JP2016135723A - 多孔質ジオポリマー硬化体 - Google Patents

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Abstract

【課題】密度が1.0g/cm以下である多孔質ジオポリマー硬化体を製造できる技術を提供すること。
【解決手段】アルカリ溶液中で金属イオンを溶出でき、SiO成分及びAl成分を含む活性フィラーと、アルカリ溶液と、発泡剤と、硬化前の粘性を増大させる増粘機能とともに気泡の寸法を小さくする整泡機能を有する混和剤(ステアリン酸塩粉末)、硬化前の粘性を増大させる増粘機能とともに硬化後の強度を増大させる増強機能を有する混和材1(ポルトランドセメント又は混合セメント)、硬化前の粘性を増大させる増粘機能とともに発泡反応を遅延させる発泡遅延機能を有する混和材2(セオライト粉末など)のうち少なくとも1種類とを混練し、常温又は60℃や80℃の高温で養生する。
【選択図】なし

Description

本発明は、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末、高炉スラグ粉末、流動床石炭灰、フライアッシュ、メタカオリン、下水汚泥焼却灰溶融スラグ粉末等のアルミノシリケート源材料(アルカリ溶液中で金属イオンを溶出でき、SiO成分及びAl成分を含む活性フィラー)を原料とした多孔質ジオポリマー硬化体に関する。
従前より、廃棄物の埋立処分量を減らすために、焼却による減容化処理を行っている。しかし、都市ごみ焼却灰は、塩素、ダイオキンシ類及び重金属を含有するため、そのまま最終処分場に埋め立てられない。したがって都市ごみ焼却灰については、更なる減容化と無害化のため、これを高温溶融してスラグ化する処理が行われている。すなわち、都市ごみ焼却灰を高温溶融してスラグ化すると、更なる減容化が図られるとともに、塩素とダイオキンシ類が除去され、重金属はスラグに固定できる。
この都市ごみ焼却灰の高温溶融により生成したスラグ、すなわち都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(以下、「WS」とも略称する。)は、コンクリートの骨材として利用されることが期待されている。しかし、WSを骨材としたコンクリートは耐久性に懸念があり、また、ポップアウト(ごみ中の銀紙(金属アルミニウム)に起因する水素の遅延発生)が生じるおそれがあるため、一般コンクリートやアスファルトへのWSの利用量は、その生成量の約4%に留まっており、ほとんどのWSは、最終処分場の覆土や盛土などに使われているのが現状である(非特許文献1参照)。
一方、セメント・コンクリートの環境負荷の低減と廃棄物の利用拡大を図るために、ジオポリマー(以下、「GP」とも略称する。)の研究開発が近年盛んである。GPは、活性フィラー(高炉スラグ粉末、流動床石炭灰、フライアッシュ、メタカオリン及び下水汚泥焼却灰溶融スラグ粉末など)とアルカリ溶液(ケイ酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムの混合水溶液など)との混合物が硬化したものであり、強度発現が早く、重金属を固定でき、耐火性及び耐硫酸塩抵抗性が高い等の特徴を有する。セメントを使わないため、通常のコンクリートの環境負荷を80%程度削減できると言われている(非特許文献2参照)。
本発明者らは世界に先駆けて、WSを粉砕して得られた粉末を活性フィラーとしたGP(以下、「WS−GP」とも略称する。)を常温や高温(60〜80℃)で製造できることを確認し、また、WS−GPが硬化過程で発泡・膨張する現象を発見した(非特許文献3参照)。この発泡は、都市ごみ焼却灰に含まれる金属アルミニウム(銀紙起源)がアルカリの環境で水素を生じるためである。発泡・膨張によって、WS−GPは体積が不安定となって、ひび割れを生じやすくなり、建築・土木材料には適用し難い。
また、上述のとおりジオポリマーの研究開発は近年盛んであるものの、実用化の段階には至っていない。ジオポリマーの利用量を拡大するために、その実用化技術の開発が求められている。ジオポリマー系コンクリートの性能、特に耐久性について未解明の部分があり、また、材料性能を設計・制御する手法はまだ確立されていないため、建築・土木工事の重要な部位、特に耐力部材に使用することは現時点では困難である。非耐力部材や部位への使用は注目されている。
他方、気泡コンクリート(ALC)として、セメント、珪石、石灰、金属アルミニウム粉末及び補強用のラス網などの原料を使って高温高圧蒸気養生(180℃、10気圧、約10時間)で製造されるものが知られている。ALCは、軽量で断熱性能が高いため、鉄骨造・木造建築の外壁、間仕切壁、屋根、床に多く使用されている。しかし、ALC製造に適した純珪石の鉱床が枯渇してきており、珪石を確保することが困難になりつつある(特許文献1参照)。
これらの背景を踏まえ本発明者らは、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末、高炉スラグ粉末、流動床石炭灰、フライアッシュ、メタカオリン及び下水汚泥焼却灰溶融スラグ粉末などの活性フィラーの新たな有効利用方法として、これらの活性フィラーの1種以上を原料とし、密度が1.0g/cm以下の多孔質ジオポリマー硬化体(低環境負荷のジオポリマー系気泡コンクリート)について研究を開始した。
骨材を混入しないジオポリマーの密度は1.8〜2.1g/cmである。そこで本発明者らは、多孔質ジオポリマー硬化体の密度を最終的にはALCの密度レベル(0.55g/cm)にできるようにするために、まず、気泡の導入方法を検討した。
セメント系気泡コンクリートへの気泡導入方法は、練混ぜ時に混入した金属アルミニウムや過酸化水素水などの発泡剤の化学反応により打設後に気泡を導入する方法(アフターフォーム法)が主流であるが、このほかに界面活性剤などの起泡剤を用いてスラリーの混合攪拌時に起泡させる方法(ミックスフォーム法)、起泡剤のみで生成させた気泡をスラリーに混入する方法(プレフォーム法)がある。しかし、GPは高アルカリ性であるため、発泡剤を混入すると、水素や酸素の気泡を急速に生じて、大半は脱出してしまう。このため、従来のアフターフォーム法では、GPの密度を1.0g/cm以下とすることは極めて困難である。また、起泡剤を水に添加すれば、高速攪拌で気泡を生成するが、GPの組成物であるアルカリ溶液中では気泡をほとんど生じない。したがって、従来のセメント系ALCのミックスフォーム法及びプレフォーム法も、そのままではGPには適用できない。
ここで、非特許文献4には、下水汚泥溶融スラグを活性フィラーとしたGPの発泡剤として、金属シリコン(Si)が好適である旨の報告がある。しかし、下水汚泥溶融スラグ以外の活性フィラーへの適用性が検証されていない。また、金属シリコン粉末による発泡は、数時間かけてゆっくりと進行するため、金属シリコン粉末は、硬化時間が短いGP(例えば、CaOの含有量が高い流動床石炭灰や高炉スラグ粉末を単独使用するもの、高炉スラグ粉末と他の活性フィラーを併用するもの等)に発泡剤としては適用できない。また、フライアッシュや都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末を用いたGPの強度は、特に常温養生の場合には低い。これらのGPの強度を上げるために、一般に活性カルシウム成分を有する増強材料(石灰や高炉スラグ粉末など)を添加する(特許文献2参照)。しかし、石灰や高炉スラグ粉末を添加すると、GPの硬化時間が金属シリコン粉末による発泡時間より短くなって、金属シリコン粉末が発泡する前にGPが硬化してしまい、発泡できなくなる。更に、型枠の転用速度を上げるため高温養生を行おうとしても、数時間を要する発泡が終わるまで高温養生を開始できない。成形後にすぐ高温養生すると、GPの硬化時間が発泡時間より短くなり、発泡できないか、又は発泡速度が速くなり、形成した気泡のサイズが大きくなってその一部が外に脱出し、密度が小さい多孔質GP硬化体を作製できない問題が引き起こされる。このように、発泡剤として金属シリコン粉末を添加する技術では、凝結時間が短いGPに適用できず、高温養生の場合に適用し難い。
特開2001−019571号公報 特開2014−28726号公報
(社)全国産業廃棄物連合会: 産業廃棄物を含む溶融スラグ データ集, pp.13-14, 2009.10 J. Davidovits:Properties of geopolymer cements, Proceedings of 1st International Conference on Alaline Cements and Concrete, Kiev, Ukraine, pp.131-149, 1994. Z. Li, K. Ikeda, and Y. Zhang: Development of geopolymer concrete using ground molten slag of municipal waste incineration residue, 日本建築学会中国支部研究報告集, Vol.36, pp.57-60, 2013.3 山口典男:溶融スラグを用いた多孔質材料の開発, 長崎県窯業技術センター研究報告, pp.23-27, 2009
本発明が解決しようとする課題は、密度が1.0g/cm以下である多孔質ジオポリマー硬化体(多孔質GP)を製造できる技術を提供することにある。
本発明は、過酸化水素水などの発泡剤を使用するとともに、これに気泡の脱出を抑制する効果(気泡脱出抑制効果)を奏する混和材料、具体的には、後述する「混和剤」、「混和材1」及び「混和材2」のうち少なくとも1種類を併用することで、前記課題を解決した。
「混和剤」は、例えばステアリン酸塩粉末であり、GP硬化前の粘性を増大させる増粘機能を有するとともに気泡のサイズを小さくする整泡機能を有し、ひいては気泡脱出抑制効果が得られる。ステアリン酸塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム等が挙げられ、特にステアリン酸亜鉛が好ましい。
「混和材1」は、例えばポルトランドセメント又は混合セメントであり、前記増粘機能とともに硬化後の強度を増大させる増強機能を有する。
「混和材2」は、前記増粘機能とともに、金属イオン、特にCa2+イオンを吸着又は交換することによってジオポリマーの発泡反応を遅延させる発泡遅延機能を有する。例えば、リン酸化キチン、リン酸化キトサン、リン酸化セルロースのリン酸化多糖類、アルギン酸、酸化二オブ、酸化チタン、陽イオン交換樹脂、ゼオライト等が挙げられ、特に天然ゼオライトが好ましい。
すなわち本発明の一観点によれば、「アルカリ溶液中で金属イオンを溶出でき、SiO成分及びAl成分を含む活性フィラーと、アルカリ溶液と、発泡剤と、硬化前の粘性を増大させる増粘機能を有する混和剤、硬化前の粘性を増大させる増粘機能とともに硬化後の強度を増大させる増強機能を有する混和材1、硬化前の粘性を増大させる増粘機能とともに発泡反応を遅延させる発泡遅延機能を有する混和材2のうち少なくとも1種類とを混練し、養生して得られた多孔質ジオポリマー硬化体」が提供される。
なお、以下の説明では、「混和剤」、「混和材1」及び「混和材2」を総称して「混和材料」という。
本発明によれば、産業廃棄物や副産物を原料として、密度が1.0g/cm以下の多孔質ジオポリマー硬化体(多孔質GP)を作製できる。すなわち本発明によれば、セメント系気泡コンクリートを代替しうるような、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末やフライアッシュや高炉スラグ粉末などを利用した軽量建材等の提供が可能となり、廃棄物・副産物の有効利用、ひいては循環型社会の構築に貢献できる。
活性フィラーとして都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(WS)のみを用いた多孔質GP硬化体の圧縮強度に及ぼす高温養生履歴の影響を示す。 (a)、(b)ともに、活性フィラーとして都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(WS)のみを用いた多孔質GP硬化体の圧縮強度に及ぼす製作時の温度(Tm)の影響を示す。 活性フィラーとして都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(WS)のみを用いた多孔質GP硬化体の圧縮強度に及ぼすアルカリ溶液の種類とモル濃度の影響を示す。 活性フィラーとして、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(WS)、フライアッシュ(FA)、高炉スラグ粉末(BFS)を併用した多孔質GP硬化体の圧縮強度と密度の関係を示す。 常温養生した多孔質FA−GP硬化体の圧縮強度と密度の関係を示す。 高温養生履歴があった多孔質FA−GP硬化体の圧縮強度と密度の関係を示す。 混和材2(天然ゼオライト粉末)を添加した多孔質GP硬化体の圧縮強度と密度の関係を示す。 混和剤(ステアリン酸亜鉛)を添加した多孔質GP硬化体の圧縮強度と密度の関係を示す。 多孔質GP硬化体の比強度に及ぼす混和材料の添加の影響を示す。
本発明の多孔質ジオポリマー硬化体は、活性フィラーと、アルカリ溶液と、発泡剤と、混和材料とを混練し、養生して得られる。
前述のように、ジオポリマーは高アルカリ性であるため、発泡剤を添加すると発泡速度が高く、気泡のサイズが大きくなるため、気泡が脱出しやすい。これに対して、本発明では、活性フィラーの種類と硬化速度に応じて前述の3種類の混和材料から適切なものを選択し添加することで、硬化前の粘性や気泡形成速度(発泡反応速度)や気泡の寸法を調整し、これによって気泡の脱出が抑えられる。したがって、本発明は、ジオポリマー用の活性フィラー、すなわちアルカリ溶液中で金属イオンを溶出でき、SiO成分及びAl成分を含むものであればいずれの活性フィラーにも対応できる。すなわち、本発明では、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末、高炉スラグ粉末、流動床石炭灰、フライアッシュ、メタカオリン、下水汚泥焼却灰溶融スラグ粉末などの活性フィラー(アルミノシリケート源)を単独又は混合使用することができる。
また、アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムとの混合水溶液を使用することが好ましい。
発泡剤としては、過酸化水素水やアルミニウム粉末やシリコン粉末を使用できる。
そして本発明では、発泡剤による発泡時の気泡脱出抑制のために、前述の「混和剤」、「混和材1」及び「混和材2」のうち少なくとも1種類を混和材料として使用する。一部の活性フィラーに対しては、「混和剤」と「混和材1」又は「混和材2」とを併用することが好ましい。これらの混和材料は、比表面積が3000cm/g以上を有するものとすることができる。
これらの混練、及び養生の条件は、一般的なジオポリマーの作製条件とすればよいが、発泡剤の添加量を低減でき、硬化後の強度を向上できる点から、連続攪拌成型機を使用して混練・成型することが好ましい。
表1に示す調合により、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(WS)を主活性フィラーとし、混和材料として混和材1を添加した多孔質ジオポリマー(多孔質WS−GP)を作製し、その密度(かさ気乾密度)及び圧縮強度を評価した。
活性フィラー(AF)としては、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(WS)を単独使用したほか、WSとFA(フライアッシュ)又はBFS(高炉スラグ粉末)とを複合使用した。使用したWSの密度は2.46g/cm、比表面積は3500cm/gで、主な化学成分はSiO(43.7質量%)、Al(15.6質量%)及びCaO(24.8質量%)であった。また、使用したFAは、JIS II種のもの(比表面積(ブレーン値):4400cm/g)であり、密度は2.36g/cmで、主な化学成分はSiO(55質量%)、Al(27質量%)及びCaO(4質量%)であった。また、使用したBFSは4000級であり、密度は2.91g/cmで、主な化学成分は主成分がSiO(33質量%)、Al(14質量%)及びCaO(42質量%)であった。
アルカリ溶液(GPs)としては、ナトリウム系JIS1号水ガラス水溶液(24%濃度)と、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(モル濃度10M又は14M)又は水酸化カリウム(KOH)水溶液(モル濃度10M)とを3:1の体積比で混合したものを使用した。
混和材1(A)としては、普通ポルトランドセメントを使用した。なお、No.1の例では混和材1は調合しなかったが、他の例では活性フィラー(AF)と混和材1(A)の合量に対して25質量%となるように調合した。
発泡剤としては、過酸化水素水(濃度30%液)を、活性フィラー(AF)と混和材1(A)の合量に対して2質量%又は3質量%となるように調合した。
表1に示す調合によるWS−GPの作製においては、まずアルカリ溶液(GPs)、活性フィラー(AF)及び混和材1(A)をミキサで3分間練り混ぜた。次に、過酸化水素水を添加して更に30秒間練り混ぜた。練り混ぜた直後に、迅速に型枠に充填して直径5cm×長さ10cmの円柱状の供試体を6本作製し、水の蒸発を防止するためにラップで端面を封緘した。作製した供試体は、3本を24時間で脱型し、20±3℃、60±5%R.H.の恒温恒湿室において気中養生を行った。残り3本の供試体は、80±3℃又は60±3℃の養生釜にて24時間(80℃の場合)又は6時間(60℃の場合)養生して脱型した後、20±3℃、60±5%R.H.の恒温恒湿室において気中養生を行った。材齢28日になってから圧縮強度を測定した。また、圧縮強度の測定前に、60±5%R.H.の気中乾燥密度を測定した。
なお、本実施例においては、試料の調合、作製時の環境温度、及び作製後の養生方法が同じであり、同バッチの試料で作った供試体(WS−GP硬化体)であっても、その密度に違いが見られた。理由としては、過酸化水素水を添加すると直ちに酸素を生じる反応が始まるところ、練り混ぜた後に試料を供試体の型枠に流し込むまでの段階で、生成した酸素のロスがあったためと推定される。このため、先に流し込んだ供試体の気泡量は後に流し込んだものより多くなる。したがって、後述のように、酸素気泡のロスを低減し、多孔質GP硬化体の密度を均一にするためには、連続攪拌成型機を使用して混練・成型することが好ましい。
このように同バッチの試料で3本の供試体を作製しても上記の理由で各供試体の密度が異なり、これらの圧縮強度の平均値にはあまり意味がないことから、図1〜4には、表1中、No.2〜9を対象として、各図のプロット目的に適合する多孔質WS-GP供試体の1本ずつの圧縮強度を示した。図中の記号TmとTcは、それぞれ供試体の作製時の環境温度と養生温度である。ほぼ同じ密度を有する供試体の圧縮強度が異なるのは、圧縮強度の試験結果が気泡の分布とサイズに依存するためである。
表1中、No.1は、混和材1を添加していない例である。気泡の脱出を抑制するために液固比(アルカリ溶液とWSの質量比)を35%と低く設定することによってWS−GPの硬化前の粘度を極力増加させても、得られたWS−GPの密度は大きかった。先に作製した高温養生履歴があった供試体は、密度が1.15g/cmであり、圧縮強度が7.34MPaであり、後に作製した常温養生の供試体は、密度が1.38g/cmであり、圧縮強度が8.99MPaであった。いずれの供試体でも、密度は1.0g/cm以上であった。これに対して、混和材1を添加したNo.2〜9の例では、図1〜4に示すように、密度が0.5〜1.0g/cmの多孔質WS−GPを作製することができた。
図1によれば、高温養生履歴があった供試体の28日材齢の圧縮強度は、20℃の常温で28日間養生した常温養生の試験体に比べ、大きな違い見られない。これにより、本発明の多孔質WS−GPは常温で製造可能であることがわかった。
また、同密度の多孔質WS−GP供試体の圧縮強度を比較すると、図2(a)に示すように、供試体の作製時の環境温度(Tm)は16℃に比べ12℃の方が、圧縮強度は高かった。しかし、作製時の環境温度(Tm)は16℃以上であれば、図2(b)に示すように、圧縮強度への温度の影響はあまり見られない。これは、供試体の作製時の環境温度は低いと、発泡速度が遅くなり、形成した気泡のサイズは小さく、分布が均一になるためであると考えられる。しかし、環境温度はある程度以上を超えて上がっても、気泡のサイズと分布があまり変わらなくなり、圧縮強度に与える影響は小さくて、製作時の温度による強度の違いが見られなくなる。
表1中、No.4はアルカリ溶液に使われた水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)のモル濃度を10Mから14Mに変更した例である。No.5はアルカリ溶液の種類を水ガラス+NaOHから水ガラス+KOHに変更した例である。多孔質WS−GP硬化体の圧縮強度の実験結果を図3に示す。アルカリ溶液の種類やモル濃度を変更しても、密度が1.0g/cm以下という多孔質WS−GPを作製することができた。
図4に示すように、No.6〜8は、50%(質量比)のWSをJIS II種のFA(フライアッシュ)に置換するとともに、液固比を変えた例である。WSとFAを複合使用した場合においても、密度が1.0g/cm以下の多孔質WS−GPを作製することができた。また、No.9は、50%(質量比)のWSをBFS(高炉スラグ粉末)に置換した例である。WSとBFSを複合使用した場合においても、密度が1.0g/cm以下の多孔質WS−GPを作製することができた。
ここで、WS粉末とBFSを複合使用した場合、密度が1.0g/cm以下の多孔質WS−GPを作製することはできるが、0.7g/cm以下のものを作製し難い。これは、BFSにCaOが多く存在するため、BFSを併用した場合、過酸化水素水の反応が速くなり、急速に生成した酸素気泡のサイズが大きく分布が不均一になり、また、発泡が急速であるから過酸化水素水の混合と供試体成型の過程で気泡のロスが多くなったためと考えられる。
図4により、調合が同じである場合、供試体の作製時の環境温度(Tm)は低い方が、密度が小さい多孔質WS−GP硬化体を容易に作製できる。これは、環境温度によって発泡速度が異なるためである。環境温度が高いほど、酸素を生じる反応は速く、過酸化水素水の混合と供試体成型の過程で気泡のロスが多い。
ここで、過酸化水素水の発泡反応時間は、環境温度に依存し、5〜10分程度である。今回の実験方法はGPに過酸化水素水を添加・混合してから型枠の充填まで2分間以上の時間がかかった。この期間に生じた気泡のロスが発生するおそれがある。また、気泡の発生に伴って、GPの硬化反応が加速する。練混ぜと供試体の成型は、硬化反応で形成した構造の一部を破壊すると考えられる。したがって、発泡剤の添加率を低減し、硬化後の強度を高めるためには、多孔質GP硬化体の製造には連続攪拌成型機の使用が好ましい。
表2に示す調合によって、フライアッシュ JIS II種(FA)を活性フィラー(AF)として、過酸化水素水と混和材1を添加して、多孔質FA−GP硬化体を作製して、気中乾燥密度と圧縮強度を測定した。
本実施例で使用したFAは、実施例1で使用したものと同じである。また、No.17の例では、一部のFAをBFS(高炉スラグ粉末)で代替した。このBFSも実施例1で使用したものと同じである。
アルカリ溶液(GPs)としては、ナトリウム系JIS1号水ガラス水溶液(24%濃度)と、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)(モル濃度10M)とを3:1の体積比で混合したものを使用した。
混和材1(A)としては、普通ポルトランドセメントを使用した。活性フィラーと混和材1の合量に対して混和材1(A)が15〜25質量%となるように調合した。
発泡剤としての過酸化水素水(濃度30%)は、活性フィラー(AF)と混和材1(A)の合量に対して2質量%又は3質量%となるように調合した。
多孔質FA−GPの練混ぜ方法と供試体の作製方法は、実施例1と同じとした。供試体の養生方法は、28日材齢まで20±3℃、60±5%R.H.の恒温恒湿室での養生(以下「常温養生」と略称)と、60±3℃の温度で6時間養生した後に28日材齢まで20±3℃、60±5%R.H.の恒温恒湿室での養生(以下「高温養生履歴があった」と略称)の2種類とした。
材齢28日になってから圧縮強度を測定した。また、圧縮強度の測定前に60±5%R.H.の気中乾燥嵩密度を測定した。常温養生の多孔質FA−GP供試体の圧縮強度と密度を図5に、高温養生履歴があった多孔質FA−GP供試体の圧縮強度と密度を図6に示す。
実験結果にばらつきがあるが、図5及び図6より、過酸化水素水と混和材1の添加で密度が1.0g/cm以下の多孔質FA−GP硬化体を製造できることが認められた。また、多孔質FA−GPの密度が0.6g/cm以下であれば、常温養生と高温養生履歴があった供試体の圧縮強度に大きな違いは見られず、1.0〜2.0MPa程度であった。密度が0.6〜0.7g/cmの範囲に入ると、常温養生の方が、供試体の圧縮強度は高く3.0MPa以上であった。すなわち、常温養生で圧縮強度が3.0MPa以上の多孔質FA−GP硬化体を製造可能である。
図5より、液固比を40%とすれば、常温養生で密度が0.60g/cm程度であり、圧縮強度が3.0MPa以上の多孔質FA−GP硬化体を製造できる。これに対して、図6に示すように、高温養生履歴があった場合、圧縮強度が3.0MPa以上の多孔質FA−GP硬化体の密度は0.67g/cm以上であった。これは、高温養生履歴があった場合に供試体の打込み面を封緘しても、乾燥収縮が大きく、内部にひび割れが生じるためであろうと思われる。
フライアッシュ(FA)の一部を高炉スラグ粉末(BFS)に代替すると、密度が1.0g/cm以下の多孔質FA−GP硬化体を製造できたが、密度を0.8g/cm以下にすることは難しい。また、密度が0.8g/cm以上であっても、圧縮強度は、フライアッシュのみを用いた多孔質GPより小さかった。これは前述のとおり、BFSにCaOが多く存在するため、BFSを併用した場合、過酸化水素水の反応が速くなり、急速に生成した酸素気泡のサイズが大きく分布が不均一になり、また、発泡が急速であるから過酸化水素水の混合と供試体成型の過程で気泡のロスが多くなったためと考えられる。
実施例1及び実施例2で説明したように、高炉スラグ粉末(BFS)にはCaOが多く存在するため過酸化水素水の反応が急速になり、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(WS)やフライアッシュ(FA)とBFSを複合使用した場合には、密度が0.7g/cm以下の多孔質GP硬化体を混和材1の添加で作製するのは困難である。
本実施例では、混和材料として「混和材1」の代わりに「混和材2」を使用し、過酸化水素水の添加で高炉スラグ粉末(BFS)を単独使用した多孔質GP硬化体の作製を試みた。また、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(WS)、フライアッシュ(FA)を活性フィラー(AF)とした多孔質GP硬化体の作製への混和材2の適用性も検証した。
混和材2としては、天然ゼオライト粉末を使用した。この天然ゼオライト粉末の密度は2.30g/cm、比表面積は3700cm/gで、主な化学成分はSiO(70.3質量%)、Al(11.5質量%)及びCaO(2.5質量%)であった。また、本実施例で使用した活性フィラーの性質は、実施例1と同様であった。アルカリ溶液は、実施例2と同様のものを使用した。
多孔質GP硬化体の調合を表3に示す。供試体の作製、養生方法及び性能の測定方法は、実施例2と同じとした。実験結果を図7に示す。脱型後に表層部や端面に欠陥があった供試体の測定結果は図7に含まれていない。
天然ゼオライト粉末を混和材料として添加すると、高炉スラグ粉末(BFS)を単独使用しても、密度が1.0g/cm以下の多孔質BFS−GP硬化体を問題なく作製できた。また、フライアッシュ(FA)を併用した場合でも、密度が0.7g/cm以下の多孔質GP硬化体を作製できた。天然ゼオライト粉末を添加すると、過酸化水素水の反応による気泡の生成は、セメント(混和材1)を添加した場合より遅くなることを観察した。このため、酸素気泡のロスが少なくなり、作製した多孔質GP硬化体の密度は小さくなった。高炉スラグ粉末(BFS)を用いたGPの凝結は早く、凝結開始までの時間は10〜30分間程度しかない。これは、CaOの影響であると考えられる。天然ゼオライト粉末の表面は肉眼では見えないが、スポンジのように無数の穴をもつ多孔質構造で、イオンの吸着機能を有する。天然ゼオライト粉末は、活性フィラーから溶出したカルシウムイオンCa2+を吸着して、過酸化水素水の発泡反応を遅らせる。また、天然ゼオライト粉末は、水を吸着できるため、GPの硬化前の粘度を高め、酸素気泡のロスを減少する。この二つの理由から、天然ゼオライト粉末を添加すると、高炉スラグ粉末(BFS)を単独使用しても、密度が1.0g/cm以下の多孔質BFS−GP硬化体を作製できた。
また、図7より、高炉スラグ粉末(BFS)と天然ゼオライト粉末を併用すれば、気中乾燥密度が0.7g/cm程度である場合、圧縮強度は3MPa以上である。高温養生履歴がBFSやWSを用いた多孔質GP硬化体の強度に与える影響ははっきり見られないが、フライアッシュ(FA)の場合には高温養生履歴ありの方が圧縮強度は高かった。No.21(WS 38−35−3)の多孔質GP硬化体の強度が低いのは、天然ゼオライト粉末の添加率が大きいためである。
実施例1〜3の結果に示すように、発泡剤と混和材料として「混和材」(混和材1又は混和材2)の添加で密度が1.0g/cm以下の多孔質GP硬化体を作製できた。本実施例では、過酸化水素水を発泡剤とし、混和材料として「混和剤」を単独使用、又は「混和材」と複合使用して多孔質GP硬化体を試作した。その調合を表4に示す。
発泡剤として使用した過酸化水素水、活性フィラーとして使用した都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(WS)、フライアッシュ(FA)及び高炉スラグ粉末(BFS)、並びに「混和材」として使用した混和材1(普通ポルトランドセメント)と混和材2(天然ゼオライト粉末)は、実施例1〜3と同じとした。
「混和剤」として、粒径が50〜150μmのステアリン酸亜鉛粉末を新規に使用した。表5に示す調合に従って、多孔質GP硬化体の供試体を作製した。試料の練混ぜ時に、まず混和剤と活性フィラー又は活性フィラーと混和材の混合物を1分間混合した。次に、アルカリ溶液を投入して3分間練り混ぜた。最後に、発泡剤を投入し、30秒練り混ぜた後に、迅速に円柱型枠に装入した。直径5cm×高さ10cmの円柱状の供試体を調合ごとに3本作製した。その後、1本を50℃の高温で6時間養生した後に、7日材齢まで20℃の常温養生を行った。残りの2本を20℃の温度で28日養生を行った。所定の養生材齢になると、気中乾燥嵩密度と圧縮強度をそれぞれ測定した。
図8に、多孔質GP硬化体の圧縮強度と気乾嵩密度の試験結果を示す。都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末(WS)やフライアッシュ(FA)や高炉スラグ粉末(BFS)を活性フィラーとした場合、混和材を使用せず混和剤を単独に使用しても、密度が1.0g/cm以下の多孔質GP硬化体を作製できた。これは、混和剤の添加によって、硬化前の粘性を増大させ、生成される気泡のサイズを小さくしたためである。
図9に、混和剤を添加した多孔質GP硬化体の比強度に及ぼす混和材の添加の影響を示す。同図より、混和材2(天然ゼオライト粉末)を添加したNo.24(BFS 48−20−2−3)の比強度は無添加のNo.23(BFS 48−0−2−3)より低いことが認められた。また、混和材1(普通ポルトランドセメント)を添加したNo.29(FA 44−20−2−3)の比強度は、活性フィラーが同種類で混和材1を添加しなかったNo.27(FA 42−0−4−3)とNo.28(FA 43−0−3−3)より大きい傾向が見られた。これによって、混和材2の添加はGP硬化体の強度を減少し、混和材1は増強効果があることがわかった。
以上の結果によって得られた知見をまとめると以下のとおりある。
(1)発泡剤としてアルミニウム粉末や過酸化水素水のみを添加したとしても、発泡反応が激しく、生成した気泡はほとんど逸脱して、密度が1.0g/cm以下の多孔質GP硬化体を作製できない。
(2)本発明において提案した「混和剤」は、ジオポリマー硬化前の粘性を増大し、発泡反応による気泡のサイズを小さくし、気泡の分布の均一性を高める効果がある。これによって、硬化前の気泡脱出が抑制され、密度が1.0g/cm以下の多孔質GP硬化体を作製できる。この混和剤は、発泡剤と活性フィラーの種類に関わらず、適用できる。
(3)本発明において提案した2種類の混和材(「混和材1」、「混和材2」)を添加することによっても、密度が1.0g/cm以下の多孔質GP硬化体を作製できる。
混和材1の添加は、ジオポリマーの硬化前の粘性を増大するため、気泡の脱出を抑制できる。また、混和材1は多孔質GP硬化体の強度を増大する効果も有する。この混和材1は、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末、フライアッシュなどの硬化反応が早くない多孔質GP硬化体の作製に好適に適用できる。
一方、混和材2の添加は、ジオポリマーの硬化前の粘性を増大するだけでなく、Ca2+ などのイオンの吸着で発泡反応の速度を遅らせるため、いずれの活性フィラーを用いたジオポリマーにも適用できる。特に、高炉スラグ粉末や流動床石炭灰を用いたジオポリマーの発泡に好適に適用できる。ただし、ジオポリマー硬化後の強度を確保する点から、混和材2の添加率は30%以下にすることが好ましい。
(4)過酸化水素水と混和材料(混和剤、混和材1、混和材2)の併用によって、JIS A 5416の圧縮強度規格(3.0MPa以上)に適合し、密度が1.0g/cm以下の多孔質GP硬化体を作製できる。この多孔質GP硬化体の28日材齢の圧縮強度は、高温養生履歴の有無に拘わらず同程度であり、常温養生で前記多孔質GP硬化体を作製できる。
(5)カリウム系のアルカリ溶液を使っても、JIS A 5416の圧縮強度規格に適合し、密度が1.0g/cm以下の多孔質GP硬化体を作製できる。
(6)都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末、フライアッシュ、高炉フラグ粉末では、2種類以上の活性フィラーを併用しても、JIS A 5416の圧縮強度規格に適合し、密度が1.0g/cm以下の多孔質GP硬化体を作製できる。
(7)過酸化水素水やアルミニウム粉末の発泡時間は1〜10分程度で、ジオポリマーの硬化反応は過酸化水素水やアルミニウム粉末の添加によって速くなるため、練混ぜと成型過程の時間を短縮することは、多孔質GP硬化体に要求される密度と圧縮強度を達成することに対して重要である。
(8)混和剤の添加によって、気泡のサイズが小さくなり、分布が均一になるため、作製した多孔質GP硬化体の強度は増大し、密度の作製時の環境温度への依存性が低くなる。このため、混和剤と混和材(混和材1、2)の併用が好ましい。
以上のとおり、アルカリ性が高いジオポリマーに発泡剤を添加すると、発泡反応が激しく、形成した気泡がGP硬化体の外に逃げて、多孔質のものを作製できない。これに対して、本発明では、混和材料(混和剤、混和材1、混和材2)の添加で、前述のようにジオポリマーの硬化前の粘性が増大する、あるいは発泡反応が遅くなることによって、気泡の脱出が抑制され、多孔質硬化体を作製できる。原理からみると、本発明は、いずれの活性フィラーにも適用できる。ただし、活性フィラーの種類に応じて、上記の混和材料を適切に選択することは重要である。
前述した各実施例では、発泡剤として過酸化水素水を使ったが、本発明で提案した前記の混和材料を使用すれば、アルミニウム粉末のように発泡反応が速くても、水素気泡の脱出を抑制でき、密度が1.0g/cm以下の多孔質GP硬化体を作製できる。また、シリコン粉末も同様に発泡剤として使用可能であり、本発明で提案した前記の混和剤を使用すれば、気泡のサイズが小さくなり、気泡の分布が改善でき、強度を向上する効果がある。

Claims (5)

  1. アルカリ溶液中で金属イオンを溶出でき、SiO成分及びAl成分を含む活性フィラーと、アルカリ溶液と、発泡剤と、硬化前の粘性を増大させる増粘機能とともに気泡の寸法を小さくする整泡機能を有する混和剤、硬化前の粘性を増大させる増粘機能とともに硬化後の強度を増大させる増強機能を有する混和材1、硬化前の粘性を増大させる増粘機能とともに発泡反応を遅延させる発泡遅延機能を有する混和材2のうち少なくとも1種類とを混練し、養生して得られた多孔質ジオポリマー硬化体。
  2. 前記活性フィラーが、都市ごみ焼却灰溶融スラグ粉末、高炉スラグ粉末、流動床石炭灰、フライアッシュ、メタカオリン及び下水汚泥焼却灰溶融スラグ粉末のうち少なくとも1種類を含むものである、請求項1に記載の多孔質ジオポリマー硬化体。
  3. 前記混和剤はステアリン酸塩、混和材1はポルトランドセメント又は混合セメント、混和材2はリン酸化キチン、リン酸化キトサン、リン酸化セルロースのリン酸化多糖類、アルギン酸、酸化二オブ、酸化チタン、陽イオン交換樹脂及びゼオライトのうち少なくとも1種類である、請求項1又は2に記載の多孔質ジオポリマー硬化体。
  4. 前記発泡剤が、過酸化水素水、アルミニウム粉末及びシリコン粉末のうち少なくとも1種類である、請求項1から3のいずれかに記載の多孔質ジオポリマー硬化体。
  5. 前記アルカリ溶液が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムとの混合水溶液である、請求項1から4のいずれかに記載の多孔質ジオポリマー硬化体。
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