JP2016222528A - 硬化体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルカリ溶液とケイ素粉末またはシリカフュームとを所定時間、撹拌することにより、アルカリ溶液中にケイ素粉末(又はシリカフュ―ム)を均一に分散させて、当該スラリーを用いた硬化体で所望の圧縮強度を得ることができる。具体的には、濃度3mol/Lの水酸化カリウム溶液と粒径4〜10μmのケイ素粉末とを12〜24時間、攪拌し、スラリーを得る工程と、フライアッシュと、前記スラリーとを混合した材料を硬化させ、硬化体を得る工程とを有する硬化体の製造方法。
【選択図】図1
Description
また、本発明の硬化体の製造方法は、濃度3mol/Lの水酸化カリウム溶液と粒径4〜10μmのケイ素粉末とを6〜24時間、攪拌し、スラリーを得る工程と、高炉スラグと、前記スラリーとを混合した材料を硬化させ、硬化体を得る工程と、を有する。
また、本発明の硬化体の製造方法は、濃度3mol/Lの水酸化カリウム溶液とシリカフュームとを36時間、攪拌し、スラリーを得る工程と、高炉スラグと、前記スラリーとを混合した材料を硬化させ、硬化体を得る工程と、を有する。
また、本発明の硬化体の製造方法は、濃度3mol/Lの水酸化ナトリウム溶液と粒径4〜10μmのケイ素粉末とを12〜48時間、攪拌し、スラリーを得る工程と、高炉スラグと、前記スラリーとを混合した材料を硬化させ、硬化体を得る工程と、を有する。
また、本発明の硬化体の製造方法は、濃度3mol/Lの水酸化ナトリウム溶液とシリカフュームとを18〜48時間、攪拌し、スラリーを得る工程と、高炉スラグと、前記スラリーとを混合した材料を硬化させ、硬化体を得る工程と、を有する。
水酸化カリウム(KOH)溶液または水酸化ナトリウム(NaOH)溶液(以下、「アルカリ溶液」という場合がある)は、ペースト状の前駆体(後述の「混合材料」)を作製する際に用いる溶液である。また、アルカリ溶液は、ケイ素粉末またはシリカフュームを練り混ぜてスラリー化する際に用いる。本発明におけるアルカリ溶液は低濃度であり、具体的には約3mol/Lである。アルカリ溶液の水素イオン指数(pH)は大凡11以上である。
ケイ素粉末は、粒径が4〜10μmの球状体である。シリカフュームは、たとえばアモルファスシリコンのようなナノ材料である。
フライアッシュまたは高炉スラグは、硬化体の主材となる産業副産物である。フライアッシュ及び高炉スラグは、ケイ素やカルシウムを主成分としている。フライアッシュは、火力発電所等で石炭を燃焼させる際に生じる灰(球状微粒子)である。高炉スラグは、高炉内で銑鉄を製造する際に得られる副産物である。なお、本発明におけるフライアッシュ及び高炉スラグに対しては、反応性を高めるためのメカノケミカル処理(ボールミル等を使用した表面処理)は行わない。
スラリーは、アルカリ溶液とケイ素粉末またはシリカフュームとを所定時間、攪拌して得られる混和材である。
硬化体は、フライアッシュまたは高炉スラグと、アルカリ溶液及びケイ素粉末(またはシリカフューム)を含むスラリーとを混合した材料(混合材料)を硬化させることにより得られる。硬化体は、混合材料を円筒型枠に打設し、一定期間の封かん養生後に脱型し、常温で気中養生させることにより得られる。
スラリーを得る工程における攪拌時間と圧縮強度の関係を調べるため、以下の実施例1〜5及び比較例1〜3を行った。実施例1及び比較例1〜3は、フライアッシュを用いた例である。実施例2〜5は、高炉スラグを用いた例である。
高炉スラグは、エスメント(エスメント関東株式会社製。 比表面積4,000cm2/g)を使用した。
ケイ素粉末は、FUSELEX(登録商標。株式会社龍森製)を使用した。
シリカフュームは、エルケム940U(エルケムジャパン株式会社製。 比表面積200,000cm2/g)
アルカリ溶液は、水酸化カリウム溶液(3mol/L。和光純薬工業株式会社製)、または水酸化ナトリウム溶液(3mol/L。和光純薬工業株式会社製)を使用した。
水酸化カリウム溶液25.0gとケイ素粉末12.16gとをスターラーで一定時間、攪拌し、スラリーを得た。当該スラリーとフライアッシュ48.64gを混合した材料を、内径20mm×高さ40mmの円筒型枠(アクリルパイプにスリット状の切れ目を入れたもの)に打設し、24時間の封かん養生後に脱型し、20℃で14日間、気中養生させることにより2つの硬化体を得た。各硬化体について、直径、高さ、重量、密度を測定した(表3参照)。各硬化体に対し、オートグラフAG−100KNX(株式会社島津製作所製)を用いて圧縮強度試験を行った。
水酸化カリウム溶液25.0gとシリカフューム3.06gとをスターラーで一定時間、攪拌し、スラリーを得た。当該スラリーとフライアッシュ57.76gを混合した材料を、直径20mm×高さ40mmの円筒型枠に打設し、24時間の封かん養生後に脱型し、20℃で14日間、気中養生させることにより2つの硬化体を得た。各硬化体について、直径、高さ、重量、密度を測定した(表4参照)。各硬化体に対し、オートグラフAG−100KNX(株式会社島津製作所製)を用いて圧縮強度試験を行った。
水酸化ナトリウム溶液25.0gとケイ素粉末12.16gとをスターラーで一定時間、攪拌し、スラリーを得た。当該スラリーとフライアッシュ48.64gを混合した材料を、直径20mm×高さ40mmの円筒型枠に打設し、24時間の封かん養生後に脱型し、20℃で14日間、気中養生させることにより3つの硬化体を得た。各硬化体について、直径、高さ、重量、密度を測定した(表5参照)。各硬化体に対し、オートグラフAG−100KNX(株式会社島津製作所製)を用いて圧縮強度試験を行った。
水酸化ナトリウム溶液25.0gとシリカフューム3.06gとをスターラーで一定時間、攪拌し、スラリーを得た。当該スラリーとフライアッシュ57.76gを混合した材料を、直径20mm×高さ40mmの円筒型枠に打設し、24時間の封かん養生後に脱型し、20℃で14日間、気中養生させることにより3つの硬化体を得た。各硬化体について、直径、高さ、重量、密度を測定した(表6参照)。各硬化体に対し、オートグラフAG−100KNX(株式会社島津製作所製)を用いて圧縮強度試験を行った。
水酸化カリウム溶液30.3gとケイ素粉末12.16gとをスターラーで一定時間、攪拌し、スラリーを得た。当該スラリーと高炉スラグ48.64gを混合した材料を、直径20mm×高さ40mmの円筒型枠に打設し、24時間の封かん養生後に脱型し、20℃で14日間、気中養生させることにより3つの硬化体を得た。各硬化体について、直径、高さ、重量、密度を測定した(表7参照)。各硬化体に対し、オートグラフAG−100KNX(株式会社島津製作所製)を用いて圧縮強度試験を行った。
水酸化カリウム溶液30.3gとシリカフューム3.06gとをスターラーで一定時間、攪拌し、スラリーを得た。当該スラリーと高炉スラグ57.76gを混合した材料を、直径20mm×高さ40mmの円筒型枠に打設し、24時間の封かん養生後に脱型し、20℃で14日間、気中養生させることにより3つの硬化体を得た。各硬化体について、直径、高さ、重量、密度を測定した(表8参照)。各硬化体に対し、オートグラフAG−100KNX(株式会社島津製作所製)を用いて圧縮強度試験を行った。
水酸化ナトリウム溶液30.3gとケイ素粉末12.16gとをスターラーで一定時間、攪拌し、スラリーを得た。当該スラリーと高炉スラグ48.64gを混合した材料を、直径20mm×高さ40mmの円筒型枠に打設し、24時間の封かん養生後に脱型し、20℃で14日間、気中養生させることにより3つの硬化体を得た。各硬化体について、直径、高さ、重量、密度を測定した(表9参照)。各硬化体に対し、オートグラフAG−100KNX(株式会社島津製作所製)を用いて圧縮強度試験を行った。
水酸化ナトリウム溶液30.3とシリカフューム3.06gとをスターラーで一定時間、攪拌し、スラリーを得た。当該スラリーと高炉スラグ57.76gを混合した材料を、直径20mm×高さ40mmの円筒型枠に打設し、24時間の封かん養生後に脱型し、20℃で14日間、気中養生させることにより3つの硬化体を得た。各硬化体について、直径、高さ、重量、密度を測定した(表10参照)。各硬化体に対し、オートグラフAG−100KNX(株式会社島津製作所製)を用いて圧縮強度試験を行った。
Claims (5)
- 濃度3mol/Lの水酸化カリウム溶液と粒径4〜10μmのケイ素粉末とを12〜24時間、攪拌し、スラリーを得る工程と、
フライアッシュと、前記スラリーとを混合した材料を硬化させ、硬化体を得る工程と、
を有する硬化体の製造方法。 - 濃度3mol/Lの水酸化カリウム溶液と粒径4〜10μmのケイ素粉末とを6〜24時間、攪拌し、スラリーを得る工程と、
高炉スラグと、前記スラリーとを混合した材料を硬化させ、硬化体を得る工程と、
を有する硬化体の製造方法。 - 濃度3mol/Lの水酸化カリウム溶液とシリカフュームとを36時間、攪拌し、スラリーを得る工程と、
高炉スラグと、前記スラリーとを混合した材料を硬化させ、硬化体を得る工程と、
を有する硬化体の製造方法。 - 濃度3mol/Lの水酸化ナトリウム溶液と粒径4〜10μmのケイ素粉末とを12〜48時間、攪拌し、スラリーを得る工程と、
高炉スラグと、前記スラリーとを混合した材料を硬化させ、硬化体を得る工程と、
を有する硬化体の製造方法。 - 濃度3mol/Lの水酸化ナトリウム溶液とシリカフュームとを18〜48時間、攪拌し、スラリーを得る工程と、
高炉スラグと、前記スラリーとを混合した材料を硬化させ、硬化体を得る工程と、
を有する硬化体の製造方法。
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