JP6280408B2 - 処理ガス流量の決定方法 - Google Patents

処理ガス流量の決定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6280408B2
JP6280408B2 JP2014060284A JP2014060284A JP6280408B2 JP 6280408 B2 JP6280408 B2 JP 6280408B2 JP 2014060284 A JP2014060284 A JP 2014060284A JP 2014060284 A JP2014060284 A JP 2014060284A JP 6280408 B2 JP6280408 B2 JP 6280408B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
processing
cleaning discharge
processing gas
gas flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014060284A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015185664A (ja
Inventor
小林 浩之
浩之 小林
光 小山
光 小山
和幸 池永
和幸 池永
誠 縄田
誠 縄田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2014060284A priority Critical patent/JP6280408B2/ja
Publication of JP2015185664A publication Critical patent/JP2015185664A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6280408B2 publication Critical patent/JP6280408B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Description

本発明は、プラズマ処理装置における処理ガス流量の決定方法に関する。
DRAM(Dynamic Random Access Memory)やマイクロプロセッサ等の半導体装置の製造工程において、プラズマエッチングやプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)が広く用いられている。プラズマを用いた半導体装置の加工における課題の1つに、ウエハに付着する金属元素の付着量を低減すること(金属汚染の低減)が挙げられる。例えば鉄やアルミなどの金属原子がウエハに付着した状態でデバイスの製造を行うと、デバイス特性を劣化させる原因となり、歩留まり低下を引き起こす。そのため、被処理体に対して所定の処理を行う前(被処理体を搬入する前)に、内壁にSi系の薄膜をコーティングする処理を施すことにより、内壁材料をプラズマに対して露出させないことにし、内壁の消耗に起因した金属原子の放出を抑制する方法も検討されている。また、処理室の内壁に使う材料に金属の含有量が少ない素材や、消耗量の少ない素材の採用が進められており、例えば、特許文献1にはプラズマに曝される部材を石英とし、アースはアルミナ等の絶縁性セラミックで被覆する技術が開示されている。
特開2001−217225号公報
これまでに、金属汚染を低減するさまざまな方法が検討されてきたが、デバイスの微細化に伴って、金属汚染の低減の要求値がより厳しくなっており、更なる対策が必要となっている。
そこで発明者等は、プラズマ処理室側壁部に石英製のインナーチャンバーが配置され、プラズマによる消耗量が少ない絶縁性セラミック系材料(ここではイットリア;Y)で被覆されたアースがインナーチャンバー下部に設けられたドライエッチング装置における金属汚染源について検討した。その結果、N枚目のウエハへのエッチング処理とそのあとのN+1枚目のウエハへのエッチング処理の間に、ステージ電極(ウエハ戴置電極)の上にダミーのウエハを戴置しない状態でチャンバー内に堆積した反応副生成物等の除去のためのクリーニング放電を行うと、ステージ電極のウエハ戴置面の材料が例えばアルミナ(Al)を主成分とする場合、ステージ電極のウエハ戴置面がプラズマの照射によって消耗し、アルミニウム(Al)がチャンバー内に飛散してチャンバー内壁を汚染し、これがプロセス中に内壁、特に絶縁性セラミックで被覆されたアース部分から脱離してウエハに付着し、ウエハに対する金属汚染を引き起こす可能性のあることが分かった。
本発明の目的は、クリーニング放電に起因して発生する金属によるアース汚染を低減・防止可能な処理ガス流量の決定方法を提供することにある。
本発明の代表的なものの一例を示せば以下の通りである。即ち、プラズマを用いて被処理体を処理する処理室と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記処理室を減圧する排気手段と、前記プラズマを生成するための高周波電源と、前記被処理体を戴置するためのステージ電極と、前記被処理体に入射するイオンを加速するための高周波バイアス電源とを備え、前記処理室の側面には絶縁性セラミックで被覆されたアースが設置され、該アースより上方の空間の内壁は石英材料で構成されたプラズマ処理装置を用いたN枚目の被処理体への所定のプラズマ処理とN+1枚目の被処理体への所定のプラズマ処理の間に前記ステージ電極の載置面が露出した状態で行われるクリーニング放電における処理ガス流量の決定方法において、
前記ステージ電極の表面を構成する金属元素の拡散係数をD、前記ステージ電極の被処理体載置面と前記アースとの間の平均距離をL、前記クリーニング放電における処理ガスの前記被処理体載置面上方のプラズマ放電空間における滞在時間をTgとした場合、
≦ L /(2×D)
の式を満たすように、前記クリーニング放電における前記処理ガスの流量を決定することを特徴とする処理ガス流量の決定方法とする。
また、プラズマにより被処理体が処理され前記プラズマに曝される部材が石英で構成された処理室と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記処理室の内部に配置され前記被処理体が載せられる載置面が金属元素を含む材料で構成されたステージ電極と、前記処理室の側壁に配置され絶縁性セラミックで被覆されたアースとを備えたプラズマ処理装置の前記処理室のクリーニング放電における処理ガス流量の決定方法において、
前記クリーニング放電は前記載置面が露出された状態で行われ、
前記金属元素の拡散係数をD、前記載置面と前記アースとの間の平均距離をL、前記クリーニング放電における処理ガスの前記載置面上方のプラズマ放電空間における滞在時間をTg、前記処理室における前記被処理体が配置される上方の放電空間の容積をV、前記処理ガスの流量をF、前記処理室の圧力をPとした場合、
= V / (F×10/P) ≦ L /(2×D)
の式を満たすように、前記クリーニング放電における前記処理ガスの流量Fを決定することを特徴とする処理ガス流量の決定方法とする。
本発明によれば、クリーニング放電に起因して発生する金属によるアース汚染を低減・防止可能な処理ガス流量の決定方法を提供することができる。
ウエハ無しチャンバー内クリーニング放電において、クリーニングガス流量が大きい場合のクリーニングガスの流れと金属元素の流れを示す模式図である。 ウエハ無しチャンバー内クリーニング放電において、クリーニングガスの流量が小さい場合のクリーニングガスの流れと金属元素の流れ示す模式図である。 本発明の実施例に係る処理ガス流量決定方法を説明するために用いたプラズマ処理装置の一例を示す概略構成断面図である。 図2に示したプラズマ処理装置の処理シーケンスの一例であり、上段は処理内容、2段目はガス流量、3段目は放電電力、下段はウエハバイアス電力を示す。 ガス流量とウエハ上方の空間におけるガスの滞在時間との関係を示す図である。 エッチング処理における除電時の状態を説明するためのドライエッチング装置の概略断面図である。 ウエハ搬出時の状態を説明するためのドライエッチング装置の概略断面図である。 クリーニング放電における前半部の状態を説明するためのドライエッチング装置の概略断面図である。 クリーニング放電における後半部の状態を説明するためのドライエッチング装置の概略断面図である。 エッチング処理の除電時において、除電ガス流量が大きい場合の除電ガスの流れと金属元素の流れを示す模式図である。 エッチング処理の除電時において、除電ガス流量が小さい場合の除電ガスの流れと金属元素の流れを示す模式図である。
本発明において、クリーニング放電に起因して発生する金属によるアース汚染を低減・防止するために、ステージ電極の被処理体載置面の消耗(エッチング)により発生した金属元素がアースへ到達する前に排気する。以下本発明について実施例により詳細に説明する。なお、図中において同一符号は同一構成要素を示す。
本発明の実施例に係る処理ガス流量の決定方法について、図面を参照しながら以下で説明する。
図2は、本発明の実施例に係る処理ガス流量決定方法を説明するために用いたプラズマ処理装置の代表的な構成例として、μ波−ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマエッチング装置の主要部を示す。プラズマ生成のためのマイクロ波は導波管103を通して、空洞共振部137に伝送され、チャンバー109の上部に設置された石英天板106、及び、シャワープレート105を介して処理室101に導入される。なお、符号107はプラズマを生成するための高周波電源である。処理ガスはガス供給手段150からガス供給ライン151を介して、シャワープレート105と天板106との間の空間に供給され、シャワープレート105に設けられているガス穴(図示せず)を介して処理室101に導入される。被処理体(ウエハ)102を戴置するためのステージ電極104はシャワープレート105の下方に、シャワープレートと対向して設置されており、ウエハに高周波バイアスを印加するための高周波バイアス電源108に接続されている。ステージ電極104のウエハ戴置面はアルミナ(Al)を主成分とする素材で構成されている。処理室101を減圧し、且つ、供給された処理ガスを排気するめの排気手段として、チャンバー109の下方にターボ分子ポンプ141が調圧バルブ143を介して取り付けられている。また、図示していないがチャンバー109の周りには磁場を形成するための磁場コイル、及びステージ電極104に対して電気的に吸着させるための静電吸着のための電源が設置されている。
処理室101においてウエハ102よりも上方の空間を形成している側壁部分にはインナーチャンバー135が設置されている。このインナーチャンバーは石英材料を用いる。インナーチャンバー135の下方にはアース130が設置されている。このアース130を構成する部材はアルミ等金属の表面にイットリアやアルミナなどの絶縁性のセラミック系材料の層を形成させたものである。従って、プラズマ放電空間における内壁材料はアース130を除き、石英となっている。
次にプロセスフローについて図3に示した処理シーケンスの例を用いて説明する。図3の上段は処理内容を示す。ここでは、N枚目のウエハを搬入し、N枚目のウエハに対してエッチン処理を行い、その後、N枚目のウエハを搬出した後、処理室内のクリーニング放電を行い、その後、次のN+1枚目のウエハを搬入してエッチング処理を行う場合を示している。
図3の2段目は、処理室内に供給するガス流量を示している。ウエハ搬入(S301)の時とウエハ搬出(S303)の時にはキャリアガスとしてArガスを供給する。これは、内壁等から発生した異物粒子がウエハに付着しないようにすることを目的に異物粒子をガスの流れによって積極的にチャンバー下方へ輸送するためである。また、前の処理で残留している残留ガスを積極的に排気するためでもある。エッチング処理(S302)では、エッチング処理1(ES1)とエッチング処理2(ES2)、エッチング処理3(ES3)の3つの処理を連続して行う場合を示している。図3の3段目は、高周波電源から供給されるプラズマ生成のための放電電力、下段は、高周波バイアス電源から供給されるウエハへのバイアス電力を示している。エッチング処理(S302)が終わってウエハを搬出(S303)した後、次のウエハを搬入する前に、処理室内をクリーニングするためのクリーニング放電(S304)を行う。すなわちクリーニング放電(S304)では、ステージ電極104にウエハ102が戴置されていない「ウエハ無し」の状態でクリーニングを行う(以後、「ウエハ無しクリーニング」などと呼ぶ)。このクリーニング放電(S304)では、ステージ電極のウエハ戴置面がプラズマ照射によって消耗しないよう、バイアス電力はゼロとする。クリーニング放電(S304)の初期ではクリーニングガス1(CG1)を用いて放電を行い、その後ガスを切り替え、クリーニングガス2(CG2)を用いて放電を行う。なお、符号SG1〜SG3はエッチング処理ガス1〜3、符号JSは除電処理、符号JGは除電ガスを示す。
次に図1A、図1Bを用いて、ウエハ無しクリーニングに起因するチャンバー内における金属汚染の低減方法について述べる。図1Bは、ウエハ無しクリーニング放電においてクリーニングガスの流量が少ないときのクリーニングガスの流れ115と、クリーニング放電により生じたプラズマ110に起因してステージ電極104のウエハ戴置面から発生したアルミニウム(Al)等の金属元素の流れ122を示す模式図である。図1Bに示すようにクリーニングガスの流量が少ない場合、金属元素は比較的等方向的に飛散する。一方、図1Aはクリーニングガスの流量が多い場合のAl等の金属の流れ121を示す。この場合、ステージ電極104から発生した金属元素は、クリーニングガスの流れ115に乗りクリーニングガスと共に速やかに排気される。そのため、クリーニングガスの流量を大きくすることによって内壁へのAl等の金属元素の付着量を低減することができる。また、クリーニングガスの流れ115により発生したAl等の金属元素を効率よく排気するためには、クリーニングガスの流れ115が粘性流としての性質を持っていることが必要である。そのためには処理室内の圧力は高い方がよい。
次に内壁のどの部分への付着が問題になるかについて説明する。発明者等が検討した結果、内壁の汚染において相対的に大きな問題となる部位はアース130であることが分かった。以下、詳細に説明する。クリーニング放電(S304)ではクリーニングガスとして例えばSFなど、石英を一定量エッチングする効果のあるガスを用いる。これにより、プラズマ110に曝されるチャンバー側面や天板、シャワープレートに石英を内壁材として用いている場合、クリーニング放電中に一定量消耗(エッチング)され、ウエハ無しクリーニング放電中にステージ電極104のウエハ戴置面から発生したAl等の金属元素が石英表面に付着しても、石英自体の消耗により、アルミニウム(Al)等の金属元素は内壁から除去されてしまう。一方で、金属製のアース130は、ステージ電極104に高周波バイアスが印加されるエッチングプロセス中における比較的高いエネルギーのイオンの入射による消耗を低減し、寿命を長くするために耐プラズマ材料を用いる必要があり、イットリア等の絶縁性セラミックで被覆されて用いられる。そのため、ステージ電極104に高周波バイアスを印加しないクリーニング放電中には、アース130の表面の消耗はほとんど無い。そのため、アース130の表面に付着したAl等の金属元素は、石英表面に付着したAl等の金属元素のように簡単に除去することができない。そのため、チャンバー側面や天板に石英を用い、絶縁性セラミックで被覆されたアースが配置されたチャンバー内においては、アース130に付着した金属元素が金属汚染として最も大きな問題となる。
次にアースへのAl等の金属元素の付着量を低減するためのクリーニングガス(処理ガス)の流量の決定方法について説明する。試料台(ステージ電極)のウエハ載置面とアースとの間の平均距離をL、クリーニング放電ガスにおける金属元素の拡散係数をDとすると、平均距離Lの拡散に必要な時間Tは下記のように示される。

= L /(2×D) (1)

ウエハ上方の放電空間の容積をV、処理ガスの供給量(流量)をF、圧力をPとすると、処理ガスのウエハ上方の空間における滞在時間Tは、

= V / (F×10/P) (2)

となる。そして、ステージ電極のウエハ戴置面から発生した金属元素がアースに届くよりも早く処理ガスが排気される場合、すなわち

> T (3)

である場合、大半の金属元素はアースに到達することなく、処理ガスの流れに乗って排気される。式(2)と式(3)の意図は図4に示した。図4はガス流量とウエハ上方の空間におけるガスの滞在時間Tとの関係を示す図である。処理ガスの流量を増加させると、処理ガスの滞在時間Tが短くなり、特に、処理ガスの滞在時間Tの方が、ステージ電極から発生した金属元素のアースまでの拡散に必要な時間Tよりも短い場合、アースの金属汚染を大きく低減できる。なお、例えばTとTのオーダーが同程度、すなわち

≒ T (4)

の場合では、多少Tの方がTよりも大きくても、できるだけガス流量を多く供給して、Tを小さくすることによりアースへの金属元素の付着を一定程度低減できる。
次にT、及び、Tについて具体的な数値の例を示す。例えば、SFガスををクリーニングガスとして用いる場合、Al原子のSFガス中における拡散係数Dは、SFの分子半径を0.28nm、Alの原子半径を0.14nm、ガス温度を室温程度と考えると、圧力1Paでは約1.1m/sとなる。ステージ電極のウエハ戴置面からアースまでの平均距離Lを25cmとすると、式(1)よりアースまで到達する平均的な時間は0.028sとなる。
一方で、アースを含む上方の空間の直径Wを約45cm、高さHを約20cmとすると、ガスの流量を約650ccm(ml/min)以上としたとき、処理ガスの滞在時間Tgは約0.028s以下となる。従って、クリーニングガスの流量は650ccm以上が望ましい判断される。
次に処理室内の圧力について述べる。粘性流領域では圧力が増加すると拡散係数は圧力に反比例して小さくなるが、滞在時間は圧力に比例して長くなるため、圧力は式(1)の右辺と左辺の大小関係には影響しない。一方で、ガス圧が低い分子流領域では、ガスの流れはお互いに影響を及ぼさずチャンバーの形状のみに依存するため、ガス流れによる金属汚染の低減は期待できない。従って、圧力については、金属元素の処理ガス中での輸送が粘性流領域となるように設定しなくてはならない。ガスの輸送が粘性流として扱えるようになるためには、ガス粒子同士の衝突の平均自由工程が着目している体系の大きさ(この場合、ステージ電極のウエハ戴置面からアースまでの平均距離L)よりも十分小さいことが必要である。例えばSFガスにおけるAlの平均自由工程は、0.1Paでは7cm、1Paでは0.7cm、10Paでは0.07cmとなる。ここで平均自由工程λの計算には下記式(5)を用いた。

λ = 1/(π×(rmetal+rgas×ngas) (5)

ここでngasはガスの密度、rmetalは金属元素の半径、rgas処理ガスの半径(または平均的な半径)である。なおngasは圧力をPとして

gas=6.02×1023/2.24×10−3×P (6)

である。
ガスの並進運動は数回の衝突で緩和することを併せて考えると、上述したようにステージ電極のウエハ戴置面からアースまでの平均距離Lを25cmとすると、0.1Paの圧力ではAlはSFに3回程度しか衝突せず、粘性流として扱えるかは疑問がある。一方で、圧力が1Paとなると、30回程度の衝突が見込まれるため、処理ガスの流れによる金属元素の輸送制御の明確な効果が見られるようになる。従って、オーダーとしては、

L>10λ (7)

であることが望ましい。
次にクリーニングガスの組成について述べる。ウエハ間のチャンバー内のクリーニングではSFが広く用いられているが、SFを単独で用いる場合の他、ArやOを添加する場合がある。ここで、1Paの圧力におけるSF、Ar、OガスにおけるAlの拡散係数をそれぞれD、D、Dとすると、D=1.1、D=1.9、D=2.5である。ここで、SF、Ar、Oの組成比をそれぞれR、R、R(但し、R+R+R=1。処理ガスがM種類のガスで構成される場合について一般化すると、R+R+…+R=ΣR=1)、処理圧力を1Paとすると、式(1)は

= L /(2/(R/D+R/D+R/D)) (8)
(一般化した場合、T = L /(2/Σ(R/D))

となる。
例えば処理ガスの総流量を800ccm、処理ガスの組成についてR=0.5、R=0.25、R=0.25とすると、電極から発生したAlのアースへの到達の時間Tは0.021sとなる。一方で処理ガスの滞在時間Tgは0.023sとなるため、

< T (9)

となり、式(3)を満たさない。これはSFガスに比べて分子半径の小さいO、及び、原子半径の小さいArの組成比が高いためである。そこで、例えばガスの総流量を変えずにArとOの比率を保ちながら、Tを大きくする数値を探すと、おおむねR=0.6、R=0.2、R=0.2と、SFの割合を高くすると、Tが0.23sまで長くなり、式(3)を満たすようになる。従って、例えばシャワープレートの最大ガス流量などの制限により、ガス流量を大きくすることによってTを小さくできない場合においては、分子半径(または原子半径)の大きいガスの組成比を大きくすることによってTを大きくし、金属汚染を低減することができる。もちろん、処理ガスはSFやOやArに限定されることなく、特に分子半径や原子半径の大きいガスの添加は、金属汚染低減の観点からは望ましい。また、式(5)において、ガス粒子の平均的な大きさが大きくなると平均自由工程λは小さくなるため、粘性流として傾向が強くなり、処理ガスの平均の原子・分子半径を大きくすることは望ましいといえる。
次に、ガス流量やガスの組成比の調整で重要なタイミングについて図3と図5A〜図5Dを用いて説明する。図5Aはエッチング処理における除電時の状態を、図5Bはウエハ搬出時の状態を、図5Cはクリーニング放電における前半部の状態を、図5Dはクリーニング放電における後半部の状態をそれぞれ説明するためのドライエッチング装置の概略断面図である。エッチング処理において、エッチングを終えた後には除電(JS)を行う(図3、図5A)。これはエッチング処理(S302)中にステージ電極104にウエハ102を固定するための静電吸着を解消するための放電である。この除電(JS)では除電ガス(JG)をArとし、静電吸着の電力をOFFとし(図5Aの状態)、ウエハ102をプッシャーピン160で電極の上方に引き上げ(図5Bの状態)、その後、プラズマをOFFとする方法がある。この場合、たとえArで除電中の放電ガスを置換したとしても、除電よりも前の放電ステップで用いた処理ガスの一部が残留していることにより、完全にはArガスによる放電とはなっていない場合が多い。この場合、プッシャーピン160でウエハ102を持ち上げた際、残留ガスを含んだプラズマがステージ電極104とウエハ102の間の空間に回り込み、ステージ電極104のウエハ戴置面の表面にダメージ層112が形成されることがある。符号111はプラズマの回り込みを示す。そして、その後のウエハ無しクリーニング放電の初期には、このダメージ層112が除去されることにより、多くの金属元素が発生し(図5C)、さらにクリーニング放電を続けると、金属元素の発生量が低減する(図5D)ことがある。符号120はステージ電極表面(載置面)から発生した金属元素を示す。そのため、ウエハ無しクリーニング中においては、最初の方がアースを金属汚染するリスクが相対的には高い場合がある。従って、クリーニング放電を複数のステップに分割し、初期のステップでは、電極表面のダメージ層から発生する金属元素がアースに付着しないようにすることを優先して、ガス流量や、処理ガスの粒子の平均半径が大きくなるようにすると良い。そして、その後のステップでは内壁のクリーニング処理に適した処理ガスの流量や、組成に調整するのが望ましい。
以上、クリーニング放電における処理ガスの流量や組成の決定方法について説明したが、金属汚染低減の観点から、エッチング処理における除電においてもガス流量を増加させることが望ましい。これについて図6A、図6Bを併せて参照して述べる。図6Aはエッチング処理の除電時において、除電ガス流量が大きい場合の除電ガスの流れ115と金属元素の流れ131を、図6Bはエッチング処理の除電時において、除電ガス流量が小さい場合の除電ガスの流れ115と金属元素の流れ132を示す模式図である。図3に示したように、一般にエッチング処理中ではウエハバイアスが印加されているため、アース等に付着した金属元素が脱離してウエハに付着しても、被エッチング層と一緒に除去されるため、金属汚染がウエハ上に蓄積することはあまり無い。一方で、エッチングが終わった後の除電ステップでは、ウエハバイアスを印加しないため、ウエハに付着した金属元素は除去されにくい。この除電中のガス流量が少ない場合、図6Bに示すように、アースから発生した金属元素はガスの流れの影響を受けにくいため、容易にウエハに到達する。一方で図6Aに示すように、除電ガス流量を大きくするとアースから発生した金属元素はガスの流れに乗って積極的に排気されるようになるため、ウエハへの付着量を大きく低減することができる。また除電中は、エッチング中と異なり加工形状への影響が少ないため処理ガスの流量の変更の自由度が高く、容易に大流量にすることができる。流量は望ましくは式(3)を満たすようにするのが良い。例えば、除電ガスをArとし、Lをウエハとアースの平均距離25cmとすると、式(3)を満たすガス流量は約1200ml/min以上となる。もちろんガス流量調節器の最大流量やシャワープレートの耐圧の関係で十分に大流量化できない場合は、処理装置が許容する最大流量にできるだけ近い値に設定するのが望ましい。これにより、仮に絶縁性セラミック系材料で被覆されたアースに金属が付着している場合であっても、除電時におけるウエハへの金属汚染を低減・防止することができる。
上記式(3)や式(4)を満たすようにクリーニングガスや除電ガスの流量を決定してウエハのプラズマ処理を行った結果、ウエハの金属汚染を低減することができた。
なお、本実施例ではマイクロ波ECR装置を例に述べてきたが、内壁の構造が異なる他のプラズマ装置でも、クリーニング放電或いは除電の際にガス流量やガスの組成を調整して、金属元素の拡散を抑えながら、処理ガスの流れによって金属元素を効果的に排気することができ、ウエハの金属汚染(金属元素の付着量)を低減することができる。
以上本実施例によれば、クリーニング放電に起因して発生する金属によるアース汚染を低減・防止可能な処理ガス流量の決定方法を提供することができる。また、除電時のガス流量を制御することによりウエハへの金属汚染を低減することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
101…処理室、102…被処理体(ウエハ)、103…導波管、104…ステージ電極、105…シャワープレート、106…石英天板、107…高周波電源、108…高周波バイアス電源、109…チャンバー、110…プラズマ、111…プラズマの回り込み、112…ステージ電極表面に生じたダメージ層、115…処理ガス(クリーニングガス)の流れ、120…ステージ電極表面から発生した金属元素、121…ステージ電極表面から発生した金属元素の流れ(処理ガス流量大)、122…ステージ電極表面から発生した金属元素の流れ(処理ガス流量小)、130…アース、131…アースからの金属元素の流れ(処理ガス流量大)、132…アースからの金属元素の流れ(処理ガス流量小)、135…インナーチャンバー、137…空洞共振部、141…ターボ分子ポンプ、143…調圧バルブ、150…ガス供給手段、151…ガス供給ライン、160…プッシャーピン、S301…エウハ搬入、S302…エッチング処理、S303…ウエハ搬出、S304…クリーニング放電、ES1…エッチング処理1、ES2…エッチング処理2、ES3…エッチング処理3、JS…除電、SG1…処理ガス1、SG2…処理ガス2、SG3…処理ガス3、JG…除電ガス、CG1…クリーニングガス1、CG2…クリーニングガス2。

Claims (7)

  1. プラズマを用いて被処理体を処理する処理室と、前記処理室にSF を含む処理ガスを供給するガス供給手段と、前記処理室を減圧する排気手段と、前記プラズマを生成するための高周波電源と、前記被処理体を戴置する載置面が金属元素Alを含む材料で構成されたステージ電極と、前記被処理体に入射するイオンを加速するための高周波バイアス電源とを備え、前記処理室の側面には絶縁性セラミックで被覆されたアースが設置され、該アースより上方の空間の内壁は石英材料で構成されたプラズマ処理装置を用いたN枚目の被処理体への所定のプラズマ処理とN+1枚目の被処理体への所定のプラズマ処理の間に前記ステージ電極の載置面が露出した状態で行われるクリーニング放電における処理ガス流量の決定方法において、
    前記ステージ電極の表面を構成する金属元素Alの拡散係数をD、前記ステージ電極の被処理体載置面と前記アースとの間の平均距離をL、前記クリーニング放電における処理ガスの前記被処理体載置面上方のプラズマ放電空間における滞在時間をTgとした場合、
    ≦ L /(2×D)
    の式を満たすように、前記クリーニング放電における前記処理ガスの流量を決定することを特徴とする処理ガス流量の決定方法。
  2. 請求項1に記載の処理ガス流量の決定方法において、
    前記クリーニング放電における前記処理ガスはSF 、Ar、O の3種類のガスで構成され、各ガスの組成比をRx(X=1〜、ΣRx=1)、各ガスに対する前記ステージ電極表面を構成する金属元素Alの拡散係数をDx(X=1〜)とした場合、
    前記式は、
    ≦ L /(2/Σ(Rx/Dx))
    で表記されることを特徴とする処理ガス流量の決定方法。
  3. 請求項1に記載の処理ガス流量の決定方法において、
    前記クリーニング放電は、第1クリーニング放電と、これに続く第2クリーニング放電とを含み、
    前記第1クリーニング放電における処理ガスの分子半径の平均値が前記第2クリーニング放電における処理ガスの分子半径の平均値によりも大きいことを特徴とする処理ガス流量の決定方法。
  4. 請求項1に記載の処理ガス流量の決定方法において、
    前記クリーニング放電は、第1クリーニング放電と、これに続く第2クリーニング放電とを含み、
    前記第1クリーニング放電における処理ガスの流量は、前記第2クリーニング放電における処理ガスの流量よりも大きいことを特徴とする処理ガス流量の決定方法。
  5. 請求項1に記載の処理ガス流量の決定方法において、
    金属元素の平均自由工程をλとしたとき、
    L>10λ
    の式が成り立つように前記処理室の圧力が設定されることを特徴とする処理ガス流量の決定方法。
  6. プラズマにより被処理体が処理され前記プラズマに曝される部材が石英で構成された処理室と、前記処理室にSF を含む処理ガスを供給するガス供給手段と、前記処理室の内部に配置され前記被処理体が載せられる載置面が金属元素Alを含む材料で構成されたステージ電極と、前記処理室の側壁に配置され絶縁性セラミックで被覆されたアースとを備えたプラズマ処理装置の前記処理室のクリーニング放電における処理ガス流量の決定方法において、
    前記クリーニング放電は前記載置面が露出された状態で行われ、 前記金属元素Alの拡散係数をD、前記載置面と前記アースとの間の平均距離をL、前記クリーニング放電における処理ガスの前記載置面上方のプラズマ放電空間における滞在時間をTg、前記処理室における前記被処理体が配置される上方の放電空間の容積をV、前記処理ガスの流量をF、前記処理室の圧力をPとした場合、
    = V / (F×10/P) ≦ L /(2×D)
    の式を満たすように、前記クリーニング放電における前記処理ガスの流量Fを決定することを特徴とする処理ガス流量の決定方法。
  7. 請求項6に記載の処理ガス流量の決定方法において、
    前記クリーニング放電は、第1クリーニング放電と、これに続く第2クリーニング放電とを含み、
    前記第1クリーニング放電における処理ガスの流量は、前記第2クリーニング放電における処理ガスの流量よりも大きいことを特徴とする処理ガス流量の決定方法。
JP2014060284A 2014-03-24 2014-03-24 処理ガス流量の決定方法 Active JP6280408B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014060284A JP6280408B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 処理ガス流量の決定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014060284A JP6280408B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 処理ガス流量の決定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015185664A JP2015185664A (ja) 2015-10-22
JP6280408B2 true JP6280408B2 (ja) 2018-02-14

Family

ID=54351881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014060284A Active JP6280408B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 処理ガス流量の決定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6280408B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112609168B (zh) * 2020-11-30 2023-06-06 中威新能源(成都)有限公司 一种快速清洗大面积真空腔室内累积薄膜的方法
JP7471029B1 (ja) 2023-08-18 2024-04-19 硅赫微科技(上海)有限公司 半導体ウエーハの静電気帯電除去方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008153365A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Renesas Technology Corp 半導体装置の製造方法
JP5442403B2 (ja) * 2009-11-18 2014-03-12 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置及びそのクリーニング方法並びにプログラムを記録した記録媒体
SG186364A1 (en) * 2010-08-25 2013-01-30 Linde Ag Reactor box chamber cleaning using molecular fluorine

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015185664A (ja) 2015-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102626138B1 (ko) 피처리체의 처리 방법
KR102385488B1 (ko) 피처리체를 처리하는 방법
JP6382055B2 (ja) 被処理体を処理する方法
KR102528430B1 (ko) 피처리체를 처리하는 방법
JP6366454B2 (ja) 被処理体を処理する方法
US10763123B2 (en) Method for processing workpiece
TWI686863B (zh) 蝕刻有機膜之方法
KR102569911B1 (ko) 포커스 링 및 기판 처리 장치
JP6339961B2 (ja) エッチング方法
US20150235861A1 (en) Plasma etching method and plasma etching apparatus
JP6521848B2 (ja) エッチング方法
TWI743123B (zh) 電漿處理方法
US11264246B2 (en) Plasma etching method for selectively etching silicon oxide with respect to silicon nitride
KR20150048134A (ko) 플라즈마 처리 방법 및 플라즈마 처리 장치
JP2017010993A (ja) プラズマ処理方法
KR102531901B1 (ko) 피처리체를 처리하는 방법
KR20170053134A (ko) 피처리체를 처리하는 방법
JP6280408B2 (ja) 処理ガス流量の決定方法
US9721766B2 (en) Method for processing target object
KR102361775B1 (ko) 플라즈마 처리 방법
US9633864B2 (en) Etching method
JP2015032780A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP2023067443A (ja) プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171010

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6280408

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350