JP2013256428A - ジオポリマー組成物およびその製造方法 - Google Patents

ジオポリマー組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 設定される可使時間に調整されたジオポリマー組成物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 ジオポリマー組成物は、フィラーと、アルカリ溶液と、骨材とを混練することにより製造される。このジオポリマー組成物は、設定される可使時間に応じて、フィラーを構成する少なくとも1つのフィラー材料の比表面積が変更される。このため、その製造方法は、設定される可使時間に応じて決定された比表面積になるように、フィラーを構成する少なくとも1つのフィラー材料を、各々が少なくとも1つのフィラー材料の各々と同一成分で、かつ比表面積が異なるフィラー材料で置換したときの置換率を求め、置換率を用いてフィラーを構成する各フィラー材料の配合割合を決定する工程を含む。
【選択図】 図4

Description

本発明は、所望の可使時間に調整されたジオポリマー組成物およびその製造方法に関する。
地球温暖化の問題から、二酸化炭素といった温暖化ガスの排出量を減少させるべく省エネルギー化が進められ、材料も、出来るだけ二酸化炭素の排出量が少ないものが選択されるようになってきている。現在、大量に生産されているセメントは、ポルトランドセメントであり、その主原料は石灰石であることから、焼成時に、酸化カルシウムに分解される際、二酸化炭素を排出する。このため、ポルトランドセメントを使用しないコンクリートを製造する技術として、ジオポリマー法が注目されている。
ジオポリマー法は、ケイ酸の縮重合体をバインダとして利用し、粉末同士を接合して人工の岩石を製造する技術である。このジオポリマー法により形成されるジオポリマー組成物は、フィラーとアルカリ溶液の二つの材料で構成され、これらは、セメントにおけるセメントと水に相当するものである。フィラーは、ケイ素とアルミニウムが豊富である必要があり、天然のものとしては、カオリンや粘土等が挙げられ、そのほか、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグ、もみ殻灰等も利用することが可能である。アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムと水ガラス(NaSiO)またはケイ酸カリウム(KSiO)の化合物の水溶液が一般的である。
ジオポリマーは、アルカリ溶液によってフィラーが活性化され、フィラー中に含まれるケイ素成分および金属成分が重合することにより硬化する。この硬化速度は、非常に速く、作業中に硬化してしまい、可使時間を充分にとれないという問題があった。可使時間は、原料の混練後、ジオポリマーが硬化するまでの、打設可能な時間である。
カオリンを仮焼したメタカオリンをフィラーとし、安価なケイ酸ナトリウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液の混合物をアルカリ溶液として用いると、急結に近い硬化を生じるため、可使時間がほとんどとれない。実際、これらの混練後15〜20分で急結し、硬化してしまう。このため、大量のコンクリートを必要とし、その打設に時間を要する現場打設においては、セメントに代えてジオポリマーを使用することはできなかった。
この問題に鑑み、ジオポリマーのモノマー源のシリケートモノマーが、下水汚泥溶融スラグ由来の金属イオンにより縮重合して固化したマトリックス構造体中に、下水汚泥溶融スラグ粉末が分散している構造を有する下水汚泥溶融スラグ固化体が提案されている(特許文献1参照)。この固化体は、例えば、下水汚泥溶融スラグを、岩粉、フライアッシュ等の無機系廃棄物粉末の増量材と混合し、アルカリ溶液と混練して製造する。硬化するまでに3時間以上要することから、充分な可使時間を得ることができる。
特開2010−143774号公報
特許文献1に記載の固化体は、充分な可使時間を得ることができるが、フィラーとして下水汚泥溶融スラグ粉末を使用しなければならない。フィラーとしては、フライアッシュや高炉スラグ微粉末等が多く使用されており、これらも使用して、充分な可使時間を得ることができることが望ましい。
例えば、1つのフィラー材料の比表面積を変えるなどして、可使時間を調整することができれば、作業時間を考慮して、簡単に、所望の可使時間に調整されたジオポリマー組成物を製造することができる。このジオポリマー組成物は、作業終了後に適切に硬化するため、このジオポリマー組成物の使用により作業性を向上させることができる。また、可使時間を長く設定することも可能であるため、作業に時間を要する現場打設等も可能となる。このように数多くの利点を有するが、これまでに可使時間を調整可能にした技術は見当たらない。
そこで、可使時間を調整可能にする技術を確立し、所望の可使時間に調整されたジオポリマー組成物やその製造方法を提供することが望まれている。
本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、フィラーとアルカリ溶液と骨材とを混練してジオポリマー組成物を製造する場合において、フィラーを構成する1つのフィラー材料である高炉スラグ微粉末の一部を、比表面積が異なる同一成分の高炉水砕スラグに置換することにより、その置換率によって、製造されたジオポリマー組成物の可使時間が変化することを見出した。本発明は、このことを見出すことによりなされたものであり、上記課題は、本発明のジオポリマー組成物およびその製造方法を提供することにより解決することができる。
具体的には、フィラーと、アルカリ溶液と、骨材とを混練することにより製造されるジオポリマー組成物であって、設定される可使時間に応じて、フィラーを構成する少なくとも1つのフィラー材料の比表面積が変更される、ジオポリマー組成物が提供される。ここで比表面積を使用したのは、上記の置換率が比表面積と関連しているからである。
したがって、フィラー材料の比表面積は、そのフィラー材料の少なくとも一部を、そのフィラー材料とは比表面積が異なる同一成分のフィラー材料に置換することにより変更することができる。例えば、フィラーを構成する高炉スラグ微粉末の少なくとも一部を、比表面積が異なる同一成分の高炉水砕スラグに置換することにより変更することができる。粒径が小さく、比表面積が大きい高炉スラグ微粉末を、それより粒径が大きく、比表面積が小さい高炉水砕スラグに置換していくと、その成分の比表面積が小さくなり、変化するためである。
また、そのフィラー材料の比表面積は、設定される可使時間と、設定される圧縮強度とに応じて変更されることが望ましい。比表面積が小さい高炉水砕スラグの割合を増やしていくと、可使時間は長くなっていくが、圧縮強度は低下していくからである。
ジオポリマー組成物の製造方法は、設定される可使時間に応じて決定された比表面積になるように、フィラーを構成する少なくとも1つのフィラー材料を、各々がその少なくとも1つのフィラー材料の各々と同一成分で、かつ比表面積が異なるフィラー材料で置換したときの置換率を求め、その置換率を用いてフィラーを構成する各フィラー材料の配合割合を決定する工程と、配合割合に従って各フィラー材料を計量する工程と、計量された各フィラー材料を、アルカリ溶液および骨材とともに混練することにより当該可使時間に調整されたジオポリマー組成物を製造する工程とを含む。
また、可使時間に対応する比表面積を決定するために、上記フィラー材料を、同一成分で、かつ比表面積が異なるフィラー材料へ置換するときの置換率を変えた複数のフィラーを用い、各フィラーにアルカリ溶液と骨材とを混練した後、可使時間を測定する工程をさらに含むことができる。
本発明によれば、所望の可使時間に調整されたジオポリマー組成物を提供することができ、また、必要に応じて、簡単にそのジオポリマー組成物を製造することができる。可使時間を調整することができるので、作業性が向上し、また、可視時間を長く設定することもできるので、現場打設も可能となる。
ジオポリマー組成物の製造に使用される材料を例示した図。 可使時間を測定するために用いた高炉スラグ微粉末と高炉水砕スラグの配合割合を例示した図。 高炉水砕スラグの置換率と、圧縮強度および可使時間との関係を示した図。 ジオポリマー組成物の製造工程を例示したフローチャート。
本発明のジオポリマー組成物は、フィラーと、アルカリ溶液と、骨材とを混練することにより製造されるジオポリマー組成物であり、作業員等によって設定される可使時間に応じて、フィラーを構成する少なくとも1つのフィラー材料の比表面積が変更されるものである。可使時間は、フィラーとアルカリ溶液と骨材との混練後、ジオポリマーが硬化するまでの時間であり、打設可能な時間である。比表面積が変更されるフィラー材料は、1つに限定されるものではなく、2以上であってもよい。
フィラー材料は、アルカリ溶液に可溶な材料で、ケイ素、アルミニウム、鉄とカルシウム等を豊富に含むものとされる。1つのフィラー材料としては、火力発電所において微粉炭を燃焼する際に副生物として得られるフライアッシュが挙げられる。このフライアッシュの主成分は、SiO、Al、Ca等である。
その他のフィラー材料としては、高炉で銑鉄を生成する際に同時に生成される高炉スラグ微粉末が挙げられる。この高炉スラグ微粉末の主成分は、CaO、SiO、Al、MgOである。また、フィラー材料としては、高炉から溶融状態で取り出されたスラグを大量の水等で急冷した高炉水砕スラグ、空冷や適度の散水により徐冷した高炉徐冷スラグ、高炉で精製した鉄を鋼にする製鋼工程から生成される製鋼スラグ等も挙げられる。
高炉水砕スラグは、主にガラス質の砂状のスラグで、高炉徐冷スラグは、結晶質の塊状のスラグで、製鋼スラグは、岩石状のスラグである。高炉水砕スラグは、高炉スラグと同様、その主成分は、CaO、SiO、Al、MgOである。製鋼スラグの主成分は、CaO、SiO、FeO、MgO、MnOである。フィラー材料として用いることができるものであれば、これらの材料に限定されるものではなく、シリカやアルミニウムを含む粉体である都市ゴミ灰溶融スラグ等であってもよい。
フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、製鋼スラグ、都市ゴミ灰溶融スラグは、異なる成分からなるため、密度が異なり、その粒子径も異なるものである。比表面積は、密度、粒子径によって変わる。このため、フィラーにフライアッシュのみを用いる場合、粒子径が異なるフライアッシュにより置換して、比表面積を変えることができる。高炉スラグ微粉末、高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグは、同一成分からなるため、密度が同じであるが、その粒子径が異なる。このため、これらのうちの1つをフィラーとして用いる場合、それ以外のものを置換するためのフィラー材料として用い、比表面積を変えることができる。
アルカリ溶液は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムと、水ガラスまたはケイ酸カリウムとの化合物の水溶液とされる。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムと、水ガラスまたはケイ酸カリウムの混合比は、水ガラスまたはケイ酸カリウムの混合割合が高いと、混練直後から流動性が大きく低下し、安定した可使性を得ることができなくなる。このため、この混合比は、体積比で1:2〜1:3程度が好ましい。また、水は、アルカリ溶液に対して、例えば20〜60体積%とすることができる。
このアルカリ溶液は、フィラーの質量に対して任意の質量で添加することができるが、ジオポリマー中の液相の割合が高いと圧縮強度や曲げ強度が低下することから、これらの強度を考慮して添加量を決定することができる。一例として、アルカリ溶液は、フィラーの質量に対して35%〜50%とすることができる。
骨材は、モルタルやコンクリートを製造するために一般に用いられる砂、砂利、砕石等とすることができる。骨材は、例えば、フィラーの質量に対して2〜4倍とすることができる。
混練は、フィラー、アルカリ溶液、骨材を撹拌混合することにより行われ、バッチ式や連続式等の各種ミキサによって行うことができる。混練後、ジオポリマー組成物として種々の用途に使用することができる。例えば、型枠に流し込み、任意の形状に成形し、常温養生あるいは蒸気養生を行って、コンクリート構造物を構築することができる。なお、蒸気養生には、一定の温度かつ一定の湿度に保持するための恒温恒湿装置を用いることができる。
このように、上記のフィラー、アルカリ溶液、骨材といった原料を混練することによりジオポリマー組成物を製造することができる。これは、アルカリ溶液によってフィラーが活性化され、フィラー中に含まれるケイ素成分および金属成分が重合することによるものである。具体的には、フィラーから溶出した金属イオン等が水ガラスと接触して、水ガラスの珪酸錯体を架橋し、それがポリマー化することによるものである。ポリマー化した後の構造は、フィラーの粒子を無機質の不定形ゲルで固めたような構造である。
本発明は、フィラーとして用いる1つのフィラー材料の一部を、比表面積が異なる同一成分のフィラー材料に置換することにより、その置換率によって、製造されたジオポリマー組成物の可使時間が変化することを見出すことによりなされたものである。このため、例えば、その置換率を変えた混練物を複数作り、これらについて可使時間を測定し、その置換率と対応付けた対応情報として作成しておくことで、製造したいジオポリマー組成物の可使時間を設定すると、その対応情報から置換率を求めることができる。この置換率は、比表面積とも関連しており、対応情報には比表面積も含めることができる。
また、求めた置換率を用いてフィラーを構成する各フィラー材料の配合割合を決定し、その配合割合に従って計量することができる。そして、フィラーの質量に対して決定されたアルカリ溶液、骨材とともに混練することにより、その設定される可使時間に調整されたジオポリマー組成物を製造することができる。
フィラーは、上記のいずれのフィラー材料でも用いて構成することができる。フィラーを構成するフィラー材料は、フライアッシュといったように1種類のみであってもよいし、フライアッシュと高炉スラグ微粉末といった2以上の材料を組み合わせたものであってもよい。なお、フライアッシュのみを使用する場合、フライアッシュと同一成分で、比表面積が異なるもの(例えば、粒子径が異なるもの)を置換するフィラー材料(置換材料)として使用することができる。また、2以上のフィラー材料を置換する場合、各材料と同一成分で、各材料とは比表面積が異なるものを置換材料として使用することができる。
ここで、上記の置換率を変えることにより可使時間が変化することを見出すために行った試験の概要について説明する。この試験には、図1に示すような材料を使用した。アルカリ溶液(GPW)として、水ガラスと、水酸化ナトリウムと、水とを混合したもので、その密度が1.27g/cmのものを使用した。
フィラー材料として、45μmふるい残分が10%の1種のフライアッシュ(FA1)で、密度が2.36g/cmのものと、高炉スラグ微粉末(BS)で、密度が2.92g/cm、最大粒径が0.001mmのものと、高炉水砕スラグ(BSP)で、密度が高炉スラグ微粉末と同じ2.92g/cm、最大粒径が0.15mm未満のものの3つの材料を使用した。各フィラー材料の比表面積は、フライアッシュが5327cm/g、高炉スラグ微粉末が4009cm/g、高炉水砕スラグが高炉スラグ微粉末の約1/100〜1/200程度で小さく、それぞれが異なるものとなっている。骨材としては、細骨材(S)として密度が2.64g/cmの海砂を使用した。
図2は、配合割合を示した図である。アルカリ溶液、フライアッシュ、細骨材はそれぞれ、244、480、1535kg/mで一定とし、高炉スラグ微粉末(BS)と高炉水砕スラグ(BSP)の割合のみを変えた。配合割合は、高炉スラグ微粉末(BS)の容量に対して高炉水砕スラグ(BSP)を内割り置換したもので、BSP置換率を0%、50%、70%、100%とした。
この置換率は、フライアッシュ、アルカリ溶液、細骨材の量を一定のままとし、高炉スラグ微粉末と高炉水砕スラグとについて、すべてを高炉スラグ微粉末にした場合を置換率0%とし、高炉スラグ微粉末を50%減らし、それに相当する量の高炉水砕スラグに置換した場合を置換率50%、高炉スラグ微粉末を70%減らし、それに相当する量の高炉水砕スラグに置換した場合を置換率70%、すべてを高炉水砕スラグに置換した場合を置換率100%としている。通常、高炉水砕スラグの量は、減った高炉スラグ微粉末の量をその密度で除し、高炉水砕スラグの密度を乗算することにより算出するが、密度が同じであることから、高炉水砕スラグの量は、減った高炉スラグ微粉末の量に等しくなる。
混練には、容量5リットルのホバート型ミキサを用いた。図1に示したフライアッシュ、高炉スラグ微粉末、高炉水砕スラグ、細骨材を、図2に示した配合に従って計量し、これをミキサに入れて、まず、30秒間空練りした。その後、図1に示したアルカリ溶液を、図3に示した配合に従って計量し、それをミキサに入れて1分間一次練り混ぜを行い、15秒間掻き落とし、その後2分間二次練り混ぜを行った。なお、材料はいずれも20℃の室内で保管し、温度管理を行ったものを用いた。
上記のようにして混練した直後の混練物(GPペースト)を容器に入れ、金属製スプーンを使用して固化状態を確認した。固化状態は、混練してすぐ容器に入れた後、スプーンの跡が残らなくなるまでの時間を可使時間とし、10分間隔で確認を行った。
これと同時に、JIS R 5201付属書1を参考にして凝結試験を実施した。また、JIS R 5201に準拠して図2に示した配合と同じ供試体を作製し、圧縮強度試験も実施した。なお、上記の確認および凝結試験はいずれも、20℃の室内で実施した。
図3は、BSP置換率と、可使時間および圧縮強度との関係を示した図である。高炉スラグ微粉末(BS)と高炉水砕スラグ(BSP)の合計の容積は、フライアッシュ(FA1)の容積に対して10%内割り置換したもので、高炉水砕スラグ(BSP)への置換率が高くなるにつれて可使時間が長くなることが見出された。その可使時間は、高炉水砕スラグ(BSP)への置換率が50%を超えるまでは徐々に長くなり、50%を超えると急に長くなった。また、置換率100%では、可使時間が120分を超えてしまったため、途中で測定を終了した。
このように高炉水砕スラグの置換率が高くなるにつれて可使時間は長くなる一方で、圧縮強度は低下することが見出された。このため、可使時間を長くすると、所望の圧縮強度を得ることができなくなる場合があり、充分な圧縮強度が得られるようにすると、充分な可使時間を得ることができなく場合がある。したがって、可使時間と圧縮強度の両方が、所望する時間および強度になるように置換率を決定することが望ましいことがわかる。
以上の結果から、高炉水砕スラグの置換率の上昇に伴って可使時間が長くなるため、任意の置換率に設定すれば、その置換率に対応する可使時間に調整されたジオポリマー組成物を製造することができる。このため、例えば、上記の置換率を変えた混練物を複数作り、これらについて可使時間を測定し、その置換率と対応付けた対応情報を予め作成しておくことで、その後、製造したいジオポリマー組成物の可使時間を設定すれば、その対応情報から置換率を求めることができ、その置換率を用いて各フィラー材料の配合割合を決定し、その配合割合に従って計量し、アルカリ溶液や骨材とともにミキサへ入れ、混練することにより、その設定される可使時間に調整されたジオポリマー組成物を製造することができる。なお、混練物を作り、対応情報を作成する作業は、ジオポリマー組成物を製造するたびに実施する必要はなく、1回実施しておけば、それを利用して置換率を求め、所望する可使時間に調整されたジオポリマー組成物を製造することができる。
以上のことをまとめると、図4に示すフローチャートに示すような流れになる。すなわち、このジオポリマー組成物の製造方法は、ステップ400から開始し、ステップ405で、高炉スラグ微粉末を高炉水砕スラグで置換したときの置換率を変えた複数の混練物を作製する。その他のフィラー材料を含む場合、そのフィラー材料は、高炉スラグ微粉末および高炉水砕スラグの全量に対して一定の割合とされる。上記の試験においては、高炉水砕スラグを使用したが、高炉水砕スラグに限定されるものではない。作製の方法は、上記試験で例示した方法と同様の方法を採用することができる。ステップ410では、複数の混練物の可使時間を測定する。上記のスプーンを用いた確認、あるいは凝結試験を行うことにより、その可使時間を測定することができる。そして、ステップ415で、置換率と可使時間とを対応付けた対応情報を作成する。置換率に加えて比表面積も対応付けて対応情報を作成することができる。
その後、ステップ420で、実際に製造するジオポリマー組成物の可使時間を設定する。ステップ425で、設定される可使時間に従って、対応情報から置換率を決定する。そして、決定した置換率および上記の一定の割合から、高炉スラグ微粉末と、高炉水砕スラグと、その他のフィラー材料を含む場合には当該フィラー材料の配合割合を決定する。ステップ430では、決定した配合割合に従って各フィラー材料を計量し、アルカリ溶液および骨材も適量用意する。アルカリ溶液の量は、例えば、フィラーの量の35%〜50%という範囲から適切な量を決定することができ、骨材は、フィラーの量の2〜4倍として決定することができる。
ステップ435で、計量した各フィラー材料を、骨材、アルカリ溶液とともに、ミキサに入れ、混練し、ステップ440で作業を終了する。その後は、型枠を設置し、その型枠内に流し入れて成形し、養生を行って硬化させ、型枠を取り除き、一定時間養生を行うことができる。ここではジオポリマー組成物を打設して構造物を構築する場合の一例として、型枠に流し入れ、養生することを説明したが、オーガーで掘削し、中空のロッドを挿入し、そのロッドの先端からジオポリマーを噴射し、ロッドの周囲に取り付けられた羽根により周囲の土壌と撹拌混合することにより実施される地盤改良等のその他の用途にも使用できるものである。
これまで本発明のジオポリマー組成物およびその製造方法を上述した実施形態をもって詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。

Claims (8)

  1. フィラーと、アルカリ溶液と、骨材とを混練することにより製造されるジオポリマー組成物であって、
    設定される可使時間に応じて、前記フィラーを構成する少なくとも1つのフィラー材料の比表面積が変更される、ジオポリマー組成物。
  2. 前記フィラー材料の前記比表面積は、前記フィラー材料の少なくとも一部を、当該フィラー材料とは比表面積が異なる同一成分のフィラー材料に置換することにより変更される、請求項1に記載のジオポリマー組成物。
  3. 前記フィラー材料は、高炉スラグ微粉末であり、前記比表面積が異なる同一成分のフィラー材料は、高炉水砕スラグであり、前記高炉スラグ微粉末の少なくとも一部を、前記高炉水砕スラグに置換する、請求項2に記載のジオポリマー組成物。
  4. 前記比表面積は、前記設定される可使時間と、設定される圧縮強度とに応じて変更される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジオポリマー組成物。
  5. ジオポリマー組成物を製造する方法であって、
    設定される可使時間に応じて決定された比表面積になるように、フィラーを構成する少なくとも1つのフィラー材料を、各々が前記少なくとも1つのフィラー材料の各々と同一成分で、かつ比表面積が異なるフィラー材料で置換したときの置換率を求め、前記置換率を用いてフィラーを構成する各フィラー材料の配合割合を決定する工程と、
    前記配合割合に従って前記各フィラー材料を計量する工程と、
    計量された前記各フィラー材料を、アルカリ溶液および骨材とともに混練することにより前記可使時間に調整されたジオポリマー組成物を製造する工程とを含む、方法。
  6. 前記可使時間に対応する比表面積を決定するために、前記フィラー材料を、前記比表面積が異なるフィラー材料へ置換するときの置換率を変えた複数のフィラーを用い、各フィラーに前記アルカリ溶液と前記骨材とを混練した後、可使時間を測定する工程をさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つのフィラー材料は、高炉スラグ微粉末であり、前記比表面積が異なるフィラー材料は、高炉水砕スラグであり、前記高炉スラグ微粉末の少なくとも一部を、前記高炉水砕スラグに置換する、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記比表面積は、前記設定される可使時間と、設定される圧縮強度とに応じて変更される、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
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