JP6408454B2 - ジオポリマー組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、設定した圧縮強度を発現するジオポリマー組成物およびその製造方法に関する。
地球温暖化の問題から、二酸化炭素といった温暖化ガスの排出量を減少させるべく省エネルギー化が進められ、材料も、出来るだけ二酸化炭素の排出量が少ないものが選択されるようになってきている。現在、大量に生産されているセメントは、ポルトランドセメントであり、その主原料は石灰石であることから、焼成時に、酸化カルシウムに分解される際、二酸化炭素を排出する。このため、ポルトランドセメントを使用しないコンクリートを製造する技術として、ジオポリマー法が注目されている。
ジオポリマー法は、ケイ酸の縮重合体をバインダとして利用し、粉末同士を接合して人工の岩石を製造する技術である。このジオポリマー法により形成されるジオポリマー組成物は、フィラーとアルカリ溶液の二つの材料で構成され、これらは、セメントにおけるセメントと水に相当するものである。フィラーは、ケイ素とアルミニウムが豊富である必要があり、天然のものとしては、カオリンや粘土等が挙げられ、そのほか、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグ、もみ殻灰等も利用することが可能である。アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムと水ガラス(NaSiO)またはケイ酸カリウム(KSiO)の化合物の水溶液が一般的である。
例えば、特許文献1には、フィラーと、アルカリ活性剤と、骨材とを原料とし、これらを混合し、その混合物を反応させてジオポリマー組成物を製造することが記載されている。また、この特許文献1には、無水メタ珪酸ナトリウムを添加して練り混ぜることで、アルカリの量を増加させ、水を減らすことができ、これにより、高強度のジオポリマー組成物であるジオポリマーモルタル・コンクリートを得ることができ、長期強度においても、80℃で8時間養生した場合と同程度の強度を得ることができることが記載されている。
特許文献2には、フィラーとして850℃〜950℃で熱処理した焼成カオリンを配合したフィラーと、ジオポリマーと水とを混合し、成形し、高温で養生することにより硬化するジオポリマー高強度硬化体が記載されている。
また、特許文献3には、ケイ酸ナトリウム水溶液およびカオリン質粉体を原料とし、反応促進剤として珪弗化カリウムまたは高炉水砕スラグもしくはその両方を添加し、常温養生でジオポリマー固化材料を製造することができることが記載されている。
特許文献4には、ケイ酸ナトリウム水溶液およびフライアッシュ粉体を原料とし、そのケイ酸ナトリウムを固化剤として用い、常温養生でフライアッシュ粉体を固化してジオポリマー固化材料を製造することが記載されている。
特開2008−239446号公報 特開2008−254939号公報 特開平8−301638号公報 特開平8−301639号公報
一般にジオポリマー組成物を製造する場合、ジオポリマーの固化には加熱が必要であるため、蒸気養生を行うが、上記の反応促進剤や固化剤を用いることにより常温養生でもジオポリマー組成物を製造することができる。
しかしながら、特許文献1〜4に記載されている技術では、ジオポリマー組成物を製造することができるが、圧縮強度を設定し、その設定した圧縮強度を発現するジオポリマー組成物を製造することはできない。これは、ジオポリマーの基礎的物性には不明な点が多く、配合設計法も確立していないためである。
必要とされる圧縮強度を発現するジオポリマー組成物を、必要に応じて製造することができる技術が望まれており、そのためには、配合設計法を確立することが重要で、配合を変えることにより必要とされる圧縮強度を得ることができるジオポリマー組成物およびその製造方法の提供が望まれていた。
本発明によれば、
ジオポリマー組成物を製造する方法であって、
設定される圧縮強度に応じて決定された、フライアッシュを置換する高炉スラグの配合割合を内割り置換率として、フライアッシュと高炉スラグとを配合してフィラーとし、
水ガラスと水酸化ナトリウムとを2:1〜3:1の体積比で含有するアルカリ溶液の質量を、前記フィラーの質量に対し、フロー値が110〜240となる範囲で決定し、
当該フィラーと前記アルカリ溶液と、前記フィラーの2〜4倍量の骨材とを混練し、
蒸気養生を行って硬化させる
方法が提供される。
本発明では、前記高炉スラグが前記フライアッシュの10%以上となるように前記高炉スラグを配合することができる。
本発明では、前記設定される圧縮強度を、フライアッシュと高炉スラグの配合割合を変えた複数のフィラーを用い、各フィラーにアルカリ溶液と骨材とを混練して成形して複数の供試体を製作し、前記蒸気養生後、各供試体の圧縮強度を測定することによって得た対応情報に基づいて決定することができる。
本発明のジオポリマー組成物およびその製造方法を提供することにより、フライアッシュと高炉スラグの配合割合を変えるだけで、所望する圧縮強度を発現するジオポリマー組成物を提供することができ、また、そのジオポリマー組成物を製造することができる。このため、セメントに変えてジオポリマーを用いて様々な形状や強度をもつ構造物を簡易に構築することができ、製造時に二酸化炭素を発生しないので、温暖化ガスの排出量を大幅に削減することができる。また、このジオポリマー組成物は、短期間で所望の強度を発現することから、工期を短縮することが可能となる。
高炉スラグを内割り置換することで、蒸気養生を行わなくても充分な強度を発現するため、熱の供給が不要となり、養生管理が容易となる。また、水ガラスと水酸化ナトリウムの混合比を適切に制御することで、安定した可使性を得ることができる。
アルカリ溶液における水ガラスと水酸化ナトリウムの混合比の経過時間とフロー値との関係を示した図。 各混合比と、圧縮試験機を用いて測定した圧縮強度および曲げ強度(N/mm)との関係を示した図。 フィラーとアルカリ溶液との質量比率とフロー値との関係を示した図。 フィラーとアルカリ溶液の質量比と、圧縮強度および曲げ強度との関係を示した図。 高炉スラグの置換率と、圧縮強度および曲げ強度との関係を示した図。 ジオポリマー組成物の製造工程を例示したフローチャート。
本発明のジオポリマー組成物は、フライアッシュと高炉スラグとから構成されるフィラーと、アルカリ溶液と、骨材とを混練し、養生して硬化させることにより製造されるジオポリマー組成物であり、作業員等によって設定される圧縮強度に応じてフライアッシュと高炉スラグの配合割合が変更されるものである。
フィラーは、アルカリ溶液に可溶な材料で、ケイ素、アルミニウム、鉄とカルシウム等を豊富に含むものとされる。本発明では、火力発電所において微粉炭を燃焼する際に副生物として得られるフライアッシュを用いる。このフライアッシュの主成分は、SiO、Al、Ca等である。また、本発明では、高炉で銑鉄を生成する際に同時に生成される高炉スラグ微粉末も用いる。この高炉スラグの主成分は、CaO、SiO、Al、MgOである。
アルカリ溶液は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムと、水ガラスまたはケイ酸カリウムとの化合物の水溶液とされる。骨材は、モルタルやコンクリートを製造するために一般に用いられる砂、砂利、砕石等とすることができる。
混練は、フィラー、アルカリ溶液、骨材を撹拌混合することにより行われ、バッチ式や連続式等の各種ミキサによって行うことができる。混練後、成形が行われるが、型枠を用い、任意の形状に成形することが可能である。養生は、常温養生あるいは蒸気養生により行われ、蒸気養生には、一定の温度かつ一定の湿度に保持するための恒温恒湿装置が用いられる。
このように、上記のフィラー、アルカリ溶液、骨材といった原料を混合して所定時間処理することによりジオポリマー組成物を得ることができる。これは、アルカリ溶液によってフィラーが活性化され、フィラー中に含まれるケイ素成分および金属成分が重合することによるものである。
本発明では、フィラーとして用いるフライアッシュと高炉スラグの配合割合を変えることにより、その変化に伴って、製造されたジオポリマー組成物の圧縮強度も変化することを見出した。このため、例えば、配合割合を変えた供試体を複数製作し、これらについて圧縮強度を測定し、その配合割合と対応付けた対応情報として作成しておくことで、製造したいジオポリマー組成物の圧縮強度を設定すると、その対応情報から配合割合を求めることができ、その配合割合に従ってフィラーを作り、その後は、上記のように混練、成形、養生を行うことにより、その設定された圧縮強度を発現するジオポリマー組成物を製造することができる。
ここで、上記の配合割合を変えることにより圧縮強度も変化することを見出すために行った試験の概要について説明する。この試験には、表1に示すような材料を使用した。
(表1)
フライアッシュには、45μmふるい残分が10%のフライアッシュ(ここでは1種)を用いた。高炉スラグ微粉末は、固化促進のために用いた。フライアッシュは、その粒子が球状であるが、高炉スラグ微粉末は、尖部が多いものとなっている。これらフライアッシュおよび高炉スラグ微粉末を蛍光X線定量分析した結果を表2に示す。
(表2)
各材料の配合割合は、表3に示すようなものとした。ここで、内割り置換率は、フィラーのすべてをフライアッシュにした場合を置換率0%とし、フライアッシュを10%減らし、それに相当する量の高炉スラグ微粉末に置換した場合を置換率10%、フライアッシュを20%減らした場合を置換率20%、フライアッシュを30%減らした場合を置換率30%としている。高炉スラグ微粉末の量は、減ったフライアッシュの量をその密度で除し、高炉スラグ微粉末の密度を乗算することにより算出している。
(表3)
混練には、容量5リットルのホバート型ミキサを用いた。表1に示したフライアッシュ、高炉スラグ微粉末、細骨材を、表3に示した配合に従って計量し、これをミキサに入れて、まず、30秒間空練りした。その後、表1に示したアルカリ溶液を、表3に示した配合に従って計量し、それをミキサに入れて1分間一次練り混ぜを行い、15秒間掻き落とし、その後2分間二次練り混ぜを行った。なお、材料はいずれも20℃の室内で保管し、温度管理を行ったものを用いた。強度試験を行うための供試体を製作する必要があるが、これはJIS R 5201に準拠して製作した。
フライアッシュを主成分としたフィラーでは、強度発現を促進させるために加熱が必要とされることから、蒸気養生を行うのが一般的である。そこで、恒温恒湿装置を用いた蒸気養生2パターンと、常温養生1パターンの計3パターンで養生を行った。蒸気養生は、一般的な蒸気養生方法に準拠したもので、第1パターンは、脱型直後から湿度90%の下で3時間かけて60℃まで上昇させ、その後3時間その温度で保持し、再び3時間かけて20℃まで下げ、その後は室温(20℃、湿度60%)で所定の材齢まで貯蔵した。第2パターンは、打込み直後から60℃、湿度90%で蒸気養生を開始し、4時間経過後に脱型し、その後所定時間に達するまでその温度および湿度で蒸気養生を継続し、所定時間に達したところで、常温養生(20℃、湿度60%)に移行させた。第3パターンは、養生開始から9時間、20℃、湿度90%とし、その後は20℃、湿度60%とした。なお、第1パターンおよび第3パターンにおける脱型は、打設後24時間で行った。
アルカリ溶液は、水ガラスと水酸化ナトリウムとを含む。したがって、これらの配合割合も重要である。そこで、水ガラス:水酸化ナトリウムの混合比を、体積比で、2:1、3:1、4:1とした供試体を製作し、上記第1および第3パターンの養生を施した。
その試験結果を図1および図2に示す。図1は、アルカリ溶液における水ガラスと水酸化ナトリウムの混合比の経過時間と、マーシャル安定度試験で供試体に載荷したときの最大荷重における変形量(フロー値)の関係を示した図である。図1は、横軸に経過時間(分)を示し、縦軸にフロー値を示している。この結果は、第1パターンの蒸気養生を施した場合の結果である。
混合比が2:1、3:1では、ほぼ同じ傾向を示し、初期変動はなく、30分が経過した後からフロー値が減少している。その一方、混合比が4:1では、練混ぜ直後からフロー値が低下し、40分が経過した後は、混合比が2:1、3:1よりフロー値が小さくなった。このことから、混合比によって流動特性が異なるものの、混合比が2:1や3:1であれば、安定した可使性を得ることができることが見出された。したがって、水ガラス:水酸化ナトリウムの混合比は、2:1〜3:1とすることが好ましい。
図2は、各混合比と、圧縮試験機を用いて測定した圧縮強度および曲げ強度(N/mm)との関係を示した図である。図2は、横軸に混合比(体積比)を示し、縦軸に圧縮強度および曲げ強度を示している。図2では、第1パターンの蒸気養生した結果に加えて、第3パターンの常温養生した結果も示している。常温養生では、いずれの混合比にしてもほぼ同じ圧縮強度、曲げ強度を示した。また、蒸気養生でも、曲げ強度はいずれの混合比でもほぼ同じ値を示した。蒸気養生における圧縮強度は、わずかではあるが、混合比が4:1と大きくなるにつれて低下する傾向を示した。このことから、混合比の強度への影響はそれほど大きくはないことが見出された。
普通ポルトランドセメントを用いたモルタルの流動性は、単位水量や水セメント比を変化させることによって調整することができ、単位骨材量が同じである場合は、液相の割合が多いほど、その流動性は高い。そこでアルカリ溶液の質量を、フィラーの質量で除して100を乗じて得られる比率を、39.7%、44.7%、49.7%として供試体を製作し、上記第1および第3パターンの養生を施した。
図3は、上記比率とフロー値との関係を示した図である。図3は、横軸に比率(%)を示し、縦軸にフロー値を示している。なお、アルカリ溶液は、水ガラスと水酸化ナトリウムの体積比が3:1のものを用いた。また、フィラーの質量に対するアルカリ溶液の質量の比率は、水セメント比に相当するものである。この結果から、モルタルの流動性と同様、液相の割合が高いほど、流動性が向上することが見出された。
この流動性の影響を確認するために、この比率を変えたときの強度の変化について検討した。図4は、フィラーに対するアルカリ溶液の比率と、圧縮強度および曲げ強度との関係を示した図である。図4は、横軸に比率(%)を示し、縦軸に圧縮強度および曲げ強度(N/mm)を示している。全体的に、質量比が大きい(液相の割合が高い)ほど、圧縮強度および曲げ強度が低下することが確認された。また、比率が44.7%以下では、常温養生であっても、材齢7日で30N/mm以上の圧縮強度が得られることが確認された。このことから、常温養生を行ってジオポリマー組成物を製造することも可能である。
フィラーとしてフライアッシュのみでもジオポリマーを製造することは可能である。しかしながら、高炉スラグ微粉末を添加することで、強度を高めることができると考えられる。そこで、高炉スラグ微粉末の内割り置換率を、10%、20%、30%と変えて供試体を製作し、上記第1パターンの養生を施した。
図5は、高炉スラグ微粉末の置換率と、圧縮強度および曲げ強度との関係を示した図である。図5は、横軸に置換率(%)を示し、縦軸に圧縮強度および曲げ強度(N/mm)を示している。高炉スラグ微粉末の置換率が高くなるにつれて、圧縮強度および曲げ強度が上昇し、特に圧縮強度が大きく上昇することが見出された。10%の置換率でも、約40N/mmの圧縮強度を得ることができ、30%の置換率では、約75N/mmで、置換率0%の約7.5倍もの強度が得られることが見出された。このため、さらに置換率を高くすれば、さらに高い強度を得ることができるものと推測される。なお、このように高炉スラグ微粉末を内割り置換することで、高炉スラグ微粉末が、CaO含有率が高く、フライアッシュに比較してイオン化傾向が高いこと等から、初期強度発現が高く、蒸気養生を行わなくても、早期に充分な強度を発現させることができる。
ちなみに、打設後に第1パターンの蒸気養生を施し、その後は所定の材齢まで恒温室内(20℃、湿度90%)で貯蔵した場合、典型的なモルタルでは、日がたつにつれて強度は高くなっていくが、ジオポリマーを用いた場合には、脱型直後に既に28日経過したときの強度の約75%を得ることができ、7日目までは強度が高くなっていくがそれ以降は変化しなかった。
また、養生として第2パターンを採用し、各蒸気養生時間の蒸気養生を行い、その後、常温養生に移行して7日で強度を測定すると、圧縮強度が、養生時間が24時間を経過するまでは直線的に上昇し、それを超えると、ほぼ一定となった。曲げ強度については、養生時間が12時間を経過するまでは直線的に上昇し、それを超えると、ほぼ一定になった。このため、養生時間は、24時間もあれば、最大の圧縮強度および曲げ強度を得ることができる。このように短時間で最大の強度を発現することから、工期を大幅に短縮することが可能である。
以上の結果から、置換率の上昇に伴って圧縮強度が上昇するため、任意の置換率に設定すれば、その置換率に対応する圧縮強度を得ることが可能である。このため、例えば、上記の配合割合を変えた供試体を複数作り、これらについて圧縮強度を測定し、その配合割合と対応付けた対応情報を予め作成しておくことで、その後、製造したいジオポリマー組成物の圧縮強度を設定すれば、その対応情報から配合割合を求めることができ、その配合割合に従ってフィラーを作り、上記のように混練、成形、養生を行うことにより、その設定した圧縮強度を発現するジオポリマー組成物を製造することができる。なお、供試体を作り、対応情報を作成する作業は、ジオポリマー組成物を製造するたびに実施する必要はなく、1回実施しておけば、それを利用して配合割合を求め、所望する圧縮強度を発現するジオポリマー組成物を製造することができる。
ここでは、フィラーに対する高炉スラグ微粉末の内割り置換率を20%以上とすれば、常温養生を行い硬化させて、材齢7日で30N/mm以上の圧縮強度を発現するジオポリマー組成物を製造することができる。さらに、アルカリ溶液に含まれる水ガラスと水酸化ナトリウムの混合比も、2:1〜3:1とすることで、安定した可使性を得ることができる。
以上のことをまとめると、図6に示すフローチャートに示すような流れになる。すなわち、このジオポリマー組成物の製造方法は、ステップ600から開始し、ステップ605で、フライアッシュと高炉スラグの配合割合を変えた複数の供試体を製作する。上記の試験においては、高炉スラグ微粉末を使用したが、微粉末に限定されるものではない。製作の方法は、上記試験で例示した方法と同様の方法を採用することができる。ステップ610では、複数の供試体の圧縮強度を測定する。例えば、アムスラー型万能試験機等の圧縮試験機を用い、一軸荷重をかけ、供試体が破断するときの最大応力を圧縮強度として測定する。そして、ステップ615で、配合割合と強度とを対応付けた対応情報を作成する。
その後、ステップ620で、実際に製造するジオポリマー組成物の圧縮強度を設定する。ステップ625で、設定された圧縮強度を基に、対応情報からフライアッシュと高炉スラグの配合割合を決定する。ステップ630で、決定した配合割合を基にフライアッシュと高炉スラグの量を決定し、計量し、アルカリ溶液および骨材も適量用意する。アルカリ溶液の量は、上記の39.7%〜49.7%という範囲から適切な量を決定することができ、骨材は、フィラーの量の2〜4倍として決定することができる。
ステップ635で、フィラーおよび骨材をミキサに入れ混練し、アルカリ溶液を加えてさらに混練する。そして、ステップ640で、型枠を設置し、その型枠内に流し入れて成形し、養生を行って硬化させ、型枠を取り除き、さらに一定時間養生を行い、ステップ645で作業を終了する。
これまで本発明のジオポリマー組成物およびその製造方法を上述した実施形態をもって詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。

Claims (3)

  1. ジオポリマー組成物を製造する方法であって、
    設定される圧縮強度に応じて決定された、フライアッシュを置換する高炉スラグの配合割合を内割り置換率として、フライアッシュと高炉スラグとを配合してフィラーとし、
    水ガラスと水酸化ナトリウムとを2:1〜3:1の体積比で含有するアルカリ溶液の質量を、前記フィラーの質量に対し、フロー値が110〜240となる範囲で決定し、
    当該フィラーと前記アルカリ溶液と、前記フィラーの2〜4倍量の骨材とを混練し、
    蒸気養生を行って硬化させる
    方法。
  2. 前記高炉スラグが前記フライアッシュの10%以上となるように前記高炉スラグを配合する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記設定される圧縮強度を、フライアッシュと高炉スラグの配合割合を変えた複数のフィラーを用い、各フィラーにアルカリ溶液と骨材とを混練して成形して複数の供試体を製作し、前記蒸気養生後、各供試体の圧縮強度を測定することによって得た対応情報に基づいて決定する、請求項1に記載の方法。
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