JP2016225579A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Tomoyuki Watanabe
智行 渡辺
尚輝 安井
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Abstract

【課題】処理の歩留まりを向上させるプラズマ処理装置または処理方法を提供する。【解決手段】真空容器内部の処理室内に配置された試料台の上面に処理対象のウエハを載置して当該処理室内にマイクロ波の電界を供給して形成したプラズマを用いて前記ウエハを処理するプラズマ処理装置であって、前記処理室を構成する部材の表面に配置されたマイクロ波吸収体及びこのマイクロ波吸収体の表面を覆って配置され前記処理室の内壁面を構成するカバーとを有し、前記ウエハの処理とその後の処理との間で前記処理室内に前記電界を供給して前記カバーの表面の付着物を低減する。【選択図】 図1

Description

本発明は、真空容器内部の処理室内に配置された試料台を備え、この試料台上に載せられ保持された半導体ウエハ等の基板状の試料上面に配置された複数の膜層を有する膜構造の処理対象の膜層を当該処理室内に形成したプラズマを用いて処理を行うプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法に関する。
このようなプラズマ処理装置においては、処理室内で実施される試料の処理に伴なって処理室内に反応生成物が生成される。この反応生成物は、その一部は、真空容器に接続されその入り口が処理室の排気口に連通されたターボ分子ポンプ等の真空ポンプの動作により排気されるが、残る一部は処理室内に滞留しその内表面に付着する。
試料を処理した枚数、あるいは処理の時間の累計が増加していくに伴なって、処理室の部材の表面には当該付着した物質が堆積して膜が形成される。このような膜は、処理室のプラズマとの相互作用や温度の増減による処理室内の部材表面の伸縮による力の作用により、その欠片や粒子が処理室内表面から剥がれて再び処理室内部に遊離してしまう。
この遊離した欠片や微粒子は試料の表面に付着してしまうと異物となって試料上面の膜構造や処理により形成された回路の構造物を汚染してしまいデバイスの性能や試料の処理の歩留まりを損ってしまう虞が有る。このような堆積膜が処理室内壁表面から剥がれる要因としては、プラズマの着火時の衝撃や、付着物が堆積して形成された膜の厚さの増加、処理室内壁表面のクリーニングが不足したこと等が挙げられる。
一般に、堆積する付着物は、熱容量が大きくプラズマによって加熱されにくい処理室の内壁を構成する部材の表面や試料載置台の周り、また窓部材等の処理室或いは真空容器の天井面を構成して電界が処理室内に供給される誘電体製の部材の外周部などの局所的に温度が低い箇所に堆積しやすいことが判っている。このため、特表2003−520481号公報(特許文献1)に開示されるもののように、処理室側壁の表面のような真空容器外部と近いところに位置しているものは処理室外部からヒータなどの加熱手段によって加熱するものが従来から知られていた。また、特開2003−173983号公報(特許文献2)に開示のもののように、電界の透過窓の外周部に電磁波吸収体を配置して、プラズマを生成するために形成された電界の電磁波を吸収させて発熱させ、この電磁波吸収体によっ透過窓の外周部を加熱し、反応生成物の堆積を防ぐものが従来知られていた。
特表2003−520418号公報 特開2000−173983号公報
しかしながら、上記の従来技術は次の点について考慮が不十分であったため、問題が生じていた。
すなわち、特許文献1の従来技術では、処理室内部で低温となる箇所を大気側の部材の表面を加熱して熱伝導によって内側の壁面を昇温させて反応生成物が付着しても揮発させ易くすることで堆積を防止し、異物の発生を抑制することができる。しかし、試料載置台のような処理室内部に配置された構造物においては、処理室外部に置かれた加熱手段によって直接加熱することが難しい。また、試料載置台の側壁表面や試料の載置面の他の箇所であってプラズマに曝されるために相互作用による削れや損耗が生じるために交換を要する部材の表面に付着を抑制するためのヒータ等の加熱手段を配置することは、電力や動力の伝達箇所にプラズマが影響することを抑制する構造の実現に信頼性やコストの面で困難が有った。
また、特許文献2に開示の、処理室に配置された電磁波吸収体を用いてエッチング処理に使用される電磁波を吸収させて局所的に加熱する方法では、電磁場吸収体をプラズマの生成面より下部に配置した場合、エッチング処理の条件によってはプラズマ生成面で電磁波の大部分が吸収されてしまい電磁波吸収体を効果的に加熱できないことがあり、処理室内表面の試料載置面より下方の箇所において十分な効果が得られない、という問題が有った。
このため、特に処理室内部のプラズマ生成面より下部に配置された構造物では反応生成物の堆積を防ぐことが難しかった。このため、試料の汚染が発生して処理の歩留まりが損なわれてしまうことについて、上記の従来技術では考慮されていなかった。
本発明の目的は、処理の歩留まりを向上させるプラズマ処理装置または処理方法を提供することにある。
上記目的は、処理室内部のプラズマ生成面より下部に配置された構造物の表面に電磁波吸収体を配置し、プラズマによる消耗から電磁波吸収体を守るカバーで覆っている。また、電磁波吸収体からの熱の流れを調整できるように、電磁波吸収体の表面の面粗さを表裏で変更している。この電磁波吸収体を加熱するため、エッチング処理の前にプラズマ生成面での吸収が少ない放電条件でプラズマを生成するヒーティングステップを導入する。ことにより達成される。
エッチング処理を行う前に電磁波吸収体を加熱するヒーティングステップを導入することによって、エッチング処理の条件がどのような条件であっても確実に電磁波吸収体を加熱することができ、処理室内部の構造物で局所的に温度が低くなる部分を解消することができる。また、電磁波吸収体の表裏の表面につけた面粗さの違いによって、熱容量の大きい処理室側の構造物への熱伝達を減らし、カバー側を効率よく昇温することができ、ヒーティングステップ後も表面温度を維持することができる。
本発明により、エッチング処理中に発生した反応生成物の構造物表面への堆積を抑制することができ、堆積物が異物となってデバイスの歩留まりが低下することを防ぐことができるという効果がある。
本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示した縦断面図である。 図1に示す実施例の試料載置台を支持する梁状の部材の構成の概略を模式的に示した縦断面図である。 図1に示す実施例が実施するプラズマ処理の動作の流れの概略を示したフローチャートである。
以下本発明の実施例を図面を用いて説明する。
本発明の実施例を図1乃至3を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。本実施例では、真空容器内部の処理室内にプラズマを形成する電界としてマイクロ波を用い、当該マイクロ波の電界と真空容器の外周側でこれを囲んで配置されたソレノイドコイルが形成する磁界を処理室内に供給して両者の相互作用により、電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance)を生起して処理室内に供給された処理用のガスの原子または分子を励起させて処理室内にプラズマを形成して、半導体ウエハ等の試料表面の膜層をエッチングするマイクロ波ECRプラズマエッチング処理装置を示している。
本図において、本実施例のプラズマ処理装置は、真空容器101と、この真空容器101内部に配置された処理室上方に配置され処理室内にマイクロ波の電界を供給する手段と、処理室内の空間を排気するターボ分子ポンプ等の真空ポンプを含む排気手段102を備えて構成されている。
真空容器101の内部には、その内側にプラズマが形成され、内側に配置された試料が処理される処理室103と、試料が上面に載せられて保持される試料載置台107が備えられている。また、真空容器101上方には、マイクロ波の電界を発振して供給するマグネトロン電源104と形成されたマイクロ波の電界を伝播して処理室103に導くための管路である導波管105と、導波管105の後部を構成する上下方向に延在する円筒形の導波管下端と接続されて導波管105内部を伝播してきたマイクロ波の電界が導入されるその内部の空間で特定のモードの電界が強く形成される円筒形を有した共振容器106が配置されている。
さらに、磁界を形成して真空容器101内に供給するソレノイドコイル108が配置されている。ソレノイドコイル108は、複数段または複数周回巻かれた複数のコイルが円筒形状の真空容器101の上部の上面上方と外周とを囲んで配置され、これらに供給された電流により磁界を発生する。本実施例では、ソレノイドコイル108は上下方向に複数の個数のユニットが配置されており、円筒形の処理室103の上下方向の中心軸の周りに等磁場が軸対象で下向きに末広がりとなる形状の磁界が処理室103内側に導入される。
また、真空容器101の下方には、排気装置であるターボ分子ポンプ等の真空ポンプ102が配置され、処理室103下部で試料載置台107の直下に軸をあわせて配置された円形の排気用の開口と連通している。試料載置台は排気用の開口を直下に配置するため、処理室側面から伸びた支柱109に支えられ処理室内で中空に配置されている。
円筒形状の処理室103の上方には、軸を合わせた円筒形状を有する共振容器106内の共振用の空間である共振室106’が配置されている。この共振室106’と処理室103との間は、共振室106’の底面を構成する誘電体製の円板状の窓部材110が配置されている。
石英等の誘電体で構成された窓部材110の下方には窓部材110の下面とすき間を空けて並列に石英等の誘電体製の円板状のシャワープレート111が配置されており、シャワープレート111の下面が処理室103の天井面を構成している。シャワープレート111は、試料台107の上面と対向して配置されて、その中央部には、上方からウエハ処理用のガスが処理室103内に導入される貫通孔が複数配置されている。
上記窓部材110とシャワープレート111との間のすき間は、本実施例の装置が設置されるクリーンルーム等建屋に設置されたガス源(図示せず)から供給されるエッチング用ガスが通流する管路が連通されており、ガス源からのエッチング用のガスは、管路を通り上記すき間に導入された後、貫通孔を通り、下方の試料台107方向に流入する。
真空容器101の側壁と連結された別の真空容器である図示しない搬送容器内の搬送用の空間である真空搬送室を通り、当該真空搬送室内に配置された搬送用のロボットアームのアーム先端部上面に載せられ保持された処理対象のウエハが、アームが伸長されることで処理室103内に搬入されて試料台107上方でこれに受け渡される。ロボットアームがそのアームを収縮して処理室103から退室した後に、処理室103と真空搬送室との間に配置されてこれらの間を連通してウエハが搬送される通路であるゲートの開口を図示しないゲートバルブが気密に封止する。ウエハは試料台107上面の試料載置面を構成するアルミナやイットリア等のセラミクスを含んで構成された誘電体膜上面に載せられて形成された静電気力により当該膜状に吸着されて保持される。
この状態で、処理室103内に、ガス源から上記シャワープレート111の貫通孔を通りエッチング処理用ガスが導入されるとともに、真空ポンプ102によって処理室103内が排気される。これらのガスの供給と排気とのバランスにより処理室103内部の圧力が処理に的した所定の範囲内の値に調節される。マグネトロン電源104から発振されたマイクロ波の電界は、導波管105内を伝播して共振容器106に到達し、所定のモードの電界が内部の共振室106’で形成される。この電界は窓部材110及びその下方のシャワープレート111を透過して処理室103内に供給される。
ソレノイドコイル108から供給された磁場と共振容器106から供給されたマイクロ波との相互作用により、エッチング用ガスが励起されてプラズマ化され、処理室103内の試料台107上方の空間にプラズマが形成される。この形成されたプラズマ中のイオン等の荷電粒子は、試料台107内部に配置された金属等導体製の円板または円筒形を有した部材である電極に供給される高周波電力によって試料台107の載置面上に載せられ保持されたウエハの上方にプラズマの電位に応じて形成されるバイアス電位との電位差により、ウエハ上面に予め形成されたマスクを含む複数の膜層を有した膜構造の処理対象の膜層に向けて誘引されて衝突しプラズマ中の活性化された粒子の反応が促進され当該膜層のエッチング処理が施される。
図2を用いて本実施例の試料台107を水平方向に支持する梁状の部材の構成について説明する。図2は、図1に示す実施例の試料載置台を支持する梁状の部材の構成の概略を模式的に示した縦断面図である。
本実施例において、図1に示されるように、処理室103の中央部において円筒形を有した試料台107はその中心軸を処理室103の上下方向に延在する中心軸と合致させて或いはこれと見做せる程度に近似した位置に配置され、その上下に空間を有して保持されている。試料台107は外周側壁と連結されて水平方向(図上左右方向)に延在する梁状の部材である支持梁109によって、真空容器101の側壁と連結されて支持されている。
図2に示す本実施例の支持梁109は、その断面が矩形を有した部材であって、その上面上方にはこれを覆って膜状あるいは板状のマイクロ波吸収体201が配置されている。さらに、支持梁109の側方(図上左右方向)の壁面及び上面上方に載せられたマイクロ波吸収体201の上面は、縦断面がコ字状を有した石英等の誘電体製の部材であるカバー202が覆って配置されている。
マイクロ波吸収体201はマイクロ波の吸収効率の良い物質、言い換えると誘電正接値の高い物質でできており、例えはSiC等が用いられる。誘電正接値の高い物資を用いることで、プラズマ処理中に試料載置台付近まで届く、少ないマイクロ波によっても効率的に発熱が生じ、その上方に載せられたカバー202の上面を加熱することが可能である。本実施例のカバー202はプラズマ耐性の高い物質、例えは石英により構成されている。
また、マイクロ波吸収体201の表面は、カバー202と接触する面である上面は当該接触の面積を小さくするため、面粗さを適切に小さくされる一方で、支持梁109と接触する面である下面はその面粗さが大きくされている。このような構成により、マイクロ波吸収体201からカバー側への熱伝導率は相対的に大きくされ、支持梁109の側への熱伝導率は小さくされる。熱容量の大きい支持梁109の側への熱伝導の量を抑制してカバー202を効率よく昇温することできる。
カバー202上部の裏面であってマイクロ波吸収体201の上面と接触する箇所は、他の上部の裏面の部分と比べてその厚さを小さくされた凹み部の底面であっても良く、またマイクロ波吸収体201がカバー202の上部内部に積層または溶射あるいは塗布された膜構造を有していても良い。また、支持梁109の側壁(図上左右方向の側壁)の表面とこれに面するカバー202の内側(裏側)の表面との間には隙間が配置され支持梁109との接触による損傷や熱伝導の発生が抑制されている。


本実施例の装置においてウエハのエッチング処理を行った際のカバー202の表面の温度を検出した結果を以下の表1に示す。なお、エッチング処理に用いたマグネトロン電源104の出力は1000Wに設定した。
Figure 2016225579
支持梁109上にカバー202のみを配置した場合では、エッチング処理中にカバー202の表面温度は定常時から23℃上昇する。これは処理室103の内壁などのその他の方法によって温度をコントロールされている構造物に比べ昇温量が少ないため、処理室103内の構造物と比較してカバー202の温度が低くなり、カバー202表面に反応生成物が選択的に堆積しやすくなる。
これに対して本実施例の構成ではエッチング処理中のカバー202の表面の温度は定常時から73℃上昇する。カバー202の温度が73℃上昇することにより処理室103内の構造物と同等の温度となり、カバー202表面に反応生成物が堆積しやすくなることを防止できる効果を確認できた。
次にカバー202とマイクロ波吸収体201とを配置したプラズマ処理装置で異なるガス系でエッチング処理を行った際のカバー202の表面no温度を検出した結果を表2に示す。当該処理に用いたマグネトロン電源104の出力も1000Wに設定されている。
Figure 2016225579
上記表2に示すように、処理に用いる処理用ガスの構成の条件(組成、流量等)によりマイクロ波吸収体201の発熱量には差があり、任意の処理用ガスの構成であるガス系Aを用いた場合には、カバー202表面の温度は73℃上昇するが、別の処理用ガスの構成であるガス系Bでは40℃しか上昇しない。これは処理室103内で生成されるプラズマが吸収するマイクロ波の電界の量にガスの種類による依存性があるためであると考えられる。
一方、ガス系Bでは処理室103内に導入されたマイクロ波の電界大半がプラズマに吸収されるため、マイクロ波吸収体201までマイクロ波の電界が届かず発熱量が少なくなっている。このためエッチング処理の条件によって、カバー202の表面に反応生成物の堆積を防ぐことができるほどの温度上昇が得られない虞がある。
この条件による温度の上昇の量のバラつきを抑制するため、図3に示すようにエッチングの処理工程を実施する前に、処理室103内にマイクロ波吸収体201がマイクロ波の電界を吸収して発熱し、カバー202を昇温させるに好適な条件でプラズマを形成する加熱用のステップを実施する。図3は、図1に示す実施例が実施するプラズマ処理の動作の流れの概略を示したフローチャートである。
図3に示す本実施例では、従来の技術に係るウエハの処理で実施されていた、処理室103の内壁表面をウエハのエッチング処理中に生じる反応生成物の付着等の相互作用や温度の増減の条件に近づけるエージングの処理の工程(ステップ301)とこれに続いて実施されるウエハ上面に予め形成されたマスクを含む複数の膜層を有する膜構造の処理対象の膜層をエッチングして半導体デバイスの回路の構造を形成するエッチング処理の工程(ステップ302)の実行前に、処理室103内にマイクロ波の電界を導入してマイクロ波吸収体201及びカバー202の上面を加熱する工程(ステップ301)を実施する。この加熱ステップにおいてカバー202の上面が後の処理の工程において形成される反応生成物が揮発される温度以上の値にされる。
当該加熱ステップにおいて、処理室103内にプラズマを形成するために供給されるガスは、ウエハの載置面を含む処理室103内壁を構成する部材の材料に悪影響を及ぼさないものが好ましく、本実施例ではアルゴン等の希ガスが用いられる。また、プラズマを形成せず、またはガスを供給せずにマイクロ波吸収体201を電界の導入によって加熱する工程であっても良い。
処理の開始前あるいはウエハの任意の処理ステップとその後の処理ステップとの間において上記処理室103の内壁面を構成する部材の表面を加熱する工程を実施する構成により、処理ステップ開始前にカバー202上面の付着物が確実に低減され、その後に実施されるウエハの処理中或いはウエハの搬送中に処理室103内に浮遊する生成物に起因する微粒子がウエハに付着してウエハを汚染することが抑制される。このような処理室103の内壁面の加熱は、各ウエハの処理を開始する前の処理室103の表面のエージング処理あるいはウエハのエッチング処理の直前に実施するものに限られず、同じ条件で処理される複数ウエハの纒まりであるロットでの当該処理の開始前後や処理室103を大気開放してウエットクリーニングした後等適宜実施することができる。また、支持梁109に限らず処理室103の内壁を構成する他の部材、特に試料台107の試料載置面より下方に位置する内壁面を構成する部材表面に、上記マイクロ波吸収体201とカバー202との組合せた構成を適用しても良い。
表3にガス系Bを用いたエッチング処理の前にマイクロ波吸収体201を用いた内壁表面の加熱ステップを実施した場合のカバー202表面の温度の上昇を検出した結果を示す。このような処理に用いたマグネトロン電源の出力は共に1000Wに設定されている。
Figure 2016225579
表3に示すようにエッチング処理前に加熱ステップを実施した場合では処理中のカバー202の表面温度は68℃上昇しており、処理室103内の他の構造物と同等の温度の上昇が得られている。これにより処理室内で局所的に温度が低くなることを解消でき、反応生成物が堆積することを防止できる。
次に、マイクロ波吸収体201の表裏に熱伝導率の差をつけた効果について表4を用いて説明する。表4にマイクロ波吸収体201を配置する向きを変えた場合のカバー202の表面の温度を検出した結果を示す。処理条件にはガス系Aを用い、マグネトロン電源の出力は1000Wに設定されている。
Figure 2016225579
上述のようにマイクロ波吸収体201の上面を面粗さを相対的に小さくし下面を相対的に大きくした構成で支持梁0109上面上に配置した場合は、カバー202表面の温度の上昇は73℃であった。しかし、マイクロ波吸収体201を裏返して上面の面粗さを大きくし下面側を小さくして支持梁109上面上方に載せて配置した場合には、エッチング処理中のカバー202表面の温度の上昇は38℃となった。このことから、板状または膜状のマイクロ波吸収体201他の部材と接触する表面の粗さの値と組合せを適切に選択することで、支柱側への熱の伝達を抑制してカバー202の側を所期の温度まで増大させることができることが判る。これによりガス系Bのような処理中にマイクロ波吸収体201の発熱が少ない条件においても、エッチング処理開始前において得られた熱を支柱側に逃がすことなくエッチング処理の間もその低減を抑制でき、反応生成物の付着を低下させることが容易となる。
本実施例ではマイクロ波吸収体とカバーが分割された構成であるが、カバー裏面にマイクロ波吸収体をコーティングした構成であっても同様の結果が得られる。
本発明により処理室内部に配置された構造物表面の昇温が可能となり、反応生成物が構造物表面に堆積することを防ぎ、異物の発生を抑制することができる。
101…真空容器
102…真空ポンプ
103…処理室
104…マグネトロン電源
105…導波管
106…共振容器
106’共振室
107…試料台
108…ソレノイドコイル
109…支持梁
110…窓部材
111…シャワープレート
201…マイクロ波吸収体
202…カバー

Claims (8)

  1. 真空容器内部の処理室内に配置された試料台の上面に処理対象のウエハを載置して当該処理室内にマイクロ波の電界を供給して形成したプラズマを用いて前記ウエハを処理するプラズマ処理装置であって、
    前記処理室を構成する部材の表面に配置されたマイクロ波吸収体及びこのマイクロ波吸収体の表面を覆って配置され前記処理室の内壁面を構成するカバーとを有し、前記ウエハの処理とその後の処理との間で前記処理室内に前記電界を供給して前記カバーの表面の付着物を低減する機能を備えたプラズマ処理装置。
  2. 請求項1のプラズマ処理装置であって、
    前記マイクロ波吸収体の表面粗さが前記カバーに面する側を小さく、前記処理室を構成する部材の表面を大きくされたプラズマ処理装置。
  3. 請求項1または2のプラズマ処理装置であって、
    前記ウエハの処理の前に実施されるエージング処理の前に前記処理室内に前記電界を供給して前記カバーの表面の付着物を低減する前記機能を備えたプラズマ処理装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、
    前記ウエハの処理とその後の処理との間で前記処理室内に前記電界を供給してプラズマを形成して前記カバーの表面の付着物を低減する機能を備えたプラズマ処理装置。
  5. 真空容器内部の処理室内に配置された試料台の上面に処理対象のウエハを載置し、当該処理室内にマイクロ波の電界を供給してプラズマを形成して前記ウエハを処理するプラズマ処理方法であって、
    前記処理室を構成する部材の表面にはマイクロ波吸収体及びこのマイクロ波吸収体の表面を覆って配置され前記処理室の内壁面を構成するカバーとが配置され、
    前記ウエハの処理とその後の処理との間で前記処理室内に前記電界を供給して前記カバーの表面の付着物を低減する工程を備えたプラズマ処理装置。
  6. 請求項4のプラズマ処理方法であって、
    前記マイクロ波吸収体の表面粗さが前記カバーに面する側を小さく、前記処理室を構成する部材の表面を大きくされたプラズマ処理方法。
  7. 請求項5または6のプラズマ処理方法であって、
    前記工程において、前記ウエハの処理の前に実施されるエージング処理の前に前記処理室内に前記電界を供給して前記カバーの表面の付着物を低減するプラズマ処理方法。
  8. 請求項5乃至7の何れかに記載のプラズマ処理方法であって、
    前記工程において、前記ウエハの処理とその後の処理との間で前記処理室内に前記電界を供給してプラズマを形成して前記カバーの表面の付着物を低減するプラズマ処理方法。
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