JPH0925148A - 蒸気養生製品用セメント混和材及び該混和材を含む蒸気養生製品用セメント組成物 - Google Patents

蒸気養生製品用セメント混和材及び該混和材を含む蒸気養生製品用セメント組成物

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JPH0925148A
JPH0925148A JP19616795A JP19616795A JPH0925148A JP H0925148 A JPH0925148 A JP H0925148A JP 19616795 A JP19616795 A JP 19616795A JP 19616795 A JP19616795 A JP 19616795A JP H0925148 A JPH0925148 A JP H0925148A
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    • C04B2111/10Compositions or ingredients thereof characterised by the absence or the very low content of a specific material
    • C04B2111/1031Lime-free or very low lime-content materials

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝結調整剤を用いることなく充分な作業性が
得られ、しかも蒸気養生後の強度発現性に優れた硬化体
が得られる蒸気養生製品用セメント混和材及び該混和材
を含む蒸気養生製品用セメント組成物を提供すること。 【解決手段】 40〜70質量%のカルシウムサルフォアル
ミネ−ト、残部が硫酸カルシウム、ダイカルシウムシリ
ケ−ト、カルシウムアルミノフェライト等からなり、か
つ遊離CaOを実質的に含有しないア−ウィンクリンカ
の粉砕物を主材とする蒸気養生製品用セメント混和材。
ポルトランドセメント、上記ア−ウィンクリンカ粉砕
物、石膏とから少なくとも構成される蒸気養生製品用セ
メント組成物であって、該ア−ウィンクリンカ粉砕物と
前記石膏との割合が40:60〜60:40であり、この両者の
合計量をポルトランドセメント100重量部に対し8〜15重
量部添加してなる蒸気養生製品用セメント組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気養生製品用セ
メント混和材及び該混和材を含む蒸気養生製品用セメン
ト組成物に関し、主として蒸気養生を行うコンクリ−ト
二次製品分野で用いられる“カルシウムサルフォアルミ
ネ−トを主体としたクリンカの粉砕物”からなる蒸気養
生製品用セメント混和材及び該混和材を含むセメント組
成物に関する。さらに、本発明は、凝結調整剤を用いる
ことなく充分な作業性が得られ、しかも蒸気養生後の強
度発現性に優れた硬化体が得られる蒸気養生製品用セメ
ント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気養生によりコンクリ−ト二次製品な
どを製造する際、強度向上、養生期間の短縮あるいは養
生温度の低減を目的とした様々な手段が、従来より提案
されている。
【0003】このうち、セメントにある種の混和材を添
加するものとしては、(1)無水石膏を主体としたもの(特
開昭57−47752号公報参照)、あるいは、(2)アルミノケ
イ酸カルシウムガラスと無機硫酸塩を有効成分とするも
の(特開平5−32435号公報参照)や(3)アルミナセメント
と石膏を有効成分とするもの(特公平5−69055号公報参
照)のようなアルミネ−ト系鉱物と石膏を組合わせたも
のが知られている。
【0004】また、(4)カルシウムサルフォアルミネ−
ト、硫酸カルシウム、ダイカルシウムシリケ−トを含む
セメント組成物も提案されている(特開昭57−156347号
公報,特開昭58−161956号公報参照)。この種のセメン
ト組成物は、18〜70質量%のカルシウムサルフォアルミ
ネ−ト、35質量%以下の硫酸カルシウム、10〜65質量%
のダイカルシウムシリケ−トを主成分とし、SO3分がS
O3/Al2O3モル比で0.4〜1.7、有効CaO分が有効CaO/
Al2O3モル比で0.5〜1.2であり、かつ遊離CaOを実質
的に含有しないものであって、超早強性を有すると共
に、良好な凝結時間を有するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の前記
(1)の無水石膏系材を主体とした混和材では、この混和
材を蒸気養生製品用セメント組成物に用いる場合、蒸気
養生の充分な所望効果を得るには、セメントに早強セメ
ントを用い、かつ単位セメント量400kg/m3以上、蒸気
養生温度を70〜80℃にしなければならないため、流し込
み成形による一般製品用としてはコスト的に不向きであ
り、用途に制約があるなどの欠点を有している。また、
この混和材を用いた場合、強度発現性は改善されるけれ
ども、セメント中のSO3量が過多となり、膨張により
安定性を害する恐れがあった。
【0006】一方、従来の前記(2),(3)のアルミネ−ト
系鉱物と石膏を主成分とした混和材では、凝結時間が早
まるために、練り上がり直後のスランプや練り上がりか
ら打設までの時間に制約があり、また、凝結調整剤の使
用が不可欠となり、これらの配合設定が難しいという欠
点があった。
【0007】さらに、従来の前記(4)のカルシウムサル
フォアルミネ−トを主体としたセメント組成物では、こ
のセメント組成物をそのまま蒸気養生製品用セメントと
して用いた場合、蒸気養生での急激な加熱により膨張し
て安定性が悪くなるという問題やコスト高になるという
問題があった。また、このセメント組成物をそのまま混
和材として用いた場合、充分な凝結時間を有せず、しか
も蒸気養生後の強度発現性に優れたものは得られないと
いう問題があった。
【0008】本発明は、前記した従来の諸問題及び欠点
に鑑み成されたものであって、本発明の技術的課題は、
凝結調整剤を用いることなく充分な作業時間を確保で
き、かつ充分な強度発現が得られ、しかも配合や蒸気養
生条件に対する制約がない蒸気養生製品用セメント混和
材及び該混和材を含む蒸気養生製品用セメント組成物を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述した
従来の諸問題や欠点を踏まえて、凝結時間がポルトラン
ドセメントと同程度で充分な作業性を保持し、且つ蒸気
養生後に従来のアルミネ−ト系鉱物と石膏を主成分とし
た混和材を用いた場合と同程度の500kgf/cm2以上の圧
縮強度が得られるセメント組成物について鋭意研究を重
ねたした結果、従来の前記(4)のセメント組成物の組成
範囲を変えると共に、これと石膏とをポルトランドセメ
ントにそれらの比率や配合割合を特定して添加すれば良
いことを見い出し、本発明を完成したものである。
【0010】即ち、本発明は、蒸気養生製品用セメント
混和材及び該混和材を含む蒸気養生製品用セメント組成
物であって、このうち、本発明に係る混和材は、ア−ウ
ィンクリンカ粉砕物を主材とする蒸気養生製品用セメン
ト混和材であり、上記ア−ウィンクリンカ粉砕物は、40
〜70質量%のカルシウムサルフォアルミネ−ト、残部が
少なくとも硫酸カルシウム、ダイカルシウムシリケ−
ト、カルシウムアルミノフェライトからなり、かつ遊離
CaOを実質的に含有しないものであることを特徴とす
る(請求項1)。
【0011】一方、本発明に係るセメント組成物は、ポ
ルトランドセメント、上記ア−ウィンクリンカ粉砕物、
石膏から少なくとも構成される蒸気養生製品用セメント
組成物であって、該ア−ウィンクリンカ粉砕物と石膏と
の合計量をポルトランドセメント100重量部に対し8〜15
重量部添加してなることを特徴とし(請求項3)、また、
上記ア−ウィンクリンカ粉砕物と石膏との割合が、該石
膏を無水物として換算して40:60〜60:40であることを
特徴とする(請求項4)。
【0012】さらに、本発明は、前記混和材及びセメン
ト組成物における“ア−ウィンクリンカ粉砕物”は、具
体的には、「40〜70質量%のカルシウムサルフォアルミ
ネ−ト、10質量%以下の硫酸カルシウム、10〜40質量%
のダイカルシウムシリケ−ト及び5〜15質量%のカルシ
ウムアルミノフェライトを少なくとも含み、かつ遊離C
aOを実質的に含有しないものである」ことを特徴とす
る(請求項2,5)。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、蒸気養生製品用セメン
ト混和材及び該混和材を含む蒸気養生製品用セメント組
成物であって、このうち、本発明に係る混和材は、前記
したとおり、“ア−ウィンクリンカ粉砕物を主材とする
蒸気養生製品用セメント混和材”であり、また、本発明
に係るセメント組成物は、前記したとおり、“ポルトラ
ンドセメント、ア−ウィンクリンカ粉砕物、石膏から少
なくとも構成される蒸気養生製品用セメント組成物”で
ある。以下、本発明で使用する各配合材料について詳細
に説明する。
【0014】まず、本発明で使用するア−ウィンクリン
カ粉砕物について説明すると、これは、例えば、石灰質
原料(石灰石,生石灰等)、アルミナ質原料(ボ−キサイ
ト,粘土,高炉スラグ等)、SO3質原料(排脱石膏,リ
ン酸石膏等)、けい石質原料(けい石粘土,けい砂等)な
どの工業的原料を使用し、これらの原料を所定割合に混
合粉砕した後、1200〜1350℃で焼成し、得られたクリン
カを所定粒度に粉砕したものである。
【0015】このア−ウィンクリンカ粉砕物の粉末度
は、ブレ−ン値で3,000〜5,500cm2/gが好ましい。3,00
0cm2/g未満では、充分な強度向上効果は得られず、一
方、5,500cm2/gを超えるものでは、強度向上効果が得
られるけれども、製造コストが高くなるので好ましくな
い。
【0016】本発明では、上記ア−ウィンクリンカ粉砕
物として、40〜70質量%のカルシウムサルフォアルミネ
−トを含むものを使用することを特徴とする。カルシウ
ムサルフォアルミネ−ト量が40質量%未満の場合、所望
の強度向上効果が得られ難いので好ましくない。一方、
工業的に製造する場合、70質量%を超えるカルシウムサ
ルフォアルミネ−トを含有させることは困難であるの
で、本発明では、カルシウムサルフォアルミネ−ト含有
量として40〜70質量%のものが実際的である。
【0017】本発明で使用するア−ウィンクリンカ中に
は、上記したカルシウムサルフォアルミネ−ト以外の鉱
物組成として、未反応の硫酸カルシウム,ダイカルシウ
ムシリケ−ト,カルシウムアルミノフェライトなどが副
生成物として存在する。このうち、硫酸カルシウムの含
有量は、10質量%以下(好適には5質量%程度)が好まし
い。10質量%を超えると、該クリンカの製造が難しくな
るばかりでなく、強度増進効果が小さくなるので好まし
くない。
【0018】また、ダイカルシウムシリケ−トについて
は、前記した工業原料を使用すると、SiO2が存在す
るため副生は避けられないが、焼成のしやすさから10〜
40質量%含有量のものが好ましい。同様に、カルシウム
アルミノフェライトについては、これが5〜15質量%含
有する場合、製造しやすく、また、得られるクリンカも
良質となるので好ましい。
【0019】上記したように、本発明で使用するア−ウ
ィンクリンカ粉砕物としては、40〜70質量%のカルシウ
ムサルフォアルミネ−トを含むことを特徴とし、また、
硫酸カルシウム量が10質量%以下、ダイカルシウムシリ
ケ−トが10〜40質量%、カルシウムアルミノフェライト
が5〜15質量%のものが好ましいが、これ以外に、該ア
−ウィンクリンカ粉砕物中に遊離CaOを実質的に含有
しないものを使用することを特徴とする。その理由は、
該クリンカ中に遊離CaOが含まれていると、偽凝結を
起し、セメント混練物の流動性を著しく低下させるから
である。
【0020】次に、本発明に係るセメント組成物につい
て説明すると、これは、(1)ポルトランドセメント、(2)
ア−ウィンクリンカ粉砕物、(3)石膏から少なくとも構
成される蒸気養生製品用セメント組成物である。
【0021】本発明で使用する(1)ポルトランドセメン
トとしては、特に限定されるものではなく、普通ポルト
ランドセメント,早強ポルトランドセメント,超早強ポ
ルトランドセメント,中庸熱セメント,耐硫酸塩ポルト
ランドセメントなど全てのポルトランドセメントを使用
することができる。
【0022】また、本発明で用いる(2)ア−ウィンクリ
ンカ粉砕物は、前記したとおりのものであり、一方、
(3)の石膏としては、無水石膏,半水石膏,2水石膏な
ど任意の石膏を使用することができ、その粉末度は、ブ
レ−ン値で3500〜8000cm2/gが好ましい。3500cm2/g未
満では、充分な強度向上効果が得られないので好ましく
ない。そして、この粉末度が大きくなる程、強度向上効
果は大きくなるが、あまり大きくし過ぎると、製造コス
トが高くなるので8000cm2/g以下が好ましい。
【0023】本発明に係るセメント組成物において、前
記したア−ウィンクリンカ及び石膏を混合し又は混合し
ながら所望粉末度になるように粉砕した後、ポルトラン
ドセメントに配合して蒸気養生製品用セメント組成物を
得ることができるが、ア−ウィンクリンカ及び石膏を別
々に粉砕した後、両者を予め混合して又は両者を別々に
ポルトランドセメントに配合して蒸気養生製品用セメン
ト組成物を得ることもできる。また、該クリンカ粉砕物
と石膏の混合物を、あるいは、混合粉砕物をポルトラン
ドセメントに予め配合しておいても、又は、使用時に混
和材として添加してもよく、いずれも本発明に包含され
るものである。
【0024】但し、該クリンカ粉砕物と石膏とのポルト
ランドセメントへの配合量は、クリンカ粉砕物と石膏と
の合計量が、ポルトランドセメント100重量部に対し8〜
15重量部(好ましくは10重量部程度)でなければならず、
この点も本発明に係るセメント組成物の特徴の1つとす
るものである。この合計量が8重量部未満では、充分な
強度向上効果は得られず、一方、15重量部を超えると、
凝結時間が急激に早まり、充分な作業性が得られ難くな
るので好ましくない。
【0025】また、本発明に係るセメント組成物におい
て、前記ア−ウィンクリンカ粉砕物と石膏との割合とし
ては、該石膏を無水物として換算して40:60〜60:40で
あることがより好ましい。この範囲割合で配合した方
が、この範囲をはずれたものより、強度向上効果が大と
なるので好ましい。
【0026】本発明に係るセメント組成物は、以上詳記
したとおり、(1)ポルトランドセメント、(2)ア−ウィン
クリンカ粉砕物、(3)石膏とから少なくとも構成される
蒸気養生製品用セメント組成物であるが、これら以外
に、(4)混和材としてスラグ,シリカヒュ−ム,フライ
アッシュなどや(5)混和剤として減水剤,AE減水剤,
高性能減水剤など、従来コンクリ−トに用いられている
ものを必要に応じて添加することができ、これら混和材
や混和剤などの添加も本発明に包含されるものである。
【0027】本発明に係る蒸気養生製品用セメント組成
物では、蒸気養生条件の制約を特に受けることがなく、
一般的に行われている蒸気養生法を用いることができ
る。そして、従来のセメントや混合材を用いた場合よ
り、高強度の硬化体を得ることが容易にできるので、プ
レストレスを導入するような「初期に高い強度を必要と
する場合」などに用いることが可能である。また、本発
明に係る蒸気養生製品用セメント組成物を用いることに
よる“強度向上効果”により、従来の蒸気養生法に比較
して、養生温度の低減及び養生期間の短縮を図ることが
できるという作用が生じる。
【0028】
【実施例】次に、本発明に係る混和材及びセメント組成
物の実施例を比較例と共に挙げ、本発明をより具体的に
説明するが、本発明は、以下の実施例にのみ限定される
ものではない。
【0029】(A) ア−ウィンクリンカ粉砕物の製造 石灰石,排脱2水石膏,珪石粉及び焼ボ−キサイトを原
料とし、各原料を所定の割合で混合した後粉砕し、1200
〜1300℃の温度で焼成して4種類のア−ウィンクリンカ
A〜Dを得た。続いて、このクリンカA〜Dをボ−ルミ
ルでブレ−ン比表面積4500cm2/gに粉砕してア−ウィン
クリンカ粉砕物を得た。なお、ア−ウィンクリンカA〜
Dの主要鉱物組成を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】上記表1に示すように、ア−ウィンクリン
カA,Bは、本発明で規定する“40〜70質量%のカルシ
ウムサルフォアルミネ−ト、残部が少なくとも硫酸カル
シウム、ダイカルシウムシリケ−ト、カルシウムアルミ
ノフェライトからなり、かつ遊離CaOを実質的に含有
しないア−ウィンクリンカ”の範囲内であって、本発明
の実施例に相当する。一方、ア−ウィンクリンカCは、
カルシウムサルフォアルミネ−ト含量が35%であり、ま
た、同クリンカDは、遊離CaOを5%含むものであっ
て、いずれも比較例である。
【0032】(B) 蒸気養生製品用セメント組成物の試
製(試験No.1〜16) 前記表1に示すア−ウィンクリンカA〜Dの粉砕物と石
膏との混合物を次の表2に示す割合(重量部)で普通ポル
トランドセメント、早強ポルトランドセメントに配合し
て「蒸気養生製品用セメント組成物(試験No.1〜16)」を
試製した。なお、上記セメント組成物の試製において、
普通ポルトランドセメント及び早強ポルトランドセメン
トは、日本セメント社製のものを使用し、また、石膏
は、フッ酸無水石膏(第一セメント社製)を使用した。
【0033】
【表2】
【0034】(C) コンクリ−トの配合及び練り混ぜ方
法 得られた試験No.1〜16の蒸気養生製品用セメント組成物
に次の骨材(細骨材及び粗骨材)を配合し、さらに、次の
高性能減水剤を添加してコンクリ−トを試製した。この
場合、水/セメント比=40%,細骨材率=42%,高性能
減水剤添加率=1%(セメントに対する配合量)とし、こ
の配合条件でコンクリ−トを強制練りミキサ−(0.05
3)で練り混ぜた。 ・骨材:細骨材→青梅産細砂(比重:2.61,FM:2.89) 粗骨材→青梅産砕石(比重:2.64,FM:7.06,Gmax:20
mm) ・高性能減水剤→マイティ150(花王社製)
【0035】(D) コンクリ−トの試験方法 以上のように試製した各コンクリ−トに対して“圧縮強
度(kgf/cm2)”及び“凝結時間(始発,終結)”を測定
し、その結果を表3に示す。
【0036】なお、“圧縮強度(kgf/cm2)”について
は、コンクリ−トを練り混ぜた後、JIS A 1132に準じて
φ10×20cmのコンクリ−ト供試体を作製し、続いて蒸気
養生した。蒸気養生条件は、20℃で2時間30分の前養生
後、20℃/時間の昇温速度で60℃に昇温し、1時間45分
保持した後、9時間45分で20℃になるように降温した。
そして、蒸気養生後、直ちに脱型し、JIS A 1108に準じ
て強度試験を行った。一方、“凝結時間(始発,終結)”
については、コンクリ−ト練り混ぜ直後にウエットスク
リ−ニングによりモルタル分を分取し、JIS A 6204に準
じて凝結試験を行った。
【0037】
【表3】
【0038】試験No.1は、比較として普通ポルトランド
セメント単味でのコンクリ−ト試験結果を示す。この試
験例(比較例1)では、圧縮強度が372kgf/cm2であり、充
分な強度が得られなかった。
【0039】試験No.2〜5は、「ア−ウィンクリンカ粉
砕物の鉱物組成が異なる場合」のコンクリ−トの物性を
評価するために行った試験例である。その結果、カルシ
ウムサルフォアルミネ−トの含有率が40%以下では、充
分な強度が得られず[試験No.4(クリンカCを用いた比
較例2)]、また、遊離CaOを含有した場合、凝結時間
は著しく早くなり、充分な作業性が確保できなかった
[試験No.5(クリンカDを用いた比較例3)]。
【0040】試験No.6〜9は、「ア−ウィンクリンカ粉
砕物と石膏の配合割合を同一にし、両者の合計量の添加
率(セメントに対する添加量)が異なる場合」のコンクリ
−トの物性を評価するために行った試験例である。その
結果、凝結時間については、両者の合計量の添加率が本
発明で規定する“ポルトランドセメント100重量部に対
し8〜15重量部”の範囲までは、8重量部未満の場合を含
めて殆ど差はないが(試験No.6〜8)、15重量部を超える
と著しく早くなる(試験No.9)。
【0041】また、圧縮強度については、本発明で規定
する範囲より少なくても[8重量部未満の場合(試験No.
6;5重量部の比較例4)]、また、多くても[15重量部を
超える場合(試験No.9;20重量部の比較例5)]その強度
は低く、特に後者の15重量部を超えた場合、普通ポルト
ランドセメント単味の場合[前掲の試験No.1(比較例1参
照)]よりも強度は低くなった。
【0042】試験No.10〜14は、「ア−ウィンクリンカ
粉砕物と石膏との合計量の添加率を一定(セメント100重
量部に対して10重量部添加)とし、両者の配合割合を変
えた場合」のコンクリ−トの物性を評価するために行っ
た試験例である。その結果、両者の合計量が10重量部と
同一であれば、凝結時間は殆ど同じであるが(試験10〜1
4)、両者の配合割合が本発明で規定する“40:60〜60:
40”の範囲を外れた場合[試験No.10(35:65の比較例6)
及び試験No.14(65:35の比較例7)]、強度向上効果は期
待できなかった。
【0043】上記試験No.1〜16の試験例から、本発明に
係る蒸気養生製品用セメント組成物で規定する ・「40〜70質量%のカルシウムサルフォアルミネ−トを
含み、かつ遊離CaOを実質的に含有しないア−ウィン
クリンカ粉砕物」を使用し(クリンカA,Bの使用)、 ・該ア−ウィンクリンカ粉砕物と石膏の合計量を「ポル
トランドセメント100重量部に対して8〜15重量部」の範
囲内で、かつ、 ・該ア−ウィンクリンカ粉砕物と石膏との配合割合を
「40:60〜60:40」の範囲内とした、 実施例1〜7(試験No.2,3,6〜8,11〜13)では、充分
な強度が得られ、しかも充分な作業時間が確保できるこ
とが認められた。
【0044】試験No.15及び16は、「基となるセメント
として早強ポルトランドセメントを用いた場合」のコン
クリ−トの物性を評価するために行った試験例である。
その結果、早強ポルトランドセメント単味の場合[試験
No.15(比較例8)]に比較して、本発明の実施例[試験N
o.16(実施例8)]では、凝結時間は殆ど変化せず、より
高い強度が得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る蒸気養生製品用セメント組
成物は、以上詳記したとおり、凝結調整剤を用いること
なく充分な作業時間を確保でき、しかも充分な強度発現
が得られる効果が生じる。また、本発明に係る蒸気養生
製品用セメント組成物によれば、配合や蒸気養生条件に
対する制約がないので、これまでコスト的に不向きであ
った流し込み成形による一般製品用など利用範囲が従来
品と比べて拡大できるという作用効果が生じる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40〜70質量%のカルシウムサルフォアル
    ミネ−ト、残部が少なくとも硫酸カルシウム、ダイカル
    シウムシリケ−ト、カルシウムアルミノフェライトから
    なり、かつ遊離CaOを実質的に含有しないア−ウィン
    クリンカの粉砕物を主材とすることを特徴とする蒸気養
    生製品用セメント混和材。
  2. 【請求項2】 前記ア−ウィンクリンカは、40〜70質量
    %のカルシウムサルフォアルミネ−ト、10質量%以下の
    硫酸カルシウム、10〜40質量%のダイカルシウムシリケ
    −ト及び5〜15質量%のカルシウムアルミノフェライト
    を少なくとも含み、かつ遊離CaOを実質的に含有しな
    いことを特徴とする請求項1に記載の蒸気養生製品用セ
    メント混和材。
  3. 【請求項3】 ポルトランドセメント、ア−ウィンクリ
    ンカ粉砕物、石膏とから少なくとも構成される蒸気養生
    製品用セメント組成物であって、上記ア−ウィンクリン
    カ粉砕物は、40〜70質量%のカルシウムサルフォアルミ
    ネ−ト、残部が少なくとも硫酸カルシウム、ダイカルシ
    ウムシリケ−ト、カルシウムアルミノフェライトからな
    り、かつ遊離CaOを実質的に含有しないものであり、
    該ア−ウィンクリンカ粉砕物と前記石膏との合計量をポ
    ルトランドセメント100重量部に対し8〜15重量部添加し
    てなることを特徴とする蒸気養生製品用セメント組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記ア−ウィンクリンカ粉砕物と石膏と
    の割合が、該石膏を無水物として換算して40:60〜60:
    40であることを特徴とする請求項3に記載の蒸気養生製
    品用セメント組成物。
  5. 【請求項5】 前記ア−ウィンクリンカ粉砕物は、40〜
    70質量%のカルシウムサルフォアルミネ−ト、10質量%
    以下の硫酸カルシウム、10〜40質量%のダイカルシウム
    シリケ−ト及び5〜15質量%のカルシウムアルミノフェ
    ライトを少なくとも含み、かつ遊離CaOを実質的に含
    有しないものであることを特徴とする請求項3又は4に
    記載の蒸気養生製品用セメント組成物。
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JP2013510785A (ja) * 2009-11-13 2013-03-28 南京工▲業▼大学 ポルトランドセメントクリンカにおけるカルシウムサルフォアルミネート鉱物の2次的な合成方法
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