JP2015141956A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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和幸 池永
信太郎 中谷
Shintaro Nakatani
信太郎 中谷
小林 浩之
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Abstract

【課題】処理対象の試料が汚染されることを抑制して歩留まりを向上させたプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】真空容器内部に配置され減圧された処理室内に配置された試料を当該処理室内に形成したプラズマを用いて処理するプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法であって、前記処理室内に配置され前記プラズマに面する内側表面を構成する第一の部材の母材の表面を被覆する被膜であって前記表面上に誘電体から構成された材料が溶射されて配置された被膜の前記内側表面を構成する箇所の温度を、前記試料の処理の条件に応じて55℃以下になるように調節する。
【選択図】図1

Description

本発明は、処理容器内部に配置された処理室内に形成したプラズマを用いて当該処理室内に配置された処理対象の試料を処理するプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法に係り、処理室の内側壁面を構成する部材のプラズマに面するその表面に被膜を有するプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法に関する。
半導体デバイスやフラットパネルディスプレイ(FPD)等を製造する工程では、半導体ウエハや誘電体または半導体から構成された基板等の処理対象の試料の表面に回路を形成する所望のパターンを形成するために、試料を配置した処理容器の内部にプラズマを形成して当該試料の表面に膜層を形成するプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)や試料表面に予め形成された複数の膜層を有した膜構造をエッチングするプラズマエッチング等の処理が実施される。このような処理を実施するプラズマ処理装置では、例えば、Ar,O2,N2、CHF3,CH4,C58,C4F8,CF4,SF6,NF3,HBr,Cl2,BCl3等の処理ガスと共に電界または磁界を処理室内に供給して当該処理室内において処理ガスの原子や分子を励起してプラズマを形成して、上記成膜やエッチングを行う。
このようなプラズマ処理の技術においては、試料の加工後の寸法及びその精度の微細化と共に、加工して得られる半導体デバイスやFPDの性能の劣化や歩留まりの低下が生じる原因となるアルカリ金属や重金属の粒子が処理室内表面や試料表面に付着する異物の量や付着する異物のサイズの許容値が厳しくなっている。一方で、一般的にプラズマ処理装置は、その強度や製造のための値段の有利さを考慮して、処理容器とその内部に配置される部材は、ステンレス合金(SUS)やアルミニウム合金等の金属製の部材や石英やアルミナ等のセラミック等の誘電体製の部材によって構成される。
また、このような処理装置では汚染や異物の原因となる処理ガスやプラズマによる基材表面へのエッチングや腐食を抑制するため、基材表面には保護膜が形成されており、例えば、アルマイト被膜やアルミナ溶射被膜、Y23溶射被膜等が用いられている。
プラズマ処理装置において、プラズマ処理を行なうと処理室内面に反応生成物が付着する。そのためプラズマ処理を複数回繰り返すと、反応生成物の膜厚が厚くなり、ある程度の厚さになると処理室内面から剥離し異物となって、被処理基板上に付着する。これが被処理基板の歩留まりを低下させる原因となるため、処理室内面に付着した反応生成物を除去することを目的として、被処理基板のプラズマ処理前あるいはプラズマ処理後にプラズマクリーニングが行われている。
一方、プラズマ処理中に反応生成物が処理室内面に付着することを抑制することを目的として、処理室内面を加熱する方法が従来から用いられている。例えば、特許文献1に記載のように、処理室の外周部に加熱媒体を循環させて、処理室内面の温度を100℃に加熱する方法がある。また、特許文献2に記載のように、処理室内面をプラズマから保護するための保護プレートを処理室内面に設置し、保護プレートを温度制御することによって反応生成物が処理室内に堆積することを抑制する方法がある。
特開平9−55299号公報 特開2011−124362号公報
特許文献1に記載の従来技術では、処理室を構成する基材の一つである石英やアルミナ等のセラミクス基材の温度を制御するものであり、処理室を構成する別の基材である、基材表面にアルマイト被膜やアルミナ溶射被膜、Y23溶射被膜等の被膜が施された金属基材の温度制御については十分な配慮がなされていない。プラズマ処理によって金属基材は加熱されるため、プラズマ処理を連続して行うと金属基材は150〜200℃に達する場合もある。金属基材の熱膨張係数が、ステンレスでは16×10-6程度、アルミニウム合金では23×10-6程度であるのに対し、基材表面に施されるアルマイト被膜の熱膨張係数は4〜5×10-6程度、アルミナ溶射被膜やY23溶射被膜の熱膨張係数は7〜9×10-6程度となり、基材と被膜の熱膨張係数は大きく異なる。そのため、金属基材が高温に加熱されると基材表面の被膜にクラックが生じ、これが異物の発生原因となる。
一方、特許文献2に記載の従来技術では、金属基材表面にアルマイト被膜等の被膜を施した保護プレートを処理室内面に設置し、処理室内面の温度を制御する代わりに保護プレートの温度を制御することで、反応生成物が堆積することを防止している。
しかしながら、本方法は反応生成物の堆積を防止することを目的とした保護プレートの加熱であり、加熱することによって保護プレート表面に施された被膜にクラックが生じることに関して十分な配慮がなされていない。上述したように、金属基材と被膜の熱膨張係数は大きく異なるため、金属基材が高温に加熱されると基材表面の被膜にクラックが生じ、これが異物の発生源となる。つまり、クラックの発生によって、処理室内面から放出された被膜起因の異物が被処理基板上に付着し、被処理基板の歩留まりを低下させる原因となる。したがって、表面に被膜が施された金属基材を高温に加熱することは好ましくない。また、プラズマに曝される面にアルミが含有した保護膜を用いると、AlFが生成され異物の原因にもなる。さらに、被膜にクラックが生じプラズマを生成するためのガスが基材に接触することで、基材の腐食が進行する恐れがある。
本発明の目的は、処理対象の試料が汚染されることを抑制して歩留まりを向上させたプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を提供することにある。
上記目的は、真空容器内部に配置され減圧された処理室内に配置された試料を当該処理室内に形成したプラズマを用いて処理するプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法であって、前記処理室内に配置され前記プラズマに面する内側表面を構成する第一の部材の母材の表面を被覆する被膜であって前記表面上に誘電体から構成された材料が溶射されて配置された被膜の前記内側表面を構成する箇所の温度を、前記試料の処理の条件に応じて55℃以下になるように調節することにより達成される。
本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の処理容器の側壁部分を拡大して示す縦断面図である。 表面に溶射皮膜が配置された部材の温度の変化と溶射皮膜の表面のクラックとの関係を示す表である。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
本発明の実施例を図1及び図2を用いて説明する。
本発明は、半導体デバイスの製造や検査の分野に限定されるものではなく、フラットパネルディスプレイの製造や、プラズマを用いた処理装置等、様々な分野に適用可能であるが、ここでは、半導体デバイス製造用のプラズマエッチング装置を例にとって実施例を示すことにする。図1と図2を用いて、本発明が適用されるプラズマ処理装置について説明する。
図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。本例では、電界としてマイクロ波(μ波)を用いるとともに磁場を用いて供給した処理用ガスを励起してプラズマを形成するECRプラズマにより半導体ウエハ表面の膜構造を処理するプラズマエッチング装置の例を示している。
一方、図2は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の処理容器の側壁部分を拡大して示す縦断面図である。特に、本例のプラズマが形成される処理室7の上部を構成する円筒形の空間である放電室の側方の外周を囲む側壁部分の構成の概要を示している。
これらの図において、プラズマ15が内部で生成され被処理基板(試料)である円板状のウエハ4に処理が実施される処理室7の下方には、ウエハ4をその上面に載置するための円筒形状を有したステージ6が配置されている。ステージ6の内部には金属製の円筒形の部材から構成された電極が配置され、前記処理の最中にウエハ4上面上方にバイアス電位を形成し、これとプラズマとの間の電位差によってプラズマ中の荷電粒子をウエハ4の表面の方向に誘引するために高周波電力がインピーダンス整合機13を介して印加される。このために、電極またはステージ6には上記バイアス電位の形成用の高周波電源14が電気的に接続されている。
本実施例では、処理室7は真空容器の内部に配置されており、その減圧される内側と外部との間の圧力差を維持するために、処理室7の上方には、真空容器の上部にこれを構成する円板状の部材であるセラミックプレート3が、円筒形を有した真空容器の側壁部の上端との間にOリング等のシール部材を挟んで配置されている。また、セラミックプレート3の下方であって処理室7の天井面を構成する箇所には、これらの間に間隙8を形成して円板状のシャワープレート2が備えられている。
石英やシリコン等の誘電体製のシャワープレート2の中央部には複数の貫通穴9が配置されている。シャワープレート2とセラミックプレート3との間の間隙8は図示しない処理ガスのガス源と連結され、ガス源からの一種類の物質または複数種類の物質が合成されて構成された処理ガスは、ガスの供給経路上のガス流量制御手段10でその流量または速度が調節されて間隙8に供給された後、間隙8内で拡散して貫通穴9から下方の処理室7に流入する。
処理室7内部の圧力は、処理ガスの導入の流量または速度とともに処理室7からの排気の流量または速度とのバランスを制御して調節される。この調節のため、処理室7の下方であってステージ6の下方に圧力センサ等の圧力検出手段11と排気の流量または速度を調節する手段である複数のバタフライバルブ16とターボ分子ポンプ等の真空ポンプから構成された排気手段12とが配置されている。真空ポンプとバタフライバルブ16との間は排気経路として管路で連結されている。
セラミックプレート3の上方には、プラズマを形成するための電界としてのマイクロ波を発振して出力するマグネトロン20をその一方の端部に備え当該マイクロ波を下方のセラミックプレート3を介して処理室7まで伝搬させる管路である導波管21が配置されている。上下方向に延在する円筒形の導波管21の他方の端部は、セラミックプレート3の上方に配置されその径が導波管21より大きくされた円筒状の空間である共振部と連結されており、共振部内部に伝播されたマイクロ波は内側の空間で特定の形状の分布が形成された状態で、セラミックプレート3の上方からこれ及びシャワープレート2を透過して処理室7内部に伝播する。さらに、処理室7を囲む真空容器の側壁及びセラミックプレート3の上方と側方には、これを囲んで、磁場の発生手段であるリング状に配置されたソレノイドコイル22と23が備えられている。
マグネトロン20で発振され出力されたマイクロ波は、導波管21内と、セラミックプレート3およびセラミックプレート2とを介して処理室7内に導入される。処理室7内でマイクロ波の電界は、ソレノイドコイル22、23により形成され同様に処理室7内に導入された磁界との相互作用によりECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)を生起して処理ガスの原子または分子を励起することで、処理室7内でプラズマ15が生成される。
また、処理室7内に生成されたプラズマ15の電位を安定にするために、処理室7内には接地電極(アース)として機能する部材が配置されている。このようなアースの機能を有した部材としての処理室7の側壁50の構成について、図2を用いて説明する。図2は、処理室7の側壁50とその周囲の部分を拡大して示したものである。
本例において、処理室7の側壁50は、ウエハ4が載せられるステージ6上面の上方の空間である円筒形の放電室を囲む円筒形の部材であって、その内側表面はステージ6の載置面の上方であってプラズマ15に曝される面である。側壁50は、Y23等のプラズマに対する耐性を有する物質を含んだセラミクスから構成された材料を用いて溶射により予め形成された被膜(以下、溶射被膜)である溶射被膜41をその内側表面に有さない第一の部材30と溶射被膜41が配置された第二の部材40によって構成される。
第一の部材30と第二の部材40は、ステンレス合金やアルミニウム合金等の金属製の基材を有して構成されている。第二の部材40は、アースとしての機能を有するものであり、例えば、第二の部材40の材料がアルミニウム合金である場合には、これがプラズマ15に曝されることによって生じる第二の部材40表面の腐食や金属汚染、異物の発生を抑制するために、第二の部材40の内側表面には耐プラズマ性の高い溶射被膜41により覆われている。但し、溶射被膜41の厚さは、処理室7に導入されるマイクロ波あるいは高周波電力に対して、電気的に電流が流れる回路を構成できる程度の値にされている。このような第二の部材40は、ウエハ4の処理中にアースとして機能を奏しつつプラズマ15による第二の部材40への腐食等のようなダメージが生じることを抑制できる。
一方、アースとしての機能を有さない第一の部材30において、その材料がアルミニウム合金の場合、第一の部材30表面に陽極酸化により形成れたアルマイト被膜31が施される。本例では、アルマイト被膜31がプラズマ15に曝されることを防止するため、円筒形の第一の部材30の内側に、アルマイト被膜31よりも耐プラズマ性が高い、例えばAl23やY23、石英等から構成された円筒形のセラミクス部品51が、第一の部材30の内側表面またはあアルマイト被膜31を覆って配置される。第一の部材30とプラズマ15の間にセラミクス部品51を配置することによって、アルマイト被膜31とプラズマ15の接触を遮断し、プラズマ15によるアルマイト被膜31の消耗を抑制することができる。
次に、側壁50の温度を調節する加熱機構35と冷却機構45について説明する。加熱機構35は、側壁50のうち第一の部材30の内側に設置したセラミクス部品51表面への反応生成物の付着を防止する目的で、第一の部材30の外側壁を囲んで配置されている。
加熱機構35はヒータ、ランプ、温風、チラーのような温度調整機器(不図示)で温度調整された媒体を循環させて加熱するようなものから構成されている。第一の部材30およびセラミクス部品51は、プラズマ15からの入熱によっても加熱されるため、プラズマ15生成時は加熱機構35の出力を弱め、プラズマ15が形成されていない状態では加熱機構35の出力を強めることにより、プラズマ15が形成されている状態とされていない状態との間での第一の部材30およびセラミクス部品51の温度の変化を抑制する。
冷却機構45は、側壁50のうち第二の部材40の温度を調節し、その表面に施された溶射被膜41にクラックが発生することを抑制し、クラックに起因する異物の放出を抑制するためのものである。冷却機構45は、チラーユニット等のような熱交換サイクルを用いたものや回転するファンにより所定の温度の流体を通流させて供給する等の手段を用いた温度調整機器(不図示)により温度が調整された媒体や工場のユーティリティラインの冷却水等を循環させて冷却するものから構成される。
例えば、媒体を循環させて第二の部材40の温度を調節する場合は、真空容器を構成し側壁50の下端と熱的にも物理的にも接した部材である下部チャンバ55の内部に所定の温度にされた媒体がその内部を通流する循環ラインを備えることで、第二の部材40を所期の温度の範囲にする(冷却する)ことができる。第二の部材40は、第一の部材30およびセラミクス部品51と同様に、プラズマ15からの入熱によって加熱されるため、プラズマ15が形成されている状態では冷却機構35の出力を強め、プラズマ15が生成されていない或いは消失している状態では、冷却機構35の出力を弱めることにより、プラズマ15が生成されている状態と消失されている状態での第二の部材40の温度とその変化を抑制して、所期の範囲内となるように調節できる。
本発明の発明者らは、アルミニウムまたはその合金から構成された基材の表面にY2O3を材料とする被膜を大気中で溶射して形成した溶射被膜を備えた部材をサンプルとして用いて、基材の温度と溶射被膜の表面に生じるクラックの量との関係について検討した。この結果について図3を用いて説明する。
図3は、表面に溶射皮膜が配置された部材の温度の変化と溶射皮膜の表面のクラックとの関係を示す表である。本図に示す試験では、試験片としての部材の表面に配置されたY23を用いた溶射被膜の厚さは200μm±30μmの範囲内にされた。
図3に示すように、試験の結果から、溶射被膜の表面が55℃以上になると、その表面にクラックが発生することが判った。特に、クラックは、溶射被膜が基材の表面に形成された状態でその表面に露出している被膜を構成する材料の粒子に生じることが判った。
すなわち、部材の温度を上昇させた場合に、溶射被膜の表面のクラックはY23等の材料であるセラミクスの粒子が溶融した状態で膜として基材を覆っている部分ではなく、完全に溶融していない非溶融の状態で少なくとも一部が粒形状を有して溶融した膜の表面に露出している材料の粒子に生じるものであること、そして、このような粒子は溶射被膜の温度が55℃を超えると割れや欠損あるいは元から生じていたこれら割れや欠損の拡大、伸長が発生することが、発明者らの検討により知見として得られた。
このようなクラックによって、溶射被膜を構成する材料の微粒子や欠片が処理室7内で溶射被膜から有利すると、側壁50や処理室7の内側表面を構成する他の部材や試料に付着して異物が生じることは明らかである。このことから、発明者らは、溶射被膜のクラック発生に起因する異物の放出を抑制するには、溶射被膜が施された部分を55℃以下に制御する必要があるとの知見を得て、本発明を想起したものである。
本実施例では、処理室7の側壁50はアースの機能を有する第二の部材40と有さない第一の部材30とに上下に分けて構成されているが、側壁50が全てアースの機能を有するように構成してもよい。その場合は、側壁50のプラズマ15に面するまたは曝される内側表面の全体に耐プラズマ性の高いY23を用いた溶射被膜41を配置し、当該側壁50の温度を55℃以下となるように調節する。
また、アースの機能を有する部分が側壁50ではなく、処理室7の別の箇所、例えば、ステージ6の上方や下方にある場合は、側壁50はアースの機能を有さなくてもよい。その場合は例えば、側壁50の表面にアルマイト被膜を施し、アルマイト被膜とプラズマ15の間にAl23やY23、石英等のセラミクス部品を設置することも可能であり、セラミクス部品の表面に反応生成物が堆積しないように側壁50の温度を100℃に制御すれば良い。
また、本実施例では、側壁50においてアースの機能を有さない第一の部材30の表面はアルマイト被膜31を施したが、これに限らずAl23やY23を材料とする溶射被膜を施すことも可能であり、側壁50の内側表面とプラズマ15の間にAl23やY23、石英等の円筒形のセラミクス部品51を配置し、セラミクス部品51の表面に反応生成物が堆積しないように側壁50の温度を100℃に制御すれば良い。溶射被膜を100℃に加熱すると溶射被膜の表面にクラックが生じる虞が有るが内側表面はセラミクス部品51によって覆われていることから、溶射被膜のクラックから処理室7内部へ異物の原因となる物質の放出は抑制される。
また、本実施例では、側壁50の材料として金属を用いたが、例えば導電性を有したセラミクス等、アースの機能を有することができる材料であれば、金属基材でなくても使用することができる。また、金属製の基材とセラミクス製の基材とを組み合わせて使用することもできる。
以上の通り、本実施例では、Y2O3を組成として有する材料で構成された溶射被膜が処理室内のプラズマに面する 表面に配置された金属製の基材または溶射被膜の温度は55℃以下となるように調節される。また、溶射被膜が施されていない基材の表面の温度は100℃以上の温度となるように調節される。
このように、上記の実施例は、処理室7の内部の表面を構成する部材の温度を調整する加熱機構35または冷却機構45を備え、ステージ6より上方に配置されプラズマに曝される処理室7の内側表面を構成する部材の溶射被膜41が施されていない部分の温度は100℃以上となるように調節され、溶射被膜41が施されている部材の表面の温度は55℃以下となるように調節される。さらに、溶射被膜41が施されていない部材の内側には円筒形のセラミクス部品51を配置してプラズマから覆うことで反応生成物の付着を抑制しつつ、溶射被膜41のクラックの発生を低減する。
このことにより、溶射被膜41および反応生成物を起因とするウエハ4の異物の生起を抑制する。さらに、溶射被膜が施されていない基材での反応生成物の付着を抑制する。このような構成により、本実施例は、溶射被膜の表面でのクラックの発生や処理室内に配置される試料への異物の生起を抑制でき、試料の処理により形成されるデバイスの回路の性能やその処理の歩留まりを向上させることができる。
1…金属基材、2セラミックプレート、3…セラミックプレート、4…ウエハ、6…ステージ、7…処理室、8…間隙、9…貫通穴、10…ガス流量制御手段、11…圧力検出手段、12…排気手段、13…インピーダンスマッチング回路、14…高周波電源、15…プラズマ、16…圧力制御手段、20…マグネトロン発振器、21…導波管、22…ソレノイドコイル、23…ソレノイドコイル、30…基材、31…アルマイト被膜、35…加熱機構、40…基材、41…Y2O3溶射被膜、45…冷却機構、55…下部チャンバ。

Claims (6)

  1. 真空容器内部に配置され減圧された処理室内に配置された試料を当該処理室内に形成したプラズマを用いて処理するプラズマ処理装置であって、
    前記処理室内に配置され前記プラズマに面する内側表面を構成する第一の部材の母材の表面を被覆する被膜であって前記表面上に誘電体から構成された材料が溶射されて配置された被膜の前記内側表面を構成する箇所の温度を、前記試料の処理の条件に応じて55℃以下になるように調節するプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記第一の部材と熱的に接続された第二の部材の温度を調節して当該第一の部材の温度を調節するプラズマ処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記第一の部材が電気的に接地されたものであって、前記処理室の内側で前記第一の部材の上方に当該処理室の前記プラズマが形成される空間を囲んで当該プラズマに面する内側側壁を構成する第三の部材が配置されたプラズマ処理装置。
  4. 真空容器内部の減圧された処理室内に試料を配置し、前記処理室内にプラズマを形成して前記試料を処理するプラズマ処理方法であって、
    前記処理室内に配置され前記プラズマに面する内側表面を構成する第一の部材の母材の表面を被覆する被膜であって前記表面上に誘電体から構成された材料が溶射されて配置された被膜の前記内側表面を構成する箇所の温度を、前記試料の処理の条件に応じて55℃以下になるように調節するプラズマ処理方法。
  5. 請求項4に記載のプラズマ処理方法であって、
    前記第一の部材と熱的に接続された第二の部材の温度を調節して当該第一の部材の温度を調節するプラズマ処理方法。
  6. 請求項4または5に記載のプラズマ処理方法であって、
    前記第一の部材が電気的に接地されたものであって、前記処理室の内側で前記第一の部材の上方に当該処理室の前記プラズマが形成される空間を囲んで当該プラズマに面する内側側壁を構成する第三の部材が配置されたプラズマ処理方法。
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