割されたボトル又は分割されたホイル小包など、個別に該組成物を保持する手段とを含む。また本発明のキットは、容器、分割されたボトル又は分割されたホイル小包など、個別に該組成物を保持することを意味する。このようなキットの例として、錠剤、カプセル剤などを包装するために使用されるよく知られたブリスターパックが挙げられる。
本発明のキットは、例えば非経口など、異なる剤形を投与すること、異なる投与間隔で個別の組成物を投与すること、又は相反する個別の組成物を用量設定することに特に適する。服薬コンプライアンスの補助のため、キットには通常は投与指示書が含まれ、いわゆる備忘録が提供されてもよい。
ヒト患者への投与における本発明の化合物の1日総用量は、当然のことながら投与形態次第で、通常は0.001mg〜5000mgの範囲である。例えば、静脈内投与の1日用量には、0.001mg〜40mgが必要とされるのみであり得る。1日総用量は単独又は分割用量で投与されてもよく、また医師の判断で本明細書に提示される典型としての範囲から外れることもあり得る。
これらの用量は、約65kg〜70kgの体重である平均的ヒト対象者に基づいている。医師は、幼児や高齢者など、この範囲外の体重である対象者に対する用量を容易に決定可能であろう。
疑問を回避する目的で、本明細書の「処置」の言及には根治的、緩和的、予防的処置への言及が含まれる。
本発明の他の実施形態によると、化学式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、由来する型、若しくは組成物はまた、がんの処置、つまり黒色腫、乳がん、前立腺がん及び結腸がんなどの特に望ましい治療結果を得るために、患者に併用投与される1つ以上の追加の治療剤との組合せとして用いられることも可能である。
また、第2の、そしてさらに追加の治療剤は、化学式(1)〜(3)の化合物か、又はその薬学的に許容される塩、由来する型、若しくは組成物か、又は上述で挙げられた病態の処置において該技術分野で既知である1つ以上の化合物であり得る。より具体的には、第2の、そしてさらなる治療剤は、異なる分類の治療剤から選択されるであろう。
本明細書に用いられるように、化学式(1)の化合物と1つ以上の他の治療剤とを表す用語「併用投与」、「併用投与される」、及び「組合せで」は、化学式(1)〜(3)の化合物と治療剤とのそのような組合せを、その成分が実質的に同時に患者に放出される単独の剤形に共に製剤化されている場合に、処置を必要とする患者へ同時投与すること、化学式(1)の化合物と治療剤とのそのような組合せを、その成分が患者によって実質的に同時に摂取される個別の剤形にそれぞれ別に製剤化されて患者には実質的に同時に放出される場合に、処置を必要とする患者へ実質的に同時投与すること、化学式(1)の化合物と治療剤とのそのような組合せを、その成分が、各投与間に有意な間隔をあけて複数回連続して患者に摂取される個別の剤形にそれぞれ別に製剤化され、患者には実質的に異なる時間に放出される場合に、処置を必要とする患者へ連続して投与すること、そして、化学式(1)の化合物と治療剤とのそのような組合せを、その成分が、制御された方法で該成分を放出する単独の剤形に共に製剤化され、一緒に、連続して、並びに/又は、同じ及び/若しくは異なる時間に患者に投与され、それぞれが同様の又は異なる経路で投与され得る場合に、処置を必要とする患者へ連続して投与すること、を意味することが意図され、言及され、含まれる。化学式(1)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、由来する型、若しくは組成物との組合せで用いられ得るその他の治療剤の適切な例は、
‐ダカルバジンなどのがん治療に用いられる抗がん剤、
‐フォテムスチンなどのニトロソウレア系アルキル化剤、
‐ベムラフェニブ又はダブラフェニブなどのBRAF阻害剤、
‐トラメチニブなどのMEK阻害剤、
‐抗CTLA4抗体、すなわちイピリムマブ、を含むが、これに限定されない。
本明細書における処置に対するすべての言及は、根治的、緩和的及び予防的処置を含むことが理解される必要がある。以下の記載は、化学式(1)〜(3)の化合物が適用され得る治療的適用に関する。また、本発明のさらなる態様は、抗がん作用を有する薬剤の製造における、化学式(1)〜(3)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、由来する型、若しくは組成物の使用に関する。本発明は、特に、黒色腫の処置のための薬剤の製造における、化学式(1)〜(3)の化合物又はその薬学的に許容される塩、由来する型、若しくは組成物の使用に関する。ゆえに、本発明は、化学式(1)〜(3)の化合物又はその薬学的に許容される塩、由来する型、若しくは組成物の有効量で、ヒトを含む哺乳類を処置するための特に興味深い方法を提供する。より正確には、本発明は、特に上述される疾患及び/又は病態において、ヒトを含む哺乳類のがん疾患の処置をするための特に興味深い方法を提供し、化学式(1)の化合物、その薬学的に許容される塩及び/又は由来する型の有効量を該哺乳類に投与することを含む。以下の実施例は、化学式(1)の化合物の調製とその薬理特性とを表す。
図1は、HA15が黒色腫細胞及びその他の型のがん細胞の細胞生存性を抑止することを表す。細胞生存性は、それぞれLNCAP及びPC3として言及される2つの異なる種の前立腺細胞のサンプル、MCF7として言及される乳細胞のサンプル、HT29として言及される結腸細胞のサンプル、転移性黒色腫細胞株A375のサンプル、及びGICとして言及される患者からの黒色腫細胞のサンプルにおける生存する細胞の数の計数によって評価される。細胞生存性の測定はトリパンブルー排除法を用いた細胞の計数によっておこなわれた。結果は、100%値に関連付けられる負の対照に対応するDMSOの存在下における生存する細胞の数に対する細胞の生存率として表される。 図2は、HA15が正常細胞の細胞生存性を抑止しないことを表す。ヒトの正常メラノサイトの初代細胞培養はヒトの包皮から用意された。メラノサイトと線維芽細胞との細胞生存性における化合物H15の効果を測定するために、10μMのシグリタゾン又は10μMのHA15が細胞サンプルに添加された。細胞生存性の測定は図1と同様の方法でおこなわれた。結果は、図1のように、DMSOの存在下における生存する細胞の数に対する細胞の生存率として表される。 図3は、[HA15]と[SR50]とがマウスの腫瘍形成を抑止することを表す。インビボでの(HA15)と(SR50)との潜在的抗腫瘍効果を評価するため、A375黒色腫細胞(2.5×10)を、生後6週の雌の胸腺欠損ヌードマウスの皮下に注射し、5日後に、媒体(ラブラフィル(labrafil))又はPLX4032、(HA15)及び(SR50)(0.7mg/マウス/日)などの種々の化合物の注射により24日間にわたって処置した。抑止効果は、8、11、15、18、22、及び24日目に腫瘍体積(mm)として表される。 図4は、A375黒色腫細胞の細胞生存性における化合物[HA15]、[HA19]、[HA20]、[HA21]、[HA22]、[HA24]、[HA25]、[HA26]、[HA21]、[HA27]、[HA27di]、[HA29]、[HA30]、[HA31]、[HA32]、[HA33]、[HA34]、[HA35]、[HA36]、[HA37]及び[HA38]の効果を示す。細胞生存性の測定は図1と同様の方法でおこなわれた。結果は、図1のように、負の対照であるDMSOの存在下における生存する細胞の数に対する細胞の生存率として表される。 図5は、[HA15]、[HA32]及び[SR50]がダブラフェニブに耐性のある細胞の生存性を抑止することを表す。細胞生存性の測定は図1と同様の方法でおこなわれた。結果は、負の対照であるDMSOの存在下における生存する細胞の数に対する細胞の生存率として表される。 図6は、A375黒色腫細胞におけるMAPベムラフェニブ活性における本発明の化合物とダブラフェニブとの効果を示すウェスタンブロッティングを示す。
[実施例]
‐化学合成及び特性‐
H及び13C NMRスペクトルは、200又は500のBurker Advance分光計(Hに対して200又は500MHz、13Cに対して50MHz)で記録された。ケミカルシフトは、テトラメチルシランにおいて百万分率で表される。分裂パターンは、s(1重線)、d(2重線)、t(3重線)、m(多重線)、及びbr(ブロード)として示される。カップリング定数(J値)はヘルツ(Hz)で示される。分析薄層クロマトグラフィー(TLC)はMerck社(VWR)の前被覆されたシリカゲル60F254プレートでおこなわれ、化合物はニンヒドリンテスト及び/又は紫外線光(254nm)下で可視化された。カラムクロマトグラフィーはシリカゲル上でおこなわれた(Merck社、40−63μm)。そして、正モードのエレクトロスプレーイオン化分析(ESI−MS)をBurker Daltonics(Esquire 3000 plus)装置でおこなった。異なるサイズのカラムを用いてウォーターズ社の機器でHPLC分析を記録した。
<実施例1>
5−(ジメチルアミノ)−N−(3−(2−(メチルアミノ)チアゾール−4−イル)フェニル)ナフタレン−1−スルホンアミド(Ia)の調製
<1> 2−ブロモ−1−(3’−ニトロフェニル)エタノン(1a, R=H)の調製
5%の塩化アルミニウム(160mg)を、ジエチルエーテル(25mL)内の市販の3−ニトロアセトフェノン(4g、24.2mmol)懸濁剤に添加し、反応混合物を0℃に配置した。そして、臭素(1当量、1.4mL、24.2mmol)を液滴で添加した。反応物を、出発物質が完全に取り込まれるまで室温で1時間撹拌した。水(30mL)の添加後に、混合物をジエチルエーテル(3x30mL)で抽出した。生成物(2)を黄色固体として取得し、さらなる精製はせずに下記の反応に使用した。産生量5.7g (97%); SM (ESI) m/z = 266 [M+Na]+; 1H NMR(CDCl3, 200 MHz): δ 4.42 (s, 2H, CH2), 7.67 (t, 1H, J= 8 Hz, H5’), 8.26 (ddd, 1H, J = 8 Hz, J =1.6 Hz, J = 1.1 Hz, H6’ ), 8.40 (ddd , 1H, J =8 Hz , J = 2 Hz , J = 1.1 Hz, H4’), 8.74 (t, 1H, J = 1.2Hz, H2’); 13C NMR (CDCl3, 50 MHz): δ 29.9 (CH2),123.8 (CAr), 128.1 (CAr), 130.2 (CAr), 134.4(CAr),135.1 (CAr), 148.5 (CAr), 189.3 (Ccarbonyl)
<2> 5−(ジメチルアミノ)−N−(3−(2−(メチルアミノ)チアゾール−4−イル)フェニル)ナフタレン−1−スルホンアミド(Ia/HA19)の調製
N−メチルチオ尿素(1当量)をエタノール(60mL)に含まれた1−ブロモ−3−ニトロアセトフェノン(10mmol)溶液に添加した。反応混合物を80℃で30分間撹拌し、室温に冷却するため置いた。沈殿物を濾過し、エタノール・エーテル混合物で洗浄して黄色固体としての化合物4a(97%産生率)を得た。Rf = 0.70 (CH2Cl2/MeOH:9/1); SM(ESI) m/z = 258 [M+Na]+; 1H NMR (DMSO-d6, 200 MHz)δ : 2.90 (d, 3H, CH3), 7.40 (s, 1H, H5), 7.71 (m,2H, H5’, NH), 8.12 (ddd, 1H, J = 8.2, 2.3, 0.9 Hz, H6’),8.28 (m, 1H, H4’), 8.62 (m, 1H, H2’). 13C NMR(DMSO-d6, 50 MHz) δ: 30.9 (CH3), 103.6 (CAr), 119.9 (CAr),121.7 (CAr), 129.9 (CAr), 131.6 (CAr), 136.3(CAr), 147.7 (CAr), 148.1 (CAr), 169.6 (CAr)
<3> 2−N−メチル−4−(3−アミノフェニル)チアゾール(5a)の調製
酢酸とエタノールとの混合物(1:1、v/v、50mL)に含まれた化合物4a(8.0mmol)の溶液を、パラジウム活性炭素(10%)の存在のもと水素雰囲気下で3時間撹拌した。セライトパッドを用いて濾過により触媒を除去した後、濾過物を減圧下で濃縮し、生成物をエチルエーテル内において結晶化して白色固体として取得される純粋化合物5a(96%産生率)を得た。Rf= 0.58 (CH2Cl2/MeOH: 9/1); SM (ESI) m/z = 228 [M+Na]+; 1HNMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ: 2.85 (d, 3H, CH3), 5.07 (s, 2H, NH2), 6.46(dt, 1H, J = 6.6, 2.4 Hz, H5’), 6.82 (s, 1H, H5), 7.01(m, 3H, 3HAr), 7.48 (m, 1H, NH) 13C NMR (DMSO, 50 MHz) δ:30.98 (CH3), 99.87 (CAr), 111.46 (CAr), 113.1(CAr), 113.5 (CAr), 128.8 (CAr), 135.5 (CAr),148.5 (CAr), 151.0 (CAr), 169.0 (CAr)
<4> 5−(ジメチルアミノ)−N−(3−(2−(メチルアミノ)チアゾール−4−イル)フェニル)ナフタレン−1−スルホンアミド(Ia)の調製
アミンのスルホン化の通常の方法
室温、アルゴン下において、ジクロロメタン(10mL)に含まれた化合物(4−(4−アミノフェニル)−N−メチルチアゾール−2−アミン,5a)(100mg、0.49mmol)の溶液に、ダンシルクロリド(1.2当量、137mg)、トリエチルアミン(1.6当量、0.11mL)及びDMF(1.5mL)を続けて添加し、24時間反応させた。15時間の撹拌と水(20mL)の添加後に、混合物をEtOAc/水(3x30mL))で抽出し、複合有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。粗生成物を黄色固体としての純粋化合物が取得されるシリカゲルカラム(9:1〜8:2、シクロヘキサン−EtOAc)において精製した。産生量(Ia1)170 mg (79%). Rf = 0.44 (cyclohexane /EtOAc:1/1); SM (ESI) m/z =461 [M+Na]+; 1H NMR (DMSOd6, 200 MHz): δ 1.37 (s, 3H, CH3), 2.76 (s, 6H, N(CH3)2),6.86 (s, 1H, H5), 6.91 (dd, 1H, J = 8 Hz, J= 1 Hz, H4’)7.11 (t, 1H, J = 8 Hz, H5’), 7.22 (d, 1H, J = 7.32 Hz, Har),7.34 (d, 1H, J = 8 Hz, H6’), 7.52 (t, J = 1.7 Hz, H2’) ,7.56 (m, 3H, 2Har + NH(Me)) 8.23 (d, 1H, J = 6.3 Hz, Har), 8.39 (t,2H, J = 8.5 Hz, H3”, H7”), 10.69 (s, 1H, NH(SO2)); 13CNMR (DMSOd6, 50 MHz): δ 30.9 (CH3), 44.9 (2Cdimethylamino), 101.2(CAr), 115.2 (CAr), 116.2 (CAr),117.5(CAr),118.6(CAr),120.5(CAr),123.4(CAr),128.1(CAr),128.9(CAr),129.0(CAr),129.1(CAr),129.8(CAr),130.0(CAr),134.8(CAr), 135.6(CAr),137.8(CAr),149.4(CAr),151.4(CAr), 169.2 (Cthiazol(2))
<実施例2>
N−(4−(3−5−ナフタレン−2−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2yl)アセトアミド(Ia/HA26)の調製
<1> 2−ブロモ−1−(3’−ニトロフェニル)エタノン(1a、R=H)の調製
該化合物は実施例1と同様の手順で調製された。
<2> N−(4−(3’−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド(4a、R=H、R、R=H、Ac)の調製
エタノール(70mL)に含まれた1−ブロモ−3−ニトロアセトフェノン(1a1、=H)(2.6g、10.6mmol)の溶液に、N−アセチルチオ尿素(1当量、1.25g、10.6mmol)を添加した。そして反応混合物を80℃で30分間撹拌し、室温に冷却するため置いた。沈殿物を濾過し、1:1のエタノール・エーテル溶液で洗浄して黄色固体としての化合物を取得し、さらなる精製はせずに下記の反応に使用した。産生量2.4 g (84%). Rf = 0.55 (cyclohexane /EtOAc: 1/1);SM (ESI) m/z = 266 [M+Na]+; 1H NMR (DMSO-d6, 200MHz): δ 2.15 (s, 3H, CH3), 7.70 (t, 1H, J = 8 Hz, H5’),7.90 (s, 1H, H5), 8.15 (ddd, 1H, J = 1 Hz; J =2.2 Hz; J = 8 Hz, H6’), 8.31 (ddd, 1H, J = 8Hz , J = 1.2 Hz , J = 2.2 Hz, H4’), 8.72 (s,1H , H2’ ), 12.35 (s, 1H, NH); 13C NMR (DMSO-d6, 50 MHz):δ 22.4 (CH3), 110.37 (CAr), 119.97 (CAr), 122.20 (CAr),130.31 (CAr), 131.65 (CAr), 135.75 (CAr),146.19 (CAr), 148.27 (CAr), 158.37 (CAr),168.75 (Ccarbonyl)
<3> N−(4−(3’−アミノフェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド(5a1、=H、R3、=H、Ac)の調製
NO還元の通常の方法
(4a1、=H、R、R=H、Ac)(2.2g、8.35mmol)とパラジウム活性炭素(10%)とを含む0℃の混合物に、1:1のジクロロメタン・メタノール(35mL)混合物に含まれたNaBH(5当量、1.58g、41.75mmol)を添加し、反応混合物を5時間撹拌した。セライトパッドを用いて濾過した後、濾過物を減圧下で濃縮し、粗物質をシリカゲルカラム(99:1〜95:5、CHCl−MeOH)で精製して白色固体としての純粋化合物(5a)を得た。産生量974 mg (50%); Rf=0.25 (cyclohexane /EtOAc: 1/1); SM (ESI) m/z= 256 [M+Na]+; 1H NMR (DMSO d6, 200 MHz): δ 2.13 (s, 3H,CH3), 5.12 (s, 2H, NH2), 6.50 (dt, 1H, J = 6.44 Hz, J =2.4 Hz, H4’), 7.03 (m, 2H, H6’ and H5’), 7.34(s, 1H, H5), 7.93 (s, 1H, H2’), 12.22 (s, 1H, NH); 13CNMR (DMSO-d6 , 50 MHz): δ 22.4 (CH3), 106.8 (CAr), 111.2 (CAr), 113.5 (CAr), 129.1 (CAr), 134.8 (CAr), 148.8 (CAr), 149.5 (CAr), 157.5 (CAr), 162.2 (CAr), 168.5 (Ccarbonyl)
<4> N−(4−(3−5−ナフタレン−2−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2イル)アセトアミド(Ia/HA26)の調製
ジクロロメタン(10mL)、2−ナフタレンスルホニルクロリド(1.2当量、93.3mg)、トリエチルアミン(1.6当量、0.075mL)及びDMF(2mL)に含まれ手順3で得られた化合物(5a)(80mg、0.34mmol)から処理及び精製後に白色固体として(Ia)を得た。産生量84.7 mg (60%); Rf = 0.38 (cyclohexane /EtOAc: 1/1); SM (ESI) m/z =446 [M+Na]+; 1H NMR (DMSO d6, 200 MHz): δ2.14 (s, 3H, CH3), 7.01 (dd, 1H, J = 8 Hz, J = 1.2 Hz, H4’),7.21 (t, 1H, J = 8 Hz, H5’), 7.45 (s, 1H, H5), 7.48 (d,1H, J = 8 Hz, H6’), 7.63 (m, 2H, 2Har), 7.70 (t, 1H, J =1.7 Hz, H2’), 7.76 (dd, 1H, J = 8.6 Hz, J = 1.8 Hz, Har),7.96 (m, 1H, Har), 8.06 (m, 2H, 2Har), 8.43 (s, 1H, Har),10.48 (s, 1H, NH(SO2)), 12.24 (s, 1H, NH(Ac)); 13C NMR (DMSO d6, 50MHz): δ 22.4 (CH3), 108.3 (CAr), 117.5 (CAr),119.5 (CAr), 121.5 (CAr), 121.9 (CAr), 127.6(CAr), 127.7 (CAr), 127.9 (CAr), 128.9 (CAr),129.1 (CAr), 129.4 (CAr), 131.4 (CAr), 134.1(CAr), 135.1 (CAr), 136.3 (CAr), 138.0 (2CAr),147.9 (CAr), 157.9 (CAr), 168.7 (Ccarbonyl)
<実施例3>
N−(4−(3’−(2’’’−フルオロフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド(Ia/HA 25)の調製
ジクロロメタン(10mL)、2−フルオロベンゼン−1−スルホニル(1.2当量、79.4mg)、トリエチルアミン(1.6当量、0.075mL)及びDMF(2mL)に含まれ手順3で得られた化合物(5a)(80mg、0.34mmol)から処理及び精製後に白色固体として(4b)を得た。産生量105.7 mg (80%) ; Rf = 0.38 (cyclohexane /EtOAc: 1/1);SM (ESI) m/z = 414 [M+Na]+; 1H NMR (DMSO d6, 200MHz): δ 2.14 (s, 3H, CH3), 7.03 (dd, 1H, J = 1.2 Hz, J = 8 Hz, H4’),7.25 (t, 1H, J = 8 Hz, H5’), 7.32 (td, 1H, J = 7.7 Hz, J = 1 Hz, H5”),7.39 (td, 1H, J = 7.7 Hz, J = 1 Hz, H3”), 7.45 (s, 1H, H5),7.52 (d, 1H, J = 8 Hz, H6’), 7.61 (m, 1H, HAr ), 7.68 (t,1H, J = 1.8 Hz, H2’), 7.82 (td, 1H, J = 7.6 Hz, J = 2 Hz, H4”),10.69 (s, 1H, NH(SO2)), 12.25(s, 1H, NH(Ac)); 13C NMR (DMSO d6, 50MHz): δ 22.4 (CH3), 108.4 (CAr), 117.0 (CAr), 117.2(CAr), 117.4 (CAr), 119.2 (CAr), 121.6 (CAr),124.8 (CAr), 126.7 (CAr), 126.9 (CAr), 129.5(CAr), 130.4 (CAr), 135.2 (CAr), 137.5 (CAr),147.9 (CAr), 157.9 (CAr), 168.7 (Ccarbonyl)
<実施例4>
N−(4−(3−(3−(トリフルオロメチルフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド(Ia)の調製
ジクロロメタン(10mL)、3−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(1.2当量、0.083mL)、トリエチルアミン(1.6当量、0.096mL)及びDMF(2mL)に含まれ手順3で得られた化合物(5a)(100mg、mmol)から処理及び精製後に白色固体として(Ia)を得た。産生量46.7 mg (24%); Rf=0.3(cyclohexane /EtOAc: 1/1);SM (ESI) m/z = 464 [M+Na]+ ; 1H NMR (DMSO d6, 200MHz):δ 2.14 (s, 3H, CH3),6.97 (dd, 1H, J = 8 Hz, J = 1.3 Hz, H4’ ), 7.27 (t, 1H, J = 8 Hz, H5’),7.49 (s, 1H, H5), 7.57 (d, 1H, 8 Hz, H6’), 7.70 (t, 1H, J= 1.6 Hz, H2’), 7.78 (m, 1H, Har), 7.99 (m, 3H, 3Har),10.5 (s, 1H, NH(SO2)), 12.25 (s, 1H, NHAc); 13C NMR (DMSO d6, 50MHz):δ 22.4 (CH3),108.5 (CAr),118.2(CAr),120.1(CAr),120.5(CAr),122.1(CAr), 123.1(CAr),129.4(CAr),129.6(CAr),130.1(CAr),130.5(CAr),131.0(CAr),135.3(CAr),137.4(Cphenyl(3’)), 140.4 (CAr), 147.8 (CAr),158.0(CAr),168.7(Ccarbonyl)
<実施例5>
N−(4−(4’−(2’’, 4’’−ジフルオロフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド(Ib)の調製
<1> 2−N−アセチルアミノ−4−(4−ニトロフェニル)チアゾール(4b)の調製
エタノール(60mL)に含まれた1−ブロモ−4−ニトロアセトフェノン(2.5g、10mmol)の溶液にN−アセチルチオ尿素(1当量、1.24g)を添加した。反応混合物を80℃で30分間撹拌し、室温に冷却するため置いた。沈殿物を濾過し、エタノール・エーテル混合物で洗浄して黄色固体としての2.2gの化合物4b(98%産生率)を得た。Rf = 0.7 (CH2Cl2/MeOH: 9/1);1H NMR (DMSO d6, 200 MHz) δ 2.17 (s, 3H), 7.70 (s, 1H), 8.13 (d, 2H,J = 9.0), 8.30 (d, 2H, J = 9.0); 13C NMR (DMSO d6, 50 MHz) δ 22.9,112.7, 124.6, 126.8, 140.7, 146.8, 146.9, 158.9, 169.2; mass spectrum (ESI) m/z264.04376 (M+H)+ (C11H10N3O3Srequires m/z 264.04429)
<2> 2−N−アセチルアミノ−4−(4−アミノフェニル)チアゾール(5b)の調製
酢酸とエタノールとの混合物(1:1、v/v、50mL)に含まれた化合物4b(2.20g、8.37mmol)の溶液をパラジウム活性炭素(10%)の存在のもと水素雰囲気下で3時間撹拌した。セライトパッドを用いた濾過による触媒の除去後、濾過物を減圧下で濃縮し、生成物をエチルエーテル内において結晶化して白色固体として取得される1.85gの純粋化合物5b(95%産生率)を得た。Rf= 0.54 (CH2Cl2/MeOH: 9/1); 1H NMR (DMSO d6,200 MHz) δ 2.15 (s, 3H), 5.26?5.28 (br s, 2H), 6.60 (d, 2H, J = 8.6), 7.17 (s,1H), 7.56 (d, 2H, J = 8.4); 13C NMR (DMSO d6, 50 MHz) δ 22.9, 103.5,114.1, 122.8, 127.0, 148.9, 150.1, 157.8, 168.7; mass spectrum (ESI) m/z234.06985 (M+H)+ (C11H12N3OSrequires m/z 234.07011)
<3> Ibの調製
ジクロロメタン(10mL)、4−ジフルオロベンゼン−1−スルホニルクロリド(1.2当量、0.034mL)、トリエチルアミン(1.6当量、0.047mL)及びDMF(2mL)に含まれ手順2で得られた化合物(5b)(50mg、0.21mmol)から処理及び精製後に黄色固体として(Ib)を得た。産生量25 mg (29%);Rf = 0.33 (cyclohexane /EtOAc: 1/1); SM (ESI)m/z = 432 [M+Na]+; 1H NMR (DMSO d6, 200MHz): δ 2.12 (s, 3H, CH3), 7.01 (dd, 1H, J = 8.6 Hz, H3’,H5’), 7.23 (tdd, 1H, J = 1 Hz, J = 2.5Hz, J = 9 Hz, H3”), 7.45 (s, 1H, H5), 7.52 (m,1H, H5”), 7.73 (d, 2H, J = 8.6 Hz, H2’,H6’),7.89 (m, 1H, Har), 10.73 (s, 1H, NH(SO2)), 12.22 (s, 1H,NH(Ac)); 13CNMR (DMSO d6, 50MHz): δ 22.4 (CH3), 107.2 (CAr), 119.9 (CAr(3’,5’)),126.5 (CAr(2’,6’)), 130.5 (CAr), 136.3 (CAr),147.9 (CAr), 157.9 (CAr), 168.5 (Ccarbonyl)
<実施例6>
N−(4−(4−(4(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド(Ib)の調製
ジクロロメタン(10mL)、4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(1.2当量、61.6mg)、トリエチルアミン(1.6当量、0.047mL)及びDMF(2mL)に含まれ手順2で得られた化合物(5b)(50mg、0.21mmol)から処理及び精製後に白色固体として(Ib)を得た。産生量37.2 mg (40%); Rf=0.55 (cyclohexane /EtOAc: 1/1);SM (ESI) m/z = 464 [M+Na]+, 905 [2M+Na]+; 1HRMN (DMSOd6, 200 MHz):δ 2.12 (s, 3H, CH3),7.12 (d, 2H, J = 8.7 Hz, H3’,H5’), 7.45 (s, 1H, H5),7.73 (d, 2H, J = 8.6 Hz, H2’,H6’), 7.94 (s, 4H, H2”,H3”, H5”, H6” ), 10.62 (br, 1H,NH(SO2)), 12.21(s, 1H, NH(Ac)); 13C NMR (DMSO d6, 50MHz): δ 22.4 (CH3), 107.4 (CAr), 120.6 (CAr),126.0, 126.5, 126.6, 127.7, 130.8, 132.2, 132.8, 147.8, 157.9, 166.3, 168.6(Ccarbonyl)
<実施例7>
さらなる中間物の調製
<7.1.> 4−(3’−ニトロフェニル)−2−アミノチアゾール(4a、R=H、R=R=H)の調製
エタノール(70mL)に含まれた1−ブロモ−3−ニトロアセトフェノン(1a、R=H)(2.5g、10.25mmol)の溶液にチオ尿素(1当量、0.78g、10.25mmol)を添加した。そして反応混合物を80℃で1時間撹拌し、室温に冷却するため置いた。沈殿物を濾過し、1:1のエタノール・エーテル溶液で洗浄して化合物(4a)を黄色固体として取得し、さらなる精製はせずに下記の反応に使用した。産生量2 g (88%). Rf = 0.6 (cyclohexane-EtOAc: 1/1); SM(ESI) m/z = 222 [M+H]+; 1H NMR (DMSO d6, 200 MHz): δ7.47 (s, 1H, H5), 7.73 (t, 1H, J = 8 Hz, H5’), 8.19 (d,1H, J = 8 Hz, H6’), 8.20 (d, 1H, J = 8 Hz, H4’); 8.56 (t,1H, J= 1.9 Hz, H2’), 9.6 (br, 2H, NH2); 13CNMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 105.1 (CAr), 120.1 (CAr), 122.8(CAr), 130.3 (CAr), 131.8 (CAr), 133.6 (CAr),134.8 (CAr), 148.1 (CAr), 169.5 (CAr)
<7.2.> N−(4−(3’−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド(4a、R=H、R=R=H)の調製
ベンゾイルクロリド(1.2当量、0.31mL)を、無水ピリジン(35mL)に含まれた(4a)(508mg、2.29mmol)溶液に0℃で滴下した。そしてベンゾイルクロリド(1.2当量、0.31mL)を加えた。反応混合物を冷却するため室温に15時間置いた。水を加え、混合物を酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。複合有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、最後に溶媒(酢酸エチル及びピリジン)を蒸発させた。粗生成物をシリカゲルカラム(9:1〜8:2、シクロヘキサン−EtOAc)で精製し純粋化合物(4a)を白色固体として得た。産生量568 mg (76%). Rf = 0.26 (cyclohexane /EtOAc:1/1);SM (ESI): m/z = 348 [M+Na]+, m/z = 673[2M+Na]+; 1HNMR:(DMSOd6, 50 MHz): δ 7.54 (m, 3H, H4”, H5”, H6”),7.72 (t, 1H, J = 8 Hz, H5’), 7.99 (s, 1H, H5), 8.14 (m, 3H, H6’,H2”, H7”), 8.36 (dt, 1H, J = 8 Hz, J =1.5 Hz, H4’),8.79 (t, 1H, J = 1.9 Hz, H2’), 12.85 (s, 1H, NH); 13C NMR(DMSO-d6, 50MHz): δ 111.0 (CAr), 120.1 (CAr), 122.2 (CAr),128.1 (Cbenzoyl(3”,7”)), 128.5 (Cbenzoyl(4”,6”)), 130.3(CAr), 131.7 (2CAr), 132.7 (CAr), 135.8 (CAr),146.6 (CAr), 148.3 (CAr), 158.9 (CAr), 165.3(Ccarbonyl).
<7.3.> N−(4−(3’−アミノフェニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド(5a、R=H、R、R=H、Ac)の調製
NaBH(5当量、450.3mg、11.8mmol)とパラジウム活性炭素(10%)とで処理した、1:1のジクロロメタン・メタノール(30mL)に含まれた(4a)(770mg、2.37mmol)に手順1を適用した(反応時間7時間)。シリカゲルカラム(7/3、シクロヘキサン−EtOAc)で精製し純粋化合物(5a)を白色固体として得た。産生量521 mg (75%); Rf = 0.4 (cyclohexane /EtOAc: 1/1);SM (ESI) m/z = 318 [M+Na]+; 1H NMR (DMSO d6,200 MHz): δ 5.22 (br, 2H, NH2), 7.06 (m, 2H, H6, H4’),7.13 (t, 1H, J = 1.4 Hz, H2’), 7.45 (s, 1H, H5), 7.59(tt, 1H, H5”), 7.55 (d, 2H, J = 7.32 Hz, H4”, H6”),7.53 (m, 1H, H5’), 8.11 (dd, 2H, J = 8 Hz, J = 1.5 Hz, H2’,H6’), 12.76 (s, 1H, NH) ;13C NMR (DMSO d6, 50MHz): δ 107.6 (CAr), 111.3 (CAr), 113.5 (CAr),113.7 (CAr), 128.1 (Cbenzoyl( 3”,7”)), 128.5 (Cbenzoyl(4”,6”)), 129.1 (CAr), 132.0 (CAr), 132.5 (CAr),134.9 (CAr), 148.8 (CAr), 149.9 (CAr), 158.2(CAr), 165.2 (Ccarbonyl)
下記の化合物は、上記記載の化合物と同様の手順を用いて調製された。
<実施例8>
本発明の化合物の抗がん作用
−材料と方法−
〔効力及び効能評価のための実験プロトコル〕
〔細胞の培養〕
新生児の包皮から取得された正常なヒトメラノサイト(NHM)を、2%FCS、ウシ脳下垂体抽出物(10μg/ml)、PMA(8nM)、bFGF(1ng/ml)、インスリン(5μg/ml)、ヒドロコルチゾン(0.5μg/ml)、フォルスコリン(10μM)、ゲンタマイシン(20μg/ml)、ペニシリン/ストレプトマイシン/アムホテリシンB(100U/ml)(Invitrogen)で補完したMCDB153(Sigma社)内において、5%COのもと37℃で増殖させた。
新生児の包皮から取得された正常ヒト線維芽細胞を、10%FCS及びペニシリン/ストレプトマイシン(100U/ml/50mg/ml)で補完したDMEM培地内において、5%COのもと37℃で増殖させた。
種々の黒色腫細胞株をAmerican Tissue Culture Collection(モルスアイム、フランス)から購入した。細胞を、10%FCS及びペニシリン/ストレプトマイシン(100U/ml/50mg/ml)で補完したRPMI 1640(A375、WM9及び患者の黒色腫細胞)又はDMEM培地(Mel501)内において、37℃、5%COのもと増殖させた。
患者の黒色腫細胞を、コラゲナーゼA(0.33U/ml)、ジスパーゼ(0.85U/ml)及びDnase I(144U/ml)で1〜2時間37℃において消化後の生体組織から取得した。70mmの細胞濾過器での濾過により大きな組織片を除去した。
〔トリパンブルー分析〕
細胞を6ウェルプレートに播種し(60000細胞/ウェル)、枯渇させ、提示された時間で化合物と共にインキュベートした。そして細胞を200μlのHyQTase(Thermo)の存在下で剥離し、2mlのRPMI 1640 Glutamax(Gibco)を細胞溶液に添加した。10μlのこの溶液を、10μlの0.4%トリパンブルーで1分間染色し、Malassezチャンバーでカウントした。
〔ウエスタンブロッティング分析〕
TRIS−HCl(pH7.5、50mM)、NaCl(15mM)、Triton X−100(1%)、並びにプロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤を含むFisher緩衝剤内においてタンパク質を抽出した。短時間で、細胞溶解物(30μg)をSDS−PAGEにより分離し、PVDF膜(Millipore、モルスアイム、フランス)に移し、そして所定の抗体に曝露した。タンパク質はAmersham(アーリントンハイツ、イリノイ州、アメリカ合衆国)のECLシステムで可視化された。表されるウェスタンブロッティングは少なくとも3つの独立した実験を示す。
〔インビボでの実験〕
BALB/C・nu/nu胸腺欠損マウス(Harlan)を用いた。該動物は生後6週間で体重は20〜25gであった。マウスは12時間毎の周期の動物のC3Mに収容された。動物は水と飼料を適宜与えられた。マウスを最初に1週間馴化させ、そしてA375細胞(200μlのPBSに250万細胞)を右側と左側に皮下注射した。処置はがん細胞注射の8日後に始められた(腫瘍が見えるようになったとき)。種々の化合物を、ラブラフィル(90%)(Gattefosse)、Tween80(1%)及びN,N−ジメチルアセトアミド(9%)の混合物に希釈した。0.7mg/日のPLX4032、SR44(HA15)、SR47(HA32)、SR50(JG25)又は対照のラブラフィルの混合物で腹腔内に毎日処置を受けた6匹のマウスからなる5つのグループを定義した。腫瘍の大きさは、カリパスを用いて週に3回測定された。
‐結果‐
<1> HA15は黒色腫細胞及びその他のがん細胞型の細胞生存性を抑止する。
細胞生存性における化合物の効果は種々の細胞型において調査された。図1に示されるように、細胞生存性はそれぞれLNCAP及びPC3として言及される2つの異なる種の前立腺細胞のサンプル、MCF7として言及される乳細胞のサンプル、HT29として言及される結腸細胞のサンプル、転移性黒色腫細胞株A375のサンプル、及びGICとして言及される患者からの黒色腫細胞のサンプルにおいて生存する細胞の数を計測することで評価される。前立腺、乳、結腸及び黒色腫A375のがん細胞は細胞株培養より得られた。黒色腫細胞GICの細胞培養は黒色腫を有するヒト患者の転移リンパ節から用意された。調査した細胞の細胞生存性における化合物HA15の効果を測定するため、10μMのシグリタゾン又は10μMのHA15が細胞サンプルに添加された。細胞生存性の測定はトリパンブルー排除法を用いた細胞計数によっておこなわれた。
結果は、100%値に関連付けられる負の対照に対応するDMSOの存在下における生存する細胞の数に対する細胞の生存率として表される。シグリタゾンはチアゾリジンジオン系の核内受容体PPARガンマの合成リガンドである。この化合物は2型糖尿病の処置に用いられ、抗腫瘍効果を有する。予備的な研究では、シグリタゾンはインビトロ及びインビボ研究におけるアポトーシスによって黒色腫細胞の大量死をもたらすことが示されている。故に、シグリタゾンは、図1に示される実験における正の対照として選択された。結果は、DNSOの存在下に配置された細胞とは異なり、シグリタゾン又は化合物HA15の存在下におけるLNCAP、PC3、MCF7、HT29、A375及びGIC細胞はその生存性が大きく低減された。またシグリタゾンを伴う正の対照に対して、化合物HA15はがん細胞LNCAP、PC3、MCF7、HT29、A375及びGICの細胞生存性を抑止した。
<2> HA15は正常細胞の細胞生存性を抑止しない。
図2に示されるように、メラノサイト及び線維芽細胞の細胞生存性における化合物HA15の効果が調査された。ヒト正常メラノサイトの初代細胞培養をヒトの包皮から用意した。メラノサイト及び線維芽細胞の細胞生存性における化合物HA15の効果を測定するために、10μMシグリタゾン又は10μMのHA15が細胞サンプルに添加された。細胞生存性の測定は図1と同様の方法でおこなわれた。シグリタゾンの存在下における細胞生存性も調査された。正常メラノサイト及び線維芽細胞の細胞生存性はシグリタゾン及びHA15の両化合物に影響を受けず、化合物HA1は正常細胞に対して毒性がないことを表すということが、結果により示される。
<3> [HA15]及び[SR50]はマウスにおける腫瘍形成を抑止する。
インビボでの[HA15]及び[SR50]の潜在抗腫瘍効果を評価するため、A375黒色腫細胞(2.5×10)を、生後6週の雌の胸腺欠損ヌードマウスの皮下に注射し、5日後に媒体(ラブラフィル)又はPLX4032、[HA15]及び[SR50](0.7mg/マウス/日)などの種々の化合物の注射により24日間にわたって処置した。RO5185426又はベムラフェニブとしても知られるPLX4032は、2011年8月より認証されている黒色腫の処置のための薬剤であり、本明細書では正の対照として用いられる。未処置の対照マウスにおいて、可視される腫瘍が急速に形成され、研究の経過を通して腫瘍の著しい成長が観察された。反対に、[HA15]、[SR50]及びPLX4032でのマウスの処置によって、細胞における可視される腫瘍の形成能が明らかに抑制された。実際に、腫瘍の大きさは、ラブラフィル注射の24日後に500mmを超えたが、[HA15]、[SR50]及びPLX4032の注射の24日後には100mmより小さかった。これらのデータは、PLX4032のように[HA15]又は[SR50]がインビボで抗黒色腫作用を有することを明らかに示す。
<4> 細胞生存性における化合物[HA15]、[HA19]、[HA20]、[HA21]、[HA22]、[HA24]、[HA25]、[HA26]、[HA27]、[HA27di]、[HA29]、[HA30]、[HA31]、[HA32]、[HA33]、[HA34]、[HA35]、[HA36]、[HA37]及び[HA38]の効果。
細胞生存性における該化合物の効果を測定するため、図1と同様の方法で細胞生存性の測定をおこなった。結果は、図1のように、負の対照であるDMSOの存在下における生存する細胞の数に対する細胞の生存率として表される。
NS(刺激無し)及びDMSOは負の対照として用いられた。結果は、テストされたすべての化合物が細胞生存性を抑止することを示す。
<5> [HA15]、[HA32]及び[SR50]はダブラフェニブに耐性のある細胞の生存性を抑止する。
ダブラフェニブに耐性のある黒色腫細胞は、処置され、ダブラフェニブへの耐性を示す患者から取得された。図5に示されるように、ダブラフェニブ、[HA15]、[SR47]及び[SR50]は、耐性のある黒色腫細胞の細胞生存性における作用を測定するため、これらの耐性のある細胞でテストされた。[HA15]、[HA32]及び[SR50]は、ダブラフェニブとは異なり、耐性のある黒色腫細胞の細胞生存性を抑止し、[HA15]、[HA32]及び[SR50]の作用機序がダブラフェニブとは異なり、それゆえ本発明の化合物は、黒色腫の処置において、ダブラフェニブ又はその他の化学療法の薬剤との組合せ処置における適切な候補になることを示す。
<6> 化合物[HA15]、[SR44]、[HA19]、[HA20]、[HA21]、[HA22]、[HA24]、[HA25]、[HA26]、[HA27]、[HA27di]、[HA29]、[HA29di] [HA30]、[HA31]、[HA32]、[HA33]、[HA34]、[HA35]、[HA36]、[HA37]及び[HA38]は、MAPベムラフェニブ活性においてダブラフェニブと異なる作用機序を有する。
本発明の化合物の作用機序がダブラフェニブと異なることを示すため、MAPベムラフェニブのリン酸化、つまり活性を分析した。実際に、PLX4032としてのダブラフェニブは、B−Raf V600E変異黒色腫におけるB−Rafの活性を阻害する。B−Rafの阻害は、MAPベムラフェニブカスケードの阻害を誘導し、MAPベムラフェニブのリン酸化の阻害により可視化され得る。図6に示されるように、ダブラフェニブは、負の対照(DMSO)と比較して、MAPベムラフェニブのリン酸化を完全に阻害する。考えられるように、ダブラフェニブは、MAPベムラフェニブ発現を変化させない。また、本発明の化合物はMAPベムラフェニブのリン酸化を変化させず、作用機序がダブラフェニブとは異なることを示す。
[参考]
本願明細書にわたって、様々な参考文献において本発明に関する最先端の技術が記載される。これら参考文献の開示は本開示に参考として組み込まれる。

Claims (16)

  1. 化学式(1)の化合物であり、
    同一である又は異なるQ〜QはCRを表し、
    は、1つの環又は2つの環の縮合環を含むC−C10アリールを表し、2〜5個の炭素原子はO、S、N及びNRから選択されるヘテロ原子と置換され、最終的には、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR及び(CHSRから選択される5〜11個の置換基で置換され、
    は、SO又はRであり、
    同一である又は異なるR及びRは、COR及びRから選択され、
    は、R、アリール、OR、SR、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、SONR、CONR、NR又はNHCORを表し、
    同一である又は異なるR及びRは、H又はアルキルを表し、
    は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールから選択され、Rにおけるアリールは同一である又は異なる1〜4個のR置換基で置換されるか、又はRは−(CH−NRを表し、
    pは0〜6の整数を表し、
    qは0〜6の整数を表し、
    チアゾリル基は、スルホンアミド基に対してメタ位又はパラ位で6員環と結合され、硫黄原子に対してα位又はβ位で6員環と結合され、
    又は、適切な場合に、前記化学式(1)の化合物の薬学的に許容される塩、及び又は、異性体、互変異性体、溶媒和物、若しくは同位体変種であり、
    以下の化合物、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−2−ヒドロキシ−ベンズアミド、
    2−(アセチルオキシ)−N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−ベンズアミド、
    3−クロロ−N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−ベンズアミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボキサミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボキサミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−2−メトキシ−ベンズアミド、
    N−[3−(2−アミノ−4−チアゾリル)フェニル]−4−クロロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−ベンズアミド、
    2−クロロ−N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−ベンズアミド、
    4−クロロ−N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−ベンズアミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−3,4−ジメトキシベンズアミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−3−メトキシベンズアミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−4−メトキシベンズアミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−3−メチル−ベンズアミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−4−メチル−ベンズアミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−4−ニトロ−ベンズアミド、
    N−[4−[3−[[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ]フェニル]−2−チアゾリル]−4−メチル−ベンズアミド、
    は除外される、化合物。
  2. 化学式(2)で表され、
    〜Q、R、R及びRは請求項1の定義通りであり、Rは、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR又は(CHSRを表し、
    は請求項1の定義通りであり、nは1、2、3又は4を表し、pは0〜6の整数を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. 化学式(3)で表され、
    〜Q、R、R及びRは請求項1の定義通りであり、Rは、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR又は(CHSRを表し、
    は請求項1の定義通りであり、nは1、2、3又は4を表し、pは0、1、2、3、4、5又は6を表し、ナフチル基は4級炭素に対して1位、2位又は3位で硫黄原子に付加される、請求項1に記載の化合物。
  4. はH又はSOを表し、Rは、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR及び(CHSRから選択される1〜4個の、好ましくは1又は2個の置換基で選択的に置換されるフェニル基又はナフチル基であり、
    とpとは請求項1の定義通りである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. はHを表し、RはH、アルキル、CO−アルキル、アリールを表し、アリールは、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR及び(CHSRから選択される1個以上の置換基を含み、
    、R及びpは請求項1の定義通りである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. はH又はアルキルであり、
    は、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR又は(CHSRであり、
    同一である又は異なるR及びRはH又はアルキルであり、pは0、1、2、3、4,5又は6である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 前記チアゾリル基は、前記スルホンアミド基に対してメタ位である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 前記チアゾリル基は、前記硫黄原子に対してβ位で6員芳香環と結合される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. qは5を表し、
    は−(CH−NHを表す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. N−(4−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    5−(ジメチルアミノ)−N−(3−(2−(メチルアミノ)チアゾール−4−イル)フェニル)ナフタレン−1−スルホンアミド、
    N−(4−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)−4−メチルベンズアミド、
    N−(3−(2−アミノチアゾール−4−イル)フェニル)−5−(ジメチルアミノ) ナフタレン−1−スルホンアミド、
    N−(4−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド、
    N−(4−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)ピバルアミド、
    2−フルオロ−N−(3−(2−(メチルアミノ)チアゾール−4−イル)フェニル)ベンゼンスルホンアミド、
    N−(4−(4−(ナフタレン−2−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(4−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(4−(2−フルオロフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(4−(2,4−ジフルオロフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(3−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(3−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(3−(4−メチルフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(3−(2−ニトロフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(3−(3−ニトロフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(3−(フェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(4−(4−メチルフェニルスルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)アセトアミド、
    N−(4−(3−(5−(ジメチルアミノ)ナフタレン−1−スルホンアミド)フェニル)チアゾール−2−イル)−5−アミノ−バレルアミド、
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  11. 化学式(1)の化合物であり、
    同一である又は異なるQ〜QはCRを表し、
    は、1つの環又は2つの環の縮合環を含むC−C10アリールを表し、2〜5個の炭素原子はO、S及びNRから選択されるヘテロ原子で置換され、最終的には、R、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、OCOR、SONR、CONR、NR、NRCOR、(CH−NR、(CH−OR及び(CHSRから選択される5〜11個の置換基で置換され、
    は、SO又はRであり、
    同一である又は異なるR及びRは、COR及びRから選択され、
    は、R、アリール、OR、SR、ハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、SONR、CONR、NR又はNHCORを表し、
    同一である又は異なるR及びRは、H又はアルキルを表し、
    は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールから選択され、Rにおけるアリールは同一である又は異なる1〜4個のR置換基で置換されるか、又はRは−(CH−NRを表し、pは0〜6の整数を表し、qは0〜6の整数を表し、
    チアゾリル基は、スルホンアミド基に対してメタ位又はパラ位で6員環と結合され、S原子に対してα位又はβ位で6員環と結合され、
    又は、適切な場合に、前記化学式(1)の化合物の薬学的に許容される塩、及び又は、異性体、互変異性体、溶媒和物、若しくは同位体変種である、がんの処置における使用のための化合物。
  12. 化学式(1)の化合物を調製するための方法であり、
    a. 化学式1’aの化合物を適切な溶媒に含まれた臭素化剤で臭素化し、
    、Q、Q、Q及びRは請求項1の定義通りである、ステップと、
    b. 前記ステップaで取得された化合物2’aをハンチュ反応の条件で化学式3aの化合物と反応させ、
    、Q、Q、Q及びRは請求項1の定義通りであり、
    及びRは請求項1の定義通りである、ステップと、
    c. 前記ステップbで取得された化学式4’aの化合物を、不活性溶媒内において還元条件のもと水素源と反応させ、
    、Q、Q、Q、R、R及びRは請求項1の定義通りである、ステップと、
    d. 前記ステップcで取得された化学式5’aの化合物を適切な溶媒内において化学式6aの化合物と反応させ、
    、Q、Q、Q、R、R及びRは請求項1の定義通りであり、
    は請求項1の定義通りである、ステップと、
    e. 前記ステップdで取得された化学式I’aの化合物を、化学式(1)の化合物を取得するため、塩基の存在下において化学式RXの化合物と反応させ、
    、Q、Q、Q、R、R、R及びRは請求項1の定義通りであり、
    は請求項1の定義通りであり、Xはハロゲン原子である、ステップと、
    f. 取得された化学式(1)の化合物を分離するステップとを含む、方法。
  13. 化学式(1)の化合物を調製するための方法であり、
    a. 化学式1’cの化合物を、不活性溶媒内において化学式1eの化合物と反応させ、
    、Q、Q、Qは請求項1の定義通りであり、Xは脱離基を表し、
    、R及びRは請求項1の定義通りであり、EはSnBu、B(OH)及びHから選択される、ステップと、
    b. 前記ステップaで取得された化学式2’cの化合物を、不活性溶媒内において還元条件のもと水素源と反応させ、
    、Q、Q、Q、R、R及びRは請求項1の定義通りである、ステップと、
    c. 前記ステップbで取得された化学式3’cの化合物を、非プロトン溶媒内において化学式6a化合物と反応させ、
    、Q、Q、Q、R、R及びRは請求項1の定義通りであり、
    は請求項1の定義通りである、ステップと、
    d. 前記ステップcで取得された化学式I’cの化合物を、塩基の存在下において化学式RXの化合物と反応させ、
    、Q、Q、Q、R、R、R及びRは請求項1の定義通りであり、
    は請求項1の定義通りであり、Xはハロゲン原子である、ステップと、
    e. 取得された化学式(1)の化合物を分離するステップとを含む、方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  15. 動物又はヒトのがん病態を処置するための医薬組成物であり、請求項14の組成物の治療有効量を前記がん病態を有する前記動物又はヒトに投与するステップを含む、医薬組成物。
  16. 前記がんは黒色腫である、請求項15に記載の医薬組成物。
JP2015541166A 2012-11-09 2013-11-08 新規のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物 Active JP6539839B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP12306391.9 2012-11-09
EP12306391 2012-11-09
PCT/EP2013/073439 WO2014072486A1 (en) 2012-11-09 2013-11-08 New benzene sulfonamide thiazole compounds

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016501846A true JP2016501846A (ja) 2016-01-21
JP6539839B2 JP6539839B2 (ja) 2019-07-10

Family

ID=47278729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015541166A Active JP6539839B2 (ja) 2012-11-09 2013-11-08 新規のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物

Country Status (9)

Country Link
US (1) US9567310B2 (ja)
EP (1) EP2917190B1 (ja)
JP (1) JP6539839B2 (ja)
KR (1) KR102271794B1 (ja)
CN (1) CN104797565A (ja)
BR (1) BR112015010467A2 (ja)
CA (1) CA2889389C (ja)
ES (1) ES2637407T3 (ja)
WO (1) WO2014072486A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017017004A1 (en) * 2015-07-24 2017-02-02 INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) Substituted hydrophobic benzene sulfonamide thiazole compounds for use in treating cancer
KR101674028B1 (ko) 2015-09-03 2016-11-08 중원대학교 산학협력단 신규한 설폰아미드계 유도체, 이의 제조방법, 이를 포함하는 암 예방 및 치료용 약학 조성물, 및 이를 이용한 암 예방 또는 치료하는 방법
EP3510407A1 (en) 2016-09-08 2019-07-17 INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) Methods for diagnosing and treating nephrotic syndrome
CZ308400B6 (cs) * 2018-04-11 2020-07-29 Univerzita Karlova Farmaceutický přípravek pro léčení maligního melanomu
CN108794408B (zh) * 2018-07-23 2020-04-21 中国医科大学 嘧啶苯脲类抗肿瘤化合物及其制备方法和应用
AU2020384883B2 (en) * 2019-11-15 2023-11-16 Gilead Sciences, Inc. Triazole carbamate pyridyl sulfonamides as LPA receptor antagonists and uses thereof
JP2023529369A (ja) 2020-06-03 2023-07-10 ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド Lpa受容体アンタゴニスト及びそれらの使用
CR20220609A (es) 2020-06-03 2023-05-04 Gilead Sciences Inc Antagonistas del receptor de lpa y usos de los mismos
US11980609B2 (en) 2021-05-11 2024-05-14 Gilead Sciences, Inc. LPA receptor antagonists and uses thereof
US11939318B2 (en) 2021-12-08 2024-03-26 Gilead Sciences, Inc. LPA receptor antagonists and uses thereof
EP4201928A1 (en) 2021-12-21 2023-06-28 Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale (INSERM) Benzene sulfonamide thiazole compounds and their use for the treatment of cancers
WO2024084086A1 (en) * 2022-10-20 2024-04-25 Biper Therapeutics Sas Compositions comprising a benzene sulfonamide thiazole compound
WO2024084013A1 (en) 2022-10-20 2024-04-25 INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) Combination therapy for the treatment of cancer

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE0402735D0 (sv) * 2004-11-09 2004-11-09 Astrazeneca Ab Novel compounds
EP2016075A1 (en) 2006-05-03 2009-01-21 AstraZeneca AB Thiazole derivatives and their use as anti-tumour agents
WO2009146013A1 (en) * 2008-03-31 2009-12-03 Georgetown University Myosin light chain phosphatase inhibitors
UA103319C2 (en) * 2008-05-06 2013-10-10 Глаксосмитклайн Ллк Thiazole- and oxazole-benzene sulfonamide compounds
US20110319392A1 (en) * 2009-03-12 2011-12-29 George Adjabeng Thiazole Sulfonamide And Oxazole Sulfonamide Kinase Inhibitors
EP2678336B1 (en) * 2011-02-24 2016-04-20 Nerviano Medical Sciences S.r.l. Thiazolylphenyl-benzenesulfonamido derivatives as kinase inhibitors
EP2763532B1 (en) * 2011-10-05 2018-09-19 The Board of Trustees of the Leland Stanford Junior University Pi-kinase inhibitors with broad spectrum anti-infective activity

Non-Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"CAS Registry No.438030-35-4", DATABASE REGISTRY [ONLINE], JPN7017002981, 10 July 2002 (2002-07-10) *
"CAS Registry No.476338-83-7", DATABASE REGISTRY [ONLINE], JPN7017002980, 16 December 2002 (2002-12-16) *
"CAS Registry No.476338-84-8", DATABASE REGISTRY [ONLINE], JPN7017002979, 16 December 2002 (2002-12-16) *
"CAS Registry No.476338-87-1", DATABASE REGISTRY [ONLINE], JPN7017002978, 16 December 2002 (2002-12-16) *
"CAS Registry No.499117-82-7", DATABASE REGISTRY [ONLINE], JPN7017002977, 14 March 2003 (2003-03-14) *
"CAS Registry No.693239-75-7", DATABASE REGISTRY [ONLINE], JPN7017002982, 15 June 2004 (2004-06-15) *
"CAS Registry No.908090-29-9", DATABASE REGISTRY [ONLINE], JPN7017002976, 21 September 2006 (2006-09-21) *
KORGAOKAR, S. S. ET AL: "Synthesis and biological evaluation of some new thiazole derivatives", ORIENTAL JOURNAL OF CHEMISTRY, vol. 18(1), JPN6017035051, 2002, pages 155-158 *
KORGAOKAR, S. S.; PATEL, P. H.; PAREKH, H. H.: "Studies on 2-aminothiazoles: 2-aroylamino-4-[m-(p-chlorobenzenesulfonamido)phenyl]thiazoles", JOURNAL OF THE INSTITUTION OF CHEMISTS (INDIA), vol. 73(6), JPN6017035048, 2001, pages 209-211 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN104797565A (zh) 2015-07-22
KR102271794B1 (ko) 2021-07-01
BR112015010467A2 (pt) 2017-07-11
CA2889389C (en) 2021-02-02
JP6539839B2 (ja) 2019-07-10
EP2917190B1 (en) 2017-07-19
EP2917190A1 (en) 2015-09-16
WO2014072486A1 (en) 2014-05-15
US9567310B2 (en) 2017-02-14
ES2637407T3 (es) 2017-10-13
CA2889389A1 (en) 2014-05-15
KR20150081365A (ko) 2015-07-13
US20150284347A1 (en) 2015-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6539839B2 (ja) 新規のベンゼンスルホンアミドチアゾール化合物
KR102042290B1 (ko) 글루타미나제의 헤테로사이클릭 억제제
KR101486026B1 (ko) 플루오렌, 안트라센, 잔텐, 디벤조수베론 및 아크리딘의 유도체 및 이의 용도
WO2016041489A1 (zh) 一种吲哚胺-2,3-双加氧酶抑制剂及其制备方法
WO2006064757A1 (ja) アミノカルボン酸誘導体およびその医薬用途
AU2015339089B2 (en) Thiazoles as modulators of RORgammat
US20200299244A1 (en) 2-arylbenzimidazoles as ppargc1a activators for treating neurodegenerative diseases
WO2012043891A1 (ja) 眼疾患処置薬
TW202019880A (zh) 作為神經激肽-1受體拮抗劑的化合物及其用途
BR112020013247A2 (pt) amidas heterocíclicas como inibidores de quinase
JP7039579B2 (ja) 抗癌剤としての4-アニリノ-キノリン化合物
US20210040054A1 (en) Substituted Hydrophobic Benzene Sulfonamide Thiazole Compounds for Use in Treating Cancer
JP6795525B2 (ja) 炭酸脱水酵素阻害剤としてのアリールスルホンアミド化合物およびその治療的使用
JP7268053B2 (ja) 置換ハロキノリン誘導体、その調製方法及び適用
AU2017380492B2 (en) Sulfonyl amidine as indoleamine-2,3-dioxygenase inhibitor, and preparation method therefor and use thereof
US11160801B2 (en) RORgamma modulators and uses thereof
JP4852416B2 (ja) 環状ジアミン化合物及びこれを含有する医薬
WO2023145873A1 (ja) リゾホスファチジルセリン類似体、及びリゾホスファチジルセリン類似体を含む線維症を治療又は予防するための医薬組成物
RU2553668C2 (ru) Соединения гексенона и их применение в медицинских целях
EP2860176A1 (en) Heterocyclic group contained amino-methanol derivative, and salt, synthetic method and use thereof
TW202317093A (zh) 具有hiv複製抑制作用之縮合雜環衍生物
JP2024520758A (ja) Ttbk1の阻害剤
WO2014196644A1 (ja) ベンゾチオフェン化合物
US20220259194A1 (en) Inhibiting agents for bruton's tyrosine kinase
WO2019141095A1 (zh) 脒类和胍类衍生物、其制备方法及其在医药上的应用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170919

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171127

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180822

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190513

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6539839

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250