JP2016223432A - インペラ、送風装置、および掃除機 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャフトに対してインペラが傾くことを抑制しつつ、インペラが取り付けられる装置の部品点数を少なくできるインペラ、およびそのようなインペラを備えた送風装置を提供する。
【解決手段】インペラ70は、上下に延びる中心軸Jに沿って配置されるシャフト31に取り付けられ、かつ、シャフトとともに中心軸周りに回転可能なインペラであって、径方向に広がる円環板状の円板部71aと、円板部から上側に突出し、円板部の内縁を周方向に囲む突出部71bと、突出部の上端部と接続され、突出部よりも径方向内側に位置し、軸方向に延びる円筒状の筒部71cと、円板部の上面に位置する複数の動翼73と、を備える。筒部の下端部は、円板部よりも下側に位置する。円板部と突出部と筒部とは、単一の部材の部分である。
【選択図】図1
【解決手段】インペラ70は、上下に延びる中心軸Jに沿って配置されるシャフト31に取り付けられ、かつ、シャフトとともに中心軸周りに回転可能なインペラであって、径方向に広がる円環板状の円板部71aと、円板部から上側に突出し、円板部の内縁を周方向に囲む突出部71bと、突出部の上端部と接続され、突出部よりも径方向内側に位置し、軸方向に延びる円筒状の筒部71cと、円板部の上面に位置する複数の動翼73と、を備える。筒部の下端部は、円板部よりも下側に位置する。円板部と突出部と筒部とは、単一の部材の部分である。
【選択図】図1
Description
本発明は、インペラ、送風装置、および掃除機に関する。
従来、モータのシャフトに取り付けられるインペラを有する電動送風機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のような電動送風機では、例えばスペーサおよびナット等によってインペラの後面シュラウドを上下に挟むことによって、シャフトに対してインペラが傾くことを抑制しつつ、インペラをシャフトに固定する。
しかし、スペーサおよびナット等の固定部材が設けられるため、電動送風機の部品点数が増加し、電動送風機の組み立て工数が増加する問題があった。これにより、電動送風機の製造コストが増大し、電動送風機の生産性が低下する問題があった。
本発明の例示的な一実施形態は、上記問題点に鑑みて、シャフトに対してインペラが傾くことを抑制しつつ、インペラが取り付けられる装置の部品点数を少なくできるインペラ、およびそのようなインペラを備えた送風装置を提供することを目的の一つとする。また、そのようなインペラを有する掃除機を提供することを目的の一つとする。
本発明の例示的な一実施形態のインペラは、上下に延びる中心軸に沿って配置されるシャフトに取り付けられ、かつ、前記シャフトとともに前記中心軸周りに回転可能なインペラであって、径方向に広がる円環板状の円板部と、前記円板部から上側に突出し、前記円板部の内縁を周方向に囲む突出部と、前記突出部の上端部と接続され、前記突出部よりも径方向内側に位置し、軸方向に延びる円筒状の筒部と、前記円板部の上面に位置する複数の動翼と、を備え、前記筒部の下端部は、前記円板部よりも下側に位置し、前記円板部と前記突出部と前記筒部とは、単一の部材の部分である。
本発明の例示的な一実施形態の送風装置は、上記のインペラと、前記シャフトを有するロータを備えるモータと、を備え、前記筒部の径方向内側には、前記シャフトが圧入される。
本発明の例示的な一実施形態の掃除機は、上記インペラを有する。
本発明の例示的な一実施形態によれば、シャフトに対してインペラが傾くことを抑制しつつ、インペラが取り付けられる装置の部品点数を少なくできるインペラ、およびそのようなインペラを備えた送風装置が提供される。また、そのようなインペラを有する掃除機が提供される。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインペラおよび送風装置について説明する。図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、図1に示す中心軸Jの軸方向と平行な方向とする。Y軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって図1の左右方向とする。X軸方向は、Y軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。
また、以下の説明においては、中心軸Jの延びる方向(Z軸方向)を上下方向とする。Z軸方向の正の側(+Z側)を「上側(軸方向上側)」と呼び、Z軸方向の負の側(−Z側)を「下側(軸方向下側)」と呼ぶ。なお、上下方向、上側および下側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
<第1実施形態>
送風装置1は、図1および図2に示すように、インペラ70と、モータ10と、を備える。送風装置1は、ベアリング保持部材60と、流路部材61と、複数の静翼67と、インペラハウジング80と、を備える。モータ10の上側(+Z側)には、ベアリング保持部材60が取り付けられる。流路部材61は、モータ10の径方向外側を周方向に囲む。インペラハウジング80は流路部材61の上側に取り付けられる。ベアリング保持部材60とインペラハウジング80との軸方向(Z軸方向)の間にインペラ70が収容される。インペラ70は、中心軸J周りに回転可能にモータ10に取り付けられる。より具体的には、インペラ70は、シャフト31に取り付けられ、シャフト31とともに中心軸J周りに回転可能である。なお、図2においては、流路部材61およびインペラハウジング80の図示を省略している。
送風装置1は、図1および図2に示すように、インペラ70と、モータ10と、を備える。送風装置1は、ベアリング保持部材60と、流路部材61と、複数の静翼67と、インペラハウジング80と、を備える。モータ10の上側(+Z側)には、ベアリング保持部材60が取り付けられる。流路部材61は、モータ10の径方向外側を周方向に囲む。インペラハウジング80は流路部材61の上側に取り付けられる。ベアリング保持部材60とインペラハウジング80との軸方向(Z軸方向)の間にインペラ70が収容される。インペラ70は、中心軸J周りに回転可能にモータ10に取り付けられる。より具体的には、インペラ70は、シャフト31に取り付けられ、シャフト31とともに中心軸J周りに回転可能である。なお、図2においては、流路部材61およびインペラハウジング80の図示を省略している。
モータ10は、図1に示すように、ハウジング20と、シャフト31を有するロータ30と、ステータ40と、下側ベアリング52aおよび上側ベアリング52bと、コネクタ90と、を備える。つまり、モータ10は、シャフト31を有するロータ30を備える。
ハウジング20は、ロータ30と、ステータ40とを収容する有底の円筒容器である。ハウジング20は、円筒状の周壁21と、周壁21の下端に位置する下蓋部22と、下蓋部22の中央部に位置する下側ベアリング保持部22bと、を有する。ハウジング20における周壁21の内側面には、ステータ40が固定される。下側ベアリング保持部22bは、下蓋部22の中央部から下側(−Z側)へ突出する筒状である。下側ベアリング保持部22bは、内部に下側ベアリング52aを保持する。
図1および図2に示すように、ハウジング20には、貫通孔21aが設けられる。貫通孔21aは、周壁21の下部側から下蓋部22に跨って設けられる。すなわち、貫通孔21aは、周壁21を径方向に貫通するとともに、下蓋部22を軸方向(Z軸方向)に貫通する。図示は省略するが、貫通孔21aは、例えば、周方向に沿って3つ設けられる。
図1に示すように、貫通孔21aの上端部は、後述するステータコア41の下端部よりも上側に位置する。そのため、ステータコア41の下部側が、ハウジング20の外部に露出する。これにより、ステータコア41の径方向外側の面が、モータ10と流路部材61との間に設けられる後述する排気流路87に面する。したがって、排気流路87を流れる空気によって、ステータコア41を冷却することができる。
また、例えば、ステータコア41を冷却する方法としては、ハウジング20内に空気を流入させる方法も考えられる。しかし、この方法では、ハウジング20内のステータコア41およびコイル42等が空気の流れを妨げる抵抗となって、空気の損失が生じる。そのため、送風装置1の送風効率が低下する問題があった。
これに対して、本実施形態によれば、排気流路87に面してステータコア41の外側面を露出させる構成としたため、ステータコア41が排気流路87内の空気の流れの抵抗とならない。これにより、本実施形態によれば、送風効率を低下させることなく、ステータコア41を冷却することが可能である。
貫通孔21aの上端部は、軸方向(Z軸方向)において、ステータコア41のほぼ中心に位置する。すなわち、本実施形態においては、ステータコア41の下部側の半分が、排気流路87に露出する。そのため、ステータコア41をより冷却することができる。
ロータ30は、図1に示すように、シャフト31と、ロータマグネット33と、下側磁石固定部材32aと、上側磁石固定部材32bと、を有する。ロータマグネット33は、シャフト31を径方向外側で軸周り(θz方向)に囲む円筒状である。下側磁石固定部材32aおよび上側磁石固定部材32bは、ロータマグネット33と同等の外径を有する円筒状である。下側磁石固定部材32aおよび上側磁石固定部材32bは、ロータマグネット33を軸方向両側から挟み込んでシャフト31に取り付けられている。上側磁石固定部材32bは、軸方向(Z軸方向)の上側部分に、下側(ロータマグネット33側)の部分よりも小さい外径の小径部32cを有する。
シャフト31は、上下に延びる中心軸Jに沿って配置される。シャフト31は、下側ベアリング52aと上側ベアリング52bとによって軸周り(±θz方向)に回転可能に支持されている。シャフト31の上側(+Z側)の端部にインペラ70が取り付けられる。すなわち、モータ10は、シャフト31を支持するベアリングを備える。本実施形態においては、下側ベアリング52aと上側ベアリング52bとが、ベアリングに対応する。
ステータ40は、ロータ30の径方向外側に位置する。ステータ40は、ロータ30を軸周り(θz方向)に囲む。ステータ40は、ステータコア41と、インシュレータ43と、コイル42と、を有する。
ステータコア41は、コアバック部41aと、複数(3つ)のティース部41bと、を有する。コアバック部41aは中心軸周りのリング状である。ティース部41bは、コアバック部41aの内周面から径方向内側に延びる。ティース部41bは周方向に均等な間隔で配置される。
インシュレータ43は、ティース部41bに装着される。コイル42は、インシュレータ43を介してティース部41bに装着される。コイル42は、導電線が巻き回されて構成される。
下側ベアリング52aは、弾性部材53aを介して下側ベアリング保持部22bに保持される。上側ベアリング52bは、弾性部材53bを介して後述する上側ベアリング保持部62dに保持される。弾性部材53a,53bが設けられることによって、ロータ30の振動を抑制できる。
弾性部材53a,53bは、軸方向両側に開口する円筒状である。弾性部材53a,53bは、弾性体製である。本実施形態において弾性部材53a,53bの材質は、例えば、熱硬化性エラストマー(ゴム)であってもよいし、熱可塑性エラストマーであってもよい。
弾性部材53aは、下側ベアリング保持部22bの径方向内側に嵌め合わされる。下側ベアリング52aは、弾性部材53aの径方向内側に嵌め合わされる。弾性部材53bは、後述する上側ベアリング保持部62dの径方向内側に嵌め合わされる。上側ベアリング52bは、弾性部材53bの径方向内側に嵌め合わされる。
ベアリング保持部材60は、ハウジング20の上側の開口に位置する。図3に示すように、ベアリング保持部材60は、保持部材本体部62cと、第1凸部62aと、第2凸部62bと、上側ベアリング保持部62dと、を有する。
保持部材本体部62cは、例えば、中心軸Jを中心とする円筒状である。図2に示すように、保持部材本体部62cは、ハウジング20の周壁21の内側に嵌め合わされる。保持部材本体部62cの外周面には、下側から上側に向かって保持部材本体部62cの外径が大きくなる段差がある。保持部材本体部62cの段差の軸方向に直交する段差面は、周壁21の上端部と接触する。これにより、保持部材本体部62cの軸方向位置が位置決めされる。
第1凸部62aは、保持部材本体部62cの上面から上側に突出する。第1凸部62aは、中心軸Jの周方向を囲む円環状である。第1凸部62aの中心には、例えば、中心軸Jが通る。
第2凸部62bは、保持部材本体部62cの上面から上側に突出する。第2凸部62bは、第1凸部62aの径方向外側に位置する。第2凸部62bは、第1凸部62aを周方向に囲む円環状である。第2凸部62bの中心には、例えば、中心軸Jが通る。
本実施形態においてベアリング保持部材60は、複数の保持部材片60aが組み合わされて構成される。そのため、図4に示すロータアセンブリ11の回転バランスを高精度に調整できる。図4に示すように、ロータアセンブリ11は、上側ベアリング52bが取り付けられたロータ30にインペラ70が固定されて構成される。以下、詳細に説明する。
従来、ロータアセンブリ11の回転バランスの調整は、まずロータ30単体のバランス調整と、インペラ70単体のバランス調整とを別々に行う。その後、ロータ30を含むモータ10を組み立てて、ロータ30のシャフト31にインペラ70を固定する。ここで、インペラ70をシャフト31に固定する際には組み付け誤差が生じるため、再度、シャフト31にインペラ70を固定した状態、すなわちロータアセンブリ11のバランス調整を行う。このようにして、従来は、ロータアセンブリ11の回転バランスを調整するためには、複数回バランス調整を行う必要があり、手間が掛かる問題があった。
また、ロータアセンブリ11のバランス調整は、例えば、ロータアセンブリ11を構成する部品の一部を切り欠くことによって行われる。ここで、上述した従来の方法では、モータ10を組み立てた後に、シャフト31にインペラ70を取り付けるため、ロータアセンブリ11が組み立てられた状態においてロータ30はステータ40およびハウジング20によって囲まれる。したがって、ロータアセンブリ11のバランス調整を行う際に、ロータ30の一部を切り欠くことができず、インペラ70を切り欠くことのみによってバランス調整を行うしかない。すなわち、従来の方法では、ロータアセンブリ11のバランス調整を1面でしか行えない。そのため、ロータアセンブリ11のバランスのずれ方によっては、ロータアセンブリ11の回転バランスを高精度に調整できない場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、ベアリング保持部材60が複数の保持部材片60aによって構成される。そのため、図4に示すロータアセンブリ11を組み立ててから、ロータアセンブリ11をステータ40の内側に挿入し、その後、保持部材片60aを上側ベアリング52bの径方向外側から組み付けることで、モータ10を組み立てることができる。これにより、モータ10を組み立てる前に、ロータアセンブリ11のバランス調整を行うことができる。したがって、ロータ30とインペラ70との両方を切り欠いてバランス調整をすることができる。すなわち、ロータアセンブリ11のバランス調整を2面以上で行うことができる。その結果、本実施形態によれば、ロータアセンブリ11の回転バランスを高精度に調整することができる。
また、ロータアセンブリ11の回転バランスを高精度に調整できるため、ロータ30単体とインペラ70単体とで、別々にバランス調整をする必要がない。これにより、ロータアセンブリ11のバランス調整を行う回数を1回とできる。したがって、本実施形態によれば、ロータアセンブリ11の回転バランスの調整に掛かる手間を低減できる。
また、例えば、本実施形態のようにベアリング保持部材60が複数の保持部材片60aによって構成される場合、各保持部材片60aの寸法誤差、および保持部材片60a同士の組み付け誤差が生じやすい。そのため、ベアリング保持部材60が単一の部材である場合に比べて、ベアリング保持部材60の上側ベアリング保持部62dの寸法誤差が大きくなる虞がある。これにより、上側ベアリング保持部62dに上側ベアリング52bを安定して保持できない虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、上側ベアリング52bは、弾性部材53bを介して、上側ベアリング保持部62dに保持される。そのため、上側ベアリング保持部62dに寸法誤差が生じた場合であっても、弾性部材53bによって寸法誤差を吸収することができる。したがって、本実施形態によれば、ベアリング保持部材60を複数の保持部材片60aによって構成した場合であっても、上側ベアリング52bを安定して保持することができる。
図3の例では、ベアリング保持部材60は、例えば、3つの保持部材片60aが組み合わされて構成される。複数の保持部材片60aは、例えば、互いに同形状である。そのため、保持部材片60aの製造が容易である。一例として、保持部材片60aを樹脂製として射出成形で製造する場合には、保持部材片60aを製造する金型を同じとできる。これにより、保持部材片60aを製造する手間およびコストを低減できる。図3の例では、保持部材片60aの平面視形状は、例えば、中心角が120°の扇形である。
図1に示すように、コネクタ90は、ステータ40から下側に延びる。コネクタ90は、貫通孔21aを介して、ハウジング20の下側に突出する。コネクタ90は、図示しない接続配線を有する。接続配線は、コイル42と電気的に接続される。コネクタ90に図示しない外部電源が接続されることによって、接続配線を介してコイル42に電源が供給される。
インペラ70は、シャフト31に固定される。インペラ70は、シャフト31とともに中心軸J周りに回転可能である。インペラ70は、ベース部材71と、動翼73と、シュラウド72と、を備える。本実施形態においてベース部材71は、例えば、単一の部材である。すなわち、ベース部材71は、動翼73とは別部材である。ベース部材71は、例えば、金属製である。
ベース部材71は、円板部71aと、外側筒部71bと、内側筒部71cと、を有する。すなわち、インペラ70は、円板部71aと、外側筒部71bと、内側筒部71cと、複数の動翼73と、を備える。上述したようにベース部材71は、金属製の単一の部材である。よって、円板部71aと外側筒部71bと内側筒部71cとは、単一の部材の部分である。本実施形態では、円板部71aと外側筒部71bと内側筒部71cとは、金属製の単一部材の部分である。また、円板部71aと外側筒部71bと内側筒部71cと、複数の動翼73とは別部材である。
円板部71aは、径方向に広がる円環板状である。円板部71aの中心には、中心軸Jが通る。外側筒部71bは、円板部71aから上側に突出する突出部である。外側筒部71bは、円板部71aの内縁を周方向に囲む。
なお、本明細書において、外側筒部(突出部)が円板部の内縁を周方向に囲む、とは、例えば、外側筒部(突出部)が互いに分離された複数の部分から構成され、その複数の部分が周方向に沿って配置されることで円板部の内縁を囲む場合も含む。
外側筒部71bは、円板部71aの内縁から上側に延びる円筒状である。外側筒部71bは、例えば、中心軸Jを中心とする。外側筒部71bの上端部は、径方向内側に湾曲する。これにより、外側筒部71bの上端部の上面は、下側から上側に向かうに従って径方向内側に位置する。すなわち、外側筒部71bの上面は、下側から上側に向かうに従って径方向内側に位置する湾曲部を有する。
そのため、後述する吸気口80aを介してインペラ70内に流入した空気が、外側筒部71bの上面に沿って、径方向外側に流れやすい。これにより、本実施形態によれば、送風装置1の送風効率を向上できる。
外側筒部71bにおける湾曲部の軸方向に対する傾きは、例えば、下側から上側に向かうに従って、徐々に大きくなる。外側筒部71bの湾曲部は、下端において軸方向と平行であり、上端において軸方向と直交する。
内側筒部71cは、外側筒部71bよりも径方向内側に位置する。内側筒部71cは、軸方向(Z軸方向)に延びる円筒状の筒部である。内側筒部71cは、例えば、中心軸Jを中心とする。内側筒部71cの上端部は、径方向外側に湾曲する。これにより、内側筒部71cの上端部の上面は、下側から上側に向かうに従って径方向外側に位置する。すなわち、内側筒部71cの上面は、下側から上側に向かうに従って径方向外側に位置する湾曲部を有する。
内側筒部71cの上端部における軸方向に対する傾きは、例えば、下側から上側に向かうに従って、徐々に大きくなる。内側筒部71cの湾曲部は、下端において軸方向と平行であり、上端において軸方向と直交する。
内側筒部71cは、外側筒部71bの上端部と接続される。内側筒部71cの上端部は、外側筒部71bの上端部と滑らかに接続される。内側筒部71cのうち円板部71aよりも上側の部分と、外側筒部71bと、が接続された形状は、断面視で、下側に開口するU字状である。これにより、内側筒部71cと外側筒部71bとの接続箇所において、部材に作用する圧力が集中することをより抑制できる。
内側筒部71cの径方向内側には、シャフト31が圧入される。これにより、インペラ70がシャフト31に固定される。このように、本実施形態のインペラ70によれば、内側筒部71cの径方向内側にシャフト31を圧入することで、固定部材を別途設けることなく、シャフト31にインペラ70を固定することができる。したがって、送風装置1の部品点数を少なくできる。また、円板部71aと外側筒部71bと内側筒部71cとが単一の部材の部分であるため、より送風装置1の部品点数を少なくできる。これにより、送風装置1の組み立て工数を低減できる。なお、インペラ70をシャフト31に固定する固定部材とは、例えば、ナットである。
内側筒部71cの下端部は、円板部71aよりも下側に位置する。これにより、内側筒部71cの軸方向の寸法を大きくしやすく、インペラ70とシャフト31との固定部分における軸方向の寸法を大きくできる。したがって、シャフト31に対してインペラ70が傾くことを抑制しつつ、インペラ70を安定してシャフト31に固定できる。
以上により、本実施形態によれば、インペラ70がシャフト31に対して傾くことを抑制しつつ、送風装置1の部品点数を少なくできる。したがって、送風装置1の組み立て工数を少なくできる。その結果、送風装置1の製造コストを低減でき、送風装置1の生産性を向上できる。
また、例えば、内側筒部71cを外側筒部71bよりも上側に延ばして、内側筒部71cにおけるシャフト31が圧入される部分を円板部71aよりも上側に位置する構成が考えられる。しかし、この場合においては、シャフト31を上側に突出する寸法を大きくする必要がある。そのため、シャフト31の軸方向(Z軸方向)の寸法が大きくなる問題がある。
これに対して、本実施形態によれば、内側筒部71cが円板部71aよりも下側に延びる。これにより、内側筒部71cにおけるシャフト31が圧入される部分を、円板部71aよりも下側とすることができ、シャフト31の軸方向(Z軸方向)の寸法を小さくできる。
また、例えば、円板部71aの内縁から軸方向に延びる筒状部にシャフト31が圧入される場合、円板部71aと筒状部との接続箇所に応力が集中しやすい。そのため、例えば、インペラ70が回転する際に生じるジャイロ効果等によって、インペラ70に応力が加えられた場合に、インペラ70が振れ回る虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、円板部71aの内縁から上側に延びる外側筒部71bよりも径方向内側に位置する内側筒部71cにシャフト31が圧入される。これにより、円板部71aと外側筒部71bとの接続箇所に応力が集中することを抑制でき、円板部71aと外側筒部71bと内側筒部71cとが接続される部分の剛性を大きくできる。したがって、インペラ70に応力が加えられた場合に、インペラ70が振れ回ることを抑制できる。
本実施形態では、外側筒部71bの上端部と内側筒部71cの上端部とが、径方向に互いに向かい合う向きに湾曲し、外側筒部71bと内側筒部71cとが接続された部分の形状が、断面視で、下側に開口するU字状である。そのため、外側筒部71bと内側筒部71cとが接続された部分において応力を分散させやすく、円板部71aと外側筒部71bとの接続箇所に応力が集中することをより抑制できる。
内側筒部71cの下端部は、ベアリング保持部材60と径方向に重なる。内側筒部71cにおけるシャフト31が圧入される部分は、円板部71aよりも下側に位置する。内側筒部71cの下端部は、上側ベアリング52bの内輪の上端部と接触する。
そのため、内側筒部71cは、円板部71aの軸方向(Z軸方向)の位置を規定するスペーサとして機能する。これにより、本実施形態によれば、別途スペーサを設ける必要がなく、送風装置1の部品点数をより少なくでき、かつ、送風装置1の組み立て工数をより少なくできる。
外側筒部71bの上端部および内側筒部71cの上端部は、シャフト31の上端部よりも下側に位置する。すなわち、シャフト31の上端部は、外側筒部71bおよび内側筒部71cよりも上側に位置する。そのため、シャフト31の上端部と、外側筒部71bの上端部および内側筒部71cの上端部と、円板部71aの上面と、の順で、径方向内側から径方向外側に向かって、軸方向の位置が下側となる。したがって、インペラ70の上側からインペラ70内に流入する空気を上側から下側に向かうに従って、径方向内側から径方向外側へと案内しやすい。これにより、インペラ70内に流入する空気をよりスムーズに径方向外側に送ることができる。その結果、送風装置1の送風効率をより向上できる。
外側筒部71bと内側筒部71cとの径方向の間には、隙間が設けられる。そのため、ベース部材71が他の部材と接触してベース部材71に力が加えられた場合であっても、隙間があることによって、力の一部を吸収することができるため、シャフト31に力が伝わることを抑制できる。これにより、シャフト31が変形することを抑制できる。
ベース部材71の製造方法は、特に限定されない。本実施形態においては、ベース部材71は、円板部71aと、筒状の外側筒部71bおよび内側筒部71cと、を有する金属製の単一部材である。そのため、例えば、金属製の板状部材にバーリング加工を施すことによって、ベース部材71を製造することができる。これにより、インペラ70の製造を容易にできる。また、板状部材からベース部材71を製造する場合には、例えばダイキャストによってベース部材71を製造する場合に比べて、ベース部材71を軽量化しやすい。
複数の動翼73は、円板部71aの上面に位置する。動翼73は、例えば、円板部71aの上面に設けられた溝に差し込まれて、円板部71aの上面に固定される。動翼73は、周方向に沿って複数設けられる。
シュラウド72は、円板部71aの上面と対向する環状の部分である。シュラウド72の内縁は、例えば、円板部71aと同心の円形状である。シュラウド72は、動翼73を介して、円板部71aと固定される。
図2に示すように、シュラウド72は、シュラウド円環部72aと、シュラウド円筒部72bと、を有する。シュラウド円環部72aは、円環板状である。シュラウド円筒部72bは、シュラウド円環部72aの内縁から上側に延びる円筒状である。シュラウド円筒部72bは、上側に開口するインペラ開口部72cを有する。シュラウド円筒部72bは、ベース部材71の外側筒部71bよりも径方向外側に位置する。
図5に示すように、シュラウド円筒部72bの内側面は、曲面部72dを有する。曲面部72dは、シュラウド円筒部72bの内側面の上端部に位置する。曲面部72dは、下側から上側に向かうに従って径方向外側に湾曲する。
軸方向(Z軸方向)においてシュラウド円環部72aと円板部71aとの間には、インペラ流路86が設けられる。インペラ流路86は、複数の動翼73によって仕切られる。インペラ流路86は、インペラ開口部72cと連通する。インペラ流路86は、インペラ70の径方向外側に開口する。
インペラ70の軸方向位置は、スペーサとして機能する内側筒部71cによって決められる。インペラ70の下面、すなわち円板部71aの下面は、ベアリング保持部材60における第1凸部62aの上端、および第2凸部62bの上端と、近接した位置に設けられる。これにより、第1凸部62a、第2凸部62bおよび円板部71aによって、インペラ70とベアリング保持部材60との軸方向(Z軸方向)の間にラビリンス構造が構成される。したがって、インペラ70のインペラ流路86から径方向外側に排出された空気が、インペラ70とベアリング保持部材60との隙間を介して、径方向外側から径方向内側に流れることを抑制できる。その結果、本実施形態によれば、送風装置1の送風効率をより向上できる。
図1に示すように、流路部材61は、モータ10の径方向外側を囲む円筒状である。流路部材61の内径は、上端部から下側に向かうに従って小さくなった後、内径が最小となった箇所から下側に向かうに従って大きくなる。言い換えると、流路部材61の径方向内側の面である流路部材内側面61cは、上端部から下側に向かうに従って径方向内側に位置した後、径方向位置が最も内側となった箇所から下側に向かうに従って径方向外側に位置する。
流路部材61の内径は、例えば、上端部において最大である。言い換えると、流路部材内側面61cの径方向位置は、例えば、上端部において最も外側に位置する。
流路部材61とモータ10との径方向の間には、軸方向(Z軸方向)に延びる排気流路87が設けられる。すなわち、流路部材61とモータ10とによって、排気流路87が形成される。排気流路87は、周方向の一周に亘って設けられる。本実施形態においてモータ10の外側面、すなわちハウジング20の外周面は、軸方向に直線的に延びる円筒状であるため、排気流路87の径方向の幅は、流路部材61の内径に応じて変化する。
すなわち、排気流路87の径方向の幅は、上端部から下側に向かうに従って小さくなった後、幅が最小となった箇所から下側に向かうに従って大きくなる。排気流路87の径方向の幅は、例えば、上端部において最大となる。このように排気流路87の幅を変化させることで、排気流路87内を通る空気の静圧を大きくできる。これにより、排気流路87内を通る空気が逆流すること、すなわち空気が下側から上側に向かって流れることを抑制できる。
排気流路87の径方向位置は、排気流路87の径方向の幅が小さくなるほど径方向内側となり、排気流路87の径方向の幅が大きくなるほど径方向外側となる。ここで、排気流路87の径方向位置が径方向内側になるほど、排気流路87の周方向の長さは小さくなるため、排気流路87の流路面積が小さくなる。一方、排気流路87の径方向位置が径方向外側になるほど、排気流路87の周方向の長さは大きくなるため、排気流路87の流路面積が大きくなる。
したがって、例えば、排気流路87の径方向の幅を小さくしても、排気流路87の径方向位置が径方向外側となる場合には、排気流路87の流路面積を十分に小さくしにくく、排気流路87を通る空気の静圧を大きくしにくい場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、排気流路87の径方向位置は、排気流路87の径方向の幅が小さくなるほど径方向内側となる。そのため、排気流路87の径方向の幅を小さくすることで、流路面積を十分に小さくしやすい。一方、排気流路87の径方向の幅を大きくすることで、流路面積を十分に大きくしやすい。これにより、排気流路87の流路面積の変化を大きくできるため、排気流路87を通る空気の静圧を大きくしやすい。したがって、本実施形態によれば、排気流路87を通る空気が逆流することをより抑制できる。
なお、本明細書において排気流路の径方向位置とは、排気流路における径方向外側の端部の径方向位置を含む。
排気流路87の下端部には、排気口88が設けられる。排気口88は、後述する吸気口80aから送風装置1に流入した空気が排出される部分である。本実施形態において排気口88の軸方向位置は、モータ10の下端部の軸方向位置とほぼ同じである。
本実施形態において流路部材61は、上側流路部材61bと、下側流路部材61aと、を有する。上側流路部材61bは、下側流路部材61aの上側に連結される。上側流路部材61bの内径は、上端部から下側に向かうに従って小さくなる。下側流路部材61aの内径は、上端部から下側に向かうに従って大きくなる。すなわち、流路部材61において内径が最小となる位置は、上側流路部材61bと下側流路部材61aとが連結される連結位置P1と軸方向(Z軸方向)において同じである。同様に、排気流路87の径方向の幅が最小となる位置は、連結位置P1と軸方向において同じである。
複数の静翼67は、流路部材61とモータ10との径方向の間に設けられる。すなわち、静翼67は、排気流路87内に設けられる。静翼67は、排気流路87内を流れる空気を整流する。図2に示すように、複数の静翼67は、周方向に沿って等間隔に配置される。静翼67は、静翼下部67aと、静翼上部67bと、を有する。静翼下部67aは、軸方向(Z軸方向)に延びる。
静翼上部67bは、静翼下部67aの上端部に接続される。静翼上部67bは、下側から上側に向かうに従って、平面視で時計回り向き(−θZ向き)に湾曲する。
図1に示すように、静翼下部67aは、例えば、下側流路部材61aと径方向に重なる。静翼上部67bは、例えば、上側流路部材61bと径方向に重なる。本実施形態において静翼下部67aと静翼上部67bとは、例えば、単一の部材の一部である。本実施形態において静翼67は、例えば、上側流路部材61bと単一の部材として製造される。
インペラハウジング80は、円筒状の部材である。インペラハウジング80は、流路部材61の上端部に取り付けられる。インペラハウジング80は、上側に開口する吸気口80aを有する。
インペラハウジング80は、インペラハウジング本体部82と、吸気ガイド部81と、を有する。インペラハウジング本体部82は、インペラ70の径方向外側を囲み軸方向両側に開口する円筒状である。インペラハウジング本体部82の径方向内側には、流路部材61の上端部が嵌め合わされる。本実施形態において流路部材61の上端部は、例えば、インペラハウジング本体部82の径方向内側に圧入される。
図5に示すように、インペラハウジング本体部82の下端部には、インペラハウジング本体部82の内径が上側から下側に向かって大きくなる段差83が設けられる。流路部材61の上端面は、段差83の軸方向と直交する段差面83aと接触する。これにより、インペラハウジング本体部82が流路部材61に対して軸方向(Z軸方向)に位置決めされる。
インペラハウジング本体部82の内側面は、湾曲面82aと、対向面82bと、を有する。湾曲面82aは、上側から下側に向かって径方向外側に位置する断面視円弧状の曲面である。湾曲面82aは、流路部材内側面61cと段差なく連続して接続される。そのため、湾曲面82aに沿って流れる空気が排気流路87に流入する際に、損失が生じにくい。したがって、本実施形態によれば、送風装置1の送風効率を向上できる。
湾曲面82aは、インペラ70の径方向外側の開口部と径方向に対向する。湾曲面82aとインペラ70との径方向の間には、インペラ流路86と排気流路87とを接続する接続流路84が設けられる。
接続流路84の径方向の幅は、上側から下側に向かうに従って大きくなる。すなわち、接続流路84の径方向の幅は、下端部において最大となる。接続流路84の下端部は、排気流路87の上端部と接続される部分である。接続流路84の下端部の径方向の幅と、排気流路87の上端部の径方向の幅とは、同じである。
上述したように、排気流路87の上部側では、上側から下側に向かうに従って排気流路87の幅が小さくなる。そのため、接続流路84から排気流路87の上部側までの流路においては、接続流路84と排気流路87とが接続される箇所において、流路の幅が最も大きい。言い換えると、接続流路84から排気流路87の上部側までの流路において最も幅が大きい箇所に、インペラハウジング80と流路部材61との接続部である段差83が設けられる。
湾曲面82aの上端部P2は、シュラウド円環部72aの下面の径方向外側の端部よりも上側に位置する。そのため、インペラ流路86からインペラ70の径方向外側に排出される空気が上端部P2に衝突することがない。これにより、シュラウド円環部72aの径方向外側の端部とインペラハウジング本体部82との径方向の間の隙間GA2に空気が入り込むことを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、送風装置1の送風効率を向上できる。
隙間GA2は、後述する対向面82bとシュラウド72の外側面との間の隙間GA3よりも小さい。これにより、接続流路84を流れる空気が隙間GA2を介して隙間GA3へと空気が流入することを抑制できる。
湾曲面82aの上端部P2は、シュラウド円環部72aの上面の径方向外側の端部よりも下側に位置する。そのため、インペラ流路86からインペラ70の径方向外側に排出される空気が、湾曲面82aに沿って流れやすい。これにより、空気がインペラ流路86から接続流路84を介して排気流路87へと流れる際の損失を低減できる。したがって、本実施形態によれば、送風装置1の送風効率を向上できる。
対向面82bは、インペラ70のシュラウド72と対向する面である。対向面82bは、シュラウド72の外側面に倣う形状である。そのため、対向面82bとシュラウド72の外側面との間の隙間GA3の幅を小さくしやすい。
例えば、隙間GA3の幅が大きすぎると、隙間GA3内における圧力が低くなるため、隙間GA3内に空気が流れやすく、損失が大きくなりやすい。これに対して、本実施形態によれば、隙間GA3の幅を小さくしやすいため、隙間GA3内に空気が流れることを抑制でき、空気の損失を低減できる。隙間GA3の幅は、例えば、ほぼ均一である。
吸気ガイド部81は、インペラハウジング本体部82の上端部の内縁から径方向内側に突出する。吸気ガイド部81は、例えば、円環状である。吸気ガイド部81の上側の開口は、吸気口80aである。吸気ガイド部81の径方向内側面は、下側から上側に向かうに従って、径方向外側に位置する曲面である。
吸気ガイド部81は、シュラウド円筒部72bの上側に位置する。吸気ガイド部81とシュラウド円筒部72bとの軸方向の隙間GA1は、隙間GA3よりも小さい。これにより、吸気口80aからインペラ70に流入する空気が隙間GA1を介して隙間GA3へと空気が流入することを抑制できる。
吸気ガイド部81の径方向内側の端部の径方向位置は、シュラウド円筒部72bの径方向内側の端部の径方向位置とほぼ同じである。そのため、吸気ガイド部81に沿ってインペラ70の内部に入った空気が、シュラウド円筒部72bに沿って流れやすい。これにより、インペラ70内に吸入する空気の損失を低減できる。
また、例えば、回転時の振動等によってインペラ70の径方向位置が内側にずれる場合、吸気口80aから吸気ガイド部81に沿って流れる空気が、シュラウド円筒部72bの上端部に当たって、剥離が生じる虞がある。そのため、空気の損失が大きくなる虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、上述したようにシュラウド円筒部72bの内側面は、上端部に位置する曲面部72dを有する。そのため、インペラ70の径方向位置がずれた場合であっても、空気が曲面部72dに沿って空気が下側に流れやすい。したがって、空気の損失を低減できる。
図1に示すように、モータ10によってインペラ70が回転されると、吸気口80aから空気がインペラ70に流入する。インペラ70内に流入した空気は、インペラ流路86から径方向外側に排出される。インペラ流路86から排出された空気は、接続流路84および排気流路87を介して、上側から下側に向かって進み、排気口88から下向きに排出される。このようにして、送風装置1は、空気を送る。
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。
ベース部材71は、ダイキャストで製造されてもよい。この場合、円板部71aから上側に突出する突出部の径方向の寸法が大きくなりやすい。そのため、ヒケが生じて、ベース部材71の成形精度が低下する虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、突出部と内側筒部71cとの間には、隙間が設けられる。これにより、突出部の径方向の寸法が大きくなることを抑制できる。したがって、ベース部材71をダイキャストで製造する場合に、ヒケが生じることを抑制できる。その結果、ベース部材71の成形精度が低下することを抑制できる。また、隙間の分だけベース部材71を軽量化できるため、インペラ70を軽量化できる。
外側筒部71bにおける湾曲部の軸方向に対する傾き、および内側筒部71cにおける湾曲部の傾きは、例えば、下側から上側に向かうに従って、徐々に小さくなってもよい。この場合、外側筒部71bの湾曲部および内側筒部71cの湾曲部は、下端において軸方向と直交し、上端において軸方向と平行であってもよい。円板部71aから上側に突出する突出部の上面は、全体が湾曲部であってもよい。
外側筒部71bは、円板部71aの内縁よりも径方向外側に設けられてもよい。
本実施形態においては、インペラ70は単一の部材であってもよい。また、本実施形態においてベアリング保持部材60は、2つの保持部材片60aによって構成されてもよいし、4つ以上の保持部材片60aによって構成されてもよい。
<第2実施形態>
図7および図8においては、流路部材161、ベアリング保持部材160、インペラ70、およびインペラハウジング80の図示を省略している。なお、第1実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
図7および図8においては、流路部材161、ベアリング保持部材160、インペラ70、およびインペラハウジング80の図示を省略している。なお、第1実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
図6に示すように、送風装置2は、モータ110と、ベアリング保持部材160と、インペラ70と、流路部材161と、複数の静翼167と、インペラハウジング80と、を備える。
モータ110は、ハウジング120と、シャフト31を有するロータ30と、ステータ140と、下側ベアリング52aおよび上側ベアリング52bと、コネクタ90と、を備える。ハウジング120は、周壁121と、下蓋部22と、下側ベアリング保持部22bと、を有する。
図7に示すように、周壁121には、複数の貫通孔121aと、複数の切欠き121bと、が設けられる。図6に示すように、貫通孔121aの上端部は、後述するステータコア141よりも下側に位置する。貫通孔121aのその他の構成は、第1実施形態の貫通孔21aの構成と同様である。
図7に示すように、切欠き121bは、周壁121の上端部から下側に向かって切り欠かれた部分である。すなわち、切欠き121bは、周壁121を径方向に貫通し、上側に開口する。切欠き121bは、例えば、周方向に沿って等間隔に6つ設けられる。径方向に視た際の切欠き121bの形状は、例えば、軸方向に延びる矩形状である。
図8に示すように、ステータ140は、ステータコア141を有する。ステータコア141は、コアバック部41aと、ティース部41bと、コア突出部141cと、を有する。コア突出部141cは、コアバック部41aの外周面から径方向外側に突出する。コア突出部141cは、例えば、周方向に沿って6つ設けられる。
各コア突出部141cは、それぞれ切欠き121bに嵌め合わされる。コア突出部141cの径方向外側の面は、ハウジング120の外周面と同一面上に位置する。コア突出部141cの径方向外側の面は、ハウジング120の外部に露出する。本実施形態においては、複数の切欠き121bが周方向に沿って等間隔に配置されるため、モータ110の外周面においては、ステータコア141のコア突出部141cの外周面と、ハウジング120の外周面とが、周方向に沿って互い違いに並ぶ。
図6に示すように、コア突出部141cの径方向外側の面は、排気流路87に面する。したがって、本実施形態によれば、排気流路87を流れる空気によって、ステータコア141を冷却することができる。
コア突出部141cの下端部は、切欠き121bの下側の縁と接触する。これにより、ステータコア141は、軸方向に位置決めされる。
静翼167は、静翼下部167aと、静翼上部167bと、を有する。静翼下部167aと静翼上部167bとは、例えば、互いに別部材である。静翼下部167aのその他の構成は、第1実施形態の静翼下部67aの構成と同様である。静翼上部167bのその他の構成は、第1実施形態の静翼上部67bの構成と同様である。
ベアリング保持部材160は、外周面に静翼上部167bが固定される点を除いて、第1実施形態のベアリング保持部材60と同様である。ベアリング保持部材160と静翼上部167bとは、例えば、単一の部材である。本実施形態においては、ベアリング保持部材160は、静翼を有するディフューザとして機能する。
本実施形態において流路部材161は、単一の部材である。流路部材161の内周面には、静翼下部167aが固定される。流路部材161と静翼下部167aとは、例えば、単一の部材である。流路部材161のその他の構成は、第1実施形態の流路部材61の構成と同様である。送風装置2のその他の構成は、第1実施形態の送風装置1の構成と同様である。
なお、本実施形態において切欠き121bの数は、特に限定されず、5つ以下であってもよいし、7つ以上であってもよい。また、本実施形態においては、切欠き121bの代わりに、周壁121を径方向に貫通する貫通孔が設けられてもよい。
図9は、実施形態の掃除機100を示す。掃除機100は、上述のインペラを有する。これにより、インペラにおいて、シャフトに対してインペラが傾くことを抑制しつつ、インペラが取り付けられる装置の部品点数を少なくできるので、掃除機の送風効率が向上し、掃除機に搭載されるインペラの部品点数を少なくできる。よって、掃除機100の組立て工数を削減することができる。
なお、上記の第1実施形態および第2実施形態の送風装置は、いかなる機器に用いられてもよい。例えば、上記の第1実施形態および第2実施形態の送風装置は、例えば、掃除機、ドライヤーに用いることができる。
また、上記の第1実施形態および第2実施形態で説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
1,2…送風装置、10,110…モータ、30…ロータ、31…シャフト、52b…上側ベアリング(ベアリング)、70…インペラ、71a…円板部、71b…外側筒部(突出部)、71c…内側筒部(筒部)、73…動翼、100…掃除機、J…中心軸
Claims (9)
- 上下に延びる中心軸に沿って配置されるシャフトに取り付けられ、かつ、前記シャフトとともに前記中心軸周りに回転可能なインペラであって、
径方向に広がる円環板状の円板部と、
前記円板部から上側に突出し、前記円板部の内縁を周方向に囲む突出部と、
前記突出部の上端部と接続され、前記突出部よりも径方向内側に位置し、軸方向に延びる円筒状の筒部と、
前記円板部の上面に位置する複数の動翼と、
を備え、
前記筒部の下端部は、前記円板部よりも下側に位置し、
前記円板部と前記突出部と前記筒部とは、単一の部材の部分である、インペラ。 - 前記突出部は、前記円板部の内縁から上側に延びる円筒状であり、
前記円板部と前記突出部と前記筒部とは、金属製であり、かつ、前記動翼とは別部材である、請求項1に記載のインペラ。 - 前記突出部と前記筒部との径方向の間には、隙間が設けられる、請求項1または2に記載のインペラ。
- 前記突出部の上面は、下側から上側に向かうに従って径方向内側に位置する湾曲部を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のインペラ。
- 前記突出部は、前記円板部の内縁から上側に延びる円筒状であり、
前記突出部の上端部は、径方向内側に湾曲し、
前記筒部の上端部は、径方向外側に湾曲し、前記突出部の上端部と滑らかに接続される、請求項1から4のいずれか一項に記載のインペラ。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のインペラと、
前記シャフトを有するロータを備えるモータと、
を備え、
前記筒部の径方向内側には、前記シャフトが圧入される、送風装置。 - 前記モータは、前記シャフトを支持するベアリングを備え、
前記筒部の下端部は、前記ベアリングの内輪の上端部と接触する、請求項6に記載の送風装置。 - 前記シャフトの上端部は、前記突出部および前記筒部よりも上側に位置する、請求項6または7に記載の送風装置。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載のインペラを有する、掃除機。
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