JP2023043871A - 有機圧電フィルム - Google Patents

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崇 金村
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Abstract

【課題】 高圧電性及び高透明性を有する有機圧電フィルムの提供を課題とする。【解決手段】 本開示の有機圧電フィルムは、全光線透過率が90%以上であり、単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下、又は、内部へイズ値が4%以下であり、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上である。【選択図】なし

Description

本開示は、有機圧電フィルムに関する。
有機圧電フィルムは、有機物である重合体から形成され、圧電性(加えられた力を電圧に変換する性質、又は加えられた電圧を力に変換する性質)を有するフィルムである。有機圧電フィルムは、圧電性を利用する様々な用途[例:センサ、アクチュエータ、タッチパネル、ハプティックデバイス(ユーザに触覚をフィードバックする機能を有するデバイス)、振動発電装置、スピーカー、マイク]に利用される。中でも視認性が重要視される箇所に有機圧電フィルムを配置する場合(例:窓、ディスプレイ)には視認性を損なわないために高透明であることに加えてリタデーション(位相差)が低いことが求められる。例えば、ディスプレイ上に有機圧電フィルムが配置される場合には十分な光透過性が求められる。また、ディスプレイを構成する部材(例:偏光板、位相差板)との干渉を避けるためにリタデーションが低いことが求められる。
有機圧電フィルムとして、典型的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルムが使用される。PVDFフィルムに良好な圧電性を付与するためには、PVDFフィルムを一軸延伸して分極処理を施すことが必要である(例えば、特許文献1)。
特開2008-171935号公報
しかし、一軸延伸されたPVDFフィルムは、膜厚及び圧電性の面内ばらつきが大きく、リタデーションも高い。また、圧電性と透明性とはトレードオフの関係にあるため、高圧電性及び高透明性を両立させたフィルムを得ることは困難であり、特に、自立膜として使用し得る膜厚を有するフィルムの場合、高圧電性及び高透明性を両立させることは、より一層困難である。また、フィルムを加熱すると、圧電性も透明性も低下するため、高圧電性及び高透明性を両立させることが、さらに一層困難である。
本開示は、高圧電性及び高透明性を有する有機圧電フィルムを提供することを目的とする。
本開示は、次の態様を含む。
項1.
全光線透過率が90%以上であり、
単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下であり、
110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上である、
有機圧電フィルム。
項2.
フッ化ビニリデン系共重合体フィルムからなる、項1に記載の有機圧電フィルム。
項3.
前記フッ化ビニリデン系共重合体が、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、及びフッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも一種である、項2に記載の有機圧電フィルム。
項4.
前記フッ化ビニリデン系共重合体において、フッ化ビニリデンの組成比率が60~85モル%の範囲内である、項2又は3に記載の有機圧電フィルム。
項5.
膜厚が10nm~1000μmである、項1~4のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
項6.
リタデーションが500nm以下である、項1~5のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
項7.
YI値が4以下である、項1~6のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
項8.
残留分極量が40mC/m以上である、項1~7のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
項9.
開口部が設けられたサンプルホルダにフィルム試料を直接載置し、回折角2θが10~40°である範囲にわたってX線回折測定を行ったときに得られるX線回折パターンにおいて、
10°の回折角2θにおける回折強度と、25°の回折角2θにおける回折強度とを結ぶ直線をベースラインとして設定し、及び
当該ベースラインと回折強度曲線とで囲まれる領域を、プロファイルフィッティングにより2つの対称性ピークに分離し、
このうち、回折角2θの大きい方を結晶性ピークと認定し、且つ回折角2θの小さい方を非晶性ハローピークと認定した場合に、
100×(結晶性ピークの面積)/(結晶性ピークの面積と非晶性ハローピークの面積との和)で表される結晶化度が40%以上である、項1~8のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
項10.
針状の結晶を含有するフッ化ビニリデン系共重合体フィルムからなり、
最大結晶長が800nm以下であり、
110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上である、
有機圧電フィルム。
項11.
平均結晶長が450nm以下である、項10に記載の有機圧電フィルム。
項12.
開口部が設けられたサンプルホルダにフィルム試料を直接載置し、回折角2θが10~40°である範囲にわたってX線回折測定を行ったときに得られるX線回折パターンにおいて、
10°の回折角2θにおける回折強度と、25°の回折角2θにおける回折強度とを結ぶ直線をベースラインとして設定し、及び
当該ベースラインと回折強度曲線とで囲まれる領域を、プロファイルフィッティングにより2つの対称性ピークに分離し、
このうち、回折角2θの大きい方を結晶性ピークと認定し、且つ回折角2θの小さい方を非晶性ハローピークと認定した場合に、
100×(結晶性ピークの面積)/(結晶性ピークの面積と非晶性ハローピークの面積との和)で表される結晶化度が40%以上である、項10又は11に記載の有機圧電フィルム。
項13.
センサ、アクチュエータ、タッチパネル、ハプティックデバイス、振動発電装置、スピーカー、及びマイクからなる群より選択される1種以上に使用するための、項1~12のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
項14.
積層体であり、
項1~12のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム、及び
前記有機圧電フィルムの少なくとも一方の面上に設けられた電極を備える圧電体。
項15.
キャスティング法により無延伸かつ非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを調製する工程A;
前記無延伸かつ非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを分極処理する工程B;及び工程Bに対して任意の時点で、無延伸のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを熱処理する工程C
を含む有機圧電フィルムの製造方法であって、
工程Aが、フッ化ビニリデン系重合体の融点をT℃としたとき、(T-10)℃~(T+5)℃の範囲内で加熱する工程A3を含む、有機圧電フィルムの製造方法。
本開示によれば、高圧電性及び高透明性を有する有機圧電フィルムが提供される。さらに、加熱(例えば、110℃で10分加熱)した後でも高圧電性及び高透明性を有する有機圧電フィルムが提供される。
実施例の圧電フィルムの製造に用いた製造装置の概要を示す模式図である。 実施例1及び比較例3の走査型電子顕微鏡像を示す図である。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許、及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられる。
用語
本明細書中の記号及び略号は、特に言及のない限り、本明細書の文脈に沿い、本開示が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、特に言及のない限り、室温で実施され得る。
本明細書中、室温は、10~40℃の範囲内の温度を意味することができる。
本明細書中、表記「Cn-m」(ここで、n及びmは、それぞれ整数であり、n<mである。)は、当業者が通常理解する通り、炭素数がn以上且つm以下であることを表す。
有機圧電フィルム
本開示の有機圧電フィルムは、有機物である圧電性ポリマーを含有する。圧電性ポリマーとしては、例えば、フッ化ビニリデン系重合体、シアン化ビニリデン系重合体、奇数鎖ナイロン、ポリ乳酸等が挙げられるが、これらに限定されない。圧電性ポリマーは、1種単独であっても2種以上の組合せであってもよい。圧電性ポリマーとしては、フッ化ビニリデン系重合体が好ましい。フッ化ビニリデン系重合体は、好ましくは分極化フッ化ビニリデン系重合体である。本明細書において、用語「分極化」とは、表面に電荷が付与されていることを意味する。すなわち、分極化フッ化ビニリデン系重合体は、エレクトレット又は圧電体、或いは強誘電体であることができる。
フッ化ビニリデン系重合体は、少なくともフッ化ビニリデン(VDF)を重合成分(モノマー)とする重合体である。フッ化ビニリデン系重合体は、フッ化ビニリデン単独重合体(ポリフッ化ビニリデン)であってもよく、フッ化ビニリデンと、フッ化ビニリデンと共重合可能な1種以上のモノマーとの共重合体(フッ化ビニリデン系共重合体)であってもよい。フッ化ビニリデンと共重合可能な1種以上のモノマーは、1種以上のハロゲン含有モノマーであってもよく、1種以上のハロゲン非含有モノマーであってもよく、これらの組合せであってもよい。
ハロゲン含有モノマーとしては、例えば、ビニルフルオリド(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、1-クロロ-1-フルオロエチレン(1,1-CFE)、1-クロロ-2-フルオロエチレン(1,2-CFE)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエチレン(CDFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロビニルモノマー、1,1,2-トリフルオロブテン-4-ブロモ-1-ブテン、1,1,2-トリフルオロブテン-4-シラン-1-ブテン、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)、ペルフルオロアクリラート、2,2,2-トリフルオロエチルアクリラート、2-(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリラート)等のフッ素含有モノマーが挙げられる。
ハロゲン非含有モノマーとしては、例えば、α-オレフィン(例:エチレン、プロピレン);不飽和ジカルボン酸又はその誘導体(例:マレイン酸、無水マレイン酸);ビニルエーテル(例:エチルビニルエーテル);アリルエーテル(例:アリルグリシジルエーテル);ビニルエステル(例:酢酸ビニル);アクリル酸又はそのエステル;メタクリル酸又はそのエステル等が挙げられる。
フッ化ビニリデン系重合体は、フッ化ビニリデンと、フッ化ビニリデンと共重合可能な1種以上のモノマーとの共重合体(フッ化ビニリデン系共重合体)であることが好ましい。当該共重合体におけるフッ化ビニリデンの組成比率[全繰り返し単位に対する、フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位(-CH-CF-)のモル比]の下限は、好ましくは65モル%、66モル%、67モル%、68モル%、69モル%、70モル%、71モル%、72モル%、又は73モル%である。当該共重合体におけるフッ化ビニリデンの組成比率の上限は、好ましくは85モル%、84モル%、83モル%、又は82モル%である。
当該共重合体は、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、及びフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体において、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの組成比率[フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位(-CH-CF-)とトリフルオロエチレンに由来する繰り返し単位(-CF-CHF-)とのモル比]の下限は、好ましくは65/35、より好ましくは70/30、さらに好ましくは73/27である。当該組成比率の上限は、好ましくは85/15、さらに好ましくは82/18である。当該組成比率は、好ましくは65/35~85/15の範囲内、より好ましくは70/30~85/15の範囲内、さらに好ましくは73/27~82/18の範囲内である。
フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体は、フッ化ビニリデン及びトリフルオロエチレンのみを重合成分とする共重合体であってもよく、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、及び1種以上のその他のモノマーを重合成分とする共重合体(例:三元共重合体、四元共重合体)であってもよい。当該1種以上のその他のモノマーは、例えば、上記「フッ化ビニリデンと共重合可能な1種以上のモノマー」として例示したモノマー(但し、トリフルオロエチレンを除く)からなる群より選択することができる。当該1種以上のその他のモノマーの組成比率の下限は、例えば、0.01モル%、0.05モル%、又は0.1モル%である。当該1種以上のその他のモノマーの組成比率の上限は、例えば、10モル%、5モル%、又は1モル%である。
フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体において、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの組成比率[フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位(-CH-CF-)とテトラフルオロエチレンに由来する繰り返し単位(-CF-CF-)とのモル比]の下限は、好ましくは65/35、より好ましくは66/34、さらに好ましくは67/33である。当該組成比率の上限は、好ましくは85/15、より好ましくは82/18、さらに好ましくは80/20である。当該組成比率は、好ましくは65/35~85/15の範囲内、より好ましくは66/34~82/18の範囲内、さらに好ましくは67/33~80/20の範囲内である。
フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体は、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレンのみを重合成分とする共重合体であってもよく、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、及び1種以上のその他のモノマーを重合成分とする共重合体(例:三元共重合体、四元共重合体)であってもよい。当該1種以上のその他のモノマーは、例えば、上記「フッ化ビニリデンと共重合可能な1種以上のモノマー」として例示したモノマー(但し、テトラフルオロエチレンを除く)からなる群より選択することができる。当該1種以上のその他のモノマーの組成比率の下限は、例えば、0.01モル%、0.05モル%、又は0.1モル%である。当該1種以上のその他のモノマーの組成比率の上限は、例えば、10モル%、5モル%、又は1モル%である。
上記圧電性ポリマーは、重量平均分子量(Mw)が5万以上200万以下であることが好ましい。上記範囲内とすることで、加工性に優れ、圧電性に優れるという点で好ましい。
特に、重量平均分子量が10万以上200万以下であることが好ましい。また、重量平均分子量の下限は、20万以上であることがより好ましく、30万以上であることが更に好ましく、60万以上であることが最も好ましい。重量平均分子量の上限は、190万以下であることがより好ましく、180万以下であることが更に好ましく、110万以下であることが最も好ましい。
なお、重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)によって測定することができる。
具体的には、GPC法により下記条件にて測定した結果に基づき、標準ポリスチレンを基準として分子量を算出できる。
(条件)
GPC装置:TOSOH AS-8010、CO-8020及び
SIMADZURID-10A
カラム:GMHHR-H 3本
展開溶媒:ジメチルホルムアミド〔DMF〕
試料濃度:0.05質量%
圧電性ポリマーの融点としては、基材を劣化させない温度であれば特に限定されず、例えば、100℃以上、105℃以上、110℃以上、又は115℃以上であってもよく、200℃以下、190℃以下、180℃以下、170℃以下、又は160℃以下であってもよい。融点は、例えば、プラスチックの転移温度測定方法(JIS K7121)に準拠し、示差走査熱量分析(DSC)により、10℃/分の速度で昇温したときに得られる融解熱曲線における極大値として測定することができる。
本開示の有機圧電フィルムにおける圧電性ポリマーの含有量の下限は、例えば、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%、又は70質量%であり、好ましくは80質量%、より好ましくは85質量%、さらに好ましくは90質量%である。当該含有量の上限は、特に制限されず、例えば、100質量%、又は99質量%である。
本開示の有機圧電フィルムは、さらに、圧電性ポリマー以外のポリマーを含有することができる。圧電性ポリマー以外のポリマーとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル(例:ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリアミド、シリコーン樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、及びポリオレフィン(例:ポリエチレン、ポリプロピレン)等が挙げられる。圧電性ポリマー以外のポリマーの含有量は、特に制限されないが、圧電性ポリマー100質量部に対して、例えば100質量部以下、80質量部以下、60質量部以下、40質量部以下、20質量部以下、10質量部以下、5質量部以下、又は1質量部以下である。
本開示の有機圧電フィルムは、圧電性ポリマー(又は、圧電性ポリマー及び圧電性ポリマー以外のポリマー)からなるフィルムであってもよく、圧電性ポリマーと添加剤とを含有するフィルムであってもよい。後者のフィルムの具体例は、当該圧電性ポリマー中に無機物が分散されているフィルムを包含する。
添加剤の具体例は、充填剤(例:無機酸化物粒子)、親和性向上剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、顔料、これら1種又は2種以上の組合せを包含し、その好適な例は、無機酸化物粒子、並びに、無機酸化物粒子及び親和性向上剤の組合せを包含する。
無機酸化物粒子の好適な例は、以下の無機酸化物粒子(B1)~(B3)からなる群より選択される少なくとも1種を包含する。
[無機酸化物粒子(B1)]
(B1)は、周期表の2族、3族、4族、12族又は13族の金属元素の酸化物の粒子、又はこれらの無機酸化物複合粒子である。前記金属元素の例は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Ti、Zr、Zn、及びAlを包含する。
(B1)の好適な例は、Be、Al、Mg、Y、及びZrの酸化物の粒子を包含する。前記粒子は、汎用で安価であり、また体積抵抗率が高い点から好ましい。
(B1)の更に好適な例は、Al、MgO、ZrO、Y、BeO、及びMgO・Alからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子を包含する。前記粒子は、体積抵抗率が高い点から好ましい。
(B1)の更に好適な例は、結晶構造がγ型のAlを包含する。前記粒子は、比表面積が大きく、圧電性ポリマーへの分散性が良好な点から好ましい。
[無機酸化物粒子(B2)]
(B2)は、式:
a1 b1c1
(式中、Mは2族金属元素;Mは4族金属元素であり;a1は0.9~1.1の範囲内であり;b1は0.9~1.1の範囲内であり;c1は2.8~3.2の範囲内である;M及びMはそれぞれ1種又は2種以上の金属元素であることができる)
で表される無機複合酸化物の粒子である。
前記2族金属元素の好適な例は、Mg、Ca、Sr、及びBaを包含する。
前記4族金属元素の好適な例は、Ti、及びZrを包含する。
(B2)の好適な例は、BaTiO、SrTiO、CaTiO、MgTiO、BaZrO、SrZrO、CaZrO、及びMgZrOからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子を包含する。前記粒子は、体積抵抗率が高い点から好ましい。
[無機酸化物粒子(B3)]
(B3)は、周期表の2族、3族、4族、12族、又は13族の金属元素の酸化物、及び酸化ケイ素の無機酸化物複合粒子である。前記金属元素の例は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Ti、Zr、Zn、及びAlを包含する。
(B3)の具体例は、3A1・2SiO、2MgO・SiO、ZrO・SiO、及びMgO・SiOからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子を包含する。
無機酸化物粒子は、必ずしも高誘電性である必要はなく、有機圧電フィルムの用途により適宜選択できる。例えば、汎用で安価な無機酸化物粒子[例:(B1)、特に、Alの粒子、及びMgOの粒子]を使用すると、体積抵抗率の向上を図ることができる。これら1種類の無機酸化物粒子(B1)の比誘電率(1kHz、25℃)は、通常100未満、好ましくは10以下の範囲内である。
無機酸化物粒子として、誘電率を向上させる目的で、強誘電性[例:比誘電率(1kHz、25℃)が100以上]の無機酸化物粒子[例:(B2)及び(B3)]を用いてもよい。強誘電性の無機酸化物粒子を構成する無機材料は、複合金属酸化物、その複合体、固溶体、及びゾルゲル体を包含し、これらのみに限定されるものではない。
無機酸化物粒子の比誘電率(25℃、1kHz)は、好ましくは10以上の範囲内である。有機圧電フィルムの誘電率を高くする観点から、前記比誘電率は、好ましくは100以上、より好ましくは300以上の範囲内である。前記比誘電率の上限は特に制限されないが、通常3000程度である。
無機酸化物粒子の比誘電率(ε)(25℃、1kHz)は、LCRメーターを用いて容量(C)を測定し、容量、電極面積(S)、焼結体の厚さ(d)から、式C=εε×S/d(ε:真空の誘電率)で算出した値である。
無機酸化物粒子の平均一次粒子径は小さい方が好ましく、特に平均一次粒子径1μm以下のいわゆるナノ粒子が好ましい。このような無機酸化物ナノ粒子が均一分散することにより、少量の配合で有機圧電フィルムの電気絶縁性を大幅に向上させることができる。前記平均一次粒子径は、好ましくは800nm以下、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは300nm以下の範囲内である。前記平均一次粒子径は、製造の困難性、均一分散の困難性、及び価格の面から、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは50nm以上の範囲内である。
無機酸化物粒子の平均一次粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置 LA-920(商品名)(堀場製作所社)又はその同等品を用いて算出される。
有機圧電フィルムは、透明性の点で無機酸化物粒子を含有しないことが好ましいが、透明性を損なわない範囲で圧電性ポリマー100質量部に対し、無機酸化物粒子を、好ましくは0.01~300質量部、より好ましくは0.1~100質量部の範囲内で含有することができる。
前記含有量の下限は、電気絶縁性を向上する点から、好ましくは0.1質量部、より好ましくは0.5質量部、更に好ましくは1質量部である。
前記含有量の上限は、無機酸化物粒子を圧電性ポリマー中に均一に分散させ、電気絶縁性(耐電圧)の低下、及び引張強度の低下を防止する点から、好ましくは200質量、より好ましくは150質量部、更に好ましくは100質量部である。
有機圧電フィルムは、無機酸化物粒子を含有する場合、更に親和性向上剤を含有することができる。
親和性向上剤は、無機酸化物粒子と圧電性ポリマーとの間の親和性を高め、無機酸化物粒子を圧電性ポリマー中に均一に分散させ、無機酸化物粒子と圧電性ポリマーをしっかり結合させ、ボイドの発生を抑制し、及び比誘電率を高めることができる。
親和性向上剤の具体例は、カップリング剤、界面活性剤、及びエポキシ基含有化合物を包含する。
カップリング剤の例は、有機チタン化合物、有機シラン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、及び有機リン化合物を包含する。
有機チタン化合物の例は、有機チタンカップリング剤(例:アルコキシチタニウム、チタニウムキレート、チタニウムアシレート)を包含し、及びその具体例は、テトライソプロピルチタネート、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロポキシチタンジイソステアレート、テトライソプロピルビス(ジオクチルフォスファイト)チタネート、及びイソプロピルトリ(n-アミノエチル-アミノエチル)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジ-トリデシル)ホスファイトチタネートを包含する。
有機チタン化合物の好適な例は、無機酸化物粒子との親和性が良好な点から、アルコキシチタニウム、及びチタニウムキレートを包含する。
有機シラン化合物は、高分子型であっても、低分子型であってもよく、その例は、アルコキシシラン(例:モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン)、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、メタクロキシシラン、及びメルカプトシランを包含する。アルコキシシランを用いる場合、加水分解により、表面処理の効果である体積抵抗率のより一層の向上(電気絶縁性の向上)を図ることができる。
有機ジルコニウム化合物の例は、アルコキシジルコニウム、及びジルコニウムキレートを包含する。
有機アルミニウム化合物の例は、アルコキシアルミニウム、及びアルミニウムキレートを包含する。
有機リン化合物の例は、亜リン酸エステル、リン酸エステル、及びリン酸キレートを包含する。
親和性向上剤としての界面活性剤は、高分子型であっても、低分子型であってもよいが、熱安定性の点から、高分子型が好ましい。界面活性剤の例は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤を包含する。
非イオン性界面活性剤の例は、ポリエーテル誘導体、ポリビニルピロリドン誘導体、及びアルコール誘導体を包含し、及びその好適な例は、無機酸化物粒子との親和性が良好な点から、ポリエーテル誘導体を包含する。
アニオン性界面活性剤の例は、スルホン酸、及びカルボン酸、及びそれらの塩を含有するポリマーを包含し、及びその好適な例は、圧電性ポリマーとの親和性が良好な点から、アクリル酸誘導体系ポリマー、及びメタクリル酸誘導体系ポリマーを包含する。
カチオン性界面活性剤の例は、アミン化合物、含窒素系複合環(例:イミダゾリン)を有する化合物、及びそのハロゲン化塩を包含する。
親和性向上剤としてのエポキシ基含有化合物は、低分子量化合物であっても、高分子量化合物であってもよく、その具体例は、エポキシ化合物、及びグリシジル化合物を包含し、及びその好適な例は、圧電性ポリマーとの親和性の点から、エポキシ基を1個有する低分子量の化合物を包含する。
エポキシ基含有化合物の更に好適な例は、次式:
Figure 2023043871000001
(式中、Rは、水素原子、メチル基、酸素原子若しくは窒素原子を介在してもよい炭素数2~10の炭化水素基、又は置換されていてもよい芳香環基を表す。lは0又は1を表し、mは0又は1を表し、nは0~10の整数を表す。)
で表される化合物を包含する。
前記式で表される化合物の例は、ケトン基、又はエステル基を有する化合物を包含し、より具体的には、次式で表される化合物を包含する:
Figure 2023043871000002
親和性向上剤の含有量は、均一な分散、及び得られる有機圧電フィルムの比誘電率の高さの点から、無機酸化物粒子100質量部に対して、好ましくは0.01~30質量部、より好ましくは0.1~25質量部、更に好ましくは1~20質量部の範囲内であることができる。
有機圧電フィルムは、無延伸のフィルムであることが好ましい。
有機圧電フィルムは、キャストフィルムであることが好ましい。有機圧電フィルムをキャストフィルムで構成することにより、厚さの均一性を高くすることができ、例えば、後述のように膜厚の変動係数を10%以下にすることができる。
物性
有機圧電フィルムは、下記の物性を有することが好ましい。なお、本明細書において、各物性は、特に断りのない限り、測定前の前処理として加熱することなく測定した物性を意味し、「110℃で10分加熱した後の」という記載を付加した場合は、前処理として110℃で10分加熱し、その後に測定した物性を意味する。また、110℃で10分加熱する対象は、製造後の有機圧電フィルムであることができ、例えば、後述の工程A~工程Cを含む方法により有機圧電フィルムを製造する場合、工程Cの後の有機圧電フィルムを対象とする。
一実施態様において、有機圧電フィルムは、少なくとも、下記全光線透過率と、下記単位膜厚あたりの内部ヘイズ値と、下記110℃で10分加熱した後の圧電定数d33とを有することが好ましい。他の実施態様において、有機圧電フィルムは、少なくとも、下記結晶サイズ(特に結晶平均長)と、下記110℃で10分加熱した後の圧電定数d33とを有することが好ましい。さらに他の実施態様において、有機圧電フィルムは、少なくとも、下記単位膜厚あたりの内部ヘイズ値の変化率と、下記圧電定数d33の変化率とを有することが好ましい。
これらの実施態様において、有機圧電フィルムは、さらに、下記膜厚、下記リタデーション、下記YI値、下記残留分極量、及び下記結晶化度からなる群より選択される少なくとも一種の物性を有することが好ましい。当該有機圧電フィルムは、さらに、下記圧電定数d33の変動係数、下記膜厚の変動係数、及び下記面積からなる群より選択される少なくとも一種の物性を有することも好ましい。
全光線透過率
<全光線透過率の決定方法>
本明細書において、「全光線透過率」は、JIS K-7361に準拠し、ヘイズメーター NDH-7000SP(製品名、日本電色工業社)又はその同等品を使用して測定することができる。
全光線透過率の下限は、透明性の点から、好ましくは90%、より好ましくは91%、さらに好ましくは92%、特に好ましくは93%である。110℃で10分加熱した後の全光線透過率の下限も、同様の値に設定することができる。
全光線透過率の上限は、特に限定されないが、例えば、99.99%、99.9%、又は99%であることができる。110℃で10分加熱した後の全光線透過率の上限も、同様の値に設定することができる。
全光線透過率は、好ましくは90%以上(例:90~99.99%の範囲内)、より好ましくは91%以上(例:91~99.99%の範囲内)、さらに好ましくは92%以上(例:92~99.99%の範囲内)である。110℃で10分加熱した後の全光線透過率の範囲も、同様の範囲に設定することができる。
内部ヘイズ値
<内部へイズ値の決定方法>
本明細書において、「内部ヘイズ値」(inner haze)は、JIS K-7361に準拠し、ヘイズメーター NDH-7000SP(製品名、日本電色工業社)又はその同等品を使用したヘイズ(HAZE、濁度)試験において、ガラス製セルの中に水を入れて、その中にフィルムを挿入し、ヘイズ値を測定することにより得られる。
内部ヘイズ値の上限は、透明性の点から、好ましくは6%、より好ましくは5.5%、さらに好ましくは5%である。また、内部ヘイズ値の上限は、さらに低い値に設定することができ、例えば、4.5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.5%、又は1%であることができる。
110℃で10分加熱した後の内部ヘイズ値の上限は、透明性の点から、好ましくは7%、より好ましくは6.5%、さらに好ましくは6%である。また、110℃で10分加熱した後の内部ヘイズ値の上限は、さらに低い値に設定することができ、例えば、5.5%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.5%、又は1%であることができる。
内部ヘイズ値の下限は、特に限定されないが、例えば、0.01%、0.05%、又は0.1%であることができる。110℃で10分加熱した後の内部ヘイズ値の下限も、同様の値に設定することができる。
内部ヘイズ値は、好ましくは6%以下(例:0.01~6%の範囲内)、より好ましくは5.5%以下(例:0.01~5.5%の範囲内)、さらに好ましくは5%以下(例:0.01~5%の範囲内)である。
110℃で10分加熱した後の内部ヘイズ値は、好ましくは7%以下(例:0.01~7%の範囲内)、より好ましくは6.5%以下(例:0.01~6.5%の範囲内)、さらに好ましくは6%以下(例:0.01~6%の範囲内)である。
内部ヘイズ値がこのような範囲内にあっても、高圧電性を発揮することができる。
内部ヘイズ値の変化率[%]
本明細書において、「内部ヘイズ値の変化率」は、式:((110℃で10分加熱した後の内部ヘイズ値)-(内部ヘイズ値))/(内部ヘイズ値)×100により求められる値の絶対値を意味する。
内部ヘイズ値の変化率の上限は、熱安定性の点から、好ましくは140%、より好ましくは120%、さらに好ましくは100%、さらにより好ましくは90%である。また、内部ヘイズ値の変化率の上限は、さらに低い値に設定することができ、例えば、80%、70%、60%、又は50%であることができる。
内部ヘイズ値の変化率の下限は、特に限定されないが、例えば、1%、2%、3%、4%、又は5%である。
内部ヘイズ値の変化率は、好ましくは140%以下(例:1~140%の範囲内)、より好ましくは120%以下(例:1~120%の範囲内)、さらに好ましくは100%以下(例:1~100%の範囲内)である。
内部ヘイズ値[%]/膜厚[μm]の比
内部ヘイズ値[%]/膜厚[μm]の比の上限は、透明性の点から、好ましくは0.2、より好ましくは0.15、さらに好ましくは0.1、特に好ましくは0.05である。110℃で10分加熱した後の内部ヘイズ値[%]/膜厚[μm]の比の上限も、同様の値に設定することができる。
内部ヘイズ値[%]/膜厚[μm]の比の下限は、特に限定されないが、例えば、0.0001、0.0005、0.001、又は0.005であることができる。110℃で10分加熱した後の内部ヘイズ値[%]/膜厚[μm]の比の下限も、同様の値に設定することができる。
内部ヘイズ値[%]/膜厚[μm]の比は、好ましくは0.2以下(例:0.0001~0.2の範囲内)、より好ましくは0.15以下(例:0.0001~0.15の範囲内)、さらに好ましくは0.1以下(例:0.0001~0.1の範囲内)である。110℃で10分加熱した後の内部ヘイズ値[%]/膜厚[μm]の比の範囲も、同様の範囲に設定することができる。
当該比がこのような範囲内にあっても、高圧電性を発揮することができる。
内部ヘイズ値[%]/膜厚[μm]の比の変化率
本明細書において、「内部ヘイズ値[%]/膜厚[μm]の比の変化率」は、当該比をrとしたとき、式:((110℃で10分加熱した後のr値)-(r値))/(r値)×100により求められる値の絶対値を意味する。
r値の変化率の上限は、熱安定性の点から、好ましくは140%、より好ましくは120%、さらに好ましくは100%、さらにより好ましくは90%である。また、r値の変化率の上限は、さらに低い値に設定することができ、例えば、80%、70%、60%、又は50%であることができる。
r値の変化率の下限は、特に限定されないが、例えば、1%、2%、3%、4%、又は5%である。
r値の変化率は、好ましくは140%以下(例:1~140%の範囲内)、より好ましくは120%以下(例:1~120%の範囲内)、さらに好ましくは100%以下(例:1~100%の範囲内)である。
圧電定数d 33
<圧電定数d33の決定方法>
本明細書において、「圧電定数d33」は、PIEZOTEST社のピエゾメーターシステムPM300又はその同等品を用いて、1.0N、110Hzの力を加えることにより測定される。恣意性を排除して選択したフィルム上の10点において圧電定数d33を測定し、その算術平均値を圧電定数d33とすることができる。フィルム上で恣意性を排除して10点を選択することは、例えば、直線上で50mm間隔に10点を選択することにより行うことができる。ここで、恣意性とは、後記する変動係数が小さくなるように意図することを意味する。圧電定数d33の実測値は、測定されるフィルムの表裏によって、プラスの値、又はマイナスの値となるが、本明細書中においては、圧電定数d33の値として、その絶対値を記載する。
圧電定数d33の下限は、好ましくは13pC/N、より好ましくは14pC/N、さらに好ましくは15pC/N、さらにより好ましくは16pC/Nである。圧電定数d33の下限は、さらに高い値に設定することができ、例えば、17pC/Nであることができる。
110℃で10分加熱した後の圧電定数d33の下限は、好ましくは10pC/N、より好ましくは11pC/N、さらに好ましくは12pC/N、さらにより好ましくは13pC/Nである。
圧電定数d33の上限は、特に限定されないが、例えば、100pC/N、50pC/N、35pC/N、又は30pC/Nであることができる。110℃で10分加熱した後の圧電定数d33の上限も、同様の値に設定することができる。
圧電定数d33は、好ましくは13pC/N以上(例:13~100pC/Nの範囲内)、より好ましくは14pC/N以上(例:14~100pC/Nの範囲内)、さらに好ましくは15pC/N以上(例:15~100pC/Nの範囲内)である。
110℃で10分加熱した後の圧電定数d33は、好ましくは10pC/N以上(例:10~100pC/Nの範囲内)、より好ましくは11pC/N以上(例:11~100pC/Nの範囲内)、さらに好ましくは12pC/N以上(例:12~100pC/Nの範囲内)である。
圧電定数d33がこのような範囲内にあっても、高透明性を発揮することができる。
圧電定数d 33 の変化率[%]
本明細書において、「圧電定数d33の変化率」は、式:((110℃で10分加熱した後のd33)-(d33))/(d33)×100により求められる値の絶対値を意味する。
圧電定数d33の変化率の上限は、熱安定性の点から、好ましくは50%、より好ましくは45%、さらに好ましくは40%である。また、圧電定数d33の変化率の上限は、さらに低い値に設定することができ、例えば、35%、30%、25%、20%、又は15%であることができる。
圧電定数d33の変化率の下限は、特に限定されないが、例えば、0.5%又は1%である。
圧電定数d33の変化率は、好ましくは50%以下(例:0.5~50%の範囲内)、より好ましくは45%以下(例:0.5~45%の範囲内)、さらに好ましくは40%以下(例:0.5~40%の範囲内)である。
圧電定数d 33 の変動係数
圧電定数d33の変動係数は、圧電定数d33の、算術平均に対する標準偏差の比である。
圧電定数d33の変動係数の上限は、面内均一性の点から、好ましくは2、より好ましくは1.5、さらに好ましくは1である。
圧電定数d33の変動係数の下限は、製造コストの点から、好ましくは0.01である。
圧電定数d33の変動係数は、好ましくは2以下(例:0.01~2の範囲内)、より好ましくは1.5以下(例:0.01~1.5の範囲内)、さらに好ましくは1以下(例:0.01~1の範囲内)である。
リタデーション
<リタデーションの決定方法>
本明細書において、「リタデーション」は、フィルムのサンプルを2cm×2cm以上の大きさに切り出して、位相差フィルム・光学材料検査装置RETS-100(製品名、大塚電子)又はその同等品を用いた測定によって、決定される。本明細書において、リタデーションの数値としては、550nmの値を採用する。
リタデーションの上限は、光学特性の点から、好ましくは9000nm、より好ましくは8500nm、さらに好ましくは8000nmである。リタデーションの上限は、さらに低い値に設定することもでき、例えば、7000nm、6000nm、5000nm、4000nm、3000nm、2000nm、1000nm、500nm、100nm、50nm、又は30nmであることができる。
リタデーションの下限は、特に限定されないが、例えば、0.1nm、0.5nm、又は1nmであることができる。
リタデーションは、好ましくは0.1~100nmの範囲内、より好ましくは0.5~50nmの範囲内、さらに好ましくは1~30nmの範囲内であることができる。
リタデーション[nm]/膜厚[μm]の比
リタデーション[nm]/膜厚[μm]の比の上限は、光学特性の点から、好ましくは10、より好ましくは5、さらに好ましくは1、さらにより好ましくは0.5である。
リタデーション[nm]/膜厚[μm]の比の下限は、特に限定されないが、例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、又は0.1であることができる。
リタデーション[nm]/膜厚[μm]の比は、好ましくは0.01~10の範囲内、より好ましくは0.01~1の範囲内、さらに好ましくは0.01~0.5の範囲内である。
結晶化度
<結晶化度の決定方法>
開口部が設けられたサンプルホルダにフィルム試料を直接載置し、回折角2θが10~40°である範囲にわたってX線回折測定を行ったときに得られるX線回折パターンにおいて、
10°の回折角2θにおける回折強度と、25°の回折角2θにおける回折強度とを結ぶ直線をベースラインとして設定し、及び
当該ベースラインと回折強度曲線とで囲まれる領域を、プロファイルフィッティングにより2つの対称性ピークに分離し、
このうち、回折角2θの大きい方を結晶性ピークと認定し、且つ回折角2θの小さい方を非晶性ハローピークと認定した場合に、
100×(結晶性ピークの面積)/(結晶性ピークの面積と非晶性ハローピークの面積との和)で表される値を結晶化度とする。
結晶化度の下限は、圧電性の点から、好ましくは40%、より好ましくは45%、さらに好ましくは50%、さらにより好ましくは55%、特に好ましくは60%、特により好ましくは65%であることができる。110℃で10分加熱した後の結晶化度の下限も、同様の値に設定することができる。
結晶化度の上限は、例えば、99%、95%、又は90%であることができる。110℃で10分加熱した後の結晶化度の上限も、同様の値に設定することができる。
結晶化度は、好ましくは40%以上(例:40~99%の範囲内)、より好ましくは50%以上(例:50~99%の範囲内)、さらに好ましくは60%以上(例:60~99%の範囲内)である。110℃で10分加熱した後の結晶化度の範囲も、同様の範囲に設定することができる。
結晶化度がこのような範囲であっても、高透明性を発揮することができる。
YI値
本明細書において、YI値は、JIS K7105に準拠して測定した黄色度をいう。本明細書において、YI値は、フィルムのサンプルを2cm×2cm以上の大きさに切り出して、分光測色計(CM-5、コニカミノルタ製)又はその同等品を用いた透過測定によって、決定される。
YI値の上限は、好ましくは4、より好ましくは3、さらに好ましくは2である。110℃で10分加熱した後のYI値の上限も、同様の値に設定することができる。
YI値の下限は、特に限定されないが、例えば、0.1又は0.2であることができる。110℃で10分加熱した後のYI値の下限も、同様の値に設定することができる。
YI値は、好ましくは4以下(例:0.1~4の範囲内)、より好ましくは3以下(例:0.1~3の範囲内)、さらに好ましくは2以下(例:0.1~2の範囲内)である。110℃で10分加熱した後のYI値の範囲も、同様の範囲に設定することができる。
YI値の変化率[%]
本明細書において、「YI値の変化率」は、式:((110℃で10分加熱した後のYI値)-(YI値))/(YI値)×100により求められる値の絶対値を意味する。
YI値の変化率の上限は、熱安定性の点から、好ましくは150%、より好ましくは100%、さらに好ましくは90%、さらにより好ましくは80%、特に好ましくは70%である。
YI値の変化率の下限は、特に限定されないが、例えば、1%又は5%である。
YI値の変化率は、好ましくは150%以下(例:1~150%の範囲内)、より好ましくは100%以下(例:1~100%の範囲内)、さらに好ましくは80%以下(例:1~80%の範囲内)である。
残留分極量[mC/m
<残留分極量の決定方法>
試料フィルムは、20mm×20mmに切り出したフィルムの中央部5mm×5mmに、アルミニウム電極(平面電極)を真空加工蒸着によりパターニングし、この平面電極に、絶縁テープを貼り付けて補強したアルミニウム箔製の2本のリード(3mm×80mm)の電極を導電性両面テープで接着することにより得られる。この試料フィルム、ファンクションジェネレーター、高圧アンプ、及びオシロスコープをソーヤータワー回路に組み込み、三角波を試料フィルムに印加(最大±10kV)し、試料フィルムの応答を、オシロスコープを用いて測定することにより、印加電界80MV/mにおける残留分極量が得られる。
残留分極量の下限は、好ましくは30mC/m、35mC/m、40mC/m、45mC/m、又は50mC/mである。
残留分極量の上限は、特に限定されないが、例えば、200mC/m、150mC/m、100mC/m、90mC/m、80mC/m、又は70mC/mである。
残留分極量は、好ましくは30mC/m以上(例:30~200mC/m、又は30~100mC/mの範囲内)、より好ましくは40mC/m以上(例:40~90mC/mの範囲内)、さらに好ましくは50mC/m以上(例:50~80mC/mの範囲内)である。
結晶サイズ
結晶サイズは、特に限定されない。有機圧電フィルムは、針状又は繊維状の結晶を含有することが好ましく、下記の平均結晶長、平均結晶幅、及び/又は最大結晶長を有することが好ましい。
<平均結晶長、平均結晶幅、及び最大結晶長の決定方法>
フィルム試料表面の走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)像を観察する。構成する針状結晶の大きさに応じて1万~10万倍の範囲内から選択される倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。ただし、試料、観察条件、及び倍率は下記の条件(1)及び(2)を満たすように調整する。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、この直線Xに対し、20本以上の針状結晶が交差する。
(2)同じ観察画像内で直線Xと垂直に交差する直線Yを引き、直線Yに対し、20本以上の針状結晶が交差する。
得られた電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する針状結晶、直線Yに交錯する針状結晶の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の結晶長(長径)及び結晶幅(短径)を読み取る。このような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の結晶長及び結晶幅を読み取る。このように読み取った結晶長及び結晶幅を平均して平均結晶長及び平均結晶幅を求め、読み取った結晶長の最も長いものを最大結晶長とする。
平均結晶長の上限は、好ましくは450nm、より好ましくは400nm、さらに好ましくは350nm、さらにより好ましくは300nm、特に好ましくは250nm、特により好ましくは200nmである。
平均結晶長の下限は、特に限定されないが、例えば、1nm、5nm、10nm、120nm、30nm、40nm、又は50nmである。
平均結晶長は、好ましくは450nm以下(例:1~450nmの範囲内)、より好ましくは300nm以下(例:1~300nmの範囲内)、さらに好ましくは200nm以下(例:1~200nmの範囲内)である。
最大結晶長の上限は、好ましくは800nm、より好ましくは700nm、さらに好ましくは600nm、さらにより好ましくは500nm、特に好ましくは400nmである。最大結晶長の上限は、透明性の点から、可視光の最小波長(380nm)であることが好ましく、350nmであることがより好ましく、300nmであることがさらに好ましい。
最大結晶長の下限は、特に限定されないが、例えば、10nmである。
最大結晶長は、好ましくは800nm以下(例:10~800nmの範囲内)、より好ましくは600nm以下(例:10~600nmの範囲内)、さらに好ましくは380nm以下(例:10~380nmの範囲内)である。
平均結晶幅の上限は、好ましくは100nm、より好ましくは80nm、さらに好ましくは60nm、さらにより好ましくは50nmである。平均結晶幅の上限は、さらに低い値に設定することができ、例えば、40nm、35nm、又は30nmであることができる。
平均結晶幅の下限は、特に限定されないが、例えば、1nmである。
平均結晶幅は、好ましくは100nm以下(例:1~100nmの範囲内)、より好ましくは80nm以下(例:1~80nmの範囲内)、さらに好ましくは60nm以下(例:1~60nmの範囲内)である。
平均結晶長及び平均結晶幅が上記のような範囲にあると、圧電性及び透明性のいずれも良好となる。
膜厚
<膜厚の決定方法>
本明細書中、フィルムの平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において、光電式デジタル測長システム(デジマイクロMH-15M、Nikon社製)又はその同等品を用いて厚さを測定し、その平均値を膜厚とする。
膜厚の下限は、自立膜として使用し得る観点から好ましくは1μm、より好ましくは5μm、さらに好ましくは10μm、さらにより好ましくは15μm、特に好ましくは20μmである。膜厚の下限は、ガラスやPETフィルムなどの支持体上に形成する場合は特に限定されないが、欠点無く平滑面を得る点から好ましくは10nm、より好ましくは30nm、さらに好ましくは50nmである。
膜厚の上限は、特に限定されないが、可撓性を得る観点から好ましくは、例えば、1000μm、900μm、又は800μmであることができる。
膜厚は、自立膜として使用し得る観点から好ましくは1μm以上(例:1~1000μmの範囲内)、より好ましくは5μm以上(例:5~1000μmの範囲内)、さらに好ましくは10μm以上(例:10~1000μmの範囲内)である。ガラスやPETフィルムなどの支持体上に形成する場合は好ましくは10nm以上(例:10nm~1000μmの範囲内)、より好ましくは30nm以上(例:30nm~1000μmの範囲内)、さらに好ましくは50nm以上(例:50nm~1000μmの範囲内)である。
膜厚の変動係数
<膜厚の変動係数の決定方法>
本明細書中、フィルムの平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において測定した値の変動係数を、膜厚の変動係数とする。
膜厚の変動係数の上限は、面内均一性の点から、好ましくは10%、さらに好ましくは5%である。
膜厚の変動係数の下限は、特に限定されないが、例えば、0.01%、0.05%、又は0.1%であることができる。
膜厚の変動係数は、好ましくは10%以下(例:0.01~10%の範囲内)、さらに好ましくは5%(例:0.01~5%の範囲内)である。
面積
面積の下限は、特に限定されないが、工業生産性の点から、好ましくは9cm、さらに好ましくは10cmである。面積の下限は、さらに高い値に設定することができ、例えば、50cm、100cm、200cm、300cm、400cm、又は500cmであることができる。微細面積へ印刷や塗布を行う場合はこの限りではなく、面積の下限は、例えば、0.1μm、1μm、10μm、50μm、又は100μmであることができる。
面積の上限は、特に限定されないが、例えば、4000m、3000m、2000m、1000m、又は500mであることができる。微細面積へ印刷や塗布を行う場合はこの限りではなく、面積の上限は、例えば、10mm、5mm、又は1mmであることができる。
面積は、好ましくは9cm以上(例:9cm~4000mの範囲内)、さらに好ましくは10cm以上(例:10cm~4000mの範囲内)である。当該範囲は、ロール・トゥ・ロール方式で製造される面積の範囲に対応する。
例えば、有機圧電フィルムは、下記(a)~(w)のいずれかを満たすことが好ましい。
(a)全光線透過率が90%以上、単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下、及び110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上;
(b)全光線透過率が90%以上、内部へイズ値(又は110℃で10分加熱した後の内部へイズ値)が6%以下、及び110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上;
(c)全光線透過率が90%以上、内部へイズ値(又は110℃で10分加熱した後の内部へイズ値)が6%以下、単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下、及び110℃10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上;
(d)全光線透過率が90%以上、単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、単位膜厚あたりのリタデーションが0.01~10nm/μmの範囲内、及び膜厚が1~1000μmの範囲内;
(e)全光線透過率が90%以上、内部へイズ値(又は110℃で10分加熱した後の内部へイズ値)が6%以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、リタデーションが100nm以下、及び膜厚が1~1000μmの範囲内;
(f)全光線透過率が90%以上、内部へイズ値(又は110℃で10分加熱した後の内部へイズ値)が6%以下、単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、リタデーションが100nm以下、単位膜厚あたりのリタデーションが0.01~10nm/μmの範囲内、及び膜厚が1~1000μmの範囲内;
(g)全光線透過率が90%以上、単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、及びYI値が4以下;
(h)全光線透過率が90%以上、内部へイズ値(又は110℃で10分加熱した後の内部へイズ値)が6%以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、及びYI値が4以下;
(i)全光線透過率が90%以上、単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、及び残留分極量40mC/m以上;
(j)全光線透過率が90%以上、内部ヘイズ値(又は110℃で10分加熱した後の内部へイズ値)が6%以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、及び残留分極量40mC/m以上;
(k)全光線透過率が90%以上、単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、及び結晶化度が40%以上;
(l)全光線透過率が90%以上、内部ヘイズ値(又は110℃で10分加熱した後の内部へイズ値)が6%以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、及び結晶化度が40%以上;
(m)最大結晶長が800nm以下、及び110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上;
(n)平均結晶長が450nm以下、最大結晶長が800nm以下、及び110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上;
(o)最大結晶長が800nm以下、平均結晶幅が100nm以下、及び110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上;
(p)平均結晶長が200nm以下、最大結晶長が800nm以下、平均結晶幅が100nm以下、及び110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上;
(q)最大結晶長が800nm以下、平均結晶幅が100nm以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、及び結晶化度が40%以上;
(r)平均結晶長が200nm以下、最大結晶長が800nm以下、平均結晶幅が100nm以下、110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上、及び結晶化度が40%以上;
(s)単位膜厚あたりの内部ヘイズ値の変化率が100%以下、110℃で10分加熱した後の単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下、圧電定数d33の変化率が40%以下、及び110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上;
(t)最大結晶長が800nm以下、及び結晶化度が40%以上;
(u)平均結晶長が450nm以下、最大結晶長が800nm以下、及び結晶化度が40%以上;
(v)最大結晶長が800nm以下、平均結晶幅が100nm以下、及び結晶化度が40%以上;
(w)平均結晶長が450nm以下、最大結晶長が800nm以下、平均結晶幅が100nm以下、及び結晶化度が40%以上。
用途
本開示の有機圧電フィルムは、各種用途に適用することができる。用途の具体例は、センサ(例:タッチセンサ、振動センサ、生体センサ、タイヤセンサ(タイヤ内面に設置するセンサ))、アクチュエータ、タッチパネル、ハプティックデバイス(ユーザに触覚をフィードバックする機能を有するデバイス)、振動発電装置(例:振動発電床、振動発電タイヤ)、スピーカー、及びマイクを包含する。
製造方法
本開示の有機圧電フィルムは、例えば、
キャスティング法により、圧電性ポリマーを含有する非分極フィルム(例:無延伸かつ非分極フィルム)を調製する工程A;
非分極フィルム(例:無延伸かつ非分極フィルム)を分極処理する工程B;及び
非分極フィルム(例:無延伸かつ非分極フィルム)を熱処理する、又は工程Bに対して任意の時点でフィルムを熱処理する工程C
の少なくとも1つの工程を含む製造方法、好ましくは、
工程A~Cを含む製造方法
によって製造できる。
工程A(フィルム調製工程)
キャスティング法による非分極フィルムの製造方法は、例えば、
(A1)圧電性ポリマー(例:フッ化ビニリデン系重合体)、並びに前記所望による成分(例:無機酸化物粒子、及び親和性向上剤)を溶媒中に溶解又は分散させて液状組成物を溶解させて、液状組成物を調製する工程;
(A2)前記液状組成物を基材上に適用(流延又は塗布)する工程;
(A3)前記液状組成物を適用した基材を第1の温度で加熱して乾燥する工程;及び
(A4)前記第1の温度で加熱した基材を第1の温度よりも高い第2の温度で加熱する工程
を含む製造方法である。これらの工程は、工業生産性の点から、ロール・トゥ・ロール方式で実施するのが好ましい。工程(A3)及び工程(A4)は、第1の温度に曝露するゾーン、及び第1の温度よりも高い第2の温度に曝露するゾーンに順次移送することによって実施してもよい。
工程(A1)において、液状組成物の調製における溶解温度は使用する溶媒の種類によって適宜選択することができ、特に限定されないが、溶解促進及びフィルムの着色防止の点から、好ましくは室温以上であり、溶媒の気化温度又は80℃以下である。
着色を防止する点から、前記溶媒の好適な例は、ケトン系溶媒(例:メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノン)、エステル系溶媒(例:酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル)、エーテル系溶媒(例:テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン)、及びアミド系溶媒(例:ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド)を包含する。これらの溶媒は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。なお、前記溶媒中のアミド系溶媒の含有率は50質量%以下であることが望ましい。
工程(A2)において、液状組成物の基材上への流延(又は塗布)は、慣用の方法(例:ナイフコーティング方式、キャストコーティング方式、ロールコーティング方式、グラビアコーティング方式、ブレードコーティング方式、ロッドコーティング方式、エアドクタコーティング方式、又はスロットダイ方式)に基づき行えばよい。なかでも、操作性が容易な点、得られるフィルム厚さのバラツキが少ない点、生産性に優れる点から、グラビアコーティング方式、又はスロットダイ方式が好ましい。
前記基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、ポリイミド(PI)等のプラスチックフィルム、又はアルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)、銅(Cu)等の金属フィルムを使用することができる。なかでも、汎用的でありコスト、生産性に優れる点からポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。また、表面が平滑な品位のものが好ましい。これによりキャストコーティングしたフィルムの剥離性を高めるだけでなく、得られるフィルムの表面を平滑にすることができる。
工程(A3)において、液状組成物を適用した基材の加熱乾燥は、通常のフィルム形成のための加熱乾燥の方法に準じて行えばよい。当該加熱乾燥は、好ましくは、例えば、ロール・トゥ・ロール方式で、前記基材上に前記液状組成物を適用したものを高温炉(又は乾燥炉)に通すことで実施してもよい。または、バッチ式で加熱乾燥を行ってフィルムを形成してもよい。
第1の温度(加熱乾燥温度)の下限は使用する溶媒の種類(又は気化温度)によって適宜選択することができ、例えば20℃、好ましくは30℃、より好ましくは40℃、さらに好ましくは50℃、さらにより好ましくは60℃、特に好ましくは70℃、特により好ましくは80℃である。加熱乾燥温度の上限は、例えば200℃、190℃、180℃、170℃、160℃、150℃、140℃、130℃、又は120℃である。加熱乾燥温度は、例えば50~140℃の範囲内、60~130℃の範囲内、又は70~120℃の範囲内、或いは、80~130℃の範囲内である。加熱乾燥温度は、一定温度であってもよく、変化させてもよい。加熱乾燥温度は、例えば、低温(例:40~100℃)から高温(例:120~200℃)へと変化させてもよい。加熱乾燥温度を変化させる方法は特に制限されないが、例えば、異なる温度に設定した複数の乾燥ゾーンを移動させることにより加熱乾燥温度を変化させてもよい。
第1の温度で加熱する時間(加熱乾燥時間)の下限は、例えば1秒、好ましくは10秒、さらに好ましくは30秒である。加熱乾燥時間の上限は、例えば60分、好ましくは30分、さらに好ましくは10分である。加熱乾燥時間は、例えば、10秒~60分の範囲内、好ましくは30秒~10分の範囲内、さらに好ましくは30秒~10分の範囲内である。
工程(A4)において、
第2の温度は、好ましくは融点又はその近傍の温度である。本明細書において、融点又はその近傍の温度は、(融点-12℃)以上であり、(融点+12℃)以下であることができる。第2の温度は、さらに好ましくは(融点-11℃)以上、(融点-10℃)以上、(融点-9℃)以上、(融点-8℃)以上、(融点-7℃)以上、(融点-6℃)以上、又は(融点-5℃)以上である。また、第2の温度は、さらに好ましくは(融点+11℃)以下、(融点+10℃)以下、(融点+9℃)以下、(融点+8℃)以下、(融点+7℃)以下、(融点+6℃)以下、又は(融点+5℃)以下である。第2の温度は、好ましくは(融点-12℃)~(融点+12℃)の範囲内、より好ましくは(融点-10℃)~(融点+10℃)の範囲内、さらに好ましくは(融点-10℃)~(融点+5℃)の範囲内、又は(融点-5℃)~(融点+5℃)の範囲内である。
第2の温度は、圧電性ポリマーの種類によっても異なるが、好ましくは110℃以上、より好ましくは115℃以上、さらに好ましくは120℃以上、さらにより好ましくは125℃以上である。また、第2の温度は、好ましくは150℃以下、より好ましくは145℃以下、さらに好ましくは140℃以下、さらにより好ましくは135℃以下である。第2の温度は、好ましくは110~150℃の範囲内、より好ましくは120~140℃の範囲内、さらに好ましくは125~135℃の範囲内である。
第2の温度で加熱する時間は、例えば1分以上、好ましくは5分以上、さらに好ましくは10分以上である。また、第2の温度で加熱する時間は、例えば60分以下、好ましくは30分以下である。第2の温度で加熱する時間は、例えば1~60分の範囲内、好ましくは5~60分の範囲内、さらに好ましくは10~60分の範囲内である。
第2の温度で加熱することにより、圧電性ポリマーの結晶が微細化しても、高い結晶性を維持できる。これにより有機圧電フィルムで高い透明性及び圧電性を両立できる。
前記非分極フィルムの製造方法は、さらに
(A5)前記第2の温度で加熱した基材を第3の温度で加熱する工程
を含んでいてもよい。
第3の温度は、好ましくは結晶化温度又はその近傍の温度である。本明細書において、結晶化温度又はその近傍の温度は、(結晶化温度-12℃)以上であり、(結晶化温度+12℃)以下であることができる。第3の温度は、さらに好ましくは(結晶化温度-11℃)以上、(結晶化温度-10℃)以上、(結晶化温度-9℃)以上、(結晶化温度-8℃)以上、(結晶化温度-7℃)以上、(結晶化温度-6℃)以上、(結晶化温度-5℃)以上、(結晶化温度-4℃)以上、又は(結晶化温度-3℃)以上である。また、第3の温度は、さらに好ましくは(結晶化温度+11℃)以下、(結晶化温度+10℃)以下、(結晶化温度+9℃)以下、(結晶化温度+8℃)以下、(結晶化温度+7℃)以下、(結晶化温度+6℃)以下、(結晶化温度+5℃)以下、(結晶化温度+4℃)以下、又は(結晶化温度+3℃)以下である。第3の温度は、好ましくは(結晶化温度-10℃)~(結晶化温度+10℃)の範囲内、より好ましくは(結晶化温度-5℃)~(結晶化温度+5℃)の範囲内、さらに好ましくは(結晶化温度-3℃)~(結晶化温度+3℃)の範囲内である。第3の温度は、圧電性ポリマーの種類によっても異なるが、好ましくは108℃以上、より好ましくは110℃以上、さらに好ましくは113℃以上、特に好ましくは115℃以上である。また、第3の温度は、好ましくは128℃以下、より好ましくは125℃以下、さらに好ましくは123℃以下、特に好ましくは121℃以下である。第3の温度は、好ましくは108~128℃の範囲内、より好ましくは113~123℃の範囲内、さらに好ましくは115~121℃の範囲内である。
第3の温度で加熱する時間は、例えば1分以上、好ましくは3分以上、さらに好ましくは5分以上である。また、第3の温度で加熱する時間は、例えば10分以下である。第3の温度で加熱する時間は、例えば1~10分の範囲内、好ましくは3~10分の範囲内である。
第3の温度で加熱することは結晶成長を促進し、加熱による特性変化の抑制、圧電定数の高いフィルムを得る点で好ましい。
一方、第3の温度で加熱することは、得ようとするフィルムに応じて工業生産性の観点を優先し省略してもよい。
工程Aで調製される、非分極フィルムの厚さは、得ようとするフィルムに応じて設定すればよい。
工程B(分極処理工程)
分極処理は、慣用の方法によって行うことができ、好ましくはコロナ放電処理によって行われる。
コロナ放電処理の条件は、当該技術分野の常識に基づいて、適宜設定すればよい。コロナ放電には、負コロナ及び正コロナのいずれを用いてもよいが、非分極フィルムの分極しやすさの観点から負コロナを用いることが望ましい。
コロナ放電処理は、特に限定されないが、例えば、特開2011-181748号公報、特開2016-219804号公報に記載のように非分極フィルムに対して線状電極を用いて印加を実施すること;非分極フィルムに対して針状電極を用いて印加を実施すること;又は非分極フィルムに対してグリッド電極を用いて印加を実施すること、によって実施できる。
ここで、得られる分極フィルムの圧電定数d33の面内ばらつきを抑制するためには、各針状電極及び/又は線状電極とフィルムとの距離が一定であること、すなわち電極とフィルムとの間の距離にフィルム面内ばらつきが無いこと(又は極めて小さいこと)(具体的には、最長距離と最短距離の差が、好ましくは15mm以内、より好ましくは10mm以内であること)が望ましい。
また、例えば、ロール・トゥ・ロールで連続印加を実施する場合は、フィルムに一定の張力がかかるようにして、フィルムを適度且つ均一にロールに密着させることが、望ましい。
例えば、線状電極を用いてロール・トゥ・ロールで連続印加を実施する場合は、線状電極と非分極フィルムの間の距離、フィルム膜厚等によって異なるが、直流電界は、例えば、-10~-25kVの範囲内である。処理速度は、例えば、10~1200cm/分の範囲内である。
別法として、分極処理は、コロナ放電の他に、例えば非分極フィルムの両面から平板電極で挟み込んで印加することにより実施してもよい。具体的には、例えば、非分極フィルムの両面から平板電極で挟み込んで印加を実施する場合、0~400MV/m(好ましくは50~400MV/m)の範囲内の直流電界、及び0.1秒~60分間の範囲内の印加時間の条件を採用できる。
工程C(熱処理工程)
工程Cは、工程Bに対して任意の時点で、必要に応じて行われることが好ましい。すなわち、工程Cは、工程Bの前、工程Bと同時、又は工程Bの後に実施してもよい。工程Cを工程Bの後に行う場合、工程Cの熱処理は、工程Bで得られた分極化フィルム又は工程Bにおいて分極を完了した部分に対して行うことができる。すなわち、工程Bの分極処理を実施しながら、当該分極処理を終えた部分に対して工程Cの熱処理を実施してもよい。
熱処理は、特に限定されないが、例えば、前記フィルムを2枚の金属板で挟み、当該金属板を加熱すること;前記フィルムのロールを恒温槽中で加熱すること;又はロール・トゥ・ロール方式での前記フィルムの生産において、金属ロールを加熱し、前記フィルムを、当該加熱した金属ロールに接触させること;又は前記フィルムを加熱した炉の中にロール・トゥ・ロールで通していくことを含むことが好ましい。ここで、工程Cを工程Bの後に行う場合、分極化フィルムは単体で熱処理してもよいし、或いは別種のフィルム又は金属箔上に重ねて積層フィルムを作製し、これを熱処理してもよい。とりわけ、高温で熱処理する場合には後者の方法のほうが、分極化フィルムにしわが入りにくいので好ましい。
熱処理の温度は、熱処理される分極化フィルムの種類によって異なる場合があり、好ましくは(熱処理される分極化フィルムの融点-100)℃~(熱処理される分極化フィルムの融点+40)℃の範囲内である。
熱処理の温度は、具体的には、好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上、更に好ましくは90℃以上である。
また、熱処理の温度は、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
熱処理の時間は、通常、10秒間以上、好ましくは0.5分間以上、より好ましくは1分間以上、更に好ましくは2分間以上である。
また、熱処理の時間の上限は限定されないが、通常、熱処理の時間は60分間以下である。
熱処理の条件は、好ましくは90℃以上で1分間以上である。
有機圧電フィルムのロール
有機圧電フィルムは、好ましくは、ロールとして保管及び出荷され得る。
本開示の一実施態様のロールは、前記フィルムのみからなってもよく、前記フィルムに保護フィルムなどを積層させて巻いた形態でもよく、紙管等の芯、及び当該芯に巻き付けられた前記フィルムを備えてもよい。
前記フィルムのロールは、好ましくは、幅50mm以上の範囲内、かつ長さ20m以上の範囲内である。
前記フィルムのロールは、例えば、前記フィルムを、巻き出しローラーと巻き取りローラーを用いて巻き取ることにより、調製できる。
ここで、フィルムのたわみを抑制する観点で、通常行われるように、巻き出しローラーと巻き取りローラーを平行にすることが好ましい。
ローラーとしては、フィルムの滑り性を良くするため、滑り性のよいローラー、具体的にはフッ素樹脂で被覆されたローラー、メッキされたローラー、又は離型剤を塗布したローラーを用いることが好ましい。
ここで、フィルムの厚さが不均一である場合は、いわゆるロールの耳立ち(ハイエッジ;ロールの軸方向の中心部に比べて、端部が太くなること;両端部が中心部より膜厚が低い場合に両端部が中心部に比べて凹むこと;又は一方の端部からもう一方の端部に傾斜的に厚さが変化していく場合に膜厚が薄い側の端部が凹むこと)等のロールの太さの不均一さが発生し、これはシワの発生の原因になり得る。また、これは、フィルムの捲き出しの際に、フィルムのたわみ(重力による張力以外の張力がかけられていない状態での湾曲)が発生する原因となり得る。
一般に、ロールの耳立ちを防止する目的で、ロールの端となるフィルム端をスリッター耳おとし(スリット)することが行われるが、フィルムの厚さの不均一がフィルム端から広い範囲にわたる場合、耳おとしのみでは、ロールの耳立ち及び凹みの防止が困難である。
また、一般に、フィルムの幅が広い(例:幅100mm以上)ほど、及びフィルムの長さが長い(例:50m以上)ほど、前記耳立ち、前記凹み及び前記たわみが生じやすい。
しかし、前記圧電フィルムは、厚さの均一性が高いので、そのまま、又はロールの端となるフィルム端をスリッター耳おとし(スリット)することのみで、フィルムの幅が広く(例:幅100mm以上)、かつフィルムの長さが長い(例:50m以上)場合でも、前記耳立ち、前記凹み及び前記たわみが抑制されたロールにすることができる。
スリットで除去された耳(フィルム端)は、回収して、前記フィルムの原料として、リサイクルできる。
前記フィルムのロールは、太さの均一性が高く、好ましくは、ロールの軸方向の中心部の太さに対する、より太いほうの端部の太さの比が70~130%の範囲内である。これにより、前記フィルムのロールは、これから巻き出されたフィルムのたわみが抑制されている。
また、前記フィルム及びそのロールの製造に用いられるローラーは、少なくともその表面の材質が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、クロムメッキ、又はステンレス鋼(SUS)であることが好ましい。
これらのことにより、フィルムのシワを抑制できる。
圧電体
本開示の一実施態様の圧電体は、積層体であってもよく、有機圧電フィルム、及び、有機圧電フィルムの少なくとも一方の面上に設けられた電極を備えていてもよい。
前記電極の具体例は、ITO(酸化インジウム・スズ)電極、酸化スズ電極、アルミニウム電極、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子(例:銀ナノ粒子)、及び有機導電樹脂を含む。
前記圧電体は、有機圧電フィルム、有機圧電フィルムの一方の面上に設けられた正電極層(又は上部電極層)、及び有機圧電フィルムの他方の面に設けられた負電極層(又は下部電極層)を備えた積層体であってもよい。
前記圧電体は、電極層の有機圧電フィルムが積層されていない面に、絶縁層を有していてもよい。また、前記圧電体は、電極層の有機圧電フィルムが積層されていない面(又は最表面)にカバー(例:電磁シールド層)を有していてもよい。
圧電体の製造方法は、例えば、
前記有機圧電フィルムを準備する工程;及び
前記有機圧電フィルムの少なくとも一方の面上に電極を設ける工程
を含んでいる。
前記電極を設ける工程において、電極を形成する方法は、通常、熱処理を含んでおり、及びその具体例は、電極材料を物理的気相成長法(例:真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング)又は化学的気相成長法(例:プラズマCVD)により成膜する方法、及び電極材料を基板に塗布する方法を包含する。
前記熱処理の温度の下限は、例えば25℃、好ましくは40℃、より好ましくは50℃である。
前記熱処理の温度の上限は、(熱処理される分極化フィルムの融点-3℃)、例えば220℃、好ましくは180℃、より好ましくは150℃、更に好ましくは130℃である。
前記熱処理の温度は、例えば25~220℃の範囲内、好ましくは40~130℃の範囲内であることができる。
前記熱処理の時間は、通常、10秒間以上、好ましくは1分間以上、より好ましくは10分間以上、更に好ましくは15分間以上の範囲内である。
以下、実施例によって本開示の一実施態様を更に詳細に説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。
後記の実施例において、フッ化ビニリデン(VDF)/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体の重量平均分子量(Mw)は、下記条件におけるゲル浸透クロマトグラフ(GPC)によって、標準ポリスチレンを基準として算出した。
(条件)
GPC装置:TOSOH AS-8010、CO-8020及び
SIMADZURID-10A
カラム:GMHHR-H 3本
展開溶媒:ジメチルホルムアミド〔DMF〕
試料濃度:0.05質量%
後記の実施例において、フッ化ビニリデン(VDF)/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体の融点は、プラスチックの転移温度測定方法(JIS K7121)に準拠し、示差走査熱量分析(DSC)により、10℃/分の速度で昇温したときに得られる融解熱曲線における極大値として測定した。
後記の実施例においては、次の電極を使用した。
<使用電極>
(1)20mm幅(10mm厚、500mm長)の真鍮棒の中心線上に10mm間隔で電極用針(針状電極)(R=0.06mm)を1列に並べた針状電極棒
(2)(1)と同様に、15mm間隔で電極用針(R=0.06mm)を1列に並べた針状電極棒
(3)直径0.1mmのタングステン製の線状電極(500mm長)
後記の有機圧電フィルムにおいては、次の方法で、全光線透過率、内部ヘイズ値、圧電定数d33、リタデーション、及び膜厚を測定した。
<全光線透過率>
ヘイズメーター NDH-7000SP(製品名、日本電色工業)を使用し、JIS K-7361に準拠し測定した。
<内部ヘイズ値>
石英製セルの中に水を入れ、その中にフィルムを挿入し、NDH-7000SP(製品名、日本電色工業)を使用し、JIS K-7136に準拠し測定した。
<圧電定数d33
圧電定数d33の測定は、PIEZOTEST社のピエゾメーターシステムPM300を用いて測定した。当該測定では、1Nでサンプルをクリップし、1.0N、110Hzの力を加えた際の発生電荷を読み取った。
<結晶化度>
開口部が設けられたサンプルホルダにフィルム試料を直接載置し、回折角2θが10~40°である範囲にわたってX線回折測定を行った。得られたX線回折パターンにおいて、10°の回折角2θにおける回折強度と、25°の回折角2θにおける回折強度とを結ぶ直線をベースラインとして設定し、及び当該ベースラインと回折強度曲線とで囲まれる領域を、プロファイルフィッティングにより2つの対称性ピークに分離し、このうち、回折角2θの大きい方を結晶性ピークと認定し、且つ回折角2θの小さい方を非晶性ハローピークと認定した。
結晶化度は、100×(結晶性ピークの面積)/(結晶性ピークの面積と非晶性ハローピークの面積との和)により算出した。
<YI値>
YI値は、JIS K7105に準拠して測定した。
<残留分極量>
20mm×20mmに切り出した試料フィルムの中央部5mm×5mmにアルミニウム電極(平面電極)を真空加工蒸着によりパターニングした。この平面電極に、絶縁テープを貼り付けて補強したアルミニウム箔製の2本のリード(3mm×80mm)の電極を、導電性両面テープで平面電極に接着した。この試料フィルム、ファンクションジェネレーター、高圧アンプ、およびオシロスコープをソーヤータワー回路に組み込み、三角波を試料フィルムに印加(最大±10kV)した。試料フィルムの応答を、オシロスコープを用いて測定することにより、印加電界80MV/mにおける残留分極量を求めた。
<リタデーション>
リタデーションは、フィルムのサンプルを2cm×2cm以上の大きさに切り出して、位相差フィルム・光学材料検査装置 RETS-100(製品名、大塚電子)を用いた測定によって、決定した。リタデーションの数値としては、550nmの値を採用した。
<膜厚>
フィルムの平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において膜厚を光電式デジタル測長システム(デジマイクロMH-15M、Nikon社製)を用いて測定し、平均値からフィルムの膜厚を算出した。
<平均結晶長及び最大結晶長>
フィルム試料表面の走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)像を観察した。構成する針状結晶の大きさに応じて1000~10万倍の範囲内から選択される倍率で電子顕微鏡画像による観察を行った。ただし、試料、観察条件、及び倍率は下記の条件(1)及び(2)を満たすように調整した。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、この直線Xに対し、20本以上の針状結晶が交差する。
(2)同じ観察画像内で直線Xと垂直に交差する直線Yを引き、直線Yに対し、20本以上の針状結晶が交差する。
得られた電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する針状結晶、直線Yに交錯する針状結晶の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の結晶長(針状結晶の長径)を読み取った。このような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の結晶長を読み取った。このように読み取った結晶長を平均して平均結晶長を求め、最も長い結晶長を最大結晶長とした。
<平均結晶幅>
平均結晶幅は、平均結晶長を測定する際に使用した電子顕微鏡観察画像を解析することにより求めた。具体的には、上記の電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する針状結晶、直線Yに交錯する結晶の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の結晶幅(針状結晶の短径)を読み取った。このような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の結晶幅を読み取った。このように読み取った結晶幅を平均して平均結晶幅を求めた。
[実施例1~6及び比較例1~3]
フッ化ビニリデン(VDF)/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体[VDF/TFE=75/25(モル比)、重量平均分子量(Mw)=105万、融点=131.6℃]をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ固形分20wt%の塗料を調製した。その後、バーコーターを用いてPETフィルム上に前記塗料を流延(キャスティング)し、及び80℃で10分加熱乾燥を行って共重合体フィルムを形成し、表1に示す第2の温度で0.5時間処理した。
PETフィルムから共重合体フィルムを剥がしたところ、表1に示す膜厚であった。当該共重合体フィルムについて下記の分極処理を実施した。
分極処理
ISOクラス7のクリーンルーム(湿度20~30%)の中で、図1にその概要を示したように、アースされたステージ1(長さ320mm、幅220mm)であるSUS製のグランド電極を25℃に保ち、このグランド電極上に50mm×50mmに切り出した非分極共重合体フィルム2を設置した。その上に340×240mmのPETフィルム3を、その中央部分が非分極共重合体フィルム2の中央部分を覆うように設置した。上部電極として、共重合体フィルムから10mm上空に離れた位置に10mm間隔で配置された針状電極(第1電極E1)と、1本のタングステンワイヤー(r=0.1mm)からなるワイヤ電極(第2電極E2)をグランド電極の上面に平行になるように渡し、この針状電極、ワイヤ電極に加える直流電圧を0kVから印加電圧である11kV、15kV(トレック社製610Dの高圧電源)にそれぞれ設定した。
ステージ1に配置した非分極共重合体フィルム2を、ステージ1の移動速度3000mm/minで、針状電極E1及びワイヤ電極E2を通過させ分極処理を実施した。得られた分極共重合体フィルムを80℃に保持した乾燥炉に静置し熱処理を行い、有機圧電フィルムを得た。
なお、実施例1及び比較例3の走査型電子顕微鏡像を図2に示す。
[実施例7~9]
第2の温度で加熱した後、さらに表1に示す第3の温度で10分間加熱した以外は、実施例1と同様の手順により、有機圧電フィルムを得た。
[実施例10及び比較例4]
フッ化ビニリデン(VDF)/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体[VDF/TFE=80/20(モル比)、重量平均分子量(Mw)=23万、融点=124.9℃]をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ固形分20wt%の塗料を調製した。それ以降は実施例1と同様の手順により、有機圧電フィルムを得た。
[実施例11及び15]
フッ化ビニリデン(VDF)/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体[VDF/TFE=67/33(モル比)、重量平均分子量(Mw)=67万、融点=146.8℃]をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ固形分20wt%の塗料を調製した。それ以降は実施例1~6と同様の手順により、有機圧電フィルムを得た。
[実施例12~14]
フッ化ビニリデン(VDF)/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体[VDF/TFE=74/26(モル比)、重量平均分子量(Mw)=73万、融点=133.4℃]をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ固形分14wt%の塗料を調製した。その後、当該塗料をフィルターで濾過し、当該濾液をPETフィルム上にダイコーターで塗布した。さらに乾燥を行うことによって、PETフィルム上に共重合体フィルムを形成した。この際、前記乾燥は、4つのゾーン(1ゾーンあたり2m)の乾燥温度をそれぞれ80℃/100℃/129℃/129℃に設定した乾燥炉において行った。
PETフィルムから共重合体フィルムを剥がしたところ、表1に示す膜厚であった。当該共重合体フィルムについて線状電極を用いてロール・トゥ・ロールで連続印加を行い分極処理を実施した。それ以降は実施例1と同様の手順により、有機圧電フィルムを得た。
[比較例5]
フッ化ビニリデン(VDF)/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体[VDF/TFE=80/20(モル比)、重量平均分子量(Mw)=23万、融点=124.9℃]をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ固形分20wt%の塗料を調製した。それ以降は実施例7と同様の手順により、有機圧電フィルムを得た。
実施例及び比較例により作製された有機圧電フィルムの評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 2023043871000003
Figure 2023043871000004

Claims (15)

  1. 全光線透過率が90%以上であり、
    単位膜厚あたりの内部ヘイズ値が0.2%/μm以下であり、
    110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上である、
    有機圧電フィルム。
  2. フッ化ビニリデン系共重合体フィルムからなる、請求項1に記載の有機圧電フィルム。
  3. 前記フッ化ビニリデン系共重合体が、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、及びフッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項2に記載の有機圧電フィルム。
  4. 前記フッ化ビニリデン系共重合体において、フッ化ビニリデンの組成比率が60~85モル%の範囲内である、請求項2に記載の有機圧電フィルム。
  5. 膜厚が10nm~1000μmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
  6. リタデーションが500nm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
  7. YI値が4以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
  8. 残留分極量が40mC/m以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
  9. 開口部が設けられたサンプルホルダにフィルム試料を直接載置し、回折角2θが10~40°である範囲にわたってX線回折測定を行ったときに得られるX線回折パターンにおいて、
    10°の回折角2θにおける回折強度と、25°の回折角2θにおける回折強度とを結ぶ直線をベースラインとして設定し、及び
    当該ベースラインと回折強度曲線とで囲まれる領域を、プロファイルフィッティングにより2つの対称性ピークに分離し、
    このうち、回折角2θの大きい方を結晶性ピークと認定し、且つ回折角2θの小さい方を非晶性ハローピークと認定した場合に、
    100×(結晶性ピークの面積)/(結晶性ピークの面積と非晶性ハローピークの面積との和)で表される結晶化度が40%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
  10. 針状の結晶を含有するフッ化ビニリデン系共重合体フィルムからなり、
    最大結晶長が800nm以下であり、
    110℃で10分加熱した後の圧電定数d33が10pC/N以上である、
    有機圧電フィルム。
  11. 平均結晶長が450nm以下である、請求項10に記載の有機圧電フィルム。
  12. 開口部が設けられたサンプルホルダにフィルム試料を直接載置し、回折角2θが10~40°である範囲にわたってX線回折測定を行ったときに得られるX線回折パターンにおいて、
    10°の回折角2θにおける回折強度と、25°の回折角2θにおける回折強度とを結ぶ直線をベースラインとして設定し、及び
    当該ベースラインと回折強度曲線とで囲まれる領域を、プロファイルフィッティングにより2つの対称性ピークに分離し、
    このうち、回折角2θの大きい方を結晶性ピークと認定し、且つ回折角2θの小さい方を非晶性ハローピークと認定した場合に、
    100×(結晶性ピークの面積)/(結晶性ピークの面積と非晶性ハローピークの面積との和)で表される結晶化度が40%以上である、請求項10に記載の有機圧電フィルム。
  13. センサ、アクチュエータ、タッチパネル、ハプティックデバイス、振動発電装置、スピーカー、及びマイクからなる群より選択される1種以上に使用するための、請求項1~4及び10~12のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム。
  14. 積層体であり、
    請求項1~4及び10~12のいずれか一項に記載の有機圧電フィルム、及び
    前記有機圧電フィルムの少なくとも一方の面上に設けられた電極を備える圧電体。
  15. キャスティング法により無延伸かつ非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを調製する工程A;
    前記無延伸かつ非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを分極処理する工程B;及び
    工程Bに対して任意の時点で、無延伸のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを熱処理する工程C
    を含む有機圧電フィルムの製造方法であって、
    工程Aが、フッ化ビニリデン系重合体の融点をT℃としたとき、(T-10)℃~(T+5)℃の範囲内で加熱する工程A3を含む、有機圧電フィルムの製造方法。
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