JPH11314947A - セメント組成物 - Google Patents

セメント組成物

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JPH11314947A
JPH11314947A JP10126034A JP12603498A JPH11314947A JP H11314947 A JPH11314947 A JP H11314947A JP 10126034 A JP10126034 A JP 10126034A JP 12603498 A JP12603498 A JP 12603498A JP H11314947 A JPH11314947 A JP H11314947A
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cement
cao
cement clinker
clinker
crystals
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JP10126034A
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English (en)
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Toshio Kono
俊夫 河野
Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
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MAEDA SENTAN GIJUTSU KENKYUSHO
MAEDA SENTAN GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
MAEDA SENTAN GIJUTSU KENKYUSHO
MAEDA SENTAN GIJUTSU KENKYUSHO KK
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B22/00Use of inorganic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. accelerators, shrinkage compensating agents
    • C04B22/08Acids or salts thereof
    • C04B22/14Acids or salts thereof containing sulfur in the anion, e.g. sulfides
    • C04B22/142Sulfates
    • C04B22/147Alkali-metal sulfates; Ammonium sulfate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/14Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing calcium sulfate cements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B7/00Hydraulic cements
    • C04B7/36Manufacture of hydraulic cements in general
    • C04B7/48Clinker treatment
    • C04B7/52Grinding ; After-treatment of ground cement

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、予めセメントの硬化促進効果を
有するCaO結晶を含有したセメントクリンカを焼成
し、これに二水石膏又はこれと硫酸アルカリを添加,混
合することによって、コンクリートの打設前までは流動
性を保持し、これを打設した後は早期に高い強度を発現
するセメント組成物を得ようとするものである。 【解決手段】3CaO・SiO2 −間隙物質−CaO結
晶を主要鉱物組成とするセメントクリンカを二水石膏又
はこれと硫酸アルカリとともに粉砕した超早強セメント
組成物であって、セメントクリンカの珪酸率が2.0〜
5.0、鉄率が0.5〜4.0、CaO結晶径が13μ
m以上、CaO結晶量がセメントクリンカ全量に対し3
〜10重量%、セメント粉末度がブレーン比表面積で3
000〜6000cm2 /gであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主に土木・建築
分野において使用されるセメント組成物に関するもので
あって、特にモルタルやコンクリートにした場合に、必
要な流動性が得られその経時変化が少なくて、コンクリ
ート製品の成形又は生コンクリートの運搬・打込み・仕
上げが十分できる時間内においては流動性を保持し、か
つコンクリートの打設をした後は早期に高い強度を発現
し、脱型時間を短縮するなどの特性を有するセメント組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】既に、出願人は、生コンクリートの運搬
・打込み・仕上げまでは必要な流動性を有し、コンクリ
ートの打設をした後は早期に高い強度を発現をし、脱型
時間を短縮できるセメント組成物としてPCT/JP9
7/04239を提案した。
【0003】この発明は、ポルトランドセメント或いは
混合セメントに対して水和速度の遅い、いわゆる硬焼の
生石灰粉末又はこれに硫酸アルカリを添加・混合したセ
メント組成物で、これによればコンクリートの打設前ま
での流動性を保持し、これを打設した後は早期に高い強
度を発現して型枠の回転率を早め、また蒸気養生を実施
しないで或いは僅かの蒸気養生で早期に製品出荷を可能
とするものであった。
【0004】しかしながら、この発明のセメント組成物
によると、ベースとなるポルトランドセメントクリンカ
とは全く別の工程で製造される硬焼の生石灰を使用しな
ければならなかった。そして、この硬焼の生石灰を製造
するためには多量の燃料を必要とするなどの問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、予めセメ
ントの硬化促進効果を有するCaO結晶を含有したセメ
ントクリンカを焼成し、これに二水石膏又はこれと硫酸
アルカリを添加,混合することによって、コンクリート
の打設前までは流動性を保持し、これを打設した後は早
期に高い強度を発現するセメント組成物を得ようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、3CaO・
SiO2 −間隙物質−CaO結晶を主要鉱物組成とする
セメントクリンカを二水石膏とともに粉砕した超早強性
セメント組成物であって、セメントクリンカの珪酸率が
2.0〜5.0、鉄率が0.5〜4.0、CaO結晶径
が13μm以上、CaO結晶量がセメントクリンカ全量
に対し3〜10重量%、セメント粉末度がブレーン比表
面積で3000〜6000cm2 /gであることを特徴
とするセメント組成物(請求項1)、3CaO・SiO
2 −間隙物質−CaO結晶を主要鉱物組成とするセメン
トクリンカに二水石膏及び硫酸アルカリを添加し粉砕し
た超早強性セメント組成物であって、セメントクリンカ
の珪酸率が2.0〜5.0、鉄率が0.5〜4.0、C
aO結晶径が13μm以上、CaO結晶量がセメントク
リンカ全量に対し3〜10重量%、セメント粉末度がブ
レーン比表面積で3000〜6000cm2 /gであ
り、硫酸アルカリの添加量はセメントクリンカ中のCa
O結晶量を除く純セメントクリンカ及び添加した二水石
膏の合量に対し無水物換算で0.5〜3.0重量%であ
ることを特徴とするセメント組成物(請求項2)及びセ
メントクリンカに添加する硫酸アルカリが硫酸ナトリウ
ムまたは硫酸カリウムであることを特徴とする請求項2
に記載のセメント組成物(請求項3)である。
【0007】
【発明の実施の態様】この発明は、3CaO・SiO2
−間隙物質−CaO結晶を主要鉱物組成とするセメント
クリンカを二水石膏とともに粉砕した超早強性セメント
組成物であって、セメントクリンカの珪酸率、鉄率、C
aO結晶径、CaO結晶量、セメント粉末度を規定した
ものである。
【0008】まず、セメントクリンカ中に残存するCa
O結晶の形態と量について述べる。一般に、CaOは石
灰石を焼成することによって得られるが、焼締めの程度
によってその水和反応速度が異なることが知られてい
る。
【0009】即ち、よく焼締めたものは硬焼CaOと呼
ばれ、水と接すると徐々に発熱しながら水和反応が進ん
でいくものである。一方、焼締めが軽度な軟焼CaOは
水と接すると直ちに反応して発熱する。CaOの発熱を
利用してセメントの硬化促進を図るためには、少なくと
も中焼き以上のCaOを用いなければならない。
【0010】なぜなら、軟焼のCaOをセメントと混合
しこれに水を加えると、直ちに水和反応が生じて発熱し
セメントの硬化反応が急激に進行しその流動性が急激に
低下してコンクリートの施工が出来ない場合が生ずるた
めである。従って、セメントクリンカ中に残存するCa
O結晶の水和反応をある程度遅くすることは必要不可欠
であり、そのためにはセメントクリンカを高温で十分に
焼成してCaOの結晶径を大きくして硬焼状態とするこ
とが必要である。
【0011】そこで、表1に示す原料を用いて、表2に
示す調合によって焼成条件を変え種々のセメントクリン
カを調製し、そのCaO結晶径を走査型電子顕微鏡及び
反射顕微鏡で測定した。この結果を図1に示した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】図1に示すように、焼成時の最高温度が1
450℃の場合よりも1500℃の場合の方がCaO結
晶径が大きくなることが分かる。こうして得られたクリ
ンカを用いてセメントを作りその発熱試験を行った。
【0015】即ち、上記の1450℃で焼成したセメン
トクリンカと1500℃で焼成したセメントクリンカに
二水石膏を添加し、それぞれブレーン比表面積で500
0cm2 /gに粉砕してセメントを作った。このセメン
ト1重量部、砂(粒径2.5以下)2重量部、水0.3
7重量部、減水剤(マイティ150,(株)花王製品)
0.01重量部でモルタルとした。なお、砂はクリンカ
中のCaO結晶分を砂分とみなしてその容積分を差引い
て使用した。このモルタルの発熱試験の結果は図2の通
りであった。
【0016】図2に示すように、CaO結晶径が13μ
m以上であればモルタル混練後の温度上昇も少なく、所
定の流動性を確保することが出来ることが分かる。ま
た、圧縮強度については、図3に示すようにCaO結晶
径が13μm以上であれば、セメントモルタルの1日圧
縮強度(20℃湿空中で養生、径1.5cm,高さ3.
0cmの試験体)も大きく、セメント硬化体において初
期強度の発現にすぐれていることが分かる。こうしたこ
とから、この発明にあってはCaO結晶径が13μm以
上のセメントクリンカを用いるものである。
【0017】次に、セメントクリンカ中のCaO結晶量
に関しては、表1に示す原料を用いて、表2に示すよう
な調合で各種のCaO結晶量の異なるセメントクリンカ
を焼成し、上記と同じ方法でセメント粉末を作りCaO
結晶量とCaOの結晶径の関係を調べた。その結果を図
4に示した。図4に示したものは、焼成条件を同一とし
て作ったセメントクリンカ中のCaO結晶量とCaO結
晶径の関係を示したものである。これによると、CaO
結晶量が3〜10重量%の場合に、その結晶径が13μ
m以上となることが分かる。
【0018】次に、調整したセメント粉末において、C
aO結晶をセメント成分とみなした場合(モルタル配合
)、CaO結晶を混和材とみなして残るクリンカと二
水石膏の混合物をセメント成分とした場合(モルタル配
合)、CaO結晶を混和材とみなして更に無水硫酸ナ
トリウムをセメント成分に対し1.0重量%添加した場
合(モルタル配合)の各々について、セメント成分1
重量部:砂(2.5mm以下)2重量部:水0.37重
量部:減水剤(マイティ−150)0.01重量部の割
合で混練したモルタルを作った。
【0019】なお、モルタル配合の場合はCaO結晶
を、またモルタル配合の場合はCaO結晶と硫酸ナト
リウムを砂の一部とみなし、これらと同容積の砂を差引
いて各原料を配合した。また、比較のために市販の普通
ポルトランドセメント及び早強ポルトランドセメントを
用いたモルタルについても同様の試験を行った。これら
の試験結果を図5と図6に示した。
【0020】図5及び図6に示すように、モルタル配合
及びモルタル配合の場合は、焼成条件を変えてもセ
メントクリンカ中のCaO結晶量が増加するとともに圧
縮強度は増大するが、CaO結晶量が5〜7重量%を上
限として低下し、CaO結晶量が10〜12重量%にな
るとCaO結晶量がゼロのものより強度が低い場合がで
てくる。更に、モルタル配合に見られるように硫酸ナ
トリウムを添加した場合は、強度が著しく増大するが、
やはりCaO結晶量が5〜7重量%の場合に強度の極大
値を示す。
【0021】硫酸ナトリウムを添加した場合、CaO結
晶量が12重量%となってもCaO結晶量がゼロのもの
に比較して強度は大となっている。以上のようなことか
ら、この発明でのセメント成分、即ち3CaO・SiO
2と間隙物質からなる成分の水和を促進し、初期強度を
増加させる効果の大きいCaO結晶量はセメントクリン
カ全量に対し3〜10重量%で、その最大効果が発現で
きるのは5〜7重量%であることが分かる。
【0022】モルタル配合及びモルタル配合の場合
ともにNo.4及びNo.5(CaO結晶量5.1重量
%及び7.1重量%)のセメントクリンカを用いたセメ
ント組成物は、市販の普通ポルトランドセメントに対し
てモルタル1日強度が2.3〜2.5倍できわめて早期
強度に優れたものであることを示している。
【0023】このようなCaO結晶を含有したセメント
クリンカは、原料調合物を1500℃以上の温度で焼締
めることによって得られる。即ち、図1に示したよう
に、焼締めの最高温度が1450℃の場合は、焼締めの
最高温度が1500℃の場合に対してCaO結晶径が小
さいのみならず、さらに図7に示すように、同一調合の
原料を用いた場合でも、CaO結晶量が多く存在する。
【0024】また、焼締めの最高温度が1450℃の場
合は、X線回折によってセメントクリンカ中の2CaO
・SiO2 が確認できることから、焼締めの最高温度が
低いと2CaO・SiO2 から3CaO・SiO2 への
変化割合が少ないことが考えられる。また、図2に示し
たように、最高温度が1450℃の場合は、1500℃
の場合に対して早期に発熱する傾向を示すことから、C
aO結晶が軟焼状態にあるものと考えられ、モルタル等
の流動性を確保する点から好ましくない。従って、この
場合は強度発現は不良となりこの発明では用いることが
出来ない。
【0025】クリンカの配合条件において、珪酸率、鉄
率について検討した結果を説明する。表1の原料を用い
て表2のNo.4の調合条件を基礎として珪酸率や鉄率
を変え、焼成温度1500℃で20分間保持して得たク
リンカ中のCaO結晶径は、表3に示すようであった。
即ち、珪酸率が2.0〜4.0、鉄率が0.5〜3.5
の範囲で、CaO結晶径は表3に示すようにいずれも1
4.3μm以上で、この発明で必要なCaO結晶径を満
足していた。なお、CaO結晶径は13μm以上、好ま
しくは13〜30μm、より好ましくは13〜20μm
である。
【0026】
【表3】
【0027】一方、珪酸率が1.0前後となりAl2
3 やFe2 3 分が多くなるとクリンカは溶融し、ロー
タリーキルンなどによる焼成が困難となる。従って、珪
酸率が2.0〜4.0、鉄率が0.5〜3.5の範囲
で、より現実的には通常の早強ポルトランドセメントの
値に近い珪酸率(2.7前後)及び鉄率(1.9前後)
の値を採用することが好ましい。
【0028】硫酸ナトリウムについては次の通りであ
る。図5及び図6に示したように、硫酸ナトリウムはC
aO結晶量を含まないセメント組成物に対しても硬化を
促進し、初期強度を増大させる効果のあることが認めら
れる。しかしながら、この図5及び図6によると、同時
にセメント組成物中のCaO結晶量が多いほどその強度
増進効果が大きく、水和反応の促進効果に対してCaO
結晶と硫酸ナトリウムが相乗的に作用することをが認め
られる。
【0029】クリンカの焼成に際しての昇温速度が20
℃/min,最高温度が1500℃、最高温度保持時間
が20minの焼成条件で得たCaO結晶量が5.1重
量%(表2のNo.4)のセメントクリンカについて、
硫酸ナトリウムの純セメント分(CaO結晶量を差引い
たクリンカ分と添加した二水石膏の合量)に対する添加
量が、セメントの硬化促進にどのように影響するかを調
べた実験を行い、その結果を図8に示した。
【0030】その結果、硫酸ナトリウム添加量が0〜7
重量%で、20℃湿空中半日後のモルタル圧縮強度(径
1.5cm,高さ3.0cmの試験体)は、添加量が2
重量%までは増加するが、それ以上の添加量ではやや低
下する傾向を示すことが分かる。
【0031】更に、20℃湿空中1日後の同モルタルの
圧縮強度は、添加量1重量%以上で強度低下が見られ、
添加量7重量%では硫酸ナトリウム無添加のものとほぼ
同程度の圧縮強度となっている。
【0032】即ち、硫酸ナトリウムを多量に添加すると
半日程度の極初期の硬化促進効果は認められるものの、
その後の圧縮強度の増進を悪くする。しかし、20℃湿
空中1日後のモルタル圧縮強度において0.5〜3重量
%の硫酸ナトリウムの添加はセメントの硬化促進に顕著
な効果を発揮するものといえる。
【0033】一方、アルカリを多量に混和すると、アル
カリ骨材反応を誘発する恐れもでてくる。従って、この
発明では硫酸ナトリウムの添加量を純セメント分に対し
0.5〜3重量%とした。さらに、硫酸カリウムについ
ても検討を行ったが、硫酸ナトリウムに比較して幾分硬
化促進効果に劣るもののほぼ同じような効果を期待する
ことができた。
【0034】これらの硫酸アルカリは、一般にセメント
の硬化促進剤として作用することが知られているが、こ
の発明においてはCaO結晶の水和発熱によってその硬
化促進効果が相乗的に作用するものと考えられ従来にな
い効果である。
【0035】図9はセメントモルタルの発熱試験の結果
を示したものである。この図は、セメント1重量部:砂
(2.5mm以下)2重量部:水0.37重量部:減水
剤0.01重量部の割合で混合してセメントモルタル
(但し、クリンカ中のCaO結晶及び硫酸ナトリウムを
含有したものはこれらを砂成分として同容積の砂を差引
いてモルタル配合とした。)について示したものであ
る。
【0036】これによると、CaO結晶を含有しないセ
メントモルタルに対してCaO結晶を含有したモルタル
は温度上昇が大きくかつピークが早く現れるが、CaO
結晶を含有するセメントモルタルにさらに硫酸ナトリウ
ムを添加した場合は、より早く温度ピークが現れる。
【0037】次に、セメント組成物の粉末度について説
明する。昇温速度20℃/min、最高温度1500
℃、最高温度保持時間20minの焼成条件で得たCa
O結晶量が5.1重量%(表2のNo.4)のセメント
クリンカに、二水石膏をSO3換算で2重量%及び硫酸
ナトリウムを純セメント分に対し1重量%添加して粉砕
した。これを用いて上記と同じモルタル(モルタル配合
)を作り、これを20℃湿空中1日後の圧縮強度試験
をおこなった。この結果を図10に示した。
【0038】一般に、粉末度の指標であるブレーン比表
面積が大きくなるに伴いモルタル硬化体の圧縮強度は大
きくなるが、3300cm2 /g程度までは普通ポルト
ランドセメントと同程度であり、その差が大きくなるの
は3800cm2 /g程度以上であって、その範囲でこ
の発明のセメント組成物としての特徴が現れる。また、
5500cm2 /g以上に粉砕することは経済的な困難
を伴うので、この発明のセメント組成物のブレーン比表
面積は3800〜5500cm2 /gであるのが好まし
い。
【0039】
【実施例】(実施例1)表1に示した原料を用い、表2
のNo.4のクリンカ調合粉末に少量の水を練り混ぜ径
1cm程度の球状ペレットに造粒した。これを電気炉中
で1分間に20℃の昇温速度で1500℃まで温度を上
昇させ、その状態で20分間温度を保った後室温まで急
冷した。このセメントクリンカを粉砕機でブレーン比表
面積が4580cm2 /gに粉砕し、化学分析(CAJ
S 1−01−1972)によりCaO結晶の定量を行
った。その結果、CaO結晶量は5.09重量%であっ
た。このクリンカ中のCaO結晶分を除いた純セメント
分の重量に対し、二水石膏粉末をSO3 換算で2重量%
添加し、また一部のものについては硫酸ナトリウム無水
物をセメント分に対し1重量%添加した。このようにし
て調製したセメント組成物について湿空中におけるモル
タル試験体(径1.5cm,高さ3.0cm)の圧縮強
度を、材齢0.5日、1日、3日、7日及び28日につ
いて測定した。
【0040】モルタルの配合はセメント1重量部、砂
(2.5mm以下)2重量部、水0.37重量部、減水
剤(マイティ150)0.01重量部として、CaO結
晶分をセメントの一部とみなした場合(モルタル配合
)と、CaO結晶及び硫酸ナトリウムを砂の一部とみ
なした場合(モルタル配合)とに分けて実験を行なっ
た。なお、混練は手練りで行った。更に、比較のために
市販の普通ポルトランドセメントについても同様な強度
試験を行った。これらの結果を図11に示す。
【0041】図11に示すように、この発明によって得
られたセメント組成物は、材齢初期の強度発現が顕著で
あり、更に材齢28日においても市販セメントに比較し
て優れた強度を発現することが分かる。特に、硫酸ナト
リウムを添加した場合は、無添加の場合に比較して格段
に高い強度発現性を示す。
【0042】(実施例2)実施例1に記載したセメント
組成物のうち、予め硫酸ナトリウムを1重量%添加して
粉砕したものを用いて径5cm,高さ10cmのモルタ
ル試験体(CaO結晶及び硫酸ナトリウムを砂の一部と
みなしてその容積分を砂から差引いたモルタル配合)
硬化体の、水/セメント比に対するフロー及び圧縮強度
試験(20℃湿空中、材齢1日)を行った。
【0043】比較のために、硬焼きの生石灰粉末を混和
材として6重量%と硫酸ナトリウムを1重量%添加した
普通セメントモルタルの試験も併せて行った。なお、混
練はモルタルミキサーを用いて行った。この結果を図1
2に示す。図12に示すように、この発明によるセメン
トモルタルは、普通セメントモルタルに生石灰粉末を加
えたモルタルに対して流動性が優れており初期強度も高
いことが分かる。
【0044】(実施例3)実施例1に記載したセメント
組成物を用いてコンクリートの圧縮強度試験を行った。
コンクリートの配合は表4の通りとした。このコンクリ
ートはスランプ8cmの必要な流動性を得た。
【0045】
【表4】
【0046】試験体は次のようにして作製した。表4
に示す配合のコンクリートの打込み後1日までは20℃
の湿空中で放置してから脱型し、その後同湿空中で養生
して、材齢1、7及び28日における圧縮強度を求め
た。また、同セメント組成物を用いて同配合のコンク
リートを打込んだ後、直ちに養生窯に入れ蒸気を送入し
て1時間で60℃まで昇温した後蒸気の送入を停止する
簡易な養生(簡易蒸気養生)を行い、注水後から4時間
で脱型して室内に放置した場合の材齢と圧縮強度の関係
を図13に示した。
【0047】また、図13には比較例として、早強ポル
トランドセメントランドを用い単位セメント量を100
kg/m3 多く配合したコンクリートについても、同様
な簡易蒸気養生を行って24時間(1日)までの強度を
測定した結果を示した。
【0048】図13に示すように、この発明のセメント
組成物を用いたコンクリートは、打設後材齢4時間とい
う短時間に30MPa以上の高強度を発現し、その後も
順調に強度を増進することがわかる。また、早強ポルト
ランドセメントを使用し、かつ単位セメント量を100
kg/m3 多くしたコンクリートにおいて、同様な簡易
養生を実施した場合に比べてみても、この発明のセメン
ト組成物を用いたコンクリートの方が初期強度で優れて
いる。
【0049】(実施例4)実施例3で使用したこの発明
のセメント組成物について、JIS A 201(19
95)による拘束膨張試験(A法)をおこなったとこ
ろ、156×10-6の膨張量を発現した。従って、この
発明におけるセメント組成物は新しい膨張セメントであ
るということができる。
【0050】
【発明の効果】本発明のセメント組成物は以上の通りで
あるから、この発明によればコンクリート製品の成形や
流動性コンクリートの施工が十分にできる時間内での流
動性を保持できるとともに、早期に必要な強度を発現し
型枠の取外しを早め、またコンクリート製品の製造に際
しては蒸気養生を実施せずに早期に出荷強度を発現で
き、また僅かの蒸気養生で短時間に脱型できて型枠の回
転を高めることができるものである。
【0051】さらに、この発明によれば予め別工程で製
造された生石灰を後添加することなくクリンカ焼成中に
遊離の生石灰として一体化することにより、通常のポル
トランドセメントの製造工程と同様にして供給できるも
のであり、セメントコンクリート産業に大いに貢献する
ものと考える。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリンカの焼成条件とCaO結晶径の関係を示
す線図。
【図2】クリンカ中のCaO結晶径とモルタルの発熱曲
線との関係を示す線図。
【図3】クリンカの焼成条件とモルタルの圧縮強度との
関係を示す図。
【図4】CaO結晶量とCaO結晶径の関係を示す線
図。
【図5】CaO結晶量とモルタルの圧縮強度との関係を
示す線図。
【図6】CaO結晶量とモルタルの圧縮強度との関係を
示す線図。
【図7】クリンカの焼成条件とCaO結晶量との関係を
示す図。
【図8】セメント分に対するNa2 SO4 添加率とモル
タルの圧縮強度の関係を示す線図。
【図9】モルタルの発熱特性に及ぼすNa2 SO4 の添
加効果を示す線図。
【図10】セメントの粉末度とモルタルの圧縮強度の関
係を示す線図。
【図11】モルタルの圧縮強度に及ぼす材齢の影響を示
す線図。
【図12】水セメント比とモルタルの圧縮強度及びフロ
ーの関係を示す線図。
【図13】コンクリートの圧縮強度に及ぼす材齢及び養
生条件の影響を示す線図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 22:14)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3CaO・SiO2 −間隙物質−CaO
    結晶を主要鉱物組成とするセメントクリンカを二水石膏
    とともに粉砕した超早強性セメント組成物であって、セ
    メントクリンカの珪酸率が2.0〜5.0、鉄率が0.
    5〜4.0、CaO結晶径が13μm以上、CaO結晶
    量がセメントクリンカ全量に対し3〜10重量%、セメ
    ント粉末度がブレーン比表面積で3000〜6000c
    2 /gであることを特徴とするセメント組成物。
  2. 【請求項2】 3CaO・SiO2 −間隙物質−CaO
    結晶を主要鉱物組成とするセメントクリンカに二水石膏
    及び硫酸アルカリを添加し粉砕した超早強性セメント組
    成物であって、セメントクリンカの珪酸率が2.0〜
    5.0、鉄率が0.5〜4.0、CaO結晶径が13μ
    m以上、CaO結晶量がセメントクリンカ全量に対し3
    〜10重量%、セメント粉末度がブレーン比表面積で3
    000〜6000cm2 /gで、硫酸アルカリの添加量
    はセメントクリンカ中のCaO結晶量を除く純セメント
    クリンカ及び添加した二水石膏の合量に対し無水物換算
    で0.5〜3.0重量%であることを特徴とするセメン
    ト組成物。
  3. 【請求項3】 セメントクリンカに添加する硫酸アルカ
    リが硫酸ナトリウム又は硫酸カリウムであることを特徴
    とする請求項2に記載のセメント組成物。
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