JP2016219804A - 有機圧電フィルム - Google Patents

有機圧電フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2016219804A
JP2016219804A JP2016098529A JP2016098529A JP2016219804A JP 2016219804 A JP2016219804 A JP 2016219804A JP 2016098529 A JP2016098529 A JP 2016098529A JP 2016098529 A JP2016098529 A JP 2016098529A JP 2016219804 A JP2016219804 A JP 2016219804A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
piezoelectric film
organic piezoelectric
present
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016098529A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6993555B2 (ja
Inventor
哲浩 小谷
Tetsuhiro Kotani
哲浩 小谷
智行 後藤
Tomoyuki Goto
智行 後藤
沙織 稲場
Saori Inaba
沙織 稲場
寛之 相模
Hiroyuki Sagami
寛之 相模
水野 彰人
Akihito Mizuno
彰人 水野
恵吏 向井
Eri Mukai
恵吏 向井
崇 金村
Takashi Kanemura
崇 金村
明天 高
Meiten Ko
明天 高
継紅 劉
Keiko Ryu
継紅 劉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Publication of JP2016219804A publication Critical patent/JP2016219804A/ja
Priority to JP2021200113A priority Critical patent/JP2022040121A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6993555B2 publication Critical patent/JP6993555B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Piezo-Electric Transducers For Audible Bands (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】圧電性の面内ばらつきが特に小さい有機圧電フィルムを提供する。【解決手段】圧電定数d33の変動係数が50%以下である有機圧電フィルムは、有機物である重合体から形成されるフィルム(重合体フィルム)である。例えば、分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルム、奇数鎖ナイロン圧電フィルム及びポリ乳酸が挙げられる。有機圧電フィルムは、当該重合体以外の成分を含有してもよい。また、有機圧電フィルムは、当該重合体からなるフィルム及び当該重合体中に無機物が分散されているフィルムを包含する。【選択図】なし

Description

本発明は、有機圧電フィルムに関する。
従来、圧電性を有するフィルム又は膜として、種々の有機圧電フィルム及び無機誘電体膜が知られている。
なかでも、有機圧電フィルムは、無機誘電体膜とは異なり可撓性を有するという利点を有するので、様々な用途への適用が可能である。
例えば、特許文献1では、圧電フィルムとして、タッチパネル用又はタッチ圧検出用の分極化フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムが開示されている。
近年、優れた操作性の利点から、入力部材として機械式ボタンの替わりにタッチパネルを備える電子機器が増えている。しかし、機械式ボタンの場合、ユーザーはボタンを動かした操作感を得られるのに対し、タッチパネルではそのような操作感を得られないという不利点がある。
このような不利点を解消するため、タッチパネルを操作したユーザーに触覚をフィードバックするようにした、可撓性のピエゾ・アクチュエータを備えるタッチパネルが提案されている(例えば、特許文献2)。このような、タッチパネルを操作したユーザーに触覚をフィードバックする技術等を用いた機器は、一般に、ハプティックデバイスと称されている。
一方、スマートフォン、及びタブレット等のモバイル電子機器は、ユーザーが持ち運ぶので、2次電池を備える。その充電の頻度を少なくするため、このような電子機器等に用いることができる、圧電素子を用いた振動発電装置が提案されている(特許文献3)。
圧電フィルムは加工性が良く、大面積で薄膜化が容易な圧電素子であり、従来のセラミック圧電素子と比較して、大面積で電圧感度の高い動的圧力センサーを作製することができる。例えば、ベッドやマット、シート等の弾力性のある支持体に掛かる荷重を検出し、人や動物、物体等の存在の有無を判定する圧力センサーとして用いられる。
近年、プラスチック等の可撓性基板を用いたフレキシブルディスプレイに関する研究が進められている。
このようなフレキシブルディスプレイの基板として、例えば、特許文献4において透明プラスチックフィルムにガスバリア層や透明導電層を積層したフレキシブルディスプレイ基板が開示されている。
フレキシブルディスプレイは、従来のガラス基板を用いたディスプレイと比較して、軽量性、薄さ、及び可撓性等において優位性を有し、従って、円柱等の曲面にも設置可能である。更に、丸めて収納することが可能なので、大画面であっても携帯性を損なうことがない。これらの利点から、フレキシブルディスプレイは、例えば、広告等の掲示用、及びPDA(携帯情報端末)等の表示装置用の用途で注目されている。
このようなフレキシブルディスプレイを、テレビジョン受像機等のように画像と共に音声を再生する画像表示装置兼音声発生装置として使用する場合、音声を発生するための音響装置であるスピーカーが必要である。
ここで、従来のスピーカー形状としては、漏斗状のいわゆるコーン型、及び球面状のドーム型等が一般的である。しかしながら、これらのスピーカーを上述のフレキシブルディスプレイに内蔵すると、フレキシブルディスプレイの長所である軽量性、及び可撓性が損なわれる虞れがある。一方、スピーカーを外付けにすると、持ち運び等が容易でなくなること、曲面状の壁への設置が困難になること、及び美観が損なわれること等の不利点が生じる虞がある。
このような背景において、軽量性、及び可撓性を損なうことなくフレキシブルディスプレイに一体化可能なスピーカーとして、シート状で可撓性を有する圧電フィルムを採用することが、例えば、特許文献5に開示されている。
特開2011−222679号公報 特開2003−288158号公報 特開2011−97661号公報 特開2000−338901号公報 特開2008−294493号公報
近年では、より大画面のタッチパネルが求められている。従って、タッチ圧検出が可能なタッチパネルにおいて、タッチ圧検出用に用いられる圧電フィルムも大画面であることが望ましい。
しかし、従来の圧電フィルムは、このような大画面のタッチパネルに使用する場合、圧電性の面内ばらつきの小ささが十分でなかった。
具体的には、タッチ圧検出が可能なタッチパネル(特に、大画面のタッチパネル)に用いられる有機圧電フィルムの圧電性の面内ばらつきの小ささが十分でない場合、同じ押圧であっても、タッチ位置によって生じる電気信号が変動するので、デバイスが、押圧が異なると判断して誤作動が生じるという問題がある。
また、従来の圧電フィルムは、ハプティックデバイスに使用する場合、圧電性の面内ばらつきの小ささが十分でなかった。
具体的には、ハプティックデバイスに用いられる有機圧電フィルムの圧電性の面内ばらつきの小ささが十分でない場合、フィードバックされる触覚にばらつきが発生し、安定した操作感が得られず、操作ミス、及びデバイスの誤作動を招くという問題がある。
また、従来の圧電フィルムは、振動発電装置に使用する場合、圧電性の面内ばらつきの小ささが十分でなかった。
具体的には、振動発電装置に用いられる有機圧電フィルムの圧電性の面内ばらつきの小ささが十分でない場合、振動量が同じであっても、一定した安定な発電量が得られない、という問題がある。
また、圧力センサー(特に、大面積の圧力センサー)に用いられる有機圧電フィルムの圧電性の面内ばらつきの小ささが十分でない場合、同じ押圧であっても、圧力がかかる位置によって、生じる電気信号が変動するので、センシングが不安定になるという問題がある。
また、平面スピーカー(特に、大面積の平面スピーカー)に用いられる有機圧電フィルムの圧電性の面内ばらつきの小ささが十分でない場合、面内の場所によって発生する音が変動するので、音質が低下するという問題がある。
従って、本発明は、圧電性の面内ばらつきが特に小さい有機圧電フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、
圧電定数d33の変動係数が50%以下である有機圧電フィルムによって、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、次の態様を含む。
項1.
圧電定数d33の変動係数が2.0以下である有機圧電フィルム。
項2.
圧電定数d33が0.5〜30pC/Nの範囲内である項1に記載の有機圧電フィルム。
項3.
圧電定数d33が0.5〜2.0pC/N未満の範囲内である項1に記載の有機圧電フィルム。
項4.
圧電定数d33が2.0〜4.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が1.0以下である項1に記載の有機圧電フィルム。
項5.
圧電定数d33が4.0〜6.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が0.6以下である項1に記載の有機圧電フィルム。
項6.
圧電定数d33が6.0〜10.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が0.4以下である項1に記載の有機圧電フィルム。
項7.
圧電定数d33が10.0〜14.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が0.3以下である項1に記載の有機圧電フィルム。
項8.
圧電定数d33が14.0〜30.0pC/Nの範囲内であり、且つその変動係数が0.15以下である項1に記載の有機圧電フィルム。
項9.
引張弾性係数が0.4〜5GPaの範囲内である、項1〜8のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
項10.
リタデーションが200〜10000nmの範囲内である、項1〜9のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
項11.
リタデーションが0.5〜200nmの範囲内である、項1〜9のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
項12.
分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなる項1〜11のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
項13.
内部ヘイズ値が0.05〜80%の範囲内である項1〜12のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
項14.
内部ヘイズ値が5〜90%の範囲内である項1〜12のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
項15.
項1〜14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム(好ましくは、項1〜13のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム)を有する圧電パネル。
項16.
項1〜14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム(好ましくは、項1〜12、及び14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム)を有する圧力センサー。
項17.
項1〜14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム(好ましくは、項1、2、5〜12、及び14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム)を有するハプティックデバイス。
項18.
項1〜14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム(好ましくは、項1、2、5〜12、及び14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム)を有する振動発電装置。
項19.
項1〜14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム(好ましくは、項1、2、5〜12、及び14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム)を有する平面スピーカー
本発明によれば、圧電性の面内ばらつきが小さい有機圧電フィルムが提供される。
本発明の有機圧電フィルムは、例えば、タッチ圧検出可能なタッチパネルに用いた場合(特に、大面積のタッチ圧検出可能なタッチパネルに用いた場合でも)、誤作動が生じ難いという点で優れている。
また、本発明の有機圧電フィルムは、例えば、圧力センサーに用いた場合(特に、大面積の圧力センサーに用いた場合でも)、安定なセンシングが実現できるという点で優れている。
また、本発明の有機圧電フィルムは、例えば、ハプティックデバイスに用いた場合、操作ミス、及びデバイスの誤作動が生じ難いという点で優れている。
また、本発明の有機圧電フィルムは、例えば、振動発電装置に用いた場合、一定した安定な発電量が得られるという点で優れている。
また、本発明の有機圧電フィルムは、例えば、平面スピーカーに用いた場合(特に、大面積の平面スピーカーに用いた場合でも)、高い音質が得られるという点で優れている。
実施例3の有機圧電フィルムの製造に用いた製造装置の概要を示す模式図である。
用語
本明細書中の記号及び略号は、特に記載のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に解される。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
本明細書中、「タッチ位置」の「検出」は、タッチ位置の決定を意味し、一方、「タッチ圧」の「検出」は、押圧の有無、速度、大きさ又はこれらの組み合わせの決定を意味する。
本明細書中、用語「タッチ」は、触れること、触れられること、押すこと、押されること、及び接触すること、を包含する。
本明細書中、用語「分極化」は、表面に電荷を付与されていることを意味する。すなわち、分極化フィルムは、エレクトレットであることができる。
本明細書中、用語「ハプティックデバイス」は、ユーザーに触覚をフィードバックする機能を有するデバイスを意味する。
本明細書中の記号及び略号は、特に記載のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に解される。
本明細書において、「変動値」は、標準偏差/算術平均の比である。
有機圧電フィルム
本発明の有機圧電フィルムは、圧電定数d33の変動係数が2.0以下である有機圧電フィルムである。
以下、本発明の有機圧電フィルムを詳細に説明する。
本発明の有機圧電フィルムは、有機物である重合体から形成されるフィルム(重合体フィルム)である。当該「有機圧電フィルム」としては、例えば、分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルム、奇数鎖ナイロン圧電フィルム、及びポリ乳酸が挙げられる。当該「有機圧電フィルム」は、当該重合体以外の成分を含有してもよい。当該「有機圧電フィルム」は、当該重合体からなるフィルム、及び当該重合体中に無機物が分散されているフィルムを包含する。
本発明の有機圧電フィルムにおける当該重合体(すなわち、本発明の有機圧電フィルムを形成する重合体)の含有量は、好ましくは、80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%である。当該含有量の上限は特に制限されず、例えば、100質量%であってもよいし、99質量%であってもよい。
当該重合体は、好ましくは、フッ化ビニリデン系重合体である。
本発明の有機圧電フィルムは、好ましくは分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなる。
本明細書中、「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」の例としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、フッ化ビニリデン/トリフロオロエチレン共重合体フィルム、及びポリフッ化ビニリデンフィルムが挙げられる。
前記フッ化ビニリデン系重合体フィルムは、好ましくはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである。
当該「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、樹脂フィルムに通常用いられる添加剤を含有してもよい。
当該「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、フッ化ビニリデン系重合体から構成されるフィルムであり、フッ化ビニリデン系重合体を含有する。
当該「フッ化ビニリデン系重合体」の例としては、
(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体;及び
(2)ポリフッ化ビニリデン
が挙げられる
当該「(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体」における「これと共重合可能なモノマー」の例としては、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、及びフッ化ビニルが挙げられる。
当該「これと共重合可能な1種以上のモノマー」又はそのうちの1種は、好ましくはテトラフルオロエチレンである。
当該「フッ化ビニリデン系重合体」の好ましい例としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体が挙げられる。
当該「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」は、本発明に関する性質が著しく損なわれない限りにおいて、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する繰り返し単位を含有してもよい。
前記「(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体」は、フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位を50モル%以上(好ましくは60モル%以上)含有する。
前記「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」における(テトラフルオロエチレンに由来する繰り返し単位)/(フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位)のモル比は、好ましくは5/95〜36/64の範囲内、より好ましくは15/85〜25/75の範囲内、更に好ましくは18/82〜22/78の範囲内である。
前記「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」は、本発明に関する性質が著しく損なわれない限りにおいて、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する繰り返し単位を含有してもよい。通常、このような繰り返し単位の含有率は、10モル%以下である。このようなモノマーは、フッ化ビニリデンモノマー、テトラフルオロエチレンモノマーと共重合可能なものである限り限定されないが、その例としては、
(1)フルオロモノマー(例、ビニルフルオリド(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、1−クロロ−1−フルオロ−エチレン(1,1−CFE)、1−クロロ−2−フルオロ−エチレン(1,2−CFE)、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン(CDFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロビニルモノマー、1,1,2−トリフルオロブテン−4−ブロモ−1−ブテン、1,1,2−トリフルオロブテン−4−シラン−1−ブテン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)、ペルフルオロアクリラート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリラート、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリラート);並びに
(2)炭化水素系モノマー(例、エチレン、プロピレン、無水マレイン酸、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノマー、酢酸ビニルが挙げられる。
前記「無機物」の好適な例としては、無機酸化物粒子が挙げられる。当該「無機酸化物粒子」を含有することによって、本発明の高誘電性フィルムは、高い誘電率を有することができる。また、このことによって、高い誘電率を維持したまま、体積抵抗率を大幅に向上させることができる。
前記「無機物」の好適な例としては、無機酸化物粒子が挙げられる。当該「無機酸化物粒子」を含有することによって、本発明の有機圧電フィルムは、高い誘電率を有することができる。また、高い誘電率を維持したまま、体積抵抗率を大幅に向上させることができる。また、電気絶縁性を向上させることができる。
当該「無機酸化物粒子」は、好ましくは、以下の無機酸化物粒子(B1)〜(B3)からなる群より選択される少なくとも1種である。
[無機酸化物粒子(B1)]周期表の2族、3族、4族、12族又は13族の金属元素の無機酸化物の粒子、又はこれらの無機酸化物複合粒子
前記金属元素としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Ti、Zr、Zn、及びAl等が挙げられる。なかでも、Al、Mg、Y、及びZnの酸化物が汎用で安価であり、また体積抵抗率が高い点から好ましい。
なかでも、具体的には、Al、MgO、ZrO、Y、BeO、及びMgO・Alからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物の粒子が、体積抵抗率が高い点から好ましい。
なかでも、更に、結晶構造がγ型のAlが、比表面積が大きく、フッ化ビニリデン系重合体等の前記「重合体」、特にフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体への分散性が良好な点から好ましい。
[無機酸化物粒子(B2)]式:M a1 b1c1(式中、Mは2族金属元素;Mは4族金属元素であり;a1は0.9〜1.1であり;b1は0.9〜1.1であり;c1は2.8〜3.2である;M及びMはそれぞれ1種又は2種以上の金属元素であることができる)で表される無機複合酸化物の粒子
当該「4族金属元素」としては、例えばTi、及びZrが好ましい。
当該「2族金属元素」としては、例えばMg、Ca、Sr、及びBaが好ましい。
当該「無機複合酸化物の粒子」のなかでも、具体的には、BaTiO、SrTiO、CaTiO、MgTiO、BaZrO、SrZrO、CaZrO、及びMgZrOからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子が、体積抵抗率が高い点から好ましい。
[無機酸化物粒子(B3)]周期表の2族、3族、4族、12族、又は13族の金属元素の酸化物、及び酸化ケイ素の無機酸化物複合粒子
当該「無機酸化物粒子(B3)」は、前記「無機酸化物粒子(B1)」の前記「無機酸化物」、及び酸化ケイ素の複合体粒子である。
当該「無機酸化物粒子(B3)」として具体的には、例えば、3A1・2SiO、2MgO・SiO、ZrO・SiO、及びMgO・SiOからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子が挙げられる。
前記「無機酸化物粒子」は、必ずしも高誘電性である必要はなく、本発明の有機圧電フィルムの用途により適宜選択できる。例えば、汎用で安価な1種類の金属酸化物の粒子(B1)(特に、Alの粒子、及びMgOの粒子)を使用すると、体積抵抗率の向上を図ることができる。これら1種類の金属酸化物の粒子(B1)の比誘電率(1kHz、25℃)は、通常100未満、好ましくは10以下である。
前記「無機酸化物粒子」としては、誘電率を向上させる目的で強誘電性(比誘電率(1kHz、25℃)が100以上)の無機酸化物粒子(例えば、無機酸化物粒子(B2)及び(B3))を用いてもよい。強誘電性の無機酸化物粒子(B2)及び(B3)を構成する無機材料としては、複合金属酸化物、その複合体、固溶体、及びゾルゲル体等が例示できるが、これらのみに限定されるものではない。
本発明の有機圧電フィルムは、前記「重合体」100質量部に対し、前記「無機酸化物粒子」を、好ましくは0.01〜300質量部、より好ましくは0.1〜100質量部含有できる。前記「無機酸化物粒子」の含有量が多すぎると、前記「無機酸化物粒子」を前記「重合体」中に均一に分散させることが難しくなる虞があり、また、電気絶縁性(耐電圧)が低下する虞もある。また、当該含有量が300質量部以上になると、フィルムが脆くなり、及び引張り強度が低下する虞がある。この観点では、当該含有量の上限は、好ましくは200質量部、より好ましくは150質量部である。当該含有量が少なすぎると電気絶縁性の向上効果が得られにくい。この観点では、当該含有量の下限は、好ましくは0.1質量部、より好ましくは0.5質量部、更に好ましくは1質量部である。一方、本発明の有機圧電フィルムに、高い全光透過率、及び低い全ヘイズ値が要求される場合は、当該含有量は、より小さいことが好ましく、更に、本発明の有機圧電フィルムに、特に高い全光透過率、及び低い全ヘイズ値が要求される場合は、本発明の有機圧電フィルムは、好適に、前記「無機酸化物粒子」を含有しないことができる。このように本発明の有機圧電フィルムに高い全光透過率、及び低い全ヘイズ値が要求される場合として、具体的には、本発明の有機圧電フィルムがタッチパネル等の圧電パネルに用いられる場合が挙げられる。
前記「無機酸化物粒子」の平均一次粒子径は小さい方が好ましく、特に平均一次粒子径1μm以下のいわゆるナノ粒子が好ましい。このような無機酸化物ナノ粒子が均一分散することにより、少量の配合でフィルムの電気絶縁性を大幅に向上させることができる。当該平均一次粒子径は、好ましくは800nm以下、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは300nm以下である。当該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、製造の困難性や均一分散の困難性、価格の面から、当該平均一次粒子径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは50nm以上である。ここで、本発明の有機圧電フィルムに高い全光透過率、及び低い全ヘイズ値が要求される場合は、当該平均一次粒子径は、より小さいことが好ましい。前記「無機酸化物粒子」の平均一次粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置 LA−920(商品名)(堀場製作所社)又はその同等品を用いて算出される。
前記「無機酸化物粒子」の比誘電率(25℃、1kHz)は、好ましくは10以上である。圧電フィルムの誘電率を高くする観点からは、当該比誘電率は、好ましくは100以上、より好ましくは300以上である。当該比誘電率の上限は特に制限されないが、通常3000程度である。当該「無機酸化物粒子」の比誘電率(ε)(25℃、1kHz)は、LCRメーターを用いて容量(C)を測定し、容量、電極面積(S)、焼結体の厚さ(d)から、式C=εε×S/d(ε真空の誘電率)で算出した値である。
本発明の有機圧電フィルムは、必要に応じて、親和性向上剤等の、その他の成分を含有してもよい。
前記「親和性向上剤」は、本発明の有機圧電フィルムが前記「無機酸化物粒子」が含有する場合に、本発明の有機圧電フィルムに含有される。
前記「親和性向上剤」は、前記「無機酸化物粒子」と前記「重合体」との間の親和性を高め、前記「無機酸化物粒子」を前記「重合体」に均一に分散させ、前記「無機酸化物粒子」と前記「重合体」をフィルム中でしっかり結合させ、ボイドの発生を抑制し、及び比誘電率を高めることができる。
前記「親和性向上剤」としては、カップリング剤、界面活性剤、又はエポキシ基含有化合物が有効である。
前記「カップリング剤」の例としては、有機チタン化合物、有機シラン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、及び有機リン化合物が挙げられる。
前記「有機チタン化合物」の例としては、アルコキシチタニウム、チタニウムキレート、及びチタニウムアシレート等のカップリング剤が挙げられる。なかでも、前記「無機酸化物粒子」との親和性が良好な点から、好ましい例として、アルコキシチタニウム、及びチタニウムキレートが挙げられる。
その具体例としては、テトライソプロピルチタネート、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロポキシチタンジイソステアレート、テトライソプロピルビス(ジオクチルフォスファイト)チタネート、及びイソプロピルトリ(n−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネートが挙げられる。
前記「有機シラン化合物」は、高分子型であっても、低分子型であってもよく、その例として、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシラン等のアルコキシシランが挙げられる。また、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、メタクロキシシラン、及びメルカプトシラン等も好適に使用され得る。
アルコキシシランを用いる場合、加水分解により、表面処理の効果である体積抵抗率のより一層の向上(電気絶縁性の向上)を図ることができる。
前記「有機ジルコニウム化合物」の例としては、アルコキシジルコニウム、及びジルコニウムキレートが挙げられる。
前記「有機アルミニウム化合物」の例としては、アルコキシアルミニウム、及びアルミニウムキレートが挙げられる。
前記「有機リン化合物」の例としては、亜リン酸エステル、リン酸エステル、及びリン酸キレートが挙げられる。
親和性向上剤としての前記「界面活性剤」は、高分子型であっても、低分子型であってもよく、その例としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。なかでも、熱安定性が良好な点から、高分子型の界面活性剤が好ましい。
前記「非イオン性界面活性剤」の例としては、ポリエーテル誘導体、ポリビニルピロリドン誘導体、及びアルコール誘導体が挙げられ、なかでも、前記「無機酸化物粒子」との親和性が良好な点から、ポリエーテル誘導体が好ましい。
前記「アニオン性界面活性剤」の例としては、スルホン酸、及びカルボン酸、及びそれらの塩を含有するポリマーが挙げられる。なかでも、前記「重合体」との親和性が良好な点から、好ましい例として、アクリル酸誘導体系ポリマー(poly(acrylic acid) derivative)、及びメタクリル酸誘導体系ポリマー(poly(methacrylic acid) derivative)が挙げられる。
前記「カチオン性界面活性剤」の例としては、アミン化合物、及びイミダゾリン等の含窒素系複合環を有する化合物、及びそのハロゲン化塩が挙げられる。
前記「親和性向上剤」としての「エポキシ基含有化合物」は、低分子量化合物であっても、高分子量化合物であってもよく、その例としては、エポキシ化合物、及びグリシジル化合物が挙げられる。なかでも、前記「重合体」との親和性が特に良好な点から、エポキシ基を1個有する低分子量の化合物が好ましい。
前記「エポキシ基含有化合物」の好ましい例としては、特に前記「重合体」との親和性に優れている点から、式:
(式中、Rは、水素原子、メチル基、酸素原子若しくは窒素原子を介在してもよい炭素数2〜10の炭化水素基、又は置換されていてもよい芳香環基を表す。lは0又は1を表し、mは0又は1を表し、nは0〜10の整数を表す。)で表される化合物が挙げられる。
その具体例としては、
等の、ケトン基、又はエステル基を有する化合物が挙げられる。
前記「親和性向上剤」は、本発明の効果が失われない範囲内の量で使用できるが、具体的には、均一な分散、及び得られるフィルムの比誘電率の高さの点から、その量は、「無機酸化物粒子」100質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量部の範囲内、より好ましくは0.1〜25質量部の範囲内、更に好ましくは1〜20質量部の範囲内である。
更に、本発明の有機圧電フィルムは、本発明の効果が失われない範囲内で、これら以外の添加剤を含有してもよい。
本明細書において、有機圧電フィルムの「圧電定数d33」は、以下の測定方法に従って、決定される値である。
圧電定数及びその変動係数
<圧電定数d33の決定方法>
圧電定数d33の測定は、PIEZOTEST社のピエゾメーターシステムPM300(サンプル固定治具として、先端が1.5mmφのピンをとりつける)を用いるか、又はその同等品を用いて行われる。ここで、恣意性を排除して選択したフィルム上の10点において圧電定数d33を測定し、その算術平均値を圧電定数d33とする。本発明において、フィルム上で恣意性を排除して10点を選択することは、例えば、直線上で50mm間隔に10点を選択することにより行うことができる。ここで、恣意性とは、後記する変動係数が小さくなるように意図することを意味する。
圧電定数d33の実測値は、測定されるフィルムの表裏によって、プラスの値、又はマイナスの値となるが、本明細書中においては、圧電定数d33の値として、その絶対値を記載する。
有機圧電フィルムの「圧電定数d33」の変動係数は、当該「圧電定数d33」の、算術平均に対する標準偏差の比である。
本発明の有機圧電フィルムの圧電定数d33の変動係数は、2.0以下である。
これにより、本発明の有機圧電フィルムは圧電性の面内ばらつきが小さく、具体的には、これにより、例えば、以下の利点を有する。
本発明の有機圧電フィルムは、例えば、タッチ圧検出可能なタッチパネルに用いた場合(特に、大面積のタッチ圧検出可能なタッチパネルに用いた場合でも)、誤作動が生じ難い。
また、本発明の有機圧電フィルムは、例えば、圧力センサーに用いた場合(特に、大面積の圧力センサーに用いた場合でも)、安定なセンシングが実現できる。
また、本発明の有機圧電フィルムは、例えば、ハプティックデバイスに用いた場合、操作ミス、及びデバイスの誤作動が生じ難い。
また、本発明の有機圧電フィルムは、例えば、振動発電装置に用いた場合、一定した安定な発電量が得られる。
また、本発明の有機圧電フィルムは、例えば、平面スピーカーに用いた場合(特に、大面積の平面スピーカーに用いた場合でも)、高い音質が得られるという点で優れている。
本発明の有機圧電フィルムの圧電定数d33の変動係数は、このような観点では、より小さいことが好ましく、従って、当該変動係数の上限は、好ましくは1.0、より好ましくは0.6、更に好ましくは0.4、より更に好ましくは0.3、及び特に好ましくは0.15であることができる。
一方、本発明の有機圧電フィルムの用途又は使用態様等においては、非常に変動係数が小さいことまでは必要とされない場合がある。この場合、当該変動係数がより大きいほうが、製造コストの点などで有利であり得る。
従って、本発明の有機圧電フィルムの圧電定数d33の変動係数の下限は、例えば、0.0001、0.001、0.01、又は0.02であることができる。
有機圧電フィルムの圧電定数d33の変動係数は、例えば、0.01〜1.0の範囲内、0.01〜0.6の範囲内、0.01〜0.5の範囲内、0.01〜0.4の範囲内、又は0.01〜0.3の範囲内であることができる。
本発明の有機圧電フィルムの好ましい圧電定数d33は、その用途又は使用態様等によって、異なりえる。
本発明の有機圧電フィルムの好ましい圧電定数d33の上限は、例えば、30pC/N、28pC/N、26pC/N、又は20pC/Nであることができる。
本発明の有機圧電フィルムの好ましい圧電定数d33の下限は、例えば、0.5pC/N、3pC/N、5pC/N、7pC/N、又は9pC/Nであることができる。
有機圧電フィルムの圧電定数d33は、0.5〜30pC/Nの範囲内、0.5〜28pC/Nの範囲内、0.5〜26pC/Nの範囲内、0.5〜20pC/Nの範囲内、3〜30pC/Nの範囲内、5〜30pC/Nの範囲内、7〜30pC/Nの範囲内、又は9〜30pC/Nの範囲内であることができる。
本発明の好適な一態様(前記項3の態様)の有機圧電フィルムは、圧電定数d33が0.5〜2.0pC/N未満の範囲内である。当該態様の有機圧電フィルムの圧電定数d33の変動係数は、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下、及び更に好ましくは0.5以下である。当該態様の有機圧電フィルムは、例えば、圧電パネル、又は圧力センサーに好適に使用され得る。
本発明の別の好適な一態様(前記項4の態様)の有機圧電フィルムは、圧電定数d33が2.0〜4.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が1.0以下(好ましくは、0.8以下、より好ましくは、0.5以下、更に好ましくは、0.3以下)である。当該態様の有機圧電フィルムは、例えば、圧電パネル、又は圧力センサーに好適に使用され得る。
本発明の別の好適な一態様(前記項5の態様)の有機圧電フィルムは、圧電定数d33が4.0〜6.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が0.6以下(好ましくは、0.5以下、より好ましくは、0.4以下、更に好ましくは、0.3以下)である。当該態様の有機圧電フィルムは、例えば、圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、又は平面スピーカーに好適に使用され得る。
本発明の別の好適な一態様(前記項6の態様)の有機圧電フィルムは、圧電定数d33が6.0〜10.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が0.4以下(好ましくは、0.3以下、より好ましくは、0.25以下、更に好ましくは、0.2以下)である。当該態様の有機圧電フィルムは、例えば、圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、又は平面スピーカーに好適に使用され得る。
本発明の別の好適な一態様(前記項7の態様)の有機圧電フィルムは、圧電定数d33が10.0〜14.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が0.3以下(好ましくは、0.25以下、より好ましくは、0.2以下、更に好ましくは、0.15以下)である。当該態様の有機圧電フィルムは、例えば、圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、又は平面スピーカーに好適に使用され得る。
本発明の別の好適な一態様(前記項8の態様)の有機圧電フィルムは、圧電定数d33が14.0〜30.0pC/Nの範囲内であり、且つその変動係数が0.15以下(好ましくは、0.1以下、より好ましくは、0.08以下、更に好ましくは、0.07以下)である。当該態様の有機圧電フィルムは、例えば、圧電パネル、圧力センサー、ハプティックデバイス、圧電振動発電装置、又は平面スピーカーに好適に使用され得る。
全光線透過率
<全光線透過率の決定方法>
本明細書中、「全光線透過率」は、JIS K-7361に基づき、ヘイズメーター NDH-7000 SP(製品名、日本電色工業)又はその同等品を使用した光透過性試験によって得られる。
本発明の有機圧電フィルムの好ましい全光線透過率は、その用途又は使用態様等によって異なり得る。
高い透明性が求められる用途又は使用態様等においては、より高い全光線透過率が求められる。一方、高い全光線透過率が求められない用途又は使用態様等においては、比較的低い全光線透過率を有する有機圧電フィルムのほうが、製造コストの点などで有利であり得る。
本発明の有機圧電フィルムの全光線透過率の上限は、例えば、97%、96%、又は94%であることができる。
本発明の有機圧電フィルムの全光線透過率の下限は、例えば、70%、80%、又は90%であることができる。
本発明の有機圧電フィルムの全光線透過率は、例えば、70〜97%の範囲内、80〜96%の範囲内、又は80〜94%の範囲内であることができる。
ヘイズ値
<ヘイズ値の決定方法>
本明細書中、「全ヘイズ値」(total haze)は、JIS K-7136に準拠し、ヘイズメーター NDH-7000 SP(製品名、日本電色工業)又はその同等品を使用したヘイズ(HAZE、濁度)試験によって得られる。
本明細書中、「内部ヘイズ値」(inner haze)は、前記全ヘイズ値の測定方法において、ガラス製セルの中に水を入れて、その中にフィルムを挿入し、ヘイズ値を測定することにより、得られる。
本明細書中、「外部ヘイズ値」(outer haze)は、フィルムの全ヘイズ値から内部へイズ値を差し引くことで算出される。
本発明の有機圧電フィルムの好ましい全ヘイズ値は、その用途又は使用態様等によって異なり得る。
高い透明性が求められる用途又は使用態様等においては、より低いヘイズ値が求められる。一方、低い全ヘイズ値が求められない用途又は使用態様等においては、比較的高い全ヘイズ値を有する有機圧電フィルムのほうが、製造コストの点などで有利であり得る。
本発明の有機圧電フィルムの全ヘイズ値の上限は、例えば、90%、80%、70%、又は60%であることができる。
本発明の有機圧電フィルムの全ヘイズ値の下限は、例えば、0.3%、0.4%、0.5%、5%、20%、又は40%であることができる。
本発明の有機圧電フィルムの全ヘイズ値は、例えば、0.3〜80%の範囲内、0.4〜70%の範囲内、0.5〜70%の範囲内、0.5〜60%の範囲内、又は0.5〜50%の範囲内であることができる。
本発明の有機圧電フィルムの好ましい内部ヘイズ値は、その用途又は使用態様等によって異なり得る。
高い透明性が求められる用途又は使用態様等においては、より低い内部ヘイズ値が求められる。一方、低い全ヘイズ値が求められない用途又は使用態様等においては、比較的高い内部ヘイズ値を有する有機圧電フィルムのほうが、製造コストの点などで有利であり得る。
本発明の有機圧電フィルムの内部ヘイズ値の上限は、例えば、90%、80%、70%、60%、50%、又は40%であることができる。
本発明の有機圧電フィルムの内部ヘイズ値の下限は、例えば、0.01%、0.05%、0.1%、0.15%、5%、10%、又は20%であることができる。
本発明の有機圧電フィルムの内部ヘイズ値は、例えば、0.05〜80%の範囲内、0.1〜70%の範囲内、又は0.15〜60%の範囲内、5〜90%の範囲内、10〜80%の範囲内、又は20〜70%の範囲内であることができる。
本発明の有機圧電フィルムの好ましい外部ヘイズ値は、その用途又は使用態様等によって異なり得る。
高い透明性が求められる用途又は使用態様等においては、より低い外部ヘイズ値が求められる。一方、低い全ヘイズ値が求められない用途又は使用態様等においては、比較的高い外部ヘイズ値を有する有機圧電フィルムのほうが、製造コストの点などで有利であり得る。
外部ヘイズ値は、フィルムの全ヘイズ値から内部へイズ値を差し引くことで算出されるので、本発明の有機圧電フィルムの外部ヘイズ値の例は、前記の全ヘイズ値の例、及び前記の内部ヘイズの例から理解される。
厚さ
<厚さの決定方法>
本明細書中、恣意性を排除して選択したフィルム上の10点で測定した各厚さの算術平均値を、フィルムの厚さとする。
本発明の有機圧電フィルムの厚さの下限は、例えば、0.1μm、0.5μm、0.8μm、1μm、3μm、6μm、9μm、又は10μmであることができる。
本発明の有機圧電フィルムの厚さの上限は、例えば、200μm、100μm、50μm、40μm、又は30μmであることができる。
本発明の有機圧電フィルムの厚さは、例えば、0.1〜200μmの範囲内、1〜100μmの範囲内、0.5〜100μmの範囲内、0.8〜50μmの範囲内、0.8〜40μmの範囲内、3〜100μmの範囲内、3〜50μmの範囲内、6〜50μmの範囲内、9〜40μmの範囲内、10〜50μmの範囲内、10〜40μmの範囲内、又は10〜30μmの範囲内であることができる。好ましい厚さは、本発明の有機圧電フィルムの用途によって異なることができる。
本発明の有機圧電フィルムは、延伸、又は無延伸の圧電フィルムであることができる。
本発明の有機圧電フィルムは、好ましくは、無延伸の圧電フィルムである。
これに関係して、本発明の有機圧電フィルムは、その厚さの均一性が高い。具体的に好ましくは、本発明の有機圧電フィルムは、厚さの変動係数が、10%以下である。ここで、厚さの変動係数とは、前記算術平均値であるフィルムの厚さの算術平均に対する標準偏差の比である。
また、これに関係して、本発明の有機圧電フィルムは、形状の均一性及び視覚的な均一性が高い(すなわち、シワ、及びたわみ(重力による張力以外の張力がかけられていない状態での湾曲)が少ない)。
また、これに関係して、本発明の有機圧電フィルムは、分極率の均一性が高い。
本発明の有機圧電フィルムは、好ましくは、無延伸の圧電フィルムである。
これに関係して、本発明の有機圧電フィルムは、その厚さの均一性が高い。具体的に好ましくは、本発明の有機圧電フィルムは、厚さの変動係数が、10%以下である。ここで、ここで、フィルムの平面全体に渡って、5mm間隔毎に(すなわち、5mm×5mmの平方格子の格子点において)厚さを測定し、その算術平均値を本発明の有機圧電フィルムの厚さとする。有機圧電フィルムの厚さの変動係数は、当該厚さの算術平均に対する標準偏差の比である。
また、これに関係して、本発明の有機圧電フィルムは、形状の均一性及び視覚的な均一性が高い(すなわち、シワ、及びたわみ(重力による張力以外の張力がかけられていない状態での湾曲)が少ない)。
また、これに関係して、本発明の有機圧電フィルムは、分極率の均一性が高い。
引張弾性係数
<引張弾性係数の決定方法>
本明細書中、引張弾性係数は、フィルムのサンプルを、幅20mm×長さ100mmに切り出し、オートグラフ(島津製作所)を用いて、チャック間50mm、速度50mm/min の条件でJIS K7127に基づいて測定することにより決定される。
本発明の有機圧電フィルムの引張弾性係数の下限は、例えば、0.4GPa、0.5GPa、又は0.6%であることができる。
本発明の有機圧電フィルムの引張弾性係数の上限は、例えば、5GPa、4GPa、又は3GPaであることができる。
本発明の有機圧電フィルムの引張弾性係数は、例えば、0.5〜10000nmの範囲内、0.5〜7000nmの範囲内、又は0.5〜4000nmの範囲内であることができる。
リタデーション
<リタデーションの決定方法>
本明細書中、リタデーションは、フィルムのサンプルを2cm×2cm以上の大きさに切り出して、位相差フィルム・光学材料検査装置RETS-100(製品名、大塚電子)、又はその同等品を用いた測定によって、決定される。本明細書において、リタデーションの数値としては、550nmの値を採用する。
本発明の有機圧電フィルムのリタデーションの下限は、特に限定されないが、例えば、0.5nmであることができる。
本発明の有機圧電フィルムのリタデーションの上限は、例えば、10000nm、7000nm、又は4000nmであることができる。
本発明の有機圧電フィルムのリタデーションは、好ましくは0.5〜10000nmの範囲内、より好ましくは0.5〜7000nmの範囲内、及び更に好ましくは0.5〜4000nmの範囲内であることができる。
本発明の好適な一態様の有機圧電フィルムは、延伸フィルムであり、及びリタデーションが200〜10000nmの範囲内である。
本発明の別の好適な一態様の有機圧電フィルムは、無延伸フィルムであり、及びリタデーションが0.5〜200nmの範囲内である。
製造方法
本発明の有機圧電フィルムは、例えば、
キャスティング法により無延伸かつ非分極の重合体フィルム(例、非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルム)を調製する工程A;
前記無延伸かつ非分極の重合体フィルムを分極処理する工程B;及び
工程Bに対して任意の時点で、無延伸の重合体フィルムを熱処理する工程C
を含む
製造方法
によって製造できる。
工程A(フィルム調製工程)
キャスティング法による、「前記無延伸かつ非分極フィルム」の製造方法は、例えば、
(1)溶媒中に、前記重合体(すなわち、本発明の有機圧電フィルムを形成する重合体)(例、フッ化ビニリデン系重合体)、並びに前記所望による成分(例、無機酸化物粒子、及び親和性向上剤)を溶媒中に溶解又は分散させて液状組成物を溶解させて、液状組成物を調製する工程;
(2)前記液状組成物を基材上に流延(塗布)する工程;及び
(3)前記溶媒を加熱乾燥により気化させて、フィルムを形成させる工程
を含む製造方法である。
液状組成物の調製における溶解温度は特に限定されないが、溶解温度を高くすると溶解を促進できるので好ましい。しかし、溶解温度が高すぎると、得られるフィルムが着色してしまう傾向があるので、溶解温度は、室温以上80℃以下であることが好ましい。
また、かかる着色を防止する意味から、前記溶媒の好ましい例としては、ケトン系溶媒(例、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノン)、エステル系溶媒(例、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル)、エーテル系溶媒(例、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン)、及びアミド系溶媒(例、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド)が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。前記溶媒として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の溶解に汎用される溶媒であるアミド系溶媒を用いてもよいが、溶媒中のアミド系溶媒の含有率は50重量%以下であることが望ましい。
前記液状組成物の基材上への流延(塗布)は、前記液状組成物の基材上への流延(塗布)は、ナイフコーティング方式、キャストコーティング方式、ロールコーティング方式、グラビアコーティング方式、ブレードコーティング方式、ロッドコーティング方式、エアドクタコーティング方式、またはスロットダイ方式等の慣用の方法に基づき行えばよい。なかでも、操作性が容易な点、得られるフィルム厚さのバラツキが少ない点、生産性に優れる点から、グラビアコーティング方式、又はスロットダイ方式が好ましい。当該基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いることができる。
前記溶媒の加熱乾燥による気化は、通常のフィルム形成のための加熱乾燥の方法に準じて行えばよい。当該加熱乾燥は、好ましくは、例えば、前記基材上に塗布した前記液状組成物を、ロール・トゥ・ロール方式で乾燥炉に通すことで実施できる。または、バッチ式で加熱乾燥を行ってフィルムを形成させてもよい。
前記乾燥温度は、本発明の有機圧電フィルムを構成する重合体の種類によって異なるが、具体的には、例えば、当該重合体がフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体の場合、好ましくは20℃〜200℃の範囲内、より好ましくは60℃〜190℃の範囲内、更に好ましくは、80℃〜190℃の範囲内である。
工程Aで調製される非分極フィルムの厚さは、得ようとする圧電フィルムに応じて設定すればよい。
工程B(分極処理工程)
工程Bでは、前記非分極フィルムを分極処理する。
工程Bに用いられる、非分極の前記共重合体フィルム(以下、単に「非分極フィルム」と称する場合がある)は、好ましくは、延伸されていないものである。また、好ましくは、本発明の有機圧電フィルムの製造方法においても、当該非分極フィルムを、延伸しない。
このようにして得られる有機圧電フィルムは、高温に曝された後でも高い圧電性を有する。また、このようにして得られる有機圧電フィルムは、その厚さのばらつきが小さい。
工程Bの分極処理は、コロナ放電処理等の慣用の方法によって行うことができる。
工程Bの分極処理は、好ましくはコロナ放電によって行われる。
コロナ放電には、負コロナ及び正コロナのいずれを用いてもよいが、非分極樹脂フィルムの分極しやすさの観点から負コロナを用いることが望ましい。
コロナ放電処理は、特に限定されないが、例えば;特開2011−181748号公報に記載のように非分極フィルムに対して線状電極を用いて印加を実施すること;非分極フィルムに対して針状電極を用いて印加を実施すること;又は非分極フィルムに対してグリッド電極を用いて印加を実施すること、によって実施できる。
コロナ放電処理の条件は、本発明が属する技術分野の常識に基づいて、適宜設定すればよい。コロナ放電処理の条件が弱すぎると、得られる圧電フィルムの圧電性が不充分になる虞があり、一方、コロナ放電処理の条件が強すぎると、得られる圧電フィルムが点状欠陥を有する虞がある。
ここで、得られる分極フィルムの圧電定数d33の面内ばらつきを抑制するためには、各針状電極、及び/又は線状電極とフィルムとの距離が一定であること、すなわち電極とフィルムとの間の距離にフィルム面内ばらつきが無いこと(又は極めて小さいこと)(具体的には、最長距離と最短距離の差が、好ましくは、6mm以内、より好ましくは4mm、更に好ましくは、3mm以内であること)が望ましい。
また、得られる分極フィルムの圧電定数d33の面内ばらつきを抑制するためには、例えば、ロール・トゥ・ロールで連続印加を実施する場合は、フィルムに一定の張力がかかるようにして、フィルムを適度且つ均一にロールに密着させることが、望ましい。
例えば、線状電極を用いてロール・トゥ・ロールで連続印加を実施する場合は、線状電極と非分極フィルムの間の距離、フィルム膜厚等によって異なるが、例えば、−15〜−25kVの直流電界である。処理速度は、例えば、10〜500cm/分である。
別法として、分極処理は、コロナ放電の他に、例えば非分極フィルムの両面から平板電極で挟み込んで印加することにより実施してもよい。具体的には、例えば、非分極フィルムの両面から平板電極で挟み込んで印加を実施する場合、0〜400MV/m(好ましくは50〜400MV/m)の直流電界、及び0.1秒〜60分間の印加時間の条件を採用できる。
工程C(熱処理工程)
工程Cは、工程Bに対して任意の時点で、行われる。すなわち、工程Cは、工程Bの前、工程Bと同時、又は工程Bの後に実施できる。工程Cを工程Bの後に行う場合、工程Cの熱処理は、工程Bで得られた分極化フィルム又は工程Bにおいて分極を完了した部分に対して行うことができる。すなわち、工程Bの分極処理を実施しながら、当該分極処理を終えた部分に対して工程Cの熱処理を実施してもよい。
熱処理の方法は、特に限定されないが、例えば、前記無延伸の重合体フィルム(以下、単に前記フィルムと称する場合がある)を2枚の金属板で挟み、当該金属板を加熱すること;前記フィルムのロールを恒温槽中で加熱すること;又はロール・トゥ・ロール方式での前記フィルムの生産において、金属ロールを加熱し、前記フィルムを、当該加熱した金属ロールに接触させること;又は前記フィルムを加熱した炉の中にロール・トゥ・ロールで通していくことにより行うことができる。ここで、工程Cを工程Bの後に行う場合、分極化フィルムは単体で熱処理してもよいし、或いは別種のフィルム又は金属箔上に重ねて積層フィルムを作成し、これを熱処理してもよい。とりわけ、高温で熱処理する場合には後者の方法のほうが、分極化フィルムにしわが入りにくいので好ましい。
前記熱処理の温度は、熱処理される分極化フィルムの種類によって異なる場合があり、好ましくは(熱処理される分極化フィルムの融点−100)℃〜(熱処理される分極化フィルムの融点+40)℃の範囲内である。
前記熱処理の温度は、具体的には、好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上、更に好ましくは90℃以上である。
また、前記熱処理の温度は、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
前記熱処理の時間は、通常、10秒間以上、好ましくは0.5分間以上、より好ましくは1分間以上、更に好ましくは2分間以上である。
また、前記熱処理の時間の上限は限定されないが、通常、前記熱処理の時間は60分間以下である。
前記熱処理の条件は、好ましくは90℃以上で1分間以上である。
熱処理後、前記フィルムを所定温度まで冷却する。当該温度は、好ましくは、0℃〜60℃の範囲であり、室温であることができる。冷却速度は、徐冷であっても急冷であってもよく、急冷であることが生産性の面から好ましい。急冷は、例えば送風等の手段によって実施できる。本明細書中、このようなフィルムの熱処理をアニール処理と称する場合がある。
有機圧電フィルムのロール
本発明の有機圧電フィルムは、好ましくは、ロールとして保管及び出荷され得る。
本発明の有機圧電フィルムは、このようなロールの形態にする際のシワの発生の抑制の観点から、弾性率が500MPa以上であることが好ましい。弾性率は、フィルムの材質の選択等により調整できる。
本発明の有機圧電フィルムのロールは、本発明の有機圧電フィルムのみからなってもよく、本発明の有機圧電フィルムに保護フィルムなどを積層させて巻いた形態でもよく、紙管等の芯、及び当該芯に巻き付けられた本発明の有機圧電フィルムを備えてもよい。
本発明の有機圧電フィルムのロールは、好ましくは、幅50mm以上、かつ長さ20m以上である。
本発明の有機圧電フィルムのロールは、例えば、本発明の有機圧電フィルムを、巻き出しローラーと巻き取りローラーを用いて巻き取ることにより、調製できる。
ここで、フィルムのたわみを抑制する観点で、通常行われるように、巻き出しローラーと巻き取りローラーを平行にすることが好ましい。
また、フィルムのたわみを抑制する観点で、本発明の有機圧電フィルムのなかでも、弾性率が500MPa以上のフィルムを用いてもよい。
ローラーとしては、本発明のフィルムの滑り性を良くするため、滑り性のよいローラー、具体的にはフッ素樹脂で被覆されたローラー、メッキされたローラー、又は離型剤を塗布したローラーを用いることが好ましい。
ここで、フィルムの厚さが不均一である場合は、いわゆるロールの耳立ち(ハイエッジ;ロールの軸方向の中心部に比べて、端部が太くなること;両端部が中心部より膜厚が低い場合に両端部が中心部に比べて凹むこと;又は一方の端部からもう一方の端部に傾斜的に厚さが変化していく場合に膜厚が薄い側の端部が凹むこと)等のロールの太さの不均一さが発生し、これはシワの発生の原因になり得る。また、これは、フィルムの捲き出しの際に、フィルムのたわみ(重力による張力以外の張力がかけられていない状態での湾曲)が発生する原因となり得る。
一般に、ロールの耳立ちを防止する目的で、ロールの端となるフィルム端をスリッター耳おとし(スリット)することが行われるが、フィルムの厚さの不均一がフィルム端から広い範囲にわたる場合、耳おとしのみでは、ロールの耳立ち及び凹みの防止が困難である。
また、一般に、フィルムの幅が広い(例、幅100mm以上)ほど、及びフィルムの長さが長い(例、50m以上)ほど、前記耳立ち、前記凹み及び前記たわみが生じやすい。
しかし、本発明の有機圧電フィルムは、厚さの均一性が高いので、そのまま、又はロールの端となるフィルム端をスリッター耳おとし(スリット)することのみで、フィルムの幅が広く(例、幅100mm以上)、かつフィルムの長さが長い(例、50m以上)場合でも、前記耳立ち、前記凹み及び前記たわみが抑制されたロールにすることができる。
スリットで除去された耳(フィルム端)は、回収して、本発明の有機圧電フィルムの原料として、リサイクルできる。
本発明の有機圧電フィルムのロールは、太さの均一性が高く、好ましくは、ロールの軸方向の中心部の太さに対する、より太いほうの端部の太さの比が70〜130%の範囲内である。
これにより、本発明の有機圧電フィルムのロールは、これから巻き出されたフィルムのたわみが抑制されている。
本発明の有機圧電フィルム及びそのロールの製造に用いられるローラーの表面粗さRaは、1μm以下であることが好ましい。本明細書において、「表面粗さRa」は、JIS B0601:2001に規定されている、「算術平均高さ」である。
また、本発明の有機圧電フィルム及びそのロールの製造に用いられるローラーは、少なくともその表面の材質が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、クロムメッキ、又はステンレス鋼(SUS)であることが好ましい。
これらのことにより、フィルムのシワを抑制できる。
適用
本発明の有機圧電フィルムは高温に曝された後でも高い圧電性を有するので、高い圧電性が要求され、かつ高温に曝される可能性がある、種々の用途に好適に用いることができる。
また、本発明の有機圧電フィルムは、可撓性を有するので、種々の用途に好適に用いることができる。
圧電パネル
本発明の有機圧電フィルム(好ましくは、前記項1〜13のいずれか1項に記載の態様の有機圧電フィルム)は、圧電パネル(例、タッチ圧を検出できるタッチパネル)等に使用できる。
本発明の有機圧電フィルムを有するタッチパネルは、タッチ位置及びタッチ圧の両方を検出でき、かつ高温に曝された後でもタッチ圧の検出性能が低下しにくい。
本発明の有機圧電フィルムは、抵抗膜方式、及び静電容量方式等の、あらゆる方式のタッチパネルに使用できる。
本発明の有機圧電フィルムは、タッチパネルに使用されるとき、必ずしも、タッチ位置及びタッチ圧の両方の検出のために使用される必要は無く、本発明の有機圧電フィルムは、タッチ位置又はタッチ圧のいずれかの検出にも使用されてもよい。
本発明の有機圧電フィルムを有する圧電パネルは、好ましくは、
第1の電極と、
本発明の有機圧電フィルムと、
第2の電極)と、
をこの順で有する。
第1の電極は本発明の有機圧電フィルムの一方の主面上に直接又は間接的に配置され、及び
第2の電極は本発明の有機圧電フィルムの他方の主面上に直接又は間接的に配置される。
ここで、当該圧電パネルが有する有機圧電フィルムの数は1枚以上であることができる。ここで、圧電パネルの焦電ノイズを除去するために、2枚の有機圧電フィルムが、バイモルフ構造(例、国際公開第2015/053343号パンフレットの図18に記載されているようなバイモルフ構造)を形成していてもよい。この時、2枚の有機圧電フィルムは、透明粘着剤、又は透明接着剤で貼り合わせられていてもよい。ここで、透明粘着剤、又は透明接着剤の層の厚さは、その引張弾性率が有機圧電フィルムより大きい場合は、より厚いほうが好ましく、これが小さい場合は、より薄いほうが好ましい。また、当該2枚の有機圧電フィルムの厚さについては、圧力を加えられる側のフィルムがより厚いほうが好ましい。
当該電極の例としては、ITO(酸化インジウム・スズ)電極、酸化スズ電極、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、及び有機導電樹脂等が挙げられる。
圧力センサー
本発明の有機圧電フィルム(好ましくは、前記項1〜12、及び14のいずれか1項に記載の態様の有機圧電フィルム)は、圧力センサーに使用できる。
本発明の有機圧電フィルムを有する圧力センサーは、好ましくは、
第1の電極と、
本発明の有機圧電フィルムと、
第2の電極)と、
をこの順で有する。
第1の電極は本発明の有機圧電フィルムの一方の主面上に直接又は間接的に配置され、及び
第2の電極は本発明の有機圧電フィルムの他方の主面上に直接又は間接的に配置される。
当該電極の例としては、ITO(酸化インジウム・スズ)電極、酸化スズ電極、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、及び有機導電樹脂等が挙げられる。
ハプティックデバイス
本発明の有機圧電フィルム(好ましくは、項1、2、5〜12、及び14のいずれか1項に記載の態様の有機圧電フィルム)は、ハプティックデバイスに好適に使用できる。
本発明の有機圧電フィルムを有するハプティックデバイスは、好ましくは、
第1の電極、
本発明の有機圧電フィルム、及び
第2の電極
この順で有する。
第1の電極は本発明の有機圧電フィルムの一方の主面上に直接又は間接的に配置され、及び
第2の電極は本発明の有機圧電フィルムの他方の主面上に直接又は間接的に配置される。
当該ハプティックデバイスにおいて、本発明の有機圧電フィルムは、第1の電極、及び第2の電極を介して受け取った電気エネルギーを機械的エネルギーに変換できる。これにより、本発明の有機圧電フィルムが変形して、振動し、ユーザーに触覚をフィードバックできる。
圧電振動発電装置
本発明の有機圧電フィルム(好ましくは、前記項1、2、5〜12、及び14のいずれか1項に記載の態様の有機圧電フィルム)は、圧電振動発電装置に好適に使用できる。
本発明の有機圧電フィルムを有する圧電振動発電装置は、好ましくは、
好ましくは、
第1の電極、
本発明の有機圧電フィルム、及び
第2の電極
この順で有する。
第1の電極は本発明の有機圧電フィルムの一方の主面上に直接又は間接的に配置され、及び
第2の電極は本発明の有機圧電フィルムの他方の主面上に直接又は間接的に配置される。
本発明の有機圧電フィルムは、圧電振動発電装置が受けた振動の機械的エネルギーを電気エネルギーに変換できる。当該電気エネルギーは、第1の電極、及び第2の電極を介して、2次電池等に送られる。
平面スピーカー
本発明の有機圧電フィルムは、平面スピーカーに好適に使用できる。
本発明の有機圧電フィルムを有する平面スピーカーは、好ましくは、
好ましくは、
第1の電極、
本発明の有機圧電フィルム、及び
第2の電極
この順で有する。
当該平面スピーカーにおいて、本発明の有機圧電フィルムは、第1の電極、及び第2の電極を介して受け取った電気エネルギーを機械的エネルギーに変換できる。これにより、本発明の有機圧電フィルムが変形して、振動し、音を発生できる。
本発明の有機圧電フィルムを有するタッチパネルは、入力装置(すなわち、本発明の有機圧電フィルムを有する入力装置)に用いることができる。当該タッチパネルを有する入力装置は、タッチ位置、タッチ圧、又はその両方に基づく入力が可能である。当該タッチパネルを有する入力装置は、位置検出部及び圧力検出部を有することが出来る。
当該入力装置は、電子機器(例、携帯電話(例、スマートフォン)、携帯情報端末(PDA)、タブレットPC、ATM、自動券売機、及びカーナビゲーションシステム)に用いることができる。当該入力装置を有する電子機器は、タッチ位置、タッチ圧又はその両方に基づく操作及び動作が可能である。
バイモルフ型圧電フィルム
本発明の有機圧電フィルムを、圧力センサー、又はハプティックデバイスに用いる場合には、本発明の有機圧電フィルムは、2枚の有機圧電フィルムを互いに貼りあわせた、いわゆるバイモルフ構造を構成していてもよい。すなわち、本発明は、当該バイモルフ型圧電フィルムもまた提供するものである。このようなバイモルフ型圧電フィルムを圧力センサーとして用いる際には、特に、焦電ノイズ除去の観点から、当該バイモルフ型圧電フィルムは、2枚の有機圧電フィルムの分極方向が互いに逆向きになるように貼り合せたバイモルフ構造を有することが好ましい。これにより、温度上昇によって同じ極性の電荷が生じる面がそれぞれ外側になるように配置されるので、それぞれの焦電フィルムから生じる焦電信号(焦電ノイズ)の一部、又は全部が相殺されることができる。当該バイモルフ型圧電フィルムは、通常、例えば、平面視で、方形(例:長方形、正方形)状、又は円形(例:楕円形、真円形)状の形状を有していることができる。当該バイモルフ型圧電フィルム(圧電素子)の両面(すなわち、2枚の本発明の有機圧電フィルム)には、それぞれ検出電極が設けられていることができる。
2枚の本発明の有機圧電フィルムは、それぞれ、互いに粘着シート、又は接着剤層で貼り合わせられていてもよく、互いに直接接触していてもよく、互いに熱融着していてもよく、又は互いに熱圧着していてもよい。
当該粘着シートは、2枚の本発明の有機圧電フィルムを互いに貼り合わせられるものであれば特に限定されず、1又は2以上の層からなることができる。すなわち、当該粘着シートが1層からなる場合、当該粘着シートは粘着剤層からなり、及び当該粘着シートが2以上の層からなる場合、その両外層が粘着剤層である。当該粘着シートが3以上の層からなる場合、当該粘着シートは内層として基材層を有していてもよい。
当該粘着シートにおける基材層は、透明なフィルムであればよく、好ましくは、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリパラフェニレンスルフィド、又はポリアミドイミドのフィルムであることができる。
当該粘着シートにおける粘着剤層は、例えば粘着剤としてアクリル系粘着剤を含有する層であることができる。
前記接着剤層を形成する接着剤は、例えばアクリル系接着剤であることができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
後記の実施例及び比較例においては、次の電極を使用した。
<使用電極>
(1)20mm幅(10mm厚、500mm長)の真鍮棒の中心線上に10mm間隔で電
極用針(針状電極)(R=0.06mm;森田製針所製)を1列に並べた針状電極棒
(2)(1)と同様に、15mm間隔で電極用針(R=0.06mm;森田製針所製)を
1列に並べた針状電極棒
(3)直径0.1mmの金鍍金したタングステン製の線状電極(500mm長)
後記の実施例及び比較例においては、次の方法で、全光線透過率、全ヘイズ値、圧電定数d33を測定した。
<全光線透過率>
ヘイズメーター NDH-7000SP(製品名、日本電色工業)を使用し、JIS K-7361に記載の方法に基づいて測定した。
<全ヘイズ値>
ヘイズメーター NDH-7000SP(製品名、日本電色工業)を使用し、JIS K-7136に記載の方法に基づいて測定した。
<内部ヘイズ値>
石英製セルの中に水を入れ、その中にフィルムを挿入し、NDH-7000SP(製品名、日本電色工業)を使用し、JIS K-7136に準拠し測定した。
<圧電定数d33測定>
圧電定数d33の測定は、PIEZOTEST社のピエゾメーターシステムPM300を用いて測定した。当該測定では、1Nでサンプルをクリップし、0.25N、110Hzの力を加えた際の発生電荷を読み取った。
<引張弾性係数>
引張弾性係数は、フィルムのサンプルを、幅20mm×長さ100mmに切り出し、オートグラフ(島津製作所)を用いて、チャック間50mm、速度50mm/min の条件でJIS K7127に基づいて測定することにより決定した。
<リタデーション>
リタデーションは、フィルムのサンプルを2cm×2cm以上の大きさに切り出して、位相差フィルム・光学材料検査装置 RETS-100(製品名、大塚電子)を用いた測定によって、決定される。本明細書において、リタデーションの数値としては、550nmの値を採用する。
製造例1(非分極フィルムの製造)
次の製造法により、厚さ40μmの、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム(モル比 80:20)を製造した。
フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(モル比 80:20)のジメチルアセトアミド(DMAc)溶液、またはメチルエチルケトン(MEK)溶液をPET(ポリエチレンテレフタレート)基材上に流延し、180℃で溶媒を気化させて、厚さ40μmのフィルムを成形した。
実施例1
ISOクラス7のクリーンルーム(湿度60%)の中で、図1にその概要を示したように、アースされたローラー1(直径200mm、幅800mm)であるSUS製のグランド電極上に、抱き角200°で当該ローラー1に沿って移動するように、幅550mm、長さ200m、及び表1に示す各膜厚(20〜40μm)を有するフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム2(以下、単にフィルム2と称する場合がある。)を設置した。第1電極E1として、針状電極を、当該針状電極の並びがローラー1の表面に対して垂直(すなわち、ローラー1の動径方向)になり、かつ、フィルム2から針状電極(第1電極E1)の先端が10mm上空に離れた位置になるように設置した。第1電極E1は、第1高圧電源V1が接続されている。さらに、前記針状電極(第1電極E1)から、フィルム2の長さにして100mm離れた位置、及び150mm離れた位置に、それぞれ、第2電極E2として、直径0.1mmの金鍍金したタングステン製の線状電極(550mm長)1本を、フィルム2から20mm上空に離れた位置になるように設置した。各第2電極E2は、それぞれ、第2高圧電源V2が接続されている。
針状電極(第1電極E1)には−10kVの電圧を、線状電極(第2電極E2)には−10〜−15kVの電圧を印加した後、96cm/分の速さでフィルム2を図3の矢印方向に移動させて、針状電極(第1電極)の先端と、それに続く線状電極(第2電極)から発生するコロナ放電の下を通過させ、更に、アースされた金属ロール3(直径70mm)に接触させてフィルム2を除電した。その後、スリッターを用いて、フィルム2の両端をそれぞれ0.5cm幅除去し、PETフィルムを間に挟みながら、直径6インチの円筒状の芯に、得られた分極化フィルムを巻き取った。
ここで、針状電極(第1電極E1)とフィルム2との距離、及び線状電極(第2電極E2)とフィルム2との距離がともに一定(電極とフィルムとの間の最長距離と最短距離の差が、0mm)になるように調製して、8個のサンプルを製造した(サンプル番号1〜8)。
これに加えて、以下の2個のサンプル(サンプル番号9、10)
前述のサンプル番号1〜8とは異なり、針状電極(第1電極E1)とフィルム2との距離は一定になるように調製したが、一方、線状電極(第2電極E2)とフィルム2との距離が一定になるように調製することを省略したので、線状電極が傾いて固定され、フィルム2の進行方向に対して右端がフィルム2から25mm上空に離れた位置、左端が15mm上空に離れた位置に固定された状態で、1個のサンプル(膜厚40μm)を製造した(サンプル番号9)。
前述のサンプル番号1〜8とは異なり、線状電極(第2電極E2)とフィルム2との距離が一定になるように調製したが、一方、針状電極(第1電極E1)とフィルム2との距離が一定になるように調製することを省略したので、線状電極が傾いて固定され、フィルムの進行方向に対して右端がフィルム2から20mm上空に離れた位置、左端が10mm上空に離れた位置に固定された状態で、1個のサンプル(膜厚20μm)を製造した(サンプル番号10)。
試験例1
圧電性の測定には、Piezo Test社のd33メーターPM300(これに、サンプル固定治具として先端が1.5mmφのピンをとりつけた)を用いた。当該メーターにおいて、Rng/Mode: VLO/d33、Frequency:110 Hz、及びDyn Force:0.25 Nの条件に設定し、102gの錘を検出部分に乗せて、前記メーターのSt.Fが1.0Nになるのを確認してから、サンプル固定治具に先端の以下の手順で測定を行った。
(1)50mm[流れ方向]/500mm[幅方向]の大きさでフィルムを切断した
(2)圧電フィルムに折り目やシワが入らないように、平坦かつ綺麗な台の上にフィルムを置いた。
(3)幅方向に50mm間隔で、10箇所に、油性ペンで印をつけた。
(4)フィルムにシワや折り目が入らないように検出部分にセットし、トリガーを時計回りに回し、St.F: 1.0 Nになるまでフォースヘッドを下ろし、前記印をつけた各箇所で、30秒後d33の値を読み取った。
表1に測定結果を示す。

Claims (19)

  1. 圧電定数d33の変動係数が2.0以下である有機圧電フィルム。
  2. 圧電定数d33が0.5〜30pC/Nの範囲内である請求項1に記載の有機圧電フィルム。
  3. 圧電定数d33が0.5〜2.0pC/N未満の範囲内である請求項1に記載の有機圧電フィルム。
  4. 圧電定数d33が2.0〜4.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が1.0以下である請求項1に記載の有機圧電フィルム。
  5. 圧電定数d33が4.0〜6.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が0.6以下である請求項1に記載の有機圧電フィルム。
  6. 圧電定数d33が6.0〜10.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が0.4以下である請求項1に記載の有機圧電フィルム。
  7. 圧電定数d33が10.0〜14.0pC/N未満の範囲内であり、且つその変動係数が0.3以下である請求項1に記載の有機圧電フィルム。
  8. 圧電定数d33が14.0〜30.0pC/Nの範囲内であり、且つその変動係数が0.15以下である請求項1に記載の有機圧電フィルム。
  9. 引張弾性係数が0.4〜5GPaの範囲内である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
  10. リタデーションが200〜10000nmの範囲内である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
  11. リタデーションが0.5〜200nmの範囲内である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
  12. 分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなる請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
  13. 内部ヘイズ値が0.05〜80%の範囲内である請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
  14. 内部ヘイズ値が5〜90%の範囲内である請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機圧電フィルム。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルムを有する圧電パネル。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルムを有する圧力センサー。
  17. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルムを有するハプティックデバイス。
  18. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルムを有する振動発電装置。
  19. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機圧電フィルムを有する平面スピーカー。
JP2016098529A 2015-05-22 2016-05-17 有機圧電フィルム Active JP6993555B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021200113A JP2022040121A (ja) 2015-05-22 2021-12-09 有機圧電フィルム

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015104396 2015-05-22
JP2015104396 2015-05-22

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021200113A Division JP2022040121A (ja) 2015-05-22 2021-12-09 有機圧電フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016219804A true JP2016219804A (ja) 2016-12-22
JP6993555B2 JP6993555B2 (ja) 2022-01-13

Family

ID=57581588

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016098529A Active JP6993555B2 (ja) 2015-05-22 2016-05-17 有機圧電フィルム
JP2021200113A Pending JP2022040121A (ja) 2015-05-22 2021-12-09 有機圧電フィルム

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021200113A Pending JP2022040121A (ja) 2015-05-22 2021-12-09 有機圧電フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP6993555B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019009374A1 (ja) * 2017-07-07 2019-01-10 ダイキン工業株式会社 振動センサおよび圧電素子
JP2020065042A (ja) * 2018-10-16 2020-04-23 ダイキン工業株式会社 圧電フィルム
WO2020202006A1 (en) 2019-04-02 2020-10-08 Sabic Global Technologies B.V. Lead-free piezo composites and methods of making thereof
WO2020201922A1 (en) 2019-04-02 2020-10-08 Sabic Global Technologies B.V. Flexible and low cost lead-free piezoelectric composites with high d33 values
WO2020213477A1 (ja) * 2019-04-19 2020-10-22 株式会社村田製作所 振動装置
KR20210052434A (ko) 2018-09-03 2021-05-10 닛토덴코 가부시키가이샤 투명 도전성 압전 필름의 제조 방법 및 제조 장치
WO2021215284A1 (ja) * 2020-04-22 2021-10-28 ダイキン工業株式会社 含フッ素重合体フィルム
US11297439B2 (en) * 2018-08-20 2022-04-05 Lg Display Co., Ltd. Display apparatus including flexible vibration module and method of manufacturing the flexible vibration module
CN115362059A (zh) * 2020-04-02 2022-11-18 株式会社吴羽 层叠膜、其制造方法和利用
WO2022270364A1 (ja) * 2021-06-22 2022-12-29 大阪有機化学工業株式会社 有機圧電フィルム、積層体、および有機圧電フィルムの製造方法
WO2023042877A1 (ja) * 2021-09-16 2023-03-23 ダイキン工業株式会社 有機圧電フィルム
WO2023042892A1 (ja) 2021-09-16 2023-03-23 ダイキン工業株式会社 有機圧電フィルム
WO2023224057A1 (ja) * 2022-05-18 2023-11-23 株式会社クレハ 積層圧電フィルム

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62116126A (ja) * 1985-11-15 1987-05-27 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ポリフツ化ビニリデン延伸体及びその製造方法
CN1556549A (zh) * 2003-12-31 2004-12-22 中国兵器工业集团第五三研究所 一种有机压电薄膜极化方法
JP2011181748A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Daikin Industries Ltd 分極化樹脂フィルムの製造方法
JP2012142546A (ja) * 2010-12-17 2012-07-26 Fujifilm Corp 高分子複合圧電体およびその製造方法
JP2013508806A (ja) * 2009-10-19 2013-03-07 ノースウェスタン ユニバーシティ 制御された摩擦力を有するハプティックデバイス
WO2015053344A1 (ja) * 2013-10-08 2015-04-16 ダイキン工業株式会社 圧電フィルム
WO2015064328A1 (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 ダイキン工業株式会社 圧電フィルム
JP2015097220A (ja) * 2013-10-08 2015-05-21 ダイキン工業株式会社 圧電フィルム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102803357B (zh) * 2009-06-15 2014-07-09 株式会社村田制作所 压电体片以及压电体片的制造方法及制造装置
JP6030878B2 (ja) * 2012-07-25 2016-11-24 帝人株式会社 圧電体の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62116126A (ja) * 1985-11-15 1987-05-27 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ポリフツ化ビニリデン延伸体及びその製造方法
CN1556549A (zh) * 2003-12-31 2004-12-22 中国兵器工业集团第五三研究所 一种有机压电薄膜极化方法
JP2013508806A (ja) * 2009-10-19 2013-03-07 ノースウェスタン ユニバーシティ 制御された摩擦力を有するハプティックデバイス
JP2011181748A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Daikin Industries Ltd 分極化樹脂フィルムの製造方法
JP2012142546A (ja) * 2010-12-17 2012-07-26 Fujifilm Corp 高分子複合圧電体およびその製造方法
WO2015053344A1 (ja) * 2013-10-08 2015-04-16 ダイキン工業株式会社 圧電フィルム
JP2015097220A (ja) * 2013-10-08 2015-05-21 ダイキン工業株式会社 圧電フィルム
WO2015064328A1 (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 ダイキン工業株式会社 圧電フィルム

Cited By (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021036605A (ja) * 2017-07-07 2021-03-04 ダイキン工業株式会社 振動センサおよび圧電素子
JPWO2019009374A1 (ja) * 2017-07-07 2020-01-09 ダイキン工業株式会社 振動センサおよび圧電素子
CN110832653A (zh) * 2017-07-07 2020-02-21 大金工业株式会社 振动传感器和压电元件
US11793083B2 (en) 2017-07-07 2023-10-17 Daikin Industries, Ltd. Vibration sensor and piezoelectric element
WO2019009374A1 (ja) * 2017-07-07 2019-01-10 ダイキン工業株式会社 振動センサおよび圧電素子
US11297439B2 (en) * 2018-08-20 2022-04-05 Lg Display Co., Ltd. Display apparatus including flexible vibration module and method of manufacturing the flexible vibration module
US11785394B2 (en) 2018-08-20 2023-10-10 Lg Display Co., Ltd. Apparatus including flexible vibration module
KR20210052434A (ko) 2018-09-03 2021-05-10 닛토덴코 가부시키가이샤 투명 도전성 압전 필름의 제조 방법 및 제조 장치
WO2020080382A1 (ja) 2018-10-16 2020-04-23 ダイキン工業株式会社 圧電フィルム
JP7473773B2 (ja) 2018-10-16 2024-04-24 ダイキン工業株式会社 圧電フィルム
KR102655470B1 (ko) 2018-10-16 2024-04-09 다이낑 고오교 가부시키가이샤 압전 필름
CN112913039A (zh) * 2018-10-16 2021-06-04 大金工业株式会社 压电膜
KR20210076097A (ko) 2018-10-16 2021-06-23 다이낑 고오교 가부시키가이샤 압전 필름
JP2020065042A (ja) * 2018-10-16 2020-04-23 ダイキン工業株式会社 圧電フィルム
WO2020202006A1 (en) 2019-04-02 2020-10-08 Sabic Global Technologies B.V. Lead-free piezo composites and methods of making thereof
WO2020201922A1 (en) 2019-04-02 2020-10-08 Sabic Global Technologies B.V. Flexible and low cost lead-free piezoelectric composites with high d33 values
JP7143941B2 (ja) 2019-04-19 2022-09-29 株式会社村田製作所 振動装置
US11556177B2 (en) 2019-04-19 2023-01-17 Murata Manufacturing Co., Ltd. Vibration device
WO2020213477A1 (ja) * 2019-04-19 2020-10-22 株式会社村田製作所 振動装置
CN112805096A (zh) * 2019-04-19 2021-05-14 株式会社村田制作所 振动装置
JPWO2020213477A1 (ja) * 2019-04-19 2021-09-13 株式会社村田製作所 振動装置
CN115362059A (zh) * 2020-04-02 2022-11-18 株式会社吴羽 层叠膜、其制造方法和利用
WO2021215284A1 (ja) * 2020-04-22 2021-10-28 ダイキン工業株式会社 含フッ素重合体フィルム
JP2021174834A (ja) * 2020-04-22 2021-11-01 ダイキン工業株式会社 含フッ素重合体フィルム
JP7071664B2 (ja) 2020-04-22 2022-05-19 ダイキン工業株式会社 含フッ素重合体フィルム
WO2022270364A1 (ja) * 2021-06-22 2022-12-29 大阪有機化学工業株式会社 有機圧電フィルム、積層体、および有機圧電フィルムの製造方法
WO2023042892A1 (ja) 2021-09-16 2023-03-23 ダイキン工業株式会社 有機圧電フィルム
JP7307359B2 (ja) 2021-09-16 2023-07-12 ダイキン工業株式会社 有機圧電フィルム
JP2023043871A (ja) * 2021-09-16 2023-03-29 ダイキン工業株式会社 有機圧電フィルム
JP2023043380A (ja) * 2021-09-16 2023-03-29 ダイキン工業株式会社 有機圧電フィルム
WO2023042877A1 (ja) * 2021-09-16 2023-03-23 ダイキン工業株式会社 有機圧電フィルム
WO2023224057A1 (ja) * 2022-05-18 2023-11-23 株式会社クレハ 積層圧電フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022040121A (ja) 2022-03-10
JP6993555B2 (ja) 2022-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6993555B2 (ja) 有機圧電フィルム
KR101871617B1 (ko) 바이모르프형 압전 필름
EP3064537B1 (en) Film and method for producing same
KR102655470B1 (ko) 압전 필름
JP2020047281A (ja) 透明圧電パネル
JP2019067908A (ja) 圧電フィルムおよびフィルムの製造方法
JP6468441B2 (ja) 圧電フィルム
JP2015111640A (ja) 圧電フィルムの製造方法
US20230069063A1 (en) Fluorine-containing polymer film
JP2015111641A (ja) 有機圧電フィルム
JP6638395B2 (ja) 圧電フィルム
JP6439250B2 (ja) 積層体
JP2015088566A (ja) 圧電フィルム及びその製造方法
JP2015097220A (ja) 圧電フィルム
WO2023042892A1 (ja) 有機圧電フィルム
JP6520714B2 (ja) フィルム
JP2015110717A (ja) フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191226

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200707

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6993555

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151