JP2016222401A - 移動式クレーンの作動制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
これら特許文献1及び2に係る技術は、いずれもバッテリからの電力供給を受けて駆動する電動モータのエネルギー消費を低減する技術となっている。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、バッテリ残量の不足によって移動式クレーンが現場から移動できない状態となるのを回避するのに好適な移動式クレーンの作動制御装置を提供することを目的としている。
これによって、移動式クレーンが、バッテリ残量の不足によって現場から移動できない状態となるのを回避することが可能となる。また、走行可能状態へと移行時は誤操作等による走行可能状態へ移行させるのに不要な作動内容の作動を防ぐことが可能となり、不要なバッテリ消費を防げると共に速やかな走行可能状態への移行が可能になる。
このような構成であれば、移動式クレーンが荷を吊っている状態でバッテリ残量が低残量閾値範囲内となっても、クレーン装置を作動して吊り荷を降ろして、クレーン装置及びアウトリガ装置を走行可能状態へ移行させることが可能である。更に、走行可能状態へ移行させた後に、予め設定した走行時間の走行を行うことが可能である。
これによって、荷を吊った状態の移動式クレーンが、バッテリ残量の不足によって現場から移動できない状態となるのを回避することが可能となる。
これによって、吊り荷がある状態のときと無い状態のときとで、より適切な作動内容の作動のみに制限することが可能となり、誤操作等による不要なバッテリ消費をより確実に防ぐことが可能となる。
これによって、走行可能状態へ移行させるのに不要な作動内容の作動を確実に阻止することが可能となる。
これによって、操作者の判断で、例えば、現場からの速やかな移動が必要な場合は、リザーブモードへと移行し、そうでない場合は、例えば、バッテリを充電して作業を継続するといった選択が可能となる。
これによって、例えば、クレーン装置、アウトリガ装置及び走行装置の少なくとも1つを、油圧アクチュエータを用いずに電動モータで駆動する構成の移動式クレーンについても、上記形態1と同等の作用及び効果を得ることが可能となる。
また、以下に示す第1〜第2実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(構成)
本発明の第1実施形態に係る移動式クレーン1Aは、図1(a)及び(b)に示すように、機体80を備え、その機体80上に、クレーン装置4と、アウトリガ装置7とが搭載されている。
更に、機体80の前方(クレーンの前進方向と同じ)には、上部にバッテリユニット制御ボックス3が搭載されたバッテリユニット2が設けられ、機体80の後方には、走行用操作レバー6R及び6Lが設けられている。また、バッテリユニット制御ボックス3の上部には、図示省略するが、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を操作するための各種操作レバーやスイッチを備えた機体側操作装置503が設けられている。
右クローラ装置100Rは、図2に示すように、当該右クローラ装置100Rを独立駆動させるための油圧アクチュエータとして、右走行用モータ103Rを備え、左クローラ装置100Lは、当該左クローラ装置100Lを独立駆動させるための油圧アクチュエータとして、左走行用モータ103Lを備えている。これら右走行用モータ103R及び左走行用モータ103Lは、図2に示すように、何れも油圧ポンプ50からコントロールバルブ8を介して圧油を供給することにより作動するようになっている。
なお、第1実施形態に係る移動式クレーン1Aは、図1(a)及び(b)に示すように、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の双方が格納状態のときにクローラ装置100による走行が可能な状態(以下、「走行可能状態」と記載する場合がある)となる。
また、移動式クレーン1Aは、機体80の内部に、図2に示す、油圧ポンプ50を含んで構成される圧油供給装置5と、この圧油供給装置5から供給される圧油の油路を切換制御する各種切換制御弁が積層されたスタック型のコントロールバルブ8とを備えている。
電動モータ23は、油圧ポンプ50に連結されており、バッテリ21からの電力供給を受けて駆動し、その駆動力によって油圧ポンプ50を駆動するように構成されている。
バッテリユニット制御ボックス3は、図2に示すように、内部にコントローラ9A及びモータドライバ31を備えている。
なお、遠隔操作装置500の操作部の操作に応じて無線送信される遠隔操作信号Rctrは、図3に示すように、受信機501を介して、コントローラ9Aに入力されるようになっている。
モータドライバ31は、信号線(図示略)を介してコントローラ9Aと接続されており、図3に示すように、コントローラ9Aからモータ制御信号Mctrが入力される。そして、モータドライバ31は、コントローラ9Aから入力されたモータ制御信号Mctrに基づき、電動モータ23を駆動制御するようになっている。
なお、第1実施形態において、バッテリ21は、電動モータ23以外にも、コントローラ9A、モータドライバ31等を含む全ての電気装置に対して電力を供給している。
即ち、第1実施形態の移動式クレーン1Aは、バッテリ21からの電力供給のみで各種コントローラや電動モータ23等の電気装置を駆動し、電動モータ23の駆動力によって油圧ポンプ50を駆動することで、クレーン装置4、アウトリガ装置7、及びクローラ装置100を作動させるようになっている。
また、図2に示す、バッテリユニット2、圧油供給装置5及びコントロールバルブ8から圧油供給システムが構成される。
コラム40は、機体80上に旋回自在に設けられ、ブーム41は、入れ子式で伸縮自在に構成されかつコラム40の上端部に起伏自在に枢支されている。
ウインチ42は、コラム40の内部に設けられ、このウインチ42からワイヤロープ43をブーム41の先端部に導いて、ブーム41の先端部の滑車(図示略)を介してフック44に掛け回すことにより、フック44がブーム41の先端部から吊り下げられている。
そして、これらの油圧アクチュエータ400、401、402及び403は、図2に示すように、何れも油圧ポンプ50からコントロールバルブ8を介して圧油を供給することにより作動するようになっている。
なお、第1実施形態において、コントローラ9A、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25、及び荷重検出器45は、移動式クレーン1Aの作動制御装置を構成する。
そして、これらのアウトリガシリンダ70FR、70FL、70BR及び70BLは、図2に示すように、何れも油圧ポンプ50からコントロールバルブ8を介して圧油を供給することにより作動するようになっている。
また、コントロールバルブ8は、走行用切換制御弁11と、クレーン用切換制御弁12と、ブーム起伏用切換制御弁14と、ウインチ用切換制御弁15と、ブーム伸縮用切換制御弁16と、旋回用切換制御弁17と、アウトリガ用切換制御弁18と、アウトリガシリンダ用切換制御弁19とを含んで構成される。
走行用切換制御弁11は、図2に示すように、走行用操作レバー6Rの操作に応じて右走行用モータ103Rに対する圧油の油路を切り換える右走行用切換制御弁111Rと、走行用操作レバー6Lの操作に応じて左走行用モータ103Lに対する圧油の油路を切り換える左走行用切換制御弁111Lとを含んで構成される。
また、ウインチ用切換制御弁15は、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503の操作に応じてウインチ用油圧モータ401に対する圧油の油路を切り替えるためのウインチ用スプール151と、ウインチ用スプール151の作動位置L2を検出するための第2差動トランス153とを備えている。
また、旋回用切換制御弁17は、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503の操作に応じて旋回用油圧モータ403に対する圧油の油路を切り替えるための旋回用スプール171と、旋回用スプール171の作動位置L4を検出するための第4差動トランス173とを備えている。
各切換制御弁14〜18は、信号線(図示略)を介してコントローラ9Aと接続しており、第1〜第5差動トランス143〜183で検出された作動位置L1〜L5の検出信号(以下、「作動位置信号L1〜L5」と記載する場合がある)は、図3に示すように、コントローラ9Aへと入力されるようになっている。即ち、コントローラ9Aは、作動位置信号L1〜L5によって、各スプール141〜181の差動内容(切換位置)を把握することが可能となっている。
各アウトリガシリンダ切換弁19FR、19FL、19BR、及び19BLは、信号線(図示略)を介してコントローラ9Aと接続しており、図3に示すように、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503の操作に応じてコントローラ9Aから入力される制御信号Actr2〜5によって作動制御される。
コントローラ9Aは、バッテリ21の電圧Vbを監視し、バッテリ21の残量が低減したときに、操作者の操作装置の操作によるリザーブモードへと移行する。そして、リザーブモードに移行すると、移動式クレーン1Aが、予め設定した走行時間を走行可能なバッテリ残量で走行可能状態へと移行できるように、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の作動内容を制御する低残量時作動制御処理を実行するようになっている。
ここで、リザーブモードへの移行は、機体80に設けられたリザーブスイッチ35(図示略)を、操作者が手動でON状態にすることによって移行可能となっている。なお、リザーブスイッチは、遠隔操作装置500の方にも設ける構成としてもよい。
モード制御部900は、バッテリ21の電圧Vbに基づき、電動モータ23を停止させるモードであるモータ停止モードへの移行指令をモータ停止処理部902に出力したり、リザーブスイッチ35のON/OFF状態を示すスイッチ信号Rswに基づき、リザーブモードへの移行指令をリザーブモード処理部904Aに出力したりする処理を行う。
リザーブモード処理部904Aは、モード制御部900からのリザーブモードへの移行指令に応じて、リザーブモードへと移行する。そして、遠隔操作装置500からの遠隔操作信号Rctrと、機体側操作装置503からの操作信号Ctrと、コントロールバルブ8からの作動位置信号L1〜L5と、荷重検出器45からの荷重検出信号Wpとに基づき、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の作動を制限する処理を行う。
ここで、第1実施形態の移動式クレーン1Aは、クレーン装置4及びアウトリガ装置7が格納されていない状態ではクローラ装置100による走行ができないように構成されている。
第1実施形態において、非荷下ろし操作は、ブーム41の伸張動作、アウトリガ装置7の張出動作を行う操作といった吊り荷を降ろすのに不要な操作となる。
また、非格納操作は、ブーム41の伸張動作、ウインチ42の巻下げ動作、ブーム41の起動作、アウトリガ装置7の張出動作を行う操作といったクレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに不要な操作となる。
なお、第1実施形態において、低残量時作動制御処理は、メインルーチン(図示略)に呼び出されて繰り返し実行されるサブルーチンとなっている。
コントローラ9Aにおいて低残量時作動制御処理のプログラムが実行されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、モード制御部900において、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25からの電圧Vbに基づき、電圧Vbが予めROMに格納された第1電圧閾値Vth1(以下、単に「Vth1」と記載する場合がある)以上か否かを判定する。そして、Vth1以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS102に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、モータ停止処理部902に対してモータ停止モードへの移行指令を出力して、ステップS104に移行する。
具体的に、Vth1は、例えば、クレーン装置4の吊り荷を地面に降ろすのに必要な作動内容に要する電力と、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容に要する電力と、走行可能状態となった後に、移動式クレーン1Aの設定走行時間の走行に要する電力とを供給可能なバッテリ残量を示す電圧値よりも大きな電圧値に設定されている。
ステップS102に移行した場合は、コントローラ9Aにおいて、現在のモードが通常動作モードであれば通常動作モードを継続し、現在のモードがモータ停止モードであれば通常動作モードへと移行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、Vth2は、Vth1よりも小さい値に設定され、例えば、リザーブモードへの移行が可能なバッテリ残量の下限値を示す電圧値に設定されている。即ち、電圧VbがVth2未満である場合、リザーブモードへの移行が不可能な状態となる。
なお、設定走行時間は、移動式クレーン1Aが現場から脱出するまでに必要(例えば搬送用トラックに乗せるまでに必要)な時間が現場毎に異なるため、例えば、予め設定した範囲内で操作者が任意の時間を設定可能な構成としてもよい。この場合、コントローラ9Aは、設定された時間に基づき、必要な電力(バッテリ残量)を計算して(あるいは予め設定した閾値電圧マップを参照して)、第1電圧閾値Vth1及び第2電圧閾値Vth2を設定する。
ステップS110に移行した場合は、リザーブモード処理部904Aにおいて、モード制御部900からのリザーブモードの移行指令に応じて、現在のモードがリザーブモードである場合はリザーブモードを継続し、そうでない場合はリザーブモードに移行する。その後、ステップS112に移行する。
一方、ステップS116に移行した場合は、リザーブモード処理部904Aにおいて、遠隔操作信号Rctr及び操作信号Ctrと、作動位置信号L1〜L5とに基づき、非荷下ろし操作が実施されたか否かを判定する。そして、非荷下ろし操作が実施されたと判定した場合(Yes)は、ステップS118に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS106に移行する。
即ち、非格納操作又は非荷下ろし操作に対して、強制的に油圧ポンプ50の回転を停止させることで、非格納操作又は非荷下ろし操作に対する作動内容が作動しないようにする。
次に、第1実施形態に係る移動式クレーン1Aの動作を説明する。
移動式クレーン1Aの電源が投入されると、バッテリ21から各種電気装置に電力が供給されクレーン装置4、アウトリガ装置7及びクローラ装置100が作動可能な状態となる。操作者は、走行用操作レバー6R及び6L、又は遠隔操作装置500の操作によってクローラ装置100を作動させて移動式クレーンを作業現場まで移動する。作業現場に移動すると、次に操作者は、手動でアウトリガ装置7を張り出し方向に旋回し、その後、遠隔操作装置500又は機体側操作装置503(以下、「操作装置500又は503」と略記する)の操作によって、現場の地形に合わせたアウトリガ装置7の張り出し動作を行い、移動式クレーン1Aを全周同一の吊上げ性能を確保可能な状態とする。
一方、コントローラ9Aは、バッテリ21からの電力供給に応じて、CPUにおいてROMに格納されたメインプログラム(メインルーチン)を実行し、メインルーチンからサブルーチンである低残量時作動制御処理のプログラムを呼び出して実行する。
ここでは、バッテリ21として、48[V]のバッテリを採用することとし、通常動作モード時の使用電圧V1の範囲を「47[V]≦V1≦48[V]」として、第1電圧閾値Vth1を47[V]に設定する。加えて、リザーブモード時の使用電圧V2の範囲を「46.8[V]≦V2<47[V]」として、第2電圧閾値Vth2を46.8[V]に設定する。
その後、バッテリ21の残量が減少していき、電圧Vbが47[V]未満となると、コントローラ9Aは、モータドライバ31に対して電動モータ23の動作を停止するモータ制御信号Mctrを出力する。これにより、電動モータ23の動作が停止する。即ち、移動式クレーン1Aが作動途中の状態で動作を停止する。
具体的に、操作者が操作装置500又は503によって非荷下ろし操作を行った場合に、作動位置信号L1〜L5や、コントローラ9Aに入力される操作信号から作動内容を検出する。コントローラ9Aは、非荷下ろし操作に対応する作動内容を検出した場合に、直ちにアンロード弁作動用電磁弁122に対して作動信号Uoを送信し、アンロードを実行させると共に、電動モータ23の動作を指令するモータ制御信号Mctrのモータドライバ31への出力を停止し、電動モータ23を停止させることで、油圧ポンプ50の回転を停止する。これにより、非荷下ろし操作に対応する作動内容を作動しないようにする。
図6中の「○」で示す作動内容の作動によって、吊り荷を地面に降ろした後は、荷重Wpが0[N]となるため、コントローラ9Aは、クレーン装置4が荷を吊っていない状態であると判定する。
この場合、コントローラ9Aは、図7中の「×」で示す、非格納操作に対応する作動内容の作動を禁止する。即ち、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに不要な作動内容である、クレーン装置4のブーム41の伸張動作及び起動作、並びにウインチ42の巻下げ動作と、アウトリガ装置7の張出動作とについて作動を禁止する。
一方、コントローラ9Aは、図7中の「○」で示す、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容である、クレーン装置4のブーム41の縮小動作、伏動作及び旋回動作、並びにウインチ42の巻上げ動作と、アウトリガ装置7の格納動作とについて作動を許可する。
ここで、コントローラ9Aは、作動制御部に対応し、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25は、バッテリ残量検出部に対応し、荷重検出器45及びコントローラ9A(リザーブモード処理部904A)は、吊り荷検出部に対応する。
また、Vth2以上Vth1未満の範囲に対応するバッテリ21の残量の範囲は、低残量閾値範囲に対応する。
第1実施形態に係る移動式クレーン1Aの作動制御装置は、コントローラ9Aにおいて、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25で検出したバッテリ21の電圧VbがVth2以上Vth1未満の範囲内であると判定したときに、荷重検出器45で検出した荷重Wpに基づき、荷重を検出した(クレーン装置4が荷を吊っている状態である)と判定したときには、吊り荷を降ろすのに必要な作動内容の作動のみを許可するようにした。一方、荷重を検出しなかった(クレーン装置4が荷を吊っていない状態である)と判定したときには、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容の作動のみ許可するようにした。
加えて、第1実施形態に係る移動式クレーン1Aの作動制御装置は、Vth2以上Vth1未満の範囲を、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納状態にして、かつ、設定走行時間の走行を行うことができるバッテリ残量を確保可能な電圧の範囲に設定するようにした。
また、格納状態に移行時は、誤操作等による格納状態とするのに不要な作動内容の作動を防ぐことが可能となり、不要なバッテリ消費を防げると共に速やかな格納状態への移行が可能となる。特に、吊り荷がある状態のときと無い状態のときとで、より適切な作動内容の作動のみに制限することが可能となり、誤操作等による不要なバッテリ消費をより確実に防ぐことが可能となる。
これによって、格納状態とするのに不要な作動内容の作動を、他の許可された作動内容の作動へと速やかに移行できる状態で阻止することが可能となる。
これによって、操作者の判断で、例えば、現場からの速やかな移動が必要な場合は、リザーブモードへと移行し、そうでない場合は、例えば、外部充電器によってバッテリ21を充電して作業を継続するといった選択が可能となる。
(構成)
本発明の第2実施形態に係る移動式クレーン1Bは、上記第1実施形態に係る移動式クレーン1Aから、荷重検出器45を取り除いた構成となる。加えて、上記第1実施形態のコントローラ9Aに代えて、コントローラ9Bを備えた構成となる。
以下、上記第1実施形態と同じ部分については適宜説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
第2実施形態に係るコントローラ9Bは、図8に示すように、上記第1実施形態に係るコントローラ9Aの機能部であるリザーブモード処理部904Aに代えて、リザーブモード処理部904Bを備えた構成となる。また、第2実施形態に係るコントローラ9Bは、上記第1実施形態に係るコントローラ9Aと異なり、荷重検出器45からの荷重検出信号Wpの入力が無い。即ち、図8に示すように、リザーブモード処理部904Bには、荷重検出信号Wpが入力されない構成となる。
第2実施形態に係るリザーブモード処理部904Bは、モード制御部900からのリザーブモードへの移行指令に応じて、リザーブモードへと移行する。そして、遠隔操作装置500からの遠隔操作信号Rctrと、機体側操作装置503からの操作信号Ctrと、コントロールバルブ8からの作動位置信号L1〜L5とに基づき、移動式クレーン1Bの各種装置の作動を制限する処理を行う。
次に、図9に基づき、第2実施形態に係る低残量時作動制御処理の具体的な処理手順を説明する。なお、第2実施形態において、低残量時作動制御処理は、メインルーチン(図示略)に呼び出されて繰り返し実行されるサブルーチンとなっている。
コントローラ9Bにおいて低残量時作動制御処理のプログラムが実行されると、図9に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS212では、リザーブモード処理部904Bにおいて、遠隔操作信号Rctr及び操作信号Ctrと、作動位置信号L1〜L5とに基づき、不許可作動操作が実施されたか否かを判定する。そして、不許可作動操作が実施されたと判定した場合(Yes)は、ステップS214に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS206に移行する。
ここで、コントローラ9Bは、作動制御部に対応し、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25は、バッテリ残量検出部に対応する。
また、Vth2以上Vth1未満の範囲に対応するバッテリ21の残量の範囲は、低残量閾値範囲に対応する。
第2実施形態に係る移動式クレーン1Bの作動制御装置は、コントローラ9Bにおいて、モータドライバ31のバッテリ電圧検出機能25で検出したバッテリ21の電圧VbがVth2以上Vth1未満の範囲内であると判定したときに、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の作動を、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納状態にするのに必要な作動内容(不許可作動操作に対応する作動内容以外の作動内容)の作動のみに制限するようにした。
加えて、第2実施形態に係る移動式クレーン1Bの作動制御装置は、Vth2以上Vth1未満の範囲を、クレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納状態にして、かつ、予め設定した走行時間の走行を行うことができるバッテリ残量を確保可能な電圧の範囲に設定するようにした。
また、クレーン装置4及びアウトリガ装置7の吊り荷を降ろすのに必要な作動内容、並びにクレーン装置4及びアウトリガ装置7を格納するのに必要な作動内容以外の不要な作動内容の作動を防ぐことが可能となり、不要なバッテリ消費を防げると共に速やかな格納状態への移行が可能となる。
(1)上記各実施形態では、非荷下ろし操作を、ブーム41の伸張動作、及びアウトリガ装置7の張出動作に対応する操作としたが、この構成に限らない。例えば、アウトリガ装置7の格納動作に対応する操作も非荷下ろし操作に含む構成としてもよい。
(2)上記各実施形態では、リザーブスイッチ35を機体80側にのみ設ける構成としたが、この構成に限らず、遠隔操作装置500側にも設ける構成としてもよい。
(5)上記各実施形態では、クローラ装置で走行する構成の移動式クレーンを例に挙げて説明したが、この構成に限らず、車輪等の他の走行手段で走行する構成の移動式クレーンに対しても本発明は適用可能である。
2 バッテリユニット
3 バッテリユニット制御ボックス
4 クレーン装置
5 圧油供給装置
7 アウトリガ装置
8 コントロールバルブ
9A,9B コントローラ
12 クレーン用切換制御弁
14 ブーム起伏用切換制御弁
15 ウインチ用切換制御弁
16 ブーム伸縮用切換制御弁
17 旋回用切換制御弁
18 アウトリガ用切換制御弁
19 アウトリガシリンダ用切換制御弁
21 バッテリ
23 電動モータ
25 バッテリ電圧検出機能
35 リザーブスイッチ
40 コラム
41 ブーム
42 ウインチ
45 荷重検出器
121 メインリリーフ弁(アンロード弁)
122 アンロード弁作動用電磁弁
141〜181 第1〜第5差動トランス
Claims (7)
- バッテリと、該バッテリから供給される電力で駆動する電動モータと、該電動モータにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される圧油の油路を切り換える切換制御弁と、該切換制御弁から吐出される圧油により駆動される油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータにより駆動されるクレーン装置、アウトリガ装置及び走行装置とを備え、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置が格納状態のときに前記走行装置による走行が可能な移動式クレーンの作動制御装置であって、
前記バッテリの残量を検出するバッテリ残量検出部と、
前記移動式クレーンの操作内容に基づき、前記切換制御弁を制御することで前記クレーン装置、前記アウトリガ装置及び前記走行装置の作動内容を制御する作動内容制御部と、を備え、
前記作動内容制御部は、前記バッテリ残量検出部の検出結果に基づき、前記バッテリの残量が予め設定した低残量閾値範囲内であると判定すると、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記走行装置による走行が可能な走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限するように制御し、
前記低残量閾値範囲は、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な電力、及び前記走行可能状態へ移行させた後に予め設定した走行時間の走行が可能な電力を供給可能な前記バッテリの残量の範囲に設定されていることを特徴とする移動式クレーンの作動制御装置。 - 前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容は、前記クレーン装置の吊り荷を降ろすのに必要な作動内容、並びに前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置を格納するのに必要な作動内容であることを特徴とする請求項1に記載の移動式クレーンの作動制御装置。
- 前記クレーン装置が荷を吊っている状態であるか否かを検出する吊り荷検出部を備え、
前記作動内容制御部は、
前記バッテリ残量検出部の検出結果及び前記吊り荷検出部の検出結果に基づき、前記バッテリ残量が前記低残量閾値範囲内であると判定し、かつ前記クレーン装置が荷を吊っている状態であると判定すると、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記クレーン装置の前記吊り荷を降ろすのに必要な作動内容の作動のみに制限し、
前記バッテリの残量が前記低残量閾値範囲内であると判定し、かつ前記クレーン装置が荷を吊っていない状態であると判定すると、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置を格納するのに必要な作動内容の作動のみに制限することを特徴とする請求項2に記載の移動式クレーンの作動制御装置。 - 前記クレーン装置の作動内容は、該クレーン装置の備えるブームの伸張動作及び縮小動作と、前記ブームの起伏動作と、前記ブームの旋回動作と、前記クレーン装置の備えるウインチの巻上げ動作及び巻下げ動作とを含み、
前記アウトリガ装置の作動内容は、該アウトリガ装置が備える複数のアウトリガの張出動作及び格納動作を含み、
前記クレーン装置の吊り荷を降ろすのに必要な作動内容は、前記ブームの縮小動作、起伏動作及び旋回動作、並びに前記ウインチの巻上げ動作及び巻下げ動作であり、
前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置を格納するのに必要な作動内容は、前記ブームの縮小動作、伏動作及び旋回動作、前記ウインチの巻上げ動作、並びに前記複数のアウトリガの格納動作であることを特徴とする請求項2又は3に記載の移動式クレーンの作動制御装置。 - 前記油圧ポンプから吐出された圧油を前記切換制御弁に供給するための主管路及び供給した圧油をタンクに戻すための戻り管路の間に設けられたアンロード弁と、前記アンロード弁を開閉作動させるアンロード弁作動用電磁弁とを備え、
前記アンロード弁は、作動信号の入力によって前記アンロード弁作動用電磁弁を作動することで開状態となって前記主管路と前記戻り管路とを連通して前記油圧ポンプを無負荷運転させるように構成されており、
前記作動内容制御部は、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する制御を行っているときに、前記走行可能状態へ移行させるのに不要な作動内容の操作が行われたことに応じて、前記アンロード弁作動用電磁弁に対して作動信号を入力して前記油圧ポンプを無負荷運転させると共に、前記電動モータの動作を停止する制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の移動式クレーンの作動制御装置。 - 前記作動内容制御部は、前記バッテリの残量が前記低残量閾値範囲内になったと判定したときに、前記電動モータを停止する制御を行い、前記電動モータを停止後に、操作装置を介した、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する作動モードであるリザーブモードへの移行指示の入力に応じて、前記バッテリの残量が前記低残量閾値範囲内である間、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限する制御を実施することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の移動式クレーンの作動制御装置。
- バッテリと、該バッテリから供給される電力で駆動する電動モータにより駆動されるクレーン装置、アウトリガ装置及び走行装置とを備え、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置が格納状態のときに前記走行装置による走行が可能な移動式クレーンの作動制御装置であって、
前記バッテリの残量を検出するバッテリ残量検出部と、
前記移動式クレーンの操作内容に基づき、前記クレーン装置、前記アウトリガ装置及び前記走行装置の作動内容を制御する作動内容制御部と、を備え、
前記作動内容制御部は、前記バッテリ残量検出部の検出結果に基づき、前記バッテリの残量が予め設定した低残量閾値範囲内であると判定すると、前記クレーン装置及び前記アウトリガ装置の作動を、前記走行装置による走行が可能な走行可能状態へ移行させるのに必要な作動内容の作動のみに制限するように制御し、
前記低残量閾値範囲は、前記走行可能状態へ移行させるのに必要な電力、及び前記走行可能状態へ移行させた後に予め設定した走行時間の走行が可能な電力を供給可能な前記バッテリの残量の範囲に設定されていることを特徴とする移動式クレーンの作動制御装置。
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